JPH09329767A - 縁なし眼鏡枠のレンズ固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 縁なし眼鏡のレンズと枠とを固定する構造に
関し、レンズと枠との固定部分をより繊細で優美なもの
にできる構造を得ることを課題としている。 【解決手段】 眼鏡枠の鎧１がレンズ４の前面側に位置
する表部品１１と裏面側に位置する裏部品１２とナット
部品１３とで構成されている。裏部品１２はレンズ面に
略直交する方向のネジ杆挿通孔１８とこのネジ杆挿通孔
と直交するナット部品挿入部１９とを備え、表部品１１
はレンズと略直交方向に延びるネジ杆１４を備えてい
る。表部品のネジ杆１４を裏部品のネジ杆挿通孔１８に
挿通してナット部品挿入部１９に挿入したナット部品１
３でネジ杆１４を締結することにより、レンズ４を表部
品１１と裏部品１２とで挟持して固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、縁なし眼鏡枠の
レンズと眼鏡枠との固定構造に関するもので、特にレン
ズの外側端部と鎧とを固定するのに適した構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】縁なし眼鏡枠は、眼鏡を目立たせないの
が要点であり、そのために繊細な眼鏡枠が用いられるの
が普通である。縁なし眼鏡の眼鏡枠は、レンズの内側を
繋ぐブリッジとレンズの外側に固定される鎧と、蝶番を
介して鎧に連接されるテンプルとで構成され、鼻当ては
ブリッジと一体化されるのが普通の構造である。眼鏡枠
を構成する上述の部品は、チタンや洋白などの金属材で
製作され、部品相互はロウ付けや溶接によって接合され
ている。

【０００３】レンズとブリッジ及びレンズと鎧との固定
部は、両者の材質が異なり、またレンズを交換する必要
があることから、溶接や接着のような固定構造を採用す
ることができない。そこで通常は、レンズに貫通孔を設
け、この貫通孔に挿通したネジ杆をナット部品で締結す
ることにより、レンズを固定している。また他の構造と
して、ブリッジや鎧にレンズを表裏両側から挟持する方
向の弾性を持たせ、この弾性を利用してレンズをブリッ
ジや鎧に嵌め込むことにより、レンズを固定することも
行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしネジ杆を用いて
レンズを固定する構造は、固定部の形状が大きくなり、
枠側のデザインも制約を受けるので、繊細で優美な眼鏡
枠を得ることができない。また金属の弾性でレンズを挟
持する構造は、レンズと枠との固定が充分でないため、
レンズが枠から外れやすく、それを避けようとすると、
固定部の形状が大きくなり、眼鏡を繊細で優美な構造と
する際の障害になる。

【０００５】この発明は、上記のような問題点に鑑み、
縁なし眼鏡のレンズと枠とを固定する新たな構造を得る
ことを課題としており、レンズと枠との固定部分をより
繊細で優美なものとすることができる構造を得ることを
課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明の縁なし眼鏡枠
のレンズ固定構造は、眼鏡枠の鎧１がレンズ４の前面側
に位置する表部品１１と裏面側に位置する裏部品１２と
ナット部品１３とを含んでおり、裏部品１２はレンズ面
に略直交する方向のネジ杆挿通孔１８とこのネジ杆挿通
孔と直交するナット部品挿入部１９とを備え、表部品１
１はレンズと略直交方向に延びるネジ杆１４を備えてお
り、表部品のネジ杆１４を裏部品のネジ杆挿通孔１８に
挿通してナット部品挿入部１９に挿入したナット部品１
３でネジ杆１４を締結することにより、レンズ４を表部
品１１と裏部品１２とで挟持して固定するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１ないし９は、この発明の実施
形態を示したものである。鎧１はレンズの前面側に位置
する表部品１１と裏面側に位置する裏部品１２とを備え
ており、さらに両部品１１、１２を締結するナット部品
１３を備えている。図の裏部品には、蝶番２が一体に形
成されており、蝶番ピンを介してテンプル３が折り畳み
自在に連結される。表部品１１は折り曲げられた形状の
細い金属材からなり、その一端はネジ杆１４となってお
り、他端にはレンズとの位置決めのための表側ピン１５
が植立されている。

