JPH09329235A - 内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線材およびその製造方法 - Google Patents

内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線材およびその製造方法

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JPH09329235A
JPH09329235A JP33818196A JP33818196A JPH09329235A JP H09329235 A JPH09329235 A JP H09329235A JP 33818196 A JP33818196 A JP 33818196A JP 33818196 A JP33818196 A JP 33818196A JP H09329235 A JPH09329235 A JP H09329235A
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peripheral rail
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oil ring
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Takao Karaoke
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨代を低下可能な2ピース型オイルリング
用異形鋼線材およびその製造方法の提供。 【構成】 2条の外周レール部の高さの差δが0.01
mm以下、2条の外周レール部の内側の角部の高さ先鋭
度の差が0.03mm以下である断面の対称性に優れる
題記鋼線材ならびにロールによる溝状凹部形成時の該溝
を、その底部と側壁部を大きな曲率半径で結んだ形状と
する題記鋼線材の製造方法および断面形状の修正圧延方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種内燃機関に用
いられる2ピース型オイルリング製造用断面異形鋼線材
およびその製造方法の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用鋼製オイルリングの型式とし
ては、略長方形断面のエッジワイズに曲げ成形された2
本のC字形リングおよび1本のスプリングの計3本から
なる3ピース型と、1本の異形断面の溝付きC字形リン
グおよび1本のスプリングの計2本からなる2ピース型
の2種類がある。両者とも内蔵する上記スプリングによ
ってシリンダ内壁面に一定の接触圧力で接触して、余剰
の潤滑油を掻き落す役割をなすものである。2ピース型
オイルリングは主にディーゼルエンジンに使用されてい
るが、近年、エンジンの高性能化(高回転,高出力,低
燃費,潤滑油消費量の低減)および、軽量・コンパクト
化を達成するために、ピストンリング材の高機能化(耐
摩耗性・耐腐食性の向上等)が進行中である。
【0003】このため、材質面においては低合金鋼から
高合金鋼へと急速に移行しつつある。しかし、一方、低
廉性の点からより低合金化する動きもある。また、断面
形状においては、高性能・高強度のスチール製オイルリ
ングとして全体の断面寸法を小さくし、さらにシリンダ
内壁面と接する部分である2条の外周レール部の幅が薄
く、かつ該レール部間の溝深さが深くなるなど、オイル
リングの断面がより異形の度合いを強めており、これは
断面形状成形を困難化している。
【0004】図5Aに2ピース型オイルリング用異形鋼
線材の断面形状例を示す。断面形状は、概略H字形であ
り、図上で上方に一対として伸びる部分1aを外周レー
ル部、下方に一対として伸びる部分1bを内周レール部
および左右のフランジ部Fを結ぶ部分1cをウエブ部と
呼称する。ウエブ部1cには、油孔1dが設けられてお
り、またウエブ部は、その少なくとも一方に平面状部分
を有し(通常は図5Aに示すように両方とも平面状)、
これらの平面部,および後述のが外周レール部の
高さの差の測定の規準面となる。また、全体の断面形状
は、後述のカーリング時の中立面がウェブ部1cの厚み
のほぼ中心となるよう定められている。
【0005】線材メーカは、通常上記断面形状の油孔付
きの焼入れ焼戻し熱処理済みの線材をピストンリングメ
ーカに納入する。ピストンリングメーカでは、上記線材
に対して、通常、(i)外周レール部側が外周なる方向
へリング状に曲げ成形(カーリング)、(ii)切断して
C字形リング化、(iii)熱安定と形状矯正のための熱矯
正、(iv)荒研磨、(v)窒化等の表面処理、および
(vi)仕上研磨、の各加工、処理を施してオイルリング
とする。前記ピストンリングメーカの各加工、処理の
内、最も工数の大きいものは研磨(荒+仕上)加工であ
る。
【0006】上記研磨は上下面(図5Aでは左右面)、
およびシリンダ内壁面と摺動する外周レール部1aの頂
面(外周レール面)について行なわれる。このうち、外
周レール頂面の研磨の目的は、シリンダ内で全周に亘っ
て所定の面圧を生じて設計通りの潤滑油掻き落し能力を
発揮させるためであり、高速摺動接触面として所定の表
面粗さを得ると共に、塑性加工ままの異形鋼線材が有す
る断面とカーリング形状の不完全性をなくすためであ
る。このうち、断面の不完全性とは両外周レール面の相
互の高さの差が大きいこと、外周レール部の各角部の丸
み、ないしは面とり状の部分が大きい(先鋭度が低い)
こと、頂面の中高があること等であり、これらを頂面を
研削加工を施すことで除去改善し、2条の外周レール頂
面の高さを一致化させ、シリンダ内壁面との接触角と接
触部幅を所定の範囲とする。
【0007】なお、熱矯正は、線材メーカでの焼戻し温
度以下の温度で行なわれるため、カーリング後の形状バ
ラツキを十分除去することはできない。またこの処理で
残存した形状のバラツキは上記研磨で完全に除去するこ
とはできない。なお、ピストンリング完成品について、
その外周レール部の相互の高さの差を、米国特許No.
