JPH093401A - シリカ系コート剤の製造方法および安定化方法 - Google Patents

シリカ系コート剤の製造方法および安定化方法

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JPH093401A
JPH093401A JP7150624A JP15062495A JPH093401A JP H093401 A JPH093401 A JP H093401A JP 7150624 A JP7150624 A JP 7150624A JP 15062495 A JP15062495 A JP 15062495A JP H093401 A JPH093401 A JP H093401A
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alkoxysilane
silica
hydrolysis reaction
reaction
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Tetsuhiko Takeuchi
哲彦 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、アルコキシシランの加水分
解反応条件およびアルコキシシランの加水分解反応生成
物の経時変化に起因する被膜特性のバラツキを解消する
コート剤を容易に製造および安定化する方法を提供する
ことである。 【構成】 本発明は、アルコキシシランの酸性触媒によ
る加水分解反応において、反応原料に用いる水の量、反
応温度および溶剤の混合方法を最適化することによりシ
ロキサンポリマーおよびシロキサンポリマー前駆体の生
成を抑制すること、またコート剤への安定化剤の添加お
よび保存温度の管理によりシロキサンオリゴマーの重合
反応を抑制することを特徴とするシリカ系コート剤の製
造方法および安定化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IC、LCD基板、各
種光学部材等の平坦化・表面保護・絶縁膜などに利用さ
れるシリカ系コート剤の製造方法および安定化方法に関
し、更に詳しくはアルコキシシランの酸性触媒による加
水分解反応生成物および金属酸化物微粒子を主成分とす
るシリカ系コート剤の製造方法および安定化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】IC、LCD基板、各種光学部材等の平
坦化・表面保護・絶縁膜などに利用されるシリカ系被膜
の形成方法としては、スパッタ、CVD、蒸着などの気
相成長法と塗布法が用いられている。これまで気相成長
法によるシリカ系被膜の形成が主として行なわれてきた
が、特殊な超高真空装置を必要とする、大型基材への被
膜が困難、電気・材料などランニングコストが高い、ス
ループットが悪く量産向きでないなどの欠点を有する。
そこで近年、より簡易なしかも低コストで量産性の良い
シリカ系被膜の形成方法として塗布法の導入が増加して
いる。
【0003】塗布法によるシリカ系被膜形成用のコート
剤は、一般的に適当な溶剤にて希釈したアルコキシシラ
ンの加水分解反応生成物を用いる場合が多く、またこれ
に焼成時のクラックの発生を抑制したり被膜表面形状を
制御するためフィラーとしてシリカ微粒子や他の金属酸
化物微粒子を添加して用いる場合もある。ここで一般式
Si(OR)4 (但しRは炭素数1〜8のアルキル基)
で示されるアルコキシシランの酸性触媒の存在下での加
水分解反応は、発熱反応であり、反応生成物としてSi
(OH)4 を経由し、このシラノール基間での脱水重縮
合によるシロキサンオリゴマーが得られる。このシロキ
サンオリゴマーをアルコール、エステル、ケトン等の用
いるコーティング方法に適した有機溶剤に溶解する。さ
らに必要に応じてSiO2 、Al23、TiO2 、Zr
2 等の微粒子をこれに添加するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにアルコ
キシシランの酸性触媒の存在下での加水分解反応は、発
熱反応であり、反応生成物としてSi(OH)4 を経由
