JPH0939761A - 車両の挙動制御装置 - Google Patents

車両の挙動制御装置

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JPH0939761A
JPH0939761A JP19680795A JP19680795A JPH0939761A JP H0939761 A JPH0939761 A JP H0939761A JP 19680795 A JP19680795 A JP 19680795A JP 19680795 A JP19680795 A JP 19680795A JP H0939761 A JPH0939761 A JP H0939761A
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wheel
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  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は車両の走行状態に応じて各車輪の制
動力を制御して車両挙動の安定化を図る車両の挙動制御
装置に関し、タイヤの接地力の変動を抑制して制御精度
の向上を図ることを目的とする。 【解決手段】 車両の走行時にヨーレートγが過剰であ
る場合は旋回外輪側前輪に制動力を発生させ、ヨーレー
トγが不足している場合は後輪に制動力を発生させて車
両挙動の安定化を図る。各車輪のサスペンションに、減
衰力の変更が可能なショックアブソーバを用いる。何れ
かの車輪において制動力制御が行われている場合には
(ステップ200)、少なくとも制動力制御が実行され
ている車輪のショックアブソーバの減衰力をソフト化す
る(ステップ204、206)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の挙動制御装
置に係り、特に、車両の走行状態に応じて各車輪の制動
力を制御することにより車両挙動の安定化を図る車両の
挙動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平2−70561
号公報に開示される如く、車両の走行状態に応じて各車
輪の制動力を制御して、車両挙動の安定化を図る装置が
知られている。車両の旋回時に、例えば、旋回外輪側に
位置する前輪に制動力を与えれば、その制動力は車両の
旋回を妨げるトルクとして車両に作用する。一方、旋回
内輪側に位置する後輪に制動力を与えれば、その制動力
は車両の旋回を助勢するトルクとして車両に作用する。
【0003】このように、各車輪に発生する制動力は、
車両の旋回性に影響を与える。従って、車両の旋回状態
に応じて各車輪の制動力を制御することにより、旋回速
度が過剰である場合にはその旋回を抑制する方向のトル
クを、また、旋回速度が不足している場合にはその旋回
を助勢する方向のトルクを発生させることとすれば、旋
回時における車両挙動の安定化を図ることができる。
【0004】上記従来の装置においては、車両の実ヨー
レート(車両の旋回角速度)γと、車速Vおよび操舵角
δに対応する目標ヨーレートγ0 との偏差Δγが演算さ
れ、そのΔγが“0”となるように各車輪の制動力が制
御される。かかる制御によれば、車両の旋回時に、ほぼ
目標ヨーレートγ0 と等しい実ヨーレートγを発生させ
ることができ、安定した車両挙動を維持することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車輪と路面
との間に生ずる制動力の大きさは、その車輪の接地荷重
によって変動する。しかしながら、上記従来の装置は、
各車輪の接地荷重の変動について何ら考慮することなく
制動力制御を実行する。このため、上記従来の装置にお
いては、車輪の接地荷重が大きく変化するような状況下
では、その荷重変化に影響されて、車両挙動の制御性が
悪化し易いという問題が生じていた。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、車両挙動の安定化を目的とした制動力制御を行
う際に、サスペンションの特性を接地荷重が変動し難い
特性に変更することで、上記の課題を解決する車両の挙
動制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、車両の走行時に各車輪の制動力を制御
して車両挙動の安定化を図る車両の挙動制御装置におい
て、各車輪毎に、減衰力及びバネ定数の少なくとも一方
を変更する接地性変更手段と、少なくとも制動力制御の
実行されている車輪の減衰力及びバネ定数の少なくとも
一方を、通常走行時に比して低下させる接地性制御手段
と、を備える車両の挙動制御装置により達成される。
【0008】本発明において、車両挙動の安定化を図る
べく制動力の制御が開始されると、前記接地性制御手段
による前記接地性変更手段の制御が実行される。その結
果、少なくとも制動力制御が実行されている車輪の減衰
力及びバネ定数の少なくとも一方が、通常走行時に比し
て低下される。減衰力及びバネ定数の少なくとも一方が
低下されると、路面からの入力に対するアクスルの追従
性が向上する。路面からの入力に対するアクスルの追従
性が向上すると、タイヤに変形が生じ難くなり、タイヤ
と路面との接地荷重が変動し難くなる。このため、本発
明においては、少なくとも制動力制御が実行されている
車輪については、接地荷重が変動し難い状態となる。
【0009】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、車両の走行時に各車輪の制動力を制御して車両挙
動の安定化を図る車両の挙動制御装置において、各車輪
毎に、減衰力及びバネ定数の少なくとも一方を変更する
接地性変更手段と、各車輪におけるバネ上とバネ下との
相対速度を検出する相対速度検出手段と、少なくとも制
動力制御の実行されている車輪の減衰力及びバネ定数の
少なくとも一方を、前記相対速度に基づいて、通常の走
行時に比して車輪の路面追従性が向上するように制御す
る接地性制御手段と、を備える車両の挙動制御装置によ
っても達成される。
【0010】請求項2記載の発明において、前記相対速
度検出手段は、各車輪におけるバネ上とバネ下との相対
速度を検出する。各車輪の路面追従性は、各車輪に与え
られる減衰力およびバネ定数によって決定される。従っ
て、路面入力に対する車輪の追従性を向上させるために
