JPH0935348A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH0935348A
JPH0935348A JP18152195A JP18152195A JPH0935348A JP H0935348 A JPH0935348 A JP H0935348A JP 18152195 A JP18152195 A JP 18152195A JP 18152195 A JP18152195 A JP 18152195A JP H0935348 A JPH0935348 A JP H0935348A
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JP
Japan
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layer
protective coat
magneto
recording medium
protective
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JP18152195A
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English (en)
Inventor
Tomoaki Hara
智章 原
Shiro Miyata
志郎 宮田
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DIC Corp
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浮上磁気ヘッドを有する磁界変調記録方式の
ドライブ装置で長期間使用しても媒体エラー率が増加す
ることなく、保護コート表面が殆ど傷つかず、かつ反り
の少ない光磁気記録媒体を得る。 【解決手段】 少なくとも基板と光磁気記録層を有し、
光磁気記録層上に保護コート層を有する光磁気記録媒体
において、保護コート層を少なくとも二層以上の積層構
造とし、保護コート層の光磁気記録層に接する最下層の
硬度を最表層の硬度よりも低くし、かつ最下層の硬度を
鉛筆硬度試験でB以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界の存在下、二
値化された情報を対応する磁界の向きとして記録膜にレ
ーザーにより記録する光磁気記録媒体、詳しくは、外部
磁界の印加の為に浮上磁気ヘッドを用いる磁界変調記録
方式に用いられる光磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体には、光磁気ディスク、
カード、テープ等の種類があるが、ここで述べる光磁気
記録媒体とは、通常、案内溝を有する基板上に、干渉
膜、記録膜、反射膜を構成単位とし、それらの組み合わ
せにより形成される記録層を有する光磁気ディスクを指
す。光磁気ディスクの基板の製造方法としてはポリカー
ボネート、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポ
リオレフィンのような成形性に優れた樹脂を用いて射出
成形により案内溝を形成する方法、あるいはフォトポリ
マー法により、ガラスまたは樹脂の平板上に案内溝を形
成する方法が挙げられる。
【0003】記録層のうち、干渉膜には透明性に優れ、
屈折率の高い無機誘電体膜が用いられる。材質として
は、例えばSiNX 、SiOX 、AlSiON、Al
N、AlTiN、Ta25、ZnS等が挙げられる。こ
れらの干渉膜の屈折率は、1.8〜2.8の範囲が好ま
しく、吸光係数は0〜0.1の範囲が好ましい。記録膜
を構成する材料としては、TbFeCo、NdDyFe
Co等の遷移金属と希土類金属の合金が挙げられる。反
射膜には反射率の高い金属膜あるいは合金膜を使用す
る。材質は、例えば金属膜としてはAl、Au、Ag、
Cu等、合金膜としてはAl−Ti、Al−Cr等が挙
げられる。干渉膜、記録膜、反射膜は、スパッタリン
グ、イオンプレーディング等の物理蒸着法(PVD)、
プラズマCVD等の化学蒸着法(CVD)等によって形
成する。
【0004】さらに、このような光磁気記録層の上に保
護コート層を、基板の光磁気記録層とは反対側の面にハ
ードコート層を各々設ける。保護コート層の材料には有
機系、無機系の双方が用いられている。有機系の保護コ
ートを塗布する場合には、ディッピング法、スピンコー
ト法、ロールコーター法、蒸着法等の手法が用いられて
いる。一方、無機系の保護コートを形成する場合にはス
パッタリング法や蒸着法、含浸法等の手法が用いられて
いる。これらの保護コート層の形成方法のうち、放射線
硬化樹脂を用いたスピンコート法は簡便で迅速な方法で
あるので好ましい。ここで放射線とは紫外線、電子線、
可視光線等を指す。スピンコート法はディスペンサーを
用いて光磁気記録媒体上に放射線硬化樹脂を吐出し、こ
れを高速回転して遠心力により樹脂を広げて塗布を行
う。塗布された樹脂は、その後、放射線照射によって硬
化される。また、スピンコート法は、放射線硬化樹脂以
外の樹脂に対しても好適に用いることができる。
【0005】プラスチック製基板は、耐擦傷性が不十分
であり、このような欠点を克服する為に記録層とは反対
側の面に硬度の高い透明材質を用いてハードコート層を
設けるのが望ましい。ハードコートの手段としてはスピ
ンコート法、2P法等により放射線硬化樹脂等の有機高
分子を塗布、硬化させる方法、析出法やスパッタリング
法等により二酸化珪素等のセラミックハードコート層を
設ける方法が考えられるが、セラミック製のハードコー
トは生産性が悪く、大量生産には不向きであるので放射
線硬化樹脂を用いたハードコートが望ましい。
【0006】上記のように光磁気ディスクの保護コート
には、簡便なスピンコート法で塗布することができ、非
加熱硬化が可能で生産環境を汚染しない無溶媒型の有機
樹脂コート剤として放射線硬化型樹脂が広く用いられて
いる。多くの場合、放射線硬化型樹脂保護コート剤は
(メタ)アクリレートモノマー、ジ(メタ)アクリレー
トモノマー、トリ(メタ)アクリレートモノマー、また
はそれ以上の多官能(メタ)アクリレートモノマー、及
び単官能または多官能のエポキシ(メタ)アクリレート
