JPH09327424A - 掃除機の回転掻取り部材 - Google Patents

掃除機の回転掻取り部材

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JPH09327424A
JPH09327424A JP14629496A JP14629496A JPH09327424A JP H09327424 A JPH09327424 A JP H09327424A JP 14629496 A JP14629496 A JP 14629496A JP 14629496 A JP14629496 A JP 14629496A JP H09327424 A JPH09327424 A JP H09327424A
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JP
Japan
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rotary
vacuum cleaner
suction port
coil spring
brush
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Withdrawn
Application number
JP14629496A
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English (en)
Inventor
Satoshi Fujii
藤井  敏
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DAIICHI KOKAN KK
Original Assignee
DAIICHI KOKAN KK
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Publication date
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Publication of JPH09327424A publication Critical patent/JPH09327424A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絨毯やカーペット等の繊維植設敷物の掃除効
率を向上させる。 【解決手段】 吸引口14を横断するように設けられ、
かつ、駆動手段の駆動によって軸心回りに正逆回転する
回転軸3と、この回転軸3の表面に螺旋状で形成された
柔軟に弾性変形し得るブラシ部材4とを備えた掃除機の
回転掻取り部材2であって、上記ブラシ部材4は、上記
回転軸3に装着される帯状支持体と、この帯状支持体の
長手方向に延びる中心線に沿って外方に向けて突設され
た複数の突起部42とからなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気掃除機の吸引
口に設けられ、回転によって絨毯やカーペットの被掃除
面の掃除効果を向上させ得るとともに、植毛の奥部に潜
んだ塵埃やダニ等の害虫をも有効に吸引除去し得るよう
にする掃除機の回転掻取り部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特開昭56−40118号公報、
特開昭59−51824号公報、特開昭63−9982
5号公報、特開平3−202035号公報、特開平5−
91960号公報等に記載されているように、周面に長
手方向に向かって螺旋状に並んだ複数のブラシ毛を有す
る回転ブラシが、吸引口を横断するを設けられた電気掃
除機が知られている。
【0003】上記回転ブラシは、駆動手段の駆動によっ
て軸心回りに正逆回転するようになっており、掃除時に
回転ブラシが回転してブラシ毛が被掃除面を撫でること
により、被掃除面に付着した塵埃を舞い上がらせ、この
舞い上がった塵埃を吸引することで、所要の掃除効果を
得るようにしている。上記ブラシ毛は、通常、その素材
として豚毛等の動物の毛や合成樹脂製繊維の毛等が適用
されている。
【0004】ところで、上記電気掃除機では、被掃除面