は、減衰力及びバネ定数を適切な関係に制御する必要が
ある。
【0011】ところで、各車輪には、バネ上とバネ下と
の相対速度に応じた減衰力が発生する。従って、バネ上
とバネ下とに相対速度が生ずる環境下で適切な路面追従
性を維持するためには、それらの相対速度に応じて減衰
力及びバネ定数の少なくとも一方を制御し、減衰力とバ
ネ定数との関係を適正に維持することが必要である。本
発明においては、車両挙動制御を目的とする制動力制御
が開始されると、前記接地性制御手段によって、バネ上
とバネ下との相対速度に基づいて、少なくとも制動力制
御が実行されている車輪の減衰力及びバネ定数の少なく
とも一方が制御される。このため、少なくとも制動力制
御が実行されている車輪に関しては、路面入力に対して
高い追従性を示す。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例のシス
テム構成図を示す。本実施例のシステムは、後述する電
子制御ユニット(ECU)10によって制御されてい
る。図1においてFL,FR,RL,RRは、それぞれ
車両の左前輪、右前輪、左後輪、右後輪を示す。FL,
FR,RL,RRには、それぞれ減衰力可変式ショック
アブソーバ(以下、単にショックアブソーバと称す)1
2FL,12FR,12RL,12RR(以下、これら
を総称する場合には、符号12を付して表す)が連結さ
れている。
【0013】ショックアブソーバ12は、外部から信号
を供給することで、減衰力をリニアに変更できる機能を
有している。ショックアブソーバ12は、そのピストン
ロッドにおいて各車輪FL,FR,RL,RRのアクス
ルに固定されており、一方、そのアブソーバシェルにお
いて車体に固定されている。尚、本実施例のシステムで
は、ショックアブソーバ10の減衰力がリニアに変化す
る必要はなく、最低限2段階の減衰力切り換えが可能で
あれば足りる。
【0014】各車輪FL,FR,RL,RRには、それ
ぞれ図示しないホイルシリンダが配設されている。それ
ぞれのホイルシリンダは、油圧が供給された際に、その
油圧に応じた制動トルクを発生する。各車輪FL,F
R,RL,RRのホイルシリンダには、それぞれ油圧制
御弁14FL,14FR,14RL,14RR(以下、
これらを総称する場合には、符号14を付して表す)が
接続されている。また、油圧制御14には、油圧通路1
6およびリザーバタンク18が連通している。油圧制御
弁14は、外部から供給される信号に応じて作動する2
位置弁であり、ホイルシリンダと油圧通路16とを連通
する増圧位置と、ホイルシリンダとリザーバタンク18
とを連通する減圧位置とを実現する。
【0015】油圧通路16には、油圧源切り換え弁20
が連通している。油圧源切り換え弁20には、また、油
圧ポンプ22およびアキュムレータ24からなる高圧源
と、マスタシリンダ26とが連通している。油圧源切り
換え弁20は、外部から供給される信号に応じて作動す
る2位置弁であり、油圧通路16と油圧ポンプ22とを
連通する制御実行位置と、油圧通路16とマスタシリン
ダ26とを連通する通常位置とを実現する。
【0016】油圧ポンプ22は、油圧切り換え弁20が
制御実行位置とされる状況下で、ブレーキフルードをリ
ザーバタンク22から汲み上げてアキュムレータ24側
に圧送する。アキュムレータ24は、その際に生ずる油
圧を蓄えて脈動の少ない安定した油圧を油圧切り換え弁
20に供給する。このため、油圧切り換え弁20が制御
実行位置である場合、油圧通路16には、油圧ポンプ2
2の吐出能力に応じた所定の油圧が導かれる。マスタシ
リンダ26は、ブレーキペダル28に加えられたブレー
キ踏力に応じた油圧を発生する。従って、油圧切り換え
弁20が通常位置である場合、油圧通路16には、ブレ
ーキ踏力に応じた油圧が導かれる。
【0017】本実施例において、上述したショックアブ
ソーバ12、油圧制御弁14、および油圧源切り換え弁
20は、ECU10によって制御される。ECU10に
は、各車輪FL,FR,RL,RRそれぞれの車輪速V
WFL,WFR,WRL,WRR (以下、これらを総称する場合
には、車輪速VW と称す)を検出する車輪速センサ30
FL,30FR,30RL,30RR(以下、これらを
総称する場合には、符号30を付すして表す)、ステア
リングホイル32の操舵角δを検出する操舵角センサ3
4、車両に作用する横加速度Gyを検出する横Gセンサ
36、および車両の重心回りに生ずる旋回角速度、すな
わち、車両のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ
38が接続されている。
【0018】図2は、左旋回中の車両を平面視で表した
図を示す。図2において“C”は、車両の重心を表す。
同図に示す如く、車両が左旋回を行っている場合、車両
の重心C回りには、反時計回り方向にヨーレートγが生
ずる。車両の走行中に、車速Vや操舵角δに応じた適切
なヨレートγが得られていれば、車両は安定な状態で旋
回走行を行っていると推定できる。これに対して、Vや
δに対してγが過剰であれば、車両の旋回速度が過剰で
ある、すなわち、車両がスピン傾向にあると推定でき、
また、γが不足していれば、車両が適切に旋回していな
い、すなわち、車両がドリフトアウト傾向にあると推定
できる。
【0019】ところで、車両の旋回中に、図2中に実線
矢線で示す如く、旋回外輪側に位置する前輪FRが制動
力FBRK を発生すると、その制動力FBRK は、重心Cに
対して車両の旋回を妨げる方向のトルクとして作用す
る。従って、車両の旋回中に旋回外輪側の前輪FL又は
FRに制動力を発生させれば、車両に発生しているヨー
レートγを抑制することができる。
【0020】一方、車両の旋回中に、図2中に破線矢線
で示す如く、後輪RL,RRに制動力FBRK を発生させ
ると、車両の重心が前輪FL,FR側に移行して、旋回
方向内方へ向かう求心力が増加する。また、旋回内輪側
に位置する後輪RLが発生する制動力FBRK は、重心C
に対して車両の旋回を助勢する方向のトルクとして作用
する。従って、車両の旋回中に後輪RL,RRに制動力
を発生させれば、ヨーレートγを助勢することができ
る。
【0021】そこで、本実施例のシステムでは、車両の
旋回走行中に挙動推定を行い、推定した挙動に応じて、
車両がドリフトアウト傾向であると判断される場合に
は、後輪RL,RRのホイルシリンダに適当な油圧を供
給し、また、車両がスピン傾向である場合には、旋回外
輪側の前輪FL又はFR(以下、foutと称す)のホイル
