JPH09329598A - 試薬組成物、試験片及び測定キット - Google Patents
試薬組成物、試験片及び測定キットInfo
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Abstract
つ保存安定性が優れた試薬組成物、試験片及び測定キッ
トを提供することを課題とする。 【解決手段】 液体試料中の測定対象物質を検出するた
めの試薬組成物において、当該試薬組成物中に、一般式
(1)で示されるテトラキス(N−ヒドロキシアルキ
ル)エチレンジアミンの鉄(III)錯体を含ませる。 【化1】 また、前記試薬組成物を保持体に保持させて試験片を得
る。また、一般式(1)で示される錯体を含む試薬組成
物と、酸化還元反応により呈色する色原体と、酸化還元
反応における反応物質又は触媒とを含む測定キットを得
る。
Description
成分を測定するための試薬組成物及び試験片に関する。
さらに詳しくは、血清、血漿、尿または培養液などの液
体試料中のアスコルビン酸などの還元性物質による影響
を除き、特定成分を測定するための試薬組成物、試験片
及び測定キットに関する。
試料中には、種々の還元作用を有する物質が含まれてい
る。このような還元性物質としては、例えば、アスコル
ビン酸、尿酸などが挙げられる。
例えば、グルコース又は潜血を酸化還元反応により検出
する試験片を用いて測定する場合において、液体試料中
での濃度が上昇するほど測定対象物質の測定値を低下さ
せるといった影響を与える。
法としては、これまでに多くのものが知られている。例
えば、特開昭52−150692号公報に、アスコルビ
ン酸オキシダーゼを用いて影響を回避する方法が記載さ
れている。しかし、この方法には、アスコルビン酸オキ
シダーゼが高価でかつ不安定であるといった問題があっ
た。
に、銅イオンを用いてアスコルビン酸を酸化する方法が
記載されている。しかし、この方法には、酸化還元系の
色素を金属イオンが直接酸化し、発色させてしまうとい
った問題があった。
に、ヨウ素酸塩を用いてアスコルビン酸を酸化する方法
が記載されている。しかし、この方法も、酸化性が強す
ぎて、酸化還元系の色素をヨウ素が直接酸化し、発色さ
せてしまうといった問題があった。
(特公平1−41223号公報)に、体液成分測定にお
いてアスコルビン酸を消去するために、式: R1R2N
CH2COOH又はR3R4NXNR5CH2COOHで表
される化合物と鉄(II)又は鉄(III)との錯体あるい
はグルコン酸と鉄(II)又は鉄(III)との錯体を添加
することが記載されている。しかし、この方法にも、酸
化還元系の色素を金属イオンが直接酸化し、発色させて
しまうといった問題があった。
(特公平4−18630号公報)に、過酸化活性物質検
出組成物に、ポリカルボキシアルキルアミン誘導体の鉄
(III)錯体を含ませることが記載されている。しか
し、この方法にも、酸化還元系の色素を金属イオンが直
接酸化し、発色させてしまうといった欠点があった。
有機ヒドロパーオキシド、色原体、及び一般式:[(O
OC−X−COO)3 Fe]M3 で表される鉄錯体を含
有する過酸化活性物質検出用組成物を開発した(特開平
6−148168号公報)。この組成物を利用すること
により、還元性物質による影響を効果的に除去すること
が可能となったが、その効果には温度依存性があった。
例えば、機器の中で37℃程度に温度調節されながら測
定されるような場合に正確な測定が可能となったが、室
温で比色表を見ながら目視により測定する場合には改善
の余地があった。また、組成物自体の保存安定性にも問
題があった。
を解決すべくなされたものであり、室温でも還元性物
質、特にアスコルビン酸の影響を受けにくく、かつ保存
安定性が優れた試薬組成物、試験片及び測定キットを提
供することにある。
8号の改良とも言える。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、テトラキス
(N−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミンの鉄(II
I)錯体を、試薬組成物中に含有させることにより、室
温でもアスコルビン酸等の影響をほとんど受けることな
く液体試料中の測定対象物質を測定することができ、か
つ保存安定性を向上させることができることを見出し、
本発明を完成させた。
質を検出するための試薬組成物において、一般式(1)
で示されるテトラキス(N−ヒドロキシアルキル)エチ
レンジアミンの鉄(III)錯体を含むことを特徴とする
試薬組成物である。
