JPH093564A - 銅系焼結摩擦材 - Google Patents

銅系焼結摩擦材

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JPH093564A
JPH093564A JP15812595A JP15812595A JPH093564A JP H093564 A JPH093564 A JP H093564A JP 15812595 A JP15812595 A JP 15812595A JP 15812595 A JP15812595 A JP 15812595A JP H093564 A JPH093564 A JP H093564A
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JP
Japan
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friction material
copper
alloy
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sintered friction
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JP15812595A
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English (en)
Inventor
Nobuo Kamioka
信夫 上岡
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性に優れ、且つフェード現象を容易に
制御し得る銅系焼結摩擦材を提供する。 【構成】 銅を主成分とする結合材と無機系充填材とを
主原料とし、Ni−Cr合金(Ni:Cr=80:20
〜40:60重量比)を10〜25重量%含む配合組成
物を成形、焼結して、銅系焼結摩擦材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅系焼結摩擦材に関す
る。詳しくは、本発明は産業機械、鉄道車両、商用車、
乗用車などに使用される摩擦材(ブレーキパッド、ブレ
ーキライニング、クラッチフェーシング等)、特にブレ
ーキのスペースや重量から負荷の高いブレーキ設計が要
求されるトラック、バス等の商用車、新幹線等の鉄道車
両用ブレーキに好適に利用される摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブレーキやクラッチ用の摩擦材
(ブレーキパッド、ブレーキライニング、クラッチフェ
ーシング等)は、結合材としてフェノール樹脂等の熱硬
化性樹脂を用い、補強材として有機繊維等の有機成分を
含む有機系の摩擦材が一般的であった。
【0003】しかし、このような一般の有機系の摩擦材
は、使用時に摩擦面が高温になるにつれて摩擦係数が次
第に低下するというフェード現象を起こす。これは、摩
擦材の表面温度が上昇して結合材等の有機成分の分解温
度以上になると、有機成分の分解によりガスが発生し、
このガスが潤滑作用を有するため起こるものと考えられ
ている。
【0004】そこで、結合材として銅等の金属を用い、
充填材にも有機成分を含まない焼結摩擦材が高負荷摩擦
材として用いられている。しかし、このような有機成分
を含まない焼結摩擦材であっても、摩擦係数の調整と高
負荷領域の摩耗低減を目的に添加されているPb、Bi
等の金属系潤滑材は300℃前後という低融点のため、
それらの融点以上の摩擦温度では、摩擦係数はやはり低
下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐摩
耗性に優れ、且つフェード現象を容易に制御し得る銅系
焼結摩擦材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、銅系焼結摩擦材に特定量のNiとCrの合金を
含有させることにより上記目的を達成することができる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、銅を主成分とする結
合材と無機系充填材とを主原料とする銅系焼結摩擦材に
おいて、前記摩擦材全量に対して、NiとCrの合金を
10〜25重量%含むことを特徴とする、銅系焼結摩擦
材に関する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。尚、以下
において特に断わらない限り、各配合成分の含有割合
(重量%)は、摩擦材全量に対する値を表わす。本発明
の銅系焼結摩擦材とは、マトリックスとなる結合材の主
成分に銅を用いた金属系摩擦材をいい、この結合材に無
機系充填材(潤滑材、研削材、および摩擦調整材)を配
合し、その配合組成物を常法に従って所望の形状に圧縮
成形し、焼結することにより得られる。
【0009】結合材は、摩擦材の各配合成分を結合させ
て固める役割を有するものであるが、本発明の銅系焼結
摩擦材においては、銅を主成分とし、その他に、錫、リ
ン、亜鉛等が配合されていてもよい。結合材の使用量
は、摩擦材全体に対して通常40〜60重量%であり、
