JPH09328113A - 無菌領域の滅菌方法及びこれに用いる装置 - Google Patents

無菌領域の滅菌方法及びこれに用いる装置

Info

Publication number
JPH09328113A
JPH09328113A JP14713596A JP14713596A JPH09328113A JP H09328113 A JPH09328113 A JP H09328113A JP 14713596 A JP14713596 A JP 14713596A JP 14713596 A JP14713596 A JP 14713596A JP H09328113 A JPH09328113 A JP H09328113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aseptic
mist
air
region
sterilizing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14713596A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Takagi
雅敏 高木
Kazuo Miyazaki
一男 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP14713596A priority Critical patent/JPH09328113A/ja
Publication of JPH09328113A publication Critical patent/JPH09328113A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャンバ等によって区画された無菌領域を簡
単な設備で短時間に滅菌できる滅菌方法を提供する。 【解決手段】 チャンバ1内の無菌領域Aに設置された
充填装置10による充填作業の開始前に、無菌領域Aに
接続された無菌エアー供給装置2から無菌領域Aへ、無
菌化されたエアーを滅菌剤ミストとともに供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無菌充填機等の作
業設備及びこれが収容される無菌領域の滅菌方法及びそ
の方法に適した各種の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】中性食品や乳製品などを常温で流通させ
る場合には、無菌化された製品を無菌の容器に無菌環境
下で充填する必要がある。この無菌充填を行うには、充
填作業の開始前に、充填装置及びこれが収容されたチャ
ンバ内の全体を滅菌する必要がある。この滅菌方法とし
ては、過酸化水素溶液や過酢酸水溶液等の滅菌剤をチャ
ンバ内にスプレーし、その後にホットエアーを導入して
チャンバ内を乾燥させる方法が一般的であった。しか
し、この方法では、無菌チャンバの壁面等に滅菌剤の液
滴が付着するため、乾燥工程だけでも1時間程度を要す
る。従って、充填作業の開始までに長時間を要し、作業
効率が悪化する。また、スプレーを用いると滅菌剤の付
着分布が偏るため、完全な滅菌を行うには多量の滅菌剤
を噴霧する必要があり、それによりさらに長時間の乾燥
が必要となる。
【0003】そこで、チャンバ内で滅菌剤を気化させて
一定時間放置し、その後に無菌化されたエアーをチャン
バ内に導いて滅菌剤をチャンバから排出する滅菌方法が
特開平1−199830号公報で提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報記載の装置では、気化装置を単独でチャンバ内に
配置しているため、チャンバ内の一部、例えば充填前の
容器の殺菌位置に限って滅菌を行うことには適していて
も、チャンバ全体の滅菌に関しては未だ課題があった。
例えば、広いチャンバを短時間で滅菌しようとすると、
気化した滅菌剤がチャンバ内の隅々まで行き渡るよう
に、気化装置をチャンバ内の各所に増設するか、あるい
は気化装置に拡散機構を追加するなどの配慮が必要であ
る。
【0005】また、公報記載の方法では、チャンバに供
給される無菌エアーによって滅菌剤を排出しており、充
填装置の運転中の滅菌剤の供給については考慮されてい
ない。さらに、チャンバに対する容器の搬入口及び搬出
口からの菌類の侵入についてもより確実な対策が望まれ
ている。
