JPH0933487A - 焼結体における非金属材料の偏析検出方法 - Google Patents
焼結体における非金属材料の偏析検出方法Info
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- JPH0933487A JPH0933487A JP18956095A JP18956095A JPH0933487A JP H0933487 A JPH0933487 A JP H0933487A JP 18956095 A JP18956095 A JP 18956095A JP 18956095 A JP18956095 A JP 18956095A JP H0933487 A JPH0933487 A JP H0933487A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 焼結体における非金属材料の偏析検出方法で
あって、焼結体を破壊せずかつ短時間で非金属材料の偏
析検出をするとともに、偏析部分を容易に特定すること
を課題とする。 【解決手段】 交番磁界を発生させる第1励磁コイルと
これに沿って巻回される第1検出用コイルの内部に、第
1励磁コイルの軸方向に対して一定の姿勢に維持した状
態で焼結体を通過させ、移動する焼結体の相対位置とこ
れに対応する第1検出用コイルに流れる電流値とを検出
する第1偏析検出工程と、交番磁界を発生させる第2励
磁コイルとこれに沿って巻回される第2検出用コイルの
内部に、第2励磁コイルの軸方向に対して第1励磁コイ
ルの内部を通過した姿勢と異なる姿勢で焼結体を通過さ
せ、移動する焼結体の相対位置とこれに対応する第2検
出用コイルに流れる電流値とを検出する第2偏析検出工
程とを備える。
あって、焼結体を破壊せずかつ短時間で非金属材料の偏
析検出をするとともに、偏析部分を容易に特定すること
を課題とする。 【解決手段】 交番磁界を発生させる第1励磁コイルと
これに沿って巻回される第1検出用コイルの内部に、第
1励磁コイルの軸方向に対して一定の姿勢に維持した状
態で焼結体を通過させ、移動する焼結体の相対位置とこ
れに対応する第1検出用コイルに流れる電流値とを検出
する第1偏析検出工程と、交番磁界を発生させる第2励
磁コイルとこれに沿って巻回される第2検出用コイルの
内部に、第2励磁コイルの軸方向に対して第1励磁コイ
ルの内部を通過した姿勢と異なる姿勢で焼結体を通過さ
せ、移動する焼結体の相対位置とこれに対応する第2検
出用コイルに流れる電流値とを検出する第2偏析検出工
程とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料を主とす
る焼結体に含有する非金属材料の偏析を非破壊によって
検出する方法に関する。
る焼結体に含有する非金属材料の偏析を非破壊によって
検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、Fe、Ni、Mo等の金属粉や
合金粉を金属材料として焼結する際に、同時に非金属材
料であるカーボン(以下、Cと記載する)を一定量含有
させて焼結体における強度等の調整を行っている。設定
された強度等を得るためには焼結体内部のCが、偏析せ
ずに一様に分布して焼結されることが望ましいが、焼結
体内部にCが偏析し、その含有量が位置によって高い所
と低い所が生じた場合、特にCの焼結密度が1%以上に
なると強度の低下をもたらすばかりか、熱処理等で焼結
体の変形要因となることが知られている。
合金粉を金属材料として焼結する際に、同時に非金属材
料であるカーボン(以下、Cと記載する)を一定量含有
させて焼結体における強度等の調整を行っている。設定
された強度等を得るためには焼結体内部のCが、偏析せ
ずに一様に分布して焼結されることが望ましいが、焼結
体内部にCが偏析し、その含有量が位置によって高い所
と低い所が生じた場合、特にCの焼結密度が1%以上に
なると強度の低下をもたらすばかりか、熱処理等で焼結
体の変形要因となることが知られている。
【0003】従来、焼結体内部におけるCの偏析の有無
は、以下のような検出手段によって行われていた。すな
わち、焼結品の各部分からドリル等を用いて焼結材料の
切粉を採取し、該切粉におけるCの含有量を分析比較す
ることによって焼結体全体のCの含有分布を調べ、Cの
偏析を検出していた。
は、以下のような検出手段によって行われていた。すな
わち、焼結品の各部分からドリル等を用いて焼結材料の
切粉を採取し、該切粉におけるCの含有量を分析比較す
ることによって焼結体全体のCの含有分布を調べ、Cの
偏析を検出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
検出手段では、ドリル等で焼結体を破壊してしまうた
め、該焼結体を製品として使用できなくなる不都合があ
り、また、焼結体の複数個所から採取した切粉をそれぞ
れ化学分析等で調べなくてはならず、偏析の検出に大幅
な時間を要していた。さらに、偏析原因の解明等のた
め、Cの偏析部分を特定するには、焼結体の全体から切
粉を多数採取して分析しなければならず、多大な労力と
時間がかかっていた。
検出手段では、ドリル等で焼結体を破壊してしまうた
め、該焼結体を製品として使用できなくなる不都合があ
り、また、焼結体の複数個所から採取した切粉をそれぞ
れ化学分析等で調べなくてはならず、偏析の検出に大幅
な時間を要していた。さらに、偏析原因の解明等のた
め、Cの偏析部分を特定するには、焼結体の全体から切
粉を多数採取して分析しなければならず、多大な労力と
時間がかかっていた。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、焼結体を破壊せずかつ短時間で非金属材料の偏析
検出ができるとともに、偏析部分を容易に特定すること
ができる焼結体における非金属材料の偏析検出方法を提
供することを目的とする。
ので、焼結体を破壊せずかつ短時間で非金属材料の偏析
検出ができるとともに、偏析部分を容易に特定すること
ができる焼結体における非金属材料の偏析検出方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、請求項1記載の焼結体における非金属材
料の偏析検出方法では、金属材料を主とする焼結体に含
有する非金属材料の偏析を検出する方法であって、交流
電源に接続され交番磁界を発生させる第1励磁コイルと
該第1励磁コイルに沿って巻回される第1検出用コイル
との内部に、第1励磁コイルの軸方向に対して一定の姿