モノマーやウレタン(メタ)アクリレートモノマー、ポ
リエステル(メタ)アクリレートモノマー、そしてそれ
らのオリゴマーなどがブレンドされ、さらに必要に応じ
て重合開始剤、重合禁止剤、各種改質剤等を加えた樹脂
組成物の構成をとっている。従来は、こうした樹脂組成
物である保護コート剤を光磁気ディスクの記録層上にス
ピンコート法等の手段で一回塗布し、これを放射線照射
照射等によって硬化させた段階で保護コートのコーティ
ング工程を終了させていた。従って光磁気ディスクの保
護コートは単層であるのが常識であった。
【0007】しかしながら、現在一般的に普及している
光変調記録方式においては、用いられる光磁気ディスク
の保護コートは従来の単層タイプで充分であるが、今後
普及が予想される磁界変調記録方式においては従来同様
の保護コートでは記録媒体を保護する能力が不十分であ
ることを本発明者は見いだした。すなわち、磁界変調記
録方式では回転している光磁気記録媒体にレーザー光を
連続照射しながら、外部磁界の向きを、記録する情報に
応じて変化させる必要があるが、変調周波数が高いため
電磁コイルや磁気ヘッドのインダクタンスの影響で発生
させる磁界を大きくすることができない。このため、磁
気ヘッドを光磁気記録媒体のごく近傍まで接近させなけ
ればならず、このための手段として浮上磁気ヘッドが用
いられる。
【0008】浮上磁気ヘッドはごく軽いアームの先端に
磁気ヘッドを取り付けたもので、これを回転している記
録媒体の表面に接近させると記録媒体の回転によって生
ずる浮力によって表面から数十μmの空間に浮上させる
ことができる。この時の浮上量は記録媒体の回転速度、
表面形状、浮上磁気ヘッドの重量、形状、アームの弾性
率等に左右されるが、記録媒体である光磁気ディスクの
面振れや表面の凹凸、浮上磁気ヘッドの送り精度等の変
動要因によって媒体とヘッドが極めて接近若しくは接触
する事態が生じうる。さらに環境雰囲気中に存在する塵
埃が媒体−ヘッド間に侵入し、両者に挟まれて記録媒体
上を摺動するという危険性も高く、これら媒体−ヘッド
間のクラッシュ現象(以降ヘッドクラッシュと呼ぶ)に
より、記録媒体表面に大きなダメージが加わりやすいの
が磁界変調記録方式の最大の問題点である。
【0009】従来、磁界変調記録方式においてヘッドク
ラッシュの危険性は既に指摘されていた問題であるが、
これによって記録媒体が被るダメージについては明確な
評価方法が存在せず、信頼できる評価技術の開発が待た
れていた。この点について本発明者は特願平6−202
038において開示したヘッドクラッシュ加速試験装置
を発明し、短時間の試験でヘッドクラッシュに対する記
録媒体の耐久性を現実的に評価する手法を完成した。そ
してこの評価方法により、これまで不明であったヘッド
クラッシュが記録媒体に与える影響が初めて明らかにな
ったのである。
【0010】上記試験装置を用いた加速試験により、光
磁気記録媒体がヘッドクラッシュによって被るダメージ
は保護コート表面に発生した傷の深さ、とエラー率の二
点で評価することができる。保護コート上の傷深さを評
価するのは、浮上磁気ヘッドと光磁気記録層の間には保
護コート層が存在するため、実際にヘッドクラッシュに
よって摺動を受けるのは常に保護コート層表面であるか
らである。保護コートは言うまでもなく光磁気記録層を
保護する目的で設けられている。従ってヘッドクラッシ
ュによって生じたいかなる傷の深さも保護コート層の膜
厚を超えて記録層に達することは許されない。この条件
を満たすためには記録媒体を製造する際に保護コートの
硬度や膜厚を磁界変調記録方式を考慮した設計としなけ
ればならない。
【0011】一般的にこの条件を満たすための手段とし
ては保護コート層の硬度を高くするという方法がある
が、保護コート層の硬度が高くなると内部応力が大きく
なって媒体の反りが大きくなるという問題がある。一
方、傷が直接記録層に達することはなくとも保護コート
層を通して圧力、衝撃等が内部に伝わりダメージを与え
るという問題もある。これはヘッドクラッシュの結果保
護コート層を貫通するほどの深い傷が生じなくとも、内
部の基板、記録層表面に微細な凹凸が発生するという現
象で、これがノイズの原因となり記録媒体のエラー率が
大きく増加する。
【0012】以上のように、磁界変調記録方式を用いた
際に発生するヘッドクラッシュが記録媒体に与えるダメ
ージには、表面的な保護コート上の傷と内面的なエラー
率の増加という二つの種類がある。前者は従来から磁界
変調記録方式特有の問題点として議論されてきた項目で
あるが、後者は本発明者の発明による光ディスク試験装
置を用いた試験により初めて明らかになった項目であ
る。従ってこの二つの問題を同時に解決する従来技術と
して、特に記録媒体に関する発明では適切なものを見い
だすことができない。
【0013】従来の、特に磁界変調記録方式を考慮せ
ず、専ら光変調記録方式に用いるために製造された光磁
気ディスクにおいては保護コートの表面硬度がヘッドク
ラッシュに耐えられる程高くないため、浮上磁気ヘッド
若しくは浮上磁気ヘッドに押しつけられた塵埃等が保護
コート表面を摺動した場合、深い傷が発生しやすく、こ
れをそのまま磁界変調記録方式に用いるには危険性が高
いという問題があった。
【0014】逆に、磁界変調記録方式に用いるために保
護コートに改良を加える手法としては、保護コートの耐
擦傷性を高めるため保護コートの硬度を上げたり、保護
コートの膜厚を大きくして傷が記録膜に到達しないよう
にするといった方法がある。しかしながら保護コートの
硬度を上げても内部の破壊に起因するエラー率の増加を
防止することはできず、さらに記録媒体の反りが増大す
るという問題がある。また、保護コートの膜厚を大きく
することは浮上磁気ヘッドと光磁気記録膜との距離を増
加させることとなり記録媒体の磁界感度を低下させるた
め好ましい方法ではない。さらに、記録媒体の反りや磁
界感度を悪化させずに保護コートの耐擦傷性を高める手
法として、保護コート中に非磁性粉等を含有させ、フッ
化カーボン系オイル等の潤滑剤を含浸させるという方法
があるが、保護コート中にこのような含有物が存在する
と記録層との密着性が損なわれるという問題がある。
【0015】この点を改良した従来技術として特開平2