【0006】なお、特開平3−224469号公報には
滅菌剤のミストを利用して容器を滅菌する例が記載され
ているが、この方法は容器にミストを吹き付けて容器を
殺菌するものであり、チャンバ全体の滅菌方法について
は開示がない。
【0007】そこで、本発明は、チャンバ等によって区
画された無菌領域を簡単な設備で短時間に滅菌できる滅
菌方法及びそれに用いる装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願各請求項に係る発明
では、次のような装置又は方法により上述した目的を達
成する。なお、以下では実施形態の図面に対応付けて本
発明を説明するが、本発明はそれらの形態に限定されな
い。
【0009】請求項1の発明では、無菌領域(A)への
菌の侵入を阻止するために供給されるエアーに滅菌剤ミ
ストを混入させる無菌領域の滅菌方法により上述した目
的を達成する。この発明によれば、無菌領域(A)に供
給されるエアーを利用して滅菌剤ミストを必要な個所に
供給できる。
【0010】請求項2の発明では、無菌領域(A)をそ
の周囲の領域に対して陽圧に維持するために供給される
エアーに滅菌剤ミストを混入させる無菌領域の滅菌方法
により上述した目的を達成する。この発明によれば、無
菌領域(A)を陽圧に維持するためのエアーを利用して
無菌領域(A)の全体に滅菌剤ミストを導くことができ
る。
【0011】請求項3の発明では、無菌領域(A)とそ
の周囲の領域との接続部分を仕切るために供給されるエ
アーに滅菌剤ミストを混入させる無菌領域の滅菌方法に
より上述した目的を達成する。この発明によれば、無菌
領域(A)と他の領域との接続部分に供給されるエアー
と滅菌剤ミストによって無菌領域(A)への菌の侵入が
多重に防がれる。
【0012】請求項4の発明では、無菌領域(A)に設
置された作業設備(10)による作業の開始前に、無菌
領域(A)に接続された無菌エアー供給装置(2)から
無菌領域(A)へ、無菌化されたエアーを滅菌剤ミスト
とともに供給する無菌領域の滅菌方法により上述した目
的を達成する。この発明によれば、無菌領域(A)に供
給される無菌化されたエアーを利用して、無菌領域
(A)の全体に滅菌剤ミストを導くことができる。作業
設備(10)の運転中に無菌化されたエアーと滅菌剤ミ
ストとを無菌領域(A)に供給することもできる。
【0013】請求項5の発明では、無菌領域(A)に設
置された作業設備(10)による作業中に、無菌化され
たエアーを滅菌剤ミストとともに無菌領域(A)へ供給
して無菌領域をその周囲の領域に対して陽圧に維持する
無菌領域の滅菌方法により上述した目的を達成する。こ
の発明によれば、作業設備(10)による作業中に、無
菌領域(A)の陽圧と滅菌剤ミストとによって無菌領域
(A)への菌の侵入が多重に防がれる。
【0014】請求項6の発明は、請求項4又5の滅菌方
法において、特に作業設備(10)が容器(3)への充
填設備とされたものである。従って、請求項4又は5の
発明を利用して容器(3)の充填環境を滅菌できる。
【0015】請求項7の発明では、請求項1〜6のいず
れかの無菌領域の滅菌方法において、滅菌剤の液滴が無
菌領域(A)に付着しない範囲に滅菌剤ミストの濃度を
制限するようにした。従って、無菌領域(A)の乾燥を
省略して短時間で滅菌を完了できる。
【0016】請求項8の発明では、無菌領域(A)に設
置された容器(3)への充填設備(10)の運転中に、
滅菌剤ミストを混入させたエアーを無菌領域(A)に対
する容器(3)の搬入位置(D)に供給する無菌領域の
滅菌方法により、上述した目的を達成する。この発明に
よれば、容器(3)への充填作業と並行して、無菌領域
(A)に搬入される容器(3)の少なくとも外面を滅菌
できる。
【0017】請求項9の発明では、搬入口(12)及び
搬出口(14)を有する無菌チャンバ(1)と、無菌チ
ャンバ(1)内に無菌化されたエアーを供給する無菌エ
アー供給手段(2)と、滅菌剤のミストを発生するミス
ト発生手段(25)とを具備し、無菌エアー供給手段
(2)から供給される無菌化されたエアーに上記ミスト
が混入するようにミスト発生手段(25)が配置された
滅菌装置により、上述した目的を達成する。この発明に
よれば、無菌エアー供給手段(2)から無菌チャンバ
(1)へ導かれる無菌エアーを利用して、滅菌剤ミスト
を無菌領域(A)に供給できる。
【0018】請求項10の発明では、搬入口(12)及