勢に維持した状態で焼結体を通過させ、この際に第1励
磁コイルに対して移動する焼結体の相対位置と該相対位
置に対応する第1検出用コイルに流れる電流値とを検出
する第1偏析検出工程と、該第1偏析検出工程後、交流
電源に接続され交番磁界を発生させる第2励磁コイルと
該第2励磁コイルに沿って巻回される第2検出用コイル
との内部に、第2励磁コイルの軸方向に対して前記第1
偏析検出工程で第1励磁コイルの内部を通過した姿勢と
異なる姿勢に維持した状態で焼結体を通過させ、この際
に第2励磁コイルに対して移動する焼結体の相対位置と
該相対位置に対応する第2検出用コイルに流れる電流値
とを検出する第2偏析検出工程とを備える技術が採用さ
れる。
決するために、請求項1記載の焼結体における非金属材
料の偏析検出方法では、金属材料を主とする焼結体に含
有する非金属材料の偏析を検出する方法であって、交流
電源に接続され交番磁界を発生させる第1励磁コイルと
該第1励磁コイルに沿って巻回される第1検出用コイル
との内部に、第1励磁コイルの軸方向に対して一定の姿
勢に維持した状態で焼結体を通過させ、この際に第1励
磁コイルに対して移動する焼結体の相対位置と該相対位
置に対応する第1検出用コイルに流れる電流値とを検出
する第1偏析検出工程と、該第1偏析検出工程後、交流
電源に接続され交番磁界を発生させる第2励磁コイルと
該第2励磁コイルに沿って巻回される第2検出用コイル
との内部に、第2励磁コイルの軸方向に対して前記第1
偏析検出工程で第1励磁コイルの内部を通過した姿勢と
異なる姿勢に維持した状態で焼結体を通過させ、この際
に第2励磁コイルに対して移動する焼結体の相対位置と
該相対位置に対応する第2検出用コイルに流れる電流値
とを検出する第2偏析検出工程とを備える技術が採用さ
れる。
【0007】この焼結体における非金属材料の偏析検出
方法では、第1偏析検出工程においては、第1励磁コイ
ルの交番磁界によって第1検出用コイルには相互誘導に
よって電流が誘起される。この状態で、第1励磁コイル
内に金属材料が主である焼結体を第1励磁コイルの軸方
向に対して一定の姿勢を維持した状態で通過させると、
前記交番電流により焼結体に渦電流が発生するとともに
磁力線が増加し、第1検出用コイルのインピーダンスが
変化して該第1検出用コイルに流れる電流が変化する。
このときに得られた相対位置に対する電流変化のデータ
と、非金属材料が一様に分布し偏析していない良品の焼
結体(以下、良品焼結体という)を、予め、同様の姿勢
で通過させた場合のデータとを比較して偏析解析を行
う。すなわち、非金属材料が偏在した偏析部分を有する
焼結体(以下、偏析焼結体という)が通過する場合、該
偏析焼結体における非金属材料の含有量の高い偏析部分
が通過すると、良品焼結体において対応する同じ部分が
通過したときに比べて金属材料の磁力線が減り、第1検
出用コイルの電流が小さく検出される。逆に、非金属材
料の含有量の低い偏析部分が通過すると、良品焼結体に
おいて対応する同じ部分が通過した場合に比べて磁力線
が増え、第1検出用コイルの電流が大きく検出される。
したがって、第1励磁コイルに対して移動する焼結体の
相対位置と該相対位置に対応する第1検出用コイルの電
流値とを検出することにより、第1励磁コイルの軸方向
における焼結品の非金属材料の偏析分布が得られる。ま
た、第2偏析検出工程においては、第1偏析検出工程と
同様に第2励磁コイルの交番磁界によって第2検出用コ
イルには相互誘導によって電流が誘起される。この状態
で、焼結体を、第2励磁コイルの軸方向に対して前記第
1偏析検出工程で第1励磁コイルの内部を通過した姿勢
と異なる姿勢に維持して第2励磁コイル内に通過させる
と、前記交番電流により焼結体に渦電流が発生するとと
もに磁力線が増加し、第2検出用コイルのインピーダン
スが変化して該第2検出用コイルに流れる電流が変化す
る。このとき第1偏析検出工程と同様に、該電流の変化
と第2励磁コイルに対する焼結体の相対位置とを対応さ
せて検出することによって、第1励磁コイルの軸方向と
異なる第2励磁コイルの軸方向における焼結品の非金属
材料の偏析分布が得られる。上記のように、第1偏析検
出工程と第2偏析検出工程との検出データから、焼結体
の2方向における非金属材料の偏析分布が得られるの
で、焼結体において少なくとも2次元的に偏析部分が特
定される。
方法では、第1偏析検出工程においては、第1励磁コイ
ルの交番磁界によって第1検出用コイルには相互誘導に
よって電流が誘起される。この状態で、第1励磁コイル
内に金属材料が主である焼結体を第1励磁コイルの軸方
向に対して一定の姿勢を維持した状態で通過させると、
前記交番電流により焼結体に渦電流が発生するとともに
磁力線が増加し、第1検出用コイルのインピーダンスが
変化して該第1検出用コイルに流れる電流が変化する。
このときに得られた相対位置に対する電流変化のデータ
と、非金属材料が一様に分布し偏析していない良品の焼
結体(以下、良品焼結体という)を、予め、同様の姿勢
で通過させた場合のデータとを比較して偏析解析を行
う。すなわち、非金属材料が偏在した偏析部分を有する
焼結体(以下、偏析焼結体という)が通過する場合、該
偏析焼結体における非金属材料の含有量の高い偏析部分
が通過すると、良品焼結体において対応する同じ部分が
通過したときに比べて金属材料の磁力線が減り、第1検
出用コイルの電流が小さく検出される。逆に、非金属材
料の含有量の低い偏析部分が通過すると、良品焼結体に
おいて対応する同じ部分が通過した場合に比べて磁力線
が増え、第1検出用コイルの電流が大きく検出される。
したがって、第1励磁コイルに対して移動する焼結体の
相対位置と該相対位置に対応する第1検出用コイルの電
流値とを検出することにより、第1励磁コイルの軸方向
における焼結品の非金属材料の偏析分布が得られる。ま
た、第2偏析検出工程においては、第1偏析検出工程と
同様に第2励磁コイルの交番磁界によって第2検出用コ
イルには相互誘導によって電流が誘起される。この状態
で、焼結体を、第2励磁コイルの軸方向に対して前記第
1偏析検出工程で第1励磁コイルの内部を通過した姿勢
と異なる姿勢に維持して第2励磁コイル内に通過させる
と、前記交番電流により焼結体に渦電流が発生するとと
もに磁力線が増加し、第2検出用コイルのインピーダン
スが変化して該第2検出用コイルに流れる電流が変化す
る。このとき第1偏析検出工程と同様に、該電流の変化
と第2励磁コイルに対する焼結体の相対位置とを対応さ
せて検出することによって、第1励磁コイルの軸方向と
異なる第2励磁コイルの軸方向における焼結品の非金属
