JPH0940606A - トランス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法 - Google Patents
トランス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法Info
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- JPH0940606A JPH0940606A JP7212434A JP21243495A JPH0940606A JP H0940606 A JPH0940606 A JP H0940606A JP 7212434 A JP7212434 A JP 7212434A JP 21243495 A JP21243495 A JP 21243495A JP H0940606 A JPH0940606 A JP H0940606A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】 4−置換安息香酸を、アルカリ性水溶液
中、水素化触媒の存在下、50〜150℃で接触水素還
元し、該4−置換安息香酸の芳香環を水素化した後、水
素化触媒をろ別すること無く、反応系内の水素圧を常圧
に調整し、次いで同一の反応系内において反応系内を2
00〜400℃に加熱して一般式2のトランス−4−置
換シクロヘキサンカルボン酸の製造する。 (Rは炭素数1〜18のアルキル基またはアルコキシル
基) 【効果】 副生成物の生成や装置等の腐食の問題がな
く、しかも効率よくトランス−4−置換シクロヘキサン
カルボン酸を製造できる。
中、水素化触媒の存在下、50〜150℃で接触水素還
元し、該4−置換安息香酸の芳香環を水素化した後、水
素化触媒をろ別すること無く、反応系内の水素圧を常圧
に調整し、次いで同一の反応系内において反応系内を2
00〜400℃に加熱して一般式2のトランス−4−置
換シクロヘキサンカルボン酸の製造する。 (Rは炭素数1〜18のアルキル基またはアルコキシル
基) 【効果】 副生成物の生成や装置等の腐食の問題がな
く、しかも効率よくトランス−4−置換シクロヘキサン
カルボン酸を製造できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランス−4−置
換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法に関する。
換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ、パソコン、ワープロ等種
々の画面表示に、液晶を用いたフラットパネルディスプ
レイが使用されるようになった。こうした用途に用いら
れる液晶の物性としては、液晶の粘性によりスイッチ・
オンオフ時間が左右されることからその粘性が低いこ
と、また戸外での使用もありうることから耐光性、耐水
性などの化学的安定性などが要求されている。このよう
な特徴を有する液晶化合物を製造する際の有用な中間体
としては4−置換シクロヘキサンカルボン酸が賞用され
ているが、4−置換シクロヘキサンカルボン酸の液晶性
はその置換基とカルボキシル基のそれぞれの立体配置に
より著しく異なるため、液晶中間体として用いられてい
るのはトランス体のみである。したがって、トランス−
4−置換シクロヘキサンカルボン酸を製造する方法は極
めて重要である。
々の画面表示に、液晶を用いたフラットパネルディスプ
レイが使用されるようになった。こうした用途に用いら
れる液晶の物性としては、液晶の粘性によりスイッチ・
オンオフ時間が左右されることからその粘性が低いこ
と、また戸外での使用もありうることから耐光性、耐水
性などの化学的安定性などが要求されている。このよう
な特徴を有する液晶化合物を製造する際の有用な中間体
としては4−置換シクロヘキサンカルボン酸が賞用され
ているが、4−置換シクロヘキサンカルボン酸の液晶性
はその置換基とカルボキシル基のそれぞれの立体配置に
より著しく異なるため、液晶中間体として用いられてい
るのはトランス体のみである。したがって、トランス−
4−置換シクロヘキサンカルボン酸を製造する方法は極
めて重要である。
【0003】従来より、かかるトランス−4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸を製造する方法としては、(i)
4−置換安息香酸からトランス−4−置換シクロヘキサ
ンカルボン酸を選択的に製造する方法や、(ii)シス
−4−置換シクロヘキサンカルボン酸をトランス体に異
性化する方法等の種々の方法が知られている。
ロヘキサンカルボン酸を製造する方法としては、(i)
4−置換安息香酸からトランス−4−置換シクロヘキサ
ンカルボン酸を選択的に製造する方法や、(ii)シス
−4−置換シクロヘキサンカルボン酸をトランス体に異
性化する方法等の種々の方法が知られている。
【0004】(i)4−置換安息香酸からトランス−4
−置換シクロヘキサンカルボン酸を選択的に製造する方
法としては、たとえば、4−置換安息香酸のアルカリ金
属塩を、水または水性溶媒中、水素化触媒の存在下に、
芳香環を接触水素還元する方法が知られている。この方
法においては、反応温度が150℃以下の場合にはシス
体の割合が多くなるため、熱力学的に安定なトランス体
