JPH0935911A - 避雷器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】不測の地絡事故に至った場合でも、碍管が破損
することなく、安全性に優れた避雷器を提供すること。 【構成】内部要素３は、側面には放圧孔４が形成され内
部には圧縮バネ８が配されたガス空間５が形成された金
具６を介在させ、上下端部には電極７を付着させて成
り、碍管１はヒダ形状を有する耐候性のゴム材料で成形
され内部要素３及び電極７に収縮付着させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、碍管内に酸化亜鉛素子
を主成分とする非直線抵抗体を収納した避雷器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】酸化亜鉛素子を主成分とする非直線抵抗
体を備えた避雷器では、碍管内に素子を積層して収納
し、碍管を密閉することによって避雷器が構成されてい
る。従来用いられている避雷器を図３を参照して説明す
る。磁器で成形された碍管１１は、上下端部にそれぞれ
放圧孔２０を形成したフタ１９をパッキング１８を介し
て配置し、更にこの放圧孔２０を覆うように外側からそ
れぞれ避圧膜２１を配置している。更にこの避圧膜２１
の外側からはそれぞれ押さえ板２２を配置し、かかる押
さえ板２２はフタ１９及び碍管１１の両端外周部にセメ
ンチング接着された碍管フランジ２３にボルト締結し、
碍管内を気密に保っている。

【０００３】一方、かかる碍管１１の内部には非直線抵
抗体１２を必要枚数積層し更にその両端には絶縁板１５
を積層して内部要素１３を構成している。かかる内部要
素１３は絶縁ロッド１４を貫通してその両端をナット１
６で締結することにより固定されている。かかる内部要
素１３の上部とフタ１９との間の空間には圧縮バネ１７
が配置され内部要素１３とフタ１９が圧縮バネ１７から
の反力をうけることによって内部要素１３を碍管１１内
に固定している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】かかる構成を有する避
雷器に放電電流が流れると、気密保持された碍管内の圧
力は上昇するが、かかる圧力上昇が過大であれば放圧膜
２１が破れて内部の高圧ガスを外部へ放出することによ
り碍管１１の爆発的飛散を防止している。しかしなが
ら、かかる放圧機構のもとでは、磁器製の碍管１１は外
部へ放出されたアーク熱にさらされ、その熱衝撃と内部
圧力の複合負荷による爆発的飛散を招く可能性があっ
た。そこで本発明の目的は、不測の地絡事故に至った場
合でも、碍管が破損することなく、安全性に優れた避雷
器を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成するために請求項１の発明として、酸化亜鉛素子を主
成分とする非直線抵抗体を積層して成形した内部要素と
これを収納する碍管とを備えた避雷器において、前記内
部要素は、側面には放圧孔が形成され内部には圧縮バネ
が配されたガス空間が形成された金具を介在させ、上下
端部には電極を付着させて成り、前記碍管はヒダ形状を
有する耐候性のゴム材料で成形され前記内部要素及び前
記電極に収縮付着させることを特徴とする避雷器を提供
する。

【０００６】また本発明は請求項２の発明として、前記
内部要素と前記電極とを自己融着性ゴムテープで回巻
し、かつ前記金具の放圧孔の部分のテープを切除したこ
とを特徴とする請求項１記載の避雷器を提供する。

【０００７】また本発明は請求項３の発明として、前記
金具に形成された放圧孔は、前記ゴム製碍管のヒダ部以
外の部分に配されたことを特徴とする請求項１及び請求
項２記載の避雷器を提供する。

【０００８】

【作用】かかる構成を有する避雷器に膨大な短絡電流が
流れると、金具内に形成されたガス空間部分でガス圧力
が上昇し、放圧孔から噴き出される。内部要素側面は、
ゴム製の碍管に密着されているので、かかるガス圧力は
ゴム製碍管の肉厚の薄い部分を突き破り外部へ放出され
る。また、碍管はゴム製であるため磁器製碍管のように
破壊の際に破片をまき散らすことがない。

