JPH0936891A - 無線ネットワークの通信方法およびその装置 - Google Patents

無線ネットワークの通信方法およびその装置

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JPH0936891A
JPH0936891A JP8164039A JP16403996A JPH0936891A JP H0936891 A JPH0936891 A JP H0936891A JP 8164039 A JP8164039 A JP 8164039A JP 16403996 A JP16403996 A JP 16403996A JP H0936891 A JPH0936891 A JP H0936891A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 無線通信ネットワークの物理カバレージを拡
張する方法および装置を提供する。 【解決手段】 多数のトランシーバが単一の基地局に直
列構成で接続され、それぞれ物理カバレージのサブセル
に信号を送る。トランシーバは、それぞれ、単一の基地
局から送信されるダウンリンク信号をそれぞれのサブセ
ルに送信するように調整する遅延ユニットに接続され
る。それぞれのトランシーバからのダウンリンク信号は
すべて基地局からの同じダウンリンク信号から生じたも
のであり、それらは互いに位相が合っているため、物理
カバレージ内にあるどの無線ユニットも、エラーのない
ダウンリンク信号を受信する。物理カバレージ内の様々
なサブセル内の多数の無線ユニットから同時にアップリ
ンク信号がトランシーバに送信されるときは、選択ユニ
ットが、基地局が受信するアップリンク信号を1つだけ
選択し、同時に送信された他の信号はすべて拒否され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に無線通信ネ
ットワークに関する。より詳細には、それぞれ適切な遅
延ユニットおよび選択ユニットに接続された複数のトラ
ンシーバを使って単一基地局の物理カバレージ領域を拡
張する。
【0002】
【従来の技術】無線通信領域を作成するとき、無線設備
のいくつかの重要な側面は、コスト、構成可能性、およ
び性能である。
【0003】コストに関しては、明らかに基地局(B
S)が無線設備の中で最も高価な部分なので、各多重ト
ランシーバ(TRX)ごとに専用のアクセス・ポイント
(AP)を設けるよりも、単一の基地局(BS)に多重
トランシーバ(TRX)の役目をさせる方が好ましい。
この方式では、BSによって提供されるカバレージ領域
全体、すなわちセルサイズは、コストを大幅に増やすこ
となく拡張されてきた。したがって、BSがカバーする
セルは、実際には、それぞれTRXによって物理的に提
供される多数のサブセルに区分される。そのような無線
設備の例は、F.グフェラ(Gfeller)の論文「Infrared
Microbroadcasting Network for In-HouseData Communi
cation」、IBMテクニカル・ディスクロジャー・ブル
テン、Vol.24、No.8、pp.4043〜4046(1982年1月)で最
初に提案された。グフェラは、基本的に中央制御装置を
有する星型構造の赤外線マイクロ同報通信ネットワーク
を記述している。この制御装置は、アクセス・ポイント
(AP)に接続することができる。TRXはそれぞれ、
ケーブルで接続された制御装置に、専用のTRXポート
を有する。制御装置は、アップリンク・パケットの選択
と、その後のパケットの同報通信を制御する。
【0004】サブセルの構成可能性に関しては、赤外線
(IR)無線システムのサブセルが本来小さいため、I
Rシステムでは、パフォーマンスを低下させずにTRX
の位置をどのように決めるかという問題が特に重要であ
る。サブセルが小さくなればなるほど、ルーム内に均一
のカバレージを提供するのに多数のサブセルが必要にな
る。TRXユニットが特殊な場所にあると、パケットの
同報通信中にサブセルに潜在的な問題が生じる。無線ユ
ニット(WU)が2つのTRXユニットの真中にあると
仮定する。この場合、WUは、各TRXユニットから1
つずつ、2つの信号寄与を受け取る。一方のTRXユニ
ットからの信号が、他方のTRXユニットに対して遅延
する場合は、有害な信号干渉によって、WUにおいてパ
ケットが破壊されることがある。2つの信号寄与が互い
に遅延するかどうかを決めるのは、TRXユニットと、
中央の配布ポイント、たとえばグフェラの事例では制御
装置との間のケーブルの遅延である。従来技術は、サブ
セルの重なりによる有害な信号干渉をなくす適切で構成
可能な遅延を提供する方法を開示していない。グフェラ
のマイクロブロードキャスティング・ネットワークのよ
うな星型構成において、問題を解決する方法は、ケーブ
ルの長さを確実に等しくすることである。しかし、その
ような手法には大きな欠点がある。まず第1に、長いケ
ーブルは容量が大きいため、信号波形に有害となる可能
性がある。第2に、中央配布ポイントから最も遠く離れ
たTRXによって、他のすべてのTRXユニットまでの
ケーブル長が決まることになる。これは、無駄なだけで
なく、追加のTRXユニットがさらに長いケーブルを必
要とする場合は、セルサイズをさらに拡張することも困
難である。第3に、制御装置に接続できるケーブルの数
が、制限されることがある。制御装置のバスを延長する
方法はあるかもしれないが、制御装置の位置にケーブル
が密集することや、ケーブルを全方向に分岐させること
は特に好ましくない。長い廊下や列になったオフィスに
無線サービスを準備するときのケーブル構成を想像され
たい。従来技術は、そのような設備を、安価で実用的で
継目のない形で導入、維持、拡張する方法を教示してい
ない。
【0005】ほとんどの無線システムは、少なくともア
ップリンクで、無線媒体にアクセスするために周知の搬
送波検知多重アクセス(CSMA)方式を利用してい
る。セルサイズが大きいため、大きな隠蔽ノード問題が
生じることは簡単に想像できる。隠蔽ノード問題は、B
Sと通信することはできるが、2つの異なるサブセル内
にあるために互いの信号をセンスできない2つ(または
それ以上)のWUの現象である。さらに、WUが一般的
になってきたため、チャネルを捕らえるための競合が多
くなるであろう。この結果、衝突と無駄なパケットの量
が増大する。したがって、スループット性能も低下す
る。この問題は、F.クロス(Closs)他の論文「A mul
ti-star broadcast network for local-area communica
tion」で検討されている。クロスは、TRXポートに1
つまたは複数のアップリンク信号があるかどうかをTR
Xポート(すなわち、クロスの提案する星型ノード)に
検出させることによって、この問題を部分的に解決して
いる。アップリンク信号がある場合は、同報通信アクセ
ス制御回路が、同報通信用に1つのアップリンク信号だ
けを選択するようにする。これにより、2つの異なるサ
ブセルからのアップリンク・パケットの衝突が回避され
る。また、クロスのアクセス制御回路は、同報通信チャ
ネルの使用中に到着するパケットをすべて拒否(無視)
するように保証する。これにより、同報通信のため、頭
部を切り捨てられたパケットが選択されることはない。
従来技術は、選択回路(すなわち、信号検出器とアクセ
ス制御回路)が同報通信チャネルへの接続をセットアッ
プするのを待つことなくパケットの選択/拒否を行う方
法を教示してない。これは、星型ノードでは大きな問題
にならないかもしれないが、パケットが多数の選択回路
を通過しなければならない設備では問題になる。
【0006】ほとんどの無線システムでは、衝突を検出
することができない。サブセル内の衝突の確率を小さく
し、一般により信頼性が高く効率のよいデータ・リンク
を提供するために、CSMAが衝突回避(CA)方式と
しばしば併用される。これは、P.カーン(Karn)の論
文「MACA - A new channel access method for packetr
adio」、ARRL/CRRL Amateur Radio 9th Computer Netwo
rking Conference(1990年9月22日)で最初に報告され
た。 今日では、CA方式にはいくつかのバージョンが
ある。一般に、CA方式には2つの部分がある。最初の
部分は、ランダム・バックオフ時間を含み、これは、W
Uが、空きチャネルを検出した後で、パケットを送信す
るまで任意の時間だけ待機するものである。これで、衝
突の数が大幅に減少する。しかしながら、まだ衝突が起
こる可能性があり、またパケットが他の理由(たとえ
ば、雑音妨害、信号の減衰)でも無駄になる。CA方式
の第2の部分は、一般に次のようなパケット交換を含
む。すなわち、WUが送信要求(RTS)を送り、AP
が送信可(CTS)で応答し、WUがデータ・パケット
(DATA)を送り、APがデータの受け取り(DAC
K)を肯定応答する。この方法で、WUは、RTSまた
はDATAパケットが失われた所与の時間内にCTSま
たはDACKパケットを受け取らなかった場合を想定し
て、RTSまたはDATAパケットをもう1度送る。他
のWUは、同じパケット交換を確認し、DACKパケッ
トを検出するかタイマーが時間切れになるまで、チャネ
ルの捕捉を試みないようにする。但し、同報通信された
