JPH09328824A - 通気換気防湿建物 - Google Patents

通気換気防湿建物

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JPH09328824A
JPH09328824A JP17073196A JP17073196A JPH09328824A JP H09328824 A JPH09328824 A JP H09328824A JP 17073196 A JP17073196 A JP 17073196A JP 17073196 A JP17073196 A JP 17073196A JP H09328824 A JPH09328824 A JP H09328824A
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ventilation
air
wall
layer
building
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JP17073196A
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Michitoku Nonoshita
道徳 野々下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窓等の開閉することなく、自然換気作用を利
用して建物の外壁内及び室内の換気を促進することがで
きる。 【課題解決手段】 建物12の外壁14内の外壁通気層
36は、外壁の下方の空気流入口76から空気を流入
し、屋根に設けられた空気流出口78から建物の外部に
空気を流出する。外壁通気層36より断熱層32を貫通
して設けられた開閉がらり92は、外壁通気層36と居
室20、22の室内空間とを連通し、通気層36内の空
気は、この開閉がらり92を経て居室20、22の室内
空間に入り、室内を換気する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造建物、プレハ
ブ建物等の建物の改良に関し、自然換気作用を利用して
建物の壁内及び室内を換気することができ、特に別荘や
空き家等のように長期に渡って室内を閉め切ることがあ
っても建物の腐朽やかびの発生を有効に防止することが
できるように改良された通気換気防湿建物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、建材の発達が目覚ましく、多種多
様な新建材が盛んに使用されているが、これらの新建材
は、それ自体に含まれている薬品や接着剤に含まれてい
る薬物が発散する傾向がある。また、建物の冷暖房化が
進み、建物は益々密閉化して通風や換気が不良となり、
従って新建材から発散する薬物等が人体に悪影響を与
え、また木材に湿気の付着や結露が生じるため、木材が
腐朽菌によって腐朽したり木材にかびが発生したりして
建物の耐久性を低下する虞がある。
【0003】建物内部に適当な湿気と温度と栄養分と酸
素との4つの条件が揃うと、木材に腐朽菌が繁殖し、木
材を腐朽する傾向がある。腐朽菌が繁殖するのに適当な
条件として、温度は20〜40℃であり、湿度は80%
前後であるが、関東地方の6月から10月までの5ケ月
間の平均温度は21.6℃、平均湿度は81.3%であ
り、これは、腐朽菌の繁殖及び木材の腐朽に最も適合し
ている。特に、湿気は、木材の腐朽やかびの発生を促進
する大きな要因であり、建物の内部に湿気がこもった
り、建物の内部の木材に湿気が付着するのを防止する
と、木材の腐朽やかびの発生を防止し、建物の耐久性を
向上するのに有効である。
【0004】従来技術において、建物の外壁が室内側断
熱層と室外側仕上げ層とこれらの間に設けられた外壁通
気層を備え、この外壁通気層が外壁の下方に設けられて
空気を流入する空気入口と、例えば屋根裏空間を経て棟
換気フード等に設けられて外部に空気を流出する空気流
出口とに連通している建物が提案されている(例えば、
実開平6−47413号公報参照)。しかし、外壁通気
層は、主に室内外の断熱作用を付与する機能を有するに
すぎないため、建物の内部を通気、換気する機能を有し
ていない。また、この外壁通気層は、空気流入口から流
入される空気によって外壁内部を換気しているにすぎな