材料の偏析分布が得られる。上記のように、第1偏析検
出工程と第2偏析検出工程との検出データから、焼結体
の2方向における非金属材料の偏析分布が得られるの
で、焼結体において少なくとも2次元的に偏析部分が特
定される。
【0008】請求項2記載の焼結体における非金属材料
の偏析検出方法では、金属材料を主とする焼結体に含有
する非金属材料の偏析を検出する方法であって、交流電
源に接続され交番磁界を発生させる励磁コイルと該励磁
コイルに沿って巻回される検出用コイルとの開口部近傍
に、焼結体を配し、該焼結体を励磁コイルの軸方向に対
して垂直な軸線を中心に回転させ、この際に励磁コイル
に対して回転する焼結体の回転位置と該回転位置に対応
する検出用コイルに流れる電流値とを検出する技術が採
用される。この焼結体における非金属材料の偏析検出方
法では、励磁コイルの交番磁界によって検出用コイルに
は相互誘導によって電流が誘起される。この状態で、励
磁コイルの開口部近傍に金属材料が主である焼結体を配
すると、前記交番電流により焼結体に渦電流が発生する
とともに磁力線が増加し、そして、焼結体を励磁コイル
の軸方向に対して垂直な軸線を中心に回転させると、焼
結体の形状や内部の材料の分布等によって、検出用コイ
ルのインピーダンスが変化して該検出用コイルに流れる
電流が変化する。このときに得られた焼結体の回転位置
に対する電流変化のデータと、良品焼結体を、予め、同
様の条件で回転させた場合のデータとを比較して偏析解
析を行う。すなわち、偏析焼結体を回転させた場合、該
偏析焼結体における非金属材料の含有量の高い偏析部分
が励磁コイルの開口部に近接すると、良品焼結体におい
て対応する同じ部分が近接したときに比べて金属材料の
磁力線が減り、検出用コイルの電流が小さく検出され
る。逆に、非金属材料の含有量の低い偏析部分が近接す
ると、良品焼結体において対応する同じ部分が近接した
場合に比べて磁力線が増え、検出用コイルの電流が大き
く検出される。したがって、励磁コイルに対して回転す
る焼結体の回転位置と該回転位置に対応する検出用コイ
ルの電流値とを検出することにより、励磁コイルの軸線
に垂直な軸線を中心とした周方向における焼結品の非金
属材料の偏析分布が得られる。
の偏析検出方法では、金属材料を主とする焼結体に含有
する非金属材料の偏析を検出する方法であって、交流電
源に接続され交番磁界を発生させる励磁コイルと該励磁
コイルに沿って巻回される検出用コイルとの開口部近傍
に、焼結体を配し、該焼結体を励磁コイルの軸方向に対
して垂直な軸線を中心に回転させ、この際に励磁コイル
に対して回転する焼結体の回転位置と該回転位置に対応
する検出用コイルに流れる電流値とを検出する技術が採
用される。この焼結体における非金属材料の偏析検出方
法では、励磁コイルの交番磁界によって検出用コイルに
は相互誘導によって電流が誘起される。この状態で、励
磁コイルの開口部近傍に金属材料が主である焼結体を配
すると、前記交番電流により焼結体に渦電流が発生する
とともに磁力線が増加し、そして、焼結体を励磁コイル
の軸方向に対して垂直な軸線を中心に回転させると、焼
結体の形状や内部の材料の分布等によって、検出用コイ
ルのインピーダンスが変化して該検出用コイルに流れる
電流が変化する。このときに得られた焼結体の回転位置
に対する電流変化のデータと、良品焼結体を、予め、同
様の条件で回転させた場合のデータとを比較して偏析解
析を行う。すなわち、偏析焼結体を回転させた場合、該
偏析焼結体における非金属材料の含有量の高い偏析部分
が励磁コイルの開口部に近接すると、良品焼結体におい
て対応する同じ部分が近接したときに比べて金属材料の
磁力線が減り、検出用コイルの電流が小さく検出され
る。逆に、非金属材料の含有量の低い偏析部分が近接す
ると、良品焼結体において対応する同じ部分が近接した
場合に比べて磁力線が増え、検出用コイルの電流が大き
く検出される。したがって、励磁コイルに対して回転す
る焼結体の回転位置と該回転位置に対応する検出用コイ
ルの電流値とを検出することにより、励磁コイルの軸線
に垂直な軸線を中心とした周方向における焼結品の非金
属材料の偏析分布が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の第1形態を
図1から図3を参照しながら説明する。これらの図にあ
って、符号Xは焼結体、1は偏析検出装置、2は搬送
部、3はコイル部、4は回路部を示している。
図1から図3を参照しながら説明する。これらの図にあ
って、符号Xは焼結体、1は偏析検出装置、2は搬送
部、3はコイル部、4は回路部を示している。
【0010】偏析検出装置1は、図1に示すように、円
筒状の焼結体Xを搬送する搬送部2と、該搬送部2の延
在上に配されるコイル部3と、該コイル部3に接続され
る回路部4とを備える。
筒状の焼結体Xを搬送する搬送部2と、該搬送部2の延
在上に配されるコイル部3と、該コイル部3に接続され
る回路部4とを備える。
【0011】焼結体Xは、例えば、Fe−Ni−Mo等
の合金粉を金属材料として焼結する際に、同時に非金属
材料であるCを一定量含有させたものであり、本実施の
形態では、カーボン値が標準的なものとして、鉄粉に対
して0.8〜0.9重量%となる焼結材料のものを用い
ている。
の合金粉を金属材料として焼結する際に、同時に非金属
材料であるCを一定量含有させたものであり、本実施の
形態では、カーボン値が標準的なものとして、鉄粉に対
して0.8〜0.9重量%となる焼結材料のものを用い
ている。
【0012】前記搬送部2は、水平方向に配され焼結体
Xを一定方向に搬送する第1ベルトコンベア2aと、該
第1ベルトコンベア2aの終端部に隣接し第1ベルトコ
ンベア2aの上面と同一高さに設定された方向転換用台
2bと、該方向転換用台2bに基端部が隣接され第1ベ
ルトコンベア2aの延在方向と直角方向にかつ同一高さ
に配された第2ベルトコンベア2cと、該第2ベルトコ
ンベア2cの終端部に隣接して配され第2ベルトコンベ
ア2cから移載される焼結体Xを載置して昇降する昇降
台2dとを備えている。
Xを一定方向に搬送する第1ベルトコンベア2aと、該
第1ベルトコンベア2aの終端部に隣接し第1ベルトコ
ンベア2aの上面と同一高さに設定された方向転換用台
2bと、該方向転換用台2bに基端部が隣接され第1ベ
ルトコンベア2aの延在方向と直角方向にかつ同一高さ
に配された第2ベルトコンベア2cと、該第2ベルトコ
ンベア2cの終端部に隣接して配され第2ベルトコンベ
ア2cから移載される焼結体Xを載置して昇降する昇降
