JPH09328682A - 微生物資材 - Google Patents
微生物資材Info
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- JPH09328682A JPH09328682A JP8170629A JP17062996A JPH09328682A JP H09328682 A JPH09328682 A JP H09328682A JP 8170629 A JP8170629 A JP 8170629A JP 17062996 A JP17062996 A JP 17062996A JP H09328682 A JPH09328682 A JP H09328682A
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- microbial
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/20—Fertilizers of biological origin, e.g. guano or fertilizers made from animal corpses
Landscapes
- Cultivation Of Plants (AREA)
- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ココナット産業廃棄物が微生物に対してきわ
めて高い吸着能力を有することに着目して、これを微生
物坦体として利用する。 【解決手段】 ココナット産業廃棄物に、光合成細菌で
ある紅色非硫黄細菌および紅色硫黄細菌に属するいずれ
かの菌種、病原菌に対して拮抗力の強い放線菌および細
菌に属するいずれかの菌種、難分解性有機物に対して分
解活性の強いいずれかの菌種等を吸着させる。
めて高い吸着能力を有することに着目して、これを微生
物坦体として利用する。 【解決手段】 ココナット産業廃棄物に、光合成細菌で
ある紅色非硫黄細菌および紅色硫黄細菌に属するいずれ
かの菌種、病原菌に対して拮抗力の強い放線菌および細
菌に属するいずれかの菌種、難分解性有機物に対して分
解活性の強いいずれかの菌種等を吸着させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有用菌等を吸着
させて土壌改良材や水質浄化材、発酵材等を作るのに好
適な微生物資材に関する。
させて土壌改良材や水質浄化材、発酵材等を作るのに好
適な微生物資材に関する。
【0002】
【従来の技術】ココ椰子(ココナット)の実は、食用あ
るいは工業用原料として重要である。ココ椰子の実の果
汁、胚乳は、直接飲用されたり、食材として用いられ、
あるいは食用油、工業用油の原料となる。コイアと呼ば
れる中果皮(ハスク)の繊維はロープやマットの原料と
される。そこで、太平洋の南部やインド洋にある群島、
たとえばフィリッピン、スリランカなどではココ椰子の
実を原料とするココナット産業が繁栄している。
るいは工業用原料として重要である。ココ椰子の実の果
汁、胚乳は、直接飲用されたり、食材として用いられ、
あるいは食用油、工業用油の原料となる。コイアと呼ば
れる中果皮(ハスク)の繊維はロープやマットの原料と
される。そこで、太平洋の南部やインド洋にある群島、
たとえばフィリッピン、スリランカなどではココ椰子の
実を原料とするココナット産業が繁栄している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
このココナット産業の廃棄物、つまりココ椰子の実の果
汁、果肉、ハスク等から産業上有用な水分、油分、繊維
等を取り除いた残部は、大量に排出されるにもかかわら
ず、単なる廃棄物として捨てられるか、あるいはその一
部が土壌の改良に適した植物の植え込み材料として園芸
用に使用されているにすぎない。
このココナット産業の廃棄物、つまりココ椰子の実の果
汁、果肉、ハスク等から産業上有用な水分、油分、繊維
等を取り除いた残部は、大量に排出されるにもかかわら
ず、単なる廃棄物として捨てられるか、あるいはその一
部が土壌の改良に適した植物の植え込み材料として園芸
用に使用されているにすぎない。
【0004】この発明は、ココ椰子の実を粉砕・乾燥さ
せた物が高い保水性と吸水性とを有し且つ微生物に対し
