JPH0937932A - 高周波電磁誘導加熱器 - Google Patents

高周波電磁誘導加熱器

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JPH0937932A
JPH0937932A JP19660695A JP19660695A JPH0937932A JP H0937932 A JPH0937932 A JP H0937932A JP 19660695 A JP19660695 A JP 19660695A JP 19660695 A JP19660695 A JP 19660695A JP H0937932 A JPH0937932 A JP H0937932A
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frequency electromagnetic
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HAIDETSUKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁誘導発熱を用いた高周波電磁誘導加熱器で
あって、金属加熱部材は直径の異なった複数の円筒状細
帯体6で構成されていることにより、効率良く電磁加熱
(発熱)でき、被加熱体から油脂等の液体が落下しても
円筒状細帯体に落下する確率が低く、発煙や発火が起こ
りにくいものとする。 【解決手段】金属加熱部材(発熱部材)6の材料は、例
えば非磁性体のステンレス鋼のSUS304を用い、幅
7mm、厚さ0.5mmの複数の細帯体19で構成し、
接続部20で溶接または圧接により固定され円筒状とな
っている。そして一定の間隔にスリットが形成されてい
る十文字型の固定器具21によって一定の間隔に固定さ
れている。最も内側部の円筒状細帯体の内径は52m
m、最も外側部の円筒状細帯体の内径は205mmと
し、合計10個の円筒状細帯体を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱炉または炭火
焼き料理などに有用な高周波電磁誘導加熱器に関し、さ
らに詳しくは、魚貝類、食肉類、野菜類、茸類、ピザ、
グラタン等を放射光熱線で焼くために用いられる高周波
電磁調理器などに有用な高周波電磁誘導加熱器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、焼き物調理品は天然の炭を用いた
炭火が最高のものであった。たとえば鰻の蒲焼は、炭火
を用いなければ良い味は得られない。また鰻に限らず、
一流のレストランでは、魚、貝、肉などを炭火を用いて
良い味を出している。炭火を用いている理由は、炭火の
赤外線による放射熱が、被加熱体調理物への熱透過性に
優れることと、均一熱を発生させることができるからで
ある。しかしながら、均一熱を発生させるためには、樫
等の堅い木材から得られた炭を用い、炭火の配置を工夫
し、かつ調理中は調理物から落下した液体によって発生
する煙をうちわによって排除したり、炭火の表面に発生
する灰を除去するなどの工夫が必要で、一流のコックに
なるには長年の修行と熟練が必要であった。そのうえ、
良質の炭は入手が困難で、かつ炭火を扱うこと自体が面
倒であるので、炭火はますます使用されなくなってきて
いる。
【0003】また、コスト上の問題からそれ程一流の味
を出すことが要求されないレストランや家庭では、焼き
物調理は抵抗式の電気オーブンを用いたり、ガスを燃焼
させて金属物体を加熱し、その反射熱で食物材料(食
材)を焼くことが一般的に行われている。
【0004】さらにセラミックスなどの焼成炉、合成繊
維の金型加熱炉、一般の加熱炉は、ニクロム線等の抵抗
式ヒーターを用いて長時間かけて一定の加熱温度に昇温
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記抵
抗式の電気オーブンを用いた調理は、発熱量がそれ程高
くなく、一定の加熱温度に昇温するまでに長時間必要と
する上、調理に時間が長時間かかり、食材の内部まで火
が良く通らないという問題があった。また、ガス燃焼に
よる調理はやはり食材の内部まで火が良く通らないとい