【０００８】裏部品１２は、内側端に手前側に向いた裏
側ピン１６を一体に備え、その根元にはレンズの裏面に
当接する座面１７が形成されている。裏部品１２のテン
プル３を取り付ける側には、レンズ面と略直交する方向
のネジ杆挿通孔１８が設けられており、このネジ杆挿通
孔を途中で分断するようにナット部品挿入部１９が切欠
状に設けられている。

【０００９】鎧１とレンズ４は、図２に示すように、表
部品と裏部品に設けたピン１５、１６をそれぞれレンズ
４に設けた貫通孔ないし凹孔４５、４６に挿入した状態
で、表部品のネジ杆１４を裏部品のネジ杆挿通孔１８に
差し込み、差し込まれたネジ杆をナット部品挿入部１９
に挿入したナット部品１３で締結することにより、表部
品１１と裏部品１２とでレンズ４を両側から挟持するこ
とによって固定されている。

【００１０】表部品や裏部品のレンズとの当接部は、そ
れぞれにピン１５、１６を１個のみ設けた構造に限ら
ず、図３及び４に示すように、裏部品に２本のピン１６
ａ、１６ｂを設けた構造や、裏部品にピン１６とともに
レンズの周縁に当接する縁当２１を設けた構造等とする
ことができ、ピンを複数にしたり縁当２１を設けること
により、レンズ４と鎧１との固定をより確実なものにす
ることができる。

【００１１】図の実施例のものでは、ブリッジ５は、図
６に示すように１本の金属線材を屈曲して製作されてお
り、この両端のＳ字に屈曲した部分５１を、図７に示す
ように、レンズ４の内側端に設けた貫通孔４７に挿通
し、レンズを図７の矢印Ａ方向に起こすことによって、
レンズの内側周縁をブリッジのＵ字屈曲部５２に嵌め込
んで固定する構造としている。この構造は、ブリッジ５
を構成する金属材の弾性により、レンズ４とブリッジ５
とを固定する構造である。レンズの貫通孔４７は、図６
に示すように若干長孔となっており、ブリッジのＳ字屈
曲部５１を差し込んだ状態で、レンズ４を前述したＵ字
屈曲部５２との嵌込方向に回動させることができる。鼻
当て６は、このＵ字屈曲部５２の先端に装着されてい
る。

【００１２】

【発明の効果】以上のような構造で、レンズと鎧及びブ
リッジを固定した縁なし眼鏡枠の正面図を図８に、側面
図を図９にそれぞれ示す。これらの図に示されたよう
に、この発明の構造を採用した縁なし眼鏡枠は、眼鏡枠
を従来構造に比べてはるかに繊細に製作することが可能
であり、眼鏡枠を目立たせたくないという縁なし眼鏡の
眼鏡枠の構造として優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】鎧の分解斜視図

【図２】鎧とレンズとの固定部を示す要部の平面図

【図３】裏部品の第２例を示す斜視図

【図４】第２例の裏部品を備えた鎧とレンズとの固定部
を示す要部の平面図

【図５】鎧の裏部品の第３例を示す斜視図

【図６】ブリッジとレンズとの固定部を示す分解斜視図

【図７】ブリッジとレンズとの固定部を示す断面平面図

【図８】この発明の構造を備えた縁なし眼鏡枠の正面図

【図９】同側面図

【符号の説明】

１ 鎧 ４ レンズ 11 表部品 12 裏部品 13 ナット部品 14 ネジ杆 18 ネジ杆挿通孔 19 ナット部品挿入部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 眼鏡枠の鎧(1) がレンズ(4) の前面側に
   位置する表部品(11)と裏面側に位置する裏部品(12)とナ
   ット部品(13)とを含んでおり、裏部品(12)はレンズ面に
   略直交する方向のネジ杆挿通孔(18)とこのネジ杆挿通孔
   と直交するナット部品挿入部(19)とを備え、表部品(11)
   はレンズと略直交方向に延びるネジ杆(14)を備えてお
   り、表部品のネジ杆(14)を裏部品のネジ杆挿通孔(18)に
   挿通してナット部品挿入部(19)に挿入したナット部品(1
   3)でネジ杆(14)を締結することにより、レンズ(4) を表
   部品(11)と裏部品(12)とで挟持して固定することを特徴
   とする、縁なし眼鏡枠のレンズ固定構造。