の選択的な製造は、200℃以上の高温で行わなければ
ならない。しかし、高温で反応を行うとトランス体の選
択率は向上するが脱炭酸等によりアルキルシクロヘキサ
ン等を副生し、精製が困難になり、収率も低い。また、
4−置換安息香酸を、金属ナトリウムから調整したナト
リウムアルコラート・アルコール溶液中で還流させる方
法も知られている。しかし、この方法により得られる、
4−置換シクロヘキサンカルボン酸のシス/トランスの
比率(モル比をいう、以下同様)は40/60程度であ
り、また金属ナトリウムを使用することから工業的に有
利な製造法とはいえない。このように4−置換安息香酸
からトランス体比率の高い4−置換シクロヘキサンカル
ボン酸を直接製造する工業的に有利な製造方法は見出さ
れていない。
−置換シクロヘキサンカルボン酸を選択的に製造する方
法としては、たとえば、4−置換安息香酸のアルカリ金
属塩を、水または水性溶媒中、水素化触媒の存在下に、
芳香環を接触水素還元する方法が知られている。この方
法においては、反応温度が150℃以下の場合にはシス
体の割合が多くなるため、熱力学的に安定なトランス体
の選択的な製造は、200℃以上の高温で行わなければ
ならない。しかし、高温で反応を行うとトランス体の選
択率は向上するが脱炭酸等によりアルキルシクロヘキサ
ン等を副生し、精製が困難になり、収率も低い。また、
4−置換安息香酸を、金属ナトリウムから調整したナト
リウムアルコラート・アルコール溶液中で還流させる方
法も知られている。しかし、この方法により得られる、
4−置換シクロヘキサンカルボン酸のシス/トランスの
比率(モル比をいう、以下同様)は40/60程度であ
り、また金属ナトリウムを使用することから工業的に有
利な製造法とはいえない。このように4−置換安息香酸
からトランス体比率の高い4−置換シクロヘキサンカル
ボン酸を直接製造する工業的に有利な製造方法は見出さ
れていない。
【0005】一方、(ii)シス−4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸をトランス体に異性化する方法として
は、シス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸を、塩
酸中、240℃に加熱してトランス体に異性化する方
法、シス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸エステ
ルの水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド等の強ア
ルカリを用いてカルボニル基のα位のプロトン引き抜き
を行い、加熱することによりトランス体に異性化する方
法、シス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸をアル
カリ性水溶液中、250〜400℃の高温でトランス体
に熱異性化する方法等が知られている。しかし、上記い
ずれの方法においても、原料となるシス−4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸は、4−置換安息香酸を水素化触
媒の存在下に接触水素還元することにより製造されてい
るため、当該シス体を効率よくトランス体に異性化する
ためには、まずシス−4−置換シクロヘキサンカルボン
酸から水素化触媒等を除去しなければならず操作が煩雑
であるといった作業上の問題がある。また、の方法で
は高温下に強酸を使用するため、耐酸性の耐圧反応装置
が必要であり、また脱炭酸等の副反応も生じ易く、収率
が低いこと、の方法では異性化にあたって、シス−4
−置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基をエ
ステル化しなけらばならず、さらには異性化後にエステ
ルを加水分解する必要があり非効率的である等の問題も
ある。このように、シス−4−置換シクロヘキサンカル
ボン酸をトランス体に変換する方法も工業的に有利な製
造方法は見出されていない。
サンカルボン酸をトランス体に異性化する方法として
は、シス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸を、塩
酸中、240℃に加熱してトランス体に異性化する方
法、シス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸エステ
ルの水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド等の強ア
ルカリを用いてカルボニル基のα位のプロトン引き抜き
を行い、加熱することによりトランス体に異性化する方
法、シス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸をアル
カリ性水溶液中、250〜400℃の高温でトランス体
に熱異性化する方法等が知られている。しかし、上記い
ずれの方法においても、原料となるシス−4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸は、4−置換安息香酸を水素化触
媒の存在下に接触水素還元することにより製造されてい
るため、当該シス体を効率よくトランス体に異性化する
ためには、まずシス−4−置換シクロヘキサンカルボン
酸から水素化触媒等を除去しなければならず操作が煩雑