シリンダに、適当な油圧を供給することにより、車両挙
動の安定化を図ることとしている。
【0022】本実施例においては、車両の挙動が安定し
ているか否かを判定する基準として、スピン度SVおよ
びドリフト度DVなる概念を導入している。スピン度S
Vは旋回時におけるオーバーステア傾向の度合いであ
り、ドリフト度DVは旋回時におけるアンダーステア傾
向の度合いである。以下、図3を参照して、それらを求
める手法について説明する。
【0023】図3は、車両の旋回時における挙動を推定
するために用いる4輪車の等価的な2輪車モデルを示
す。図3において、Cは車両の重心、Vは車体速度、β
は車軸に対する重心の進行方向角度(以下、車体スリッ
プ角と称す)、γは重心回りのヨーレート、2CFff
前輪FL,FRのコーナリングフォースの合力、2CFr
は後輪RL,RRのコーナリングフォースの合力、δは
操舵角を示す。
【0024】図3に示す2輪車モデルにおいて、車両重
量をmとすると、重心Cを通るY軸上で、次式に示す運
動方程式が成立する。 mV( dβ/dt +γ)=2CFf+2CFr ・・・(1) 上記(1)式中左辺第1項(mV・ dβ/dt )は、車両
の重心Cに作用する並進方向の加速度(V・ dβ/dt )
と車両重量(m)との乗算値である。また、(1)式中
左辺第2項(mVγ)は、車両に作用する遠心力であ
る。それらの合計値は車両に作用する横力の合計値とな
り、右辺に表される2CFf+2CFrと均衡する。
【0025】車両に作用する横力の合計値が2CFf+2
Frであると、車両に作用する横方向加速度Gyは次式
の如く表すことができる。 Gy=(2CFf+2CFr)/m ・・・(2) 上記(1)式、及び(2)式を整理すると、並進加速度
(V・ dβ/dt )は、次式の如く表すことができる。
【0026】 V・ dβ/dt =Gy−V・γ ・・・(3) 従って、車両のスリップ角βの変化率 dβ/dt 、及びス
リップ角βは、それぞれ以下の如く表すことができる。 dβ/dt =(Gy/V)−γ ・・・(4) β=∫{(Gy/V)−γ)}dt ・・・(5) 上記(4)式、及び(5)式で用いられるパラメータG
y,V,γは、それぞれ横Gセンサ36、車輪速センサ
30、ヨーレートセンサ38によって実測することがで
きる。従って、本実施例のシステムによれば、車両のス
リップ角β、及びその変化率 dβ/dt は、正確に演算す
ることができる。
【0027】ところで、車両のスリップ率βは、車両の
旋回速度が高速であるほど大きな値となるパラメータで
ある。従って、その値が大きいほど、車両挙動がスピン
傾向である判断することができる。また、スリップ率β
の変化率 dβ/dt は、車両の旋回速度が急激に増大され
る際に大きな値となるパラメータである。従って、その
値が大きいほど、車両がスピン傾向にあると判断するこ
とができる。そこで、本実施例においては、スピン度S
Vを、定数k1 、k2 を用いて次式の如く定義してい
る。
【0028】 SV=k1 ・β+k2 ・ dβ/dt ・・・(6) 一方、ドリフト度DVは、ヨーレートγに基づいて定義
している。すなわち、車両がニュートラルステア状態で
安定に旋回している場合、重心C回りには、操舵角δお
よび車速Vに応じたヨーレートγが発生する。従って、
ヨーレートセンサ38により測定される実ヨーレートγ
が、操舵角δおよび車速Vから想定されるヨーレートに
対して小さい場合には、車両挙動がドリフト傾向である
と判断することができる。そこで、本実施例において
は、操舵角δ及び車速Vとの関係で決定される目標ヨー
レートγ0 と、実際に車両に作用する実ヨーレートγと
の偏差Δγ、及び定数k3 を用いて、次式の如くドリフ
ト度DVを定義している。
【0029】 DV=k3 ・Δγ ・・・(7) 本実施例において、ECU10は、上記の手法に従って
スピン度SV、及びドリフト度DVを演算し、その演算
結果に基づいて各車輪の制動力を制御することで、旋回
走行時の車両挙動の安定化を図っている。図4及び図5
は、かかる機能を実現すべくECU10が実行する制動
力制御ルーチンのフローチャートの一例を示す。
【0030】図4に示す如く、本ルーチンが起動される
と、先ずステップ100において、本ルーチンの実行に
必要とされる各種パラメータが読み込まれる。具体的に
は、車両に作用する横加速度Gyおよびヨーレートγ、
車両の速度V、及び操舵角δが読み込まれる。
【0031】ステップ102では、上記(4)式に従っ
て、車体スリップ角βの変化率 dβ/dt =(Gy/V)
−γが演算される。また、ステップ104では、上記
(5)式に従って、すなわち、上記ステップ102の演
算値を積分することで、車体スリップ角β=∫{(Gy
/V)−γ}dtが演算される。そして、ステップ106
において、それらの演算値を上記(6)式に代入するこ
とにより、スピン度SV=k1 ・β+k2 ・ dβ/dt が
演算される。
【0032】ステップ108では、車速V、および操舵
角δに対応する目標ヨーレートγ0を求める処理が実行
される。ECU10には、Vおよびδとの関係で目標ヨ
ーレートγ0 を定めたマップが記憶されており、本ステ
ップでは、そのマップを検索することによりγ0 が演算
される。次にステップ110では、上記の如く求めた目
標ヨーレートγ0 と、上記ステップ100で読み込んだ
実ヨーレートγとの偏差Δγ=γ0 −γが演算される。
そして、ステップ112において、Δγを上記(7)式
に代入することにより、ドリフト度DV=k3 ・Δγが
演算される。
【0033】上述の如く車両のスピン度SVおよびドリ
フト度DVを演算したら、それらの値に基づいて、旋回
走行時の車両挙動を安定させるための制動力制御が実行
される。すなわち、ステップ114では、車両がスピン
傾向である場合を想定して、旋回外輪側の前輪foutで実
現すべき目標スリップ率S0fout が、スピン度SVに基
づいて演算される。
【0034】上述の如く、旋回外輪側の前輪foutが発生
する制動力は、ヨーレートγを抑制するトルクとして車
両に作用する。従って、旋回外輪側の前輪foutに、スピ
ン度SVに応じた制動力を発生させれば、適切に車両の
スピン傾向を抑制することができる。
【0035】ところで、制動時において車輪には、その
車輪のスリップ率に応じた制動力が発生する。すなわ
ち、車輪の制動力は、車輪に作用するブレーキトルクに
よってタイヤと路面とにスリップが生ずることにより発
