JPH0933339A - 光監視方法および装置 - Google Patents
光監視方法および装置Info
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- JPH0933339A JPH0933339A JP7185873A JP18587395A JPH0933339A JP H0933339 A JPH0933339 A JP H0933339A JP 7185873 A JP7185873 A JP 7185873A JP 18587395 A JP18587395 A JP 18587395A JP H0933339 A JPH0933339 A JP H0933339A
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- optical
- total reflection
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- Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高パワーの光、特に、レーザ光の照射に耐
え、かつ、簡単な構造で、参照光の取り出しが行なえる
光監視方法、そのための装置を提供する。 【解決手段】 レーザ光5を全反射するようにプリズム
1を配置し、プリズム1の全反射面の裏面1aに、スペ
ーサ3をはさんでプリズム2を配置する。また、プリズ
ム2の後方には、プリズム2で取り出された光を受光す
るための検出器4が配置されている。プリズム1に入射
されたレーザ光5は、全反射面1aで全反射されるが、
ある間隔を置いて配置されたプリズム2の存在により、
そのエバネッセント光の一部が反射せず、プリズム2の
中に進行する。この透過光6を、その光路上に配置され
た検出器4にて検出する。
え、かつ、簡単な構造で、参照光の取り出しが行なえる
光監視方法、そのための装置を提供する。 【解決手段】 レーザ光5を全反射するようにプリズム
1を配置し、プリズム1の全反射面の裏面1aに、スペ
ーサ3をはさんでプリズム2を配置する。また、プリズ
ム2の後方には、プリズム2で取り出された光を受光す
るための検出器4が配置されている。プリズム1に入射
されたレーザ光5は、全反射面1aで全反射されるが、
ある間隔を置いて配置されたプリズム2の存在により、
そのエバネッセント光の一部が反射せず、プリズム2の
中に進行する。この透過光6を、その光路上に配置され
た検出器4にて検出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学系を伝搬する
光を監視するための方法、光監視装置、および、それに
用いられる光取り出し部材に係り、特に、パワーの強い
レーザ光の一部を取り出し監視、参照することに好適な
光監視方法、光監視装置、および、それに用いられる光
取り出し部材に関する。
光を監視するための方法、光監視装置、および、それに
用いられる光取り出し部材に係り、特に、パワーの強い
レーザ光の一部を取り出し監視、参照することに好適な
光監視方法、光監視装置、および、それに用いられる光
取り出し部材に関する。
【0002】
【従来の技術】光学系において、系を伝搬する光の有
無、光の強さ等を監視することが必要な場合がある。そ
の一例として、レーザ光学系におけるレーザ光の強さの
監視がある。
無、光の強さ等を監視することが必要な場合がある。そ
の一例として、レーザ光学系におけるレーザ光の強さの
監視がある。
【0003】従来、レーザ光監視装置は、レーザ光学系
の途中でビームスプリッターを使用して、レーザ光の一
部を取り出し、検出器にて受光する形式の装置が一般的
である。ところで、ハイパワーのレーザを使用する場合
には、監視には、わずかな光量でよい。また、本来の目
的には、できるかぎり、パワーの損失を避けたい。その
ため、ビームスプリッタとして、反射率の高いものが用
いられる。
の途中でビームスプリッターを使用して、レーザ光の一
部を取り出し、検出器にて受光する形式の装置が一般的
である。ところで、ハイパワーのレーザを使用する場合
には、監視には、わずかな光量でよい。また、本来の目
的には、できるかぎり、パワーの損失を避けたい。その
ため、ビームスプリッタとして、反射率の高いものが用
いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、上述
したビームスプリッタの使用に際し、ビームスプリッタ
の寿命が短いという問題があった。特に、監視すべき
光、例えば、レーザ光のパワーが大きいほど、この傾向
が顕著に現れるという問題があった。これは、反射率が
高いビームスプリッタにおいては、多層膜が施された光
学部品が主流であるためであり、しかも、反射率を高く
するために用いられる誘電体膜が、高パワーのレーザを
使用した場合、損傷しやすいためと考えられている。例
えば、誘電体多層膜の場合、レーザ光のエネルギ密度が
約3J/cm2程度で損傷が起きることがある。
したビームスプリッタの使用に際し、ビームスプリッタ
の寿命が短いという問題があった。特に、監視すべき
光、例えば、レーザ光のパワーが大きいほど、この傾向
が顕著に現れるという問題があった。これは、反射率が
高いビームスプリッタにおいては、多層膜が施された光
学部品が主流であるためであり、しかも、反射率を高く
するために用いられる誘電体膜が、高パワーのレーザを
使用した場合、損傷しやすいためと考えられている。例
えば、誘電体多層膜の場合、レーザ光のエネルギ密度が
約3J/cm2程度で損傷が起きることがある。
【0005】本発明の目的は、ハイパワーの光にも耐え
得る光監視方法、光監視装置、および、それに用いられ
る光取り出し部材を提供することにある。
得る光監視方法、光監視装置、および、それに用いられ
る光取り出し部材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の態様によれば、光学系を伝搬する光を
監視するための方法において、光学系を伝搬する光を全
反射させ、その全反射面の裏面に光学部材を近接させ
て、エバネッセント光を伝搬光として取りだし、取り出
した伝搬光を検出器で受光することを特徴とする光監視
方法が提供される。
の本発明の第1の態様によれば、光学系を伝搬する光を
監視するための方法において、光学系を伝搬する光を全
反射させ、その全反射面の裏面に光学部材を近接させ
て、エバネッセント光を伝搬光として取りだし、取り出