における反応物質又は触媒が挙げられる。前記錯体は、
一般式(1)において、n、m、p、qは、n=m、か
つ、p=qであることが好ましい。
質を検出するための試験片であって、前記試薬組成物を
保持体に保持させた試験片を提供する。また、本発明
は、液体試料中の測定対象物質を検出するための測定キ
ットであって、一般式(1)で示される錯体を含む試薬
組成物と、酸化還元反応により呈色する色原体と、酸化
還元反応における反応物質又は触媒とを含む測定キット
を提供する。
する。本発明の試薬組成物は、液体試料中の測定対象物
質を検出するための試薬組成物において、一般式(1)
で示されるテトラキス(N−ヒドロキシアルキル)エチ
レンジアミンの鉄(III)錯体を含むことを特徴とす
る。
尿等の体液または種々の培養液等が挙げられ、本発明の
試薬組成物の測定対象物質としては、上記液体試料中の
成分であって、酸化還元反応における反応物質又は触媒
となり得るものが挙げられる。また、本発明の試薬組成
物も、測定対象物質を検出するための成分として、同様
に酸化還元反応における反応物質又は触媒となり得るも
のが用いられる。例えば、潜血を検出しようとする場
合、測定対象物質をヘモグロビンとし、過酸化物質と酸
化反応により呈色する色原体とを試薬組成物に含ませ
る。この試薬組成物をヘモグロビンを含む試料溶液に溶
解させると、ヘモグロビンのパーオキシダーゼ様活性に
より過酸化物質と色原体が反応して色原体が酸化され、
呈色する。その際、従来の試薬では、試料中に還元性物
質が存在すると、色原体の酸化が妨げられる結果、測定
値が低下するという問題があった。これに対し、本発明
の試薬組成物では、前記錯体が色原体を酸化させずに還
元性物質を酸化することができるため、還元性物質の影
響を受けずに測定をすることができる。このように、本
発明の試薬組成物は、測定対象物質が、酸化還元反応に
おける反応物質又は触媒である場合に特に効果を発揮す
ることができる。ここで触媒とは、化学触媒及び酵素を
含む。
とができるものであれば、本発明を適用することができ
る。例えば、測定対象物質としては、過酸化物質、グル
コース、コレステロール、グリセリン、ピルビン酸、尿
酸等が挙げられる。試薬組成物に含ませる測定対象物質
を検出する成分としては、測定対象物質に応じて適宜選
択すればよい。例えば、測定対象物質がグルコースであ
れば、試薬組成物にはグルコースオキシダーゼを含め、
これとグルコースの酸化により生じる過酸化水素によっ
て呈色する色原体とを用いればよい。同様に、測定対象
物質がコレステロールであればコレステロールオキシダ
ーゼ、グリセリンであればグリセリンオキシダーゼ、ピ
ルビン酸であればピルビン酸オキシダーゼ、尿酸であれ
ば尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)を試薬組成物に含ま
せればよい。酸化反応によって呈色する色原体として
は、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、
3,3’−ジアミノベンジジン、o−トリジン等が挙げ
られる。本発明でいう色原体は、化学反応により発色又
は変色、即ち呈色するもののことをいい、また蛍光等の
発光するものも含まれるものとする。
とともに試薬組成物中に含ませてもよいが、過酸化物質
と色原体のように、試薬組成物を保存中に酸化還元反応
が起こり得るものについては、色原体を試薬組成物中に
含ませず、別途用意してキットとしてもよい。キットに
ついては後述する。
されるテトラキス(N−ヒドロキシアルキル)エチレン
ジアミンの鉄(III)錯体を含むこと以外は、酸化還元
反応を利用して測定対象物質を検出する通常の試薬組成
物と変わるところはない。
いて、n=m、かつ、p=qであることが好ましく、n
=m=p=qであることがより好ましく、n=m=p=
q=2であるもの(エチレンジアミンテトラエタノー
ル)が特に好ましい。
等の剤形であっても、溶液であってもよい。また、本発
明に用いる試薬組成物は、緩衝剤を含むことが好まし
い。緩衝剤は、各配位子によって錯体が安定でかつ適当
な酸化力を示すpHとなるように選択される。そのpH
において、各配位子は、色原体、例えばテトラメチルベ
ンジジンを酸化することなく、アスコルビン酸等の還元
性物質のみを酸化できる酸化力を有する錯体生成状態と
なる。緩衝剤は、試薬組成物が液体である場合にはその
pHを、また試薬組成物が乾燥状態である場合には、錯
体を含む試薬組成物を水に溶かしたときの水溶液のpH
を、好ましくは5〜8の範囲、特に好ましくはpH5.