4214762は0.0004in.(≒0.01mm)以内が望ましい
こと、また米国特許No.3752490はその許容差
が0.015mm程度であることをそれぞれ開示してい
る。また、英国特許No.2129091は高い角部先
鋭度とすることが好ましいことを開示している。
【0008】断面が異形の鋼線は、異形孔型を有するロ
ールやダイス等の工具を使用して圧延や引抜きによって
成形されるので、これらの製品と工具の関係は、一般に
雄雌の関係となる。したがって、製品に先鋭な角を形成
するには、工具には鋭い隅部を形成することが必要であ
る(一対のロールの作業面が組み合わされて隅部を形成
する場合を除く)。しかし、このことは、工具に応力集
中を招くこと、工具の製造工数、特に研磨仕上工数を格
段に増加することにつながり、さらに、製品の角部の先
鋭度はある限度までは、工具の隅部の鋭さに関係する
が、それ以上では一般に飽和する。この飽和を遅らせる
には、軟質の被加工材に強圧下を加えることを意味し、
前者は素材の低合金化を、後者は工具に高い負担を強い
ることに通ずる。
【0009】したがって、従来、工具の製造コスト、割
れ発生等の点から、外周レール部の各角部の先鋭度は、
比較的低く許容されていた。すなわち、図5Bは、外周
レール部の各角部の高さ先鋭度を説明する図であり、高
さ方向の先鋭度をC1,C2(互いに外側となる角部の高
さ先鋭度)、Ch,CL(互いに内側となる角部の高さ先
鋭度(以下、単に先鋭度と記す)で、h,Lはそれぞれ高
い、低い外周レールを意味する)で示すが、角部先鋭度
はR(半径)または面取り状として、0.15mm〜
0.1mm以下程度と大きく許容されていた。しかし、
角部が上記程度の先鋭度では、十分なオイル掻き落し能
力とその均一性を発揮できないので、ピストンリングメ
ーカでは上記のように研削加工によって、外周レール部
頂面を例えば、0.05mm(半径)程度削り落し、外
周レール部の当り幅、平坦度およびエッジの先鋭度を改
善している。
【0010】しかし、最近になり、ピストンリングメー
カは、一層の原価低減と、性能のバラツキの小さいオイ
ルリングの実現のため、線材メーカに対してより高い形
状精度の異形線材の開発を求めてきており、また頂面の
研削代も例えば0.02mm(半径)程度に低下してい
る。そして、そのオイルリング用材に求められる要求内
容は、先鋭度を高く(数値を小さく)すること、外周レ
ール部の当り幅の寸法バラツキおよび外周レール部両側
斜面の角度バラツキをそれぞれ小さくすること、2条の
外周レール面の高さの差δを小さくすること等である。
しかし、従来、外周レールの高さの差δが実質的にコイ
ル全長について0.010mm以下を満足するもの、両
外周レール部の内側の先鋭度CLとChがともにコイル全
長で実質的に0.08mm以下を満足するものは得られ
ておらず、さらにChとCLの差も0.04mm以上と大
きいものであった。
【0011】角部先鋭度を高くする加工方法として、本
発明者は特願平6−253104号により、外周レール
部の両側の斜面の圧下方向を、従来外周レール部の突出
方向の逆の方向としていたのに対して、突出方向に対し
て横方向とすることで、2条の外周レール部の特に外側
の角部の先鋭度(図1のC1,C2)を高くする加工法を
提案した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ピストンリ
ングメーカでの研磨代、特に荒研磨代の低減、熱矯正の
簡略化、およびリング成形品の2条の外周レール部の高
さの差の縮少や高先鋭度化を単独または複合して達成可
能なオイルリング用異形線材およびその製造方法を提供
することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、2ピース型
オイルリング用異形鋼線材の製造方法について種々テス
ト、検討した結果、線材の溝状凹部を形成するための工