した伝搬光を検出器で受光することを特徴とする光監視
方法が提供される。
【0007】本発明の第2の態様によれば、光学系を伝
搬する光を監視するため光監視装置において、光学系を
伝搬する光を全反射させる第1の光学部材と、上記第1
の光学部材の全反射面の裏面に近接して配置され、エバ
ネッセント光を伝搬光として取り出すための第2の光学
部材と、上記第2の光学部材により取り出された伝搬光
を受光する検出器とを備えることを特徴とする光監視装
置が提供される。
搬する光を監視するため光監視装置において、光学系を
伝搬する光を全反射させる第1の光学部材と、上記第1
の光学部材の全反射面の裏面に近接して配置され、エバ
ネッセント光を伝搬光として取り出すための第2の光学
部材と、上記第2の光学部材により取り出された伝搬光
を受光する検出器とを備えることを特徴とする光監視装
置が提供される。
【0008】本発明の第3の態様によれば、光学系を伝
搬する光を、その光が全反射される位置で、その光路の
外側からに近接して、光の一部を取り出すための光取り
出し部材において、上記全反射面の裏面に近接して、エ
バネッセント光を取り出すための入射面を有する光学ブ
ロックで構成され、その入射面を上記全反射面裏面に近
接させた際、一定間隔で平行な状態を保つためのスペー
サを上記入射面上に有することを特徴とする光取り出し
部材が提供される。
搬する光を、その光が全反射される位置で、その光路の
外側からに近接して、光の一部を取り出すための光取り
出し部材において、上記全反射面の裏面に近接して、エ
バネッセント光を取り出すための入射面を有する光学ブ
ロックで構成され、その入射面を上記全反射面裏面に近
接させた際、一定間隔で平行な状態を保つためのスペー
サを上記入射面上に有することを特徴とする光取り出し
部材が提供される。
【0009】本発明の第4の態様によれば、光学系を伝
搬する光を監視するための方法において、光学系を伝搬
する光を全反射させ、その全反射面の裏面の一部に光学
部材を接触させて、その部分での全反射の条件を破って
一部の光を光学部材を介して取りだし、取り出した光を
検出器で受光することを特徴とする光監視方法が提供さ
れる。
搬する光を監視するための方法において、光学系を伝搬
する光を全反射させ、その全反射面の裏面の一部に光学
部材を接触させて、その部分での全反射の条件を破って
一部の光を光学部材を介して取りだし、取り出した光を
検出器で受光することを特徴とする光監視方法が提供さ
れる。
【0010】本発明の第5の態様によれば、光学系を伝
搬する光を監視するため光監視装置において、光学系を
伝搬する光を全反射させる第1の光学部材と、上記第1
の光学部材の全反射面の裏面の一部に接触して配置さ
れ、その部分での全反射の条件を破って一部の光を取り
出す光学部材と、上記第2の光学部材により取り出され
た伝搬光を受光する検出器とを備えることを特徴とする
光監視装置が提供される。
搬する光を監視するため光監視装置において、光学系を
伝搬する光を全反射させる第1の光学部材と、上記第1
の光学部材の全反射面の裏面の一部に接触して配置さ
れ、その部分での全反射の条件を破って一部の光を取り
出す光学部材と、上記第2の光学部材により取り出され
た伝搬光を受光する検出器とを備えることを特徴とする
光監視装置が提供される。
【0011】本発明の第6の態様によれば、光学系を伝
搬する光を監視するための方法において、光学系を伝搬
する光が全反射する領域で、その全反射面の裏面に光学
部材を近接させて、エバネッセント光を伝搬光として取
りだし、取り出した伝搬光を検出器で受光することを特
徴とする光監視方法が提供される。
搬する光を監視するための方法において、光学系を伝搬
する光が全反射する領域で、その全反射面の裏面に光学
部材を近接させて、エバネッセント光を伝搬光として取
りだし、取り出した伝搬光を検出器で受光することを特
徴とする光監視方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、上述した課題解決手
段において示したように、多層膜を有するビームスプリ
ッタを用いることなく、光学系からその系に伝搬する光
の一部を参照光として取り出して受光している。本発明
は、大別すると、参照光の取り出しの原理が異なる2種
類の解決手段を提供する。
段において示したように、多層膜を有するビームスプリ
ッタを用いることなく、光学系からその系に伝搬する光
の一部を参照光として取り出して受光している。本発明
は、大別すると、参照光の取り出しの原理が異なる2種
類の解決手段を提供する。
【0013】第1は、光学系において、光学系を伝搬す
る光を全反射させ、または、全反射している光路部分を
見つけ、その全反射面の裏面に光学部材を近接させて、
エバネッセント光を伝搬光として取り出す形式の解決手
段である。全反射において、光は全反射面から外には出
ていないように見えるが、実際は、わずかに外側を通り
再び戻っていくようになっており、このわずかな外側へ
のもれをエバネッセント光とよんでいる。この全反射面
に、光学部材を近接させることにより、エバネッセント
光を透過させることができる。第1の解決手段は、これ
を利用して、光学系を伝搬する光の一部を取り出す。
る光を全反射させ、または、全反射している光路部分を
見つけ、その全反射面の裏面に光学部材を近接させて、
エバネッセント光を伝搬光として取り出す形式の解決手
段である。全反射において、光は全反射面から外には出
ていないように見えるが、実際は、わずかに外側を通り
再び戻っていくようになっており、このわずかな外側へ
のもれをエバネッセント光とよんでいる。この全反射面
に、光学部材を近接させることにより、エバネッセント
光を透過させることができる。第1の解決手段は、これ
を利用して、光学系を伝搬する光の一部を取り出す。
【0014】第2は、光学系において、光学系を伝搬す
る光を全反射させ、その全反射面の裏面の一部に光学部
材を接触させて、全反射の条件を破って、伝搬光の一部
を参照光として取り出す形式の解決手段である。全反射
条件を破るような光学部材を全反射面に接触させること
により、その部分において光は透過してしまう。この第
2の解決手段は、この現象を利用して、光学系を伝搬す
る光の一部を取り出す。
る光を全反射させ、その全反射面の裏面の一部に光学部
材を接触させて、全反射の条件を破って、伝搬光の一部
を参照光として取り出す形式の解決手段である。全反射
条件を破るような光学部材を全反射面に接触させること