台2dとを備えている。
【0013】方向転換用台2bの第2ベルトコンベア2
cと対向する側には、該第2ベルトコンベア2cの延在
方向に伸縮可能な押出アーム部2eが配され、該押出ア
ーム部2eは、第1ベルトコンベア2aから方向転換用
台2b上に移載された焼結体Xを、第2ベルトコンベア
2c上へと焼結体Xを押し出して移載するものである。
cと対向する側には、該第2ベルトコンベア2cの延在
方向に伸縮可能な押出アーム部2eが配され、該押出ア
ーム部2eは、第1ベルトコンベア2aから方向転換用
台2b上に移載された焼結体Xを、第2ベルトコンベア
2c上へと焼結体Xを押し出して移載するものである。
【0014】前記コイル部3は、第1ベルトコンベア2
aを内部に貫通させ該第1ベルトコンベア2aの延在方
向に沿った軸方向を有する円環状の第1励磁コイル3a
と、第1励磁コイル3aに沿って巻回された第1検出用
コイル3bと、第2ベルトコンベア2cを内部に貫通さ
せ該第2ベルトコンベア2cの延在方向に沿った軸方向
を有する円環状の第2励磁コイル3cと、第2励磁コイ
ル3cに沿って巻回された第2検出用コイル3dと、昇
降台2dの上方に配され垂直方向に軸方向を有する円環
状の第3励磁コイル3eと、第3励磁コイル3eに沿っ
て巻回された第3検出用コイル3fとを備える。
aを内部に貫通させ該第1ベルトコンベア2aの延在方
向に沿った軸方向を有する円環状の第1励磁コイル3a
と、第1励磁コイル3aに沿って巻回された第1検出用
コイル3bと、第2ベルトコンベア2cを内部に貫通さ
せ該第2ベルトコンベア2cの延在方向に沿った軸方向
を有する円環状の第2励磁コイル3cと、第2励磁コイ
ル3cに沿って巻回された第2検出用コイル3dと、昇
降台2dの上方に配され垂直方向に軸方向を有する円環
状の第3励磁コイル3eと、第3励磁コイル3eに沿っ
て巻回された第3検出用コイル3fとを備える。
【0015】前記昇降台2dは、図2に示すように、降
下して最下部に位置する場合、第2ベルトコンベア2c
と同一の高さに設定され、上昇して最上部に位置する場
合には、第3励磁コイル3eおよび第3検出用コイル3
fの内部を通過してこれら第3励磁コイル3eおよび第
3検出用コイル3fより上方に位置するように設定され
ている。
下して最下部に位置する場合、第2ベルトコンベア2c
と同一の高さに設定され、上昇して最上部に位置する場
合には、第3励磁コイル3eおよび第3検出用コイル3
fの内部を通過してこれら第3励磁コイル3eおよび第
3検出用コイル3fより上方に位置するように設定され
ている。
【0016】前記回路部4は、第1,2,3励磁コイル
3a,3c,3eにそれぞれ接続される交流電源5a,
5b,5cおよび電流計6a,6b,6cと、第1,
2,3検出用コイル3b,3d,3fにそれぞれ接続さ
れる検出用電流計7a,7b,7cとを備える。
3a,3c,3eにそれぞれ接続される交流電源5a,
5b,5cおよび電流計6a,6b,6cと、第1,
2,3検出用コイル3b,3d,3fにそれぞれ接続さ
れる検出用電流計7a,7b,7cとを備える。
【0017】交流電源5a,5b,5cは、第1,2,
3励磁コイル3a,3c,3eにそれぞれ交流電流を流
して交番磁界を発生させるものであり、例えば、300
Hzの交流に設定される。また、検出用電流計7a,7
b,7cは、前記交番磁界による相互誘導で第1,2,
3検出用コイル3b,3d,3fに生じた電流をそれぞ
れ検出するものである。
3励磁コイル3a,3c,3eにそれぞれ交流電流を流
して交番磁界を発生させるものであり、例えば、300
Hzの交流に設定される。また、検出用電流計7a,7
b,7cは、前記交番磁界による相互誘導で第1,2,
3検出用コイル3b,3d,3fに生じた電流をそれぞ
れ検出するものである。
【0018】焼結体Xが、第1,2,3励磁コイル3
a,3c,3eを通過する際、これら第1,2,3励磁
コイル3a,3c,3eに対する焼結体Xの相対位置
は、それぞれ位置センサ(図示せず)によって随時検出
され、これら検出される相対位置は、上記検出用電流計
6a,6b,6cによって検出される電流値とそれぞれ
対応して記録される。
a,3c,3eを通過する際、これら第1,2,3励磁
コイル3a,3c,3eに対する焼結体Xの相対位置
は、それぞれ位置センサ(図示せず)によって随時検出
され、これら検出される相対位置は、上記検出用電流計
6a,6b,6cによって検出される電流値とそれぞれ
対応して記録される。
【0019】次に、上記偏析検出装置1を用いて、焼結
体Xにおける非金属材料(本形態ではC)の偏析を検出
する方法について説明する。
体Xにおける非金属材料(本形態ではC)の偏析を検出
する方法について説明する。
【0020】〔第1偏析検出工程〕まず、第1ベルトコ
ンベア2a上に第1励磁コイル3aの軸方向に対して一
定の姿勢に設定した焼結体Xを載置する。そして、第1
ベルトコンベア3aを駆動し、第1励磁コイル3aに向
けて焼結体Xを上記姿勢を維持した状態で搬送するとと
もに、第1励磁コイル3aに交流電源5aによって交番
磁界を発生させる。このとき、該交番磁界によって第1
検出用コイル3bには相互誘導によって電流が誘起され
る。
ンベア2a上に第1励磁コイル3aの軸方向に対して一
定の姿勢に設定した焼結体Xを載置する。そして、第1
ベルトコンベア3aを駆動し、第1励磁コイル3aに向
けて焼結体Xを上記姿勢を維持した状態で搬送するとと
もに、第1励磁コイル3aに交流電源5aによって交番
磁界を発生させる。このとき、該交番磁界によって第1
検出用コイル3bには相互誘導によって電流が誘起され
る。
【0021】この状態で、第1励磁コイル3a内に焼結
体Xが通過すると、前記交番電流により焼結体Xに渦電
流が発生するとともに磁力線が増加し、第1検出用コイ
ル3bのインピーダンスが変化して該第1検出用コイル
3bに流れる電流が変化して検出用電流計7aによって
該電流の変化が計測される。
体Xが通過すると、前記交番電流により焼結体Xに渦電
流が発生するとともに磁力線が増加し、第1検出用コイ
ル3bのインピーダンスが変化して該第1検出用コイル
3bに流れる電流が変化して検出用電流計7aによって
該電流の変化が計測される。
【0022】このときに得られた相対位置に対する検出
電流値のデータと、予め、同様の姿勢の状態で第1励磁
コイル3aを通過させた良品焼結体における検出電流値
のデータとの比較により偏析の解析を行う。すなわち、
偏析焼結体が通過する場合では、非金属材料の含有量の
