JPH09327673A - 除塵方法及び集塵シ−ト - Google Patents

除塵方法及び集塵シ−ト

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JPH09327673A
JPH09327673A JP17059496A JP17059496A JPH09327673A JP H09327673 A JPH09327673 A JP H09327673A JP 17059496 A JP17059496 A JP 17059496A JP 17059496 A JP17059496 A JP 17059496A JP H09327673 A JPH09327673 A JP H09327673A
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彰 水野
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厚 谷
Masanori Sano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】集塵シ−ト4の裏面42側空間に放電極を配
し、同裏面に接してア−ス電極3を設け、放電極3を加
電して放電させると共に被除塵面Bに沿い集塵シ−ト4
を移動させて除塵を行う場合、その除塵効率の一層の向
上を図る。 【解決手段】放電極をほぼ等間隔を隔てて複数箇21〜
26設け、隣同士の放電極の極性を互いに異極性とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は物品表面に付着した
埃や塵を静電的に除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者等においては、物品表面に付着
した埃や塵(以下、細菌も含めて単に塵と称する)を静
電的に除去する方法として、図3に示すように、集塵シ
−トの裏面側空間に放電極を配し、同裏面に接してア−
ス電極を設け、放電極を加電して放電させると共に被除
塵面に沿い集塵シ−トを移動させることを既に提案し
た。
【0003】図3において、A’は静電式集塵器を示
し、下端開放の絶縁体容器1’内に放電極2’を配設
し、下端開口の全周に沿ってア−ス電極3’を設け、下
端開口に集塵シ−ト4’を集塵面41’を外側に向けて
取り付けてある。除塵においては、放電極2’を放電さ
せると共に集塵シ−ト4’の集塵面41’を被除塵面
B’に接触させて集塵器A’を移動させていく。
【0004】この場合、上記放電極2’の放電、通常は
負コロナ放電により発生する負イオンで集塵シ−ト4’
の裏面42’が負に帯電されると共に集塵シ−ト4’を
通過する電気力線のために分極電荷が発生し、集塵シ−
ト4’の集塵面41’には、帯電微粒子(帯電塵)を静
電的に吸引する部分と静電的に反発する部分とが交互に
発生する。従って、被除塵面B’の塵が何れの極性で帯
電されていても、その塵を集塵シ−ト4’の集塵面4
1’に吸着させていくことが可能となる。この集塵方法
によれば、集塵シ−トの集塵面を放電極に曝すことな
く、微粒子を静電的に集塵でき、安全である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等において
は、上記集塵方法を更に検討したところ、上記放電極を
ほぼ等間隔を隔てて複数箇設け、隣同士の放電極の極性
を互いに異極性とすれば、より一層効率よく集塵できる
ことを知った。この集塵効率の向上の原因は、隣同士の
放電極の極性を互いに異極性とすれば、被除塵面に付着
した塵に作用する静電力の方向が、集塵シ−トの移動に
伴う放電極の極性反転ごとに反転される結果、塵を被除
塵面から剥離する力が変動の激しい交番力となるためで
あると推定される。
【0006】本発明の目的は、集塵シ−トの裏面側空間
に放電極を配し、同裏面に接してア−ス電極を設け、放
電極を加電して放電させると共に被除塵面に沿い集塵シ
−トを移動させて除塵を行う場合、その除塵効率の一層
の向上を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る除塵方法
は、集塵シ−トの裏面側空間に放電極を配し、同裏面に
隣接して同放電極に対のア−ス電極を設け、放電極を加
電して放電させると共に被除塵面に沿い集塵シ−トを移
動させる方法において、上記放電極をほぼ等間隔を隔て
て複数箇設け、隣同士の放電極の極性を互いに異極性と
することを特徴とする構成である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明において使
用する除塵器Aの一例を示している。図1において、1
は複数箇の室11,12,…を連設し、各室の下端を開