てきわめて高い吸着能力を有することに着目し、これを
微生物坦体として利用し、さらに有用菌を吸着させて土
壌改良材、水質浄化材、発酵材等を得るとともに、安価
・大量に入手可能なココナット産業廃棄物の有効利用を
図ることを目的とする。
せた物が高い保水性と吸水性とを有し且つ微生物に対し
てきわめて高い吸着能力を有することに着目し、これを
微生物坦体として利用し、さらに有用菌を吸着させて土
壌改良材、水質浄化材、発酵材等を得るとともに、安価
・大量に入手可能なココナット産業廃棄物の有効利用を
図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明による微生物資材は、ココ椰子の実を粉砕
および乾燥してなる、リグニンおよびセルロースを主成
分とする多孔質材からなり、これを微生物の坦体として
利用することが特徴となっている。この多孔質材は、コ
コナット産業廃棄物を利用することができる。
め、この発明による微生物資材は、ココ椰子の実を粉砕
および乾燥してなる、リグニンおよびセルロースを主成
分とする多孔質材からなり、これを微生物の坦体として
利用することが特徴となっている。この多孔質材は、コ
コナット産業廃棄物を利用することができる。
【0006】この多孔質材を、水洗処理し、あるいはタ
ンニンを炭素源とする有用微生物を吸着すれば、植物の
成長を阻害するタンニン性灰汁を除去あるいは分解する
ことができ、土壌改良材として用いることができる。
ンニンを炭素源とする有用微生物を吸着すれば、植物の
成長を阻害するタンニン性灰汁を除去あるいは分解する
ことができ、土壌改良材として用いることができる。
【0007】この多孔質材に光合成細菌である紅色非硫
黄細菌および紅色硫黄細菌に属するいずれかの菌種を吸
着してなる微生物資材は、土壌改良材あるいは水質浄化
材として有用である。
黄細菌および紅色硫黄細菌に属するいずれかの菌種を吸
着してなる微生物資材は、土壌改良材あるいは水質浄化
材として有用である。
【0008】この多孔質材を、有用微生物で処理した畜
産排水に浸漬することにより、土壌改良用微生物資材を
製造できる。この有用微生物としては光合成細菌を用い
ることができ、この光合成細菌で畜産排水を処理した場
合に光合成細菌が不足するときは、この処理後の水に、
光合成細菌の培養液を加えて懸濁液を得、この懸濁液
に、上記の多孔質材を浸漬して土壌改良用微生物資材を
製造することもできる。
産排水に浸漬することにより、土壌改良用微生物資材を
製造できる。この有用微生物としては光合成細菌を用い
ることができ、この光合成細菌で畜産排水を処理した場
合に光合成細菌が不足するときは、この処理後の水に、
光合成細菌の培養液を加えて懸濁液を得、この懸濁液
に、上記の多孔質材を浸漬して土壌改良用微生物資材を
製造することもできる。
【0009】この多孔質材に病原菌に対して拮抗力の強
い放線菌および細菌に属するいずれかの菌種を吸着して
微生物資材を製造すれば、この微生物資材は、土壌改良
材あるいは水質浄化材として有効である。
い放線菌および細菌に属するいずれかの菌種を吸着して
微生物資材を製造すれば、この微生物資材は、土壌改良
材あるいは水質浄化材として有効である。
【0010】この多孔質材に難分解性有機物に対して分
解活性の強いいずれかの菌種を吸着させれば、堆肥化促
進用あるいは生ごみ発酵促進用の微生物資材を製造でき
る。
解活性の強いいずれかの菌種を吸着させれば、堆肥化促
進用あるいは生ごみ発酵促進用の微生物資材を製造でき
る。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて詳細に説明する。ココナット産業廃棄物は、上記
のようにココ椰子の実から水分、油分、繊維等を取り除
いた物であるが、粒径1mm〜20mm程度に粉砕しさ
らに乾燥させた物は、主に難分解性のリグニンとセルロ
ースとからなる有機物質をほぼ95〜99%含有した多
孔質構造の不活性素材である。この多孔質構造のため高
い保水性と吸水性とを有し、含水率約10〜30%のコ
コナット産業廃棄物の場合、水分を5〜9倍程度吸水す
ることが可能である。
ついて詳細に説明する。ココナット産業廃棄物は、上記
のようにココ椰子の実から水分、油分、繊維等を取り除
いた物であるが、粒径1mm〜20mm程度に粉砕しさ
らに乾燥させた物は、主に難分解性のリグニンとセルロ