び搬出口(14)を有する無菌チャンバ(1)と、無菌
チャンバ(1)内を陽圧に維持するようにエアーを供給
可能なエアー供給手段(20)と、滅菌剤のミストを発
生するミスト発生手段(25)とを具備し、エアー供給
手段(20)から無菌チャンバ(1)へ供給されるエア
ーに上記ミストが混入するようにミスト発生手段(2
5)が配置された滅菌装置により、上述した目的を達成
する。この発明によれば、この発明によれば、エアー供
給手段(20)から無菌チャンバ(1)へ導かれるエア
ーを利用して、滅菌剤ミストを無菌領域(A)に供給で
きる。無菌チャンバ(1)内を陽圧に維持して無菌チャ
ンバ(1)への菌の侵入を防ぎつつ、滅菌剤ミストを無
菌領域(A)に供給することもできる。
【0019】請求項11の発明では、エアーの導入口
(21a)及び取出口(21b)を有し、これら導入口
(21a)と取出口(21b)との間にはエアー中の菌
を捕捉するフィルタ(22)が収容可能なフィルタボッ
クス(21)と、導入口(21a)に接続されるエアー
供給手段(20)と、フィルタボックス(21)のフィ
ルタ(22)と取出口(21b)との間に接続されてフ
ィルタボックス(21)の内部に滅菌剤ミストを供給す
るミスト供給手段(25)とを具備した無菌エアーの供
給装置により、上述した目的を達成する。この発明で
は、ミスト供給手段(25)からフィルタボックス(2
1)へ滅菌剤ミストを供給しつつエアー供給手段(2
0)からフィルタボックス(21)へエアーを供給する
ことにより、フィルタ(22)にて無菌化されたエアー
と滅菌剤ミストとを混合して取出口(21b)から取出
すことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜図3を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は無菌領域Aを規定するチャ
ンバ1と、これに接続された無菌エアー供給装置2との
関係を示す平面図である。チャンバ1の内部には、容器
3に対して所定の充填物(例えば中性飲料)を充填する
充填装置10が設置される。充填装置10には、容器3
を矢印Bのようにチャンバ1の搬入口12から搬入する
ための搬入ライン13、及び、容器3を矢印Cのように
チャンバ1の搬出口14から搬出するための搬出ライン
15がそれぞれ接続されている。なお、容器3は開封状
態でチャンバ1に搬入され、密封状態でチャンバ1から
搬出される。容器3としては、例えば飲料物用の樹脂ボ
トル、紙製のカートン等を想定しているが、本発明はそ
れらに限定されない。充填装置10は、容器3に所定の
充填物(例えば中性飲料や乳製品)を充填するものであ
ればその詳細は問わない。搬入口12から充填装置10
に至る間には、容器3に対する滅菌区画Dが設けられ、
その内部には搬入ライン13に沿ってヒータ等の加熱装
置4が設けられる。また、チャンバ1には、その内部の
エアーを排出する排気ブロアー(不図示)が接続され
る。
【0021】図2に詳しく示したように、無菌エアー供
給装置2は、チャンバ1(図1参照)に対するエアー供
給源としてのエアーブロア20と、このエアーブロア2
0と導入口21aにおいて連結されたフィルタボックス
21とを有する。フィルタボックス21はステンレス等
で製造され、その内部にはフィルタ22が収容される。
エアーブロア20から供給されるエアー中の超微粒子は
フィルタ22に捕捉され、それによりエアーが無菌化さ
れる。なお、フィルタボックス21に供給するエアーの
温度を調整できるように、エアーブロア20からフィル
タボックス21へ至るダクト23にはヒータ等の加熱装
置24が設けられる。また、導入口21aから導入され
たすべてのエアーがフィルタ22を通過するように、フ
ィルタ22はその全周がフィルタボックス21の内面と
密着するようにしてフィルタボックス21内に取り付け
られる。フィルタ22を通過した無菌エアーは取出口2
1bに接続されたダクト16を介してチャンバ1内の適
所に導かれる。また、特にチャンバ1の容器滅菌区画D
へ無菌エアーを確実に導くため、ダクト16にはダクト
17が接続される。
【0022】エアーブロア20の容量(送風量)は、チ
ャンバ1の容量や必要とされる陽圧度に応じて適宜決定
される。フィルタ22の性能は、必要とされる無菌状態
の程度に応じて定められる。ちなみに、この種の装置で
はHEPAフィルタが好適に用いられる。