が畳や板敷きの場合、塵埃がブラシ毛の回転によって掃
き寄せられるため、回転ブラシが設けられていないもの
に比べて掃除効果は高いものの、被掃除面が絨毯やカー
ペットの場合、それらは基布に繊維が植設されて形成さ
れた構造であることから、植設された繊維が邪魔になっ
てブラシ毛が基布に達し難いため、植設された繊維の根
本部分に付着した塵埃やダニ等の害虫を吸引除去するこ
とが困難であった。
【0005】そこで、近年、上記ブラシ毛に代えて合成
樹脂製の帯状体からなるいわゆるシートブラシが採用さ
れるようになった。このシートブラシは、吸引口を横断
して配設された回転軸の表面に螺旋状で装着されるもの
である。そして、回転軸の高速回転によるシートブラシ
の螺旋運動によって強制的に絨毯等の植設繊維の根本部
分にまでシートブラシの先端縁部を到達させるように
し、これによってブラシ毛では得ることが困難であった
絨毯等に対するある程度の掃除効果を達成することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
シートブラシを用いると、回転軸の回転に応じたシート
ブラシの螺旋運動によって、シートブラシの先端縁部
は、ブラシ毛の場合よりも絨毯等の植設繊維のより根本
部分にまで達するが、植設繊維はシートブラシの長手方
向に亘ってなぎ倒された状態になるだけであり、シート
ブラシが植設繊維をなぎ倒した後、回転により植設繊維
から離れるときに、復帰力が十分に備わっておらず、掻
き上げ効果が十分ではなく、このため植設繊維の根本部
分の塵埃やダニ等の掻き上げが必ずしも十分とはいえ
ず、絨毯等の十分な清浄化が行われ難いという問題点を
有している。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、絨毯やカーペット等の繊維
植設敷物の掃除効率を向上させることが可能な掃除機の
回転掻取り部材を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
吸引口から吸気を行う掃除機において、上記吸引口に臨
む姿勢で回転可能に配設された回転体と、この回転体の
吸引口に臨む回転面に、被掃除面に向けて所定寸法だけ
突設された弾性材からなる複数の掻取り片とが備えられ
ていることを特徴とするものである。
【0009】この発明によれば、回転体を回転させ、吸
引口を被掃除面に対向させた状態で掃除機を操作して掃
除すると、回転体に装着された掻取り片の回転によっ
て、掻取り片が被掃除面に衝突して弾性変形し、この衝
撃によって例えば被掃除面に植設された繊維植設体の根
本部分に潜んだ塵埃や害虫が掻き上げられるとともに、
弾性変形した掻取り片のもとの形状への復帰によって繊
維植設体が擦られ、繊維植設体に付着している塵埃等が
掻き取られる。
【0010】このように、従来の単に動物毛や合成樹脂
繊維の毛が植毛されたものが、腰の弱さによって繊維植
設体の奥側にまで入り込めず、十分な掃除効果を得るこ
とができなかったという問題点や、従来のいわゆるシー
トブラシでは、これに当接した植設繊維がシートブラシ
の長手方向に亘ってなぎ倒された状態になり、なぎ倒さ
れた隣接する繊維間にはシートブラシの影響が及ばず、
このためこの部分の清浄化が行われ難いという問題点が
克服され、より優れた掃除効果が得られる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の掃
除機の回転掻取り部材において、上記回転体は、上記吸
引口を横断して設けられた回転軸によって形成され、上
記掻取り片は、上記回転軸の外周面上で軸方向に所定間
隔毎に配設されていることを特徴とするものである。
【0012】この発明によれば、回転軸を回転させた状
態で掃除機を操作して掃除すると、回転軸に装着された
掻取り片の回転によって、掻取り片が被掃除面に衝突し
て弾性変形し、この衝撃によって例えば被掃除面に植設
された繊維植設体の根本部分に潜んだ塵埃や害虫が叩き
上げられるとともに、弾性変形した掻取り片のもとの形
状への復帰によって繊維植設体が擦られ、繊維植設体に
付着している塵埃等が掻き取られる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の掃