高い偏析部分が通過すると、良品焼結体において対応す
る同じ部分が通過したときに比べて金属材料の磁力線が
減り、第1検出用コイル3bの電流が小さく検出され
る。逆に、非金属材料の含有量の低い偏析部分が通過す
ると、良品焼結体において対応する同じ部分が通過した
場合に比べて磁力線が増え、第1検出用コイル3bの電
流が大きく検出される。
電流値のデータと、予め、同様の姿勢の状態で第1励磁
コイル3aを通過させた良品焼結体における検出電流値
のデータとの比較により偏析の解析を行う。すなわち、
偏析焼結体が通過する場合では、非金属材料の含有量の
高い偏析部分が通過すると、良品焼結体において対応す
る同じ部分が通過したときに比べて金属材料の磁力線が
減り、第1検出用コイル3bの電流が小さく検出され
る。逆に、非金属材料の含有量の低い偏析部分が通過す
ると、良品焼結体において対応する同じ部分が通過した
場合に比べて磁力線が増え、第1検出用コイル3bの電
流が大きく検出される。
【0023】したがって、第1励磁コイル3aに対して
移動する焼結体Xの相対位置と該相対位置に対応する第
1検出用コイル3bの電流値とを検出することにより、
第1励磁コイル3aの軸方向における焼結品Xの非金属
材料の偏析分布が得られる。
移動する焼結体Xの相対位置と該相対位置に対応する第
1検出用コイル3bの電流値とを検出することにより、
第1励磁コイル3aの軸方向における焼結品Xの非金属
材料の偏析分布が得られる。
【0024】例えば、図3に示すような、良品焼結体お
よび偏析焼結体の相対位置に対する検出電流値のデータ
が得られた場合には、両者の比較から、偏析焼結体にお
ける図中の領域Pに対応する部分に非金属材料の含有量
が低い偏析部分が偏在していることが判る。
よび偏析焼結体の相対位置に対する検出電流値のデータ
が得られた場合には、両者の比較から、偏析焼結体にお
ける図中の領域Pに対応する部分に非金属材料の含有量
が低い偏析部分が偏在していることが判る。
【0025】〔第1方向転換工程〕第1励磁コイル3a
を通過した焼結体Xは、第1ベルトコンベア2aによっ
てその終端部まで搬送されるとともに、その姿勢を維持
したままで、方向転換用台2bの上へと移載される。
を通過した焼結体Xは、第1ベルトコンベア2aによっ
てその終端部まで搬送されるとともに、その姿勢を維持
したままで、方向転換用台2bの上へと移載される。
【0026】次に、押出アーム部2eを伸長させて、方
向転換用台2b上に載置された焼結体Xを押し出し、第
2ベルトコンベア2c上に移載する。移載後、押出アー
ム部2eは、元の状態に縮めて再び待機状態とする。
向転換用台2b上に載置された焼結体Xを押し出し、第
2ベルトコンベア2c上に移載する。移載後、押出アー
ム部2eは、元の状態に縮めて再び待機状態とする。
【0027】〔第2偏析検出工程〕第1偏析検出工程と
同様に、交流電源5bによる第2励磁コイル3cの交番
磁界によって第2検出用コイル3dには相互誘導によっ
て電流が誘起される。この状態で、第2ベルトコンベア
2cを駆動して焼結体Xを搬送し、第2励磁コイル3c
の内部を通過させる。このとき、焼結体Xは、方向転換
用台2bにおいて搬送方向を変更されたため、前記第1
偏析検出工程で第1励磁コイル2aの内部を通過した姿
勢と異なる姿勢、すなわち本形態では第1励磁コイル3
aの軸方向に対して90゜だけ姿勢を変更され、該姿勢
を維持した状態で第2励磁コイル3c内を通過する。
同様に、交流電源5bによる第2励磁コイル3cの交番
磁界によって第2検出用コイル3dには相互誘導によっ
て電流が誘起される。この状態で、第2ベルトコンベア
2cを駆動して焼結体Xを搬送し、第2励磁コイル3c
の内部を通過させる。このとき、焼結体Xは、方向転換
用台2bにおいて搬送方向を変更されたため、前記第1
偏析検出工程で第1励磁コイル2aの内部を通過した姿
勢と異なる姿勢、すなわち本形態では第1励磁コイル3
aの軸方向に対して90゜だけ姿勢を変更され、該姿勢
を維持した状態で第2励磁コイル3c内を通過する。
【0028】焼結体Xを通過させると、第1偏析検出工
程と同様の原理により、第2検出用コイル3dに流れる
電流が変化する。このとき、該電流の変化と第2励磁コ
イル3cに対する焼結体Xの相対位置とを対応させて検
出することによって、第1励磁コイル3aの軸方向と異
なる第2励磁コイル3cの軸方向における焼結品Xの非
金属材料の偏析分布が得られる。
程と同様の原理により、第2検出用コイル3dに流れる
電流が変化する。このとき、該電流の変化と第2励磁コ
イル3cに対する焼結体Xの相対位置とを対応させて検
出することによって、第1励磁コイル3aの軸方向と異
なる第2励磁コイル3cの軸方向における焼結品Xの非
金属材料の偏析分布が得られる。
【0029】〔第2方向転換工程〕第2励磁コイル3c
を通過した焼結体Xは、第2ベルトコンベア2cによっ
てその終端部まで搬送されるとともに、その姿勢を維持
したままで、予め最下部に位置させておいた昇降台2d
の上へと移載される。
を通過した焼結体Xは、第2ベルトコンベア2cによっ
てその終端部まで搬送されるとともに、その姿勢を維持
したままで、予め最下部に位置させておいた昇降台2d
の上へと移載される。
【0030】〔第3偏析検出工程〕第1および第2偏析
検出工程と同様に、交流電源5cによる第3励磁コイル
3eの交番磁界によって第3検出用コイル3fには相互
誘導によって電流が誘起される。この状態で、昇降台2
dを上昇させて、該昇降台2dの上方に配された第3励
磁コイル3eの内部に焼結体Xを通過させる。このと
き、焼結体Xは、昇降台2dにおいて搬送方向を変更さ
れたため、前記第1および第2偏析検出工程で第1およ
び第2励磁コイル2a,2cの内部を通過した姿勢と異
なる姿勢、すなわち本形態では第1および第2励磁コイ
ル3a,3cの軸方向に対してそれぞれ90゜だけ姿勢
を変更され、該姿勢を維持した状態で第3励磁コイル3
e内を通過する。
検出工程と同様に、交流電源5cによる第3励磁コイル
3eの交番磁界によって第3検出用コイル3fには相互
誘導によって電流が誘起される。この状態で、昇降台2
dを上昇させて、該昇降台2dの上方に配された第3励
磁コイル3eの内部に焼結体Xを通過させる。このと
き、焼結体Xは、昇降台2dにおいて搬送方向を変更さ
れたため、前記第1および第2偏析検出工程で第1およ
び第2励磁コイル2a,2cの内部を通過した姿勢と異
なる姿勢、すなわち本形態では第1および第2励磁コイ
ル3a,3cの軸方向に対してそれぞれ90゜だけ姿勢