CTS応答の検出までWUには最初のRTSについて何
も分からないので、RTSとCTS応答との間には、他
のサブセル内のWUがRTSパケットを送ることができ
る期間(一般に衝突期間と呼ばれる)がある。BSは1
回に1つのRTS要求しか処理できないので、このよう
なRTSパケットはまったく無駄になる。さらに、この
ようなRTSパケットの後のパケットは、各サブセル内
でCTS応答と衝突することがある。衝突期間を大幅に
短縮し、それにより他のサブセルにおけるRTSパケッ
トの発行を防ぐ1つの方法は、アップリンク・パケット
をすべてのサブセルに即座に同報通信することである。
グフェラは、これを、マイクロブロードキャスト・ネッ
トワークで行う。これは、無線アップリンク・チャネル
と無線ダウンリンク・チャネルを共用せず、二重チャネ
ルを利用していたために行うことができる。
【0007】従来技術は、無線アップリンク・チャネル
および無線ダウンリンク・チャネルが共用されている場
合に、アップリンク伝送中に無線ユニットの数を変更す
る方法を教示していない。また、従来技術は、BSにお
いて多数のRTS要求を処理する方法も開示していな
い。現時点では、BSは、最初のRTS要求を処理して
しまうまで、次のRTS要求パケットで何を行うか分か
らない。BSに多数のRTS要求が累積すると、無線ユ
ニットとBSの間のパケット交換がより規則正しくな
り、それにより、トラフィックの大きな条件下での遅延
/スループット性能が改善される。
【0008】セルサイズを拡張する方法のもう1つの例
は、1983年8月30日発行のF.グフェラ他による米国特
許第4402090号明細書で提案された。この特許で
は、複数のサテライト局が、中央クラスタ制御装置に直
列バス方式で接続されている。しかし、バスへのアクセ
スは、媒体アクセス・プロトコルによって調整され、サ
テライト局が、アドレス認識、フレーム・デリミタ検
査、CRCエラー検査などの機能を実行するので、カバ
レージ領域を拡張するこの方法は、実際にはデータ・リ
ンク層の手法である。データ・リンク手法の欠点は、次
のようなものである。すなわち、サテライト局における
パケットのバッファリング、バスへのアクセス、パケッ
トの処理、バス上の衝突などに関連した不可避な遅延に
より、スループットおよび遅延性能が明らかに低下す
る。さらに、それぞれのサテライト局に論理信号処理回
路を導入するため、1つのサテライト局のコストは単な
るトランシーバよりも増える。したがって、コスト、簡
素さ、および性能の点から、データ・リンク・レベルで
セルサイズを拡張するのは好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、単一
基地局の物理カバレージ領域を拡張することによって無
線通信ネットワークのコストを削減することである。よ
り具体的には、無線ユニットにデータを送信する多数の
トランシーバに基地局から送信される信号を適切に遅延
させ、基地局によって受信されるアップリンク信号を選
択することにより、物理カバレージ領域を、たとえば1
0倍に増やすことができる。
【0010】本発明の目的は、極めて簡単かつ安価で、
特定の部屋の形態に適合されず、セル・サイズを継目な
く拡張することができる無線システム用設備を提供する
ことである。
【0011】本発明のもう1つの目的は、スループット
および遅延パフォーマンスへの影響が最小限の形で、ア
ップリンク信号を瞬時に選択しダウンリンク信号の遅延
を物理層レベルでの補償することにより、1Mbps以
上の通信速度をサポートする設備を提供することであ
る。
【0012】さらに他の目的は、基地局に、複数の送信
要求を処理する機構を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、対等通信、な
らびにアクセス・ポイント経由の有線ネットワーク上の
ホストとの通信を支援する。好ましい実施形態におい
て、本発明は、この例では有線ネットワークのアクセス
・ポイント(AP)の基地局に、信号ケーブルによって
トランシーバ(トランスポンダとも呼ばれる)が接続さ
れた無指向性の赤外線無線ローカル・エリア・ネットワ
ーク・システムを対象とする。別のユニットとの特定の
無線ユニットのアップリンク信号の選択は、トランシー
バの位置で行われる。
【0014】したがって、本発明は、無線通信ネットワ
ーク内の基地局から信号を同報通信するための方法およ
び装置を提供する。多数のトランシーバを互いに接続
し、基地局に接続する。それぞれのトランシーバは、本
発明によって拡張された物理カバレージ領域のそれぞれ
のサブセル内の無線ユニットと信号を送受信する。本発
明によれば、基地局からトランシーバに送信される信号
は、各トランシーバから送信される信号が互いに同じ位
相で、カバレージ領域内のどの無線ユニットもそれぞれ
エラーなしに信号を受信するように遅延される。
【0015】本発明のさらに他の改良では、基地局への
送信用にサブセルのうちの1つから1つのアップリンク
信号だけを選択し、選択されなかったサブセルから同時
に選択された信号(ある場合は)はすべて、その信号の
全持続時間にわたって拒否する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、部屋(5)が、アクセス
・ポイント(15)経由で有線ネットワーク(10)と
の赤外線(IR)無線データ通信を準備した代表的な状
況を示す。部屋には、均一なカバレージを提供するため
に、6台のIR TRXユニット、TRX1〜TRX6
必要である。したがって、部屋には6つのサブセル(6
1〜66)がある。図2は、無線設備、すなわち、TR
Xユニット、SSDU、ケーブル(41〜46)および
ケーブル(51〜56)をより詳細に示す。図から分か
るように、各TRXは、ケーブル(51〜56)によっ
て信号セレクタと遅延ユニット(SSDU)とに接続さ
れている。SSDUは、ケーブル(42〜46)で相互
接続されており、ケーブル41は、第1のSSDUをア
クセス・ポイント(15)に接続している。図3に、信
号セレクタと遅延ユニット(SSDU)をより詳細に示
す。簡単に言うと、SSDUは、アップリンクにおいて
は、アセクス・ポイント(AP)に一度に1つのTRX
ユニットしか受信信号を送れないようにする選択機能を
実行し、ダウンリンクにおいては、信号を同期した状態
でサブセルに送信するようにする遅延機能を実行する。
SSDUは、図2に示したように3つのケーブルが接続
される。それぞれのケーブルは、APからの同報通信信
号を含む伝送データ(TXD)(40a)と、TRXユ
ニットのうちの1つからのアップリンク信号およびそれ
と関連した信号検出(SD)をそれぞれ含む受信データ
(RXD)(40b)およびSD(40c)の3つの信
号線を有する。SSDU機能の具体的なことは、以下、
詳細に説明する。
【0017】SSDUは、あらゆる型の部屋構成に、有
線ネットワークへの無線アクセスすなわち対等通信を可
能にする単純で拡張可能な設備を提供することに注意さ
れたい。基本的には、SSDUは配布/分岐ポイントで
ある。図3に、様々な型の部屋構成に無線カバレージを
提供するためにSSDUとTRXを相互接続する様々な
方法を示す。一方、たとえばSSDU(38、39)を
参照し、あるSSDUが最終のSSDUの場合は、その
SSDUに2つのTRXユニットを接続することができ
る。たとえば、SSDU(35、36、37)を参照す
ると、SSDUを分岐ポイントとして使用する場合は、
他に2つのSSDUが接続される。図3は、個別のオフ
ィス(91、92)、広いオフィス(93)、会議室
(94)などに、有線ネットワークへの無線アクセスを
提供するSSDUを示す。SSDUは、これを、最小限
の配線量、設備取付けに必要な最小限の時間、および無
理がなく確実な設備の拡張または再構成によって可能に
する。一般に、連続したSSDU間のケーブル長は短い
ため、ケーブルを伝播する信号は、信号が次のSSDU
またはTRXに渡される前に各SSDUで再増幅される
か再生されることはあるが、ケーブルの容量性負荷によ
る影響はあまり受けない。
【0018】好ましい実施形態を、アップリンク、ダウ
ンリンク、隠蔽ノードと複数RTSシステムの3つの部
分に分けて提示する。好ましい実施形態において、赤外
線(IR)システムは、無指向性タイプ(拡散タイプま
たは見通し線タイプ)である。そのようなシステムは、
個々のサブセルの境界(61〜66)が一般に円形であ
るため、サブセルの間に重複領域(71〜77)ができ
る。システムは、16パルス位置変調(16−PPM)
技術を採用して、1Mbps以上で作動する。無線チャ
ネルは、衝突回避(CA)などが組み込まれた搬送波セ
ンス複数アクセス(CSMA)によってアクセスされ
る。無線チャネルは、アップリンクとダウンリンクで共
用される。したがって、TRXユニットは、無線ユニッ
ト(WU)(85〜87)にIR信号を送り、同じ赤外
線チャネル上のWUからIR信号を受け取る。以下に何
度も使用する2つの用語、アクセス・ポイント(AP)
と制御装置は、特定の構成の基地局(BS)とみなすこ
とができることに注意されたい。
【0019】アップリンク:WUは通常、移動ユーザで
ある。たとえば、WU(87)は、第1の位置(87
a)から、重複領域(71)にある第2の位置(87