除機の回転掻取り部材において、上記回転体は、吸引口
に直交する垂直回転軸と同心で共回りする回転円盤によ
って形成されていることを特徴とするものである。
【0014】この発明によれば、垂直回転軸を回転さ
せ、かつ、回転円盤を被掃除面に対向させた状態で掃除
機を操作して掃除すると、回転円盤に装着された掻取り
片の回転によって、掻取り片が被掃除面に衝突して弾性
変形し、この衝撃によって例えば被掃除面に植設された
繊維植設体の根本部分に潜んだ塵埃や害虫が叩き上げら
れるとともに、弾性変形した掻取り片のもとの形状への
復帰によって繊維植設体が擦られ、繊維植設体に付着し
ている塵埃等が掻き取られる。
【0015】また、水をかけて湿らせた状態の、電柱等
に貼着されたビラ紙に回転円盤の掃除面を当接させ、回
転円盤を回転させることによりビラ紙は掻取り片にこす
られて剥がされ、剥がされたビラ片は掃除機内に吸引さ
れる。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の発明において、上記掻取り片は、上記
回転体に取り付けられる長尺の基部と、この基部上であ
って長尺方向に複数個形成された突起とからなるもので
あることを特徴とするものである。
【0017】この発明によれば、掻取り片の基部を回転
軸に取り付けることにより、複数の突起が回転軸から突
設された状態になる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、上記掻取り片の突起は、筒形状を有し、コ
イルばねが内装されていることを特徴とするものであ
る。
【0019】この発明によれば、掻取り片は、装着され
たコイルばねの弾性力によって変形した後の復帰力およ
び復帰速度が大きくなり、掻取り突起の復帰運動によっ
て掃除効果が向上する。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、上記コイルばねは、基端側の大径部と、均
一な径を有する小径部とからなることを特徴とするもの
である。
【0021】この発明によれば、コイルばねの大径部が
アンカーの役割を果たしてコイルばねの掻取り片内にお
ける装着状態が安定する。
【0022】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明において、上記大径部は、小径部に向けて径が漸減す
るようになされていることを特徴とするものである。
【0023】この発明によれば、掻取り片の撓み変形時
にコイルばねの大径部は径の小さい部分で大きく変形
し、径が大きくなるに従って変形量が小さくなるため、
最奥側の部分はほとんど変形しない状態になり、これに
よってコイルばねの装着状態が安定する。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る回転掻取り
部材が適用される電気掃除機の吸引口部の第1実施形態
を示す一部切欠き側面図であり、図2は、図1に示す吸
引口部の底面図である。吸引口部1は、矢印Xで示す進
退方向に直交する方向に長尺の直方体状のケーシング1
1、このケーシング11の底面の四隅部に設けられた車
輪12、およびケーシング11の一方壁部から延設され
た塵埃吸引管13部を備えて形成されている。上記塵埃
吸引管13は図略の掃除機本体に接続され、空気に伴っ
て吸引された塵埃が掃除機本体で補足されるようになっ
ている。
【0025】上記ケーシング11の底面には、図2に示
すように、ケーシング11の長手方向の略全長に亘って
開口された吸引口14が設けられている。そして、ケー
シング11内には吸引口14を長手方向に横断するよう
に回転ブラシ2が設けられている。この回転ブラシ2
は、略円柱状を有し、その左右両側で回転可能に軸支さ
れ、その一方側で図略の駆動手段からの回転力を伝達さ
れて正逆方向に回転するようになっている。
【0026】図3は、回転ブラシ2の一実施形態を示す
斜視図である。この図に示すように、回転ブラシ2は、
上記吸引口14(図2)の長手方向の寸法と略同寸法の
回転軸3、および、回転軸3(図4)の外周面に螺旋状