【0023】フィルタ22と取出口21bとの間にはミ
スト発生装置25が接続されている。図3に詳しく示す
ように、ミスト発生装置25は、二流体スプレー250
及び気化管251を有する。二流体スプレー250の内
部には、エアー供給管250aから圧縮エアーが、液体
注入管250bから液相状態の滅菌剤(例えば過酸化水
素溶液(H2 2 ))がそれぞれ導入され、これらの混
合によって滅菌剤がノズル250cから気化管251の
内部に噴霧される。気化管251に導入された滅菌剤は
気化管251の壁面に埋め込まれたヒータ252にてそ
の沸点以上に加熱され、これにより滅菌剤のミストが生
成される。例えば滅菌剤として過酸化水素水溶液を用い
る場合には、気化管251の内部が180℃〜250℃
に加熱される。気化管251で生成されたミストは、導
入管253(図1参照)を介してフィルタボックス21
内のフィルタ22の直後に導かれる。
【0024】図1に示すように、チャンバ1の搬入口1
2及び搬出口14には、それぞれエアーカーテン形成装
置5が設けられる。各装置5は、搬入ライン13及び搬
出ライン15をそれぞれ挟んで対向するよう配置された
供給部50から回収部51へ向かって矢印Eで示すよう
に圧縮エアーを排出させ、それにより搬入口12及び搬
出口14をそれぞれ塞ぐようにエアーカーテン(層状の
エアーの流れ)を形成する。それぞれの供給部50には
ミスト発生装置52が接続され、供給部50から送出さ
れるエアーにも滅菌剤ミストを混入可能である。なお、
ミスト発生装置52は、上述したミスト発生装置25と
同様に構成でき、詳細は省略する。
【0025】充填装置10による充填作業を開始する場
合には、これに先立って以下の手順でチャンバ1を滅菌
する。最初にエアーブロア20を停止した状態でミスト
発生装置25からフィルタボックス21内へ滅菌剤ミス
トを導入して一定時間滞留させ、それによりフィルタ2
2及びフィルタボックス21内を滅菌する。次にミスト
発生装置25からの滅菌剤ミストの供給を継続したまま
エアーブロア20を起動し、フィルタ22を通過した無
菌エアーを滅菌剤ミストとともにチャンバ1内へ供給す
る。このとき、殺菌効果を高めるため、エアーブロア2
0やチャンバ1の排気ブロアを極力微速で運転して滅菌
剤ミストの濃度を過度に低下させないようにする。但
し、チャンバ1の内壁や充填装置10の表面に滅菌剤の
液滴が付着しない範囲に滅菌剤ミストの濃度を制限す
る。これにより滅菌後の乾燥工程を省略して滅菌に要す
る時間を短縮できる。なお、濃度の調整はエアーブロア
20や排気ブロアの送風量の他、ミスト発生装置25に
供給する滅菌剤や圧縮エアーの量によっても調整でき
る。濃度の適正範囲は使用する滅菌剤の種類やチャンバ
1の置かれた環境等によって適宜変化するが、おおよそ
重量比で1000〜10000p. p. m. に設定する
とよく、さらに好ましくは3200〜10000p.
p. m. に設定する。また、加熱装置24にてエアーを
加熱すれば、滅菌剤ミストの濃度を高めつつ液滴の付着
(結露)を防止できる。
【0026】上記による滅菌を所定時間(例えば3〜5
分程度)継続した後、エアーブロア20やチャンバ1の
排気ブロアの運転速度を通常時の設定に切り替えてチャ
ンバ1内に無菌エアーを供給し、それによりチャンバ1
内を所定の陽圧に設定してチャンバ1への菌の侵入を阻
止する。この状態で充填装置10を起動して充填作業を
開始する。このとき、ミスト発生装置25により滅菌剤
ミストを継続して供給してもよく、ミストの供給を停止
してもよい。充填作業中に滅菌剤ミストを供給した場合
には、搬入口12から容器滅菌区画Dに搬入される容器
3の特に外面が、ダクト17にて導かれた滅菌剤ミスト
によって滅菌される。滅菌された容器3は加熱装置4に
より加熱される。なお、ダクト17をダクト16から分
離してこれに容器滅菌区画D専用のミスト発生装置を接
続し、チャンバ1へのミストの供給から独立して容器滅
菌区画Dへのミストの供給を調整してもよい。その場
合、加熱装置24による容器3の乾燥が可能なため、容
器滅菌区画Dに供給する滅菌剤ミストの濃度を容器3に
滅菌剤の液滴が付着する程度まで高めてもよい。
【0027】充填装置10の停止時及び運転中のいずれ
の場合でも、エアーカーテン形成装置5にて搬入口12
及び搬出口14を塞ぐようにエアーカーテンを形成し
て、これらの開口部分からの菌等の侵入を防止すること
もできる。このエアーカーテンにもミスト発生装置52