であるといった作業上の問題がある。また、の方法で
は高温下に強酸を使用するため、耐酸性の耐圧反応装置
が必要であり、また脱炭酸等の副反応も生じ易く、収率
が低いこと、の方法では異性化にあたって、シス−4
−置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基をエ
ステル化しなけらばならず、さらには異性化後にエステ
ルを加水分解する必要があり非効率的である等の問題も
ある。このように、シス−4−置換シクロヘキサンカル
ボン酸をトランス体に変換する方法も工業的に有利な製
造方法は見出されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、副生成物の
生成や装置等の腐食の問題がなく、しかもトランス−4
−置換シクロヘキサンカルボン酸を効率よく製造する方
法を提供することを目的とする。
生成や装置等の腐食の問題がなく、しかもトランス−4
−置換シクロヘキサンカルボン酸を効率よく製造する方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、4−置換安息香酸の
芳香環を、副生成物が生成しない条件で水素化した後、
触媒をろ別すること無く、同一の反応系内において、熱
異性化を行えば、効率よくトランス−4−置換シクロヘ
キサンカルボン酸を製造できることを見出した。本発明
はかかる新たな知見に基づいて完成されたものである。
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、4−置換安息香酸の
芳香環を、副生成物が生成しない条件で水素化した後、
触媒をろ別すること無く、同一の反応系内において、熱
異性化を行えば、効率よくトランス−4−置換シクロヘ
キサンカルボン酸を製造できることを見出した。本発明
はかかる新たな知見に基づいて完成されたものである。
【0008】すなわち、本発明は、一般式(1):
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基
またはアルコキシル基)で表される4−置換安息香酸
を、アルカリ性水溶液中、水素化触媒の存在下、50〜
150℃で接触水素還元し、該4−置換安息香酸の芳香
環を水素化した後、水素化触媒をろ別すること無く、反
応系内の水素圧を常圧に調整し、次いで同一の反応系内
において反応系内を200〜400℃に加熱することを
特徴とする一般式(2):
またはアルコキシル基)で表される4−置換安息香酸
を、アルカリ性水溶液中、水素化触媒の存在下、50〜
150℃で接触水素還元し、該4−置換安息香酸の芳香
環を水素化した後、水素化触媒をろ別すること無く、反
応系内の水素圧を常圧に調整し、次いで同一の反応系内
において反応系内を200〜400℃に加熱することを
特徴とする一般式(2):
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Rは前記と同じ)で表されるトラ
ンス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法に
関する。
ンス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法に
関する。
【0013】本発明の原料となる前記一般式(1)で表
される4−置換安息香酸(以下、単に4−置換安息香酸
という)としては、各種公知のものを使用できる。な
お、Rとしては、直鎖または分岐鎖のアルキル基、環化
してシクロ環を形成しているシクロアルキル基などがあ
げられ、アルキル基中には不斉炭素を含んでいてもよ
い。また、アルコキシル基とは、前記アルキル基を有す
るアルコキシル基をいう。
される4−置換安息香酸(以下、単に4−置換安息香酸
という)としては、各種公知のものを使用できる。な
お、Rとしては、直鎖または分岐鎖のアルキル基、環化
してシクロ環を形成しているシクロアルキル基などがあ
げられ、アルキル基中には不斉炭素を含んでいてもよ
い。また、アルコキシル基とは、前記アルキル基を有す
るアルコキシル基をいう。
【0014】本発明では、まず、前記4−置換安息香酸
を、アルカリ性水溶液中、水素化触媒の存在下、50〜
150℃で接触水素還元し、該4−置換安息香酸の芳香
環を水素化する。
を、アルカリ性水溶液中、水素化触媒の存在下、50〜
150℃で接触水素還元し、該4−置換安息香酸の芳香
環を水素化する。
【0015】アルカリ性水溶液とは、4−置換安息香酸
を水溶液中においてアルカリ塩の状態にできるものであ
り、通常は、水にアルカリ性化合物を加えて調製され
る。アルカリ性化合物としては、アルカリ金属化合物が
好ましく、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等があげられ、その使用量は4−
置換安息香酸1モル部に対し、1モル部以上である。ア
ルカリ性化合物が1モル部未満では4−置換安息香酸の
全てをアルカリ塩にできない。ただし、アルカリ性化合
物の使用量が増加すると反応液のpH値が上昇し、熱異
性化時における分解が促進されるため、通常は4−置換
安息香酸1モル部に対し、アルカリ性化合物の使用量を
1モル部にするのが好ましい。
を水溶液中においてアルカリ塩の状態にできるものであ
り、通常は、水にアルカリ性化合物を加えて調製され
