JPH09327731A - 金型クランプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えばプレスブレーキにおける金型の金型ホ
ルダに対する固定および開放作業を容易に行うことので
きる金型クランプ装置を提供する。 【解決手段】 一側に取付ボルト７を係止する係止部１
３を有するとともに他側にカムフォロア１４を有してダ
イホルダ４に揺動自在に設けられる揺動部材１２と、ダ
イホルダ４内に軸心回りに回動自在に配される駆動軸１
７と、カムフォロア１４に対向配置され、駆動軸１７と
ともに回動されるカム２０と、このカム２０をカムフォ
ロア１４に接する方向に付勢する圧縮スプリング２１と
を備える構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプレスブレ
ーキのような曲げ加工機における金型（下型）を金型ホ
ルダに固定する金型クランプ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばプレスブレーキに用いられ
る下型を金型ホルダ（ダイホルダ）にクランプするに
は、締付け用のボルトを前記ダイホルダに形成された挿
通孔を通して下型のねじ穴に螺合する方法が最も一般的
であった。ところが、このような方法では、作業者が狭
い穴内にスパナを挿入して締付け作業を行う必要がある
ことから、極めて効率が悪く、また作業者に多大の負担
を強いるという問題点があった。

【０００３】このような問題点に対処するために、例え
ば特公平７−９０２８１号公報においては、ダイホルダ
を貫通するように配置される回動軸の回動操作によって
下型のダイホルダに対するクランプ，アンクランプを行
えるようにしたものが提案されている。

【０００４】次に、この公報に記載のクランプ装置を図
６によって説明する。この従来のクランプ装置１００に
おいては、ダイホルダ本体１０１ａ内に回動軸１０２が
摺動自在に設けられ、この回動軸１０２の所定部位に螺
子部１０３が形成され、この螺子部１０３にストッパ部
材１０４が位置調整自在に螺合されている。また、ダイ
ホルダ１０１の内部にはＬ字形状の揺動部材１０５がヒ
ンジピン１０６にて枢着されている。この揺動部材１０
５は、コイルスプリング１０７により図で反時計廻りに
付勢され、先端部に締付部材１０８の座金１０９の上面
に係止される係止部１１０を有するとともに、下部に前
記回動軸１０２が所定間隔を保って挿通されるように構
成されている。さらに、前記ストッパ部材１０４と揺動
部材１０５との間には、スラストベアリング１１１およ
びカラー１１２を介して皿ばね１１３を支承した鍔付き
スリーブ１１４が介挿されている。なお、締付部材１０
８の座金１０９の上面にはスプリング１１５が取り付け
られている。

【０００５】このような構成において、ダイホルダ１０
１に下型１１６を固着するには、回動軸１０２の操作ハ
ンドル装着部１１７に図示されない駆動用ハンドルを装
着して回動軸１０２をねじ込み方向に回動させる。そう
すると、ストッパ部材１０４と揺動部材１０５との間隔
が広がって皿ばね１１３の弾撥力がなくなり、揺動部材
１０５はヒンジピン１０６を回動支点として反時計方向
に回動して下型１１６がアンクランプ状態となる。この
状態で古い下型１１６を取り外して、新しい下型を挿入
・載置し、回動軸１０２を前記と逆方向に回動させるこ
とで、この下型をダイホルダ１０１に固着することがで
きる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のクランプ装置では、ストッパ部材１０４を回動軸１
０２の軸方向に移動させるのにダイホルダ本体１０１ａ
と螺子部１０３にて螺合される構成であるために、皿ば
ね１１３のばね力がストッパ部材１０４を介して回動軸
１０２の軸方向にかかり、この回動軸１０２の先端側に
形成される螺子部１１８にスラスト力が発生するととも
に、この螺子部１１９に螺合する螺合部１１９の摩擦力
が増えて操作力が重くなるという問題点がある。特に、
長い金型を用いるプレスブレーキにおいて、金型の長さ
分の複数個のダイホルダ１０１を装着する場合に、前記
操作力がダイホルダの装着個数分必要となって操作性が
一層悪化してしまう。

【０００７】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、例えばプレスブレーキにおける金
型の金型ホルダに対する固定および開放作業を容易に行
うことのできる金型クランプ装置を提供することを目的
とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段および作用・効果】前述の
目的を達成するために、本発明による金型クランプ装置
は、下面に取付金具を垂下してなる金型を金型ホルダに
固定する金型クランプ装置であって、（ａ）一側に前記
取付金具を係止する係止部を有するとともに他側にカム
フォロアを有して前記金型ホルダに揺動自在に設けられ
る揺動部材、（ｂ）前記金型ホルダ内に軸心回りに回動
自在に配される駆動軸、（ｃ）前記カムフォロアに接す
るように前記駆動軸とともに回動されるカムおよび
（ｄ）このカムを前記カムフォロアに接する方向に付勢
する弾機を備えることを特徴とするものである。