b)、さらに第3の位置(87c)に移動することがあ
る。したがって、WUが重複領域(71)の中に移動す
るときは、次の問題を検討しなければならない。すなわ
ち、2つのTRXユニット、TRX1とTRX2を、パケ
ットを無駄にすることなくWUの信号をAPに転送する
ように利用しなければならない。もう1つの問題は、位
置(87a)にあるWUが、パケットをTRX6経由で
送信し、サブセル4内のWU(85)が、WU(87
a)の送信が完了する前にTRX4経由でパケットの送
信を開始するときに起こる。したがって、図4に、さら
に詳細に示したSSDU(100)では、1つのTRX
ユニットだけのアップリンク信号を選択し、すなわち、
パケットの持続時間の間は特定のTRXとAPとの間の
接続を切断したままにするように準備される。これは、
以下の方法で行う。
【0020】トランシーバは通常、受信信号インジケー
タ(RSI)を備えている。たとえば、RSIは、信号
検出(SD)機能の形で提供され、SDは、受信器がア
ップリンク・パケットの前置部分を検出するときにイネ
ーブルにされる。一般に、SDは、一対の前置サイクル
の後でイネーブルされ、パケットの終了後すぐにディス
イネーブルされる。したがって、SDを、パケットがあ
るかどうかを示すインジケータとして使用することがで
きる。図4から分かるように、SSDUは、入力とし
て、SDA(105a)とSDB(106a)の2つのS
Dを使用する。SDは、一般に、別のSSDU、すなわ
ちソースA(105)、およびTRXユニット、すなわ
ちソースB(106)から提供されるが、後で検討する
その他の構成でもよい。SDは、決定/接続回路(13
0)の分解概略図を示す図5の決定回路(200)によ
って利用される。決定回路は、入力の変位に基づいてセ
レクタ信号Q(133)を生成し、セレクタ信号Q(1
33)は、入力ソースAまたはBの一方を出力(11
0)に接続するために、接続回路(270)への入力と
して利用される。最も簡単な形では、決定回路は、2つ
のSD入力が論理的に異なるときに状態だけを変化させ
る状態機械である。たとえば、(SDA,SDB)=
(0,1)のときはQ=1であり、(SDA,SDB)=
(1,0)のときはQ=0である。2つの入力が論理的
に等しいとき、すなわち(SDA,SDB)=(1,1)
または(0,0)ときは、Qは変化せず、Q(t+1)
=Q(t)である。そのような回路は、1つのフリップ
・フロップ、2つのANDゲート、および2つのインバ
ータで構成される。
【0021】接続回路は、いくつかの形で設計すること
ができる。最も簡単な形態では、入力ソースA(10
5)およびB(106)が共に、ORゲートを介して出
力(110)に接続される。しかし、パケットが、一方
の入力すなわちA入力(105)に現れると、B入力
(106)は出力から切り離される。その間に別の信号
がB入力に現れた場合は、その信号は無駄になる。A入
力にパケットがなくなると、B入力が出力に再び接続さ
れ、B入力にパケットがある限り、A入力が出力から切
り離される。これを論理的に表すと、下記の数式1とな
り、ここで、Xは、SDかRXDの代用である。この選
択を行う代替方法は、入力を出力から切り離したまま、
パケットが一方の入力に現れるまで待つことである。入
力にパケットが現れると、その入力と出力の間が接続さ
れる。(これは、基本的に電話回路スイッチの機構であ
る。)選択を行うこの後者の方法の欠点は、決定/接続
回路が出力への接続を確立するのを待っている間に、パ
ケットの前部分が部分的に失われることである。このパ
ケットの切捨ての度合は、論理回路の速さと、パケット
がAPまで通るSSDUの数とによって決まる。本発明
の選択手法の利点は、一方の入力に現れたパケットが、
変更されない形で出力に即座に転送されることである。
当然ながら、接続をセットアップする際に時間は浪費さ
れない。
【数1】
【0022】決定/接続プロセスは、本質的に、待機な
しの先入れ先出し機構である。すでに選択されたパケッ
トP1の終了前に到着したパケットP2は無駄になる。
これは、決定回路(200)が、2つのSD入力(10
5、106)が論理的に異なるときにだけ状態を変化さ
せるためである。最初、SD入力は(SDA,SDB)=
(1,0)であり、それによりAソース信号SDAおよ
びRXDAが選択され、次に数マイクロ秒後にSD入力
が(SDA,SDB)=(1,1)になる場合は、Q(t
+1)=Q(t)なので、Aソース信号は選択された信
号のままである。これによる利点は、WU(87a)
が、パケットの伝送中に図1の重複領域(71)の中の
位置(87b)に移動するとき、WUがTRX6によっ
てAPに接続されたままになることである。ある意味に
おいて、これは、物理層レベルでの本当のパケット/信
号捕捉方法である。特定のTRXすなわち図1のTRX
6とAPとの間の接続は、TRXからのパケットが、他
のパケットよりも前にSSDU1〜SSDU6のすべての
SSDUに到着する場合だけ、確立されることに注意さ
れたい。これは、サブセル61からのパケットが、サブ
セル6(66)から出てSSDU1に到着するまでにケ
ーブル(42〜46)の伝播遅延を受けるパケットより
も早くSSDU1に到着するため、最初のサブセル61
から出るパケットに都合がよいように思われる。しか
し、最後のSSDU6と最初のSSDU1の間の伝播遅延
は通常、ビット周期程度なので、これは、接続回路(2
70)内のゲート遅延が各ケーブルの伝播遅延と同じ大
きさであるという仮定は特に重要ではない。
【0023】入力を出力に接続するための上記の提案の
手法では、すでに選択されたパケットP1の終了前に到
着した次のパケットP2は、本質的には無駄になる。そ
れでもやはり、パケットP2の残りは全部引き続きAP
に転送される。これは、アップリンク・パケットをサブ
セルに同報通信するシステム(たとえば、対等通信シス
テム)、あるいはAPがいくつかのWUから複数の連続
したRTS要求を受け取ることができるシステムでは効
率的な手法ではない。(これらのシステムは、後の節で
さらに詳しく説明する。)A入力のパケットP1が終了
する前に次のパケットP2がB入力で受信されると仮定
する。さらに、A入力に、P1の数マイクロ秒後に別の
パケットP3が現れると仮定すると、無駄になるP2の
残りを送り続けるよりも、APにP3を送るほうが効率
がよくなる。このより複雑な決定/接続手順を検討する
ために、図5の決定回路(200)に、2つのセレクタ
信号QA(133)およびQB(134)を提供しなけれ
ばならない。2つのセレクタ信号は、接続回路(27
0)への入力として利用される。接続回路(270)の
論理式は、XOUT=XA・QA+XB・QBであり、ここ
で、Xは、SDまたはRXDの代用である。決定回路
は、図6に示したように、2つのフリップ・フロップ、
4つのANDゲート、4つのORゲート、および1つの
反転器で作成することができる。QE入力は、決定回路
をQE=0のときに(QA,QB)=(0,0)の状態に
して、入力が出力に接続されないようにするために利用
される。この状態は、ディスエーブル状態として表さ
れ、QE=1の場合に、決定回路をイネーブル状態にす
る。電源を最初入れたとき、回路はディスエーブル状態
である。
【0024】上記の中継放送および複数RTSシステム
では、連続するパケットの間の時間間隔を監視すること
が重要なこともある。2つの連続するパケット、P1と
P2が、AP(あるいは、対等通信モードにある制御装
置)に、最初に到着するP1と一緒に到着すると仮定す
る。P1とP2が、いわゆるフレーム間間隔よりも離れ
ていない場合、AP(または制御装置)は、遅い方のパ
ケットP2を検出することができない。したがって、P
1とP2がフレーム間間隔よりも離れていない場合は、
本質的に脱落パケットなので、P2をAPに転送しては
ならないことに注意されたい。連続するパケットの間を
最小限の時間だけ離すようにするために、パケットが出
力に送られるたびに、カウント・ダウン・タイマー(1
40)を始動させる状態にするように図5の決定回路
(200)を修正することもできる。決定回路(20
0)を修正するためには、フリップ・フロップ回路およ
びカウンタ/遅延回路を追加する。接続回路(270)
は、変更されない。カウント・ダウンする間、セレクタ
出力(133)および(134)は、(QA,QB)=
(0,0)に維持される。したがって、入力は出力から
切り離される。タイマの時間が切れると、修正した決定
回路は、QE=0のときに、決定回路(200)と同じ
状態(QA,QB)=(0,0)になる。タイマー(14
0)は、表面上はTtimer=Tgapに調整することができ
る。
【0025】ダウンリンク:ダウンリンクの同報通信
は、以下の通りである。図4のSSDU(100)が、
TXDIN線(165)上にある前のSSDUから送信信
号TXDを受け取る。TXD信号は、APから生じる。
信号は、次に2つの経路に分けられる。信号の一方の部
分は、最初に再生装置(RG)(180)で再生され、
次にTXDA線(167)上にある次のSSDUに送ら
れる。信号の他方の部分は、最初に、TXDB線(16
6)上にあるTRXユニットに送られる前に遅延素子
(160)で処理される。遅延素子は、TRXユニット
に指定された信号を遅延させる。遅延素子の目的と機能
は、次に説明する。
【0026】図1のWU(87b)は、図1のTRXユ