る。アルカリ性化合物としては、アルカリ金属化合物が
好ましく、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等があげられ、その使用量は4−
置換安息香酸1モル部に対し、1モル部以上である。ア
ルカリ性化合物が1モル部未満では4−置換安息香酸の
全てをアルカリ塩にできない。ただし、アルカリ性化合
物の使用量が増加すると反応液のpH値が上昇し、熱異
性化時における分解が促進されるため、通常は4−置換
安息香酸1モル部に対し、アルカリ性化合物の使用量を
1モル部にするのが好ましい。
【0016】また、4−置換安息香酸を含有するアルカ
リ性水溶液(4−置換安息香酸のアルカリ塩)の水溶液
濃度は1〜40重量%程度が適当であり、pHは、通常
7〜11程度に調整するのがよい。
リ性水溶液(4−置換安息香酸のアルカリ塩)の水溶液
濃度は1〜40重量%程度が適当であり、pHは、通常
7〜11程度に調整するのがよい。
【0017】水素化触媒としては、例えば白金、パラジ
ウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル等の金属があげ
られる。かかる水素化触媒は多孔質で表面積の大きなア
ルミナ、シリカ(けいそう土)、カーボン、チタニア等
の坦体に坦持したものを用いてもよい。本発明ではかか
る水素化触媒の中でもルテニウム坦持カーボンを使用す
るのが好ましい。水素化触媒(坦体坦持物の場合はその
坦体坦持物中の金属量をいう)の使用量は特に制限され
ないが、通常、4−置換安息香酸の0.05〜1重量%
程度、好ましくは0.1〜0.5重量%である。水素化
触媒の使用量が1重量%を超える場合にはコスト的に不
利であり、また0.05重量%に満たない場合には反応
時間が長くなり、いずれの場合にも好ましくない。
ウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル等の金属があげ
られる。かかる水素化触媒は多孔質で表面積の大きなア
ルミナ、シリカ(けいそう土)、カーボン、チタニア等
の坦体に坦持したものを用いてもよい。本発明ではかか
る水素化触媒の中でもルテニウム坦持カーボンを使用す
るのが好ましい。水素化触媒(坦体坦持物の場合はその
坦体坦持物中の金属量をいう)の使用量は特に制限され
ないが、通常、4−置換安息香酸の0.05〜1重量%
程度、好ましくは0.1〜0.5重量%である。水素化
触媒の使用量が1重量%を超える場合にはコスト的に不
利であり、また0.05重量%に満たない場合には反応
時間が長くなり、いずれの場合にも好ましくない。
【0018】接触水素還元の際の、反応温度は、50〜
150℃、好ましくは75〜125℃である。反応温度
が150℃を超える場合には水素化分解が起こって副生
物が多くなり、50℃に満たない場合には反応時間が長
くなる。また、反応圧力は、通常1〜150Kg/cm
2 程度、好ましくは5〜50Kg/cm2 である。反応
圧力が150Kg/cm2 を超える場合には耐圧の大き
い反応器が必要になり設備面で不利がある。また、接触
水素還元の反応時間は30分〜8時間程度であり、通常
30分〜2時間で良好な結果が得られる。
150℃、好ましくは75〜125℃である。反応温度
が150℃を超える場合には水素化分解が起こって副生
物が多くなり、50℃に満たない場合には反応時間が長
くなる。また、反応圧力は、通常1〜150Kg/cm
2 程度、好ましくは5〜50Kg/cm2 である。反応
圧力が150Kg/cm2 を超える場合には耐圧の大き
い反応器が必要になり設備面で不利がある。また、接触
水素還元の反応時間は30分〜8時間程度であり、通常
30分〜2時間で良好な結果が得られる。
【0019】かかる接触水素還元により、4−置換安息
香酸の芳香環は水素化され、通常、シス/トランスの比
率が80/20〜60/40の4−置換シクロヘキサン
カルボン酸が得られる。
香酸の芳香環は水素化され、通常、シス/トランスの比
率が80/20〜60/40の4−置換シクロヘキサン
カルボン酸が得られる。
【0020】次いで、本発明では、得られた4−置換シ
クロヘキサンカルボン酸を含有する反応系から、触媒を
ろ別すること無く、そのままの状態で、反応系内の水素
圧を常圧に調整した後、同一の反応系内において4−置
換シクロヘキサンカルボン酸のシス体をトランス体に異
性化させる。このように本発明においては、触媒をろ別
すること無く、同一の反応系内において異性化を行うた
め、従来別々の反応容器で行われていた反応を同一の反
応系内において行うことができ作業効率が向上する。異
性化温度は、反応系内の温度を200〜400℃に加熱
することにより行う。好ましくは250℃〜275℃で
ある。異性化温度が250℃に満たない場合には反応時
間が長くなる。また。400℃を越える場合には熱分解
を生じ収率が悪くなる。異性化の時間は通常、2時間〜
20時間程度、好ましくは5〜10時間である。
クロヘキサンカルボン酸を含有する反応系から、触媒を
ろ別すること無く、そのままの状態で、反応系内の水素
圧を常圧に調整した後、同一の反応系内において4−置
換シクロヘキサンカルボン酸のシス体をトランス体に異
性化させる。このように本発明においては、触媒をろ別
すること無く、同一の反応系内において異性化を行うた
め、従来別々の反応容器で行われていた反応を同一の反