生される。そして、その制動力は、タイヤの特性に応じ
た所定のスリップ率(以下、限界スリップ率と称す)で
最大値を示し、限界スリップ率以下の領域では、ほぼス
リップ率に比例した値となる。従って、制動力制御を行
う場合、スリップ率が限界スリップ率を超えないように
ブレーキ油圧の制御を行うことで、常に車輪のグリップ
状態を適正に維持することができる。また、スリップ率
が限界スリップ率を超えない領域では、スリップ率が目
標値となるようにブレーキ油圧を制御することで、タイ
ヤと路面との間に発生する制動力を精度良く制御するこ
とができる。
【0036】このため、本実施例においては、各車輪の
制動力を各車輪のスリップ率に基づいて制御することと
している。上記の理由により、ステップ114では、ス
ピン度SVに基づいて、旋回外輪側の前輪foutで実現す
べき目標スリップ率S0foutが算出される。
【0037】上記ステップ114では、具体的には、ス
ピン度SVで図6に示すマップを検索することで目標ス
リップ率S0fout が算出される。車両が安定旋回走行中
であっても、スピン度SVが小さな値で算出される場合
があることから、目標スリップ率マップは、所定値SV
0 以下の領域が不感帯とされている。また、タイヤの限
界スリップ率を超える目標スリップ率S0fout が算出さ
れるのを防止するため、目標スリップ率マップは、所定
値SV1 以上の領域では目標スリップ率S0fout が飽和
するように設定されている。
【0038】図6に示すマップに従って目標スリップ率
0fout が設定され、旋回外輪側の前輪foutでそのスリ
ップ率が実現された場合、SV0 <SVの領域では、車
両のスピン傾向の度合いに応じて、そのスピン傾向を抑
制する方向に適切な大きなの制動力が発生されることに
なる。
【0039】また、ステップ116では、車両がドリフ
ト傾向である場合を想定して、旋回外輪側の後輪RL又
はRR(以下、routと称す)、及び旋回内輪側の後輪R
L又はRR(以下、rin と称す)で実現すべき目標スリ
ップ率S0rout ,S0rinがドリフト度DVに基づいて演
算される。上述の如く、後輪RL,RRが発生する制動
力は、旋回走行時において車両の求心力を増大させる力
として車両に作用する。従って、旋回外輪側の後輪rout
及び旋回内輪側の後輪rin それぞれに、ドリフト度DV
に応じた制動力を発生させれば、適切に車両のドリフト
傾向を抑制することができる。
【0040】本ステップ116では、旋回外輪側の後輪
routで実現すべき目標スリップ率S 0rout が図7に示す
マップに従って、また、旋回内輪側の後輪rin で実現す
べき目標スリップ率S0rinが図8に示すマップに従って
それぞれ演算される。図7および図8に示すマップは、
上記図6に示すマップと同様の理由により、DV≦DV
0 の領域が不感帯として設定されていると共に、DV1
<DVの領域では目標スリップ率S0rout ,S0rinが飽
和するように設定されている。
【0041】これらのマップに従って目標スリップ率S
0rout ,S0rinが設定され、旋回外輪側の後輪routおよ
び旋回内輪側の後輪rin で、それぞれそのスリップ率が
実現された場合、DV0 <DVの領域では、車両のドリ
フト傾向の度合いに応じて、そのドリフト傾向を抑制す
る方向に、適当な大きさの制動力が発生されることにな
る。
【0042】上記の処理が終了したら、次にステップ1
18において、車両の旋回方向が特定される。ヨーレー
トセンサ38は、車両の旋回方向に応じて符号の異なる
ヨーレート信号を出力する。本ステップでは、その符号
に基づいて車両の旋回方向が特定される。このようにし
て旋回方向が特定されると、その結果に基づいて、旋回
外輪、及び旋回内輪が決定される。
【0043】ステップ118の処理が終了したら、次に
図5に示すステップ120の処理が実行される。ステッ
プ120では、車輪速センサ30の出力信号に基づい
て、推定車体速Vが演算される。上述の如く、本実施例
のシステムでは、車両の旋回走行時に、旋回外輪側の前
輪fout及び左右の後輪rout,rinに制動力を発生させて車
両挙動の安定化を図る。従って、これら旋回外輪側の前
輪fout及び左右の後輪rout,rinの車輪速VW と、車体速
度との間には多少の差異が発生する。これに対して、旋
回内輪側の前輪FL又はFR(以下、fin と称す)は、
制動力を発することがない。従って、旋回内輪側の前輪
fin の車輪速VW は、常に車体速と対応した値となる。
このため、ステップ120では、旋回内輪側の前輪fin
の車輪速V WFL 又はVWFR を基に推定車体速Vが演算さ
れる。
【0044】上記の処理を終えたら、次にステップ12
2において、旋回外輪側の前輪foutに対して設定された
目標スリップ率S0fout >0が成立するか否かが判別さ
れる。車両のスリップ傾向が強く、所定値(図6に示す
SV0 )を超えるスリップ度SVが検出されている場合
は本ステップの条件が成立する。この場合、以後ステッ
プ124の処理が実行される。一方、車両のスリップ傾
向が弱く、SVが所定値に満たない場合は本ステップの
条件が不成立となる。この場合、以後ステップ124お
よび126がジャンプされ、ステップ128の処理が実
行される。
【0045】ステップ124では、旋回外輪側の前輪fo
utの理論車輪速V0fout が演算される。理論車輪速V0f
out は、車両が推定車輪速Vで旋回走行している場合
に、旋回外輪側の前輪foutに発生すると推定される車輪
速であり、推定車輪速Vに基づいて演算される。尚、旋
回外輪側の前輪foutに、かかる車輪速V0fout が発生し
ている場合、その車輪のスリップ率は“0”となる。
【0046】上記の処理を終えたら、次にステップ12
6において、前輪foutの制動力をコントロールするため
の処理が実行される。具体的には、先ず理論車輪速V0f
outと現実の車輪速Vfoutとに基づいて、旋回外輪側の
前輪foutのスリップ率Sfout=(1−V0fout /Vfou
t)×100が演算される。次いで、そのスリップ率Sf
outが目標スリップ率S0fout と一致するように、旋回
外輪側の前輪foutに供給するブレーキ油圧が制御され
る。かかる制御が実行されると、旋回外輪側の前輪fout
では、目標スリップ率S0fout を伴う制動状態が実現さ
れる。
【0047】ステップ126の処理が終了したら、次に
ステップ128へ進み、旋回外輪側の後輪routに対して