具の突起として、従来の方式、つまり溝状凹部の形状に
準じて台形状突起としたものから、可能の限り大きい円
弧と直線からなる形状の突起に変更することにより、特
に溝状凹部形成の初期段階で、溝状凹部となる部分の肉
の左右方向への流れが容易化、かつ左右均等化されるこ
と、これにより断面形状のうち最も肉の盛り上がり作用
が及び難い隅部であるレール頂部の盛り上がりを、実質
的にコイル全長に亘り十分となし得ること、これにより
工具の孔型に忠実な、したがって断面の対称性に優れ、
かつコイル内を通じて欠肉のない当該用途用線材を得る
ことができることを知見した。また、本発明者は断面の
対称性の評価指標として、外周レール部の高さの差と先
鋭度の差が適していることを見出した。
【0014】本願の第1の製造方法発明によると2条の
外周レール部の高さの差δを0.010mm以下とする
ことが可能で、この時、各角部の先鋭度の差も縮少し、
特に内側先鋭度の差を0.03mm以下、またはさら
に、該内側先鋭度をいずれも0.08mm以下とした異
形鋼線材を得ることができることを見出した。そして、
このように高さの差δや先鋭度の差が少なく製作された
異形線材は、カーリング形状を高精度に維持することが
できることがわかった。また、この線材は両外周レール
頂面を、例えば図4のように実質的に頂面が専ら軽圧延
されるように圧下したとき、加工量が左右でほぼ均等と
なるため、この加工による曲りの発生は少なく、特に曲
りの方向が左右に交互に変化する頻度を少なくして、先
鋭度と高さの差δの少なくとも一方、通常は両方が改善
され、効果的となることがわかった。
【0015】すなわち、本願のオイルリング用異形鋼線
材は、シリンダ壁との摺動部となる2条の外周レール部
を有する内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線
材において、前記2条の外周レール部は、実質的に1コ
イル内を通じて、下記,およびのいずれかの基準
面からの高さの差δが0.010mm以下、上記2条の
レール部の内側の高さ先鋭度の差が0.03mm以下で
ある断面の対称性に優れることを特徴とする内燃機関の
2ピース型オイルリング用異形鋼線材、 前記外周レール部間の溝底の平面部、 反外周レール部側に2条の内周レール部があり、該2
条の内周レール部間の溝底の平面部、 前記内周レール部は、前記外周レール部に比し丈の根
本幅に対する比が小さく、該一対の内周レール部の頂部
を結ぶ平面である。
【0016】本発明の2ピース型オイルリング用異形鋼
線材は、両外周レール部の高さの差および内側角部の先
鋭度(Ch,CL)の差が小さいことで端的に表わされる
ように左右の対称性が高いから、カーリングの形状、寸
法を高精度とすることができるから間接的に、また断面
形状としての外周レール部の高さの差δや内側の先鋭度
(Ch,CL)がともに小さいから直接的に、研磨代を増
加することなく、または研磨代を低下しても、リング成
形品の外周レールの高さの差や先鋭度を、それぞれ向上
し、または低下防止することができ、さらに、カーリン
グ精度が高いから、熱矯正を簡略化可能とすることがで
きる。なお、本発明において、カーリングの精度とは、
カーリングでの曲率半径の変動とカーリング軸に対する
線材の断面の傾きを含む。
【0017】また、上記外周レール部の高さや先鋭度の
差を小さく規制すること、つまり対称性を保持すること
は、実質的に欠肉を防止することを意味し、1コイル内
の欠肉等による断面形状の変動幅をも小さく規制するこ
とになるから、これはカーリング曲率の変動を抑制する
と考えられ、またこれは、特定の1断面の測定データが
コイルを代表することに繋がる。
【0018】本発明の鋼線材で外周レール部は1コイル
内を通じて実質的にその高さの差を0.01mm以下、
内側先鋭度の差を|CL−Ch|を0.03mm以下とし
たが、その理由はこの条件が本発明の鋼線材を従来の鋼
線材から数値的に差別化し、またこの断面形状の対称性