5〜7の範囲にし得るように、種類及び量を調製するこ
とが好ましい。緩衝剤としては、種々用いることが可能
であるが、この範囲内で強い緩衝能を発揮し得るものが
好ましい。具体的には、塩基としてはトリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン(Tris)、ヘペス(Hep
es)等が挙げられ、酸としてはクエン酸、シュウ酸、
リン酸、リンゴ酸、マロン酸等が挙げられ、これらのう
ちから適宜塩基及び酸をそれぞれ選択して組み合わせれ
ばよい。これらの中ではトリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン及びマロン酸を含む緩衝剤が特に好適であ
る。
とが好ましい。界面活性剤によって、試薬成分と測定対
象物質との反応性が向上し、感度向上につながるからで
ある。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、
非イオン性、両性のどれも用いることが可能であるが、
アニオン性、中でもジイソオクチルスルホコハク酸ナト
リウム又はラウリル硫酸ナトリウムが好適である。界面
活性剤は、2種以上を併用してもよい。また、試薬組成
物には2,6−ジメチルキノリン等の増感剤を配合して
もよい。さらに、測定系において必要となる補酵素等を
含めてもよい。
物質を検出するための試験片であって、上記のような試
薬組成物を保持体に保持させたものである。保持体は、
上記試薬組成物を固着できるものであればよく、通常試
験片に用いられているものを使用することができる。具
体的には、濾紙、織布、不織布、ガラスフィルター、メ
ンブンランフィルター、セラミックスまたは焼結体等が
挙げられる。
物及び保持体を用いて、通常の試験片の製造法に従って
製造することができる。例えば、試薬組成物を溶解した
溶液(含浸液)に保持体を浸漬する、あるいは前記溶液
を保持体に塗布する等して、前記溶液を保持体に含浸さ
せ、乾燥させればよい。その際、色原体と過酸化物等の
酸化性物質とが共存すると、試験片の保存中に色原体が
酸化されることがあるため、これらを別々に含む含浸液
を用意し、これらの含浸液を二段階で保持体に含浸させ
ることが好ましい。その際、これらの溶液の一方には、
例えばポリビニルピロリドン等のバインダーを加えてお
くと、クメンヒドロパーオキシド等の過酸化物の揮発を
防ぎ、また保持体中で色原体と過酸化物との接触を減少
させることができる。また、2,6−ジメチルキノリン
等の増感剤をいずれか一方の溶液に配合してもよい。
チレンジアミンの鉄(III)錯体は、予めテトラキス
(N−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミンと鉄(II
I)の塩とから錯体を形成させ、得られた錯体を含浸液
に添加してもよいし、含浸液にテトラキス(N−ヒドロ
キシアルキル)エチレンジアミンと鉄(III)の塩を溶
解し、含浸液中で錯体を形成させてもよい。鉄(III)
の塩としては、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、リン酸第2鉄
等が挙げられる。
即ち一般式(1)で示される錯体を含む含浸液は、その
pHが、好ましくは5〜8の範囲、特に好ましくはpH
5.5〜7の範囲となるように調製されることが好まし
い。
よいし、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂片からな
る把持部の先端に両面テープ等で固定してもよい。
の測定対象物質を検出するための測定キットであって、
一般式(1)で示される錯体を含む試薬組成物と、酸化
還元反応により呈色する色原体と、酸化還元反応におけ