設定された目標スリップ率S0rout >0が成立するか否
かが判別される。車両のドリフト傾向が強く、所定値
(図7に示すDV0 )を超えるドリフト度DVが検出さ
れている場合は本ステップの条件が成立する。この場
合、以後ステップ130の処理が実行される。一方、車
両のドリフト傾向が弱く、DVが所定値に満たない場合
は本ステップの条件が不成立となる。この場合、以後ス
テップ130および132がジャンプされ、ステップ1
34の処理が実行される。
【0048】ステップ130では、旋回外輪側の後輪ro
utの理論車輪速V0rout が演算される。理論車輪速V0r
out は、車両が推定車輪速Vで旋回走行している場合
に、旋回外輪側の後輪routに発生すると推定される車輪
速であり、推定車輪速Vに基づいて演算される。尚、旋
回外輪側の後輪routに、かかる車輪速V0rout が発生し
ている場合、その車輪のスリップ率は“0”となる。
【0049】上記の処理を終えたら、次にステップ13
2において、後輪routの制動力をコントロールするため
の処理が実行される。具体的には、先ず理論車輪速V0r
outと現実の車輪速Vroutとに基づいて、旋回外輪側の
後輪routのスリップ率Srout=(1−V0rout /Vrou
t)×100が演算される。次いで、そのスリップ率Sr
outが目標スリップ率S0fout と一致するように、旋回
外輪側の後輪routに供給するブレーキ油圧が制御され
る。かかる制御が実行されると、旋回外輪側の後輪rout
では、目標スリップ率S0rout を伴う制動状態が実現さ
れる。
【0050】ステップ132の処理が終了したら、次に
ステップ134へ進み、旋回内輪側の後輪rin に対して
設定された目標スリップ率S0rin>0が成立するか否か
が判別される。その結果、上記条件が不成立である場合
は、ステップ136および138がジャンプされ、今回
のルーチンが終了される。一方、目標スリップ率S0rin
>0なる条件が成立する場合は、以後ステップ136お
よび138において、上記ステップ130および132
と同様の処理が実行され、旋回内輪側の後輪rin で目標
スリップ率S0rinを伴う制動状態が実現される。
【0051】上述の如く、ECU10によって図4及び
図5に示すルーチンが実行されると、車両がスピン傾向
である場合には、旋回外輪側の前輪foutに適当な制動力
が発生され、車両のスピン傾向が抑制される。一方、車
両がドリフト傾向である場合は、左右の後輪rout,rin
に適当な制動力が発生され、車両のドリフト傾向が抑制
される。従って、本実施例のシステムを搭載する車両に
おいては、旋回走行中に安定した車両挙動を実現するこ
とができる。
【0052】ところで、図9は、車輪と車体との連結構
造をバネ・質量系モデルを用いて等価的に表した図を示
す。図9において、Mはバネ上質量を、Cはショックア
ブソーバの減衰係数を、Kはサスペンションを構成する
スプリングのバネ定数を、mはバネ下質量を、また、K
tはタイヤのバネ定数を、それぞれ表している。
【0053】車両の走行中は、路面の凹凸に応じてタイ
ヤの接地面に上下方向の変位が伝達される。以下、この
変位をuで表す。タイヤの接地面に入力された変位u
は、タイヤを媒体としてアクスルに伝達される。以下、
その結果アクスルに生ずる変位をx1 で表す。アクスル
に入力された変位x1 は、ショックアブソーバおよびス
プリングを介して車体に伝達される。以下、その結果車
体に生ずる変位をx2 で表す。
【0054】上述の如く、車両の走行中には、タイヤの
接地面、アクスル、車体に、それぞれ変位が生ずる。タ
イヤの接地面に生ずる変位uと、アクスルに生ずる変位
1とは通常同一ではない。従って、車両の走行中に、
タイヤには、そのバネ力の変動を伴う方向の変形が生ず
る。このような変形がタイヤに生ずると、タイヤが路面
を押圧する力、すなわち、タイヤの接地力に変化が生ず
る。このため、タイヤの接地力は、車両の走行中に随時
変動している。
【0055】タイヤの接地力は、各車輪において発生さ
れる制動力に大きな影響を与える。すなわち、車輪のス
リップ率が同等であったとしても、その際に僅かな接地
力しか得られていない場合には、発生される制動力も比
較的小さくなり、一方、その際に大きな接地力が得られ
ているとすれば、発生される制動力は比較的大きなもの
となる。
【0056】このため、タイヤの接地力が大きく変動す
る状況下では、上述の如く各車輪のスリップ率を目標ス
リップ率に整合させるべく制動力制御を行っても、精度
良く所望の制動力を発生させることが困難な事態が生じ
得る。かかる観点からすれば、車両の旋回時に常に安定
した車両挙動を実現するためには、単に各車輪のスリッ
プ率を目標スリップ率に制御するだけでは不十分である
ことになる。
【0057】ところで、路面変位に起因する変位uに対
するアクスルの変位x1 の伝達関数x1 /uは、バネ上
質M、ショックアブソーバの減衰係数C、スプリングの
バネ定数K、バネ下質量m、タイヤのバネ定数Kt等を
用いて、次式の如く表すことができる。但し、sはラプ
ラス演算子であり、G(s) は“Kt(Ms2 +Cs+
K)”を表す。
【0058】 x1 /u =G(s) /{Mms4 +C(M+m)s3 +K(M+m)s2 +G(s) } ・・・(8) 車両走行中に生ずるタイヤの接地力変化は、x1 /uの
変化が小さいほど抑制される。従って、上記(8)式に
示すx1 /uが変化し難い設定を施せば、接地力の変化
し難いサスペンション特性を実現することが可能であ
る。x1 /uは、上記(8)式中右辺の分母に記される
“Mms4 +C(M+m)s3 +K(M+m)s2 ”の
値が小さいほど“1”付近で安定する。この際、減衰係
数C又はバネ定数Kの少なくとも一方を小さな値とすれ
ば、“Mms4 +C(M+m)s3+K(M+m)
2 ”の値を小さくすることができる。
【0059】本実施例のシステムにおいては、上述の如
く、各車輪のサスペンションを、減衰力可変のショック
アブソーバ12を用いて構成している。従って、制動力
制御が実行されている車輪について、ショックアブソー
バ12の減衰係数Cを低下させることとすれば、その車
輪の接地力の変動を抑制し、安定した制動力を発生させ
ることができる。
【0060】図10は、ショックアブソーバ12におい
て実現し得る2つの減衰力特性を示す。図10中に実線
で示す特性曲線は、安定した車両姿勢を維持し、かつ、