そのうち銅35〜55重量%、錫3〜15重量%、およ
びリン0.4〜0.6重量%を含むリン青銅系とするの
が好ましい。
【0010】本発明では、充填材として摩擦調整材、潤
滑材、および研削材を配合するが、有機成分を含まない
無機系充填材を使用することが必要である。これら無機
系充填材は通常、合計で摩擦材全量に対して15〜45
重量%使用される。
【0011】摩擦調整材としては、マイカ、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、バーミキュライト、コークス等の
無機粒子が配合される。そのうち、特にマイカを用いる
のが好ましい。かかる摩擦調整材は、通常3〜15重量
%使用される。特にマイカを用いる場合は、マイカ1〜
4重量%、およびその他の摩擦調整材を5〜14重量%
とするのが好ましい。
【0012】潤滑材としては、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、窒化硼素、フッ化カルシウム等の固体潤滑材を挙げ
ることができる。固体潤滑材の使用量は、通常10〜2
5重量%である。特に、黒鉛を10〜20重量%、およ
び二硫化モリブデンを1〜5重量%使用するのが好まし
い。更に、より熱負荷が要求される場合は、窒化硼素を
2〜5重量%添加するのが好ましい。
【0013】研削材としては、通常モース硬度6〜9程
度の硬質の金属酸化物粒子を用いる。具体的には、ジル
コニア(ZrO2)、マグネシア(MgO)、ムライト
(3Al23・2SiO2)、およびシリカ(SiO2
等が挙げられる。これら研削材は、低温から高温までの
研削性能を確保するために、硬度の異なる2種類以上を
併用するのが好ましい。そして、その使用量は、通常4
〜15重量%である。具体的には、ジルコニア2〜8重
量%およびマグネシア2〜8重量%を使用するのが好ま
しい。
【0014】ここで、本発明においては、NiとCrの
合金(以下、「Ni−Cr合金」とする。)を摩擦材全
量に対して10〜25重量%含有させる。Ni−Cr合
金をこの範囲で配合することにより、高融点で且つ相手
材と高温で凝着しやすく、耐摩耗性にも優れた摩擦材を
得ることができる。この配合量が少なすぎると、フェー
ド現象を起こしやすくなり、また相手材への移着が著し
く耐摩耗性も低くなるので好ましくない。一方多すぎる
と、急速に摩擦係数(μ値)が高くなり、効力が不安定
で相手材攻撃性が増加する傾向があり、好ましくない。
【0015】Ni−Cr合金の組成は、Ni:Cr=8
0:22〜40:60(重量比)の範囲が好ましい。そ
して、より好ましい範囲は、Ni:Cr=75:25〜
45:55(重量比)である。この範囲内の組成であれ
ば、得られる摩擦材は優れた摩擦性能を示す。
【0016】本発明のNi−Cr合金には、前記合金全
量に対してケイ素(Si)を0.2〜0.6重量%配合
することが好ましい。ケイ素は高温で溶融してガラス化
し、皮膜を形成するため、摩擦材の酸化を防ぐことがで
きるからである。
【0017】以上の配合成分を、撹拌機等で均一に混合
・撹拌し、所望の金型で圧力3〜5ton/cm2にて
圧縮成形して圧粉体を作り、これを補強鋼板と重ねて水
素等の還元雰囲気中で圧力4〜10kgf/cm2、温
度800〜950℃にて30〜100分間焼結する。
【0018】その後、こうして得られた摩擦材に形状加
工を施すことにより、所定のブレーキパッド等を得るこ
とができる。得られる摩擦材は、HRR(鋼球1/2イ
ンチ、荷重60kg)で測定した硬度(以下、「硬度
(HRR)」とする。)が50〜60、曲げ強度が4〜
5kgf/mm2、気孔率が20〜23vol%であ
る。これは、一般の摩擦材に比較して非常に軟質で気孔
率が高いものである。
【0019】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって説明する。 <実施例1〜4>Ni−Cr合金の成分割合と摩擦性能
との関係を調べるため、Ni−Cr合金の成分比率を変
えて以下の実験を行った:表1に示す種類および量の配
合成分を十分に撹拌、混合し、得られた配合組成物を圧
力4ton/cm2で成形して圧粉体を得た。この圧粉
体を水素ガスの還元雰囲気中で圧力7kgf/cm2
温度880℃で60分間焼結してブレーキパッドを作成
し、これを試験片として用いた。
【0020】この試験片の曲げ強度は4.5kgf/m
2(測定方法:3点曲げ試験)、気孔率は23vol
%(測定方法:水銀圧入法)であった。また、この試験
片の厚さは4mm、摩擦面のパッド面積は100cm2
であった。
【0021】尚、Ni−Cr合金の組成は40:60〜
80:20の範囲で表2に示すように変化させ(実施例
1〜4)、比較例1ではNi−Cr合金は使用しなかっ
た。また、ここで用いたNi−Cr合金中のSi含有量
は、合金全体に対し0.4重量%であった。
【0022】上述した各ブレーキパッドについて、硬度
(HRR)[測定方法:HRR(JIS規定:鋼球1/
2インチ、荷重60kg)で測定。]、フェードmin
μ(測定方法:JASOに基づく)、および摩耗量(単
位:mm、測定方法:試験前後の厚み差をマイクロメー