応系内において行うことができ作業効率が向上する。異
性化温度は、反応系内の温度を200〜400℃に加熱
することにより行う。好ましくは250℃〜275℃で
ある。異性化温度が250℃に満たない場合には反応時
間が長くなる。また。400℃を越える場合には熱分解
を生じ収率が悪くなる。異性化の時間は通常、2時間〜
20時間程度、好ましくは5〜10時間である。
【0021】また、反応系内の水素圧を常圧に調整し、
次いで反応系内の水素を不活性ガスまたは二酸化炭素に
置換した後、上記と同様の異性化を行えば、更にトラン
ス体の比率を多くすることができる。反応系内を不活性
ガスまたは二酸化炭素に置換する場合には、反応系内の
水素を完全に置換することもでき、反応系内の水素の一
部を置換することもできる。不活性ガスとしては窒素、
ヘリウム、アルゴン等があげられる。なお、不活性ガス
または二酸化炭素の充填圧力は、常圧で十分である。
次いで反応系内の水素を不活性ガスまたは二酸化炭素に
置換した後、上記と同様の異性化を行えば、更にトラン
ス体の比率を多くすることができる。反応系内を不活性
ガスまたは二酸化炭素に置換する場合には、反応系内の
水素を完全に置換することもでき、反応系内の水素の一
部を置換することもできる。不活性ガスとしては窒素、
ヘリウム、アルゴン等があげられる。なお、不活性ガス
または二酸化炭素の充填圧力は、常圧で十分である。
【0022】上記異性化により、4−置換シクロヘキサ
ンカルボン酸のシス/トランスの比率は30/70〜1
5/85になり、トランス体の比率が高くなる。特に、
反応系内を二酸化炭素に置換して異性化を行った場合に
トランス体比率の高い4−置換シクロヘキサンカルボン
酸が得られる。
ンカルボン酸のシス/トランスの比率は30/70〜1
5/85になり、トランス体の比率が高くなる。特に、
反応系内を二酸化炭素に置換して異性化を行った場合に
トランス体比率の高い4−置換シクロヘキサンカルボン
酸が得られる。
【0023】なお、異性化の終了後には、4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸のアルカリ塩は、硫酸、塩酸等の
鉱酸によって中和したのち、有機溶媒でこれを抽出し、
濃縮、乾燥し、4−置換シクロヘキサンカルボン酸にす
る。
ロヘキサンカルボン酸のアルカリ塩は、硫酸、塩酸等の
鉱酸によって中和したのち、有機溶媒でこれを抽出し、
濃縮、乾燥し、4−置換シクロヘキサンカルボン酸にす
る。
【0024】このようにして得られた、トランス体の比
率の高い4−置換シクロヘキサンカルボン酸は、さらに
再結晶によりシス体を含まないトランス−4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸に精製される。再結晶の溶媒とし
ては、特に限定されないが、通常、メタノール、エタノ
ール、ヘキサン、アセトン、アセトニトリル、水または
これらの混合溶媒を使用できる。かかる溶媒の中でもア
セトニトリルを使用するのが好ましい。
率の高い4−置換シクロヘキサンカルボン酸は、さらに
再結晶によりシス体を含まないトランス−4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸に精製される。再結晶の溶媒とし
ては、特に限定されないが、通常、メタノール、エタノ
ール、ヘキサン、アセトン、アセトニトリル、水または
これらの混合溶媒を使用できる。かかる溶媒の中でもア
セトニトリルを使用するのが好ましい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、副生成物の生成や装置
等の腐食の問題がなく、しかも効率よくトランス−4−
置換シクロヘキサンカルボン酸を製造することができ
る。
等の腐食の問題がなく、しかも効率よくトランス−4−
置換シクロヘキサンカルボン酸を製造することができ
る。
【0026】
【実施例】以下に、実施例および比較例によって本発明
を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。なお、4−置換シクロヘキサンカル
ボン酸のシス/トランスの比率は、ベンゼン/メタノー
ル溶液中にてトリメチルシリルジアゾメタンを用いてメ
チル化し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行っ
た。
を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。なお、4−置換シクロヘキサンカル
ボン酸のシス/トランスの比率は、ベンゼン/メタノー
ル溶液中にてトリメチルシリルジアゾメタンを用いてメ
チル化し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行っ
た。
【0027】実施例1(二酸化炭素雰囲気下におけるト
ランス−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の
製造) ビーカーに水370g、水酸化ナトリウム30g(0.
75モル)および4−n−プロピル安息香酸123.1
g(0.75モル)を加えて撹拌し、4−n−プロピル
安息香酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液と、
触媒として用いる5重量%ルテニウム担持カーボン6.
