JP2004352813A - 摩擦材 - Google Patents
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- F16D69/025—Compositions based on an organic binder
- F16D69/026—Compositions based on an organic binder containing fibres
Abstract
【解決手段】繊維基材と、結合材と、充填材とを含む摩擦材組成物を成形、硬化してなる摩擦材において、錫、錫合金及び錫化合物から選ばれる互いに融点の異なる3種以上を合計で5.5〜17.5体積%含有することを特徴とする摩擦材。
【効果】本発明の摩擦材は、対面攻撃性が大幅に抑制されたものである。
【選択図】 なし
【効果】本発明の摩擦材は、対面攻撃性が大幅に抑制されたものである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のディスクパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等として用いられる摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のディスクパッドやブレーキライニング等に使用される摩擦材には、従来耐摩耗性を向上させるために黒鉛、コークス等を配合することが行われている。また高温域で発生するスコーリング等による対面攻撃性の悪化を抑制するために、硫化鉛、酸化アンチモン、硫化アンチモン等の鉛及びアンチモン化合物が効果があることが知られている。しかし、これら鉛及びアンチモン化合物は環境問題への取り組みから使用を抑制する動きが高まっている。
【0003】
更に、金属硫化物を固体潤滑剤として配合することも従来提案されている(例えば、特許文献1〜8:特開昭54−160号公報、特開昭54−109013号公報、特開平4−311789号公報、特開平7−83256号公報、特公平8−26303号公報、特表平10−511732号公報、特表2002−511517号公報、米国特許第6,228,815号明細書参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭54−160号公報
【特許文献2】
特開昭54−109013号公報
【特許文献3】
特開平4−311789号公報
【特許文献4】
特開平7−83256号公報
【特許文献5】
特公平8−26303号公報
【特許文献6】
特表平10−511732号公報
【特許文献7】
特表2002−511517号公報
【特許文献8】
米国特許第6,228,815号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの提案でも、なお対面攻撃性の悪化を防止し得ず、このため高負荷時及び低負荷時の対面攻撃性の悪化を抑制できる技術が望まれる。
【0006】
本発明は上記要望に応えたもので、高負荷時、低負荷時の対面攻撃性が良好な摩擦材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、金属錫、錫合金及び錫化合物から選ばれる互いに融点の異なる3種以上、特に青銅繊維、硫化錫、錫粉の3種を特定量で併用することにより、メタルキャッチの発生を効果的に抑制し、高負荷時及び低負荷時の対面攻撃性の悪化を大幅に抑制し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は下記摩擦材を提供する。
[I]繊維基材と、結合材と、充填材とを含む摩擦材組成物を成形、硬化してなる摩擦材において、錫、錫合金及び錫化合物から選ばれる互いに融点の異なる3種以上を合計で5.5〜17.5体積%含有することを特徴とする摩擦材。
[II]青銅繊維を4〜10体積%、硫化錫を0.5〜2.5体積%、錫粉を1〜5体積%含有することを特徴とする[I]記載の摩擦材。
[III]青銅繊維がビビリ振動切削法で製造されたものである[II]記載の摩擦材。
[IV]硫化錫が2種以上の硫化錫の混合物である[II]又は[III]記載の摩擦材。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の摩擦材は、繊維基材と、結合剤と、充填材とを含有する。
上記繊維基材としては、摩擦材に通常用いられるアラミド繊維等の有機繊維、ガラス繊維、ロックウール及び鉄、銅、真鍮等の金属繊維などの無機繊維が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
この場合、繊維基材の配合量は、摩擦材組成物全体の好ましくは2〜30体積%、特に好ましくは10〜20体積%である。
【0010】
なお、繊維基材の長さは2〜3.5mm、直径は60〜120μmであることが好ましい。
【0011】
結合剤としては、通常摩擦材に用いられる公知のものを使用することができ、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、オイル変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂等の各種変性フェノール樹脂、NBRなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
この結合剤の添加量は摩擦材組成物全体に対して、好ましくは10〜25体積%、特に好ましくは12〜20体積%である。
【0012】