ースとからなる有機物質をほぼ95〜99%含有した多
孔質構造の不活性素材である。この多孔質構造のため高
い保水性と吸水性とを有し、含水率約10〜30%のコ
コナット産業廃棄物の場合、水分を5〜9倍程度吸水す
ることが可能である。
【0012】このココナット産業廃棄物は、微生物に対
して高い吸着能力を有し、有用菌等を吸着させる微生物
坦体として適した性質を有している。ただ、ココナット
産業廃棄物の乾燥物は、そのままでは、タンニンを含
み、水に浸漬すると赤褐色の灰汁が溶出し、植物の生育
を阻害するおそれがある。そのため、ココナット産業廃
棄物を土壌改良材として利用する場合には、赤褐色の物
質が完全に除去されるまで、あらかじめ水洗前処理を行
なうことが望ましい。この水洗前処理は、天然の雨水に
よるものでもよい。すなわち、長期間屋外に野積みした
まま保管することにより、その間の天然の雨水によっ
て、灰汁が完全に除去され、水に長く浸漬しても着色し
た成分が発現しない程度にまで、洗浄されるようにして
もよい。
して高い吸着能力を有し、有用菌等を吸着させる微生物
坦体として適した性質を有している。ただ、ココナット
産業廃棄物の乾燥物は、そのままでは、タンニンを含
み、水に浸漬すると赤褐色の灰汁が溶出し、植物の生育
を阻害するおそれがある。そのため、ココナット産業廃
棄物を土壌改良材として利用する場合には、赤褐色の物
質が完全に除去されるまで、あらかじめ水洗前処理を行
なうことが望ましい。この水洗前処理は、天然の雨水に
よるものでもよい。すなわち、長期間屋外に野積みした
まま保管することにより、その間の天然の雨水によっ
て、灰汁が完全に除去され、水に長く浸漬しても着色し
た成分が発現しない程度にまで、洗浄されるようにして
もよい。
【0013】また、水洗処理の代わりに、タンニンを炭
素源として栄養する有用微生物を選択し、これを粗ココ
ナット産業廃棄物に吸着させることにより、植物の成長
を阻害する灰汁をその菌によって分解・除去するように
してもよい。
素源として栄養する有用微生物を選択し、これを粗ココ
ナット産業廃棄物に吸着させることにより、植物の成長
を阻害する灰汁をその菌によって分解・除去するように
してもよい。
【0014】土壌改良材あるいは水質浄化材として使用
するための有用菌としては、酸素非発生型光合成細菌の
紅色非硫黄菌および紅色硫黄菌に属するいずれかの微生
物を選択する。あるいは病原菌に対して拮抗性を有する
細菌、放線菌のいずれかの菌種を選択する。これらの菌
をココナット産業廃棄物に吸着させることにより、土壌
改良材あるいは水質浄化材を作る。
するための有用菌としては、酸素非発生型光合成細菌の
紅色非硫黄菌および紅色硫黄菌に属するいずれかの微生
物を選択する。あるいは病原菌に対して拮抗性を有する
細菌、放線菌のいずれかの菌種を選択する。これらの菌
をココナット産業廃棄物に吸着させることにより、土壌
改良材あるいは水質浄化材を作る。
【0015】さらに、畜産排水を有用微生物で処理し、
これにココナット産業廃棄物を浸漬して、土壌改良用微
生物資材を製造することも可能である。この場合有用微
生物は光合成細菌を用いることができる。畜産排水を光
合成細菌で処理した処理水において光合成細菌が不足す
る場合には、さらに光合成細菌の培養液を加えて光合成
細菌を補強した懸濁液を得、この懸濁液に、ココナット
産業廃棄物を浸漬して土壌改良用微生物資材を作ること
もできる。
これにココナット産業廃棄物を浸漬して、土壌改良用微
生物資材を製造することも可能である。この場合有用微
生物は光合成細菌を用いることができる。畜産排水を光
合成細菌で処理した処理水において光合成細菌が不足す
る場合には、さらに光合成細菌の培養液を加えて光合成
細菌を補強した懸濁液を得、この懸濁液に、ココナット
産業廃棄物を浸漬して土壌改良用微生物資材を作ること
もできる。
【0016】また、難分解性有機物に対して活性の強い
高温性菌群集、あるいは植物生育を促進する菌に属する
いずれかの菌種を、ココナット産業廃棄物に吸着させる
ことにより、生ごみを発酵させる発酵材あるいは堆肥化
を促進する発酵材を製造することもできる。
高温性菌群集、あるいは植物生育を促進する菌に属する
いずれかの菌種を、ココナット産業廃棄物に吸着させる
ことにより、生ごみを発酵させる発酵材あるいは堆肥化
を促進する発酵材を製造することもできる。