いので、外壁内は、一方向的に換気されるだけであり、
換気効率が低い欠点があった。
【0005】一方、従来技術では、室内の通気、換気
は、主に、窓、換気扇及びがらり等によって行われてい
た。しかし、これは居住者が窓やがらりを開閉したり、
換気扇を運転又は運転停止したりして行われるので、別
荘や空き家等のように、長期に渡って居住者がいない場
合には、室内の換気が殆ど行われないで、木材の腐朽や
かびを発生し、建物の耐久性を低下する上に衛生上好ま
しくない。
【0006】建物の内部にある空気の一部を室内に導入
するようにした幾つかの建物が提案されている(例え
ば、特開昭61−49047号公報及び特開昭63−3
8847号公報参照)。これらの先行技術のうち、特開
昭61−49047号公報に開示された技術は、建物の
外壁と断熱板との間に密閉した空気層を形成し、この空
気層は、壁内の空洞及び上下の開閉器付きの通気口を介
して室内に連通している。この建物において、外壁と断
熱板との間の空気層には床下空間を囲む壁から開閉器付
き通気口を介して空気が導入される。
【0007】この先行技術は、上下の開閉器付き通気口
を適宜に開閉することによって温度差によって発生する
対流作用のみを利用して空気層内の空気を室内に導入し
ているので、室内の換気が充分に行われ難く、また空気
層は密閉されているので、外部の空気との換気が充分で
ない欠点があった。特に、床下空間には白蟻退治用の薬
剤が散布されたり、重い湿気が籠るため、空気を不純化
する傾向があり、また建物に使用されている防湿布、接
着剤等の建材は薬剤を含んでいるため、外壁と断熱板と
の間の空気層が密閉していると、この薬剤が空気層内の
空気中に放散されて同様に空気を不純化する傾向がある
ので、室内を有効に換気することができない欠点があっ
た。
【0008】また、特開昭63−38847号公報に開
示されている技術は、床下に配置された空気導入ダクト
とこの空気導入ダクトの下流側に配置された気流制御装
置とを備え、この気流制御装置は、昼間にはその上流側
のファンが駆動されて床下空間に空気が充満され、この
空気は、床下空間から外壁空洞、間仕切り壁空洞及び室
内の空間を経て屋根裏空間に上昇し、また、夜間には、
気流制御装置から屋根板内まで延びる延長ダクト内に配
置された上流側のファンが駆動されてこの延長ダクトか
ら屋根板を経て屋根裏空間に空気が充満され、この空気
は、屋根裏空間から外壁空洞、間仕切り壁空洞及び室内
の空間を経て床下空間へ下降する。
【0009】このダクト式の先行技術も、ファンの強制
送風を利用して空気に所定方向の流れを付与するので、
特に居住者がいない空き家のように、最も換気が要求さ
れる建物の自然換気が行われ難く、また先の対流式の先
行技術と同様に、床下空間を利用するので、床下の不純
で有害な空気が室内に導入され、室内の有効な換気を阻
害し、居住者の健康上好ましくない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する1つの課題は、窓等を開閉することなく、また対流
作用又は強制送風作用を必要とすることがなく、自然換
気作用を利用して室内の換気を促進することができる通
気換気防湿建物を提供することにある。
【0011】本発明が解決しようとする他の課題は、特
に、床下空間を経ることなく、従って不純で有害な空気
が室内に導入されることがなく、室内の換気を有効に行
うことができる通気換気防湿建物を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の課題解決
手段は、建物の外壁の断熱層と外部仕上げ層との間に設
けられた外壁通気層を備え、この外壁通気層は、縦横方
向に空気が流れ相互に連通する縦横の空気通路を有し、
且つこの外壁通気層は、外壁の一部に設けられて建物の
外部から空気を流入する空気流入口と外壁又は屋根に設
けられて建物の外部に空気を流出する空気流出口とに連
通している建物において、外壁通気層より断熱層を貫通
して設けられて外壁通気層と室内空間とを連通する第1
の開閉式空気連通手段を備えていることを特徴とする通
気換気防湿建物を提供することにある。
【0013】本発明の第2の課題解決手段は、第1の課
題解決手段による通気換気防湿建物であって、隣り合う
室内空間を間仕切りする間仕切り壁を貫通して設けられ