により、その部分において光は透過してしまう。この第
2の解決手段は、この現象を利用して、光学系を伝搬す
る光の一部を取り出す。
【0015】本発明の上記2種類の解決手段では、全反
射を利用することによりレーザ光を高効率で反射させる
ことができる。また、多層膜を必要としないためレーザ
耐久性が高く、高パワーのレーザに対応することができ
る。また、プリズムにレーザ光を入射させ、さらに、プ
リズム内で全反射を起こさせ、その全反射をしている面
の裏面側の近傍に、全反射のエバネッセント光を拾いだ
すための光学部材を配置するため、光学系内に、光学部
材を配置することなく、光学系内を伝搬する光の一部を
取り出すことができる。また、全反射をしている面の裏
面の一部に、光学部材を接触させることにより、その部
分から伝搬光の一部を取り出すため、同様に、光学系内
に、光学部材を配置することなく、光学系内を伝搬する
光の一部を取り出すことができる。従って、光学部材を
配置することが困難な光学系についても適用が可能であ
る。
射を利用することによりレーザ光を高効率で反射させる
ことができる。また、多層膜を必要としないためレーザ
耐久性が高く、高パワーのレーザに対応することができ
る。また、プリズムにレーザ光を入射させ、さらに、プ
リズム内で全反射を起こさせ、その全反射をしている面
の裏面側の近傍に、全反射のエバネッセント光を拾いだ
すための光学部材を配置するため、光学系内に、光学部
材を配置することなく、光学系内を伝搬する光の一部を
取り出すことができる。また、全反射をしている面の裏
面の一部に、光学部材を接触させることにより、その部
分から伝搬光の一部を取り出すため、同様に、光学系内
に、光学部材を配置することなく、光学系内を伝搬する
光の一部を取り出すことができる。従って、光学部材を
配置することが困難な光学系についても適用が可能であ
る。
【0016】さらに、本発明では、全反射面がある光学
系であれば、光の監視のためだけに光路中にビームスプ
リッターを挿入する必要はなく、必要となる光学素子の
点数を減らすことにもなる。
系であれば、光の監視のためだけに光路中にビームスプ
リッターを挿入する必要はなく、必要となる光学素子の
点数を減らすことにもなる。
【0017】次に、本発明における具体的な実施形態に
ついて、さらに説明する。
ついて、さらに説明する。
【0018】まず、上記全反射させるための全反射面
は、常時、光学系に配置しておき、監視を行なうとき、
上記光学部材を全反射面の裏面に近接させる構成とする
ことができる。これは、監視を常時行なう必要がない場
合に好適である。もちろん、常時、光学部材を近接させ
ておくこともできる。
は、常時、光学系に配置しておき、監視を行なうとき、
上記光学部材を全反射面の裏面に近接させる構成とする
ことができる。これは、監視を常時行なう必要がない場
合に好適である。もちろん、常時、光学部材を近接させ
ておくこともできる。
【0019】上記全反射は、光学系中に、全反射させる
ためのプリズムを配置して行なうことができる。もちろ
ん、プリズムに限られない。例えば、ガラス等からなる
光学ブロックの1または2以上のコーナ部に、光学ブロ
ック中を伝搬する光を全反射するように斜面を設けるこ
とによっても、全反射を実現できる。
ためのプリズムを配置して行なうことができる。もちろ
ん、プリズムに限られない。例えば、ガラス等からなる
光学ブロックの1または2以上のコーナ部に、光学ブロ
ック中を伝搬する光を全反射するように斜面を設けるこ
とによっても、全反射を実現できる。
【0020】一方、上記光学部材としては、上記全反射
のためのプリズムとは別のプリズムを用いて行なうこと
ができる。
のためのプリズムとは別のプリズムを用いて行なうこと
ができる。
【0021】本発明が監視する対象としては、例えば、
高パワーのレーザ光が挙げられる。もちろん、本発明
は、これに限られない。本発明では、監視光の取り出し
が、プリズム等の単純な光学部材で実現できる。従っ
て、多層膜ビームスプリッタの損傷を考えると、多層膜
を用いない本発明は、高パワーのレーザ光における監視
光の取り出しに好適である。
高パワーのレーザ光が挙げられる。もちろん、本発明
は、これに限られない。本発明では、監視光の取り出し
が、プリズム等の単純な光学部材で実現できる。従っ
て、多層膜ビームスプリッタの損傷を考えると、多層膜
を用いない本発明は、高パワーのレーザ光における監視
光の取り出しに好適である。
【0022】また、光監視を行なうための装置として、
本発明は、光学系を伝搬する光を全反射させる第1の光
学部材と、上記第1の光学部材の全反射面の裏面に近接
して配置され、エバネッセント光を伝搬光として取り出
すための第2の光学部材と、上記第2の光学部材により
取り出された伝搬光を受光する検出器とを備える。
本発明は、光学系を伝搬する光を全反射させる第1の光
学部材と、上記第1の光学部材の全反射面の裏面に近接
して配置され、エバネッセント光を伝搬光として取り出
すための第2の光学部材と、上記第2の光学部材により
取り出された伝搬光を受光する検出器とを備える。
【0023】ここで、第1の光学部材と、第2の光学部
材とは、例えば、それぞれプリズムで構成することがで
きる。第1の光学部材は、全反射を起こす光学部材であ
ればよい。一方、第2の光学部材は、上記全反射面の裏
面に近接または接触して伝搬光の一部を取り出すことが
できるものであればよい。なお、プリズムの材質は、代
表的には、石英ガラス、光学ガラス等がある。
材とは、例えば、それぞれプリズムで構成することがで
きる。第1の光学部材は、全反射を起こす光学部材であ
ればよい。一方、第2の光学部材は、上記全反射面の裏
面に近接または接触して伝搬光の一部を取り出すことが
できるものであればよい。なお、プリズムの材質は、代
表的には、石英ガラス、光学ガラス等がある。
【0024】また、第1の光学部材の全反射面の裏面に
近接して伝搬光の一部を取り出す際、計測結果に、取り
出し量の変動の影響が及ばないように、上記第1の光学
部材の全反射面の裏面とを一定の間隔に保つ必要があ
る。そのため、スペーサを用いることが好ましい。スペ
ーサの厚みによって透過光量が決まる。従って、スペー
サとしては、この微妙なプリズム間の距離の微細な領域
で決定できる構造であることが好ましい。そのため、例
えば、膜体で構成することができる。すなわち、金属薄
膜、誘電体薄膜等を、必要な透過率が得られるように、
膜厚制御を行って成膜することにより、スペーサを作る
ことができる。一例を挙げれば、SiO2膜を用い、近