−308445に記載のごとく保護コート層を二層構造
とし、下層における非磁性粉含有率を低くして記録層と
の密着性を確保するという方法が提案されているが、保
護コートに傷がつきにくいという点では改良された方法
ではあっても、もう一つの問題点である衝撃、圧力の伝
播による媒体エラー率の増加を抑えることはできない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、磁界
変調記録方式を用いた際に発生するヘッドクラッシュに
よって生じる、表面の傷及び内面的エラー率の増加から
記録媒体を効果的に保護する、新規な保護コートを提供
することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような課
題を解決するために完成されたものであり、光磁気記録
媒体の記録層を保護する保護コートを少なくとも二層以
上の積層構造とし、この保護コートの光磁気記録層に接
する最下層を低硬度、これとは逆の最表層を高硬度とす
ることによって前記の目的を達成した。すなわち積層構
造である保護コートの最下層がJIS K5400にて
規定される鉛筆硬度試験(以下、この試験の結果を単に
鉛筆硬度と呼ぶ)でB以下の低い硬度であればヘッドク
ラッシュ時の圧力や衝撃から記録層と基板を保護する能
力が高く、これとは逆の最表層が高硬度であれば浮上磁
気ヘッドや塵埃の摺動に対して高い耐擦傷性を有する光
磁気記録媒体とすることができる。
【0018】保護コート最表層は、高い耐擦傷性が要求
されるために可能な限り高硬度であることが好ましい。
硬度を高くせずに、潤滑剤等を用いて耐擦傷性を確保す
るという考え方もあるが、潤滑性の向上によって得られ
る耐擦傷性は傷が発生する確率が低下するという種類の
ものであり、ひとたび発生した傷の深さを小さく抑える
効果は少ない。光磁気記録媒体においては、一本たりと
も記録層に達する深さの傷が発生することが許されな
い。従ってこの点では保護コート層の硬度を高くする方
が確実であり、効果が高い。勿論、高硬度である上に潤
滑剤を使用するのであれば問題はなく、むしろ好まし
い。
【0019】磁界変調記録方式に用いる光磁気記録媒体
の保護コートとしては少なくとも最表層の鉛筆硬度がF
以上であることが必要である。これ未満の硬度では記録
層にまで達する深い傷が発生する危険性があるからであ
る。しかしながらF程度の表面硬度では記録層にまで達
する深い傷が発生しなくとも、保護コート表面が激しく
傷つけられ、外観が著しく劣化することを防止すること
ができない。しかも前記のように保護コート表面が著し
く傷つけられると生じた凹凸によって浮上磁気ヘッドの
浮上状態が影響を受け、ヘッドの安定浮上が阻害される
という問題も生じる。
【0020】このため、保護コート最表層は浮上磁気ヘ
ッドや塵埃の摺動を受けた際に記録層にまで達する深い
傷を発生させないことは勿論、それ未満の深さの傷も容
易に発生させない高い硬度を有することが好ましい。そ
のためには鉛筆硬度で3H以上の硬度を有することが好
ましい。しかしながらドライブ回転数が3600RPM
以下であれば保護コート最表層の鉛筆硬度は3Hでも特
に大きな問題はないが、ドライブのスピンドル回転数が
さらに高速になると保護コート最表層が受ける傷の程度
は一層大きくなることを本発明者は見いだしている。
【0021】磁界変調記録方式では変調周波数を上げる
とインダクタンスの影響で充分な大きさの磁界を発生さ
せることが難しくなるので、ドライブのスピンドル回転
数を高速にすることは光変調記録方式と比較して容易で
はない。このため現在のところ磁界変調記録用の記録媒
体としては3600RPMまでのドライブ装置に対応で
きれば充分であると考えられるが、ヘッド製造技術の向
上や記録媒体の高磁界感度化などによって今後実現する
それ以上のスピンドル回転数への対応が可能であること
が好ましい。そのためには保護コート最表層の硬度は鉛
筆硬度で4H以上であることが好ましい。
【0022】逆に硬度が極端に高い場合は保護コート最
表層の持つ内部応力が相当に大きくなるため、下層との
密着力が低下すると同時に記録媒体の反りの原因にな
る。このため、保護コート最表層の鉛筆硬度は5H以上
7H以下とするのが最も好ましい。保護コート最表層が
上記のように充分な硬度を有していれば記録層に達する
恐れのある深い傷が発生することはないが、それには前
提としてその膜厚が充分に確保されているという条件が
ある。光磁気記録媒体の一般的な使用環境においてヘッ
ドクラッシュに関与する塵埃のうち最も保護コート表面
を強く擦傷するのは鉱物性の塵埃であるが、この鉱物性
塵埃として一般的な関東ロームの浮遊量を増加させたヘ
ッドクラッシュ加速試験の結果から保護コート最表層の
膜厚は3μm以上であることが必要である。
【0023】この膜厚は大きければ大きい程内部への傷
の到達を防止することができるため好ましいが、逆に厚
くなりすぎると記録媒体の反りが大きくなるので好まし
くない。このため、保護コート最表層の膜厚としては5
μm以上20μm以下とするのが好ましい。さらに高N
Aのドライブに対応するため基板の厚みを薄くした記録
媒体など保護コートの応力によって発生する反りの大き
さが問題になる場合では、保護コート最表層の膜厚は5
μm以上10μm以下とすることが最も好ましい。ただ
し、本発明による光磁気記録媒体の保護コートは硬質な
最表層の下に軟質な下層が存在するので、保護コート層
が一層のみで構成されている光磁気記録媒体と比較して
保護コート層表面の硬度が同じであってもはるかに媒体
の反りの大きさを小さくすることができる。
【0024】保護コート最下層が記録層と基板を保護す
るうえでの耐圧、耐衝撃性を有するためにはその最下層
の鉛筆硬度がB以下である必要があるが、硬度が低けれ
ば低いほどクッションの効果が高まり、耐圧、耐衝撃性
が向上する反面、極端に低硬度になると高温高湿環境に
置かれた場合に流出する成分が多くなり記録媒体として
の耐久性が損なわれる。このため保護コート最下層の鉛
筆硬度は2B以下6B以上であることが好ましい。
【0025】また、保護コート最下層の膜厚はそのクッ
ション効果による保護能力を充分に発揮させるために2
μm以上とすることが必要である。この最下層の膜厚は