て隣り合う室内空間を相互に連通する第2の開閉式空気
連通手段を更に備えていることを特徴とする通気換気防
湿建物を提供することにある。
【0014】本発明の第3の課題解決手段は、第1又は
第2の課題解決手段による通気換気防湿建物であって、
空気流出口に連通する間仕切り通気層を含む間仕切り壁
を有し、この間仕切り通気層と室内空間を相互に連通す
る第3の開閉式空気連通手段を更に備え、間仕切り通気
層は床下からの空気の流入が阻止されるように床下の空
間から遮断されていることを特徴とする通気換気防湿建
物を提供することにある。
【0015】本発明の第4の課題解決手段は、第1乃至
第3の課題解決手段のいずれかによる通気換気防湿建物
であって、空気流出口は、強制送風手段を有することを
特徴とする通気換気防湿建物を提供することにある。
【0016】このように、外壁通気層より断熱層を貫通
して設けられて外壁通気層と居室の室内空間とを連通す
る第1の開閉式空気連通手段を備えていると、建物の窓
を閉め切ったままでも、この空気連通手段を介して室内
を常に換気することができる。特に、この開閉式空気連
通手段は、外壁の一部から空気を流入する外壁通気層と
室内とを連通してこの外壁通気層から自然換気作用によ
って室内に空気を導入するので、対流作用や強制送風作
用を付与することなく、外気の風力又は風圧によって空
気を自然に室内に導くことができ、従って、特に別荘や
空き家の如く、長期に渡って居住者が不在である場合に
も、扉屋窓を閉め切ったまま室内の換気を有効に且つ充
分に行うことができる。これは居住者が不在である空き
家又は別荘等の密閉状態の建物の内部に湿気がこもった
り、建材に湿気が付着したりするのを有効に防止するこ
とができ、従って腐朽菌の繁殖やかびの発生を有効に防
止することができる。
【0017】建物が間仕切り壁に設けられて隣り合う居
室の室内空間を相互に連通する第2の開閉式空気連通手
段を更に備えていると、換気が室内全般に渡って均一に
行われる上に、例えば、外壁に接していない中間部屋で
の換気も有効に行うことができて有利である。また、外
壁側の第1の空気連通手段と間仕切り壁側の第2の空気
連通手段とが連動して室内の換気作用が一層向上するの
で有利である。
【0018】空気流出口に連通する間仕切り通気層を含
む間仕切り壁を有し、この間仕切り壁通気層と室内空間
を相互に連通する第3の開閉式空気連通手段を備えてい
ると、室内の空気は、間仕切り通気層を介して空気流出
口に排出することができるので、室内の換気作用が一層
向上する。この場合、間仕切り通気層は床下の空間から
遮断されているので、床下の空間内の不純で有害な空気
や湿気が室内に流入することがなく、室内の有効な換気
を阻害したり、居住者の健康を害することがない。
【0019】空気流出口が強制送風手段を有すると、外
部の風力又は風圧等の自然力の外に、空気流出口出の強
制送風作用が併用されるため、風力又は風圧が弱いか無
風である場合に、この強制送風手段を駆動して換気力の
強弱を調整し、室内の通気換気を促進することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の態様を図面を参照
して詳細にのべると、図1は本発明に係る気換気防湿建
物12の一部を示し、図示の態様では、建物12は、二
階建ての建物で外壁14、内壁16の外に、各階の居室
の間に間仕切り壁18を有するのが示されている。図1
において符号20、22はそれぞれ一階居室、二階居室
を示し、また、符号24、26、28は、それぞれ床
下、天井裏及び屋根裏を示す。尚、図2乃至図4に示す
ように、図示の態様では、建物12は、洋風の大壁造り
であるのが示されているが、和風の真壁造りのものであ
ってもよい。
【0021】外壁14は、図3乃至図5に示すように、
隣り合う柱30の間に配置された断熱層32と、外部仕
上げ層34と、断熱層32と外部仕上げ層34との間で
外壁14の軸組内に形成された外壁通気層36とから成
っている。間仕切り壁18は、図2に示すように、間仕
切り柱(図示せず)に跨がって各階の居室を仕切るよう
に適宜の胴縁38を介して取付けられた間仕切り仕上げ
層40から成っているが、図示の態様では、各居室2
0、22の間仕切り仕上げ層40の間で間仕切り軸組内
に形成された間仕切り通気層42を有する。