る反応物質又は触媒とを含む。
には、一般式(1)で示される錯体が含まれる。この錯
体は、そのまま試薬組成物中に含まれていてもよいし、
また、水に溶かしたときに一般式(1)で示される錯体
を形成する成分が含まれていてもよい。水に溶かしたと
きに一般式(1)で示される錯体を形成する成分として
は、例えば、エチレンジアミンテトラエタノールと塩化
第2鉄との混合物等が挙げられる。
等の緩衝剤、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ラウリル酸ナトリウム等の界面活性剤、2,6−ジ
メチルキノリン等の増感剤等を含ませてもよい。
は、色原体との酸化還元反応により色原体を呈色させる
ものであり、測定対象物質を検出するための成分であ
る。具体的には、色原体としてテトラメチルベンジジン
を用い、ヘモグロビンのようにパーオキシド様活性を有
する物質を測定対象物質とする場合には、クメンヒドロ
キシパーオキシド等の過酸化物質が用いられる。
とともに試薬組成物中に含ませてもよいが、過酸化物質
と色原体のように、試薬組成物を保存中に酸化還元反応
が起こり得るものについては、色原体を試薬組成物中に
含ませず、別途用意してキットとしてもよい。
る反応物質又は触媒は、それぞれ粉末、粒状、錠剤等の
剤形であっても、また、溶液であってもよい。測定は、
試薬組成物、色原体、酸化還元反応における反応物質又
は触媒を試料溶液中に溶解し、呈色の程度を測定するこ
とによりおこなう。
に説明するが、実施例によって本発明が限定されるもの
ではない。
製造 下記処方1に従って各成分を混合して、本発明の試薬組
成物が溶解している第1段含浸液及び色原体を含む第2
段含浸液を調製した。
を第1段含浸液に含浸し、液から引き上げた後、50℃
で10分間送風乾燥した。次に、これを第2段含浸液に
含浸し、液から引き上げた後、50℃で10分間送風乾
燥し、試験片を得た。
し、5mm×80mmの厚さ0.25mm白色ポリエチ
レンテレフタレート(PET)片の先端に両面テープで
固定した。
物溶液及び色原体溶液として尿中潜血測定用測定キット
を得た。
段及び第2段含浸液を調製し、実施例と同様の方法にし
て、これらの含浸液を濾紙に含浸、乾燥させて試験片を
作製し、PET片に固定した。
加し、溶解させ、試験尿溶液を調製した。この試験尿溶
液に、実施例1及び比較例1の試験片の濾紙部分を浸漬
し、直ちに引き出し、一定温度の下、一定時間反応させ
た後、色差計(日本電色工業製:SZ−Σ90)にて6
40nmの反射率を測定した。
グロビンの添加量を0、0.06、0.2mg/dlと
し、各試験尿溶液に浸漬した試験片を、20、30、3
7℃に一定時間保持して反応させた後、反射率を測定す
ることによって各温度におけるアスコルビン酸の影響を
調べた。実施例1の試験片による測定結果を図1に、比
較例1の試験片による測定結果を図2に示す。
20℃の場合、(b)は30℃の場合、(c)は37℃
の場合の結果である。Hbはヘモグロビンを示し、その
下の数値は試料中での濃度(mg/dl)を示す。
1の試験片ともに、アスコルビン酸が無添加で、牛血製
ヘモグロビンを0.06又は0.2mg/dl含有する
試験尿溶液に浸漬すると良好に青色の発色を示した。
加すると、比較例1の試験片の場合、試験尿溶液の温度
20℃、アスコルビン酸濃度100mg/dlの条件下
では、牛血製ヘモグロビン0.06又は0.2mg/d
lの存在を示す青色の発色を全く示さなかった。
ルビン酸濃度100mg/dlの存在下においても、各
温度で、牛血製ヘモグロビン0.2mg/dlの存在を
示す青色の発色が見られた。
期間経過後に試験尿溶液に浸漬した後、直ちに引き出
し、反射率の測定を行い、測定値の経時変化を追い、試