放した誘電体容器である。21,23,25及び22,
24,26は隣り同士の室間において極性を異極性にし
て室内の空間に配設した放電極であり、例えば、奇数番
目の室11,13,15に配設した放電極21,23,
25を負極性とし、偶数番目の室12,14,16に配
設した放電極22,24,26を正極性としてある。
3,…は各室の下端開放口に沿って設けたア−ス電極で
ある。4は各室下端の開放口を覆って取り付けた集塵シ
−トであり、誘電体が使用されている。
【0009】本発明に係る除塵方法により、被除塵面
B、例えば、床面の除塵を行うには、上記放電極21,
23,25及び22,24,26を隣同士間で異極性と
するように、交互にマイナス、プラスの極性で加電して
放電を発生させつつ集塵器Aを床面Bに沿って移動させ
ていく。この場合、集塵シ−ト4の集塵面41、すなわ
ち被除塵面Bに接触される面には、裏面42側での放電
電荷の荷電と集塵シ−ト4を通過する電気力線に基づく
分極電荷との重畳のために、負帯電微粒子を吸引する部
分(正帯電微粒子を反発する部分)と負帯電微粒子を反
発する部分(正帯電微粒子を吸引する部分)とが通常ラ
ンダムな間隔で相互に発生する。従って、被除塵面Bに
付着している塵が正負の何れに帯電されていても、集塵
シ−ト4で吸引集塵していくことができる。また、被除
塵面Bに付着した塵に作用する静電力の方向が、集塵シ
−トの移動に伴う放電極の極性反転ごとに反転される結
果、塵を被除塵面から剥離する力が変動の激しい交番力
になり、全放電極の極性を同極性とする場合に較べて集
塵効率の向上が期待できる。
【0010】上記において、集塵器の容器の室は、一列
での連設以外に、多列での連設とすることかもできる。
本発明に係る集塵方法においては、誘電体集塵シ−トの
分極電荷の分布が集塵のパタ−ンに関与するから、集塵
シ−トの厚みを凹凸化により一定の間隔またはランダム
な間隔で変化させたり、または、集塵シ−トと誘電体容
器下端との間に非接触部を一定間隔またはランダムな間
隔で形成することにより、集塵シ−トを通過する電気力
線の分布を調整して実質的に負荷電部分と正荷電部分と
を一定間隔またはランダムな関係で交互に点在させるこ
とが有効である。
【0011】本発明において、集塵シ−トに通気性を付
与することもでき、通気孔を加工したシ−ト、布、紙、
不織布、ネット等を集塵シ−トとして使用できる。ま
た、集塵面表層を通気性とし、その表層下を粘着性層に
した集塵シ−トを使用することもでき、この場合、集塵
シ−トの電荷にク−ロン力により吸着された微粒子が粘
着層に固定され、その後、除電されることがあっても、
微粒子の脱離を防止できる。上記布製集塵シ−トには例
えば綿、絹、綿と絹との混織、ポリエステル、ナイロン
等を、紙製集塵シ−トには例えばパルプ等を、不織布製
集塵シ−トには例えばポリエステル、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ウレタンゴム等をそれぞれ使用
でき、家庭で使用不能となった布の利用も可能である。
【0012】上記通気性集塵シ−トに粘着物質を塗布ま
たは含浸したものを使用する場合は、集塵表面を非粘着
に保持しておくことが好ましく、例えば、不織布、紙、
布に粘着物質を通気性を保持させて塗布・含浸し、その
集塵側表面に不織布、紙、布を積層したものを使用する
ことが好ましい。上記粘着性物質としては、例えばアク
リル系、ゴム系の感圧性粘着剤、SISやSBSを主体
とするホットメルト系、ワックス、グリス等を使用でき
る。上記集塵シ−トの一定間隔またはランダムな凹凸化
や誘電率の不均一化により一定間隔またはランダムに分
極電荷の極性を変えるには、粘着物質をドットパタ−ン
で塗布したり、粘着物質を発泡させることもできる。
【0013】上記において、粘着集塵シ−トを使用する
場合、粘着物質層の表面積を増大するために、その表面
に細かい凹凸を付することもできる。また、上記の粘着
性集塵シ−トを多数枚積層した積層粘着性集塵シ−トを
使用し、集塵により粘着力が低下した最外面の集塵シ−
トを剥離し、その下の粘着力を充分に保有している集塵
シ−トを次々に使用していくこともできる。あるいは、
図2に示すように、シ−ト繰り出しリ−ル5とシ−ト巻
き取りリ−ル6とを取付け、粘着力の低下した粘着性集
塵シ−ト4を巻き取り、新たな粘着性集塵シ−トを繰り
出すこともできる。
【0014】上記容器の誘電体には、例えば、ポリ塩化
ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、エポキシ樹
脂、繊維強化プラスチック、ポリエステル、ゴム、ポリ
カ−ボネ−ト、プリアクリル、フエノ−ル等を使用でき
る。本発明に係る除塵方法において、放電極の加電圧は
通常±5kv〜±50kvに設定され、電圧加電時での