【0017】上記の列挙した菌種以外にも、用途に応じ
ていずれかの有用菌を選択して、その菌をココナット産
業廃棄物に吸着させることも可能である。
ていずれかの有用菌を選択して、その菌をココナット産
業廃棄物に吸着させることも可能である。
【0018】ココナット産業廃棄物に微生物を吸着させ
る方法としては、ココナット産業廃棄物を粉砕し、乾燥
した後、これに直接菌株を吸着させる方法、この粉砕・
乾燥したココナット産業廃棄物に栄養分を添加し、菌株
を接種して培養させる方法、粉砕・乾燥したココナット
産業廃棄物を有用菌の懸濁液に浸漬するかこの懸濁液を
噴霧した後乾燥させる方法、有用菌を培養した寒天培地
を均質化した後、水で希釈し、この希釈液に、粉砕・乾
燥したココナット産業廃棄物に浸漬するか、この希釈液
を噴霧した後、乾燥させる方法などを採用できる。
る方法としては、ココナット産業廃棄物を粉砕し、乾燥
した後、これに直接菌株を吸着させる方法、この粉砕・
乾燥したココナット産業廃棄物に栄養分を添加し、菌株
を接種して培養させる方法、粉砕・乾燥したココナット
産業廃棄物を有用菌の懸濁液に浸漬するかこの懸濁液を
噴霧した後乾燥させる方法、有用菌を培養した寒天培地
を均質化した後、水で希釈し、この希釈液に、粉砕・乾
燥したココナット産業廃棄物に浸漬するか、この希釈液
を噴霧した後、乾燥させる方法などを採用できる。
【0019】
【実施例1】さらに、具体的な実施例について詳細に説
明する。市販しているココ椰子の実から果汁を除いた
後、ハスク、果肉部等を平均粒径0.1〜0.5cmに
粉砕した。この素材を水に浸漬して数回水洗処理を行な
い、灰汁を溶出させた。そして含水率約20%にまで乾
燥させて得た試料100gを、光合成細菌 Rhodobacter
capsulata の懸濁液(菌数109/ml)500mlに
浸漬して十分に吸着させた後、40°Cで通風しながら
含水率60%にまで乾燥させた。この試料5gを1リッ
トルのフラスコに採取し、 Rhodobacter capsulata を
培養する液体培地(水道水1リットルに対してNH4C
l;0.5g、KH2PO4;0.8g、MgSO4・7
H2O;0.2g、NaCl;0.1g、CaCl2;
0.05g、NaHCO3;0.5g、プロピオン酸ナ
トリウム;5g、酵母エキス;0.1g)500mlを
注入し、200ワットの白熱ランプ(約3000lu
x)で照明しながら培養したところ、4日後に、培養液
が真紅色となり、光合成細菌が増殖していることが確認
された。
明する。市販しているココ椰子の実から果汁を除いた
後、ハスク、果肉部等を平均粒径0.1〜0.5cmに
粉砕した。この素材を水に浸漬して数回水洗処理を行な
い、灰汁を溶出させた。そして含水率約20%にまで乾
燥させて得た試料100gを、光合成細菌 Rhodobacter
capsulata の懸濁液(菌数109/ml)500mlに
浸漬して十分に吸着させた後、40°Cで通風しながら
含水率60%にまで乾燥させた。この試料5gを1リッ
トルのフラスコに採取し、 Rhodobacter capsulata を
培養する液体培地(水道水1リットルに対してNH4C
l;0.5g、KH2PO4;0.8g、MgSO4・7
H2O;0.2g、NaCl;0.1g、CaCl2;
0.05g、NaHCO3;0.5g、プロピオン酸ナ
トリウム;5g、酵母エキス;0.1g)500mlを
注入し、200ワットの白熱ランプ(約3000lu
x)で照明しながら培養したところ、4日後に、培養液
が真紅色となり、光合成細菌が増殖していることが確認
された。
【0020】
【実施例2】実施例1で溶出した灰汁に、プロピオン酸
を除いた実施例1の液体培地の成分を加え、これに実施
例1の菌種 Rhodobacter capsulata を接種し、照明し
ながら培養した結果、培養液が真紅色に染まり、 Rhodo
bacter capsulata が灰汁に含まれている有機成分を炭
素源として利用して増殖することの確認ができた。
を除いた実施例1の液体培地の成分を加え、これに実施
例1の菌種 Rhodobacter capsulata を接種し、照明し
ながら培養した結果、培養液が真紅色に染まり、 Rhodo
bacter capsulata が灰汁に含まれている有機成分を炭
素源として利用して増殖することの確認ができた。
【0021】