ニット、TRX1〜TRX6のそれぞれから信号寄与を受
ける。また一般に、最も近いTRXユニットからの寄与
が最も強い。したがって、WU(87b)が2つのTR
Xユニットの真ん中にあるときは、WUは、TRX1
TRX6から同じ強さの2つの信号寄与を受ける。本発
明が実施されない場合は、TRX6からの信号は、ケー
ブル(42〜46)の伝播遅延によって遅延される。そ
れぞれのケーブルの長さが5mで、ケーブルの伝播速度
が2×108m/sと仮定すると、5mのケーブル5本
の伝播遅延の合計は、5×5m/(2×108m/s)
=125nsである。区切り記号の持続時間、すなわち
チップ時間が250nsの16−PPMの変調を利用す
る1Mbpsのシステムを検討してみると、WUが受信
する合成信号は大きく歪められる。伝播遅延を補償する
1つの方法は、すべてのTRXユニットからの伝送信号
が同じ位相で送信されるように、図4のTRXB線(1
06)上のTRX送信信号を遅延させることである。図
4の遅延素子(160)が、この遅延の補償を行う。す
べてのTRXユニットから信号を同じ位相で確実に送信
するためには、k番目のTRXユニットに指定されたT
XDB信号(106)に課すべき必要な遅延tD ,kを、下
記の数式2で表すことができ、ここで、Nは、指定され
る最終予想TRXユニット、tPD,j,j+1は、SSDUj
とSSDUj+1の間のケーブルの伝播遅延である。した
がって、伝播遅延を適切に補償するためには、ケーブル
遅延tPD,j ,j+1は周知でなければならない。
【数2】
【0027】通常の赤外線無線設備の状況では、ケーブ
ル遅延は、25nsから1000nsの範囲である。こ
の程度の遅延は、図7に示すように実施することができ
る。おおよその概念は、位相同期ループ(PLL)(3
00)における送信信号の前置シーケンスを考慮して、
発振器を素早く位相同期させることである。位相同期さ
れた発振器の信号は、一連のフリップ・フロップ(32
0)への送信信号をクロックするために使われる。遅延
D,kは、伝送信号が通過するフリップ・フロップの数
mと、tD,k=m(k)/fclkにしたがう発振クロック周波
数fclkによって決定され、ここで、m(k)は、伝送信号
上のtD,kの遅延をk番目のTRXユニットに課すため
に必要なフリップ・フロップの数である。m(k)は、D
IPスイッチ(170)の設定によって調整される。遅
延を完全に補償するためには、下記の数式3の方程式を
満たさなければならない。tD,k−tD,k+1を計算する
と、(m(k)−m(k+1))/fclk=tPD,k,k+1が求まる。
この方程式は、ケーブルの伝播遅延tPD,k,k+1が、1/
clkの倍数でなければならないことを示す。換言する
と、図1および図2のケーブル(41〜46)の長さ
は、慎重に選択しなければならない。2つのSSDU、
SSDUkとSSDUk+1の間の最も短いケーブルは5m
である。これは、tPD,k,k+1=25nsの遅延に相当す
る。したがって、この最小遅延25nsを提供するため
には、fclk=40MHzの発振周波数が必要である。
部屋に均一なカバレージを提供するためには6台のTR
Xユニットが必要であり、2つの連続したすべてのSS
DU、SSDUkとSSDUk+1が、5mのケーブルで相
互接続されている場合は、k番目のTRXへの伝送信号
に課さなければならない遅延は、tD,k=(6−k)×
25nsである。この範囲の遅延すなわち0ns〜12
5nsの遅延に対処するためには、それぞれのフリップ
・フロップが25nsの遅延を提供できるように、最低
5つのフリップ・フロップが必要である。伝送信号に課
せられる最大の遅延tD,1=125nsは、SSDU1
かけられる。なんらかの理由でケーブルを5mよりも長
くする必要がある場合は、5mの倍数の長さのケーブル
だけを使用しなければならない。
【数3】
【0028】PLL回路を簡略化して、それによりコス
トを削減するするためには、クロック周波数fclkとチ
ップ速度fchipの間の関係が2の階乗、すなわち、f
clk/fc hip=2p、(p=0,1,2,3,...)で
あることが望ましい。チップ速度は、区切り記号の持続
時間(すなわち、チップ時間)の逆数として定義され
る。16−PPM、1Mbpsの変調フォーマットで
は、チップ・レートは、fchip=4MHzである。p=
3のとき、クロック周波数は、最も少ない遅延31.2
5nsを生じるfclk=32MHzになる。この遅延
は、最も短い6.25mのケーブル長に相当する。した
がって、無線設備で使用できるケーブルの長さは、6.
25m、12.5m、18.75m、25.0mなどで
ある。
【0029】遅延素子の出力上の伝送信号TXDBは、
遅延要素が入力信号を高いサンプリング周波数で本質的
にサンプリングして、次に数値化するため、入力信号T
XDINが再調整されたものであることに留意されたい。
たとえば、遅延素子は、入力信号の波形の終わりの部分
を除去する。
【0030】図4の再生器(180)は、遅延素子(1
60)と同じ形で動作する単一フリップ・フロップでも
よく、遅延素子のPLLクロック信号fclkを利用して
そのフリップ・フロップをクロックすることに留意され
たい。実際には、再生信号は、遅延素子内の最初のフリ
ップ・フロップFF1から簡単に得ることができる。T
XDAの伝送信号(167)への二次的な影響は、各S
SDUで一定量の約1/(2fclk)だけ遅延されること
である。また、再生器は、さらに高級な回路でもよい。
入力伝送信号中のノイズ・スパイクを除去するために、
カウンタを遅延回路に組み込むのが有益なこともある。
カウンタの目的は、TXDIN入力信号上で入る区切りの
1の数をカウントすることである。完全なパルスでは、
chip=4MHzでfclk=32MHzのシステムで、
32MHz/4MHz=8個の1がなければならない。
1が6個よりも多く検出された場合だけ、当該の6個の
1が区切りであり、それにより区切り記号が再生され
る。検出した1が6個以下の場合、ノイズ・スパイクが
検討され、6個以下の1は0にされる。後者の手法は、
長いケーブルの後、あるいは図3のSSDU(37)の
ような分岐ポイントにおいて必要であることが分かる。
【0031】隠蔽ノード:図1に示したような無線シス
テムのスループットは、WUの数とサブセルの数が増え
るにつれて次第に悪くなる。この1つの理由は、WU1
(87a)からのアップリンク信号が、隣のサブセル内
のWUに分からないためである。WU1自体のサブセル
内にあるWUだけしか、その信号を検出することはでき
ない。これは基本的には、単一サブセル内の周知の隠蔽
ノード問題の変形である。TRXは一度に1つだけAP
に接続されるので、WUのパケットの持続時間に関し
て、この隠蔽ノードの問題は、単一サブセル内の隠蔽ノ
ードの問題とは少し異なる。第1に、複数のサブセルの
場合は、TRXは一度に1つしかAPに接続することが
できないので、隠蔽ノードは、WU1のアップリンク・
パケットと衝突を起こすことがない。第2に、RTSパ
ケットの発行がある場合は、隠蔽ノードが、それ自体の
サブセル内のAPのダウンロード・データ/制御パケッ
トと衝突を引き起こすことがあっても、衝突のないサブ
セル(理想的には)内のWU1においてこれらのパケッ
トの受信に影響を及ぼすことはない。懸念されること
は、隣のサブセルからのWU、すなわちWU2が、すで
に別のパケットP1をAPに転送している最中にパケッ
トP2を発行する可能性がより高いことである。これ
は、データ/肯定応答制御パケットの交換だけを実現す
るシステムでは特に重要な問題である。パケットP1
が、図1の第1のサブセル(61)内のWU1(87
c)から生じたと仮定し、遅い方のパケットP2が、第
2のサブセル(62)内のWU2(86)から生じたと
仮定する。アップリンクの節で説明したように、SSD
1は、P2が到着したときP1で使用中なので、P2
はまったくAPに送信されない。次に、P2が非常に長
いパケットだと仮定する。この場合は、本質的に、SS
DU2がP2で使用中であってSSDU3からのパケット
をどれも拒否するので、P2は、サブセル(63〜6
6)のどれかからのパケットがAPに送信しないように
している。一方、第2のサブセルを含む他のサブセル内
のWUが、無線チャネル上のアクティビティを変更され
た場合、すなわちそのWU1がパケットをAPに送って
いる場合は、P1の間にパケットP2が発行されること
はなく、それによりP2がAPに転送され、SSDU2
によって拒否されることはない。警報の手法は、共用無
線チャネルを使用するシステムに関して、以下の方法で
実施することができる。
【0032】AP(または制御装置)が、アップリンク
・パケットの持続時間の全体にわたって狭帯域警報信号
を送るとする。警報信号は、WUだけが検出することが
でき、無線データ・チャネルを妨害することはない。こ
の目的は、WUにおける搬送波センスをイネーブルする
ことである。この機能を実施するためには、WU受信器
に、簡単な狭帯域フィルタ回路を追加しなくてはならな
い。
【0033】対等通信システムにおいては、警報手法
は、次の追加機能が補足されることがある。制御装置
が、一時的にアップリンク・パケットを記憶するとす
る。制御装置が、SSDU1から検出できる信号がない
ことに基づいて、パケットの終わりを検出すると、中継