【0022】内壁16は、特に図4に示すように、柱3
0の内面及び隣り合う柱30の間に配置して取付けられ
た複数の内側受け間柱44の内面に内側横胴縁46を介
して固定された内部仕上げ材48から成っている。
【0023】外壁14の断熱層32は、図3乃至図5に
示すように、内側受け間柱44の外側に取付けられた外
側横胴縁50と内側横胴縁46との間の空間に充填され
た厚さが例えば50mm以上の断熱材52から成ってい
る。断熱材52が外壁通気層36に張り出すことがない
ようにし、また外壁通気層36内の空気が断熱材52内
に入り込んで停滞することがないようにするために、内
側受け間柱44と外側横胴縁50との間の全面にはアス
ファルトフェルト等の防水性抑えシート54が敷き込ま
れている。
【0024】室外側仕上げ層34は、図3乃至図5に示
すように、竪胴縁56に固定された外部仕上げ材58か
ら成り、竪胴縁56は、柱30(図4参照)又は隣り合
う柱30の間に配置されて取付けられた外側受け間柱6
0に後に述べる外壁通気層用のスペーサを介して固定さ
れている。図示の例では、外部仕上げ材58は、図3に
示すように、竪胴縁56にほぼ間断なく釘止めされたラ
ス下地板62とこのラス下地板62の上に塗り付けられ
たモルタル64とから成っているが、竪胴縁56に直接
釘止め等によって固定された外装材から成っていてもよ
い。
【0025】内壁16用の内側受け間柱44と外壁14
用の外側受け間柱60とは、図4に示すように、土台6
6又は横架材(二階居室用等)に嵌め込んで取付けられ
ている。この土台66は、コンクリート基礎68から延
びる図示しないアンカーボルトによってコンクリート基
礎68に固定されている。一階居室20の床板70は、
土台66に根太掛り72を介して固定された根太74上
に固定されている(図1参照)。
【0026】外壁通気層36は、図1に示すように、断
熱層32と外部仕上げ層34との間に形成されて屋根裏
28の空間に連通しており、外壁14の下端から空気が
流入する空気流入口76と建物の上方から空気を流出す
る空気流出口78とに連通している。空気流入口76
は、図示の態様では、図1乃至図3に示すように、土台
66と外部仕上げ層34との間で外部仕上げ層34の下
端縁付近に取付けられた多孔性の通気部材76Aから成
り(特に図3参照)、また空気流出口78は、図示の態
様では、図1に示すように、屋根裏28に連通する棟換
気フード80に取付けられた換気ファン(強制送風手
段)82を備えている。更に、図1に示すように、外部
仕上げ層34の一階の庇に相応する部分には自然換気口
(空気流入換気口)84が設けられ、外部仕上げ層34
の二階の庇に相応する部分には自然換気又は強制換気兼
用の換気口(空気流出換気口)86が設けられている。
もちろん、空気流出口78は、換気ファン82に代えて
自然換気口から成っていてもよいし、自然換気口84及
び自然・強制兼用換気口86のいずれか一方又は双方は
省略してもよい。
【0027】更に、外壁通気層36は、建物の縦方向
(図3及び図5の縦方向の矢印a参照)と建物の柱28
の外側(室外側)を横切る横方向(図3の横方向の矢印
b及び図4の矢印b参照)との両方向に空気が流れる縦
横の空気通路36A、36Bを有する。縦方向の空気通
路36Aは、空気流入口76と自然換気口84との間を
縦方向に延びているが(図1及び図5参照)、その途中
は図示しない窓枠等によって遮られることがある。横方
向の空気通路36B(図3及び図4参照)は、このよう
な縦方向の空気通路36Aが遮断される部分で空気が停
滞するのを防止する機能を有する。尚、この縦横の空気
通路36A、36Bは、建物12の全周面に渡って相互
に連通するように形成されている。
【0028】図示の態様では、この横方向の空気通路3
6Bは、柱30又は外部仕上げ層34の外側受け間柱6
0と竪胴縁56との間に配置されて横方向に延びるスペ
ーサ88によって形成されている。このスペーサ88
は、特に図4に示すように、外壁通気層36内の空気が
縦方向の空気通路36Aの遮断部分(窓枠等の下側)に
空気を停滞することがない程度に相互に相当の間隔をあ
けて配置されている。従って、外壁通気層36内の空気
は、いずれの部分にも停滞又は滞留することがなく、空
気流入口76から空気流出口78又は自然換気口86に