【０００９】

【実施例】以下、本発明による避雷器の一実施例を図１
を参照して説明する。酸化亜鉛を主成分として成る非直
線抵抗体２を積層し、その一部に、側面には放圧孔４を
形成し内部にはガス空間５を形成した金具６を介在さ
せ、内部要素３を構成する。更に内部要素３の上下端に
は電極７が接合されている。この内部要素３と電極７と
に対して圧縮荷重を加えながら、外被にヒダ形状を有し
耐候性を有するゴム製碍管１を、熱収縮やモールド法に
より密着成形する。また、金具６内部のガス空間５には
圧縮バネ８を配置する。また、放圧性能を高めるため
に、金具６の放圧孔４をゴム製碍管１のヒダとヒダとの
間のストレート部分に配した構成とする。

【００１０】かかる構成を有する避雷器に膨大な短絡電
流が流れると、金具６内のガス空間５部分のガス圧力が
上昇し、かかるガス圧が放圧孔４を介してゴム製碍管１
のゴム被覆を突き破り外部へ放出される。この際、碍管
１は収縮されたゴム製であるためゴム被覆の一部が破れ
るだけで、取付られた原型を保つことができる。また、
磁器のように破片状に破壊することもない。また、圧縮
バネ８を配置することによって、内部要素３に積層され
た非直線抵抗体２の電気的接触圧力を高め、内部要素３
の導電性能を向上させることができる。

【００１１】また、本発明の他の実施例を図２を参照し
て説明する。なお、図１と同一部分には同一符号を附し
説明は省略する。本実施例においては、非直線抵抗体２
及び金具６を備えた内部要素３と電極７とを、予め自己
融着性のゴムテープでテープ巻９しかつ放圧孔４の部分
を切除した状態で、ゴム製碍管１を密着成形したもので
ある。

【００１２】かかる構成を有する避雷器においては、内
部要素３と電極７に対して自己融着性のゴムテープ巻９
して一体化することにより、内部要素３に積層された非
直線抵抗体２の電気的接触圧力を高めるため、内部要素
３の導電性能を更に向上させることができる。また、テ
ープ自体が自己融着性であるため、内部要素３とゴム製
碍管１との間の密着部分のガスボイドを低減することが
できる。また、かかるテープの放圧孔４の部分は切除す
ることによりガス空間５内の高圧ガスの放出は効果的に
行われる。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明においては、ゴム製
碍管を使用し、軸方向の一部分にガス空間を形成し、他
の部分は完全に密着させるようにし、かかる一部のガス
空間部分で内圧上昇させ、ゴム製碍管の一部分を突き破
るようにしたことにより、避雷器の破壊、飛散等を防止
しうる、安全性に優れた避雷器を提供することが可能と
なる。

【００１４】また、ゴム製碍管と内部要素がほぼ一体化
されているため、バンド取付や専用ベースに自立させる
などの必要がなく、小型かつ軽量しかも安価な避雷器を
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の避雷器の断面図。

【図２】本発明の他の実施例の避雷器の断面図。

【図３】従来の磁器製の碍管を用いた避雷器の断面図。

【符号の説明】

１…ゴム製碍管、２…非直線抵抗体、３…内部要素、４
…放圧孔、５…ガス空間、６…金具、７…電極、８…圧
縮バネ、９…テープ巻。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】酸化亜鉛素子を主成分とする非直線抵抗体
   を積層して成形した内部要素とこれを収納する碍管とを
   備えた避雷器において、 前記内部要素は、側面には放圧孔が形成され内部には圧
   縮バネが配されたガス空間が形成された金具を介在さ
   せ、上下端部には電極を付着させて成り、前記碍管はヒ
   ダ形状を有する耐候性のゴム材料で成形され前記内部要
   素及び前記電極に収縮付着させることを特徴とする避雷
   器。
2. 【請求項２】前記内部要素と前記電極とを自己融着性ゴ
   ムテープで回巻し、かつ前記金具の放圧孔の部分のテー
   プを切除したことを特徴とする請求項１記載の避雷器。
3. 【請求項３】前記金具に形成された放圧孔は、前記ゴム
   製碍管のヒダ部以外の部分に配されたことを特徴とする
   請求項１及び請求項２記載の避雷器。