充填材としては、ラバーダスト、タイヤ粉末等の各種ゴム粉末や、カシューダスト、メラミンダスト等の有機充填材、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、黒鉛、水酸化カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、雲母、酸化ジルコニウム、金属粉末、酸化ケイ素、アルミナ、バーミキュライト等の無機充填材が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
これら充填材の配合量は、好ましくは組成物全体の40〜85体積%、特に好ましくは50〜80体積%である。
【0014】
本発明においては、錫、錫合金及び錫化合物から選ばれる互いに融点の異なる3種以上を合計で5.5〜17.5体積%、特に7.5〜15体積%配合する。少なすぎるとメタルキャッチの抑制ができず、多すぎるとコストアップとなる。
【0015】
この場合、錫としては、錫繊維、錫粉が挙げられる。また、錫合金としては、錫を6質量%以上、特に8質量%以上含有する合金が挙げられ、青銅(Cu−Sn)等が挙げられる。この錫合金としては、繊維でもよく、粉末でもよい。錫化合物としては、第1錫化合物でも第2錫化合物でもよく、SnS2、SnS等が挙げられる。なお、繊維の大きさは前述した通りであり、粉末の場合、その平均粒径は3〜20μm、特に5〜15μmであることが好ましい。
【0016】
これらの中では、高負荷時の対面攻撃性の悪化を抑制するため、中〜高融点の青銅繊維と硫化錫、低負荷時の対面攻撃性の悪化を抑制するため、低融点の金属錫粉の3者を併用することが好ましく、この場合、青銅繊維を4〜10体積%、硫化錫を0.5〜2.5体積%、錫粉を1〜5体積%の割合で使用することが好ましい。いずれもその量が少なすぎるとメタルキャッチの抑制効果が低下し、多すぎるとコストアップとなり、特に錫粉の場合はフェード性能が低下するおそれがある。
【0017】
なお、青銅繊維は、形状が揃っていることからビビリ振動切削法で製造されたものが好ましい。また硫化錫は2種以上の硫化錫、特にSnS2とSnSとの混合物を使用することが好ましい。なお、このような硫化錫混合物としては、市販品としてStannolube(CEMETALL社製、SnS2+SnS+グラファイト)を使用することができる。
【0018】
本発明の摩擦材の製造方法は、上記繊維基材と、結合剤と、充填材との所定量をヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、アイリッヒミキサー等の混合機を用いて均一に混合し、この混合物を成形用金型内で予備成形し、この予備成形物を成形温度130〜180℃、成形圧力150〜500kg/cm2(14.7〜49MPa)で3〜10分間成形し、得られた成形品を150〜250℃の温度で2〜10時間熱処理(後硬化)し、必要に応じてスプレー塗装、焼き付け、研磨処理を施して完成品が得られる。
【0019】
なお、自動車等のディスクパッド、ライニング等を製造する場合には、予め洗浄、表面処理、接着剤を塗布した鉄又はアルミニウム製プレート上に予備成形物を載せ、この状態で成形用金型内で成形、熱処理、スプレー塗装、焼付け、研磨することにより完成品が得られる。
【0020】
本発明の摩擦材は、自動車、大型トラック、鉄道車両、各種産業機械等のディスクパッド、ブレーキシュー、ブレーキライニング等に用いることができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0022】
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成の摩擦材組成物をレディゲミキサーを用いて均一に混合し、加圧型内で30MPaにおいて1分間加圧して予備成形した。この予備成形物を成形温度150℃、成形圧力40MPaの条件下で7分間成形し、その後220℃で5時間熱処理(熱硬化)を行い、摩擦材を得た。
【0023】
得られた摩擦材について、下記の方法でローター研削性、接着強度、摩擦係数を評価した。結果を表1〜3に示す。
(ローター研削性)
JASO C427 一般摩耗試験に準拠(表4に試験条件を示す。)し、制動初速度30〜80km/h、制動減速度2m/s2、制動前ブレーキ温度50〜200℃、制動回数合計1600回の試験条件で、ローターの研削性を下記判定基準に基づき評価した。なお、ローターの研削性は、試験終了後のローター表面をJIS B0601に従い測定した10点平均粗さRzにより評価した。
○:45μm未満
△:45μm以上60μm未満
×:60μm以上
【0024】
(接着強度)
JIS D 4422に従い、単位面積あたりの接着強度を測定した。
○:0.6kN/cm2より大きい
△:0.5kN/cm2より大きく0.6kN/cm2以下
×:0.5kN/cm2以下
【0025】
(摩擦係数)
JASO C406 試験に準拠し、第二効力の平均μを下記判定基準に基づき評価した。
○:0.37より大きい
△:0.32より大きく0.37以下
×:0.32以下
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
(注)
青銅繊維:長さ2.2mm、直径95μm、ビビリ振動切削法により製造。融点934℃。
硫化錫粉:Stannolube(CEMETALL社製)、粒径10μm(SnS2+SnS+グラファイト)。融点860℃。
アトマイズ錫粉:平均粒径15μm。融点232℃。
【0030】
【表4】
(ローター研削性試験条件)
【発明の効果】