で設けられた二条のブラシ部材4とから構成されてい
る。上記回転軸3は、その一方の端部が、ケーシング1
1内の一方の側壁部分で回転軸3を支持する第1軸受部
21に接続され、他方の端部が、ケーシング11内の他
方の側壁部分で回転軸3を支持する第2軸受部26に接
続されており、回転ブラシ2はこれら軸受部21,26
に支持されることによって軸心回りに回転可能になって
いる。
【0027】図4は、回転ブラシ2の第1軸受部21側
の分解斜視図であり、図5は、図4に示す回転ブラシ2
が組み立てられた状態を示す断面図である。これらの図
に示すように、上記回転軸3は、略吸引口14の長手方
向の寸法と同一の長さ寸法を有する円柱軸体31と、こ
の円柱軸体31の外周面の対向する位置に螺旋状に巻き
つけられたような形で突設された一対の支持突条32と
から構成されている。これらの支持突条32は、円柱軸
体31より若干短い寸法に設定されている。上記一対の
支持突条32は、互いに一定の離間距離を保ちつつ緩や
かな螺旋を描いて円柱軸体31の周りに巻き付いてい
る。
【0028】上記各一対の支持突条32には、円柱軸体
31の周方向両側部であって、互いに対向する部分が所
要の曲率で持ち上がったオーバーハング部32aが形成
され、これら互いに対向するオーバーハング部32aに
よって長手方向に延びる一対の蟻溝33が形成されてい
る。
【0029】上記ブラシ部材4は、柔軟性を有し、か
つ、弾性変形し得る合成樹脂または合成ゴムによって作
られている。ブラシ部材4は、上記支持突条32と同一
の長さ寸法を有する帯状の基部41と、この基部41の
長手方向に延びる中心線に沿って所要寸法毎に同一方向
に突設された引掻き突起部42とから構成されている。
【0030】上記基部41は、断面形状が蟻溝33に一
致する形状で、蟻溝33に嵌入され得るようになってい
るとともに、嵌入状態では蟻溝33から抜けないように
なっている。また、上記引掻き突起部42は、その基端
面の形状が円柱軸体31の周面と一致するように形成さ
れており、嵌入状態での突起部42の姿勢維持が図ら
れ、これにより突起部42による口述する掻き上げ性能
の安定化を達成している。従って、蟻溝33の一方の開
口から基部41を嵌め込んでいくことにより、図3に示
すように、複数の引掻き突起43が蟻溝33から外部に
突出した状態でブラシ部材4が回転軸3に装着される。
【0031】上記突起部42は、図4に示すように、そ
の内部に上記基部41の底面から穿設された装着穴44
を有し、この装着穴44にコイルばね5が嵌め込まれる
ようになっている。突起部42は、撓んだときコイルば
ね5の弾性力によって元の形状に復帰する復元力が大き
くなるようになっている。
【0032】そして、ブラシ部材4が回転軸3に装着さ
れた状態で、円柱軸体31の一方の端部に第1軸受部2
1が取り付けられ、これによってブラシ部材4の蟻溝3
3の一方の端部からの脱落が防止されるようにしてい
る。上記第1軸受部21は、円柱軸体31に外嵌される
有底円筒状の蓋体22と、この蓋体22の外方端面に摺
動可能に当接される軸受円盤23とを備えている。上記
蓋体22が円柱軸体31に外嵌され、かつ円柱軸体31
にビス止めで固定された状態で蟻溝33の端部の開口が
閉止され、これによって、図5に示すように、蟻溝33
に嵌め込まれたブラシ部材4の軸方向への抜け止めが行
われている。
【0033】また、蓋体22および軸受円盤23にはそ
れぞれ同心の貫通孔24が穿設されているとともに、円
柱軸体31の端面にはその軸心部分に上記貫通孔24よ
りも径寸法の小さいかしめ孔31aが穿設されている。
そして、蓋体22が円柱軸体31に嵌め込まれ、この蓋
体22の端面に同心で軸受円盤23が当接された状態
で、釘状の支持軸25が貫通孔24に挿通され、かつ、
かしめ孔31aに圧入されることによって、図5に示す
ように、回転ブラシ2が支持軸25回りに回動自在に軸
受円盤23に取り付けられた状態になっている。なお、
上記軸受円盤23は、ケーシング11内の所定の側壁に
固定されるものである。
【0034】図6は、回転ブラシ2の第2軸受部26側
の分解斜視図である。この図に示すように、第2軸受部
26は、円柱軸体31に外嵌される歯車27aを備えた