を維持することがカーリング形状を高精度に維持するた
めの条件であるからである。従来のコイル材でもコイル
中の特定の断面がδ≦0.010mm、|CL−Ch|≦
0.03mmを満足することはあったが、1コイル内を
通じて実質的に上記の条件を満足するものはなかった。
前述のUSP No.4214762号、同No.37
52490号やUKPNo.2129091号は、いず
れもオイルリング完成品、つまりカーリング後、研磨仕
上した後の外周レール部の高さの差や角部の先鋭度の望
ましい範囲等を示したものである。
【0019】これに対して、本願発明は、オイルリング
用異形線材について、断面の対称性、および断面の完成
度の指標としてこれらの数値を規定したものであり、こ
の高対称性によりカーリング形状の高精度化、および、
その断面の完成度により研磨代を低減可能とし、また
は、カーリングの高精度化により熱矯正を簡略化等を達
成せんとするものである。なお、該発明で外周レール部
の高さ先鋭度として、内側角部のみを選定した理由は、
外側の先鋭度は前記特願平6−253104号の技術等
で改善可能であるからである。
【0020】次に、本願の製造方法は、カーリングによ
り内周および外周となるそれぞれの側に溝状凹部を有す
る内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線材の製
造方法において、少なくとも一方の前記溝状凹部の成形
は、断面形状で、幅方向中央に実質的に唯一の頂面の丸
みが製品の溝幅の10%以上の曲率半径を有する突起
と、その両側に該突起からの距離とともに左右対称に垂
下する斜面を有する工具により押圧するものであること
を特徴とする内燃機関の2ピース型オイルリング用異形
鋼線材の製造方法(製造方法第1発明)、およびカーリ
ングにより内周および外周となるそれぞれの側に溝状凹
部を有する内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼
線材の製造方法において、概略形状が完成後の被成形材
の2条の外周レールの頂面を専ら圧下して、外周レール
部の高さの差および高さ先鋭度の差の少なくともいずれ
かを改善することを特徴とする内燃機関の2ピース型オ
イルリング用異形鋼線材の製造方法(製造方法第2発
明)である。
【0021】本願の製造方法の第1発明を、従来の製造
方法と対比することにより説明する。従来の台形状突起
を有する工具、例えばロール相互による圧延成形方法で
は、ウェブ部となる部分は、ロールの台形状の上底部間
で平板状に圧延されて専ら素材の長さ方向に伸びようと
し、この伸びに牽引されて、内外周のレール部を含むフ
ランジ部分は、その部分が圧下により減面されて伸びよ
うとする以上に長さ方向に伸ばされるため、肉の盛り上
がり作用が減殺される。ロールやソリッドダイスによる
引抜きでは圧延の場合より、さらに肉の盛り上がり作用
が減殺される。
【0022】特に外周レール部は内周レール部に比し、
図5Aに示したように、根本部分の幅に対する高さが大
きく、かつ頂面幅が狭いから、表裏の溝状凹部となる部
分の肉は内周レール側へは容易に流れて該部のロール孔
型内に充満し、内周レール側の高さや角の先鋭度を高め
易いが、外周レール側、特にその先端部では肉が不足す
る。
【0023】さらに、一般に、当該異形鋼線材のように
被圧延材の幅方向中央部を強く圧下する圧延において
は、圧延孔型中心に対して被加工材が左右のいずれか一
方に偏倚するが、上記工具の台形状突起の両肩の角部
は、最薄部にあり、かつ大きい角張り(小曲率半径であ
り、かつその両側の部分が大きい角度を有する)を有す
るから、肉流れの自己修正性(一方の充満度が高いと該
方の内圧が高まり、他方へ流れる作用が生ずることによ
る)を害し、したがって、一方の外周レール部では、肉
の盛り上がりが十分(または過度となってバリが発生す
るような)な場合でも、他方は肉不足となる。上記の結