し、このシラノール基間での脱水重縮合によるシロキサ
ンオリゴマーを生成させ、これを主成分とするものであ
るが、反応条件によりシロキサンオリゴマーの分子量分
布に差が生じる。具体的な反応条件としては、例えば反
応のスケール、冷却方法、溶剤の混合方法などがあげら
れる。特に反応中あるいは反応後、長時間、高温にさら
されたり、反応後、溶剤を混合するまでに長時間を要し
た場合などにおいては、過度に重合が進行しシロキサン
ポリマーが生成しシロキサンオリゴマーと共存している
場合がある。この加水分解反応生成物を、用いるコーテ
ィング方法に適した有機溶剤に溶解し、さらに必要に応
じてSiO2 、Al23、TiO2 、ZrO2 等の微粒
子を添加して調製したコート剤から塗布、焼成して得ら
れる被膜は、シロキサンポリマーの生成量により基材と
の密着性、膜強度、耐薬品性、表面形状などの特性面で
のバラツキが生じる。またシロキサンポリマーの生成は
ないが、シロキサンポリマー前駆体が生成した場合に
は、コート剤保存中のシラノール基間の重合速度が大き
いため短時間でシロキサンポリマーが生成する。このコ
ート剤から塗布、焼成して得られる被膜も前記同様、シ
ロキサンポリマーの生成量により基材との密着性、膜強
度、耐薬品性、表面形状などの特性面でのバラツキが生
じる。
【0005】以上のようなアルコキシシランの加水分解
反応条件およびアルコキシシランの加水分解反応生成物
の経時変化に起因する被膜特性のバラツキを解消するた
めのアルコキシシランの加水分解反応およびコート剤の
調製方法として次の報告がある。
【0006】1)シラノール基をアルキルスルフォニル
化して保護する方法(U.S.P.4042612、4
172737)。 2)加水分解触媒として弱酸と強酸を2段階に用いる方
法(U.S.P.4154617)。 3)酸性触媒により50%程度の低加水分解状態の加水
分解液を調製した後、トリエタノールアミン等のアミン
を添加し系内を塩基性にしシラノール基を含まないポリ
アルキルシリケート高縮合物とする方法(特開昭59−
45316)。 4)カルボン酸のエステル化、第3級アルコールとハロ
ゲン化剤またはアルコール、カルボン酸およびハロゲン
化剤の反応などから水を発生させアルコキシシランを加
水分解する方法(特公昭56−34234、特開昭63
−81132)。 5)添加剤としてジオキサン、メチルエチルケトン、メ
チロキシブタノール、エチルアセテートなどを用いる方
法(特公昭57−33306)。これらの方法によれば
加水分解液を安定化させ保存性が向上する。しかし、多
段階反応を用いることによりプロセスが複雑になるこ
と、溶剤にて希釈したコート剤としての粘度、表面張力
などの表面的な物性は制御できるものの加水分解反応生
成物の分子の安定性に関しては制御不十分であり塗布、
焼成後の被膜特性上バラツキが生じることなどの課題を
有する。
【0007】本発明の目的は、アルコキシシランの加水
分解反応条件およびアルコキシシランの加水分解反応生
成物の経時変化に起因する被膜特性のバラツキを解消す
るコート剤を容易に製造および安定化する方法を提供す
ることによって、上記の課題を解決することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、アルコキシ
シランの酸性触媒による加水分解反応において、反応原
料に用いる水の量、反応温度および溶剤の混合方法を最
適化することによりシロキサンポリマーおよびシロキサ
ンポリマー前駆体の生成を抑制すること、またコート剤
への安定化剤の添加および保存温度の管理によりシロキ
サンオリゴマーの重合反応を抑制することで達成可能と
なる。
【0009】具体的には、一般式Si(OR)4 (但し
Rは炭素数1〜8のアルキル基)で示されるアルコキシ
シランの加水分解反応原料として用いる水の量をアルコ
キシシランの4.5倍モル以上とすること、加水分解反
応時の最高温度を40℃以下に制御することおよび加水
分解反応が完全に終了する前に、用いるコーティング方
法に適した溶剤にて希釈し濃度調整することによりシロ
キサンポリマーおよびシロキサンポリマー前駆体の生成
が抑制可能となる。またアルコキシシランの酸性触媒に