う問題があった。とくに従来の調理器では、「強火の遠
火」が得にくかった。さらに、一般の加熱炉も一定の加
熱温度に昇温するまでに長時間を必要とするという問題
があった。また、本発明者らはすでに高周波電磁誘導加
熱器に用いる発熱体として、円周方向に沿ったスリット
孔を有する円盤状の金属加熱部材を提案しているが(特
願平6−238666号)、この円盤状の金属加熱部材
は上部に被加熱体をおいて焼き物調理をする場合、被加
熱体から油脂等の液体が落下すると発煙や発火が起こり
やすいという問題があった。
【0006】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、高周波電力を用いて可視光線または赤外線を含む
放射熱光線により加熱ができ、昇温速度も速く、調理器
に応用した場合は焼き物調理ができ、均熱性に優れた高
周波電磁調理器とすることができ、さらに被加熱体から
油脂等の液体が落下しても発煙や発火が起こりにくい高
周波電磁誘導加熱器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の高周波電磁誘導加熱器は、高周波を発生す
るワークコイルと、前記高周波によって発生した交流磁
場により加熱される金属加熱部材と、前記ワークコイル
と前記金属加熱部材とを断熱する手段を少なくとも備え
た高周波電磁誘導加熱器であって、前記金属加熱部材は
直径の異なった複数の円筒状細帯体で構成されているこ
とを特徴とする。
【0008】前記構成においては、複数の円筒状細帯体
が、固定器具によって一定の間隔に固定されていること
が好ましい。また前記構成においては、複数の円筒状細
帯体の軸方向が、被加熱体と実質的に垂直方向に位置し
ていることが好ましい。
【0009】また前記構成においては、複数の円筒状細
帯体が、幅が3〜20mm、厚さ0.1〜1mmの非磁
性体または磁性体のステンレス鋼であることが好まし
い。また前記構成においては、金属加熱部材の発熱温度
が、700〜1000℃の範囲であることが好ましい。
【0010】また前記構成においては、金属加熱部材の
発熱が、可視光線または赤外線を含むことが好ましい。
また前記構成においては、ワークコイルの発生周波数
が、20〜30kHzの範囲であることが好ましい。
【0011】また前記構成においては、ワークコイルと
金属加熱部材とを断熱する手段が、ワークコイル上のト
ッププレートと、前記トッププレート上にスペーサーを
介して設置した断熱材プレートと、前記トッププレート
と前記断熱材プレートとの隙間に送風する手段から構成
されることが好ましい。
【0012】また前記構成においては、高周波電磁誘導
加熱器が、高周波電磁調理器であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】前記した本発明によれば、高周波
を発生するワークコイルと、前記高周波によって発生し
た交流磁場により加熱される金属加熱部材と、前記ワー
クコイルと前記金属加熱部材とを断熱する手段を少なく
とも備えた高周波電磁誘導加熱器であって、前記金属加
熱部材は直径の異なった複数の円筒状細帯体で構成され
ていることにより、円筒状細帯体は効率良く電磁加熱
(発熱)できる。また、前記発熱面を有効に活用できる
とともに、被加熱体から油脂等の液体が落下しても円筒
状細帯体に落下する確率が低く、たとえ落下しても横方
法にはじかれてしまうので、発煙や発火が起こりにく
い。また、金属加熱部材が放射熱光線を発生する程度の
高温まで急激に熱膨張しても、金属加熱部材が熱変形を
起こさず、安定して円筒状を保持できる。また円筒状で
あると、表面(平面)も裏面も加熱に寄与することがで
き、放射熱光線を最も効率良く発生させることができ
る。この結果、焼き物調理に好適な均熱性に優れた高周
波電磁調理器を提供することができる。また、エネルギ
ー源として電力を用いるので、温度制御が容易で、かつ
炭火やガス燃焼に比べて調理環境を格段にクリーンにで
きる。さらに一般の加熱炉に応用しても、数分内で数百
度の温度まで上昇させることができるので昇温速度がき
わめて速い。
【0014】前記において、なぜ放射熱光線を効率良く