から滅菌剤ミストを供給すれば、チャンバ1内がさらに
確実に滅菌状態に維持される。
【0028】なお、以上の実施形態ではフィルタ22に
て無菌化されたエアーと滅菌剤ミストとを混合したが、
フィルタ22は省略してもよい。その場合、滅菌剤ミス
トをなるべくエアーの供給経路の上流側に供給してエア
ーの流路を滅菌する。一方、フィルタ22が設けられて
いる場合には、例えばダクト16の途中にミスト発生装
置25を接続してもよい。本発明は、容器の充填装置用
のチャンバに限らず、各種の設備の滅菌に利用できる。
例えば微生物工学の実験用チャンバの滅菌に利用でき
る。
【0029】
【実施例】上述した図1〜図3に示す装置において、次
の手順でチャンバ1を滅菌した。まず、過酸化水素溶液
を9.2g/min. の流量でミスト発生装置25の液体注入管
250bに供給して過酸化水素ミストを発生させ、これ
をフィルタボックス21内で30秒間滞留させた。続い
て、ミストの供給を継続したままエアーブロア20を0.
7m 3/min. の流量で1分間運転し、それにより無菌エア
ーを滅菌剤ミストとともにチャンバ1内へ供給した。そ
の後、ミストの供給を中止してエアーブロア20のみを
5分間運転した。
【0030】上記の滅菌方法による効果を確認するため
に、106 個の枯草菌胞子を付着させたアルミ片をフィ
ルタボックス21、ダクト16の末端、及びチャンバ1
内に放置した。実験後、すべてのアルミ片において枯草
菌の死滅が確認された。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の滅菌方
法では、無菌領域への菌の侵入を阻止すべく供給される
エアーを利用して滅菌剤ミストを必要な個所、例えば無
菌領域の内部や無菌領域と他の領域との接続部分に導く
ようにしたから、ミストの拡散機構等をミスト発生装置
に設ける必要がなく、滅菌に必要な設備を簡素化でき
る。エアーを利用してミスト濃度を下げることにより、
ミストの結露を防止して乾燥工程を省略し、それにより
滅菌を短時間で完了することもできる。特に請求項2、
4の滅菌方法では、無菌領域を陽圧に維持するためのエ
アーを利用して滅菌剤ミストを無菌領域に供給するか
ら、作業開始前に無菌領域の隅々まで滅菌剤ミストを導
いて完全な滅菌処理を実現でき、作業中には無菌領域を
陽圧に保ちつつ滅菌剤ミストを供給して滅菌効果をさら
に高めることができる。また、請求項3、5の発明によ
れば、無菌領域と他の領域との接続部分からの菌の侵入
をエアーの流れと滅菌剤ミストとによって確実の防止で
きる。しかも、請求項4、5の滅菌方法では、無菌化さ
れたエアーに滅菌剤ミストを混入させるのでより確実な
滅菌効果が期待できる。請求項6の滅菌方法では容器へ
の充填設備が置かれた環境を確実に滅菌できる。請求項
7の発明では、無菌領域への滅菌剤ミストの液滴の発生
を防止して滅菌後の乾燥工程の省略を実現し、それによ
り滅菌処理に要する時間を短縮できる。請求項8の滅菌
方法では、無菌領域における容器への充填作業と並行し
て、無菌領域に搬入される容器の少なくとも外面を逐次
滅菌し、それにより無菌充填作業をより確実に行うこと
ができる。
【0032】また、請求項9及び10の滅菌装置によれ
ば、無菌領域に無菌エアーを供給するための設備、ある
いは無菌領域を陽圧に維持するための設備を利用して滅
菌剤ミストを無菌領域の全体へ満遍なく浸透させ、それ
により無菌領域を確実に滅菌できるようになる。ミスト
を無菌領域内に拡散させるための機構をミスト発生装置
に設ける必要がないから、滅菌に必要な設備が簡素化さ
れる。また、請求項11の発明によれば、フィルタボッ
クスにミスト発生装置を接続するだけで無菌エアーに滅
菌剤ミストを混入させることができるので、本発明の滅
菌方法を簡単に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における無菌チャンバと無菌
エアー供給装置との関係を示す平面図。
【図2】無菌エアー供給装置の詳細を示す斜視図。
【図3】ミスト発生装置の要部の断面図。
【符号の説明】
1…チャンバ 2…無菌エアー供給装置 3…容器 5…エアーカーテン形成装置 10…充填装置 12…搬入口 14…搬出口 20…エアーブロア 21…フィルタボックス 21a…導入口 21b…取出口 22…フィルタ 24…加熱装置 25…ミスト発生装置 A…無菌領域 D…容器滅菌区画