接させる際の間隙に相当する厚さに成膜して、形成する
ことができる。この膜は、第1の光学部材、第2の光学
部材およびそれらの両者のいずれに設けてもよい。製造
のしやすさ、光学系への適用の容易さを考慮すると、第
2部材に設けることが好ましい。
近接して伝搬光の一部を取り出す際、計測結果に、取り
出し量の変動の影響が及ばないように、上記第1の光学
部材の全反射面の裏面とを一定の間隔に保つ必要があ
る。そのため、スペーサを用いることが好ましい。スペ
ーサの厚みによって透過光量が決まる。従って、スペー
サとしては、この微妙なプリズム間の距離の微細な領域
で決定できる構造であることが好ましい。そのため、例
えば、膜体で構成することができる。すなわち、金属薄
膜、誘電体薄膜等を、必要な透過率が得られるように、
膜厚制御を行って成膜することにより、スペーサを作る
ことができる。一例を挙げれば、SiO2膜を用い、近
接させる際の間隙に相当する厚さに成膜して、形成する
ことができる。この膜は、第1の光学部材、第2の光学
部材およびそれらの両者のいずれに設けてもよい。製造
のしやすさ、光学系への適用の容易さを考慮すると、第
2部材に設けることが好ましい。
【0025】ここで、スペーサの厚さ、すなわち、第1
の光学部材の全反射面の裏面、および、第2の光学部材
のエバネッセント光入射面との間隔は、その部分には、
第1の光学部材の全反射面での全反射を破らない屈折率
を持つ媒質、例えば、空気が存在することを条件にする
と、その間隔と透過率との間には、後述するように、例
えば、図2に示す関係がある。
の光学部材の全反射面の裏面、および、第2の光学部材
のエバネッセント光入射面との間隔は、その部分には、
第1の光学部材の全反射面での全反射を破らない屈折率
を持つ媒質、例えば、空気が存在することを条件にする
と、その間隔と透過率との間には、後述するように、例
えば、図2に示す関係がある。
【0026】なお、図2で用いられる透過率の定義につ
いて説明する。この定義のため、ガラス中に空気の薄膜
層があるような状態をモデルとして仮定する。すなわ
ち、図6に示すように、屈折率n1の第1の光学部材1
に、屈折率n2の媒質(空気)21を介して、屈折率n3
の第2の光学部材2が間隔dで近接している場合におい
て、波長λの光線が、入射角θ1で全反射面1aに入射
して全反射しているものとする。
いて説明する。この定義のため、ガラス中に空気の薄膜
層があるような状態をモデルとして仮定する。すなわ
ち、図6に示すように、屈折率n1の第1の光学部材1
に、屈折率n2の媒質(空気)21を介して、屈折率n3
の第2の光学部材2が間隔dで近接している場合におい
て、波長λの光線が、入射角θ1で全反射面1aに入射
して全反射しているものとする。
【0027】まず、全反射面と光軸Oとの交点Pを波源
として、媒質21中を光軸Oに対してθ2の角度を持っ
て進行する光線について考える。上記間隔dについての
位相厚さδは、次式で与えられる。
として、媒質21中を光軸Oに対してθ2の角度を持っ
て進行する光線について考える。上記間隔dについての
位相厚さδは、次式で与えられる。
【0028】
【数1】
【0029】また、媒質21(屈折率n2)と第2の光
学部材(屈折率n3)の特性行列は、上記(1)式の位
相厚さδを用いて、次式のように表される。
学部材(屈折率n3)の特性行列は、上記(1)式の位
相厚さδを用いて、次式のように表される。
【0030】
【数2】
【0031】ここで、媒質21(屈折率n2)と第2の
光学部材(屈折率n3)の光学アドミタンスYは、
光学部材(屈折率n3)の光学アドミタンスYは、
【0032】
【数3】
【0033】であるから、この光学アドミタンスYを用
いて、第1の光学部材(屈折率n1)の全反射面1aで
の反射率Rは、次式で与えられる。
いて、第1の光学部材(屈折率n1)の全反射面1aで
の反射率Rは、次式で与えられる。
【0034】
【数4】
【0035】そして、この反射率Rを用いて、透過率T
は、
は、
【0036】
【数5】
【0037】で与えられる。本明細書で用いる透過率
は、このようにして定義される。
は、このようにして定義される。
【0038】上記(1)式で示すように、透過率は、間
隔dに依存する。従って、図2に示す範囲で、目的の透
過率となるような間隙を実現するためのスペーサの厚さ
を設定することができる。すなわち、伝搬する光の強度
と、取り出した光を受光する検出器の感度との関係から
定まる透過率に対応する間隙とすることができる。この
ため、厚さの異なる種々のスペーサを有する第2光学部
材を予め用意しておくことにより、透過光量を適宜設定
することができる。
隔dに依存する。従って、図2に示す範囲で、目的の透
過率となるような間隙を実現するためのスペーサの厚さ
を設定することができる。すなわち、伝搬する光の強度
と、取り出した光を受光する検出器の感度との関係から
定まる透過率に対応する間隙とすることができる。この
ため、厚さの異なる種々のスペーサを有する第2光学部
材を予め用意しておくことにより、透過光量を適宜設定
することができる。
【0039】また、スペーサは、膜体に限られない。例
えば、第1の光学部材の全反射面の裏面、および、第2
の光学部材のエバネッセント光入射面の少なくとも一方
の面に、凸部を設けることにより形成することができ
る。具体的には、これらの面に必要な間隙に相当する深
さの凹部を設けることにより、相対的に凸部を設けるよ
うにしてもよい。
えば、第1の光学部材の全反射面の裏面、および、第2
の光学部材のエバネッセント光入射面の少なくとも一方
の面に、凸部を設けることにより形成することができ
る。具体的には、これらの面に必要な間隙に相当する深
さの凹部を設けることにより、相対的に凸部を設けるよ
うにしてもよい。
【0040】スペーサの平面形状は、エバネッセント光
を取り出すための間隙部分が形成でき、かつ、第1の光
学部材の全反射面の裏面と、第2の光学部材の入射面と
を平行に保持することができる形状であればよい。例え
ば、2本平行に配置される帯状の膜の形状に設けられて
いる。この帯の長さは、プリズム2を均等に保持できる
長さおよび幅に形成される。もちろん、スペーサ3は、
帯状に限られず、上面が平面状になっている凸部で構成
され、それを複数配置する構造であってもよい。
を取り出すための間隙部分が形成でき、かつ、第1の光
学部材の全反射面の裏面と、第2の光学部材の入射面と
を平行に保持することができる形状であればよい。例え