本発明の摩擦材は、対面攻撃性が大幅に抑制されたものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のディスクパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等として用いられる摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のディスクパッドやブレーキライニング等に使用される摩擦材には、従来耐摩耗性を向上させるために黒鉛、コークス等を配合することが行われている。また高温域で発生するスコーリング等による対面攻撃性の悪化を抑制するために、硫化鉛、酸化アンチモン、硫化アンチモン等の鉛及びアンチモン化合物が効果があることが知られている。しかし、これら鉛及びアンチモン化合物は環境問題への取り組みから使用を抑制する動きが高まっている。
【0003】
更に、金属硫化物を固体潤滑剤として配合することも従来提案されている(例えば、特許文献1〜8:特開昭54−160号公報、特開昭54−109013号公報、特開平4−311789号公報、特開平7−83256号公報、特公平8−26303号公報、特表平10−511732号公報、特表2002−511517号公報、米国特許第6,228,815号明細書参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭54−160号公報
【特許文献2】
特開昭54−109013号公報
【特許文献3】
特開平4−311789号公報
【特許文献4】
特開平7−83256号公報
【特許文献5】
特公平8−26303号公報
【特許文献6】
特表平10−511732号公報
【特許文献7】
特表2002−511517号公報
【特許文献8】
米国特許第6,228,815号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの提案でも、なお対面攻撃性の悪化を防止し得ず、このため高負荷時及び低負荷時の対面攻撃性の悪化を抑制できる技術が望まれる。
【0006】
本発明は上記要望に応えたもので、高負荷時、低負荷時の対面攻撃性が良好な摩擦材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、金属錫、錫合金及び錫化合物から選ばれる互いに融点の異なる3種以上、特に青銅繊維、硫化錫、錫粉の3種を特定量で併用することにより、メタルキャッチの発生を効果的に抑制し、高負荷時及び低負荷時の対面攻撃性の悪化を大幅に抑制し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は下記摩擦材を提供する。
[I]繊維基材と、結合材と、充填材とを含む摩擦材組成物を成形、硬化してなる摩擦材において、錫、錫合金及び錫化合物から選ばれる互いに融点の異なる3種以上を合計で5.5〜17.5体積%含有することを特徴とする摩擦材。
[II]青銅繊維を4〜10体積%、硫化錫を0.5〜2.5体積%、錫粉を1〜5体積%含有することを特徴とする[I]記載の摩擦材。
[III]青銅繊維がビビリ振動切削法で製造されたものである[II]記載の摩擦材。
[IV]硫化錫が2種以上の硫化錫の混合物である[II]又は[III]記載の摩擦材。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の摩擦材は、繊維基材と、結合剤と、充填材とを含有する。
上記繊維基材としては、摩擦材に通常用いられるアラミド繊維等の有機繊維、ガラス繊維、ロックウール及び鉄、銅、真鍮等の金属繊維などの無機繊維が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
この場合、繊維基材の配合量は、摩擦材組成物全体の好ましくは2〜30体積%、特に好ましくは10〜20体積%である。
【0010】
なお、繊維基材の長さは2〜3.5mm、直径は60〜120μmであることが好ましい。
【0011】
結合剤としては、通常摩擦材に用いられる公知のものを使用することができ、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、オイル変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂等の各種変性フェノール樹脂、NBRなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
この結合剤の添加量は摩擦材組成物全体に対して、好ましくは10〜25体積%、特に好ましくは12〜20体積%である。
【0012】
充填材としては、ラバーダスト、タイヤ粉末等の各種ゴム粉末や、カシューダスト、メラミンダスト等の有機充填材、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、黒鉛、水酸化カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、雲母、酸化ジルコニウム、金属粉末、酸化ケイ素、アルミナ、バーミキュライト等の無機充填材が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
これら充填材の配合量は、好ましくは組成物全体の40〜85体積%、特に好ましくは50〜80体積%である。
【0014】
本発明においては、錫、錫合金及び錫化合物から選ばれる互いに融点の異なる3種以上を合計で5.5〜17.5体積%、特に7.5〜15体積%配合する。少なすぎるとメタルキャッチの抑制ができず、多すぎるとコストアップとなる。