験片の保存安定性を調べた。なお、試験尿溶液には、ヘ
モグロビンの添加量を0、0.08、0.2mg/d
l、アスコルビン酸の添加量を0、20、50mg/d
lに調製したものを用いた。実施例1の試験片による測
定結果を図3に、比較例1の試験片による測定結果を図
4に示す。
ンを、AsAはアスコルビン酸を示す。それぞれの下に
示される数値は、それぞれの試料中での濃度(mg/dl)で
ある。
存の後に試験尿溶液に浸漬しても良好な青色発色を示し
続けたが、比較例1の試験片は、経時的に青色の発色の
程度が低下するようになった。
は、室温でもアスコルビン酸の影響を受けることが少な
く、一定期間保存した試験片であっても発色性が良好で
あることが明らかとなった。即ち、アスコルビン酸の影
響の温度依存性及び保存安定性が改善されていることが
わかった。
酸の影響を受けにくく、かつ保存安定性の優れた試薬組
成物、試験片及び測定キットを提供することができる。
質を検出するための試験片であって、前記試薬組成物を
保持体に保持させた試験片を提供する。また、本発明
は、液体試料中の測定対象物質を検出するための測定キ
ットであって、一般式(1)で示されるテトラキス(N
−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミンの鉄(III)
錯体を含む錯体含有組成物と、酸化還元反応により呈色
する色原体と、酸化還元反応における反応物質又は触媒
とを含む測定キットを提供する。
尿等の体液または種々の培養液等が挙げられ、本発明の
試薬組成物の測定対象物質としては、上記液体試料中の
成分であって、酸化還元反応における反応物質又は触媒
となり得るものが挙げられる。また、本発明の試薬組成
物における測定対象物質を検出するための成分として
も、同様に酸化還元反応における反応物質又は触媒とな
り得るものが用いられる。例えば、潜血を検出しようと
する場合、測定対象物質をヘモグロビンとし、過酸化物
質と酸化反応により呈色する色原体とを試薬組成物に含
ませる。この試薬組成物をヘモグロビンを含む試料溶液
に溶解させると、ヘモグロビンのパーオキシダーゼ様活
性により過酸化物質と色原体が反応して色原体が酸化さ
れ、呈色する。その際、従来の試薬では、試料中に還元
性物質が存在すると、色原体の酸化が妨げられる結果、
測定値が低下するという問題があった。これに対し、本
発明の試薬組成物では、前記錯体が色原体を酸化させず
に還元性物質を酸化することができるため、還元性物質
の影響を受けずに測定をすることができる。このよう
に、本発明の試薬組成物は、測定対象物質が、酸化還元
反応における反応物質又は触媒である場合に特に効果を
発揮することができる。ここで触媒とは、化学触媒及び
酵素を含む。
とともに試薬組成物中に含ませてもよいが、過酸化物質
と色原体のように、試薬組成物を保存中に酸化還元反応
が起こり得るものについては、色原体を試薬組成物中に
含ませず、別途用意してキットとしてもよい。キットに
ついては後述する。
即ち一般式(1)で示されるテトラキス(N−ヒドロキ
シアルキル)エチレンジアミンの鉄(III)錯体を含む
含浸液は、そのpHが、好ましくは5〜8の範囲、特に
好ましくはpH5.5〜7の範囲となるように調製され
ることが好ましい。
の測定対象物質を検出するための測定キットであって、
一般式(1)で示されるテトラキス(N−ヒドロキシア
ルキル)エチレンジアミンの鉄(III)錯体を含む錯体
含有組成物と、酸化還元反応により呈色する色原体と、
酸化還元反応における反応物質又は触媒とを含む。
成物には、上記錯体が含まれる。この錯体は、そのまま
錯体含有組成物中に含まれていてもよいし、また、水に
溶かしたときに上記錯体を形成する成分として含まれて