果、肉不足となった側では被加工材が工具の溝底に接触
し難く、先鋭度も高さも不十分となるとともに、さらに
断面の対称性が劣化し、これが前述のようにカーリング
形状精度を低下する(しかし、被加工素材の微小な曲り
によって偏倚は頻繁に左右が入れ換わることが判明して
いる)。
【0024】また、前述からも判るように、従来のオイ
ルリング用異形鋼線材において、その断面形状に関する
データは、鋼線全長を代表するものとはみなせなかっ
た。すなわち、1コイルの先端および後端(コイルを切
断してその途中から試料を採取することは、コイルを短
尺化して、カーリング能率を大きく阻害することにな
る)から、試料を採取して、それを拡大投影器等により
断面形状を測定したとしても、それらのデータは単にそ
の試料採取位置での値であり、コイル全体を代表し得る
値とは言えない。すなわち、従来の製造方法では、圧延
または引抜きによる溝状凹部の異形成形段階で、被加工
材はロール孔型中で、左右いずれかに強く偏倚し、か
つ、この偏倚は被加工材の微小な曲り等により、左右に
変化し易く、かつ特に外周レール頂面は、左右とも、工
具の溝底部に対して十分な盛り上がり作用をもって接す
ることが少なく、外周レール頂部の形状は不十分となっ
ていた。
【0025】従来の製造法に対して、本願の製造方法の
第1発明では、被成形材は望ましくは長方形、または円
形断面等からの成形過程が、断面形状で、幅方向中央の
先端が大きな丸みを有する突起部とその両側に該突起か
らの距離とともに左右対称に垂下する斜面を有する工具
により押圧される。その結果、図3に示すように、斜面
が圧力Pにより押圧されることにより、ウェブ部1cに
は、左右方向の引張り応力phと塑性流れが生じ、該部
の長手方向への伸びは抑制され、該部によるフランジ部
F(外周レール部1a、内周レール部1bおよびこれら
の中間部1dからなる)を長手方向へ引き伸ばす作用は
低下すると共に、この塑性流れによりフランジ部Fに
は、大きな内圧力Pl,Prが発生し、これらの圧力は外
周レール部1aの頂面や角部の隅部へも強い盛り上がり
作用pcを生じて、該部を工具の孔型に忠実な断面形状
化する。
【0026】圧力Pl,Prに不均衡が生じた場合、その
圧力差により自己修正作用が生ずる。この自己修正作用
は、工具の孔型形状Aのウェブ部1cの特に薄い部分に
大きな角張りが存在すると大きく阻害される。したがっ
て、本発明では、実用的に十分な自己修正作用を発揮さ
せるための限界として、ウェブ部に最薄部を与える工具
の突起の曲率半径は製品の溝幅の10%以上とした。こ
の突起の曲率半径を溝幅の50%程度以上、特に100
%以上とすることは台形形状に次第に近づけることを意
味するから、曲率半径を溝幅の10〜100%程度とす
ることがよく、望ましくは20〜50%、さらには30
〜40%程度とするとよい。上記自己修正作用を最大に
発揮する孔型形状は図4に示すように単一の半径R1
2でなる孔型の一対と思われる。なお、本発明の工具
の孔型形状は上下の一方のみでも有効である。
【0027】以上の知見から、本発明者は、円形断面ま
たは長方形状断面の素材に対して、その特に初期の圧延
パスを図1,2および図3に示す孔型のロールとし、そ
の後順次仕上形状の孔型(台形)に移行するロールによ
る圧延でテストした。これらのテストロールによる結果
から、被加工線材がC 0.3〜1.5%、Cr 18〜
25%、またはさらにMoとWの1種もしくは2種をM
o+1/2Wで5%以下を含むもの、またはさらには1
0%以下のCoおよび2%以下のV,Nb,Cuの1種
または2種以上を含み、残部Feよるなる等の高合金
で、かつ外周レール部が薄肉状で溝状凹部が深い異形度
の高いものであっても、前記のように左右の肉の盛り上
がり作用がコイル材の全長に対して安定、かつ左右平衡
して強く、したがって左右ともバリを生ずることなく、
左右の対称性に優れ、したがってカーリング形状のバラ