放送のためにパケットをリリースする。アクセス・ポイ
ント手法の場合には、パケットが有線ネットワークに指
定され場合には、APは、パケットの中継放送をディス
エーブルする。次の節で明らかになるように、中継放送
手法は、RTSシステムには適していない。
【0034】図8は、AP回路基板(400)上あるい
は制御装置ユニット内の警報手法の実施形態を示す。発
振器(405)は、SSDU1からの信号検出線(41
0)がイネーブルにされた場合、すなわちSD=1の場
合と、APからのイネーブル警報線(415)が高レベ
ルの場合、すなわちEA=1の場合にだけ同報通信され
る警報信号を提供する。APに同報通信しているとき、
EAはディスエーブルにされる。発振器は、1Mbps
の16-PPM無線データ・チャネルと干渉しない8M
Hzの信号を提供することもある。
【0035】この方法の潜在的な問題は、図3に示した
ような設備における長い伝播遅延である。部屋(93)
内の2つのサブセルの一方にあるWUがパケットを発行
すると仮定すると、部屋(93)の他のサブセル内のW
Uは、部屋(93)とAP(15)の間の伝播遅延の2
倍の時間が過ぎるまで警報信号を受け取らない。この警
報信号の遅延は、各SSDUに図8の警報回路を組み込
むことによって著しく減少させることができる。回路構
成は、EA線の代わりに、APからの同報通信パケット
に関して図4のTXDIN線(165)を監視する信号検
出回路があること以外はほとんど同じになる。同報通信
パケットがある場合、検出回路が、警報信号をディスエ
ーブルにする。
【0036】複数のRTSシステム:従来の技術の節で
も説明したように、いくつかのシステムは、次のような
パケット交換に基づき衝突回避プロトコルを使用する。
すなわち、WUが送信要求(RTS)を送り、APが送
信可(CTS)で応答し、WUがデータ・パケット(D
ATA)を送り、APがデータ受信の肯定応答を送る
(ACK)。WUの数が多いシステムは、あるいはWU
が非常に活発な場合は、従来の技術の節で説明したよう
に、衝突回避(CA)媒体アクセス(MAC)プロトコ
ルは、満足なスループットと遅延性能を提供することは
できない。提案された設備が大きな面積のカバレージを
提供する可能性があるため、しばしばカバレージ領域内
のWUが多くなるか、あるいは一対のWUがAPを非常
に圧迫しそうである。現行のRTSベースのシステムで
は、APは、1つのRTS要求の処理を完了してから、
別のRTS要求を処理しなければならない。以下に説明
するように、APが複数のRTS要求を累積/処理でき
るようにする利点は、パケットの流れがより規則的にな
って予測できるようになることであり、複数RTSシス
テムにおけるパケットの流れの不規則さが低下するた
め、大量トラフィックの状況下で、スループットおよび
遅延性能の改良が期待される。複数のRTS要求は、以
下に説明するように、無線セルの数が多くいくつかのサ
ブセルに分割される無線セルでは特に魅力的である。
【0037】この手法は、APが、受信した複数のRT
S要求(RTS1、RTS2、RTS3、...)を、うまく
定義された特定の時間間隔tRTSで累積できるようにす
ることである。WUiからのRTSiを、APで最初に首
尾良く受信したRTS1要求とWU1に対するAPのCT
1応答との時間間隔で、i番目に首尾良く受信したR
TS要求として示す。この状況で、WUiは、i番目の
RTS要求として、RTS要求を出したWUがAPで首
尾良く受信したことを基準にしていることに注意された
い。この概念は、アップリンク・データ・パケット(D
ATA)と関連した制御パケット(すなわち、RTS、
CTS、ACK)の交換の例を示す図9に図式的に表さ
れている。パケットの交換は、それぞれtRTS
DATA、およびtBAで示される3つの期間(501)、
(502)、および(503)に分割される。APにお
いてRTS要求の受信が最初に成功したときに、RTS
の時間枠tRTS(501)に入る。この時間枠の間、A
Pは、多数のRTS要求を待機することができる。すべ
てのWUは、前の節で説明したように、警報信号の同報
通信のためにアップリンク・パケットを伝送している間
は、チャネルを使用できないことを承知している。他の
サブセルからのパケットがある場合でも、SSDUが、
サブセルのうちの1つからのパケットだけをAPに確実
に転送するという事実と合わせると、APにおいてRT
S要求を首尾良く受信することが保証される。APに累
積するRTS要求の数を増やすためには、WUの最大バ
ックオフ時間を、tRTSよりもいくらか短くなるように
短縮しなければならず、WUは、tRTSの範囲内に同じ
RTS要求を2度以上発行することを促されることもあ
る。RTS時間枠が終わると、データ期間(502)に
入る。APは、APが最初に受信したRTS1のWUに
CTS応答を発行する。WU1でCTS1応答を受信する
と、WUはすぐにAPにデータを発行する。APは、A
CK1応答を同報通信することによってデータの受信を
肯定応答する。すぐに、ACK1が、WU2にデータの発
行を促すCTS2応答に続く。このパケットの交換は、
APがすべてのRTS応答を処理するまで続く。また、
AP内に累積するダウンリンクDATAパケットが、デ
ータ期間(502)内に交換されると仮定する。(図9
には、ダウンリンクDATAパケットの交換とそれに対
応するWUからのACK応答は示されていない。)デー
タ期間は、最後のACK応答が同報通信され、APにそ
れ以上同報通信するデータがないときに終了する。この
時点で、システムは、事前RTS時間枠(503)に入
る。使用中の状況では、この期間の持続時間が、WUの
バックオフ・タイマーによって制御されることもある。
しかし、APが、特定の最低応答時間内に信号を受信し
なかった場合は、AP自体は、チャネルを使って、その
間に有線ネットワークから受信したデータを同報通信す
ることができる。APがこのデータの送信を完了したと
き、システムは、事前RTS時間枠に再び入る。最初の
RTS要求がAPによって首尾良く受信されると、RT
S時間枠に入り、WUからのRTSパケットだけを発行
することができる。
【0038】WUは、APからCTS応答(またはAC
K応答)を受け取るまで、RTSパケット(あるいはD
ATAパケット)がAPによって首尾良く受信されたか
どうかは分からないことに注意されたい。データ期間の
終了前(または、DATAパケットの直後)に、CTS
応答(またはACK応答)を受け取らない場合、あるい
は、所与の時間前にデータ期間が終わる場合は、RTS
パケット(またはDATAパケット)をなくしたと仮定
して、別のRTSパケットを発行する。さらに、AP
が、CTS応答を発行した直後にDATAパケットを受
け取らない場合は、現行のRTSの処理を保留して、次
のCTS応答を発行する段階に移る。
【0039】アップリンクにおける複数RTSプロトコ
ルは、上記に提案したDATA−ACK変換だけでな
く、ダウンリンクにおけるRTS−CTS−DATA−
ACKデータ同報通信パケット交換も一緒に利用しなけ
ればならない場合もある。RTS−CTSパケットの含
有物は、無線リンクの現時点の信頼性を調べるのに役立
つ。現時点の信頼性は、通常大部分のトラフィックを行
うダウンリンクでは特に重要である。RTS−CTSの
交換が成功しない場合は、DATA−ACKの交換も成
功しないことに注意されたい。したがって、DATAパ
ケットは、後で試すために記憶されるか、あるいは単に
破棄される。RTS−CTSは通常128バイト交換
(もっと小さくてもよい)で、DATA−ACKはおそ
らく1564バイト交換(もっと大きくてもよい)なの
で、検査の最終的な結果は、チャネルの使用率を改善す
る。これは、RTS要求に対するCTS応答が即座に行
われる場合に特に適したプロトコルであり、その場合
は、RTS−CTS−DATA−ACKデータ同報通信
交換が、データ期間内にACKiとCTSi+1の間で実行
される。
【0040】まとめとして、本発明の構成に関して以下
の事項を開示する。
【0041】(1)複数の相互接続されたトランシーバ
を有し、前記トランシーバがそれぞれ物理カバレージ領
域内の無線ユニットとの間で信号を送受信する、無線ネ
ットワーク内の基地局から信号を同報通信する方法であ
って、 a.前記各トランシーバから送信される前記信号を、互
いに位相を合わせるステップと、前記カバレージ領域内
のどこにある前記無線ユニットも前記信号をエラーなし
に受信できるように、前記各トランシーバからの前記信
号のうちのダウンロード信号の伝送を対応する時間だけ
遅延させるステップとを含む方法。 (2)複数の相互接続されたトランシーバを有し、前記
トランシーバがそれぞれ物理カバレージ領域内の無線ユ
ニットとの間で信号を送受信する、無線ネットワーク内
の基地局から信号を同報通信する装置であって、 a.前記各トランシーバから送信される前記信号を、互
いに位相を合わせる手段と、前記カバレージ領域内のど
こにある前記無線ユニットも前記信号をエラーなしに受
信できるように、前記各トランシーバからの前記信号の
うちのダウンロード信号の伝送を対応する時間だけ遅延
させる手段とを含む装置。 (3)物理カバレージ領域内の複数の無線ユニットと通
信する基地局を有する無線ネットワークにおいて、前記
基地局の前記物理カバレージ領域を拡大する通信装置で