ば、2本平行に配置される帯状の膜の形状に設けられて
いる。この帯の長さは、プリズム2を均等に保持できる
長さおよび幅に形成される。もちろん、スペーサ3は、
帯状に限られず、上面が平面状になっている凸部で構成
され、それを複数配置する構造であってもよい。
【0041】取り出した光は、検出器で受光する。検出
器としては、例えば、光電子増倍管、フォトダイオード
等が挙げられる。
器としては、例えば、光電子増倍管、フォトダイオード
等が挙げられる。
【0042】また、光学系において、光学系を伝搬する
光を全反射させ、その全反射面の裏面の一部に光学部材
を接触させて、全反射の条件を破って、伝搬光の一部を
取り出す形式の発明の場合、透過率は、ほぼ100%と
なる。従って、取り出す光の量は、接触面積で設定す
る。
光を全反射させ、その全反射面の裏面の一部に光学部材
を接触させて、全反射の条件を破って、伝搬光の一部を
取り出す形式の発明の場合、透過率は、ほぼ100%と
なる。従って、取り出す光の量は、接触面積で設定す
る。
【0043】この場合には、第2の光学部材は、第1の
光学部材の全反射面における光の入射する領域の一部に
おいて相互に接触する大きさまたは位置の設定が行なわ
れる。大きさを適宜設定する場合、第2の光学部材の入
射面を、第1の光学部材の全反射面での光の入射する領
域の面積(入射断面積)より小さい接触面積を持つよう
に、小さく製作される。もちろん、接触面の面積が入射
断面積より小さければよいので、この部分のみが小さな
面積を持って突出する凸部を構成するようにしてもよ
い。従って、接触面積の異なる種々の第2の光学部材を
用意することにより、取り出す光量の割合を適宜設定す
ることができる。また、位置を適宜設定する場合には、
第2の光学部材の入射面を、第1の光学部材の全反射面
での光の入射する領域の一部とのみ接触するように、第
2の光学部材の設置位置をずらして配置する。
光学部材の全反射面における光の入射する領域の一部に
おいて相互に接触する大きさまたは位置の設定が行なわ
れる。大きさを適宜設定する場合、第2の光学部材の入
射面を、第1の光学部材の全反射面での光の入射する領
域の面積(入射断面積)より小さい接触面積を持つよう
に、小さく製作される。もちろん、接触面の面積が入射
断面積より小さければよいので、この部分のみが小さな
面積を持って突出する凸部を構成するようにしてもよ
い。従って、接触面積の異なる種々の第2の光学部材を
用意することにより、取り出す光量の割合を適宜設定す
ることができる。また、位置を適宜設定する場合には、
第2の光学部材の入射面を、第1の光学部材の全反射面
での光の入射する領域の一部とのみ接触するように、第
2の光学部材の設置位置をずらして配置する。
【0044】また、第2の光学部材は、第1の光学部材
に固着してもよい。例えば、接着剤で固着することが挙
げられる。また、固着の例としては、第1の光学部材
に、第2の光学部材を一体に設けることがあり得る。上
記接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂を用いること
ができる。
に固着してもよい。例えば、接着剤で固着することが挙
げられる。また、固着の例としては、第1の光学部材
に、第2の光学部材を一体に設けることがあり得る。上
記接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂を用いること
ができる。
【0045】なお、スペーサを介して第2の光学部材を
第1の光学部材に近接させる場合においても、第2の光
学部材をスペーサを介して第2の光学部材に固着するよ
うにしてもよい。この場合にも、接着剤として、例え
ば、エポキシ樹脂を用いることができる。
第1の光学部材に近接させる場合においても、第2の光
学部材をスペーサを介して第2の光学部材に固着するよ
うにしてもよい。この場合にも、接着剤として、例え
ば、エポキシ樹脂を用いることができる。
【0046】ところで、第1の光学部材の全反射面の裏
面と、第2の光学部材の入射面とを近接させる場合に
は、第2の光学部材を第1の光学部材に接触させる場合
と比べて、伝搬する光の伝搬方向と直行する断面におけ
るエネルギ分布を乱さないという利点がある。
面と、第2の光学部材の入射面とを近接させる場合に
は、第2の光学部材を第1の光学部材に接触させる場合
と比べて、伝搬する光の伝搬方向と直行する断面におけ
るエネルギ分布を乱さないという利点がある。
【0047】
【実施例】以下に、本発明の実施例について、図面を参
照して説明する。なお、以下の例では、レーザ光の監視
を行なう場合について説明する。もちろん、本発明は、
レーザ光の監視に限られない。
照して説明する。なお、以下の例では、レーザ光の監視
を行なう場合について説明する。もちろん、本発明は、
レーザ光の監視に限られない。
【0048】〔実施例1〕図1に、エバネッセント光を
利用したレーザ光監視方法およびそのための装置の実施
例の概略を示す。図1に示すように、この例では、レー
ザ光5が伝搬する光学系(図示せず)中に、レーザ光5
を全反射するようにプリズム1を配置し、プリズム1の
全反射面の裏面1aに、スペーサ3をはさんでプリズム
2を配置する。また、プリズム2の後方には、プリズム
2で取り出された光を受光するための検出器4が配置さ
れている。
利用したレーザ光監視方法およびそのための装置の実施
例の概略を示す。図1に示すように、この例では、レー
ザ光5が伝搬する光学系(図示せず)中に、レーザ光5
を全反射するようにプリズム1を配置し、プリズム1の
全反射面の裏面1aに、スペーサ3をはさんでプリズム
2を配置する。また、プリズム2の後方には、プリズム
2で取り出された光を受光するための検出器4が配置さ
れている。
【0049】プリズム1および2は、この例では、いず
れも石英ガラス製のプリズムが用いられる。プリズム1
と2とは、図1では大きさが異なっている。大きさの問
題は、本質的ではないので、もちろん、同じ大きさであ
っても差し支えない。
れも石英ガラス製のプリズムが用いられる。プリズム1
と2とは、図1では大きさが異なっている。大きさの問
題は、本質的ではないので、もちろん、同じ大きさであ
っても差し支えない。
【0050】スペーサ3は、プリズム2の入射面2a上
に、膜体で形成される。このスペーサ3は、プリズム1
の全反射面の裏面1aと、プリズム2の入射面2aとを
平行に保持するため、この例では、同じ膜厚で、帯状に
設けられている。この帯の平面形状は、プリズム2を均