よる加水分解反応溶液の希釈溶剤成分として環状エーテ
ル、カルボン酸エステル、エーテルアルコールおよびケ
トンのいずれかをコート剤中に3〜60%含有させるこ
とおよびコート剤を20℃以下で保管することによりシ
ロキサンオリゴマーの重合反応が抑制可能となるもので
ある。
【0010】
【作用】本発明の方法によれば、アルコキシシランの加
水分解反応原料として用いる水の量がアルコキシシラン
の4.5倍モル以上とすることにより全加水分解反応後
にも系内に水が存在するため、水が生成するシラノール
の脱水重縮合反応を抑制することができる。またアルコ
キシシランの酸性触媒による加水分解反応時の最高温度
を40℃以下に制御することにより加水分解反応におい
て生成したシラノールの重合速度が低下する。さらに加
水分解反応が完全に終了する前に、用いるコーティング
方法に適した溶剤にて希釈し濃度調整するとその冷却効
果により加水分解反応において生成したシラノールの重
合速度が低下し、また濃度が希薄になるためシラノール
の脱水重縮合反応が抑制され適当な分子量分布のシロキ
サンオリゴマーが得られるものである。
【0011】以上のようにして得られるシロキサンオリ
ゴマーはシラノール基を有するためその保存中に徐々に
重合が進行しやがてシロキサンポリマーを生成すること
になるが、環状エーテル、カルボン酸エステル、エーテ
ルアルコールおよびケトンのいずれかをコート剤中に添
加することおよび保存温度を低温に管理し反応速度を低
下させることによりシロキサンオリゴマーが安定化し、
長期間のポットライフが確保されるものである。
【0012】
【実施例】
(実施例1)テトラエトキシシラン208g(1モル)
に対し、水を63g(3.5モル),72g(4モ
ル),81g(4.5モル),90g(5モル),10
8g(6モル),144g(8モル)各々用い反応原料
とした。また酸性触媒として塩酸、あるいは硝酸を0.
001モル用いた。
【0013】上記組成の反応原料を混合、攪拌し加水分
解反応を行った後、エタノール、メタノール等の溶剤を
添加しシリカ換算で5wt%に濃度を調整した。以上の
ようにして調製したコート剤を密閉容器に入れ室温にて
保管し、各々の分子量分布の経時変化をゲル浸透クロマ
トグラフィーにより測定したところ、反応原料として用
いた水の量が少ないほど高分子成分が早く生成した。特
に、テトラエトキシシラン1モルに対し、水を3.5モ
ルあるいは4モル用いた場合、溶剤添加直後から高分子
成分の生成が確認された。
【0014】上記コート剤各々に、平均粒子径50〜1
00Åのアルミナゾルをエタノール、メタノール等の溶
剤を添加し5wt%に濃度調整した後、各400gを混
合し充分に攪拌し均質なコート剤とした。これらのコー
ト剤をガラス基板に塗布した後、焼成し得られた100
0Åの膜厚の被膜の耐アルカリ性の評価をした。濃度4
0wt%の水酸化カリウム水溶液を60℃に加熱し上記
被膜付ガラス基板を浸漬した時の膜厚の減少速度を測定
したところ、テトラエトキシシラン1モルの加水分解反
応に用いた水の量が3.5モル、4モル、4.5モル、
5モル、6モル、8モルに対して、1分間当りの膜厚減
少量は、順に450Å、200Å、80Å、50Å、4
0Å、30Åであり水の量が3.5モルおよび4モルの
場合は実用的でなかった。
【0015】耐アルカリ性の評価をした後、更にこれら
の被膜の表面状態を50000〜100000倍のSE
Mにて観察したところ、膜厚減少量の大きな被膜ほど表
面粗さが大きく、耐アルカリ性評価の前後に行った針圧
耐荷重評価における機械的強度は小さかった。
【0016】また上記アルミナゾルの代わりに平均粒子
径100〜200Åのコロイダルシリカあるいは平均粒
子径200Åのチタニアゾルあるいは平均粒子径100
Åのジルコニアゾルを用いた場合にもほぼ同様の結果が
得られた。
【0017】(実施例2)5組の反応装置各々に、テト
ラエトキシシラン208g、水90g、および塩酸ある
いは硝酸0.001モルを混合、攪拌した。加水分解反
応の進行に伴い発熱し液温が上昇した。この際、冷却
(水冷あるいは氷冷)により反応時の最高温度を各々3
0、40、50、60℃以下に制御した。また比較とし