外壁内の湿気を外に運び出すように、抵抗なく流れるこ
とができる。外側受け間柱60は、図3及び図4に示す
ように、断熱層32の内側受け間柱44に対応して外側
の横胴縁50に固定して配置されている。また、スペー
サ88は、図4に示すように、隣り合う柱30とその間
の外側受け間柱60とに跨がって釘打ち等によって固定
されているので、外壁14に横方向の外力に対する耐力
を補強する機能をも有することが解る。
【0029】本発明の通気換気防湿建物12は、自然通
気換気系統(強制通気換気を併用してもよい)10を含
み、この自然通気換気系統10は、図1及び図2に示す
ように、建物12の外壁通気層36より外壁14の断熱
層32を貫通して設けられて外壁通気層36と一階居室
20又は2階居室22の室内空間とを連通する第1の開
閉式空気連通手段90を備えている。図示の態様では、
この第1の開閉式空気連通手段90は、図示しない操作
紐等で開閉することができる開閉式がらり92の形態で
あるが、例えば、スライド式その他適宜の開閉式空気連
通手段とすることができる。開閉式がらり92は、断熱
層32と内壁16とを貫通して取付けられた枠体94に
気密に装着して取付けられているのが示されている。
【0030】通気換気系統10は、図1及び図2に示す
ように、間仕切り壁16に設けられて隣り合う室内空
間、即ち隣り合う一階居室20Aと20Bとの間及び隣
り合う2階居室22Aと22Bとの間を相互に連通する
第2の開閉式空気連通手段96を更に備えている。この
開閉式空気連通手段96も開閉式がらり98の形態であ
るのが示されている。図示の態様では、隣り合う居室2
0Aと20Bとの間及び22Aと22Bとの間に間仕切
り通気層42を有するので、この開閉式がらり98は、
この間仕切り通気層42を横切って居室20A、22A
側の間仕切り壁16と居室20B、22B側の間仕切り
壁16とに跨がって貫通して取付けられた枠体100内
に居室20A、22A側と20B、22B側とに相対向
して気密に装着されている。
【0031】通気換気系統10は、図1及び図2に示す
ように、間仕切り壁16に設けて各階の居室20A、2
0B、22A、22Bとこれらの居室の間仕切り壁16
間の間仕切り通気層42の間を相互に連通する第3の開
閉式空気連通手段102を更に備えて開る。この開閉式
空気連通手段102も開閉式がらり104の形態であ
り、この開閉式がらり104は、間仕切り壁16を貫通
して取付けられた枠体106に気密に装着して取付けら
れているのが示されている。
【0032】図1及び図2に示すように、間仕切り壁1
6の間仕切り通気層42は、床板70によって床下空間
24からの空気の流入が阻止されるように床下空間24
から遮断されている。従って、床下空間24内の湿気や
薬剤等を含んだ不純な空気が間仕切り通気層42やこの
間仕切り通気層42を介して各階の居室20、22内に
入り込むことがない。
【0033】図1及び図2に示すように、第1乃至第3
の開閉式空気連通手段90、96及び102は、各居室
20、22の上方に設けられており、これは、各居室2
0、22内の通気換気を良好に行う上で好ましいが、こ
れらの空気連通手段90、96及び102は、外壁14
内の全面に渡って形成されている外壁通気層36及び間
仕切り壁18内の全面に形成されている間仕切り通気層
42と各居室20、22との間に形成されるので、任意
の高さ位置に設置することができ、また各居室20、2
2内の空気の流れを円滑にするために、それぞれ上下に
各2つづつ設置することもできる。
【0034】第1の空気連通手段90は、その開放時
に、外壁通気層36から各居室の室内に空気を導入し、
また第2の空気連通手段96は、その開放時に、各階の
居室20Aと20B、22Aと22Bとの間で空気を相
互に連通し、更に第3の空気連通手段102は、その開
放時に、各階の居室20、22から間仕切り通気層42
に空気を導出する機能を有する。これらの空気連通手段
90、96及び102は、図1に示すように、建物12
の外部の風力及び風圧を利用して自然換気作用によって
空気の導入、導出を行うので、ファン等の強制送風手段
を必要としないし、また室内の温度差等による対流作用
を利用しないので、空気の流れは、室内を横切る方向で
あるため、室内の空気の入れ換え及びそれに伴う室内の
湿気や特に新築時の建材から放散される薬剤成分を有効