いてもよい。水に溶かしたときに上記錯体を形成する成
分としては、例えば、エチレンジアミンテトラエタノー
ルと塩化第2鉄との混合物等が挙げられる。
ン酸等の緩衝剤、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、2,6
−ジメチルキノリン等の増感剤等を含ませてもよい。
は、色原体との酸化還元反応により色原体を呈色させる
ものであり、測定対象物質を検出するための成分であ
る。具体的には、色原体としてテトラメチルベンジジン
を用い、ヘモグロビンのようにパーオキシド様活性を有
する物質を測定対象物質とする場合には、クメンヒドロ
パーオキシド等の過酸化物質が用いられる。
とを錯体含有組成物中に含ませてもよいが、過酸化物質
と色原体のように、試薬組成物を保存中に酸化還元反応
が起こり得るものについては、色原体を試薬組成物中に
含ませず、別途用意してキットとしてもよい。
おける反応物質又は触媒は、それぞれ粉末、粒状、錠剤
等の剤形であっても、また、溶液であってもよい。測定
は、錯体含有組成物、色原体、酸化還元反応における反
応物質又は触媒を試料溶液中に溶解し、呈色の程度を測
定することによりおこなう。
組成物溶液及び色原体溶液として尿中潜血測定用測定キ
ットを得た。
段及び第2段含浸液を調製し、実施例と同様の方法によ
り、濾紙を、これらの含浸液に含浸、乾燥させて試験片
を作製し、PET片に固定した。
Claims (11)
- 【請求項1】 液体試料中の測定対象物質を検出するた
めの試薬組成物において、一般式(1)で示されるテト
ラキス(N−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミンの
鉄(III)錯体を含むことを特徴とする試薬組成物。 【化1】 - 【請求項2】 前記液体試料が、体液である請求項1に
記載の試薬組成物。 - 【請求項3】 前記測定対象物質が、酸化還元反応にお
ける反応物質又は触媒である請求項1または2に記載の
試薬組成物。 - 【請求項4】 請求項1に記載の一般式(1)におけ
る、n、m、p、qが、n=m、かつ、p=qであるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の試薬組
成物。 - 【請求項5】 さらに界面活性剤を含むことを特徴とす
る請求項1〜4のいずれかに記載の試薬組成物。 - 【請求項6】 前記界面活性剤が、ジイソオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウムから
選ばれることを特徴とする請求項5に記載の試薬組成
物。 - 【請求項7】 さらに緩衝剤を含むことを特徴とする請
求項1〜6のいずれかに記載の試薬組成物。 - 【請求項8】 前記緩衝剤は、前記錯体を含む試薬組成
物を水に溶かしたときの水溶液のpHを、5〜8の範囲
にし得ることを特徴とする請求項7に記載の試薬組成
物。 - 【請求項9】 前記緩衝剤が、トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン及びマロン酸である請求項7に記載の
試薬組成物。 - 【請求項10】 液体試料中の測定対象物質を検出する
ための試験片において、請求項1〜8のいずれかの試薬
組成物を保持体に保持させた試験片。 - 【請求項11】 液体試料中の測定対象物質を検出する
ための測定キットであって、一般式(1)で示される錯
体を含む試薬組成物と、酸化還元反応により呈色する色
原体と、酸化還元反応における反応物質又は触媒とを含
む測定キット。 【化2】
Priority Applications (6)
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