走行振動を適切に減衰させることを目的として設定され
た減衰力特性である。従って、ショックアブソーバ12
がかかる特性を実現する場合、通常の走行状態では、安
定した車両挙動が維持される。また、図10中に破線で
示す特性曲線は、路面からの入力を柔軟に吸収して、車
体に高周波の振動が伝達されるのを防止する観点で設定
された減衰力特性である。ショックアブソーバ12がか
かる特性を実現する場合、柔軟な乗り心地が実現される
と共に、タイヤの接地力変化を抑制することができる。
【0061】そこで、本実施例においては、通常の走行
時、すなわち、旋回挙動の安定化を目的とする制動力制
御が実行されていない状態での走行時には、図10中に
実線で示す減衰力特性を、また、旋回挙動の安定化を目
的とする制動力制御が実行されている状態での走行時に
は、図10中に破線で示す減衰力特性を、それぞれショ
ックアブソーバ12に付与することととしている。
【0062】ショックアブソーバ12の減衰力特性が、
このように切り換えられると、通常走行時には、優れた
優れた乗り心地と安定した車両挙動とが得られ、また、
制動力制御時には、制動力制御の効果を最大限に引き出
すことにより、安定した車両挙動を得ることができる。
【0063】図11は、上記の機能を実現すべくECU
11が実行するルーチンの一例のフローチャートを示
す。同図に示すルーチンが起動すると、先ずステップ2
00において、何れかの車輪において、車両挙動の安定
化を目的とした制動力制御が実行されているか否かが判
別される。
【0064】その結果、何れの車輪においても制動力制
御が実行されていないと判断された場合は、以後、ステ
ップ202において、全ての車輪についてショックアブ
ソーバ12の減衰力特性を通常の特性(図10中に実線
で示す特性)とする処理が実行された後、今回の処理が
終了される。
【0065】一方、上記ステップ200において、何れ
かの車輪において制動力制御が実行されていると判断さ
れた場合は、次にステップ204において、制動力制御
が実行されている車輪について、ショックアブソーバ1
2の減衰力がソフト特性(図10中に破線で示す特性)
に変更される。この場合、更にステップ206で、制動
力制御が実行されていない車輪のショックアブソーバ1
2の減衰力が通常の特性に設定された後、今回の処理が
終了される。
【0066】図12は、路面から入力される変位uの周
波数と、その周波数に対して発生するx1 /uのゲイン
との関係を表すシミュレーション結果を示す。図12中
に実線で示す曲線は、ショックアブソーバ12の減衰特
性をソフトに設定した場合の特性を、また、図12中に
破線で示す曲線は、ショックアブソーバ12の減衰特性
を通常特性に設定した場合の特性をそれぞれ表してい
る。図12に示すシミュレーション結果は、減衰力特性
がソフトに設定されている場合、減衰力特性が通常特性
である場合に比して、より広い周波数領域でx1 /uの
ゲインを“0”近傍に抑制し得ることを表している。
【0067】図13は、路面から入力される変位uの周
波数と、その周波数に対して発生するx1 /uの位相差
との関係を表すシミュレーション結果を示す。図13中
に実線で示す曲線は、ショックアブソーバ12の減衰特
性をソフトに設定した場合の特性を、また、図13中に
破線で示す曲線は、ショックアブソーバ12の減衰特性
を通常特性に設定した場合の特性をそれぞれ表してい
る。図13に示すシミュレーション結果は、減衰力特性
がソフトに設定されている場合、高周波領域でのx1
uの位相遅れを、通常の減衰力特性が設定されている場
合に比して抑制できることを表している。
【0068】このように、ショックアブソーバ12の減
衰力特性がソフトに設定されている場合、通常の減衰力
特性が設定されている場合に比して広い周波数領域で、
変位uとほぼ大きさが等しく、かつ、位相差の少ない変
位x1 を発生させることができる。従って、ECU10
によって上記図11に示すルーチンが実行された場合、
制動力制御の実行されている車輪において、広い周波数
領域に渡って高精度な制動力制御を実現することが可能
となる。
【0069】図14は、本発明の第2実施例のシステム
構成図を示す。尚、図4において上記図1に示す構成と
同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略す
る。本実施例のシステムにおいては、各車輪FL,F
R,RL,RRに配設されるショックアブソーバ12そ
れぞれに、ショックアブーソーバ12のストローク変化
量、すなわち、サスペンションのバネ上に支持される車
体とバネ下に支持されるアクスルとの相対変位量を検出
するストロークセンサ14FL,14FR,14RL,
14RR(以下、これらを総称する場合には、符号14
を付して表す)が配設されている。
【0070】ストロークセンサ14の出力信号は、EC
U10に供給されている。従って、ECU10は、各ス
トロークセンサ14の出力信号に基づいて、各車輪につ
いて、車体とアクスルとの相対変位量、すなわち、上記
図9に示す(x1 −x2 )を検出することができる。
【0071】ところで、路面からタイヤに入力される変
位uに対するアクスルの変位x1 の伝達関数x1 /u
が、以下に示す式(8)で表せることは前記した通りで
ある。 x1 /u =G(s) /{Mms4 +C(M+m)s3 +K(M+m)s2 +G(s) } ・・・(8) 上述した第1実施例では、C又はKを小さくすること
で、上記(8)式中右辺に記される“Mms4 +C(M
+m)s3 +K(M+m)s2 ”の値を小さく、それに
よりタイヤの接地力の安定化を図っている。これに対し
て、ショックアブソーバ12の減衰係数C又はスプリン
グのバネ定数Kの少なくとも一方を制御して、“Mms
4 +C(M+m)s3 +K(M+m)s2 =0”なる条
件を成立させれば、常にx1 /u=1が成立し、タイヤ
の接地力を一定に維持することが可能である。
【0072】上記条件をバネ定数Kについて解くと、次
式に示す関係式が成立する。 K=−{M・m/(M+m)}s2 −C・s ・・・(9) また、上記条件を減衰係数Cについて解くと、次式に示
す関係式が成立する。 C=−{M・m/(M+m)}s−K ・・・(10) 尚、上記(9)式、及び(10)式に示すsはラプラス
演算子である。本実施例のシステムにおいては、例え
ば、ストロークセンサ14の出力値の2回微分値(d2x1
/dt2−d2x2/dt2)を、ストロークセンサ14の出力値の