発生できるかを考察すると、ワークコイルから上方に向
かって磁束が竜巻のように上がるが、本発明の複数のリ
ング状の金属加熱部材(発熱部材)が横切っているの
で、これによって短絡電流が流れ、ジュール熱が発生す
るのである。
【0015】前記構成において、複数の円筒状細帯体
が、固定器具によって一定の間隔に固定されていると、
均一加熱ができるので好ましい。また前記構成におい
て、複数の円筒状細帯体の軸方向が、被加熱体と実質的
に垂直方向に位置していると、被加熱体から油脂等の液
体が落下しても発煙や発火が起こりにくく好ましい。
【0016】また前記構成において、複数の円筒状細帯
体が、幅が3〜20mm、厚さ0.1〜1mmの非磁性
体または磁性体のステンレス鋼であると、発熱効率が高
い上、高温での耐酸化性に優れ、食材またはこれに関連
する材料から発生する様々な液体(油脂、調味料など)
が高温で接触しても変質せず長期にわたり安定して使用
することができる。また、本発明によって発生させる放
射熱光線は、熱光線量が必要であるため、金属加熱部材
の厚さはあまり必要ではなく、0.1〜1mm程度の厚
さで十分である。さらに好ましくは、0.3〜0.8m
m程度の厚さである。またステンレス鋼としては、たと
えばSUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼な
どがある。
【0017】また前記において、金属加熱部材の発熱温
度が、700〜1000℃の範囲であるという好ましい
例によれば、放射熱光線を実用的に十分に発生できる。
また前記において、金属加熱部材の発熱が、可視光線ま
たは赤外線を含むという好ましい例によれば、黄、橙
(オレンジ)、赤などを含む放射熱光線を実用的に十分
に発生できる。すなわち高品位の炭火と同等かそれ以上
の発熱ができる。より具体的には、波長が0.75〜1
00μm程度の近赤外、中間赤外、遠赤外線を含む放射
熱光線を発生させることができる。
【0018】また前記において、ワークコイルの発生周
波数が、20〜30kHzの範囲であるという好ましい
例によれば、放射熱光線を実用的に十分に発生できる。
入力する電気容量は、たとえば3.0〜5.0kw程度
の業務用調理器に好適である。
【0019】また前記において、ワークコイルと金属加
熱部材とを断熱する手段が、ワークコイル上のトッププ
レートと、トッププレート上にスペーサーを介して設置
した断熱材プレートと、トッププレートと断熱材プレー
トとの隙間に送風する手段から構成されるという好まし
い例によれば、効率良く長期間安定して加熱装置を稼働
できる。
【0020】また本発明の高周波電磁誘導加熱器は、加
熱炉としても用いることができる。加熱炉としても用い
る場合は、窒素等の不活性ガス雰囲気で用いても良い。
また加熱炉としても用いる場合は、金属加熱部材(発熱
体)の取り付け、取り外しなど交換作業が容易である。
【0021】また本発明の高周波電磁誘導加熱器は、と
くに高周波電磁調理器に用いることが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。図1は、本発明に係る高周波電磁誘導加熱
器の金属加熱部材(発熱部材)6の斜視図である。金属
加熱部材(発熱部材)6の材料は、非磁性体のステンレ
ス鋼としては、SUS304等のオーステナイト系ステ
ンレス鋼などがある。磁性体のステンレス鋼としては、
たとえば住友金属テクノロジー株式会社製のNAR16
0,FH−11等がある。本実施例ではSUS304を
用い、幅7mm、厚さ0.5mmの複数の細帯体19で
構成した。細帯体19は接続部20で溶接または圧接に
より固定され円筒状となっている。そして一定の間隔に
スリットが形成されている十文字型の固定器具21によ
って一定の間隔に固定されている。本実施例では、固定
器具21を用いて、最も内側部の円筒状細帯体の内径を
52mm、最も外側部の円筒状細帯体の内径を205m
mとし、合計10個の円筒状細帯体を配置した。
【0023】図2は本発明に係る高周波電磁調理器の一
実施例を示す模式図である。図2に示すように、本体1
の上部にはセラミック製のトッププレート2が固定され
ており、このトッププレート2の下部には当業者にとっ