て冷却を行なわなかった場合、反応時の最高温度は72
℃まで上昇した。
【0018】反応終了後、液温が室温になったところで
エタノール、メタノール等の溶剤を添加しシリカ換算で
5wt%に濃度を調整した。以上のようにして調製した
コート剤各々の分子量分布をゲル浸透クロマトグラフィ
ーにより測定したところ、加水分解反応に液温が、50
℃以上に達した場合、溶剤添加直後から少量の高分子成
分の生成が確認された。また実施例1と同様に調製した
コート剤を密閉容器に入れ室温にて保管し、各々の分子
量分布の経時変化をゲル浸透クロマトグラフィーにより
測定したところ、反応時の最高温度が高い程、高分子成
分の生成速度が大きかった。
【0019】上記コート剤各々に、平均粒子径50〜1
00Åのアルミナゾルをエタノール、メタノール等の溶
剤を添加し5wt%に濃度調整した後、各400gを混
合し充分に攪拌し均質なコート剤とした。これらのコー
ト剤をガラス基板に塗布した後、焼成し得られた100
0Åの膜厚の被膜の耐アルカリ性の評価をした。濃度4
0wt%の水酸化カリウム水溶液を60℃に加熱し上記
被膜付ガラス基板を浸漬した時の膜厚の減少速度を測定
したところ、反応時の最高温度が30、40、50、6
0、72℃に対して、1分間当りの膜厚減少量は、順に
30Å、30Å、130Å、250Å、600Åであり
反応時の最高温度が60および72℃の場合は実用的で
なかった。
【0020】耐アルカリ性の評価をした後、更にこれら
の被膜の表面状態を50000〜100000倍のSE
Mにて観察したところ、膜厚減少量の大きな被膜ほど表
面粗さが大きく、耐アルカリ性評価の前後に行った針圧
耐荷重評価における機械的強度は小さかった。
【0021】また上記アルミナゾルの代わりに平均粒子
径100〜200Åのコロイダルシリカあるいは平均粒
子径200Åのチタニアゾルあるいは平均粒子径100
Åのジルコニアゾルを用いた場合にもほぼ同様の結果が
得られた。
【0022】(実施例3)5組の反応装置各々に、テト
ラエトキシシラン208g、水90g、および塩酸ある
いは硝酸0.001モルを混合、攪拌した。加水分解反
応の進行に伴い発熱し液温が上昇した。この際、反応の
初期は不均一系であるが、テトラエトキシシランが加水
分解され生成するエタノールの量が増加すると反応終了
に到達する前に無色透明な均一系溶液となる。この後さ
らに発熱が続きやがて反応が終了する。このような反応
過程においてエタノール、メタノール等の溶剤添加を、
1)反応液が無色透明な均一系溶液となった時点、2)
反応温度が最高に達した直後、3)反応が終了し液温が
室温になった時点、4)反応が終了し液温が室温になっ
た後、静置し1時間以上経過した時点、および比較とし
て5)出発原料のテトラエトキシシラン、水、および塩
酸あるいは硝酸の混合と同時、に各々行い、シリカ換算
で5wt%の濃度のコート剤を調製した。以上のように
して調製したコート剤各々の分子量分布をゲル浸透クロ
マトグラフィーにより測定したところ、1)および2)
においてはオリゴマー成分のみが検出されたが、3)お
よび4)においては、オリゴマーと同時にポリマーの存
在が確認された。5)の場合は、10時間以上攪拌した
が発熱反応に伴う液温の上昇が確認されなかった。また
実施例1および2と同様に、調製したコート剤1)〜
4)を密閉容器に入れ室温にて保管し、各々の分子量分
布の経時変化をゲル浸透クロマトグラフィーにより測定
したところ、4)、3)、2)、1)の順で高分子成分
の生成が確認され中でも4)と3)は極めて生成速度が
大きかった。
【0023】上記コート剤各々に、平均粒子径100〜
200Åのコロイダルシリカをエタノール、メタノール
等の溶剤を添加し5wt%に濃度調整した後、各400
gを混合し充分に攪拌し均質なコート剤とした。これら
のコート剤をガラス基板に塗布した後、焼成し得られた
1000Åの膜厚の被膜の耐アルカリ性の評価をした。
濃度40wt%の水酸化カリウム水溶液を60℃に加熱
し上記被膜付ガラス基板を浸漬した時の膜厚の減少速度
を測定したところ、1分間当りの膜厚減少量は、1)〜
4)まで順に50Å、50Å、250Å、700Åであ
った。