1回微分値(dx1/dt−dx2/dt)で除算することにより求
めることができる。
【0073】従って、上記(9)式又は(10)式に示
す条件が成立する様に、バネ定数K又は減衰係数Cを制
御すれば、タイヤの接地力を一定に維持することができ
る。本実施例のシステムは、上記の如くショックアブソ
ーバ12の減衰特性をリニアに変更することができる。
このため、本実施例にシステムによれば、上記(10)
に示す条件が成立するように減衰力係数Cを制御するこ
とは可能である。
【0074】しかしながら、減衰力係数Cが上記(1
0)式に示す値に制御された場合、車両姿勢を安定に維
持するために必要なショックアブソーバの剛性が不足す
る事態が生ずる。そこで、本実施例においては、車両姿
勢を安定に維持するに十分な減衰係数C0 を基準値と
し、その基準値と上記(10)式に示す減衰係数Cとの
和を、制動力制御実行時における目標減衰係数C* とし
て設定することとした。
【0075】かかる減衰係数C* が用いられた場合、制
動力制御の実行中におけるx1 /uの変動幅を小さく抑
制しつつ、車両姿勢を安定に維持することができる。従
って、本実施例のシステムによれば、各車輪において発
生される制動力を高精度に制御することが可能であり、
制動力制御の効果を最大限に引き出すことができる。
【0076】図15は、上記の起動を実現すべくECU
10が実行する減衰係数制御ルーチンの一例のフローチ
ャートを示す。尚、本ルーチンは、各車輪毎に実行され
るルーチンであり、ECU10は、4つの車輪それぞれ
について本ルーチンの処理を実行する。
【0077】図15に示すルーチンが起動すると、先ず
ステップ300において、今回の制御対象である車輪に
ついて、車両挙動の安定化を目的とした制動力制御が実
行されているか否かが判別される。その結果、制動力制
御が実行されていないと判別された場合は、ステップ3
02において、通常の減衰力制御に従って決定された減
衰特性がショックアブソーバ12に付与された後、今回
のルーチンが終了される。
【0078】一方、ステップ300において制動力制御
が実行されていると判別された場合は、次にステップ3
04の処理が実行される。ステップ304では、前回処
理時と今回処理時のストロークセンサ40の出力値の偏
差に基づいて、ショックアブソーバ12のストローク速
度(dx1/dt−dx2/dt)が演算される。上記の処理が終了
したら、次にステップ306において、前回処理時に演
算されたストローク速度と、今回処理時に演算されたス
トローク速度との偏差に基づいて、ストローク速度の時
間微分値(d2x1/dt2−d2x2/dt2)が演算される。
【0079】そして、それらの演算が終了したら、次
に、ステップ308で、タイヤの接地力の変動を抑制
し、かつ、車両姿勢を安定に維持するために実現すべき
ショックアブソーバの減衰係数C* が演算される。目標
減衰係数C* は、上記の如く演算したストローク速度
(dx1/dt−dx2/dt)、ストローク速度の微分値(d2x1/d
t2−d2x2/dt2)を、次式に代入することにより演算され
る。
【0080】 C* =C0 +α[{−M・m/(M+m)} ・{(dx1/dt−dx2/dt)/(d2x1/dt2−d2x2/dt2)}−K] ・・・(11) 尚、上記(11)式において、C0 は、上述の如く、車
両挙動を安定に維持するために設定した減衰係数の基準
値である。また、αは、タイヤの接地力を安定させるこ
とを目的として演算された減衰係数Cを目標減衰係数C
* に反映させる度合いを表す定数である。本実施例にお
いては、α=0.05に設定している。
【0081】目標減衰係数C* の演算が終了したら、次
にステップ310において、目標減衰係数C* ≧0が成
立しているかが判別される。目標減衰係数C* は、計算
上負の値として求められる場合があるが、ショックアブ
ソーバ12に負の減衰力を設定することはできない。こ
のため、上記の条件が不成立であると判別された場合
は、ステップ312において目標減衰係数C* に“0”
が代入される。一方、上記ステップ310の条件が成立
する場合は、ステップ314で、上記ステップ308の
演算値が最終的な目標減衰係数C* として決定される。
以後、ステップ316で、目標減衰係数C* がショック
アブソーバ12に出力された後、本ルーチンが終了され
る。
【0082】図16は、路面から入力される変位uの周
波数と、その周波数に対して発生するx1 /uのゲイン
との関係を表すシミュレーション結果を示す。図16中
に実線で示す曲線は、本実施例の手法に従ってショック
アブソーバ12の減衰特性を制御した場合の特性を、ま
た、図16中に破線で示す曲線は、ショックアブソーバ
12の減衰特性を通常特性に設定した場合の特性をそれ
ぞれ表している。図16に示すシミュレーション結果
は、減衰力特性が本実施例の手法により制御された場
合、減衰力特性が通常特性である場合に比して、より広
い周波数領域でx1/uのゲインを“0”近傍に抑制し
得ることを表している。
【0083】図17は、路面から入力される変位uの周
波数と、その周波数に対して発生するx1 /uの位相差
との関係を表すシミュレーション結果を示す。図17中
に実線で示す曲線は、ショックアブソーバ12の減衰特
性を本実施例の手法に従って制御した場合の特性を、ま
た、図17中に破線で示す曲線は、ショックアブソーバ
12の減衰特性を通常特性に設定した場合の特性をそれ
ぞれ表している。図17に示すシミュレーション結果
は、減衰力特性が本実施例の手法に従って制御された場
合、高周波領域でのx1 /uの位相遅れを、通常の減衰
力特性が設定されている場合に比して抑制できることを
表している。
【0084】このように、ショックアブソーバ12の減
衰力特性を本実施例の手法に従って制御した場合、通常
の減衰力特性が設定されている場合に比して広い周波数
領域で、変位uとほぼ大きさが等しく、かつ、位相差の
少ない変位x1 を発生させることができる。従って、E
CU10によって上記図15に示すルーチンが実行され
た場合、上述した第1実施例の場合と同様に、制動力制
御の実行されている車輪において、広い周波数領域に渡
って高精度な制動力制御を実現することが可能となる。
【0085】ところで、上述した第1および第2実施例
では、何れかの車輪について制動力制御が実行されてい
る際に、制御対象とされている車輪のショックアブソー