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無菌領域への菌の侵入を阻止するために
    供給されるエアーに滅菌剤ミストを混入させることを特
    徴とする無菌領域の滅菌方法。
  2. 【請求項2】 無菌領域をその周囲の領域に対して陽圧
    に維持するために供給されるエアーに滅菌剤ミストを混
    入させることを特徴とする無菌領域の滅菌方法。
  3. 【請求項3】 無菌領域とその周囲の領域との接続部分
    を仕切るために供給されるエアーに滅菌剤ミストを混入
    させることを特徴とする無菌領域の滅菌方法。
  4. 【請求項4】 無菌領域に設置された作業設備による作
    業の開始前に、前記無菌領域に接続された無菌エアー供
    給装置から前記無菌領域へ、無菌化されたエアーを滅菌
    剤ミストとともに供給することを特徴とする無菌領域の
    滅菌方法。
  5. 【請求項5】 無菌領域に設置された作業設備による作
    業中に、無菌化されたエアーを滅菌剤ミストとともに前
    記無菌領域へ供給して当該無菌領域をその周囲の領域に
    対して陽圧に維持することを特徴とする無菌領域の滅菌
    方法。
  6. 【請求項6】 前記作業設備が容器への充填設備である
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の無菌領域の滅
    菌方法。
  7. 【請求項7】 前記滅菌剤の液滴が前記無菌領域に付着
    しない範囲に前記滅菌剤ミストの濃度を制限することを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無菌領域の
    滅菌方法。
  8. 【請求項8】 無菌領域に設置された容器への充填設備
    の運転中に、滅菌剤ミストを混入させたエアーを前記無
    菌領域に対する前記容器の搬入位置に供給することを特
    徴とする無菌領域の滅菌方法。
  9. 【請求項9】 搬入口及び搬出口を有する無菌チャンバ
    と、 前記無菌チャンバ内に無菌化されたエアーを供給する無
    菌エアー供給手段と、 滅菌剤のミストを発生するミスト発生手段とを具備し、 前記無菌エアー供給手段から供給される無菌化されたエ
    アーに前記ミストが混入するように前記ミスト発生手段
    が配置されていることを特徴とする滅菌装置。
  10. 【請求項10】 搬入口及び搬出口を有する無菌チャン
    バと、 前記無菌チャンバ内を陽圧に維持するようにエアーを供
    給可能なエアー供給手段と、 滅菌剤のミストを発生するミスト発生手段とを具備し、 前記エアー供給手段から前記無菌チャンバへ供給される
    エアーに前記ミストが混入するように前記ミスト発生手
    段が配置されていることを特徴とする滅菌装置。
  11. 【請求項11】 エアーの導入口及び取出口を有し、こ
    れら導入口と取出口との間にはエアー中の菌を捕捉する
    フィルタが収容可能なフィルタボックスと、 前記導入口に接続されるエアー供給手段と、 前記フィルタボックスの前記フィルタと前記取出口との
    間に接続されて前記フィルタボックスの内部に滅菌剤ミ
    ストを供給するミスト供給手段と、を具備したことを特
    徴とする無菌エアーの供給装置。
JP14713596A 1996-06-10 1996-06-10 無菌領域の滅菌方法及びこれに用いる装置 Pending JPH09328113A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14713596A JPH09328113A (ja) 1996-06-10 1996-06-10 無菌領域の滅菌方法及びこれに用いる装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14713596A JPH09328113A (ja) 1996-06-10 1996-06-10 無菌領域の滅菌方法及びこれに用いる装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09328113A true JPH09328113A (ja) 1997-12-22