歯車付蓋体27と、この歯車付蓋体27の歯車27a側
の端面に摺動可能に当接される方形の軸受片28とを備
えて形成されている。上記歯車付蓋体27が円柱軸体3
1に外嵌され、かつ円柱軸体31にビス止めで固定され
た状態で蟻溝33の他方の端部の開口が閉止され、これ
によって、図5に示すように、蟻溝33に嵌め込まれた
ブラシ部材4の軸方向へのが抜け止めが行われている。
【0035】また、歯車付蓋体27および軸受片28に
はそれぞれ同心の貫通孔29が穿設されているととも
に、円柱軸体31の端面にはその軸心部分に上記貫通孔
29よりも径寸法の小さいかしめ孔31aが穿設されて
いる。そして、歯車付蓋体27が円柱軸体31に嵌め込
まれ、この歯車付蓋体27の端面に同心で軸受片28が
当接された状態で、支持軸25が貫通孔29に挿通さ
れ、かつ、かしめ孔31aに圧入されることによって、
回転ブラシ2が支持軸25回りに回動自在に軸受片28
に取り付けられた状態になっている。
【0036】上記軸受片28は、ケーシング11内の上
記軸受円盤23が固定された側壁に対向する側壁に固定
されるものであり、回転ブラシ2は、この軸受片28お
よび上記軸受円盤23が上記各側壁に固定されることに
より、図2に示すように、吸引口14を長手方向に横断
してケーシング11内に取り付けられた状態になり、図
略の駆動手段の駆動力が上記歯車27aを介して回転ブ
ラシ2に伝達されることにより、回転ブラシ2は支持軸
25回りに回転する。
【0037】図7は、ブラシ部材4が回転軸3に装着さ
れた状態を示す側面断面図であり、図8は、図7のA−
A線矢視図である。これらの図に示すように、各突起部
42の内部に形成されている装着穴44は、基部41の
底面の開口から奥部に向かって内径寸法が漸減するよう
に設定された奥窄み部45と、この奥窄み部45の奥側
であって、突起部42の内部に向けて延設された内径寸
法が一定の内径均一部46とからなっている。
【0038】本実施形態においては、奥窄み部45は、
図7および図8に示すように、内径の変化率が奥部に進
むに従って漸減するように設定されている。
【0039】上記コイルばね5は、上記奥窄み部45に
対応した形状を有する大径部51と、この大径部51に
延設され、かつ、上記内径均一部46に対応した径を有
する小径部52とからなっている。大径部51は、奥窄
み部45の内周面に当接するように先端に向かって外径
寸法が漸減されて形成されている。小径部52は、内径
均一部46の寸法と略一致する長さを有している。
【0040】本実施形態においては、コイルばね5は、
比較的大きな弾性力を得るべく、ステンレス鋼製のばね
材が用いられているが、所要の弾性力が得られれば、ス
テンレス鋼以外のばね材(例えば、通常のばね鋼や合成
樹脂製のばね材)を使用することもできる。また、大径
部51は、隣り合う周回部分が互いに重なり合わずに若
干の隙間が形成されるように巻成されて形成され、これ
によって横方向への変形が容易に行われるようにしてい
るが、かかる構造に限定されるものではなく、隣り合う
周回部分が互いに接触するように隙間を設けずに巻成し
てもよい。こうすることによってコイルばね5の撓み応
力を、隙間を形成した場合に比べて、大きくすることが
可能になり、結局、隣り合う周回部分の隙間寸法は、所
要のばね応力や、材質等を考慮して設定すればよい。
【0041】また、コイル径を連続的に大径部51から
小径部52に変化させているので、後述する被掃除面F
に当接して屈曲しても、1個所で集中的に曲がるのでは
なく、分散的に曲がるようにして、各部におけるその変
形応力を緩和して長寿命化を図っている。
【0042】このように、ブラシ部材4は、それぞれの
突起部42の内部にコイルばね5が嵌装された状態で回
転軸3に取り付けられ、これによってコイルばね5の内
装された複数の突起部42が回転軸3の外周面から突出
した状態になる。従って、突起部42に外力が加わる
と、図8に二点鎖線で示すように、突起部42は撓んで
弾性変形し、このときコイルばね5の弾性応力によって
大きな復元力が発生し、外力が取り除かれると速やかに
実線で示すように元の立設状態に復元する。
【0043】図9は、被掃除面Fとして絨毯Kを例に挙