【実施例3】2リットルのフラスコ中に、プロピオン酸
ナトリウム;0.05gを含んだ Rhodobacter capsula
ta の培養液(実施例1で用いたもの)1000mlを
入れて、実施例1の水洗処理前の灰汁を含有している粉
砕試料100gを添加し、 Rhodobacter capsulata の
懸濁液(菌数109/ml)10mlを接種した後、照
明しながら培養を行なった。5日後、上澄液を採取し、
希釈平板法を用いて計数した結果、細胞が1ml当たり
108以上検出され、10倍以上に増殖したことが確認
された。培地にはプロピオン酸ナトリウムが低濃度にし
か含有されていないにもかかわらず、細菌が増殖する事
実は、灰汁の主成分であるタンニンが基質として利用さ
れたことを示す。
ナトリウム;0.05gを含んだ Rhodobacter capsula
ta の培養液(実施例1で用いたもの)1000mlを
入れて、実施例1の水洗処理前の灰汁を含有している粉
砕試料100gを添加し、 Rhodobacter capsulata の
懸濁液(菌数109/ml)10mlを接種した後、照
明しながら培養を行なった。5日後、上澄液を採取し、
希釈平板法を用いて計数した結果、細胞が1ml当たり
108以上検出され、10倍以上に増殖したことが確認
された。培地にはプロピオン酸ナトリウムが低濃度にし
か含有されていないにもかかわらず、細菌が増殖する事
実は、灰汁の主成分であるタンニンが基質として利用さ
れたことを示す。
【0022】
【実施例4】2リットルのフラスコに豚尿1リットルを
入れ、さらに、実施例1で製造した光合成細菌の増殖し
たココナット廃材の試料50gを加え、200ワットの
白熱ランプで照明して曝気した。1日後、豚尿から発生
する悪臭は著しく減少し、5日後には臭気は完全に感知
できないものとなった。これは、ココナット廃材に吸着
した光合成細菌の作用によって悪臭物質が分解されて除
臭されたことを示している。
入れ、さらに、実施例1で製造した光合成細菌の増殖し
たココナット廃材の試料50gを加え、200ワットの
白熱ランプで照明して曝気した。1日後、豚尿から発生
する悪臭は著しく減少し、5日後には臭気は完全に感知
できないものとなった。これは、ココナット廃材に吸着
した光合成細菌の作用によって悪臭物質が分解されて除
臭されたことを示している。
【0023】
【実施例5】光合成細菌 Rhodobacter capsulata を用
いて豚尿をBOD300ppmにまで浄化し、液肥とし
て活用できる処理水とした。この処理水に、実施例1の
粉砕・水洗・乾燥後の試料を浸漬して5:1の比率で吸
収させ、常温で通風しながら含水率60%にまで乾燥さ
せた。この試料を、実施例1で用いた液体培地に接種
し、照明しながら培養した結果、培養液が紅色に染まっ
た。光合成細菌の増殖の有無を確認するために培養液の
上澄液を採取して顕微鏡で観察したところ、 Rhodobact
er capsulata の細胞が大量検出された。なお、この豚
尿の光合成細菌による処理水に含まれる光合成細菌が少
ないときは、この処理水に、光合成細菌の培養液を少量
加えて懸濁液を得る。こうして光合成細菌を補強する。
この懸濁液に、実施例1の粉砕・水洗・乾燥後の試料を
浸漬し、その後乾燥させるようにしてもよい。
いて豚尿をBOD300ppmにまで浄化し、液肥とし
て活用できる処理水とした。この処理水に、実施例1の
粉砕・水洗・乾燥後の試料を浸漬して5:1の比率で吸
収させ、常温で通風しながら含水率60%にまで乾燥さ
せた。この試料を、実施例1で用いた液体培地に接種
し、照明しながら培養した結果、培養液が紅色に染まっ
た。光合成細菌の増殖の有無を確認するために培養液の
上澄液を採取して顕微鏡で観察したところ、 Rhodobact
er capsulata の細胞が大量検出された。なお、この豚
尿の光合成細菌による処理水に含まれる光合成細菌が少
ないときは、この処理水に、光合成細菌の培養液を少量
加えて懸濁液を得る。こうして光合成細菌を補強する。
この懸濁液に、実施例1の粉砕・水洗・乾燥後の試料を
浸漬し、その後乾燥させるようにしてもよい。
【0024】
【実施例6】森林土壌から分離した放線菌 Streptomyce
s griseus, S.flavus, S.globisporius, S.albus の4