Family

ID=15423366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14713596A Pending JPH09328113A (ja) 1996-06-10 1996-06-10 無菌領域の滅菌方法及びこれに用いる装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09328113A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004113588A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Toyo Seikan Kaisha Ltd 食品充填システム殺菌方法および装置
WO2009142198A1 (ja) * 2008-05-20 2009-11-26 大日本印刷株式会社 飲料充填方法及び装置
JP2012520116A (ja) * 2009-03-11 2012-09-06 シデル エス.ピー.エー. 物体を滅菌するための装置および方法
CN115092465A (zh) * 2022-07-21 2022-09-23 上海特途实业有限公司 一种自动无菌包装机

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004113588A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Toyo Seikan Kaisha Ltd 食品充填システム殺菌方法および装置
WO2009142198A1 (ja) * 2008-05-20 2009-11-26 大日本印刷株式会社 飲料充填方法及び装置
EP2657182A1 (en) * 2008-05-20 2013-10-30 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Beverage filling apparatus
US9108835B2 (en) 2008-05-20 2015-08-18 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Beverage filling method and apparatus
US9593004B2 (en) 2008-05-20 2017-03-14 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Beverage filling apparatus
US9617136B2 (en) 2008-05-20 2017-04-11 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Beverage filling method and apparatus
US9617135B2 (en) 2008-05-20 2017-04-11 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Beverage filling method and apparatus
US10112733B2 (en) 2008-05-20 2018-10-30 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Beverage filling method and apparatus
US11214395B2 (en) 2008-05-20 2022-01-04 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Beverage filling method and apparatus
US11702236B2 (en) 2008-05-20 2023-07-18 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Beverage filling method and apparatus
JP2012520116A (ja) * 2009-03-11 2012-09-06 シデル エス.ピー.エー. 物体を滅菌するための装置および方法
CN115092465A (zh) * 2022-07-21 2022-09-23 上海特途实业有限公司 一种自动无菌包装机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100966933B1 (ko) 오존소독방법 및 오존소독장치
KR101111984B1 (ko) 오존 살균을 위한 방법 및 장치
JP4558274B2 (ja) 容器の蒸気相除染
US5534222A (en) Method for sterilizing internal surfaces of an edible liquid packaging machine
JP3315918B2 (ja) 充填機の滅菌方法及びその滅菌装置
CN102711845B (zh) 空间表面的杀菌方法及杀菌系统
US8591808B2 (en) Aerosol
US6645429B1 (en) Sterilization system and method for food packaging
KR20010033071A (ko) 살균용 유체의 연속적인 과활성화 방법
JP3071446B2 (ja) 包装材料の殺菌方法及びその装置
JPWO2003022689A1 (ja) 物品の殺菌方法及び殺菌装置
WO2001070282A1 (en) Control of gaseous sterilisation
JPH03168152A (ja) 気状過酸化水素含有殺菌流体を生成する方法
KR20090080089A (ko) 오존 살균 방법 및 장치
JP2013537433A (ja) プラズマ生成ガス滅菌法
JPH03226444A (ja) 包装材料殺菌用殺菌剤ガスの製造方法及びその製造方法の実施に使用する殺菌剤ガス製造装置
JPH09328113A (ja) 無菌領域の滅菌方法及びこれに用いる装置
JP4737920B2 (ja) 食品充填システム殺菌方法および装置
JPH0733123A (ja) 外面殺菌装置
CN105396162A (zh) 对处理容器的设备的隔离器中至少一个表面中间灭菌方法
JP3528971B2 (ja) 無菌充填装置
JP3898290B2 (ja) 過酸化水素を含む殺菌空気の製造方法及び装置
JP2003327216A (ja) 無菌チャンバーの殺菌方法
JPH03200524A (ja) 包装材料の殺菌方法
JPH0769328A (ja) 包装材料の殺菌装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20051003

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051025

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051226

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060919

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061120

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20061227

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20070323

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912