【0015】
この場合、錫としては、錫繊維、錫粉が挙げられる。また、錫合金としては、錫を6質量%以上、特に8質量%以上含有する合金が挙げられ、青銅(Cu−Sn)等が挙げられる。この錫合金としては、繊維でもよく、粉末でもよい。錫化合物としては、第1錫化合物でも第2錫化合物でもよく、SnS2、SnS等が挙げられる。なお、繊維の大きさは前述した通りであり、粉末の場合、その平均粒径は3〜20μm、特に5〜15μmであることが好ましい。
【0016】
これらの中では、高負荷時の対面攻撃性の悪化を抑制するため、中〜高融点の青銅繊維と硫化錫、低負荷時の対面攻撃性の悪化を抑制するため、低融点の金属錫粉の3者を併用することが好ましく、この場合、青銅繊維を4〜10体積%、硫化錫を0.5〜2.5体積%、錫粉を1〜5体積%の割合で使用することが好ましい。いずれもその量が少なすぎるとメタルキャッチの抑制効果が低下し、多すぎるとコストアップとなり、特に錫粉の場合はフェード性能が低下するおそれがある。
【0017】
なお、青銅繊維は、形状が揃っていることからビビリ振動切削法で製造されたものが好ましい。また硫化錫は2種以上の硫化錫、特にSnS2とSnSとの混合物を使用することが好ましい。なお、このような硫化錫混合物としては、市販品としてStannolube(CEMETALL社製、SnS2+SnS+グラファイト)を使用することができる。
【0018】
本発明の摩擦材の製造方法は、上記繊維基材と、結合剤と、充填材との所定量をヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、アイリッヒミキサー等の混合機を用いて均一に混合し、この混合物を成形用金型内で予備成形し、この予備成形物を成形温度130〜180℃、成形圧力150〜500kg/cm2(14.7〜49MPa)で3〜10分間成形し、得られた成形品を150〜250℃の温度で2〜10時間熱処理(後硬化)し、必要に応じてスプレー塗装、焼き付け、研磨処理を施して完成品が得られる。
【0019】
なお、自動車等のディスクパッド、ライニング等を製造する場合には、予め洗浄、表面処理、接着剤を塗布した鉄又はアルミニウム製プレート上に予備成形物を載せ、この状態で成形用金型内で成形、熱処理、スプレー塗装、焼付け、研磨することにより完成品が得られる。
【0020】
本発明の摩擦材は、自動車、大型トラック、鉄道車両、各種産業機械等のディスクパッド、ブレーキシュー、ブレーキライニング等に用いることができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0022】
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成の摩擦材組成物をレディゲミキサーを用いて均一に混合し、加圧型内で30MPaにおいて1分間加圧して予備成形した。この予備成形物を成形温度150℃、成形圧力40MPaの条件下で7分間成形し、その後220℃で5時間熱処理(熱硬化)を行い、摩擦材を得た。
【0023】
得られた摩擦材について、下記の方法でローター研削性、接着強度、摩擦係数を評価した。結果を表1〜3に示す。
(ローター研削性)
JASO C427 一般摩耗試験に準拠(表4に試験条件を示す。)し、制動初速度30〜80km/h、制動減速度2m/s2、制動前ブレーキ温度50〜200℃、制動回数合計1600回の試験条件で、ローターの研削性を下記判定基準に基づき評価した。なお、ローターの研削性は、試験終了後のローター表面をJIS B0601に従い測定した10点平均粗さRzにより評価した。
○:45μm未満
△:45μm以上60μm未満
×:60μm以上
【0024】
(接着強度)
JIS D 4422に従い、単位面積あたりの接着強度を測定した。
○:0.6kN/cm2より大きい
△:0.5kN/cm2より大きく0.6kN/cm2以下
×:0.5kN/cm2以下
【0025】
(摩擦係数)
JASO C406 試験に準拠し、第二効力の平均μを下記判定基準に基づき評価した。
○:0.37より大きい
△:0.32より大きく0.37以下
×:0.32以下
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
(注)
青銅繊維:長さ2.2mm、直径95μm、ビビリ振動切削法により製造。融点934℃。
硫化錫粉:Stannolube(CEMETALL社製)、粒径10μm(SnS2+SnS+グラファイト)。融点860℃。
アトマイズ錫粉:平均粒径15μm。融点232℃。
【0030】
【表4】
(ローター研削性試験条件)
【発明の効果】
本発明の摩擦材は、対面攻撃性が大幅に抑制されたものである。
Claims (4)
- 繊維基材と、結合材と、充填材とを含む摩擦材組成物を成形、硬化してなる摩擦材において、錫、錫合金及び錫化合物から選ばれる互いに融点の異なる3種以上を合計で5.5〜17.5体積%含有することを特徴とする摩擦材。
- 青銅繊維を4〜10体積%、硫化錫を0.5〜2.5体積%、錫粉を1〜5体積%含有することを特徴とする請求項1記載の摩擦材。
- 青銅繊維がビビリ振動切削法で製造されたものである請求項2記載の摩擦材。
- 硫化錫が2種以上の硫化錫の混合物である請求項2又は3記載の摩擦材。
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DE (1) | DE602004001917T2 (ja) |
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