個の菌株を寒天培地に接種し、培地の全表面が胞子で覆
われたときに、菌体を培地とともにペトリ皿から取り出
して、ミキサーで均質化し、その後、水道水で1000
倍に希釈した。この液を、実施例1の粉砕・水洗・乾燥
後の試料に対して5倍の量に吸収させた後、含水率が3
0%になるまで乾燥させた。この試料を希釈平板法で計
数した結果、接種した放線菌の菌株4個がすべて検出さ
れ、総菌数は109/gになっていた。
s griseus, S.flavus, S.globisporius, S.albus の4
個の菌株を寒天培地に接種し、培地の全表面が胞子で覆
われたときに、菌体を培地とともにペトリ皿から取り出
して、ミキサーで均質化し、その後、水道水で1000
倍に希釈した。この液を、実施例1の粉砕・水洗・乾燥
後の試料に対して5倍の量に吸収させた後、含水率が3
0%になるまで乾燥させた。この試料を希釈平板法で計
数した結果、接種した放線菌の菌株4個がすべて検出さ
れ、総菌数は109/gになっていた。
【0025】
【実施例7】実施例1の粉砕・水洗・乾燥後の試料に、
放線菌の液体培地を1:5の比率で吸収させ、実施例6
で用いた菌種4株を植菌し、温度27°Cで培養した。
1週間後、希釈平板法で計数したところ、菌種4株が検
出され、総菌数は1011/gにまで至っていた。
放線菌の液体培地を1:5の比率で吸収させ、実施例6
で用いた菌種4株を植菌し、温度27°Cで培養した。
1週間後、希釈平板法で計数したところ、菌種4株が検
出され、総菌数は1011/gにまで至っていた。
【0026】
【実施例8】実施例6の放線菌の代わりにバチラスに属
する枯草菌を、実施例6と同様に寒天培地に培養し、菌
体を寒天培地とともに取り出してミキサーで均質化し、
水道水で1000倍に希釈した。この懸濁液に実施例1
の粉砕・水洗・乾燥後の試料を浸漬し、試料の5倍の量
を吸収させた後、含水率が30%になるまで乾燥させ
た。この試料を希釈平板法で計数した結果、枯草菌の菌
数が1g当たり約109個検出された。
する枯草菌を、実施例6と同様に寒天培地に培養し、菌
体を寒天培地とともに取り出してミキサーで均質化し、
水道水で1000倍に希釈した。この懸濁液に実施例1
の粉砕・水洗・乾燥後の試料を浸漬し、試料の5倍の量
を吸収させた後、含水率が30%になるまで乾燥させ
た。この試料を希釈平板法で計数した結果、枯草菌の菌
数が1g当たり約109個検出された。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、ココ
椰子の実を粉砕・乾燥させた物が良好な保水性と吸水性
とを有し且つ微生物に対してきわめて高い吸着能力を有
することに着目して、これを微生物坦体として利用する
途を拓くものである。しかも、ココ椰子の実を粉砕・乾
燥させた物としては、安価・大量入手可能なココナット
産業廃棄物を利用できることにも着目したものである。
ココナット産業廃棄物の有効利用により、微生物資材を
安価に得ることが可能となる。用途に応じて選択した有
用菌を吸着させることにより土壌改良材、水質浄化材、
発酵材等の環境保全に有効な資材を製造することができ
る。とくに、土壌改良用有用菌を吸着させる場合には、
ココナット繊維質の特殊な土壌改良能力と吸着させた有
用菌の作用との相乗効果によって、農薬、化学肥料ある
いは病原菌に汚染された土壌の地力を復元させるのに非
常に有効な土壌改良材を得ることができる。
椰子の実を粉砕・乾燥させた物が良好な保水性と吸水性
とを有し且つ微生物に対してきわめて高い吸着能力を有
することに着目して、これを微生物坦体として利用する
途を拓くものである。しかも、ココ椰子の実を粉砕・乾
燥させた物としては、安価・大量入手可能なココナット
産業廃棄物を利用できることにも着目したものである。
ココナット産業廃棄物の有効利用により、微生物資材を
安価に得ることが可能となる。用途に応じて選択した有
用菌を吸着させることにより土壌改良材、水質浄化材、
発酵材等の環境保全に有効な資材を製造することができ
る。とくに、土壌改良用有用菌を吸着させる場合には、
ココナット繊維質の特殊な土壌改良能力と吸着させた有
用菌の作用との相乗効果によって、農薬、化学肥料ある
いは病原菌に汚染された土壌の地力を復元させるのに非
常に有効な土壌改良材を得ることができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ココ椰子の実を粉砕および乾燥してな