に外部に排出することができる。通気換気系統10は、
ファン等の強制送風手段を併用することができるが、こ
の場合、間仕切りを開放すると、ファンが小型であって
も各階毎に1つのファンで換気量を相乗的に大幅に増大
することができる。
【0035】本発明の通気換気防湿建物12は、冬期又
は夏期等のように、冷暖房設備を運転していて冬の冷た
い空気や夏の湿気を含んだ暖かい空気が室内に入り込む
場合でも、第1の開閉式連通手段90を全開、半開、閉
止して換気を調整することができ、また冷暖房運転時に
は室内から外壁通気層36内に逆流し、換気量が大幅に
増大する。第2又は第3の開閉式空気連通手段96及び
102は、若し必要なら、開いて、各階の居室相互の空
気を連通したり、各階の居室内の空気を換気の目的で間
仕切り通気層42に導出することができる。
【0036】建物12内に居住者が定住している場合に
は、通常のように、窓を開いて室内を適宜換気すること
ができるが、必要に応じて、窓を閉じたままでも、第1
の開閉式空気連通手段90を開いて自然換気を行うこと
ができる。
【0037】次に、建物が空き家であるか別荘である場
合には、窓を開いて換気することができないので、第1
乃至第3の空気連通手段90、96及び102を開い
て、外壁14内の外壁通気層36と各階の居室20、2
2と間仕切り壁16内の間仕切り通気層42とを相互に
連通して窓を閉じたまま自然換気する。外壁14内の外
壁通気層36は、外壁14の下方の空気流入口76を介
して外気と直接連通しているので、建物12の外部の風
力や風圧によって外壁通気層36に空気の流れが生ず
る。従って、第1の空気連通手段90が開いていると、
外壁通気層36内の空気は、外部からの風力や風圧によ
る空気の流れによって、図1に示すように、各居室2
0、22に流入したり、各居室20、22から外壁通気
層36に流出したりして各居室20、22の室内を換気
する。
【0038】各居室20、22から外壁通気層36に流
出した空気は、図1及び図2に示すように、外壁通気層
36内の他の空気と共に、この外壁通気層36内の空気
に触れる建材の湿気及び建材内の薬剤放散成分を吸収し
ながら自然換気口86及び棟換気フード80の空気流出
口78を経て外部に排出される。従って、各居室20、
22は、恰かも、窓を開いて換気したのと同様の換気が
行われる。
【0039】また、第2及び第3の空気連通手段96及
び102も開いていると、各居室20A、20B相互と
22A、22B相互で空気をやり取りしたり、各居室2
0、22内の空気を間仕切り通気層42に流出する。間
仕切り通気層42に流出された空気は、間仕切り通気層
42を上昇し、屋根裏空間28を経て空気流出口78か
ら流出する。
【0040】第1乃至第3の空気連通手段90、96及
び102は、上記のように、建物12の外部の風力又は
風圧等の自然力を利用して室内を換気するが、季節又は
気象状況に応じて無風状態が続く場合には、棟換気フー
ド80内の空気流出口78用の換気ファン82又は換気
口86に設けられた強制送風手段(例えば換気ファン)
等を運転することによって機械的換気作用を併用して換
気力の強弱を調整することができる。尚、この機械的換
気作用の併用による調整は、季節の外に、地域、時期に
よっても行われる。但し、この機械的換気作用の併用
は、空き家、別荘等のように居住者がいない場合には、
避けるのが好ましい。
【0041】外壁通気層36は、建物12の全周でその
外壁14の軸組内を延びる縦横の空気通路36A、36
Bを有するので、窓のように外壁通気層36が上昇する
のを妨げる障害物があった場合に、横方向の空気通路3
6Bを経て縦方向の空気通路36Aに誘導され、従って
建物の全周に渡って外壁14の軸組内の換気が行われ
る。このように、外壁通気層36が縦横の空気通路36
A、36Bを含んでいると、特に日中日照りが少なく、
湿気の多い北側の外壁14の換気防湿効果が増大するの
で好ましい。
【0042】第1乃至第3の空気連通手段90、96及
び102は、空気が外壁通気層36と各居室20、22
と間仕切り通気層42との間で相互に横方向に流れるよ
うに形成されており、これらの間の空気の流れは、外気
と通気層36、42の温度差による圧力差に基づいても
生ずるが、主たる圧力作用は、既に述べたように、外気