等に保持できる長さおよび幅に形成される。また、厚さ
は、約1.25μm程度に形成される。
に、膜体で形成される。このスペーサ3は、プリズム1
の全反射面の裏面1aと、プリズム2の入射面2aとを
平行に保持するため、この例では、同じ膜厚で、帯状に
設けられている。この帯の平面形状は、プリズム2を均
等に保持できる長さおよび幅に形成される。また、厚さ
は、約1.25μm程度に形成される。
【0051】検出器4としては、光電子像倍管が用いら
れる。この他に、フォトダイオード等の半導体受光素子
を用いることができる。
れる。この他に、フォトダイオード等の半導体受光素子
を用いることができる。
【0052】このような構成において、532nmのレ
ーザ光の監視を行なった。すなわち、プリズム1に入射
されたレーザ光5は、全反射面1aで全反射されるが、
ある間隔を置いて配置されたプリズム2の存在により、
そのエバネッセント光の一部が反射せず、プリズム2の
中に進行してしまう。この透過光6を、その光路上に配
置された検出器4にて検出する。
ーザ光の監視を行なった。すなわち、プリズム1に入射
されたレーザ光5は、全反射面1aで全反射されるが、
ある間隔を置いて配置されたプリズム2の存在により、
そのエバネッセント光の一部が反射せず、プリズム2の
中に進行してしまう。この透過光6を、その光路上に配
置された検出器4にて検出する。
【0053】本実施例について、間隙を少しずつ変化さ
せてみたところ、図2に示す結果を得た。図2におい
て、横軸は、プリズム1の全反射面の裏面1aとプリズ
ム2の入射面2aとの間隙(μm)であり、縦軸は、透
過率(%)である。図2の結果からわかるように、間隔
が増加するに伴って、透過率が小さくなっている。
せてみたところ、図2に示す結果を得た。図2におい
て、横軸は、プリズム1の全反射面の裏面1aとプリズ
ム2の入射面2aとの間隙(μm)であり、縦軸は、透
過率(%)である。図2の結果からわかるように、間隔
が増加するに伴って、透過率が小さくなっている。
【0054】〔実施例2〕図3に、レーザ光の一部を透
過させてしまう方法を採ったレーザ光の監視方法および
そのための装置の実施例の概略図を示す。図3に示すよ
うに、この例では、レーザ光5が伝搬する光学系(図示
せず)中に、レーザ光5を全反射するようにプリズム1
を配置し、プリズム1の全反射面の裏面1aの一部1b
に、プリズム2を接触させて配置する。また、プリズム
2の後方には、プリズム2で取り出された光7を受光す
るための検出器4が配置されている。プリズム2は、こ
の例では、プリズム1にエポキシ樹脂で接着される。
過させてしまう方法を採ったレーザ光の監視方法および
そのための装置の実施例の概略図を示す。図3に示すよ
うに、この例では、レーザ光5が伝搬する光学系(図示
せず)中に、レーザ光5を全反射するようにプリズム1
を配置し、プリズム1の全反射面の裏面1aの一部1b
に、プリズム2を接触させて配置する。また、プリズム
2の後方には、プリズム2で取り出された光7を受光す
るための検出器4が配置されている。プリズム2は、こ
の例では、プリズム1にエポキシ樹脂で接着される。
【0055】プリズム1および2は、この例では、いず
れも石英ガラス製のプリズムが用いられる。プリズム1
と2とは、図3では大きさが異なっている。すなわち、
プリズム2は、プリズム1の全反射面1aにおけるレー
ザ光5の入射した面積(入射断面積)より小さい接触面
積を持つように、小さく製作されている。
れも石英ガラス製のプリズムが用いられる。プリズム1
と2とは、図3では大きさが異なっている。すなわち、
プリズム2は、プリズム1の全反射面1aにおけるレー
ザ光5の入射した面積(入射断面積)より小さい接触面
積を持つように、小さく製作されている。
【0056】検出器4としては、実施例1の場合とは異
なり、フォトダイオード等の半導体受光素子を用いてい
る。
なり、フォトダイオード等の半導体受光素子を用いてい
る。
【0057】〔実施例3〕図4に、光学系を伝搬する光
が全反射する領域で、その全反射面の裏面に光学部材を
近接させて、エバネッセント光を伝搬光として取り出し
て、光学系内の光を監視する監視方法およびそのための
装置の実施例を示す。この実施例は、光路の途中に光学
部材を挿入することが好ましくない場合に好適である。
例えば、図4のように、伝搬光が進行する光路11があ
る領域12に閉じ込められており、内部に参照光を取り
出すための光学部材を入れることが出来ない場合に適用
される。
が全反射する領域で、その全反射面の裏面に光学部材を
近接させて、エバネッセント光を伝搬光として取り出し
て、光学系内の光を監視する監視方法およびそのための
装置の実施例を示す。この実施例は、光路の途中に光学
部材を挿入することが好ましくない場合に好適である。
例えば、図4のように、伝搬光が進行する光路11があ
る領域12に閉じ込められており、内部に参照光を取り
出すための光学部材を入れることが出来ない場合に適用
される。
【0058】図4では、領域12が隔壁13により仕切
られており、領域12の内部には、例えば、強い光で励
起させたい物質Mを封入してある。領域12内の物質M
に励起光を十分に照射するためには、例えば、光路11
を複数回折り返すことが行なわれる。そのため折り返し
プリズム14が用いられる。そこで、本実施例では、こ
の折り返しプリズム14により光路11が全反射で折り
返す部分Aに、実施例1で示したと同様の監視装置を構
成するように、プリズム2をスペーサ3を介して配置す
ることにより、領域12内に光学部材を挿入せずに、領
域外に光の一部を参照光として取り出している。取り出
した参照光は、検出器4で受光する。
られており、領域12の内部には、例えば、強い光で励
起させたい物質Mを封入してある。領域12内の物質M
に励起光を十分に照射するためには、例えば、光路11
を複数回折り返すことが行なわれる。そのため折り返し
プリズム14が用いられる。そこで、本実施例では、こ
の折り返しプリズム14により光路11が全反射で折り
返す部分Aに、実施例1で示したと同様の監視装置を構
成するように、プリズム2をスペーサ3を介して配置す
ることにより、領域12内に光学部材を挿入せずに、領
域外に光の一部を参照光として取り出している。取り出
した参照光は、検出器4で受光する。
【0059】本実施例では、折り返しプリズムの代わり
にハーフミラー等を使用する場合に比べ、光学薄膜で光
を分離しないため、耐レーザ性、低損失という点で非常
に優れている。