て周知の高周波電力発生装置が設けられている。図2に
はインバーターのワークコイル3を図示し、その他の高
周波電力発生装置を省略しているが、高周波電力発生装
置はAC電源を介して商用波数(50Hzまたは60H
z、3.0〜5.0kw)の交流電力を供給し、DC電
流に変換し、インバーターと出力トランスを用いてワー
クコイル3から高周波電力(たとえば25kHz)を発
生させ、トッププレート2の上部に交流磁場を発生させ
る。ここで、トッププレート2はインバーターを保護す
る役目を担っている。
【0024】トッププレート2の上部には、5〜10m
m厚のセラミック製のスペーサー4、4を介して断熱材
5が設けられており、この断熱材5の上には金属加熱部
材(発熱部材)6が載置されている。これにより、ワー
クコイル3によってトッププレート2の上部に発生した
交流磁場の作用により金属加熱部材(発熱部材)6に起
電力が誘起され、その表面層を流れる渦電流によってジ
ュール熱が発生し、金属加熱部材(発熱部材)6が加熱
される。金属加熱部材(発熱部材)6は可視光線、赤外
線を含む放射光熱線を発生し、金属加熱部材(発熱部
材)6の上方に一定の距離を置いてのせた魚貝類、牛肉
等を調理することができる。
【0025】トッププレート2の上には、断熱材5の側
方に位置して冷却ファン7が設けられており、この冷却
ファン7によって断熱材5とトッププレート2との間に
冷風を送り込むことができる。そして、この冷却ファン
7の働きにより、断熱材5から下方へ向かって放射する
熱は冷却され、ワークコイル3が高温になることはない
ので、ワークコイル3の損傷を防止することができる。
このように、冷却ファン7によってワークコイル3の損
傷を防止するようにしたので、従来のように装置全体を
オフにすることなくインバーターのワークコイルを保護
することができるので、ある程度長時間にわたって加熱
する必要がある場合にもうまく調理することができる。
【0026】断熱材5の側壁5aには、直径1.2mm
のアルミ線が1〜20回程巻かれており、アンテナコイ
ル8が構成されている。これにより、断熱材5の周囲に
漏れている磁束がアンテナコイル8を鎖交し、アンテナ
コイル8に起電力が発生するので、交流を得ることがで
きる。
【0027】図3に示すように、アンテナコイル8はシ
リコン整流器9及び平滑用コンデンサ10を介してDC
モータ11に接続されている。尚、図3において、12
は回路保護用の抵抗器である。
【0028】以上のような構成とすることにより、アン
テナコイル8によって得られた交流はシリコン整流器9
及び平滑用コンデンサ10を通して全波整流され、25
〜30Vの直流を得ることができるので、DCモータ1
1を駆動して冷却ファン7を作動させることができる。
もちろん冷却ファン7は別の電源に接続しても良い。
【0029】このように、断熱材5の周囲に漏れている
磁束を利用して冷却ファン7を作動させるようにしたの
で、外部電源を必要としない。その結果、電磁調理器か
ら電源コードがぶら下がった状態となることはなく、電
磁調理器の外観がすっきりしたものになると共に、節電
にも貢献することができる。また、電磁調理器を洗浄す
るに際しても電源コードが邪魔になることはなく、他の
場所への運搬にも支障がない。
【0030】尚、本実施例においては、冷却ファン7を
トッププレート2の上に設けているが、必ずしもこの構
成に限定されるものではなく、冷却ファン7をトッププ
レート2の下側に設け、トッププレート2とワークコイ
ル3との間に冷風を送り込むようにしてもよい。
【0031】また、本実施例においては、トッププレー
ト2の上部に設けた断熱材5の側壁5aにアルミ線を巻
回することにより、アンテナコイル8が構成されている
が、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、断熱
材5の周囲に断熱材5とは別個独立にアンテナコイルを
付設するようにしてもよい。そして、この場合、金属加
熱部材としては、断熱材5のように容器状のものである
必要はなく、例えば、平板状、シート状のものであって
もよい。
【0032】また、本実施例においては、漏れ磁束を利
用して冷却ファン7を作動させるようにしているが、必