厚い方が保護能力が向上して好ましいが、あまりに厚い
場合は記録膜と浮上磁気ヘッドの間の距離が大きくなる
ため、記録媒体の磁界感度が低くなるという問題があ
る。このため、最下層から最表層までの保護コート全体
の膜厚が50μm以下であることが必要である。従って
最下層単独では30μm以下の膜厚であることが好まし
い。高い磁界感度を保ったまま高い保護能力を発揮させ
るためには保護コート最下層の膜厚は5μm以上15μ
m以下とするのが最も好ましい。
【0026】以上のような少なくとも2層以上の積層構
造を有する保護コート層の軟質な最下層、硬質な最表層
等を形成させる材料としては有機系、無機系いずれの材
料も使用することができるが、無機系の材料ではクッシ
ョン効果の高い軟質な最下層を形成することが難しいた
め有機系の材料を用いるのが好ましい。この場合のコー
ティング方法としては放射線硬化型の樹脂を用いたスピ
ンコーティング法が簡便かつ無溶剤でクリーンな生産環
境とすることができるので好ましい。
【0027】放射線硬化型の樹脂としては、(メタ)ア
クリレートモノマー、ジ(メタ)アクリレートモノマ
ー、トリ(メタ)アクリレートモノマー、またはそれ以
上の多官能(メタ)アクリレートモノマー、及び単官能
または多官能のエポキシ(メタ)アクリレートモノマー
やウレタン(メタ)アクリレートモノマー、ポリエステ
ル(メタ)アクリレートモノマー、そしてそれらのオリ
ゴマーなどの(メタ)アクリレート類が容易に発生させ
ることのできる紫外線で硬化可能であり、取り扱いも簡
便であるので好ましい。これらの樹脂をコーティング剤
として使用する際には一般的に単一のモノマー、オリゴ
マーだけでコーティング剤を構成するよりも各樹脂の性
質を相補ったブレンドを施した方が好ましい場合が多
い。さらに必要に応じて重合開始剤、重合禁止剤、各種
改質剤を加えて樹脂組成物とした方が扱い易く、性質も
向上することが多いので好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は保護コートにその特徴を
有するため、その他の部分については共通の標準サンプ
ルを必要とする。まず、保護コートを除く標準サンプル
を作成する。射出成型法でポリカーボネートより成り、
片側の面に128MB容量フォーマットのパターンを有
する直径86mm、厚さ1.2mmのプラスチック基板
を作成した。この基板のパターン形成面上にSiNより
成る一層目の誘電体膜を厚さ100nm、Tb−Fe−
Coより成る記録膜を厚さ23nm、SiNより成る二
層目の誘電体膜を厚さ50nm、Al−Tiより成る反
射膜を厚さ70nmとなるようにスパッタリング法でこ
の順に成膜し、四層構造の記録層を作成した。基板の記
録層と反対側の面にはハードコートとして放射線硬化型
樹脂組成物である大日本インキ化学工業株式会社製EX
−704をスピンコート法で4μmの膜厚となるように
塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ
光源で6秒間紫外線を照射して硬化させた。
【0029】本発明では、実施例、比較例における光磁
気記録媒体の保護コート以外の部分の構成として、以下
すべて上記の基板、記録層とハードコート層の組み合わ
せを用いたが、これは光磁気記録媒体の構成要素のうち
本発明の特徴となる部分が保護コート層にあり、この保
護コート層の各実施例、比較例における効果の比較を容
易にするためである。本発明の本質は基板、記録層、ハ
ードコート層といった保護コート層以外の構成要素とは
無関係であり、従って本発明の範囲が上記に示した基
板、記録層とハードコートの組み合わせに限定されない
ことは言うまでもない。
【0030】上記のようにして作成した記録層上に放射
線硬化型樹脂組成物より成る第一の保護コート層をスピ
ンコート法により塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタ
ルハライドランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化さ
せた。第一の保護コート層として用いた放射線硬化型樹
脂組成物は、THF−A(共栄社化学株式会社製)80
重量%、1,6−HX−A(共栄社化学株式会社製)1
5重量%に重合開始剤としてイルガキュア907(チバ
ガイギー株式会社製)を5重量%混合させたものであ
る。
【0031】上記のようにして作成した第一の保護コー
ト層上に放射線硬化型樹脂組成物より成る第二の保護コ
ート層をスピンコート法により塗布し、窒素雰囲気下1
20Wのメタルハライドランプ光源で6秒間紫外線を照
射して硬化させることによって、図1に示す構造を有す
る光磁気記録媒体を完成させた。第二の保護コート層と
して用いた放射線硬化型樹脂組成物は大日本インキ化学
工業株式会社製EX−911である。尚、この第一、第
二の保護コート層の組成は後述の実施例1に相当する。
【0032】第一、第二の保護コート層についてそれぞ
れ硬度、膜厚、を測定した結果を表1及び表2に示す。
表1、2において鉛筆硬度とはJIS K5400で規
定された鉛筆硬度試験を行った結果であり、膜厚とは硬
化後の各コーティング層の膜厚である。さらに、表1、
2では積層構造となっている保護コート層の各層の名称
として、最下層、最上層と区別しているが、このうち最
下層とは記録層に接する第一の保護コート層を指す。さ
らに最上層とは保護コート最表層を指す。
【0033】さらに、積層構造である保護コート層全体
のコーティングが終了して完成した光磁気記録媒体の磁
界変調記録方式で使用した場合の耐久性、反り角、磁界
感度を評価した結果を表1、2に示す。磁界変調記録方
式における媒体耐久性の評価としては、特願平6−20
2038で開示した構造を有する浮上ヘッド摺動試験装
置で、試験中の環境塵埃としてJISダストNo.11
を用い、塵埃濃度を25mg/m3 として8時間ドライ
ブ試験し、試験終了後に触針式膜厚計で光磁気記録媒体
表面の傷深さを測定して得られた最大傷深さ、および試
験前後に行った光磁気記録媒体のエラー測定から得られ
た試験前に対する試験後のエラーバイト増加数を評価項
目として表1に示す。さらに、作成した光磁気記録媒体
が持つ反り角の最大値、飽和磁界感度を測定した結果を