を変更され、該姿勢を維持した状態で第3励磁コイル3
e内を通過する。
【0031】焼結体Xが通過すると、第1および第2偏
析検出工程と同様の原理により、第3検出用コイル3f
に流れる電流が変化する。このとき、該電流の変化と第
3励磁コイル3eに対する焼結体Xの相対位置とを対応
させて検出することによって、第1および第2励磁コイ
ル3a,3cの軸方向と異なる第3励磁コイル3eの軸
方向における焼結品Xの非金属材料の偏析分布が得られ
る。
析検出工程と同様の原理により、第3検出用コイル3f
に流れる電流が変化する。このとき、該電流の変化と第
3励磁コイル3eに対する焼結体Xの相対位置とを対応
させて検出することによって、第1および第2励磁コイ
ル3a,3cの軸方向と異なる第3励磁コイル3eの軸
方向における焼結品Xの非金属材料の偏析分布が得られ
る。
【0032】上記のように、第1、第2および第3偏析
検出工程のそれぞれ検出データから、焼結体Xの3方向
における非金属材料の偏析分布が得られるので、焼結体
Xにおいて3次元的に偏析部分が特定される。
検出工程のそれぞれ検出データから、焼結体Xの3方向
における非金属材料の偏析分布が得られるので、焼結体
Xにおいて3次元的に偏析部分が特定される。
【0033】次に、本発明の実施の第2形態を図4を参
照しながら説明する。これらの図にあって、符号11は
偏析検出装置、12は回転装置、13はコイル部、14
は回路部を示している。
照しながら説明する。これらの図にあって、符号11は
偏析検出装置、12は回転装置、13はコイル部、14
は回路部を示している。
【0034】偏析検出装置11は、焼結体Xを載置して
回転させる回転台12aを備えた回転装置12と、回転
台12aの軸線Oに対して中心軸O’を垂直に配しかつ
回転台12aの周縁部の一部を開口部に配したコイル部
13と、該コイル部13に接続される回路部14とを備
える。
回転させる回転台12aを備えた回転装置12と、回転
台12aの軸線Oに対して中心軸O’を垂直に配しかつ
回転台12aの周縁部の一部を開口部に配したコイル部
13と、該コイル部13に接続される回路部14とを備
える。
【0035】前記回転装置12は、水平状態に配された
円盤状の回転台12aをステップモーター(図示せず)
により一定角度ごとに回転させるものである。前記コイ
ル部13は、回転台12aの軸線Oに対して垂直な中心
軸O’を有する円環状の励磁コイル13aと、励磁コイ
ル13aに沿って巻回された検出用コイル13bとを備
える。前記回路部14は、励磁コイル13aに接続され
る交流電源15および電流計16と、検出用コイル13
bに接続される検出用電流計17とを備える。
円盤状の回転台12aをステップモーター(図示せず)
により一定角度ごとに回転させるものである。前記コイ
ル部13は、回転台12aの軸線Oに対して垂直な中心
軸O’を有する円環状の励磁コイル13aと、励磁コイ
ル13aに沿って巻回された検出用コイル13bとを備
える。前記回路部14は、励磁コイル13aに接続され
る交流電源15および電流計16と、検出用コイル13
bに接続される検出用電流計17とを備える。
【0036】交流電源15は、励磁コイル13aに交流
電流を流して交番磁界を発生させるものであり、また、
検出用電流計17は、前記交番磁界による相互誘導で検
出用コイル13bに生じた電流を検出するものである。
電流を流して交番磁界を発生させるものであり、また、
検出用電流計17は、前記交番磁界による相互誘導で検
出用コイル13bに生じた電流を検出するものである。
【0037】焼結体Xが、励磁コイル13aに対して回
転する際、この励磁コイル13aに対する焼結体Xの回
転位置は、回転台12aを駆動するステップモーターに
よって制御され、この回転位置は、上記検出用電流計1
6によって検出される電流値とそれぞれ対応して記録さ
れる。
転する際、この励磁コイル13aに対する焼結体Xの回
転位置は、回転台12aを駆動するステップモーターに
よって制御され、この回転位置は、上記検出用電流計1
6によって検出される電流値とそれぞれ対応して記録さ
れる。
【0038】次に、上記偏析検出装置11を用いて、焼
結体Xにおける非金属材料(本形態ではC)の偏析を検
出する方法について説明する。
結体Xにおける非金属材料(本形態ではC)の偏析を検
出する方法について説明する。
【0039】まず、回転台12a上に軸線を同じくして
焼結体Xを載置するとともに、該焼結体Xにおける周縁
部の一部を励磁コイル13aの開口部から内部に入った
状態に配する。そして、励磁コイル13aに交流電源1
5によって交番磁界を発生させる。このとき、該交番磁
界によって検出用コイル13bには相互誘導によって電
流が誘起される。
焼結体Xを載置するとともに、該焼結体Xにおける周縁
部の一部を励磁コイル13aの開口部から内部に入った
状態に配する。そして、励磁コイル13aに交流電源1
5によって交番磁界を発生させる。このとき、該交番磁
界によって検出用コイル13bには相互誘導によって電
流が誘起される。
【0040】この状態で、ステップモーターを駆動し、
励磁コイル13aの軸線O’に対して垂直な軸線Oを中
心に焼結体Xを回転させると、前記交番電流により焼結
体Xの渦電流が変化するとともに磁力線が変動し、検出
用コイル13bのインピーダンスが変化して該検出用コ
イル13bに流れる電流が変化する。このとき、検出用
電流計17によって該電流の変化が計測される。
励磁コイル13aの軸線O’に対して垂直な軸線Oを中
心に焼結体Xを回転させると、前記交番電流により焼結
体Xの渦電流が変化するとともに磁力線が変動し、検出
用コイル13bのインピーダンスが変化して該検出用コ
イル13bに流れる電流が変化する。このとき、検出用
電流計17によって該電流の変化が計測される。
【0041】このときに得られた回転位置に対する検出
電流値のデータと、予め、同様の条件で回転させた良品
焼結体における検出電流値のデータとの比較により偏析
の解析を行う。すなわち、偏析焼結体を回転させた場合
では、非金属材料の含有量の高い偏析部分が励磁コイル
13aに近接すると、良品焼結体において対応する同じ
部分が近接したときに比べて金属材料の磁力線が減り、
検出用コイル13bの電流が小さく検出される。逆に、
非金属材料の含有量の低い偏析部分が近接すると、良品
焼結体において対応する同じ部分が近接した場合に比べ
て磁力線が増え、検出用コイル13bの電流が大きく検
出される。
電流値のデータと、予め、同様の条件で回転させた良品
焼結体における検出電流値のデータとの比較により偏析