ずしもこの構成に限定されるものではなく、金属加熱部
材の周囲と冷却ファン7のDCモータ11とを熱電対を
介して接続し、発生した起電力をDCモータ11に適合
した駆動電圧に調節することによって、冷却ファン7を
作動させるようにしてもよい。また、別の外部電源を利
用して冷却ファン7を作動させることもできる。
【0033】次に図4は、本発明にかかる高周波電磁調
理器の別の実施例を示す模式図である。図2と異なると
ころは、冷却用風を送り出す部分である。すなわち本体
1の内側にファン13を設け、ワークコイル3を冷却す
ると同時に、冷却用風をトッププレート2の端に開けた
冷却孔14からフード15を通過してトッププレート2
と断熱材5との間を冷却する部分である。
【0034】次に図5は、本発明にかかる高周波電磁調
理器のさらに別の実施例を示す模式図である。図2と異
なるところは、ファン17を断熱材プレート16の横に
横向きに置き、トッププレート2と断熱材プレート16
との間を冷却するところである。この様にすると、使用
者にとってファン17が調理の邪魔にならず、また金属
加熱部材(発熱部材)6も見やすくなる。ファン17を
回転させるモーター(薄いため図示せず)は、下向に置
くと使用者にとってさらに使いやすい。またこの実施例
においては、アンテナコイルは金属加熱部材(発熱部
材)6の外側であって、断熱材プレート16の下側に5
〜6回巻回しておく。アンテナコイルは細いものなの
で、ファン17からの送風を妨げることはない。なお、
トッププレート2と断熱材プレート16との間のスペー
ス(間隔)は5mm程度が好ましい。
【0035】前記において、断熱材プレート16として
は、たとえばカオウールボード(イソライト工業社
製)、カオウール1000ボード(イソライト工業社
製)などのシリカ系セラミックを繊維化したボードなど
の無機材料断熱シートを使うのが好ましい。なお図5に
おいて、18はセンタースペーサーである。
【0036】次に図6は、断熱材プレート16の形状を
示す。断熱材プレート16としては、前記したようにカ
オウールボードまたはカオウール1000ボードを用
い、厚さ5mm、1辺が240mmの正方形のものを脱
バインダー処理して用いた。脱バインダー処理は、異臭
をなくすために行うもので、700〜800℃で熱処理
することにより行った。また中央にはセンタースペーサ
ー18を通す穴18´を形成した。
【0037】次に図7は、図5の加熱装置の上に金網2
3をのせ(金網23と金属加熱部材(発熱部材)24の
距離約20〜120mm、なお生魚の場合は約80m
m、乾物の場合は約20mm、貝類80〜100mm、
肉類100〜120mmが好ましい)、かつ金属加熱部
材(発熱部材)の周囲に吸引ダクト22を設け、実際に
魚24を焼いている実験例を示すものである。入力した
電気容量は200V、4.0kw、ワークコイル3の発
生周波数は25kHzであった。この条件で金属金属加
熱部材(発熱部材)6の発熱温度は、1分20秒〜1分
30秒で820℃まで昇温でき、黄、橙(オレンジ)、
赤などを含む可視光線及び赤外線の放射熱光線を発生し
た。魚24は表面が焦げることなく、内部まで十分に加
熱され、高品位の炭火を用いた場合と同等かそれ以上の
良い調理ができた。魚24から落下する液25は、金属
加熱部材(発熱部材)6に直接落下するものは少なく、
たとえ落下してもはじかれてしまい、発煙も発火も防止
できた。また冷却ファン17を用いて、トッププレート
2と断熱材5との間に風を送り込むと同時に、金属加熱
部材(発熱部材)6の上にも風を送り、吸引ダクト22
から吸引した。その結果、金属加熱部材(発熱部材)6
の間に落下した油脂などが高温によりガス化したものが
吸引ダクト22に吸引され、外部への発煙は認められな
かった。さらに、金属加熱部材(発熱部材)6が汚れる
ことはなかった。なお、魚の他にサザエなどの貝類、カ
ニ、エビ、鰻なども調理したが、外部は焦げたり黒くな
ることはなく、内部まで十分に加熱され、高品位の炭火
を用いた場合と同等かそれ以上の良い調理ができた。さ
らに牛肉、鶏肉、焼き鳥なども焼いてみたが、表面は焦
げることなく、内部まで十分に加熱され、良い調理がで
きた。以上の調理は一流の料理人が担当したが、炭火と