表2に示す。
【0034】〔作用〕本発明によれば、記録層上に少な
くとも軟質な最下層と硬質な最表層を含む二層以上の積
層構造を有する保護コート層が形成された光磁気記録媒
体が得られる。この本発明による光磁気記録媒体を磁気
ヘッドとして浮上ヘッドを用いた磁界変調記録方式のド
ライブ装置で使用すれば、記録、再生、シーク中に光磁
気記録媒体表面の保護コート層と浮上磁気ヘッドが接触
したり、さらに保護コート層と浮上磁気ヘッド間に塵埃
が挟み込まれ、この塵埃がヘッドに押しつけられながら
保護コート表面を摺動するといったヘッドクラッシュが
発生しても、硬質な最表層の耐擦傷性が高いため、記録
層に達するような深い傷や保護コートの表面形状を著し
く悪化させる傷が発生することがない。さらに保護コー
ト層を通して記録層に伝達する圧力や衝撃も軟質な最下
層のクッション効果、ダンパー効果で大きく減衰させら
れるため、記録媒体のエラー率を増加させるようなダメ
ージが記録層と基板に与えられることがない。このため
光磁気記録媒体が磁界変調記録方式のドライブ装置で用
いられた場合に受けるヘッドクラッシュの影響が著しく
低減され、本発明によれば磁界変調記録方式での媒体耐
久性が格段に向上した光磁気記録媒体を得ることができ
る。しかも、硬質な最表層が持つ内部応力に起因する媒
体の反りも軟質な最下層の働きで緩和されるため、非常
に高い表面硬度を持ちながら反りの少ない光磁気記録媒
体とすることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を示しながら更に具体的な説明
を行う。
【0036】〔実施例1〕「発明の実施の形態」の項で
示した如くに作成した記録層上に放射線硬化型樹脂組成
物より成る第一の保護コート層をスピンコート法により
塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ
光源で6秒間紫外線を照射して硬化させた。第一の保護
コート層として用いた放射線硬化型樹脂組成物は、TH
F−A(共栄社化学株式会社製)80重量%、1,6−
HX−A(共栄社化学株式会社製)15重量%に重合開
始剤として、イルガキュア907(チバガイギー株式会
社製)を5重量%混合させたものである。
【0037】上記のようにして作成した第一の保護コー
ト層上に放射線硬化型樹脂組成物より成る第二の保護コ
ート層をスピンコート法により塗布し、窒素雰囲気下1
20Wのメタルハライドランプ光源で6秒間紫外線を照
射して硬化させることによって、図1に示す構造を有す
る光磁気記録媒体を完成させた。第二の保護コート層と
して用いた放射線硬化型樹脂組成物はEX−911(大
日本インキ化学工業株式会社製)である。
【0038】耐久試験後の最大傷深さ、および試験前後
に行った光磁気記録媒体のエラー測定から得られた試験
前に対する試験後のエラーバイト増加数、更に、作成し
た光磁気記録媒体が持つ反り角の最大値、飽和磁界感度
を測定した結果を表1、2に示す。
【0039】〔実施例2〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、PO−A(共栄社化学株式会社製)
70重量%、NPGDA(日本化薬株式会社製)25重
量%に重合開始剤であるイルガキュア184(チバガイ
ギー株式会社製)を5重量%混合して調製した放射線硬
化型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗布し、窒素
雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光源で6秒間
紫外線を照射して硬化させた。
【0040】次に第二の保護コート層として、第一の保
護コート層上に放射線硬化型樹脂組成物であるEX−9
11(大日本インキ化学工業株式会社製)をスピンコー
ティング法で5μmの膜厚となるように塗布し、窒素雰
囲気下120Wのメタルハライドランプ光源で6秒間紫
外線を照射して硬化させた。
【0041】次に第三の保護コート層として、第二の保
護コート層上にM−315(東亞合成株式会社製)を8
5重量%、NPGDA(日本化薬株式会社製)12重量
%に重合開始剤としてイルガキュア907(チバガイギ
ー株式会社製)を3重量%混合して調製した放射線硬化
型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗布し、窒素雰
囲気下120Wのメタルハライドランプ光源で6秒間紫
外線を照射して硬化させ、図2に示す構造を有する光磁
気記録媒体を完成させた。実施例1と同様に各特性の評
価結果を表1、2に示す。
【0042】〔実施例3〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、HOA−MS(共栄社化学株式会社
製)80重量%、NPGDA(日本化薬株式会社製)1
5重量%に重合開始剤であるイルガキュア184(チバ
ガイギー株式会社製)を5重量%混合して調製した放射
線硬化型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗布し、
窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光源で6
秒間紫外線を照射して硬化させた。次に第二の保護コー
ト層として、第一の保護コート層上にM−9050(東
亞合成株式会社製)を90重量%、NPGDA(日本化
薬株式会社製)5重量%に重合開始剤としてイルガキュ
ア907(チバガイギー株式会社製)を5重量%混合し
て調製した放射線硬化型樹脂組成物をスピンコーティン
グ法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライド
ランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化させ、図1に
示す構造を有する光磁気記録媒体を完成させた。実施例
1と同様に各特性の評価結果を表1、2に示す。
【0043】〔実施例4〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、HOA−MPL(共栄社化学株式会
社製)80重量%、M−5600(東亞合成株式会社