タで測定)を求めた。結果を表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】実施例1では、Ni−Cr合金の組成が4
0:60であり、Cr成分の割合が高いため融点(一部
液相が発生する温度)が高く、合金粉末の製造に困難を
伴う弊害はあるが、得られる摩擦材の性能は許容できる
レベルである。実施例2のNi−Cr合金組成(50:
50)では、摩擦性能は極めて良好であった。
【0026】実施例3も良好な摩擦性能を示した。実施
例4は、通常のニクロム線と同じ組成の合金を用いた例
であり、成形が容易であり且つ低コストである。また、
性能も許容できるレベルであった。Ni−Cr合金を配
合しなかった比較例1では、摩耗が激しく、ロータへの
移着が多いことがわかった。
【0027】<実施例5〜7、比較例2〜4>Ni−C
r合金の含有量と摩擦性能との関係を調べるため、Ni
−Cr合金の添加量を変えて以下の実験を行った:表3
に示す種類および量の配合成分を実施例1〜4と同様に
して成形、焼結して同じサイズの試験片を作成した。
尚、Ni−Cr合金の組成は50:50であり、Siの
含有量は実施例1〜4で用いたものと同じであった。
【0028】
【表3】
【0029】得られた試験片について、実施例1〜4と
同様にして硬度(HRR)、フェードminμ、および
摩耗量(mm)を測定した。また、すり合せ安定μ値
(測定方法:JASOに基づく)およびロータの摩耗量
(測定方法:断面粗さ測定法)を測定した。結果を表4
に示す。
【0030】
【表4】
【0031】Ni−Cr合金を配合しない比較例2で
は、通常の焼結摩擦材の物性に近く、ロータ温度が70
0℃以上になると徐々にフェードが始まり、フェードm
inμも実用限界を超え、運転にも支障を来した。ま
た、摩耗も異常に多く、且つ耐熱不足のためロータへの
移着が著しく多く、ロータに熱亀裂が発生した。
【0032】比較例3では、かなりフェードし、高速で
効力不足となった。実施例5では、若干フェードし、高
速でもμ値は立ち上がりつつあるが許容範囲であった。
実施例6および実施例7では、フェードは少なく高速で
も効力は十分であった。比較例4では、ロータへの移着
が多く、振動が発生した。
【0033】このように、Ni−Cr合金の配合量の増
加に伴って摩擦材の耐熱性が向上し、耐フェード性、摩
耗も改良され、相手材攻撃性も軽減される傾向にある
が、Ni−Cr合金の配合量が30重量%以上になる
と、急速にμ値が高くなり、不安定で相手材攻撃性が増
加する傾向にあることがわかった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、有機成分を含まない焼
結摩擦材に特定量のNi−Cr合金を用いることによ
り、耐熱性、耐フェード性、耐摩耗性に優れた焼結摩擦
材を得ることができる。また、フェードをかなり自由に
コントロールすることが可能となり、安全運転に寄与す
ることができる。耐摩耗性が改善されれば、パッド等の
摩擦材の寿命を延ばし、経済性を向上させることができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅を主成分とする結合材と無機系充填材と
    を主原料とする銅系焼結摩擦材において、前記摩擦材全
    量に対して、NiとCrの合金を10〜25重量%含む
    ことを特徴とする、銅系焼結摩擦材。
  2. 【請求項2】NiとCrの合金の組成がNi:Cr=8
    0:20〜40:60(重量比)である、請求項1記載
    の銅系焼結摩擦材。
  3. 【請求項3】NiとCrの合金の組成がNi:Cr=7
    5:25〜45:55(重量比)である、請求項1記載
    の銅系焼結摩擦材。
  4. 【請求項4】NiとCrの合金が、前記合金全量に対し
    て、ケイ素を0.2〜0.6重量%含むものである、請
    求項1記載の銅系焼結摩擦材。
  5. 【請求項5】銅を主成分とする結合材と無機系充填材と
    を主原料とする銅系焼結摩擦材において、前記摩擦材全
    量に対し、結合材45〜70重量%、無機系充填材15
    〜45重量%、およびNiとCrの合金10〜25重量
    %を含むことを特徴とする、銅系焼結摩擦材。
JP15812595A 1995-06-23 1995-06-23 銅系焼結摩擦材 Pending JPH093564A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3708276A1 (de) * 2019-03-13 2020-09-16 Miba Frictec GmbH Reibbelag

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3708276A1 (de) * 2019-03-13 2020-09-16 Miba Frictec GmbH Reibbelag
CN111692256A (zh) * 2019-03-13 2020-09-22 米巴摩擦技术有限公司 摩擦衬片
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