充電電流は、感電を防止するために電極1個当たり10
μA以下に設定することが望ましい。
【0015】この加電装置としては、電源として電池ま
たは100ボルト電源を用いた高電圧装置が使用され、
電源内部インピ-ダンスまたは外部抵抗の接続により短
絡時の電流を10μA以下とした感電時の衝撃の小さい
タイプの電源を使用することが望ましい。また、省エネ
ルギ−のため断続的に印加するものの選択使用も可能で
ある。
【0016】本発明に係る除塵方法によれば、集塵面を
直接、被除塵面に接触させて除塵でき、家庭用モップ、
靴底のゴミ取り等に利用できる。更に、1μm以下の微
粒子や病原菌の捕獲が可能であり、半導体製造でのクリ
−ンル−ムや病院でのエアコンデショナ−等にも使用で
きる。その外、煙の除去にも使用可能である。
【0017】
【実施例】実施例、比較例の何れにおいても、集塵器に
は、図1において、容器1の室が一列での6個連設であ
り、室1個の長さaが25mm、巾が160mm、高さ
bが50mmのポリ塩化ビニル製であり、集塵シ−ト4
がポリエステル不織布であり、放電極(針状放電極)と
集塵シ−トとの間隔hが35mm、ア−ス電極3の高さ
cが5mmのものを使用した。 〔実施例1〕+5kvに帯電させた長さ500mm、巾
300mmのプラスチックフィルム上に石松子(平均粒
径30μm)0.5gを均一に散布し、集塵器の最前の
放電極、3番目の放電極及び5番目の放電極を+15k
vに、他の放電極を−15kvに加電して放電を発生さ
せつつ集塵器の集塵面を石松子に接触させて往復移動さ
せたところ、2〜3往復で完全に除塵できた。 〔比較例1〕実施例1に対し、全放電極を同極性の−2
0kvに加電した以外、実施例1と同様にして除塵を行
ったところ、完全な除塵には、7〜8往復を必要とし
た。
【0018】〔実施例2〕−10kvに帯電させた長さ
500mm、巾300mmのプラスチックフィルム上に
ポリスチレン粉末(平均粒径10μm)0.5gを均一
に散布し、実施例1と同様に、集塵器の最前の放電極、
3番目の放電極及び5番目の放電極を+15kvに、他
の放電極を−15kvに加電して放電を発生させつつ集
塵器の集塵面をポリスチレン粉末に接触させて往復移動
させたところ、2〜3往復で完全に除塵できた。 〔比較例2〕実施例2に対し、全放電極を同極性の−2
0kvに加電した以外、実施例2と同様にして除塵を行
ったところ、完全な除塵には、10〜15往復を必要と
した。これらの実施例と比較例との対比から、本発明に
よれば、一連の放電極の極性を交互に異極性とした結
果、除塵効率を向上できることが明らかである。
【0019】
【発明の効果】本発明に係る除塵方法においては、放電
極を放電させ、その放電電荷を利用しているが、集塵面
を放電極に曝すことなく被除塵面の付着遊微粒子を集塵
面に電気的に高効率で吸引集塵し得、集塵面を直接、床
面等の被除塵面に接触させても安全に除塵でき、ハンデ
イタイプのクリ−ナとして使用できる等、便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除塵方法を示す説明図である。
【図2】本発明において使用する集塵器の別の例を示す
説明図である。
【図3】本出願人が既に提案した除塵方法を示す説明図
である。
【符号の説明】
A 集塵器 1 誘電体容器 11 室 12 室 13 室 14 室 15 室 16 放電極 21 放電極 22 放電極 23 放電極 24 放電極 25 放電極 26 放電極 3 ア−ス電極 4 集塵シ−ト B 被除塵面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 正典 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 守山 高明 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】集塵シ−トの裏面側空間に放電極を配し、
    同裏面に隣接してア−ス電極を設け、放電極を加電して
    放電させると共に被除塵面に沿い集塵シ−トを移動させ
    る方法において、上記放電極をほぼ等間隔を隔てて複数
    箇設け、隣同士の放電極の極性を互いに異極性とするこ
    とを特徴とする除塵方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の除塵方法において使用する
    集塵シ−トであり、通気性を有する集塵シ−ト。
  3. 【請求項3】請求項1記載の除塵方法において使用する
    集塵シ−トであり、通気性シ−トに粘着性物質をシ−ト
    の通気性を保持し得るように塗布または含浸してなる集
    塵シ−ト。
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