ツキを少なくすることが可能であることがわかった。
【0028】また、内周レール部の盛り上がり作用は、
その断面形状から外周レール部より大きく、ロール孔型
形状に一致し易いから、前述のようにして左右に均等な
変形状態で製造された線材では、δの測定方法として、
コイルの長さ方向の任意の位置で、内周レール頂面と外
周レール頂面間の寸法を左右について通常の外側マイク
ロメータ等で測定して比較するという極めて簡単な方法
を採用することが可能であり、またこの値から角部先鋭
度を推定することができることがわかった。
【0029】本発明の異形鋼線材において、圧延または
引抜加工中の線材は、その肉が孔型の外周レール部に対
応する左右の溝部にも全長に亘って左右ほぼ均等、かつ
十分に充満して該溝底に強い盛り上がり力を以って接触
するから、2条の外周ロール部の形状は、主にロールの
孔型形状に依存して、1コイル内の特定の断面の測定デ
ータは、ほぼコイル全長の断面を代表するとみなし得
る。
【0030】本願の製造方法の第1発明によると、外周
レール部の高さの差δを0.008mm以下、0.00
5mm以下、またはさらに前述の図4の方法により、δ
を0.004mm以下とするともに、CL,Chをそれぞ
れ0.05mm以下または0.04mm以下、|CL
h|を0.02mm以下とすることも可能である。な
お、本願の製造方法の第1発明は、ロールによる圧延、
引抜きおよびダイスによる引抜きに適用できる。第1発
明により製造された左右の対称度が高い材料に対して、
本願の製造方法の第2発明により外周レールの頂面部を
専ら圧下する場合、圧下が左右で均等化されているので
圧下による過度の曲りや捩じれの発生を抑制して外周レ
ール部の高さの差や先鋭度の精度を向上することができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施例1)表1のA〜Cに示す化学成分(重量%)の
平線(2.0×3.2mm)材料を準備し、図1,2お
よび図3(2ロール型)に示す孔型を有するロールによ
り、No.1および2パス圧延する、総パス回数5パス
を経る圧延(本発明法)と、総パス回数5の台形状突起
を有するロール対による従来法(但し、第5パス目のロ
ールは本発明の場合と共通)により、所定断面寸法のオ
イルリング用異形鋼線材を製造した。本発明製法におい
ても、いずれの材質とも異常なく仕上げ形状とすること
ができた。各コイルのそれぞれ5箇所から試料を採取
し、倍率100倍の投影器による断面形状測定と、外側
マイクロメータによる外周レール部高さの差δの測定を
行なった。このうち、表2に図1のロールによる表1の
材質Bでの結果を示す。但し、表2において、投影器法
によるδの基準面は外周レール間の平面であり、また左
・右の欄は、外周レール部の高い方を示す。他のロール
および材質についての結果もほぼ同様であった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】表2の本発明製法(第1発明・・・以下同じ)
および従来製法とも線材の高さの差δの測定結果におい
て、外側マイクロメータ法による値は、投影器法に比
し、外周レール部の高い方が右側のときは0.002〜
0.001mmだけ小さく(左側の時は0.001〜
0.002mmだけ大きく)なる関係にあることがわか
る。そして、この差は、工具(ロール)製作誤差による
と考えられ(右側の内周レール部に相当する溝が浅い)、
外側マイクロメータ法で測定した場合は、正しくはその
ロールの組合せによる補正値とすべきであることがわか
る。
【0035】また、表2で、本発明製法によるものも従
来製法によるものも、CL>Ch、つまり外周レール部の
高さの高い方が角の先鋭度も高いこと、本発明製法の線
材は、従来製法による線材に比し、高さの差δが0.0
10mm以下であり、CL−Chも0.03mm以下と小
さく、高い対称性を示すこと、CLは0.08mm以下
であることがわかる。