【０００９】本発明においては、カムが駆動軸とともに
回動されることによりそのカムの凸部によりカムフォロ
アが押圧操作され、この押圧時に揺動部材の一側が取付
金具に係止されるように揺動されて、金型が金型ホルダ
に対してクランプされる状態となる。一方、カムが回動
されてそのカムの凹部がカムフォロアに接当する位置に
来ると、前記揺動部材が前記とは逆方向に揺動されてそ
の揺動部材の一側による取付金具への係止状態が解除さ
れ、金型が金型ホルダに対してアンクランプ状態とな
る。

【００１０】本発明によれば、カムとカムフォロアとを
用いて揺動部材を揺動させるようにされ、かつ弾機のば
ね力を金型ホルダに持たせるようにされているので、駆
動軸には弾機のスラスト力による摩擦力がかかることが
ない。したがって、クランプおよびアンクランプ操作を
軽い操作力により行うことができて操作性を向上させる
ことができ、複数個の金型ホルダを連結する場合にも駆
動軸を容易に操作することができる。また、従来のよう
に駆動軸に螺子部を加工する必要がないので加工の容易
化が図れ、弾機のばね力の調整も不要となるので装置組
立の容易化が図れ、更には摺動部がないので摩耗が少な
くて長寿命化が図れる。

【００１１】本発明においては、前記駆動軸の一端側に
操作用ハンドルを装着する装着部が設けられるととも
に、他端側にその装着部と噛み合う連結部が設けられ、
これら装着部と連結部とを噛み合わせることにより複数
個の金型ホルダが連結可能とされるのが好ましい。この
ような構成により、金型ホルダが複数個存在する場合で
も、駆動軸を連結して一端側の操作用ハンドルを操作す
ることで、全ての駆動軸を同時に回動させて各クランプ
装置を作動させることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、本発明による金型クランプ
装置の具体的実施例につき、図面を参照しつつ説明す
る。

【００１３】図１に本発明の一実施例に係る金型クラン
プ装置の断面図が、図２に図１のＡ矢視図がそれぞれ示
され、図３にカムの斜視図が示されている。

【００１４】本実施例においては、プレスブレーキのラ
ム１の下方に上型（パンチ）２が装着されるとともに、
テーブル３の上面にダイホルダ４が設置されてそのダイ
ホルダ４に下型（ダイ）５が装着され、これら上型２と
下型５とによって板状のワークＷの曲げ加工が行われる
ようになっている。本実施例のクランプ装置６はダイホ
ルダ４内に装着されている。なお、図１では、クランプ
装置６が一つだけ示されているが、前記ダイホルダ４は
プレスブレーキの長手方向に複数個配置されていて、各
ダイホルダ４毎にクランプ装置６が設けられている。

【００１５】前記下型５には、取付ボルト（取付金具）
７，ワッシャ８およびスプリング９よりなる複数個の金
型固定具１０が垂下するように設けられている。また、
ダイホルダ４の内部には、ピン１１を支点として上下に
揺動自在な鉤形の揺動部材１２が設けられている。この
揺動部材１２は、一側に前記取付ボルト７を係止する係
止部１３を有し、他側にカムフォロア１４となる軸受が
ナット１５にて取り付けられてなり、このナット１５が
圧縮スプリング１６にて常時下方へ向けて押し付けられ
ている。

【００１６】一方、前記ダイホルダ４には、軸心回りに
回動自在な駆動軸１７が水平向きに貫通されている。こ
の駆動軸１７にはピン状の係止具１８が設けられ、この
係止具１８に長孔１９を介して噛み合い滑動するよう
に、かつ前記カムフォロア１４に対向するようにカム２
０が配置されている。このカム２０の背面とダイホルダ
４との間には圧縮スプリング２１とスラストベアリング
２２とが配設されている。このような構成において、駆
動軸１７が軸心回りに回動されると、係止具１８が長孔
１９に係止されることによってカム２０は駆動軸１７と
ともに回動され、かつそのカム２０は圧縮スプリング２
１の付勢力によってカムフォロア１４と常時当接するよ
うに長手方向に摺動される。こうして、カム２０の凸部
２０ａがカムフォロア１４に当接する位置（図１に示さ
れる位置）にあるときには、揺動部材１２が図１で時計
方向に揺動されてその係止部１３がワッシャ８の上面を
下方へ押し下げるように作用し、逆にカム２０の凹部２
０ｂがカムフォロア１４に当接する位置にあるときに
は、揺動部材１２が図１で反時計方向に揺動されてその
係止部１３とワッシャ８との間に所要の間隙が形成され
るようになっている。

【００１７】前記駆動軸１７の長手方向の一端側には、
この駆動軸１７が軸方向へ摺動するのを防止するための
ワッシャ２３および止め具２４が設けられている。ま
た、駆動軸１７にはストッパピン２５が植設されるとと
もに、このストッパピン２５が当接するようにダイホル
ダ４の側面には２個の係止ピン２６，２７が植設され、
これらストッパピン２５と係止ピン２６，２７とによっ
て駆動軸１７の回動角度範囲が制限されるようになって
いる。