2gとをオートクレーブに仕込み、オートクレーブを水
素置換した後、昇温、昇圧し、反応温度100〜130
℃、反応圧力50Kg/cm2 に保って撹拌しながら、
水素吸収が無くなるまで水素を供給した。反応時間は
1.5時間であった。反応終了後、オートクレーブを室
温に冷却してから、常圧に戻した。次いで、オートクレ
ーブ中の水素を二酸化炭素に置換した後、昇温し、27
0℃で8時間撹拌し、異性化反応を行った。異性化反応
後、オートクレーブを室温に冷却した後に、反応生成物
を取り出した。さらに反応生成物に水酸化ナトリウム3
0gを加え、析出した結晶を溶解した後、触媒をろ別し
た。
ランス−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の
製造) ビーカーに水370g、水酸化ナトリウム30g(0.
75モル)および4−n−プロピル安息香酸123.1
g(0.75モル)を加えて撹拌し、4−n−プロピル
安息香酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液と、
触媒として用いる5重量%ルテニウム担持カーボン6.
2gとをオートクレーブに仕込み、オートクレーブを水
素置換した後、昇温、昇圧し、反応温度100〜130
℃、反応圧力50Kg/cm2 に保って撹拌しながら、
水素吸収が無くなるまで水素を供給した。反応時間は
1.5時間であった。反応終了後、オートクレーブを室
温に冷却してから、常圧に戻した。次いで、オートクレ
ーブ中の水素を二酸化炭素に置換した後、昇温し、27
0℃で8時間撹拌し、異性化反応を行った。異性化反応
後、オートクレーブを室温に冷却した後に、反応生成物
を取り出した。さらに反応生成物に水酸化ナトリウム3
0gを加え、析出した結晶を溶解した後、触媒をろ別し
た。
【0028】反応液(ろ液)に濃塩酸79mlを加えて
pH2とし、析出した結晶を酢酸エチル300mlによ
り3回抽出した後、有機層を飽和食塩水300mlによ
り洗浄した。さらに、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
した後、酢酸エチルを留去し、粗4−n−プロピルシク
ロヘキサンカルボン酸122.2g(0.72モル、ガ
スクロマトグラフィーによる純度96.4重量%、収率
95.8モル%)を得た。粗4−n−プロピルシクロヘ
キサンカルボン酸のシス/トランスの比率は21.7/
78.3であった。
pH2とし、析出した結晶を酢酸エチル300mlによ
り3回抽出した後、有機層を飽和食塩水300mlによ
り洗浄した。さらに、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
した後、酢酸エチルを留去し、粗4−n−プロピルシク
ロヘキサンカルボン酸122.2g(0.72モル、ガ
スクロマトグラフィーによる純度96.4重量%、収率
95.8モル%)を得た。粗4−n−プロピルシクロヘ
キサンカルボン酸のシス/トランスの比率は21.7/
78.3であった。
【0029】なお、得られた粗4−n−プロピルシクロ
ヘキサンカルボン酸は再結晶により純度を向上させた
(ただし、実施例2〜5、比較例1については再結晶の
操作は省略した)。すなわち、撹拌機、温度計、冷却管
を備えたフラスコに、得られた粗4−n−プロピルシク
ロヘキサンカルボン酸と同重量のアセトニトリルを入
れ、60℃に昇温し溶解した後、空冷し、40℃前後で
結晶が晶出した。その後、0℃まで冷却し、1時間撹拌
後、ろ過、乾燥し、4−n−プロピルシクロヘキサンカ
ルボン酸の1次晶84.8g(ガスクロマトグラフィ−
による純度99.5重量%、収率69.5モル%)を得
た。シス/トランス比は6.2/93.3であった。さ
らに、4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の1
次晶をアセトニトリルにより同様に再結晶した。4−n
−プロピルシクロヘキサンカルボン酸のトランス体の比
率が向上しているため、50℃前後で結晶が晶出した。
その後、ろ過、乾燥し、目的とする4−n−プロピルシ
クロヘキサンカルボン酸73.0g(ガスクロマトグラ
フィーによる純度100重量%、収率86.9モル%)
を得た。シス/トランスの比率は0.2/99.8であ
った。再結晶2回の総収率は60.4モル%であった。
ヘキサンカルボン酸は再結晶により純度を向上させた
(ただし、実施例2〜5、比較例1については再結晶の
操作は省略した)。すなわち、撹拌機、温度計、冷却管
を備えたフラスコに、得られた粗4−n−プロピルシク
ロヘキサンカルボン酸と同重量のアセトニトリルを入
れ、60℃に昇温し溶解した後、空冷し、40℃前後で
結晶が晶出した。その後、0℃まで冷却し、1時間撹拌
後、ろ過、乾燥し、4−n−プロピルシクロヘキサンカ
ルボン酸の1次晶84.8g(ガスクロマトグラフィ−
による純度99.5重量%、収率69.5モル%)を得
た。シス/トランス比は6.2/93.3であった。さ
らに、4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の1
次晶をアセトニトリルにより同様に再結晶した。4−n
−プロピルシクロヘキサンカルボン酸のトランス体の比
率が向上しているため、50℃前後で結晶が晶出した。