同等、または炭火以上の調理ができた。さらに繰り返し
て1月間使用したが、金属加熱部材(発熱部材)6が変
形したり酸化することはなかった。
【0038】次に図7の装置を用いて、具体的にどの程
度の発熱量があるかを、水の加熱によって実験した。用
いた鍋は表面が黒色の寸胴鍋である。この中に25℃の
水を2リットル入れ、金属加熱部材(発熱部材)6の上
方20mmに架台の位置を変え、架台の上に金網を置
き、その上に鍋をかけた。そして、10分間加熱して加
熱プレート6の温度、鍋の中の水をかきまぜたときの温
度、架台の上に金網の温度をそれぞれ測定した。なお金
属加熱部材(発熱部材)6としては、SUS304ステ
ンレス鋼、NAR160ステンレス鋼,FH−11ステ
ンレス鋼をそれぞれ用いた。その結果、加熱板の温度は
820〜910℃、水温は91〜97℃となった。
【0039】以上の結果から、火力は強いことが確認で
きた。また急速加熱もできることがわかった。次に図8
は、本発明の別の実施例を示すもので、ワークコイル
3、トッププレート2を上に置き、加熱ボックス26の
中の上方に断熱材プレート16と金属加熱部材(発熱部
材)6を設置したものである。この例においては、デッ
シュ27内のたとえばグラタン、ピザパイなどの食材2
8を加熱したり、焼く調理に都合が良い。
【0040】次に図9は、本発明の別の実施例を示すも
ので、ワークコイル3、トッププレート2を横に一対に
置き、加熱ボックス29の中の横に一対断熱材プレート
16と金属加熱部材(発熱部材)6を設置したものであ
る。この例においては、デッシュ30内のたとえば一匹
の鶏肉のような大型の食材31を加熱調理したり、焼く
調理に都合が良い。
【0041】以上説明したように、本実施例係る高周波
電磁調理器によれば、従来のように装置全体をオフにす
ることなくインバーターのワークコイルを保護すること
ができるので、ある程度長時間にわたって加熱する必要
がある場合にもうまく調理することができる。
【0042】また、前記本実施例において、金属加熱部
材の周囲に、漏れ磁束の鎖交によって交流を生じさせる
アンテナコイルを付設し、前記アンテナコイルを整流回
路を介して冷却装置用のDCモータに接続するという好
ましい構成、又は金属加熱部材の周囲と冷却装置用のD
Cモータとを熱電対を介して接続するという好ましい構
成によれば、冷却装置を作動させるための外部電源を一
切必要としないので、電源コードによって電磁調理器の
外観が損なわれることはないと共に、節電にも貢献する
ことができる。また、洗浄するに際しても電源コードが
邪魔になることがなく、他の場所への運搬にも支障がな
い。
【0043】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、高
周波を発生するワークコイルと、前記高周波によって発
生した交流磁場により加熱される金属加熱部材と、前記
ワークコイルと前記金属加熱部材とを断熱する手段を少
なくとも備えた高周波電磁誘導加熱器であって、前記金
属加熱部材は直径の異なった複数の円筒状細帯体で構成
されていることにより、円筒状細帯体は効率良く電磁加
熱(発熱)でき、前記発熱面を有効に活用できるととも
に、被加熱体から油脂等の液体が落下しても円筒状細帯
体に落下する確率が低く、たとえ落下しても横方法には
じかれてしまうので、発煙や発火が起こりにくい。ま
た、金属加熱部材が放射熱光線を発生する程度の高温ま
で急激に熱膨張しても、金属加熱部材が熱変形を起こさ
ず、安定して円筒状を保持できる。また円筒状である
と、平面も裏面も加熱に寄与することができ、放射熱光
線を最も効率良く発生させることができる。この結果、
焼き物調理に好適な均熱性に優れた高周波電磁調理器を
提供することができる。また、エネルギー源として電力
を用いるので、温度制御が容易で、かつ炭火やガス燃焼
に比べて調理環境を格段にクリーンにできる。さらに一
般の加熱炉に応用しても、数分内で数百度の温度まで上
昇させることができるので昇温速度がきわめて速い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いる金属加熱部材(発熱
部材)の斜視図である。