製)を16重量%に重合開始剤であるイルガキュア18
4(チバガイギー株式会社製)を4重量%混合して調製
した放射線硬化型樹脂組成物をスピンコーティング法で
塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ
光源で8秒間紫外線を照射して硬化させた。次に第二の
保護コート層として、第一の保護コート層上にPE−4
A(共栄社化学株式会社製)を90重量%、NPGDA
(日本化薬株式会社製)5重量%に重合開始剤としてイ
ルガキュア907(チバガイギー株式会社製)を5重量
%混合して調製した放射線硬化型樹脂組成物をスピンコ
ーティング法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタル
ハライドランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化さ
せ、図1に示す構造を有する光磁気記録媒体を完成させ
た。実施例1と同様に各特性の評価結果を表1、2に示
す。
【0044】〔実施例5〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、IB−XA(共栄社化学株式会社
製)80重量%、M−315(東亞合成株式会社製)を
17重量%に重合開始剤であるイルガキュア184(チ
バガイギー株式会社製)を3重量%混合して調製した放
射線硬化型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗布
し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光源
で5秒間紫外線を照射して硬化させた。次に第二の保護
コート層として、第一の保護コート層上にTMP−A
(共栄社化学株式会社製)を50重量%、NPGDA
(日本化薬株式会社製)45重量%に重合開始剤として
イルガキュア907(チバガイギー株式会社製)を5重
量%混合して調製した放射線硬化型樹脂組成物をスピン
コーティング法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタ
ルハライドランプ光源で4秒間紫外線を照射して硬化さ
せ、図1に示す構造を有する光磁気記録媒体を完成させ
た。実施例1と同様に各特性の評価結果を表1、2に示
す。
【0045】〔実施例6〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、IB−XA(共栄社化学株式会社
製)80重量%、NPGDA(日本化薬株式会社製)を
16重量%に重合開始剤であるチバガイギー株式会社製
イルガキュア907(チバガイギー株式会社製)を4重
量%混合して調製した放射線硬化型樹脂組成物をスピン
コーティング法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタ
ルハライドランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化さ
せた。次に第二の保護コート層として、第一の保護コー
ト層上に放射線硬化型樹脂組成物であるSD−301
(大日本インキ化学工業株式会社製)をスピンコーティ
ング法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライ
ドランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化させ、図1
に示す構造を有する光磁気記録媒体を完成させた。実施
例1と同様に各特性の評価結果を表1、2に示す。
【0046】〔実施例7〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、PO−A(共栄社化学株式会社製)
75重量%、MANDA(日本化薬株式会社製)22重
量%に重合開始剤であるイルガキュア907(チバガイ
ギー株式会社製)を3重量%混合して調製した放射線硬
化型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗布し、窒素
雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光源で6秒間
紫外線を照射して硬化させた。次に第二の保護コート層
として、第一の保護コート層上に放射線硬化型樹脂組成
物である大日本インキ化学工業株式会社製EX−332
(大日本インキ化学工業株式会社製)をスピンコーティ
ング法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライ
ドランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化させ、図1
に示す構造を有する光磁気記録媒体を完成させた。実施
例1と同様に各特性の評価結果を表1、2に示す。
【0047】〔実施例8〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、EC−A(共栄社化学株式会社製)
80重量%、1,6HX−A(共栄化学株式会社製)1
5重量%に重合開始剤であるイルガキュア184(チバ
ガイギー株式会社製)を5重量%混合して調製した放射
線硬化型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗布し、
窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光源で6
秒間紫外線を照射して硬化させた。次に第二の保護コー
ト層として、第一の保護コート層上に放射線硬化型樹脂
組成物であるEX−911(大日本インキ化学工業株式
会社製)をスピンコーティング法で塗布し、窒素雰囲気
下120Wのメタルハライドランプ光源で6秒間紫外線
を照射して硬化させ、図1に示す構造を有する光磁気記
録媒体を完成させた。実施例1と同様に各特性の評価結
果を表1、2に示す。
【0048】〔実施例9〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、M−1210(東亞合成株式会社
製)を75重量%、1,6HX−A(共栄化学株式会社