あって、前記カバレージ領域が複数のサブセルを有し、 a.前記基地局からのダウンリンク信号の伝送にそれぞ
れ遅延を提供する遅延機構を介して前記基地局に接続さ
れた複数のトランシーバを含み、前記ダウンリンク信号
が、互いに同じ位相で前記各トランシーバから送信さ
れ、その結果、前記各トランシーバが、前記ダウンリン
ク信号を前記サブセルの1つ1つに送信し、また前記各
トランシーバが、複数の前記サブセルのうちの1つのサ
ブセルからのアップリンク信号だけを選択する選択ユニ
ットに接続されて、前記サブセルのうちの1つからの信
号だけを所与の時間に前記基地局が受信するようにする
ことを特徴とする装置。 (4)前記選択ユニットがそれぞれ1対の入力を備え、
前記入力がそれぞれ、前記サブセルのうちの1つから信
号を受け取ることができ、前記選択ユニットがそれぞ
れ、所与の時間に、前記サブセルのうちの1つから1つ
の信号だけを転送し、前記選択ユニットはそれぞれ、信
号Sが前記選択ユニットの前記1つの入力に到着したと
きに他の信号が別の入力から転送されていない場合だ
け、前記入力のうちの1つから信号Sを転送することを
特徴とする、上記(3)に記載の装置。 (5)前記信号Sが、前記入力の1つから別の信号を完
全に転送してから一定最低時間後で前記1つの入力に到
着した場合だけ、前記選択ユニットが、前記入力のうち
の1つから信号Sを転送することを特徴とする、上記
(4)に記載の装置。 (6)前記一対の入力が、前記入力のどちらにも信号が
ない場合だけ前記選択ユニットの出力に同時に接続さ
れ、信号が他の入力I2に到着した場合には前記入力I1
の1つが前記出力から切り離され、前記入力のどちらに
も信号がないときにはI1が前記出力に再び接続される
ことを特徴とする、上記(4)に記載の装置。 (7)前記アップリンク信号が送信されるときに、前記
基地局から警報ビジー信号を同報通信して、前記無線ユ
ニットのうちの1つがアップリンク信号を送信している
ことを示す手段をさらに含むことを特徴とする、上記
(4)に記載の装置。 (8)前記遅延機構が、複数のスイッチによって直列構
成で互いに接続された複数のフリップ・フロップと、前
記遅延ユニットの入力信号と同期したクロック信号を生
成するクロック回復回路とを含むことを特徴とする、上
記(3)に記載の装置。 (9)物理カバレージ領域内の複数の無線ユニットと通
信する基地局を有する無線ネットワークにおいて、前記
基地局の前記物理カバレージ領域を拡張する通信装置で
あって、前記カバレージ領域が複数のサブセルを有し、 a.前記基地局から延びるアップリンク相互接続の長さ
に沿って、互いに直列構成で接続された複数の選択ユニ
ットと、 b.前記直列構成の前記選択ユニットが、所与の時間
に、前記トランシーバを通る信号を1つのサブセルだけ
から選択し、前記選択ユニットのうちの1つにそれぞれ
接続され、前記サブセルのうちの1つにある前記無線ユ
ニットとの間で信号をそれぞれ送受信する複数のトラン
シーバと、 c.それぞれの出力が前記トランシーバの1つに接続さ
れ、それぞれの入力が前記基地局から延びる共用ダウン
リンク相互接続に接続されており、前記トランシーバを
介して前記基地局から前記無線ユニットに送信される信
号を、それぞれ互いに同じ位相で前記トランシーバから
送信する複数の遅延機構とを含むことを特徴とする装
置。 (10)前記アップリンク信号を送信するときに、前記
基地局から警報ビジー信号を同報通信して、前記無線ユ
ニットのうちの1つがアップリンク信号を送信している
ことを示す手段をさらに含むことを特徴とする、上記
(9)に記載の装置。 (11)物理カバレージ領域内の複数の無線ユニットと
通信する基地局を有する無線ネットワークにおいて、前
記基地局の前記物理カバレージ領域を拡張する通信装置
であって、前記カバレージ領域が複数のサブセルを有
し、 a.スパニング・ツリー構成で互いに接続され、前記基
地局が前記ツリーのルートに接続された複数の選択ユニ
ットと、 b.前記スパニング・ツリー構成によって前記基地局に
接続された複数の遅延ユニットと、 c.それぞれが前記選択ユニットのうちの1つと前記遅
延ユニットのうちの1つに接続され、前記サブセルのう
ちの1つにある無線ユニットと信号をそれぞれ送受信す
る複数のトランシーバとを含み、前記選択ユニットがそ
れぞれ、所与の時間に、前記サブセルのうちの1つだけ
から前記ツリー構成のルートに向かって前記基地局にア
ップリンク信号を転送し、前記サブセルのうちの1つか
らの信号だけを前記基地局に送信することができ、前記
遅延ユニットがそれぞれ、前記ツリー構成を介して前記
基地局から同報通信される信号が、前記トランシーバの
それぞれから前記無線ユニットに互いに同じ位相で送信
されるように、前記トランシーバのそれぞれにおいて遅
延を提供することを特徴とする装置。 (12)自分自身を介して信号を転送するセレクタ・ユ
ニット通信装置であって、 a.出力手段と、 b.I1からIkまでのK個の入力手段と、 c.前記K個の入力手段のどれにも信号がない場合だ
け、前記K個の入力手段のすべてから前記出力手段への
同時接続を提供する手段と、 d.信号が前記j番目の入力手段に到着した場合に、前
記K個の入力手段のうちj番目の入力手段Ij以外のす
べての前記K個の入力手段を切り離す手段と、 e.入力手段Ijの信号を前記出力に完全に転送した後
で、前記切断された入力手段I1ないしIj-1、およびI
j+1ないしIKを再接続する手段とを備え、前記切断され
た入力手段はそれぞれ、前記入力手段のそれぞれに信号
がなく、前記入力手段のうちの他の入力手段上に前記出
力手段に転送されている信号がない場合だけ前記出力手
段に再接続されることを特徴とする通信装置。 (13)前記入力手段が、他のセレクタ・ユニットの出
力手段または他の信号源あるいはその両方に接続され、
前記出力手段が、別のセレクタ・ユニットの入力手段ま
たは基地局に接続されていることを特徴とする、上記
(12)に記載の装置。 (14)前記信号Sが、別の信号を前記入力のうちの1
つから完全に転送し終わってから一定最低時間内に前記
入力のうちのどれかに到着した場合だけ、前記K個の入
力のうちの1つから信号Sを転送することを特徴とす
る、上記(12)に記載の装置。 (15)受信したデジタル・ストリームを所望の遅延で
再生する調整可能な遅延回路を有する通信装置におい
て、前記遅延回路が、 a.直列構成で互いに接続可能な複数のフリップ・フロ
ップ回路と、 b.前記フリップ・フロップ回路のそれぞれを同時にク
ロックするクロック信号を、前記デジタル・ストリーム
と同じ位相で発生させるクロック回復回路と、 c.フリップ・フロップの出力を、前記フリップ・フロ
ップの次のフリップ・フロップの入力、あるいは前記遅
延回路の出力にそれぞれ接続する複数のスイッチとを備
え、前記多数のフリップ・フロップ回路が、前記フリッ
プ・フロップ回路の入力に接続するように前記多数のス
イッチをセットすることにより互いに直列構成に接続し
て前記所望の遅延を得ることを特徴とする回路である、
前記装置。 (16)定義されたカバレージ領域内で基地局と通信で
きる複数の無線ユニットWU1、WU2、...WUMを有す
る無線通信ネットワークにおいて、前記無線ユニットと
前記ネットワークの前記基地局との間の信号の流れを制
御する通信方法であって、 a.前記無線ユニットのうちの対応する無線ユニットか
らデータ信号または制御信号を送信する要求をそれぞれ
示す複数のRTS信号を、所定の期間内に、前記多数の
無線ユニットから前記基地局に送信するステップと、 b.前記基地局によって受信された前記複数のRTS信
号を記憶するステップと、 c.前記無線ユニットのうちの1つがデータ信号または
制御信号を前記基地局に送信できることをそれぞれ示す
複数のCTS信号を、前記基地局から順次送信するステ
ップとを含み、前記RTS信号にしたがって、前記多数
の無線ユニットがそれぞれ、前記基地局に少なくとも1
つのデータ信号または1つの制御信号を伝送し終えるま
で、それぞれの前記CTS信号のすぐ後に、前記無線ユ
ニットのうちの1つからのデータ信号または制御信号の
伝送が続くことを特徴とする方法。 (17)定義されたカバレージ領域内で基地局と通信で
きる複数の無線ユニットWU1、WU2、...WUMを有す
る無線通信ネットワークにおいて、前記無線ユニットと
前記ネットワークの前記基地局との間の信号の流れを制
御する通信方法であって、 a.前記無線ユニットのうち対応する1つの無線ユニッ
トからDATAパケットを送信する要求をそれぞれ示す
複数のRTS信号を、所定の期間TRTS内に、多数の前
記無線ユニットから前記基地局に送信するステップと、 b.前記基地局によって受信される前記複数のRTS信
号を記憶するステップと、 c.前記受信したRTS信号のうちの1つに応答し、前
記期間TRTSの後で、前記無線ユニットが前記基地局に
DATAパケットを送信できることを示すCTS信号を
前記基地局から送信するステップと、 d.前記1つの無線ユニットから前記DATAパケット
を送信するステップと、 e.前記DATAパケットを受信したことを示すACK
信号を、前記基地局から前記無線ユニットに送信したす
ぐ後に、前記無線ユニットのうちの1つが前記基地局に
DATAパケットを送信できることを示す別のCTS信
号が続くステップと、 f.前記記憶されたRTS信号によって示される前記D
ATAパケットをすべて前記基地局に送信するまで、前