バの減衰力特性をソフトに変更することとしているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、何れかの車輪
について制動力制御が実行されている場合に、全ての車
輪についてショックアブソーバの減衰力特性をソフトに
変更することとしても良い。
【0086】また、上述した第1及び第2実施例では、
車両の旋回走行時にのみ制動力制御を行うこととしてい
るが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば
直進走行中に、横風等の影響で車両挙動が乱れた際に、
その挙動の安定化を図るべく制動力制御を実行し、か
つ、その際にショックアブソーバの減衰力特性を変更す
る等の制御を行うことも可能である。
【0087】更に、上述した第1及び第2の実施例で
は、ショックアブソーバの減衰係数Cを変更すること
で、通常走行時のサスペンション特性と、制動制御時の
サスペンション特性とを変化させることとしているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、スプリングの
バネ定数Kを変更して、サスペンション特性を変更する
こととしても良い。
【0088】尚、上述した第1の実施例においては、シ
ョックアブソーバ12FL,12FR,12RL,12
RRが前記した接地性変更手段に相当する。また、EC
U10が、上記ステップ202〜206の処理を実行す
ることにより、前記した接地性制御手段が実現される。
【0089】また、上述した第2の実施例においては、
第1の実施例と同様にショックアブソーバ12FL,1
2FR,12RL,12RRが前記した接地性変更手段
に相当すると共に、ストロークセンサ40FL,40F
R,40RL,40RRが前記した相対速度検出手段に
相当する。更に、第2の実施例においては、ECU10
が、上記ステップ304〜316の処理を実行すること
により、前記した接地性制御手段が実現される。
【0090】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、少なくとも制動力制御が実行されている車輪につい
て、接地荷重が変動し難い状態を形成することができ
る。車輪の接地荷重が変動し難いと、車両の走行中に安
定した制動力を車輪と路面との間に発生させることがで
きる。このため、本発明に係る車両の挙動制御装置によ
れば、車両の走行中に、常に安定した制御精度で車両の
挙動を制御することができる。
【0091】請求項2記載の発明によれば、少なくとも
制動力制御が実行されている車輪について、路面からの
入力に対して高い追従性が実現される。車輪に対して高
い路面追従性が付与されると、車輪の接地荷重が変動し
難い状態が形成される。従って、本発明に係る車両の挙
動制御装置によれば、車両の走行中に各車輪の制動力を
制御することで、常に安定した精度で車両の挙動を制御
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成図である。
【図2】左旋回中の車両を平面視で表した図である。
【図3】車両の挙動解析に用いる2輪モデルを表す図で
ある。
【図4】本発明の一実施例において実行される制動力制
御ルーチンの一例のフローチャート(その1)である。
【図5】本発明の一実施例において実行される制動力制
御ルーチンの一例のフローチャート(その2)である。
【図6】制動力制御ルーチンの実行に用いられるマップ
の第1例である。
【図7】制動力制御ルーチンの実行に用いられるマップ
の第2例である。
【図8】制動力制御ルーチンの実行に用いられるマップ
の第3例である。
【図9】本発明の一実施例のシステムの車輪の接地状態
の解析に用いるバネ・マス系モデルを表した図である。
【図10】本発明の一実施例のシステムで実現されるサ
スペンションの減衰特性を表す図である。
【図11】本発明の一実施例において実行される減衰係
数制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図12】本発明の一実施例の効果を説明するための図
(その1)である。
【図13】本発明の一実施例の効果を説明するための図
(その2)である。
【図14】本発明の第二実施例のシステム構成図であ
る。
【図15】本発明の第二実施例において実行される減衰
係数制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図16】本発明の第二実施例の効果を説明するための
図(その1)である。
【図17】本発明の第二実施例の効果を説明するための
図(その2)である。
【符号の説明】 10 電子制御ユニット(ECU) 12(12FL,12FR,12RL,12RR) シ
ョックアブソーバ 14(14FL,14FR,14RL,14RR) 油
圧制御弁 20 油圧源切り換え弁 30(30FL,30FR,30RL,30RR) 車
輪速センサ 34 操舵角センサ 36 横加速度センサ 38 ヨーレートセンサ 40 ストロークセンサ fout 旋回外輪側前輪 foin 旋回内輪側前輪 rout 旋回外輪側後輪 rin 旋回内輪側後輪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行時に各車輪の制動力を制御し
    て車両挙動の安定化を図る車両の挙動制御装置におい
    て、 各車輪毎に、減衰力及びバネ定数の少なくとも一方を変
    更する接地性変更手段と、 少なくとも制動力制御の実行されている車輪の減衰力及
    びバネ定数の少なくとも一方を、通常走行時に比して低
    下させる接地性制御手段と、 を備えることを特徴とする車両の挙動制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の走行時に各車輪の制動力を制御し
    て車両挙動の安定化を図る車両の挙動制御装置におい
    て、 各車輪毎に、減衰力及びバネ定数の少なくとも一方を変
    更する接地性変更手段と、 各車輪におけるバネ上とバネ下との相対速度を検出する
    相対速度検出手段と、 少なくとも制動力制御の実行されている車輪の減衰力及
    びバネ定数の少なくとも一方を、前記相対速度に基づい
    て、通常の走行時に比して車輪の路面追従性が向上する
    ように制御する接地性制御手段と、 を備えることを特徴とする車両の挙動制御装置。
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