製)21重量%に重合開始剤であるイルガキュア184
(チバガイギー株式会社製)を4重量%混合して調製し
た放射線硬化型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗
布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光
源で6秒間紫外線を照射して硬化させた。次に第二の保
護コート層として、第一の保護コート層上にM−305
(東亞合成株式会社製)を85重量%、DCP−A(共
栄社化学株式会社製)12重量%に重合開始剤としてイ
ルガキュア907(チバガイギー株式会社製)を3重量
%混合して調製した放射線硬化型樹脂組成物をスピンコ
ーティング法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタル
ハライドランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化さ
せ、図1に示す構造を有する光磁気記録媒体を完成させ
た。実施例1と同様に各特性の評価結果を表1、2に示
す。
【0049】〔実施例10〕実施例1と同様にして基
板、記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一
の保護コート層としてEC−A(共栄社化学株式会社
製)80重量%、1,6HX−A(共栄化学株式会社
製)15重量%に重合開始剤であるイルガキュア184
を(チバガイギー株式会社製)5重量%混合して調製し
た放射線硬化型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗
布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光
源で6秒間紫外線を照射して硬化させた。次に第二の保
護コート層として、第一の保護コート層上に放射線硬化
型樹脂組成物であるEX−911(大日本インキ化学工
業株式会社製)をスピンコーティング法で塗布し、窒素
雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光源で6秒間
紫外線を照射して硬化させ、図1に示す構造を有する光
磁気記録媒体を完成させた。実施例1と同様に各特性の
評価結果を表1、2に示す。
【0050】〔実施例11〕実施例1と同様にして基
板、記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一
の保護コート層として、HOA−MS(共栄社化学株式
会社製)80重量%、NPGDA(日本化薬株式会社
製)15重量%に重合開始剤であるイルガキュア184
(チバガイギー株式会社製)を5重量%混合して調製し
た放射線硬化型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗
布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光
源で6秒間紫外線を照射して硬化させた。次に第二の保
護コート層として、第一の保護コート層上に放射線硬化
型樹脂組成物であるSD−301(大日本インキ化学工
業株式会社製)をスピンコーティング法で塗布し、窒素
雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光源で6秒間
紫外線を照射して硬化させ、図1に示す構造を有する光
磁気記録媒体を完成させた。実施例1と同様に各特性の
評価結果を表1、2に示す。
【0051】〔実施例12〕実施例1と同様にして基
板、記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一
の保護コート層として、PO−A(共栄社化学株式会社
製)80重量%、NPGDA(日本化薬株式会社製)1
5重量%に重合開始剤であるイルガキュア907(チバ
ガイギー株式会社製)を5重量%混合して調製した放射
線硬化型樹脂組成物をスピンコーティング法で塗布し、
窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ光源で6
秒間紫外線を照射して硬化させた。次に第二の保護コー
ト層として、第一の保護コート層上にM−9050(東
亞合成株式会社製)を90重量%、NPGDA(日本化
薬株式会社製)5重量%に重合開始剤としてイルガキュ
ア907(チバガイギー株式会社製)を5重量%混合し
て調製した放射線硬化型樹脂組成物をスピンコーティン
グ法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライド
ランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化させ、図1に
示す構造を有する光磁気記録媒体を完成させた。実施例
1と同様に各特性の評価結果を表1、2に示す。
【0052】〔比較例1〕実施例1と同様に基板、記録
層、ハードコート層を作成し、記録層上に保護コート層
として放射線硬化型樹脂組成物である大日本インキ化学
工業株式会社製EX−911をスピンコーティング法で
塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ
光源で6秒間紫外線を照射して硬化させ、図3に示す構
造を有する光磁気記録媒体を完成させた。実施例1と同
様に各特性の評価結果を表1、2に示すが、本比較例は
保護コート層が単層であるため、鉛筆硬度および膜厚の
表記には表1の上層の欄を使用した。
【0053】〔比較例2〕実施例1と同様に基板、記録
層、ハードコート層を作成し、記録層上に保護コート層
としてIB−XA(共栄社化学株式会社製)80重量
%、NPGDA(日本化薬株式会社製)16重量%に重
合開始剤としてイルガキュア907(チバガイギー株式
会社製)を4重量%混合させて調製した放射線硬化型樹
脂組成物をスピンコーティング法で塗布し、窒素雰囲気
下120Wのメタルハライドランプ光源で6秒間紫外線
を照射して硬化させ、図3に示す構造を有する光磁気記
録媒体を完成させた。実施例1と同様に各特性の評価結
果を表1、2に示すが、本比較例は保護コート層が単層