【図2】本発明にかかる高周波電磁調理器の一実施例を
示す模式図である。
【図3】同、冷却ファンを作動させるための電気回路図
である。
【図4】本発明にかかる高周波電磁調理器の別の実施例
を示す模式図である。
【図5】本発明にかかる高周波電磁調理器のさらに別の
実施例を示す模式図である。
【図6】本発明の実施例で用いる断熱材プレートの形状
を示す。
【図7】図5の加熱装置の実験例を示す。
【図8】本発明の別の実施例を示すもので、加熱部を上
方に設置した例である。
【図9】本発明の別の実施例を示すもので、加熱部を横
に一対に設置した例である。
【符号の説明】
1 本体 2 トッププレート 3 ワークコイル 4 スペーサー 5 断熱材 6 金属加熱部材(発熱部材) 7,17 冷却ファン 8 アンテナコイル 9 シリコン整流器 10 平滑用コンデンサ 11 DCモータ 12 回路保護用の抵抗器 13 ファン 14 冷却孔 15 フード 16 断熱材プレート 18 センタースペーサー 18´ センタースペーサーを通す穴 19 金属発熱部 20 スリット孔 21 中央くりぬき部 22 吸引ダクト 23 金網 24 魚 25 魚から落下する液体 26,29 加熱ボックス 27,30 デッシュ 28,31 食材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波を発生するワークコイルと、前記
    高周波によって発生した交流磁場により加熱される金属
    加熱部材と、前記ワークコイルと前記金属加熱部材とを
    断熱する手段を少なくとも備えた高周波電磁誘導加熱器
    であって、前記金属加熱部材は直径の異なった複数の円
    筒状細帯体で構成されていることを特徴とする高周波電
    磁誘導加熱器。
  2. 【請求項2】 複数の円筒状細帯体が、固定器具によっ
    て一定の間隔に固定されている請求項1に記載の高周波
    電磁誘導加熱器。
  3. 【請求項3】 複数の円筒状細帯体の軸方向が、被加熱
    体と実質的に垂直方向に位置している請求項1に記載の
    高周波電磁誘導加熱器。
  4. 【請求項4】 複数の円筒状細帯体が、幅が3〜20m
    m、厚さ0.1〜1mmの非磁性体または磁性体のステ
    ンレス鋼である請求項1に記載の高周波電磁誘導加熱
    器。
  5. 【請求項5】 金属加熱部材の発熱温度が、700〜1
    000℃の範囲である請求項1に記載の高周波電磁誘導
    加熱器。
  6. 【請求項6】 金属加熱部材の発熱が、可視光線または
    赤外線を含む請求項1に記載の高周波電磁誘導加熱器。
  7. 【請求項7】 ワークコイルの発生周波数が、20〜3
    0kHzの範囲である請求項1に記載の高周波電磁誘導
    加熱器。
  8. 【請求項8】 ワークコイルと金属加熱部材とを断熱す
    る手段が、ワークコイル上のトッププレートと、前記ト
    ッププレート上にスペーサーを介して設置した断熱材プ
    レートと、前記トッププレートと前記断熱材プレートと
    の隙間に送風する手段から構成される請求項1に記載の
    高周波電磁誘導加熱器。
  9. 【請求項9】 高周波電磁誘導加熱器が、高周波電磁調
    理器である請求項1〜8のいずれかに記載の高周波電磁
    誘導加熱器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010147015A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Takashi Kishioka 電磁調理器用発熱ゴトク
KR101033743B1 (ko) * 2009-06-25 2011-05-09 박홍욱 고주파 유도 가열 감응장치
JP2018120767A (ja) * 2017-01-25 2018-08-02 中部電力株式会社 誘導加熱装置及び誘導加熱方法
CN109224089A (zh) * 2018-11-06 2019-01-18 泰州天仪医疗器械有限公司 医疗器械的消毒装置

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