にハーフミラー等を使用する場合に比べ、光学薄膜で光
を分離しないため、耐レーザ性、低損失という点で非常
に優れている。
【0060】なお、この実施例3の変形例として、折り
返しプリズム14により光路11が全反射で折り返す部
分Aに、図3に示す例と同様に、プリズム2を接触させ
る構成とすることもできる。
返しプリズム14により光路11が全反射で折り返す部
分Aに、図3に示す例と同様に、プリズム2を接触させ
る構成とすることもできる。
【0061】〔実施例4〕図5は、図4の例と同様に、
光学系を伝搬する光が全反射する領域で、その全反射面
の裏面に光学部材を近接させて、エバネッセント光を伝
搬光として取り出して、光学系内の光を監視する監視方
法およびそのための装置の実施例を示す。この実施例
は、光路の途中に光学部材を挿入することができない場
合に好適である。例えば、図5のように、外界より屈折
率が互い物質で構成される領域12内に光学系が設定さ
れている場合に適用できる。
光学系を伝搬する光が全反射する領域で、その全反射面
の裏面に光学部材を近接させて、エバネッセント光を伝
搬光として取り出して、光学系内の光を監視する監視方
法およびそのための装置の実施例を示す。この実施例
は、光路の途中に光学部材を挿入することができない場
合に好適である。例えば、図5のように、外界より屈折
率が互い物質で構成される領域12内に光学系が設定さ
れている場合に適用できる。
【0062】図5では、領域12内で伝搬光が光路11
に沿って進行している。そして、伝搬光は、領域12の
外界との界面Bで全反射して、その向きを変えて進行す
る。このような場合において、界面Bにおいて、実施例
1で示したと同様の監視装置を構成するように、プリズ
ム2をスペーサ3を介して配置することにより領域12
内に光学部材を挿入せずに領域外に光の一部を参照光と
して取り出している。取り出した参照光は、検出器4で
受光する。
に沿って進行している。そして、伝搬光は、領域12の
外界との界面Bで全反射して、その向きを変えて進行す
る。このような場合において、界面Bにおいて、実施例
1で示したと同様の監視装置を構成するように、プリズ
ム2をスペーサ3を介して配置することにより領域12
内に光学部材を挿入せずに領域外に光の一部を参照光と
して取り出している。取り出した参照光は、検出器4で
受光する。
【0063】本実施例では、界面Bに、誘電体多層膜ビ
ームスプリッタを形成することに比べ、耐レーザ性、低
損失という点で非常に優れている。また、領域の一部の
ような界面Bに、誘電体多層膜ビームスプリッタを形成
することは、実現が容易ではない。しかし、この部分
に、スペーサ3を有するプリズム2を配置することが容
易に実現できる。
ームスプリッタを形成することに比べ、耐レーザ性、低
損失という点で非常に優れている。また、領域の一部の
ような界面Bに、誘電体多層膜ビームスプリッタを形成
することは、実現が容易ではない。しかし、この部分
に、スペーサ3を有するプリズム2を配置することが容
易に実現できる。
【0064】なお、この実施例4の変形例として、界面
Bに、図3に示す例と同様に、プリズム2を接触させる
構成とすることもできる。
Bに、図3に示す例と同様に、プリズム2を接触させる
構成とすることもできる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、高パワーの光、特に、
レーザ光の照射に耐え、かつ、簡単な構造で、参照光の
取り出しが行なえる。
レーザ光の照射に耐え、かつ、簡単な構造で、参照光の
取り出しが行なえる。
【図1】 全反射面でのエバネッセント光を用いて参照
光の取り出しを行なう光監視方法/装置の実施例を示す
説明図。
光の取り出しを行なう光監視方法/装置の実施例を示す
説明図。
【図2】 第1の光学部材の全反射面と第2の光学部材
の入射面との間隔と透過率との関係を示すグラフ。
の入射面との間隔と透過率との関係を示すグラフ。
【図3】 全反射面の一部に、光学部材を接触させて一
部の光を取り出す光監視方法/装置の実施例を示す説明
図。
部の光を取り出す光監視方法/装置の実施例を示す説明
図。
【図4】 光路を折り返すための折り返しプリズムに、
プリズムを近接させて光の一部の取り出しを行なう光監
視方法/装置の実施例を示す説明図。
プリズムを近接させて光の一部の取り出しを行なう光監
視方法/装置の実施例を示す説明図。
【図5】 光学系が閉じ込められている領域に設けられ
ている界面に、プリズムを近接させて光の一部の取り出
しを行なう光監視方法/装置の実施例を示す説明図。
ている界面に、プリズムを近接させて光の一部の取り出
しを行なう光監視方法/装置の実施例を示す説明図。
【図6】 二つの光学部材が間隔dで近接した場合の透
過率の定義を説明するための説明図。
過率の定義を説明するための説明図。
1…プリズム(第1の光学部材)、1a…プリズム1の
全反射面の裏面、1b…裏面1aの一部、2…プリズム
(第2の光学部材)、2a…プリズム2の入射面、3…
スペーサ、4…検出器、5…レーザ光(伝搬光)、6…
透過光、11…光路、12…領域、13…隔壁、14…
折り返しプリズム、21…媒質(空気)。
全反射面の裏面、1b…裏面1aの一部、2…プリズム
(第2の光学部材)、2a…プリズム2の入射面、3…
スペーサ、4…検出器、5…レーザ光(伝搬光)、6…
透過光、11…光路、12…領域、13…隔壁、14…
折り返しプリズム、21…媒質(空気)。
Claims (23)
- 【請求項1】 光学系を伝搬する光を監視するための方
法において、 光学系を伝搬する光を全反射させ、 その全反射面の裏面に光学部材を近接させて、エバネッ
セント光を伝搬光として取りだし、 取り出した伝搬光を検出器で受光することを特徴とする
光監視方法。 - 【請求項2】 請求項1において、上記全反射させるた
めの全反射面は、常時、光学系に配置しておき、監視を
行なうとき、上記光学部材を全反射面の裏面に近接させ
ることを特徴とする光監視方法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、上記全反射
は、光学系中に、全反射させるためのプリズムを配置し
て行なう光監視方法。 - 【請求項4】 請求項3において、上記光学部材とし
て、上記プリズムとは別のプリズムをさらに用いて行な
う光監視方法。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4において、レ