の解析を行う。すなわち、偏析焼結体を回転させた場合
では、非金属材料の含有量の高い偏析部分が励磁コイル
13aに近接すると、良品焼結体において対応する同じ
部分が近接したときに比べて金属材料の磁力線が減り、
検出用コイル13bの電流が小さく検出される。逆に、
非金属材料の含有量の低い偏析部分が近接すると、良品
焼結体において対応する同じ部分が近接した場合に比べ
て磁力線が増え、検出用コイル13bの電流が大きく検
出される。
【0042】したがって、励磁コイル13aに対して回
転する焼結体Xの回転位置と該回転位置に対応する検出
用コイル13bの電流値とを検出することにより、軸線
Oを中心とした周方向における焼結品Xの非金属材料の
偏析分布が得られる。
転する焼結体Xの回転位置と該回転位置に対応する検出
用コイル13bの電流値とを検出することにより、軸線
Oを中心とした周方向における焼結品Xの非金属材料の
偏析分布が得られる。
【0043】尚、第1形態では、第1、第2および第3
偏析検出工程によって焼結体Xの3方向に対してその偏
析分布を3次元的に検出したが、第1および第2偏析検
出工程だけでも焼結体Xの異なる2方向における偏析分
布を検出することができ、少なくとも2次元的に偏析部
分を非破壊によって特定することができる。また、焼結
体Xの搬送方向を変更することによって、第1、第2お
よび第3励磁コイル3a,3c,3eの各軸方向に対す
る焼結体Xの通過する姿勢を異なるものとしたが、搬送
方向を変更せずに、例えば、一方向に搬送して、その途
中で焼結体X自体の姿勢を回転等によって変更するもの
でもよい。
偏析検出工程によって焼結体Xの3方向に対してその偏
析分布を3次元的に検出したが、第1および第2偏析検
出工程だけでも焼結体Xの異なる2方向における偏析分
布を検出することができ、少なくとも2次元的に偏析部
分を非破壊によって特定することができる。また、焼結
体Xの搬送方向を変更することによって、第1、第2お
よび第3励磁コイル3a,3c,3eの各軸方向に対す
る焼結体Xの通過する姿勢を異なるものとしたが、搬送
方向を変更せずに、例えば、一方向に搬送して、その途
中で焼結体X自体の姿勢を回転等によって変更するもの
でもよい。
【0044】さらに、偏析検出装置1では搬送部2、コ
イル部3および回路部4にベルトコンベア、コイル、交
流電源および検出用電流計を複数用いて自動化かつ偏析
検出の短時間化を行っているが、装置をコンパクト化す
るために励磁コイル、検出用コイル、交流電源および検
出用電流計をそれぞれ一つづつ備えたものでも、その同
一装置に焼結体Xの姿勢を変えながら通過させて測定を
行うことにより、上記形態と同様に偏析部分の特定を非
破壊で行うことができる。
イル部3および回路部4にベルトコンベア、コイル、交
流電源および検出用電流計を複数用いて自動化かつ偏析
検出の短時間化を行っているが、装置をコンパクト化す
るために励磁コイル、検出用コイル、交流電源および検
出用電流計をそれぞれ一つづつ備えたものでも、その同
一装置に焼結体Xの姿勢を変えながら通過させて測定を
行うことにより、上記形態と同様に偏析部分の特定を非
破壊で行うことができる。
【0045】そして、検出電流計7a,7b,7cによ
り検出電流値をアナログ出力として検出したが、コンピ
ュータ等による制御を容易にするため焼結体Xの相対位
置とともに電流をデジタル出力として検出するものでも
構わない。また、非金属材料としてCの偏析検出を行っ
たが、他の非金属材料における偏析検出でもよい。例え
ば、炭化物(TiO等)、酸化物(酸化アルミニウム
等)および窒化物(TiO等)等でも構わない。
り検出電流値をアナログ出力として検出したが、コンピ
ュータ等による制御を容易にするため焼結体Xの相対位
置とともに電流をデジタル出力として検出するものでも
構わない。また、非金属材料としてCの偏析検出を行っ
たが、他の非金属材料における偏析検出でもよい。例え
ば、炭化物(TiO等)、酸化物(酸化アルミニウム
等)および窒化物(TiO等)等でも構わない。
【0046】また、第2形態では、焼結体Xにおける周
縁部の一部を励磁コイル13aの開口部から内部に入っ
た状態に配しているが、励磁コイル13aの開口部近傍
(すなわち励磁コイル13aの交番磁界中)に焼結体X
を配すれば、開口部の外側に配しても構わない。
縁部の一部を励磁コイル13aの開口部から内部に入っ
た状態に配しているが、励磁コイル13aの開口部近傍
(すなわち励磁コイル13aの交番磁界中)に焼結体X
を配すれば、開口部の外側に配しても構わない。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)請求項1記載の焼結体における非金属材料の偏析
検出方法によれば、第1偏析検出工程によって、第1励
磁コイルの軸方向における焼結体の非金属材料の偏析分
布が検出され、さらに、第2偏析検出工程によって、第
2励磁コイルの軸方向における焼結体の偏析分布が検出
されることにより、焼結体の少なくとも2方向の偏析分
布が検出されるので、2次元的に偏析部分を非破壊かつ
短時間で検出し得て、検出作業を容易にするとともに、
製造ライン上での全数検査が可能となり製品の信頼性を
高めることができる。また、製品を破壊しなくてもよい
ので、歩留りおよび量産性を向上させることができる。
また、焼結体における非金属材料の偏析部分を容易に特
定することができるので、偏析分布データを焼結工程等
における偏析原因を追求するためのフィードバックデー
タとして有効に活用することができる。 (2)請求項2記載の焼結体における非金属材料の偏析
検出方法によれば、焼結体を励磁コイルに対して回転さ
せて非金属材料の偏析分布を検出するので、この回転軸
の周方向における偏析部分を非破壊で検出することがで
きるとともに、検出時には焼結体を搬送する必要がない
ので、検出に係る時間をさらに短縮化することができ
る。
検出方法によれば、第1偏析検出工程によって、第1励
磁コイルの軸方向における焼結体の非金属材料の偏析分
布が検出され、さらに、第2偏析検出工程によって、第
2励磁コイルの軸方向における焼結体の偏析分布が検出
されることにより、焼結体の少なくとも2方向の偏析分
布が検出されるので、2次元的に偏析部分を非破壊かつ
短時間で検出し得て、検出作業を容易にするとともに、
製造ライン上での全数検査が可能となり製品の信頼性を
高めることができる。また、製品を破壊しなくてもよい
ので、歩留りおよび量産性を向上させることができる。
また、焼結体における非金属材料の偏析部分を容易に特