であるため、鉛筆硬度および膜厚の表記には表1、2の
上層の欄を使用した。
【0054】〔比較例3〕実施例1と同様に基板、記録
層、ハードコート層を作成し、記録層上に保護コート層
として放射線硬化型樹脂組成物である大日本インキ化学
工業株式会社製SD−301をスピンコーティング法で
塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハライドランプ
光源で6秒間紫外線を照射して硬化させ、図3に示す構
造を有する光磁気記録媒体を完成させた。実施例1と同
様に各特性の評価結果を表1、2に示すが、本比較例は
保護コート層が単層であるため、鉛筆硬度および膜厚の
表記には表1、2の上層の欄を使用した。
【0055】〔比較例4〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、放射線硬化型樹脂組成物である大日
本インキ化学工業株式会社製SD−301をスピンコー
ティング法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハ
ライドランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化させ
た。次に第二の保護コート層として、第一の保護コート
層上にM−305(東亞合成株式会社製)を85重量
%、DCP−A(共栄社化学株式会社製)12重量%に
重合開始剤としてイルガキュア907(チバガイギー株
式会社製)を3重量%混合して調製した放射線硬化型樹
脂組成物をスピンコーティング法で塗布し、窒素雰囲気
下120Wのメタルハライドランプ光源で6秒間紫外線
を照射して硬化させ、図2に示す構造を有する光磁気記
録媒体を完成させた。実施例1と同様に各特性の評価結
果を表1に示す。
【0056】〔比較例5〕実施例1と同様にして基板、
記録層、ハードコート層を作成し、記録層上に第一の保
護コート層として、放射線硬化型樹脂組成物である大日
本インキ化学工業株式会社製SD−301をスピンコー
ティング法で塗布し、窒素雰囲気下120Wのメタルハ
ライドランプ光源で6秒間紫外線を照射して硬化させ
た。次に第二の保護コート層として、第一の保護コート
層上にM−305(東亞合成株式会社製)を65重量
%、DCP−A(共栄社化学株式会社製)12重量%に
重合開始剤としてイルガキュア907(チバガイギー株
式会社製)を3重量%混合し、非磁性粉としてα酸化鉄
20重量%を混合して調製した放射線硬化型樹脂組成物
をスピンコーティング法で塗布し、窒素雰囲気下120
Wのメタルハライドランプ光源で6秒間紫外線を照射し
て硬化させ、潤滑剤としてフッ化カーボン系オイル(商
品名クライトッタス)を含浸させて第二図に示す構造を
有する光磁気記録媒体を完成させた。実施例1と同様に
各特性の評価結果を表1、2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明による光磁気記録媒
体は、浮上磁気ヘッドを用いる磁界変調記録方式のドラ
イブ装置で使用する場合、回転中の光磁気記録媒体表面
と浮上磁気ヘッドが接触したり両者の間に挟まれた塵埃
が浮上磁気ヘッドによって押しつけられながら光磁気記
録媒体表面を摺動するヘッドクラッシュに対して著しく
高い耐久性を持つ。このため、本発明による光磁気記録
媒体であれば磁界変調記録方式のドライブ装置で非常に
長期間使用しても、また塵埃濃度が高い環境下で使用し
ても媒体エラー率の増加を防止することができ、さらに
光磁気記録媒体表面に発生する傷の深さを極めて小さく
抑えることができる。さらに、本発明によれば、上記の
ようなヘッドクラッシュに対する高い耐久性を有しなが
らも反りの小さい光磁気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例、または一比較例の構造を示
す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施例の構造を示す概略断面図であ
る。
【図3】本発明の一比較例であって、従来の光磁気記録
媒体の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…基板 2…第一の誘電体膜 3…記録膜 4…第二の誘電体膜 5…反射膜 6…ハードコート層 7…第一の保護コート層 8…第二の保護コート層 9…第三の保護コート層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基板と光磁気記録層を有し、
    光磁気記録層上に保護コート層を有する光磁気記録媒体
    において、光磁気記録層上にコーティングされた保護コ
    ート層が少なくとも二層以上の積層構造であり、この保
    護コート層のうち光磁気記録層に接する最下層の硬度
    が、保護コート層表面を覆う最表層の硬度よりも低く、
    かつ保護コート最下層の硬度がJIS K5400で規
    定された鉛筆硬度試験でB以下であることを特徴とする
    光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 保護コート最表層の硬度がJIS K5
    400で規定された鉛筆硬度試験で4H以上である請求
    項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 保護コート最表層の膜厚が3μm以上で
    あり、積層された保護コート層全体の膜厚が50μm以
    下である請求項1または2に記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 保護コート最下層の膜厚が2μm以上で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0896328A1 (en) * 1997-07-29 1999-02-10 Victor Company Of Japan, Ltd. Information recording carrier and manufacturing method thereof

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