【0024】耐アルカリ性の評価をした後、更にこれら
の被膜の表面状態を50000〜100000倍のSE
Mにて観察したところ、膜厚減少量の大きな被膜ほど表
面粗さが大きく、耐アルカリ性評価の前後に行った針圧
耐荷重評価における機械的強度は小さかった。
【0025】また上記コロイダルシリカの代わりに平均
粒子径50〜100Åのアルミナゾルあるいは平均粒子
径200Åのチタニアゾルあるいは平均粒子径100Å
のジルコニアゾルを用いた場合にもほぼ同様の結果が得
られた。
【0026】(実施例4)各々の反応装置に、テトラエ
トキシシラン208g、水90g、および塩酸あるいは
硝酸0.001モルを混合、攪拌した。加水分解反応終
了後、液温が室温になったところで溶剤を添加しシリカ
換算で5wt%に濃度を調整した。ここで溶剤として
は、エタノールおよびメタノールとジオキサン、エトキ
シエタノール、酢酸エチル、およびメチルエチルケトン
のいずれかを次の割合で混合し用いた。1)エタノール
およびメタノール計902g 2)エタノールおよびメタノール計872gとジオキサ
ン、エトキシエタノール、 酢酸エチル、およびメチ
ルエチルケトンのいずれか30g 3)エタノールおよびメタノール計842gとジオキサ
ン、エトキシエタノール、 酢酸エチル、およびメチ
ルエチルケトンのいずれか60g 4)エタノールおよびメタノール計542gとジオキサ
ン、エトキシエタノール、 酢酸エチル、およびメチ
ルエチルケトンのいずれか360g 5)エタノールおよびメタノール計302gとジオキサ
ン、エトキシエタノール、 酢酸エチル、およびメチ
ルエチルケトンのいずれか600g 6)エタノールおよびメタノール計182gとジオキサ
ン、エトキシエタノール、 酢酸エチル、およびメチ
ルエチルケトンのいずれか720g 以上のようにして調製したコート剤を密閉容器に入れ室
温にて保管し、各々の分子量分布の経時変化をゲル浸透
クロマトグラフィーにより測定した。
【0027】1)および2)以外のコート剤は、極めて
安定性が良く6カ月以上高分子成分の生成は確認されな
かった。2)は1)に比べ多少、安定性が向上している
が3)〜6)に比べると高分子生成が早かった。
【0028】上記コート剤各々に、平均粒子径50〜1
00Åのアルミナゾルをエタノール、メタノール等の溶
剤を添加し5wt%に濃度調整した後、各400gを混
合し充分に攪拌し均質なコート剤とした。これらのコー
ト剤をガラス基板に塗布した後、焼成し得られた100
0Åの膜厚の被膜の耐アルカリ性の評価をした。濃度4
0wt%の水酸化カリウム水溶液を60℃に加熱し上記
被膜付ガラス基板を浸漬した時の膜厚の減少速度を測定
したところ、1分間当りの膜厚減少量は、エタノールお
よびメタノール以外の安定化剤として用いたジオキサ
ン、エトキシエタノール、酢酸エチル、およびメチルエ
チルケトンにはあまり影響されず1)〜6)まで順に4
00〜750Å、300〜600Å、30〜100Å、
20〜75Å、20〜70Å、30〜90Åであった。
【0029】耐アルカリ性の評価をした後、更にこれら
の被膜の表面状態を50000〜100000倍のSE
Mにて観察したところ、膜厚減少量の大きな被膜ほど表
面粗さが大きく、耐アルカリ性評価の前後に行った針圧
耐荷重評価における機械的強度は小さかった。
【0030】また上記アルミナゾルの代わりに平均粒子
径100〜200Åのコロイダルシリカあるいは平均粒
子径200Åのチタニアゾルあるいは平均粒子径100
Åのジルコニアゾルを用いた場合にもほぼ同様の結果が
得られた。
【0031】(実施例5)テトラエトキシシラン208
g、水90g、および塩酸、あるいは硝酸を0.001
モルを混合、攪拌し加水分解反応を行った後、エタノー
ル、メタノール等の溶剤を添加しシリカ換算で5wt%
に濃度を調整した。以上のようにして調製したコート剤
を密閉容器に入れ5℃、10℃、15℃、20℃、25
℃、30℃の各温度にて保管し、各々の分子量分布の経
時変化をゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。
高分子成分の生成が確認されるまでに要した時間は、5
℃から順に6カ月以上、6カ月以上、6カ月以上、5.