げた場合の本発明の作用を説明するための説明図であ
り、(イ)はブラシ部材4の引掻き突起部42が絨毯K
の被掃除面Fに当接する直前の状態、(ロ)は、突起部
42の先端部が絨毯Kの被掃除面Fに当接した状態、
(ハ)は、突起部42の先端部が絨毯Kの被掃除面Fか
ら離れつつある状態をそれぞれ示している。
【0044】絨毯Kの被掃除面Fを電気掃除機で掃除す
るに際しては、まず吸引口部1(図1)を被掃除面F上
に配置し、図略の吸引手段を運転するとともに、ケーシ
ング11内の図略の駆動手段を駆動して回転ブラシ2を
回転させつつ吸引口部1を矢印B方向に移動させる。図
1においては吸引口部1は左方に移動されるとともに、
回転ブラシ2は吸引口部1の移動と順方向に回転され
る。
【0045】なお、吸引口部1が図1において左方に移
動されるときは、回転ブラシ2の回転方向は、車輪12
の回転方向の変更を検出して自動的に切り換わるように
してある。
【0046】そして、回転軸3の回転によって、ブラシ
部材4の突起部42の先端部が、絨毯Kの被掃除面Fに
達する直前においては、図9の(イ)に示すように、絨
毯Kのブラシ部材4近傍の植設繊維K1が突起部42に
よってなぎ倒された状態になっている。
【0047】ついで、回転軸3の回転継続により、突起
部42が真下、すなわち被掃除面Fに面した状態では、
図9の(ロ)に示すように、突起部42が被掃除面Fに
達して回転方向上流側に弾性変形して弓形に撓むため、
コイルばね5にはこの撓み応力が発生している。
【0048】植設繊維K1は、その被押圧部が押圧され
つつ突起部42に引掻かれた状態になるため、植設繊維
K1の表面や隣接する植設繊維K1間に存在した塵埃が
突起部42によって掻き取られる。掻き取られた塵埃
は、突起部42の支持軸25回りの回転によって移動方
向の後方に掻き上げられる。
【0049】そして、図9の(ハ)に示すように、回転
軸3の回転によって突起部42の先端部が被掃除面Fか
ら外れると、突起部42の弾性変形が解除されて元の形
状に瞬間的に復元する(二点鎖線で表示)。このときの
復元力は突起部42に内装されたコイルばね5によって
非常に大きくなっているため、復元速度は非常に高いも
のとなる。そして復元時の突起部42が植設繊維K1
を、大きな力で、かつ、高速度で擦ることになり、これ
によって絨毯Kの植設繊維K1の奥部に溜った塵埃やダ
ニ等の害虫が植設繊維K1の上方に掻き上げ(舞い上
げ)られる。そしてこれが吸引されて電気掃除機の本体
側に吸い込まれる。
【0050】上記コイルばね5を嵌装する装着穴44
は、内径寸法が漸減する奥窄み部45と、この奥窄み部
45に延設された内径均一部46とを備えて形成され、
また、この装着穴44に嵌装されるコイルばね5は、上
記奥窄み部45の内周面に当接するように先細りに形成
された大径部51と、この大径部51に延設された小径
部52とを備えて形成されているため、コイルばね5が
装着穴44に嵌装された状態では、特にその根本部分で
ある大径部51の装着穴44内での支持が確実に行われ
た状態になり、突起部42内でコイルばね5がぐらつく
ようなことは起こらない。従って、突起部42の弾性変
形によりコイルばね5も確実に弾性変形して撓むため、
コイルばね5に弾性変形後に復元動作を行わせることが
可能になる。
【0051】図10は、本発明に係る回転掻取り部材が
適用される電気掃除機の吸引口部の第2実施形態を示す
一部切欠き斜視図である。第2実施形態においては、吸
引口部1aは、円筒状のケーシング11aと、この吸引
口部1aに同心で内装された回転ブラシ2aと、この回
転ブラシ2aに同心でケーシング11aの頂部に設けら
れた駆動モータ20と備えて構成されている。
【0052】上記ケーシング11aは、上部に天井壁1
1bを有し、この天井壁11bの外面にその中心部を駆
動軸20aが貫通した状態で上記駆動モータ20が固定
されている。また、ケーシング11aの上部には、図略
の集塵部に連通した塵埃吸引管13aが接続されてい
る。さらに、ケーシング11aの下端縁部には、環状の
スカート部15が延設され、このスカート部15の内周
面と上記回転ブラシ2aの下端部外周面との間に環状の