記基地局に記憶された各RTS信号ごとに、ステップ
(e)を繰り返すステップとを含む方法。 (18)RTS信号を無線ユニットに送信するステップ
をさらに含み、前記無線ユニットが、前記基地局にCT
S信号を送信することにより応答し、前記基地局が、前
記無線ユニットにDATAパケットを送信することによ
って応答し、前記無線ユニットが、前記基地局にACK
信号を送信することによって応答し、RTS CTS
DATA およびACK信号の交換が、前記期間TRTS
以外で行われることを特徴とする、上記(17)に記載
の方法。 (19)前記基地局から前記無線ユニットに制御信号を
定期的に送信するステップを含み、前記制御信号は、前
記期間TRTSの継続時間を設定し、無線ユニットが前記
期間TRTS内で同RTS信号を発行することができる回
数を示すことを特徴とする、上記(18)に記載の方
法。 (20)定義されたカバレージ領域内で基地局と通信で
きる複数の無線ユニットWU1、WU2、...WUMを有す
る無線通信ネットワークにおいて、前記無線ユニットと
前記ネットワークの前記基地局との間の信号の流れを制
御する通信装置であって、 a.前記無線ユニットのうちの対応する無線ユニットか
らデータ信号または制御信号を送信する要求をそれぞれ
示す複数のRTS信号を、所定の期間内に、前記多数の
無線ユニットから前記基地局に送信する手段と、 b.前記基地局によって受信された前記複数のRTS信
号を記憶する手段と、 c.前記無線ユニットのうちの1つがデータ信号または
制御信号を前記基地局に送信できることをそれぞれ示す
複数のCTS信号を、前記基地局から順次送信する手段
とを含み、前記多数の無線ユニットがそれぞれ、前記R
TS信号にしたがって、前記基地局に少なくとも1つの
データ信号または1つの制御信号を伝送し終えるまで、
それぞれの前記CTS信号のすぐ後に、前記無線ユニッ
トのうちの1つからのデータ信号または制御信号の伝送
が続くことを特徴とする装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】基地局経由の有線ネットワークとの赤外線(I
R)無線データ通信用に準備された部屋の状況を示す図
である。
【図2】図1の部屋用に展開された無線設備をさらに詳
細に示す図である。
【図3】様々な部屋構成に無線設備をどのように展開で
きるかを示す図でる。
【図4】信号セレクタおよび遅延ユニット(SSDU)
の機能を示す図である。
【図5】セレクタ回路の主な構成要素を示す図である。
【図6】決定回路の実施形態を示す図である。
【図7】遅延回路の実施形態を示す図である。
【図8】基地局の回路基板上の警報手法の実施形態を示
す図である。
【図9】複数RTS手法による無線ユニット(WU)と
基地局との間のパケット交換の例を示す図である。
【符号の説明】
5 部屋 10 有線ネットワーク 15 アクセス・ポイント 35 SSDU 36 SSDU 37 SSDU 38 SSDU 39 SSDU 40a 送信データ(TXD) 40b 受信データ(RXD) 40c 信号検出(SD) 41 ケーブル 42 ケーブル 43 ケーブル 44 ケーブル 45 ケーブル 46 ケーブル 51 ケーブル 52 ケーブル 53 ケーブル 54 ケーブル 55 ケーブル 56 ケーブル 61 サブセル 62 サブセル 63 サブセル 64 サブセル 65 サブセル 66 サブセル 71 重複領域 72 重複領域 73 重複領域 74 重複領域 75 重複領域 76 重複領域 77 重複領域 85 無線ユニット(WU) 86 無線ユニット(WU) 87 無線ユニット(WU)

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の相互接続されたトランシーバを有
    し、前記トランシーバがそれぞれ物理カバレージ領域内
    の無線ユニットとの間で信号を送受信する、無線ネット
    ワーク内の基地局から信号を同報通信する方法であっ
    て、 a.前記各トランシーバから送信される前記信号を、互
    いに位相を合わせるステップと、 前記カバレージ領域内のどこにある前記無線ユニットも
    前記信号をエラーなしに受信できるように、前記各トラ
    ンシーバからの前記信号のうちのダウンロード信号の伝
    送を対応する時間だけ遅延させるステップとを含む方
    法。
  2. 【請求項2】複数の相互接続されたトランシーバを有
    し、前記トランシーバがそれぞれ物理カバレージ領域内
    の無線ユニットとの間で信号を送受信する、無線ネット
    ワーク内の基地局から信号を同報通信する装置であっ
    て、 a.前記各トランシーバから送信される前記信号を、互
    いに位相を合わせる手段と、 前記カバレージ領域内のどこにある前記無線ユニットも
    前記信号をエラーなしに受信できるように、前記各トラ
    ンシーバからの前記信号のうちのダウンロード信号の伝
    送を対応する時間だけ遅延させる手段とを含む装置。
  3. 【請求項3】物理カバレージ領域内の複数の無線ユニッ
    トと通信する基地局を有する無線ネットワークにおい
    て、前記基地局の前記物理カバレージ領域を拡大する通
    信装置であって、前記カバレージ領域が複数のサブセル
    を有し、 a.前記基地局からのダウンリンク信号の伝送にそれぞ
    れ遅延を提供する遅延機構を介して前記基地局に接続さ
    れた複数のトランシーバを含み、前記ダウンリンク信号
    が、互いに同じ位相で前記各トランシーバから送信さ
    れ、その結果、前記各トランシーバが、前記ダウンリン
    ク信号を前記サブセルの1つ1つに送信し、また前記各
    トランシーバが、複数の前記サブセルのうちの1つのサ
    ブセルからのアップリンク信号だけを選択する選択ユニ
    ットに接続されて、前記サブセルのうちの1つからの信
    号だけを所与の時間に前記基地局が受信するようにする
    ことを特徴とする装置。
  4. 【請求項4】前記選択ユニットがそれぞれ1対の入力を
    備え、前記入力がそれぞれ、前記サブセルのうちの1つ
    から信号を受け取ることができ、前記選択ユニットがそ
    れぞれ、所与の時間に、前記サブセルのうちの1つから
    1つの信号だけを転送し、前記選択ユニットはそれぞ
    れ、信号Sが前記選択ユニットの前記1つの入力に到着
    したときに他の信号が別の入力から転送されていない場
    合だけ、前記入力のうちの1つから信号Sを転送するこ
    とを特徴とする、請求項3に記載の装置。
  5. 【請求項5】前記信号Sが、前記入力の1つから別の信
    号を完全に転送してから一定最低時間後で前記1つの入
    力に到着した場合だけ、前記選択ユニットが、前記入力
    のうちの1つから信号Sを転送することを特徴とする、
    請求項4に記載の装置。
  6. 【請求項6】前記一対の入力が、前記入力のどちらにも
    信号がない場合だけ前記選択ユニットの出力に同時に接
    続され、信号が他の入力I2に到着した場合には前記入
    力I1の1つが前記出力から切り離され、前記入力のど
    ちらにも信号がないときにはI1が前記出力に再び接続
    されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
  7. 【請求項7】前記アップリンク信号が送信されるとき
    に、前記基地局から警報ビジー信号を同報通信して、前
    記無線ユニットのうちの1つがアップリンク信号を送信
    していることを示す手段をさらに含むことを特徴とす
    る、請求項4に記載の装置。
  8. 【請求項8】前記遅延機構が、複数のスイッチによって
    直列構成で互いに接続された複数のフリップ・フロップ
    と、前記遅延ユニットの入力信号と同期したクロック信
    号を生成するクロック回復回路とを含むことを特徴とす
    る、請求項3に記載の装置。
  9. 【請求項9】物理カバレージ領域内の複数の無線ユニッ
    トと通信する基地局を有する無線ネットワークにおい
    て、前記基地局の前記物理カバレージ領域を拡張する通
    信装置であって、前記カバレージ領域が複数のサブセル
    を有し、 a.前記基地局から延びるアップリンク相互接続の長さ
    に沿って、互いに直列構成で接続された複数の選択ユニ
    ットと、 b.前記直列構成の前記選択ユニットが、所与の時間
    に、前記トランシーバを通る信号を1つのサブセルだけ
    から選択し、前記選択ユニットのうちの1つにそれぞれ
    接続され、前記サブセルのうちの1つにある前記無線ユ
    ニットとの間で信号をそれぞれ送受信する複数のトラン
    シーバと、 c.それぞれの出力が前記トランシーバの1つに接続さ
    れ、それぞれの入力が前記基地局から延びる共用ダウン
    リンク相互接続に接続されており、前記トランシーバを
    介して前記基地局から前記無線ユニットに送信される信
    号を、それぞれ互いに同じ位相で前記トランシーバから
    送信する複数の遅延機構とを含むことを特徴とする装
    置。
  10. 【請求項10】前記アップリンク信号を送信するとき
    に、前記基地局から警報ビジー信号を同報通信して、前