ーザ光の監視を行なう光監視方法。 - 【請求項6】 光学系を伝搬する光を監視するため光監
視装置において、 光学系を伝搬する光を全反射させる第1の光学部材と、 上記第1の光学部材の全反射面の裏面に近接して配置さ
れ、エバネッセント光を伝搬光として取り出すための第
2の光学部材と、 上記第2の光学部材により取り出された伝搬光を受光す
る検出器とを備えることを特徴とする光監視装置。 - 【請求項7】 請求項6において、上記第2の光学部材
のエバネッセント光入射面と、上記第1の光学部材の全
反射面の裏面とを一定の間隔で近接させるためのスペー
サをさらに有する光監視装置。 - 【請求項8】 請求項7において、上記スペーサは、膜
体で構成され、第1の光学部材の全反射面の裏面、およ
び、第2の光学部材のエバネッセント光入射面の少なく
とも一方の面に形成されることを特徴とする光監視装
置。 - 【請求項9】 請求項7において、上記スペーサは、第
1の光学部材の全反射面の裏面、および、第2の光学部
材のエバネッセント光入射面の少なくとも一方の面に、
凸部を設けることで形成されるものである光監視装置。 - 【請求項10】 請求項6、7、8または9において、
第1の光学部材は、プリズムである光監視装置。 - 【請求項11】 請求項6、7、8または9において、
第2の光学部材は、プリズムである光監視装置。 - 【請求項12】 光学系を伝搬する光を、その光が全反
射される位置で、その光路の外側から近接して、光の一
部を取り出すための光取り出し部材において、 上記全反射面の裏面に近接して、エバネッセント光を取
り出すための入射面を有する光学ブロックで構成され、 その入射面を上記全反射面裏面に近接させた際、一定間
隔で平行な状態を保つためのスペーサを上記入射面上に
有することを特徴とする光取り出し部材。 - 【請求項13】 請求項12において、上記スペーサ
は、上記入射面上に成膜された膜体で構成されるもので
あることを特徴とする光取り出し部材。 - 【請求項14】 請求項12または13において、光学
ブロックは、プリズムである光取り出し部材。 - 【請求項15】 光学系を伝搬する光を監視するための
方法において、 光学系を伝搬する光を全反射させ、 その全反射面の裏面の一部に光学部材を接触させて、そ
の部分での全反射の条件を破って一部の光を光学部材を
介して取りだし、 取り出した光を検出器で受光することを特徴とする光監
視方法。 - 【請求項16】 請求項15において、上記全反射させ
るための全反射面は、常時、光学系に配置しておき、監
視を行なうとき、上記光学部材を全反射面の裏面に接触
させることを特徴とする光監視方法。 - 【請求項17】 請求項15または16において、上記
全反射は、光学系中に、全反射させるためのプリズムを
配置して行なう光監視方法。 - 【請求項18】 請求項17において、上記光学部材と
して、上記プリズムとは別のプリズムをさらに用いて行
なう光監視方法。 - 【請求項19】 請求項15、16、17または18に
おいて、レーザ光の監視を行なう光監視方法。 - 【請求項20】 光学系を伝搬する光を監視するため光
監視装置において、 光学系を伝搬する光を全反射させる第1の光学部材と、 上記第1の光学部材の全反射面の裏面の一部に接触して
配置され、その部分での全反射の条件を破って一部の光
を取り出す光学部材と、上記第2の光学部材により取り
出された伝搬光を受光する検出器とを備えることを特徴
とする光監視装置。 - 【請求項21】 請求項20において、第1の光学部材
は、プリズムである光監視装置。 - 【請求項22】 請求項20または21において、第2
の光学部材は、プリズムである光監視装置。 - 【請求項23】 光学系を伝搬する光を監視するための
方法において、 光学系を伝搬する光が全反射する領域で、その全反射面
の裏面に光学部材を近接させて、エバネッセント光を伝
搬光として取りだし、 取り出した伝搬光を検出器で受光することを特徴とする
光監視方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7185873A JPH0933339A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | 光監視方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7185873A JPH0933339A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | 光監視方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0933339A true JPH0933339A (ja) | 1997-02-07 |
Family
ID=16178378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7185873A Pending JPH0933339A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | 光監視方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0933339A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009015186A (ja) * | 2007-07-09 | 2009-01-22 | Canon Inc | 撮像装置 |
WO2018139486A1 (ja) * | 2017-01-26 | 2018-08-02 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | レーザ光減衰器の製造装置、この製造装置により製造されたレーザ光減衰器及びこのレーザ光減衰器の製造方法 |
JP2019208063A (ja) * | 2016-06-03 | 2019-12-05 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 減衰量可変の光減衰器を用いたレーザ出力制御装置 |
-
1995
- 1995-07-21 JP JP7185873A patent/JPH0933339A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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