その後、ろ過、乾燥し、目的とする4−n−プロピルシ
クロヘキサンカルボン酸73.0g(ガスクロマトグラ
フィーによる純度100重量%、収率86.9モル%)
を得た。シス/トランスの比率は0.2/99.8であ
った。再結晶2回の総収率は60.4モル%であった。
【0030】実施例2(窒素雰囲気下におけるトランス
−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の製造) 実施例1において、反応終了後にオートクレーブ中の水
素を二酸化炭素に置換する代わりに、窒素に置換した以
外は実施例1と同様に行い(ただし、異性化反応後、反
応生成物に水酸化ナトリウムを加えることなく、触媒を
ろ別した。)、粗4−n−プロピルシクロヘキサンカル
ボン酸114.1g(0.67モル、ガスクロマトグラ
フィーによる純度93.6重量%、収率88.7モル
%)を得た。シス/トランス比は20.4/79.6で
あった。
−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の製造) 実施例1において、反応終了後にオートクレーブ中の水
素を二酸化炭素に置換する代わりに、窒素に置換した以
外は実施例1と同様に行い(ただし、異性化反応後、反
応生成物に水酸化ナトリウムを加えることなく、触媒を
ろ別した。)、粗4−n−プロピルシクロヘキサンカル
ボン酸114.1g(0.67モル、ガスクロマトグラ
フィーによる純度93.6重量%、収率88.7モル
%)を得た。シス/トランス比は20.4/79.6で
あった。
【0031】実施例3(水素雰囲気下におけるトランス
−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の製造) 実施例1において、反応終了後にオートクレーブ中の水
素を二酸化炭素に置換する代わりに、窒素に置換した以
外は実施例1と同様に行い(ただし、異性化反応後、反
応生成物に水酸化ナトリウムを加えることなく、触媒を
ろ別した。)、粗4−n−プロピルシクロヘキサンカル
ボン酸96.5g(0.57モル、ガスクロマトグラフ
ィーによる純度88.8重量%、収率75.6モル%)
を得た。シス/トランス比は23.2/76.8であっ
た。
−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の製造) 実施例1において、反応終了後にオートクレーブ中の水
素を二酸化炭素に置換する代わりに、窒素に置換した以
外は実施例1と同様に行い(ただし、異性化反応後、反
応生成物に水酸化ナトリウムを加えることなく、触媒を
ろ別した。)、粗4−n−プロピルシクロヘキサンカル
ボン酸96.5g(0.57モル、ガスクロマトグラフ
ィーによる純度88.8重量%、収率75.6モル%)
を得た。シス/トランス比は23.2/76.8であっ
た。
【0032】実施例4(二酸化炭素雰囲気下におけるト
ランス−4−n−ブチルシクロヘキサンカルボン酸の製
造) 実施例1において、水の使用量を400gに変え、4−
n−プロピル安息香酸を4−n−ブチル安息香酸に代
え、触媒の使用量を6.7gに変えた以外は、実施例1
と同様にを行い、粗4−n−ブチルシクロヘキサンカル
ボン酸132.1g(0.72モル、ガスクロマトグラ
フィ−による純度97.5重量% 収率95.6モル
%)を得た。シス/トランス比は21.1/78.9で
あった。
ランス−4−n−ブチルシクロヘキサンカルボン酸の製
造) 実施例1において、水の使用量を400gに変え、4−
n−プロピル安息香酸を4−n−ブチル安息香酸に代
え、触媒の使用量を6.7gに変えた以外は、実施例1
と同様にを行い、粗4−n−ブチルシクロヘキサンカル
ボン酸132.1g(0.72モル、ガスクロマトグラ
フィ−による純度97.5重量% 収率95.6モル
%)を得た。シス/トランス比は21.1/78.9で
あった。
【0033】実施例5(二酸化炭素雰囲気下におけるト
ランス−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸の
製造) 実施例1において、水の使用量を430gに変え、4−
n−プロピル安息香酸を4−n−ペンチル安息香酸に代
え、触媒の使用量を7.2gに変えた以外は、実施例1
と同様にを行い、粗4−n−ペンチルシクロヘキサンカ
ルボン酸141.6g(0.71モル、ガスクロマトグ
ラフィ−による純度98.2重量%、収率95.2モル
%)を得た。シス/トランス比は22.6/77.4で
あった。
ランス−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸の
製造) 実施例1において、水の使用量を430gに変え、4−
n−プロピル安息香酸を4−n−ペンチル安息香酸に代
え、触媒の使用量を7.2gに変えた以外は、実施例1
と同様にを行い、粗4−n−ペンチルシクロヘキサンカ
ルボン酸141.6g(0.71モル、ガスクロマトグ
ラフィ−による純度98.2重量%、収率95.2モル
%)を得た。シス/トランス比は22.6/77.4で
あった。
【0034】比較例1(水素雰囲気下におけるトランス
−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の合成) ビーカーに水370g、水酸化ナトリウム30g(0.