の風力又は風圧である。従って、風圧が特に外壁通気層
36内の換気の強弱に敏感に連動し、無風(なぎ)の場
合には、強制送風手段を駆動しない限り、室内の温度差
による圧力差で換気力とその方向が決まる。
【0043】このように、第1乃至第3の空気連通手段
90、96及び102は、外気の風力の大小、強弱等に
よって通気層32、46と各居室20、22との間の通
風換気が大きく連動し、温度差による換気力を抑えて風
力による換気力、換気方向が決定されることが大きな特
徴である。風圧は、四季を通じて年中起こる現象であ
り、従ってこれらの空気連通手段は、自然と共生し、四
季を通じて換気を調整することができる。
【0044】外壁通気層36及び間仕切り通気層42の
厚みが大きいほど、建物12の換気作用が促進される
が、反面外壁14及び間仕切り壁18の断熱効果が低下
し、これらは、相反する性質があるが、換気が不良とな
ると、断熱材に湿気が生ずる虞があり、断熱材の断熱効
果が低下する。通気層36、42と第1乃至第3の空気
連通手段90、96、102は、建物全体の換気効果、
従って建物全体の防湿効果を向上し、日常生活上の扉、
窓の開閉によって達成される換気と同様の効果を扉、窓
を閉めたままでも達成することができる。
【0045】特に、注目されるのは、扉、窓を閉める
と、外壁通気層36から各居室20、22内に換気され
るが、扉、窓を開けると、逆に各居室20、22の室内
から通気層36(及び42)に換気が発生することであ
る。これは、外壁通気層36及び間仕切り通気層42の
通気、換気効果を一層向上し、外壁14や間仕切り壁1
8内の防湿効果を著しく向上し、従ってこれらの壁の断
熱効果を一層高めることができることである。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、建物の
外壁通気層より断熱層を貫通して設けられて外壁通気層
と居室の室内空間とを連通する第1の開閉式空気連通手
段を備えているので、建物の窓を閉め切ったままでも、
この空気連通手段を介して室内を常に換気することがで
きる。特に、この第1の開閉式空気連通手段は、外壁の
一部から空気を流入する外壁通気層と室内とを連通して
この外壁通気層から自然換気作用によって室内に空気を
導入するので、対流作用や強制送風作用を付与すること
なく、外気の風力又は風圧によって空気を自然に室内に
導くことができ、従って、特に別荘や空き家の如く、長
期に渡って居住者が不在で扉、窓を長期に渡って閉め切
ったままでも、室内の換気を有効に且つ充分に行うこと
ができるので、居住者が不在である空き家又は別荘等の
建物内部の建材に湿気がこもったり、湿気が付着したり
するのを有効に防止することができ、腐朽菌の繁殖やか
びの発生を有効に防止することができる。
【0047】本発明によれば、建物の間仕切り壁に設け
られて隣り合う室内空間を相互に連通する第2の開閉式
空気連通手段を備えているので、室内の全般に渡って均
一に換気を行うことができる上に、例えば、外壁に接し
ていない中間部屋での換気も有効に行うことができて有
利であり、また外壁側の空気連通手段と間仕切り壁側の
空気連通手段とが協働して室内の換気作用が一層向上す
るので有利である。
【0048】本発明によれば、間仕切り室内空間を相互
に連通する第3の開閉式空気連通手段を備えているの
で、室内の空気は、間仕切り通気層を介して空気流出口
に空気を排出することができるため、換気作用が一層向
上する。この場合、間仕切り通気層は床下空間から遮断
されているので、床下空間内の有害成分や湿気を含んだ
空気が室内に流入することがなく、室内の換気を阻害し
たり、居住者の健康を害することがない。
【0049】本発明によれば、空気流出口が強制送風手
段を有するので、外部の風力又は風圧等の自然力の外
に、空気流出口出の強制送風作用が併用されるため、風
力又は風圧が弱いか無風である場合に、この強制送風手
段を駆動して換気力の強弱を調整し、室内の通気換気を
促進することができる。
【0050】本発明によれば、外壁通気層や間仕切り通
気層と各居室の室内とが連通しているために、扉、窓の
開閉によって外壁及び間仕切り壁内の通気層に逆向きに
室内から空気が供給されてその通気効果、従って壁内の
防湿効果を一層向上し、建物全体の防湿性を著しく向上
することができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通気換気防湿建物の略一半部の概
略断面図である。
【図2】本発明の通気換気防湿建物を拡大し、その一部
を省略して示す拡大断面図である。
【図3】本発明に用いられる建物の外壁の一部を切り開
いて示す拡大斜視図である。
【図4】図3の外壁の水平断面図である。
【図5】図3の外壁の垂直断面図である。
【符号の説明】
10 通気換気系統 12 通気換気防湿建物 14 外壁 16 内壁 18 間仕切り壁 20、20A、20B 一階居室 22、22A、22B 二階居室 24 床下空間 26 天井裏 28 屋根裏 30 柱 32 断熱層 34 外部仕上げ層 36 外壁通気層 36A 縦方向の空気通路 36B 横方向の空気通路 38 胴縁 40 間仕切り仕上げ層 42 間仕切り通気層 44 内側受け間柱 46 内側横胴縁 48 内側仕上げ材 50 外側横胴縁 52 断熱材 54 防水性抑えシート 56 竪胴縁 58 外部仕上げ材 60 外側受け間柱 62 ラス下地板 64 モルタル 66 土台 68 コンクリート基礎 70 床 72 根太掛り 74 根太 76 空気流入口 76A 通気部材 78 空気流出口 80 棟換気フード 82 換気ファン 84 自然換気口 86 換気口 88 スペーサ 90 第1の開閉式空気連通手段 92 開閉式がらり 94 枠体 96 第2の開閉式空気連通手段 98 開閉式がらり 100 枠体 102 第3の開閉式空気連通手段 104 開閉式がらり 106 枠体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の外壁の断熱層と外部仕上げ層との
    間に設けられた外壁通気層を備え、前記外壁通気層は、
    縦横方向に空気が流れ相互に連通する縦横の空気通路を
    有し、且つ前記外壁通気層は、前記外壁の外部から空気
    を流入する空気流入口と外壁又は屋根に設けられて建物
    の外部に空気を流出する空気流出口とに連通している建
    物において、前記外壁通気層より前記断熱層を貫通して
    設けられて前記外壁通気層と室内空間とを連通する第1
    の開閉式空気連通手段を備えていることを特徴とする通
    気換気防湿建物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の通気換気防湿建物であ
    って、隣り合う室内空間を間仕切りする間仕切り壁を貫
    通して設けられて前記隣り合う室内空間を相互に連通す
    る第2の開閉式空気連通手段を更に備えていることを特
    徴とする通気換気防湿建物。
  3. 【請求項3】 請求項1又請求項2に記載の通気換気防
    湿建物であって、前記空気流出口に連通する間仕切り通
    気層を含む間仕切り壁を有し、前記間仕切り通気層と室
    内空間を相互に連通する第3の開閉式空気連通手段を更
    に備え、前記間仕切り通気層は床下からの空気の流入が
    阻止されるように前記床下の空間から遮断されているこ
    とを特徴とする通気換気防湿建物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の通気換気防湿建物であって、前記空気流出口は、強制
    送風手段を有することを特徴とする通気換気防湿建物。
JP17073196A 1996-06-11 1996-06-11 通気換気防湿建物 Pending JPH09328824A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016188533A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 大和ハウス工業株式会社 建築物の外壁の湿気排出構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016188533A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 大和ハウス工業株式会社 建築物の外壁の湿気排出構造

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