る、リグニンおよびセルロースを主成分とする多孔質材
からなる、微生物坦体用の微生物資材。 - 【請求項2】 請求項1に記載の多孔質材を水洗処理し
て灰汁を除去してなる微生物資材。 - 【請求項3】 請求項1に記載の多孔質材にタンニンを
炭素源とする有用微生物を吸着して灰汁を分解・除去し
たことを特徴とする微生物資材。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の多孔質材に、
光合成細菌である紅色非硫黄細菌および紅色硫黄細菌に
属するいずれかの菌種を吸着してなる微生物資材。 - 【請求項5】 請求項1または2に記載の多孔質材を、
有用微生物で処理した畜産排水に浸漬してなる、土壌改
良用微生物資材。 - 【請求項6】 請求項1または2に記載の多孔質材を、
光合成細菌で処理した畜産排水にさらに光合成細菌の培
養液を加えた懸濁液に、浸漬してなる、土壌改良用微生
物資材。 - 【請求項7】 請求項1または2に記載の多孔質材に、
病原菌に対して拮抗力の強い放線菌および細菌に属する
いずれかの菌種を吸着してなる微生物資材。 - 【請求項8】 請求項1または2に記載の多孔質材に、
難分解性有機物に対して分解活性の強いいずれかの菌種
を吸着させてなる、堆肥化・生ごみ発酵促進用微生物資
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8170629A JPH09328682A (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 微生物資材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8170629A JPH09328682A (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 微生物資材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09328682A true JPH09328682A (ja) | 1997-12-22 |
Family
ID=15908420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8170629A Pending JPH09328682A (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 微生物資材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09328682A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013022293A (ja) * | 2011-07-22 | 2013-02-04 | Toyo Rinsan Kasei Kk | 環境改善資材 |
JP2015113274A (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-22 | 京都府 | バイオ肥料 |
JP2016069594A (ja) * | 2014-10-01 | 2016-05-09 | 株式会社レンテック | 環境浄化資材及び環境浄化方法 |
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JPS55137186A (en) * | 1979-04-11 | 1980-10-25 | Sato Ichitaro | Soil activator |
JPH01215886A (ja) * | 1988-02-24 | 1989-08-29 | Aisen Kogyo Kk | 高度バイオ土壌改良剤 |
JPH01264986A (ja) * | 1988-04-18 | 1989-10-23 | Koichi Iijima | 植物生長剤 |
-
1996
- 1996-06-10 JP JP8170629A patent/JPH09328682A/ja active Pending
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