75モル)および4−n−プロピル安息香酸123.1
g(0.75モル)を加えて撹拌し、4−n−プロピル
安息香酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液と、
触媒として用いる5重量%ルテニウム担持カーボン6.
2gとをオートクレーブに仕込み、オートクレーブを水
素置換した後、昇温、昇圧し、反応温度210〜220
℃、反応圧力50Kg/cm2 に保って撹拌しながら、
水素吸収が無くなるまで水素を供給した。反応時間は
1.5時間であった。さらに、加圧条件下で、220℃
で5時間撹拌し、異性化反応を行った。異性化反応後、
オートクレーブを室温に冷却した後、触媒をろ別した。
−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸の合成) ビーカーに水370g、水酸化ナトリウム30g(0.
75モル)および4−n−プロピル安息香酸123.1
g(0.75モル)を加えて撹拌し、4−n−プロピル
安息香酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液と、
触媒として用いる5重量%ルテニウム担持カーボン6.
2gとをオートクレーブに仕込み、オートクレーブを水
素置換した後、昇温、昇圧し、反応温度210〜220
℃、反応圧力50Kg/cm2 に保って撹拌しながら、
水素吸収が無くなるまで水素を供給した。反応時間は
1.5時間であった。さらに、加圧条件下で、220℃
で5時間撹拌し、異性化反応を行った。異性化反応後、
オートクレーブを室温に冷却した後、触媒をろ別した。
【0035】反応液(ろ液)に濃塩酸79mlを加えて
pH2とし、析出した結晶を酢酸エチル300mlによ
り3回抽出した後、有機層を飽和食塩水300mlによ
り洗浄した。さらに、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
した後、酢酸エチルを留去し、粗4−n−プロピルシク
ロヘキサンカルボン酸63.0g(0.37モル ガス
クロマトグラフィ−による純度84.3重量%、収率4
9.4モル%)を得た。シス/トランス比は22.5/
77.5であった。
pH2とし、析出した結晶を酢酸エチル300mlによ
り3回抽出した後、有機層を飽和食塩水300mlによ
り洗浄した。さらに、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
した後、酢酸エチルを留去し、粗4−n−プロピルシク
ロヘキサンカルボン酸63.0g(0.37モル ガス
クロマトグラフィ−による純度84.3重量%、収率4
9.4モル%)を得た。シス/トランス比は22.5/
77.5であった。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基またはアルコ
キシル基)で表される4−置換安息香酸を、アルカリ性
水溶液中、水素化触媒の存在下、50〜150℃で接触
水素還元し、該4−置換安息香酸の芳香環を水素化した
後、水素化触媒をろ別すること無く、反応系内の水素圧
を常圧に調整し、次いで同一の反応系内において反応系
内を200〜400℃に加熱することを特徴とする一般
式(2): 【化2】 (式中、Rは前記と同じ)で表されるトランス−4−置
換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法。 - 【請求項2】 反応系内の水素圧を常圧に調整し、次い
で反応系内の水素を不活性ガスに置換した後、同一の反
応系内において反応系内を200〜400℃に加熱する
ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 不活性ガスが、窒素、ヘリウムおよびア
ルゴンから選ばれるいずれか少なくとも1種である請求
項2記載の製造方法。 - 【請求項4】 反応系内の水素圧を常圧に調整し、次い
で反応系内の水素を二酸化炭素に置換した後、同一の反
応系内において反応系内を200〜400℃に加熱する
ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7212434A JPH0940606A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | トランス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7212434A JPH0940606A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | トランス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0940606A true JPH0940606A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16622545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7212434A Pending JPH0940606A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | トランス−4−置換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0940606A (ja) |
-
1995
- 1995-07-28 JP JP7212434A patent/JPH0940606A/ja active Pending
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