【００１８】前記駆動軸１７は、図４に示される操作用
ハンドル２８によって回動操作される。この操作用ハン
ドル２８は、把持部２８ａの先端にボス部２８ｂが取り
付けられてなるとともに、このボス部２８ｂに、駆動軸
１７を連結するための穴２９と係合ピン３０とを有する
構造とされ、駆動軸１７の基端部に形成される雌形噛合
部（装着部）３１に係合ピン３０を噛み合わせて駆動力
が伝達されるようになっている。

【００１９】また、複数個のダイホルダ４を連結するに
は、図５に示されているように、駆動軸１７の先端部に
形成される雄形噛合部（連結部）３２を前記雌形噛合部
３１に順次結合される。

【００２０】以上のように構成されている金型クランプ
装置において、図１に示される下型５のダイホルダ４に
対するクランプ状態から、この下型５をアンクランプす
るには、カム２０の凹部２０ｂがカムフォロア１４に接
当する位置まで、操作用ハンドル２８にて駆動軸１７を
所要の方向に回動させると、揺動部材１２が圧縮スプリ
ング１６の付勢力によってピン１１を支点として図１で
反時計方向に揺動され、係止部１３によるワッシャ８お
よび取付ボルト７への係止状態が解除されて下型５がダ
イホルダ４に対してアンクランプされた状態となる。

【００２１】この後、交換すべき下型をダイホルダ４の
上面に載置し、操作用ハンドル２８にて駆動軸１７を逆
方向に回動させると、カム２０の凸部２０ａによりカム
フォロア１４が押圧操作され、この押圧時に揺動部材１
２の係止部１３がワッシャ８および取付ボルト７に係止
されるように揺動されて、下型５がダイホルダ４に対し
てクランプされた状態となる。

【００２２】本実施例によれば、カム２０とカムフォロ
ア１４とを用いて揺動部材１２が揺動されるとともに、
圧縮スプリング２１のばね力を、従来装置のように回動
軸１０２に螺合されるストッパ部材１０４に持たせる構
造（図６参照）ではなく、ダイホルダ４に持たせるよう
にされているので、駆動軸１７には弾機のスラスト力に
よる摩擦力が加わることがない。したがって、クランプ
およびアンクランプ操作を軽い操作力により行うことが
できて操作性を向上させることができる。また、複数個
のダイホルダ４を連結する場合にも駆動軸１７を容易に
操作することができる。また、従来装置のように駆動軸
１７に螺子部１０３を加工する必要がないので加工の容
易化が図れ、圧縮スプリング２１のばね力の調整も不要
となるので装置組立の容易化が図れ、更には摺動部がな
いので摩耗が少なくて長寿命化が図れるという種々の利
点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の一実施例に係る金型クランプ
装置の断面図である。

【図２】図２は、図１のＡ矢視図である。

【図３】図３は、カムの斜視図である。

【図４】図４（ａ）（ｂ）は、操作用ハンドルを示す図
である。

【図５】図５は、図１の部分拡大図である。

【図６】図６は、従来の金型クランプ装置の断面図であ
る。

【符号の説明】

３ テーブル ４ ダイホルダ ５ 下型 ６ クランプ装置 ７ 取付ボルト（取付金具） ８ ワッシャ ９ スプリング １０ 金型固定具 １１ ピン １２ 揺動部材 １３ 係止部 １４ カムフォロア １５ ナット １６ 圧縮スプリング １７ 駆動軸 １８ 係止具 １９ 長孔 ２０ カム ２１ 圧縮スプリング ２２ スラストベアリング ２３ ワッシャ ２４ 止め具 ２５ ストッパピン ２６，２７ 係止ピン ２８ 操作用ハンドル ２９ 穴 ３０ 係合ピン ３１ 雌形噛合部（装着部） ３２ 雄形噛合部（連結部）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下面に取付金具を垂下してなる金型を金
   型ホルダに固定する金型クランプ装置であって、（ａ）
   一側に前記取付金具を係止する係止部を有するとともに
   他側にカムフォロアを有して前記金型ホルダに揺動自在
   に設けられる揺動部材、（ｂ）前記金型ホルダ内に軸心
   回りに回動自在に配される駆動軸、（ｃ）前記カムフォ
   ロアに接するように前記駆動軸とともに回動されるカム
   および（ｄ）このカムを前記カムフォロアに接する方向
   に付勢する弾機を備えることを特徴とする金型クランプ
   装置。
2. 【請求項２】 前記駆動軸の一端側に操作用ハンドルを
   装着する装着部が設けられるとともに、他端側にその装
   着部と噛み合う連結部が設けられ、これら装着部と連結
   部とを噛み合わせることにより複数個の金型ホルダが連
   結可能とされることを特徴とする請求項１に記載の金型
   クランプ装置。