定することができるので、偏析分布データを焼結工程等
における偏析原因を追求するためのフィードバックデー
タとして有効に活用することができる。 (2)請求項2記載の焼結体における非金属材料の偏析
検出方法によれば、焼結体を励磁コイルに対して回転さ
せて非金属材料の偏析分布を検出するので、この回転軸
の周方向における偏析部分を非破壊で検出することがで
きるとともに、検出時には焼結体を搬送する必要がない
ので、検出に係る時間をさらに短縮化することができ
る。
【図1】本発明に係る焼結体における非金属材料の偏析
検出方法の第1形態を採用する偏析検出装置を示す平面
図である。
検出方法の第1形態を採用する偏析検出装置を示す平面
図である。
【図2】図1における昇降台近傍の正面図である。
【図3】第1偏析検出工程における良品焼結品および偏
析焼結品の相対位置に対する検出電流の一例を示すグラ
フである。
析焼結品の相対位置に対する検出電流の一例を示すグラ
フである。
【図4】本発明に係る焼結体における非金属材料の偏析
検出方法の第2形態を採用する偏析検出装置を示す平面
図である。
検出方法の第2形態を採用する偏析検出装置を示す平面
図である。
1,11 偏析検出装置 2 搬送部 2a 第1ベルトコンベア 2b 方向転換用台 2c 第2ベルトコンベア 2d 昇降台 3,13 コイル部 3a,13a 第1励磁コイル 3b,13b 第1検出用コイル 3c 第2励磁コイル 3d 第2検出用コイル 3e 第3励磁コイル 3f 第3検出用コイル 4,14 回路部 5a,5b,5c,15 交流電源 6a,6b,6c,16 電流計 7a,7b,7c,17 検出用電流計 12 回転装置 12a 回転台 13a 励磁コイル 13b 検出用コイル O,O’ 軸線 X 焼結体
Claims (2)
- 【請求項1】 金属材料を主とする焼結体に含有する非
金属材料の偏析を検出する方法であって、 交流電源に接続され交番磁界を発生させる第1励磁コイ
ルと該第1励磁コイルに沿って巻回される第1検出用コ
イルとの内部に、第1励磁コイルの軸方向に対して一定
の姿勢に維持した状態で焼結体を通過させ、この際に第
1励磁コイルに対して移動する焼結体の相対位置と該相
対位置に対応する第1検出用コイルに流れる電流値とを
検出する第1偏析検出工程と、 該第1偏析検出工程後、交流電源に接続され交番磁界を
発生させる第2励磁コイルと該第2励磁コイルに沿って
巻回される第2検出用コイルとの内部に、第2励磁コイ
ルの軸方向に対して前記第1偏析検出工程で第1励磁コ
イルの内部を通過した姿勢と異なる姿勢に維持した状態
で焼結体を通過させ、この際に第2励磁コイルに対して
移動する焼結体の相対位置と該相対位置に対応する第2
検出用コイルに流れる電流値とを検出する第2偏析検出
工程とを備える焼結体における非金属材料の偏析検出方
法。 - 【請求項2】 金属材料を主とする焼結体に含有する非
金属材料の偏析を検出する方法であって、 交流電源に接続され交番磁界を発生させる励磁コイルと
該励磁コイルに沿って巻回される検出用コイルとの開口
部近傍に、焼結体を配し、該焼結体を励磁コイルの軸方
向に対して垂直な軸線を中心に回転させ、この際に励磁
コイルに対して回転する焼結体の回転位置と該回転位置
に対応する検出用コイルに流れる電流値とを検出するこ
とを特徴とする焼結体における非金属材料の偏析検出方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18956095A JPH0933487A (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 焼結体における非金属材料の偏析検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18956095A JPH0933487A (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 焼結体における非金属材料の偏析検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0933487A true JPH0933487A (ja) | 1997-02-07 |
Family
ID=16243379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18956095A Withdrawn JPH0933487A (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 焼結体における非金属材料の偏析検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0933487A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009236862A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Anritsu Sanki System Co Ltd | 金属検出機 |
JP2009236861A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Anritsu Sanki System Co Ltd | 金属検出機 |
JP2016095168A (ja) * | 2014-11-12 | 2016-05-26 | 住友電工焼結合金株式会社 | 焼結体の非破壊検査方法 |
CN105628866A (zh) * | 2014-12-01 | 2016-06-01 | 鞍钢股份有限公司 | 一种烧结均质度检测装置及方法 |
-
1995
- 1995-07-25 JP JP18956095A patent/JPH0933487A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009236862A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Anritsu Sanki System Co Ltd | 金属検出機 |
JP2009236861A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Anritsu Sanki System Co Ltd | 金属検出機 |
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