5カ月、15日、2日であり保管温度が低いほど安定で
あった。
【0032】6カ月保管した上記コート剤各々に、平均
粒子径50〜100Åのアルミナゾルをエタノール、メ
タノール等の溶剤を添加し5wt%に濃度調整した後、
各400gを混合し充分に攪拌し均質なコート剤とし
た。これらのコート剤をガラス基板に塗布した後、焼成
し得られた1000Åの膜厚の被膜の耐アルカリ性の評
価をした。濃度40wt%の水酸化カリウム水溶液を6
0℃に加熱し上記被膜付ガラス基板を浸漬した時の膜厚
の減少速度を測定したところ、1分間当りの膜厚減少量
は、保管温度5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、
30℃に対して各々、順に20Å、20Å、20Å、4
0Å、600Å、900Åであり保管温度が20℃より
高い場合には実用的でなかった。
【0033】耐アルカリ性の評価をした後、更にこれら
の被膜の表面状態を50000〜100000倍のSE
Mにて観察したところ、膜厚減少量の大きな被膜ほど表
面粗さが大きく、耐アルカリ性評価の前後に行った針圧
耐荷重評価における機械的強度は小さかった。
【0034】また上記アルミナゾルの代わりに平均粒子
径100〜200Åのコロイダルシリカあるいは平均粒
子径200Åのチタニアゾルあるいは平均粒子径100
Åのジルコニアゾルを用いた場合にもほぼ同様の結果が
得られた。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によればアル
コキシシランの加水分解反応条件およびアルコキシシラ
ンの加水分解反応生成物の経時変化に起因する被膜特性
のバラツキを解消した信頼性の高いコート剤を容易に製
造および安定化することが可能になる。また本発明によ
るコート剤を用いたシリカ系被膜の形成は、簡易でしか
も低コストで量産性に優れているため電子および光学分
野においてその応用は更に広がるものと予想される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Si(OR)4 (但しRは炭素数
    1〜8のアルキル基)で示されるアルコキシシランの酸
    性触媒による加水分解反応生成物および金属酸化物微粒
    子を主成分とするシリカ系コート剤において、アルコキ
    シシランの加水分解反応原料として用いる水の量をアル
    コキシシランの4.5倍モル以上とすることを特徴とす
    るシリカ系コート剤の製造方法および安定化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、アルコキシシランの
    酸性触媒による加水分解反応時の最高温度を40℃以下
    に制御することを特徴とするシリカ系コート剤の製造方
    法および安定化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1および2において、アルコキシ
    シランの酸性触媒による加水分解反応が完全に終了する
    前に、用いるコーティング方法に適した溶剤にて希釈し
    濃度調整することを特徴とするシリカ系コート剤の製造
    方法および安定化方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の方法において、アルコキシ
    シランの酸性触媒による加水分解反応溶液の希釈溶剤成
    分として環状エーテル、カルボン酸エステル、エーテル
    アルコールおよびケトンのいずれかがコート剤中に3〜
    60%含有することを特徴とするシリカ系コート剤の製
    造方法および安定化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3あるいは4の方法にて製造
    したシリカ系コート剤を20℃以下で保管することを特
    徴とするシリカ系コート剤の安定化方法。
JP7150624A 1995-06-16 1995-06-16 シリカ系コート剤の製造方法および安定化方法 Pending JPH093401A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007119635A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Ito Kogaku Kogyo Kk 塗料組成物
WO2013115367A1 (ja) * 2012-02-02 2013-08-08 日産化学工業株式会社 低屈折率膜形成用組成物

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