【0036】これに対し、従来製法による線材では、外
周レール部の高さの差δが0.019mm以下と大き
く、またChはかなり小さく先鋭度は高いが、CL、した
がってCL−Chは0.04mm以下と大きく不十分で対
称性が低いことがわかる。したがって、カーリング誤差
が仮に0となった時でも、2条とも所望の高さ先鋭度と
するための総研削代はδ+CLの値を勘案して大きくす
べきことがわかる。なおコイル中の位置によってはコイ
ル中の位置No.3のように頂部の高さの差δ、CL,Ch
およびCL−Chともかなりよい所もあることがわかる。
なお、図2に示すロール対は、2ロールによる簡便さは
あるが、外周レール部となる部分の肉の盛り上がり作用
は、上ロールにより殺ぐ傾向となり、またロールの割れ
を発生し易いから、図1による方法が望ましい。
【0037】次に実施例1で製作したコイルを連続焼入
れ焼戻し熱処理し、カーリングテストした結果、カーリ
ング後の連続螺旋コイル状態の目視、およびこのコイル
を引張りコイルバネ状に引き伸ばしたときの比較で本発
明製法による異形鋼線材は、従来製法によるものに比
し、カーリング形状のムラが明らかに少ないことが確認
された。また、それぞれの連続コイルを切断してC字形
とした時の合い口の上下関係のバラツキの比較で本発明
製法によるものは、従来法のものに比し、はるかに優れ
ていた。
【0038】(実施例2)実施例1で得た本発明製法お
よび従来製法の異形鋼線材を図4に示す方法で、実質的
に外周レール頂面部のみを圧下する圧延方法により、頂
面の高さの差および高さ先鋭度を改善するテストを行な
った。テストの結果、本発明製法によるものは、使用し
たロール自体の溝深さ誤差のため、頂面の高さの差は
0.005μm以下程度とに改善され、また、先鋭度は
L,Chとも0.03mm以下とすることができた。従
来製法によるものは、辛うじて2条の外周レール部とも
ロールと接触する程度であり、高さの差はかなり改善さ
れ、Chも0.04mm以下程度まで改善されたが、CL
はほとんど改善されず、かつ線材の直線性が劣化した。
【0039】(実施例3)表1のDに示す化学成分の長
方形断面素材から、無作為に本発明製法用に10コイ
ル、従来製法用に10コイル、計20コイル選定し、こ
れらから実施例1と同要領で図5Aに示す断面形状の熱
処理済みの2ピース型オイルリング用異形鋼線材をそれ
ぞれ製作し、全量カーリングテストに供した。なお、熱
処理硬さおよびカーリングの条件は、リングメーカのそ
れにほぼ準じた。その結果、本発明製法によるものおよ
び従来製法によるものの折損回数は、それぞれ15回お
よび26回であった。
【0040】すなわち、本発明製法によるものは、折損
回数が約60%に低減されている。この原因は、従来製
法によるものでは、フランジ部のうち、特に外周レール
の角部がウェブ部の長手方向の強い変形に引きづられて
無理に引き伸ばされたためと考えられる。
【0041】(実施例4)実施例3のカーリングテスト
前の各コイルの先端および後端より、それぞれ1.0m
のサンプルを採取し、横曲り(図1の上下方向の曲り)
およびねじれを測定した結果を表3にまとめて示す。本
表から本発明製法による鋼線材は、従来製法によるもの
に比し、横曲り、捩じれとも約1/3程度となることが
わかる。但し、従来製法によるものも規格値を越えるも
のはなかった。この差の原因は最終圧延での素材の対称
性に起因するもの思われる。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の異形鋼線
材は、特に2条の外周レール頂部の形状が正確であるか
ら、これによる直接的効果と断面の対称性が高いことに
よる高カーリング精度とにより、リングメーカでの研磨
総量の低減、熱矯正の簡略化、または仕上形状の高精度
化を達成することができる。また、本発明の2ピース型
オイルリング用異形鋼線材の製造方法第1発明は、従来