    記無線ユニットのうちの1つがアップリンク信号を送信
    していることを示す手段をさらに含むことを特徴とす
    る、請求項9に記載の装置。
  11. 【請求項11】物理カバレージ領域内の複数の無線ユニ
    ットと通信する基地局を有する無線ネットワークにおい
    て、前記基地局の前記物理カバレージ領域を拡張する通
    信装置であって、前記カバレージ領域が複数のサブセル
    を有し、 a.スパニング・ツリー構成で互いに接続され、前記基
    地局が前記ツリーのルートに接続された複数の選択ユニ
    ットと、 b.前記スパニング・ツリー構成によって前記基地局に
    接続された複数の遅延ユニットと、 c.それぞれが前記選択ユニットのうちの1つと前記遅
    延ユニットのうちの1つに接続され、前記サブセルのう
    ちの1つにある無線ユニットと信号をそれぞれ送受信す
    る複数のトランシーバとを含み、 前記選択ユニットがそれぞれ、所与の時間に、前記サブ
    セルのうちの1つだけから前記ツリー構成のルートに向
    かって前記基地局にアップリンク信号を転送し、前記サ
    ブセルのうちの1つからの信号だけを前記基地局に送信
    することができ、 前記遅延ユニットがそれぞれ、前記ツリー構成を介して
    前記基地局から同報通信される信号が、前記トランシー
    バのそれぞれから前記無線ユニットに互いに同じ位相で
    送信されるように、前記トランシーバのそれぞれにおい
    て遅延を提供することを特徴とする装置。
  12. 【請求項12】自分自身を介して信号を転送するセレク
    タ・ユニット通信装置であって、 a.出力手段と、 b.I1からIkまでのK個の入力手段と、 c.前記K個の入力手段のどれにも信号がない場合だ
    け、前記K個の入力手段のすべてから前記出力手段への
    同時接続を提供する手段と、 d.信号が前記j番目の入力手段に到着した場合に、前
    記K個の入力手段のうちj番目の入力手段Ij以外のす
    べての前記K個の入力手段を切り離す手段と、 e.入力手段Ijの信号を前記出力に完全に転送した後
    で、前記切断された入力手段I1ないしIj-1、およびI
    j+1ないしIKを再接続する手段とを備え、前記切断され
    た入力手段はそれぞれ、前記入力手段のそれぞれに信号
    がなく、前記入力手段のうちの他の入力手段上に前記出
    力手段に転送されている信号がない場合だけ前記出力手
    段に再接続されることを特徴とする通信装置。
  13. 【請求項13】前記入力手段が、他のセレクタ・ユニッ
    トの出力手段または他の信号源あるいはその両方に接続
    され、前記出力手段が、別のセレクタ・ユニットの入力
    手段または基地局に接続されていることを特徴とする、
    請求項12に記載の装置。
  14. 【請求項14】前記信号Sが、別の信号を前記入力のう
    ちの1つから完全に転送し終わってから一定最低時間内
    に前記入力のうちのどれかに到着した場合だけ、前記K
    個の入力のうちの1つから信号Sを転送することを特徴
    とする、請求項12に記載の装置。
  15. 【請求項15】受信したデジタル・ストリームを所望の
    遅延で再生する調整可能な遅延回路を有する通信装置に
    おいて、 前記遅延回路が、 a.直列構成で互いに接続可能な複数のフリップ・フロ
    ップ回路と、 b.前記フリップ・フロップ回路のそれぞれを同時にク
    ロックするクロック信号を、前記デジタル・ストリーム
    と同じ位相で発生させるクロック回復回路と、 c.フリップ・フロップの出力を、前記フリップ・フロ
    ップの次のフリップ・フロップの入力、あるいは前記遅
    延回路の出力にそれぞれ接続する複数のスイッチとを備
    え、 前記多数のフリップ・フロップ回路が、前記フリップ・
    フロップ回路の入力に接続するように前記多数のスイッ
    チをセットすることにより互いに直列構成に接続して前
    記所望の遅延を得ることを特徴とする回路である、前記
    装置。
  16. 【請求項16】定義されたカバレージ領域内で基地局と
    通信できる複数の無線ユニットWU1、WU2、...WUM
    を有する無線通信ネットワークにおいて、前記無線ユニ
    ットと前記ネットワークの前記基地局との間の信号の流
    れを制御する通信方法であって、 a.前記無線ユニットのうちの対応する無線ユニットか
    らデータ信号または制御信号を送信する要求をそれぞれ
    示す複数のRTS信号を、所定の期間内に、前記多数の
    無線ユニットから前記基地局に送信するステップと、 b.前記基地局によって受信された前記複数のRTS信
    号を記憶するステップと、 c.前記無線ユニットのうちの1つがデータ信号または
    制御信号を前記基地局に送信できることをそれぞれ示す
    複数のCTS信号を、前記基地局から順次送信するステ
    ップとを含み、 前記RTS信号にしたがって、前記多数の無線ユニット
    がそれぞれ、前記基地局に少なくとも1つのデータ信号
    または1つの制御信号を伝送し終えるまで、それぞれの
    前記CTS信号のすぐ後に、前記無線ユニットのうちの
    1つからのデータ信号または制御信号の伝送が続くこと
    を特徴とする方法。
  17. 【請求項17】定義されたカバレージ領域内で基地局と
    通信できる複数の無線ユニットWU1、WU2、...WUM
    を有する無線通信ネットワークにおいて、前記無線ユニ
    ットと前記ネットワークの前記基地局との間の信号の流
    れを制御する通信方法であって、 a.前記無線ユニットのうち対応する1つの無線ユニッ
    トからDATAパケットを送信する要求をそれぞれ示す
    複数のRTS信号を、所定の期間TRTS内に、多数の前
    記無線ユニットから前記基地局に送信するステップと、 b.前記基地局によって受信される前記複数のRTS信
    号を記憶するステップと、 c.前記受信したRTS信号のうちの1つに応答し、前
    記期間TRTSの後で、前記無線ユニットが前記基地局に
    DATAパケットを送信できることを示すCTS信号を
    前記基地局から送信するステップと、 d.前記1つの無線ユニットから前記DATAパケット
    を送信するステップと、 e.前記DATAパケットを受信したことを示すACK
    信号を、前記基地局から前記無線ユニットに送信したす
    ぐ後に、前記無線ユニットのうちの1つが前記基地局に
    DATAパケットを送信できることを示す別のCTS信
    号が続くステップと、 f.前記記憶されたRTS信号によって示される前記D
    ATAパケットをすべて前記基地局に送信するまで、前
    記基地局に記憶された各RTS信号ごとに、ステップ
    (e)を繰り返すステップとを含む方法。
  18. 【請求項18】RTS信号を無線ユニットに送信するス
    テップをさらに含み、前記無線ユニットが、前記基地局
    にCTS信号を送信することにより応答し、前記基地局
    が、前記無線ユニットにDATAパケットを送信するこ
    とによって応答し、前記無線ユニットが、前記基地局に
    ACK信号を送信することによって応答し、RTS C
    TS DATA およびACK信号の交換が、前記期間
    RTS以外で行われることを特徴とする、請求項17に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】前記基地局から前記無線ユニットに制御
    信号を定期的に送信するステップを含み、前記制御信号
    は、前記期間TRTSの継続時間を設定し、無線ユニット
    が前記期間TRTS内で同RTS信号を発行することがで
    きる回数を示すことを特徴とする、請求項18に記載の
    方法。
  20. 【請求項20】定義されたカバレージ領域内で基地局と
    通信できる複数の無線ユニットWU1、WU2、...WUM
    を有する無線通信ネットワークにおいて、前記無線ユニ
    ットと前記ネットワークの前記基地局との間の信号の流
    れを制御する通信装置であって、 a.前記無線ユニットのうちの対応する無線ユニットか
    らデータ信号または制御信号を送信する要求をそれぞれ
    示す複数のRTS信号を、所定の期間内に、前記多数の
    無線ユニットから前記基地局に送信する手段と、 b.前記基地局によって受信された前記複数のRTS信
    号を記憶する手段と、 c.前記無線ユニットのうちの1つがデータ信号または
    制御信号を前記基地局に送信できることをそれぞれ示す
    複数のCTS信号を、前記基地局から順次送信する手段
    とを含み、 前記多数の無線ユニットがそれぞれ、前記RTS信号に
    したがって、前記基地局に少なくとも1つのデータ信号
    または1つの制御信号を伝送し終えるまで、それぞれの
    前記CTS信号のすぐ後に、前記無線ユニットのうちの
    1つからのデータ信号または制御信号の伝送が続くこと
    を特徴とする装置。
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