の台形状凸部を有する工具による内外周レール部間の溝
状凹部となる部分の平板圧縮状態を、工具として丸状凸
部を有するものとすることで、該部の肉を左右方向へ、
均等に分配し、かつ自己修正作用を十分に発揮させるこ
とで、特に外周レール部への盛り上がりを均等かつ強化
して、工具の孔型に忠実な形状に成形することを可能と
したものであり、また製造方法第2発明は、外周レール
部を専ら圧下して、外部の高さの差および先鋭度の差を
小さくして、ともにリングメーカでの加工を容易化可能
とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製法に使用したロール孔型形状を示す図
の第1例である。
【図2】本発明製法に使用したロール孔型形状を示す図
の第2例である。
【図3】被加工材の肉の流れを説明する図である。
【図4】実施例2で使用した外周レール部の高さの差δ
および高さ先鋭度を修正したロールの孔型の図である。
【図5】Aは2ピースオイルリング用異形鋼線材の断面
形状の例を示す図であり、Bは外周レール部の高さの差
δおよび高さ先鋭度を説明する図である。
【符号の説明】
1a 外周レール部、1b 内周レール部、1c ウェ
ブ部、1d 油孔、δ外周レール部の高さの差、C,C
h,CL 角部の高さ先鋭度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ壁との摺動部となる2条の外周
    レール部を有する内燃機関の2ピース型オイルリング用
    異形鋼線材において、前記2条の外周レール部は、実質
    的に1コイル内を通じて、下記,およびのいずれ
    かの基準面からの高さの差δが0.010mm以下、上
    記2条のレール部の内側の高さ先鋭度の差が0.03m
    m以下である断面の対称性に優れることを特徴とする内
    燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線材。 前記外周レール部間の溝底の平面部、 反外周レール部側に2条の内周レール部があり、該2
    条の内周レール部間の溝底の平面部、 前記内周レール部は、前記外周レール部に比し丈の根
    本幅に対する比が小さく、該一対の内周レール部の頂部
    を結ぶ平面。
  2. 【請求項2】 2条の外周レール部の内側の高さ先鋭度
    が実質的に1コイル内を通じて、いずれも0.08mm
    以下である請求項1の内燃機関の2ピース型オイルリン
    グ用異形鋼線材。
  3. 【請求項3】 カーリングにより内周および外周となる
    それぞれの側に溝状凹部を有する内燃機関の2ピース型
    オイルリング用異形鋼線材の製造方法において、被成形
    材は、少なくとも一方の前記溝状凹部の成形が、断面形
    状で、幅方向中央に、頂面の丸みが製品の溝幅の10%
    以上の曲率半径の、実質的に唯一の突起と、その両側に
    該突起からの距離とともに左右対称に垂下する斜面を有
    する工具により押圧される過程を経るものであることを
    特徴とする内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼
    線材の製造方法。
  4. 【請求項4】 カーリングにより内周および外周となる
    それぞれの側に溝状凹部を有する内燃機関の2ピース型
    オイルリング用異形鋼線材の製造方法において、概略断
    面形状が完成後の被成形材の2条の外周レールの頂面を
    専ら圧下して、外周レール部の高さの差および高さ先鋭
    度の差、の少なくともいずれかを改善することを特徴と
    する内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線材の
    製造方法。
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