吸引口14aが形成されているとともに、ケーシング1
1aの内部には上記吸引口14aに続く環状通路14b
が形成されている。この環状通路14bは上記塵埃吸引
管13aに連通している。
【0053】上記スカート部15は、合成樹脂や合成ゴ
ムあるいは天然ゴム等の柔軟性材料から形成され、これ
によってスカート部15が被掃除面に当接した状態で柔
軟に変形して被掃除面の凹凸や曲面に容易に対応し得る
ようになっている。かかるスカート部15は、周方向に
複数面が形成された壁部15aと、隣接するスカート部
15間に配設された複数の筒部15bとからなってい
る。
【0054】上記壁部15aには吸引孔15cが穿設さ
れ、掃除時に吸引口14aが塞がれた状態でもこの吸引
孔15cから空気が吸引されるようになっている。ま
た、上記筒部15bの内部にはコイルばね5aが装着さ
れ、このコイルばね5aの弾性力によって変形したスカ
ート部15の復帰が迅速に行われるようにしている。
【0055】上記回転ブラシ2aは、上記駆動軸20a
と同心の中心軸25aと、この中心軸25aの回りに螺
旋状で固定されたフィン25bと、中心軸25aの下端
面に同軸で装着された回転円盤29とを備えて構成され
ている。中心軸25aは上記駆動軸20aに一体に固定
され、駆動モータ20の駆動による駆動軸20aの回転
によって中心軸25aが回転し、この回転によるフィン
25bの回転によって吸引口14aから外気が吸引され
るようになっている。
【0056】図11は、回転円盤29の一実施形態を示
す斜視図である。この図に示すように、回転円盤29の
下端面には第1実施形態で適用したのと同様のブラシ部
材4の基部41が装着されている。回転円盤29は、そ
の下端面部を横断した互いに並行な複数の蟻溝29aを
有しており、この蟻溝29aにブラシ部材4の基部41
が嵌入され、これによって複数の突起部42が回転円盤
29の下端面から外部に突出するようになっている。本
実施形態においては、蟻溝29aは3条が形成されてい
るが、3条に限定されるものではなく、4条以上であっ
てもよい。
【0057】また、上記ブラシ部材4が蟻溝29aに装
着された状態で、回転円盤29の外周に金属製の抜け止
め部材である金属製たが29bが嵌め込まれてねじ止め
等で固定され、これによってブラシ部材4が蟻溝29a
から抜け出るのを防止するようにしている。
【0058】そして、回転ブラシ2aがケーシング11
a内に装着された状態で、図10に示すように、ブラシ
部材4は、その突起部42の先端がスカート部15の下
端部より若干内側に位置するように上下方向の長寸法が
設定され、これによってスカート部15の下端縁を被掃
除面に接触させた状態で、突起部42の先端部と被掃除
面との間に若干の隙間が形成され、吸引口部1aを被掃
除面の方向に押圧することによってスカート部15の弾
性変形によって突起部42の先端が被掃除面に当接する
ようにしている。
【0059】図12は、ブラシ部材4の抜け止め手段の
他の例を示す一部切欠き斜視図である。この例では、回
転円盤29の外周面であって、蟻溝29a開口部が存在
する高さ位置に環状溝29cが凹設され、この環状溝2
9cに柔軟性を有する合成樹脂、あるいは合成ゴム、天
然ゴム等からなる柔軟材料製たが29dを嵌め込むよう
にしている。こうすることによって、たがの回転円盤2
9に対する着脱操作が容易になる。なお、柔軟材料製た
が29dに代えて、止め金具を有する金属製や皮革製の
バンドを用いてもよい。
【0060】第2実施形態の吸引口部1aの構成によれ
ば、駆動モータ20が駆動した状態で吸引口14aを被
掃除面に対向させ、ついでスカート部15の先端縁を被
掃除面に当接させることにより、被掃除面がスカート部
15によって囲まれた状態になる。この状態でケーシン
グ11aを被掃除面の方向に押圧することにより、スカ
ート部15の弾性変形によってブラシ部材4の突起部4
2が被掃除面に当接し、突起部42の回転によって被掃
除面の植設繊維が掻き回され、繊維に付着している塵埃
やダニ等が取り除かれる。
【0061】植設繊維から取り除かれた塵埃やダニ等
は、フィン25bの回転および図略の掃除機本体の吸引
手段の駆動によりスカート部15の吸引孔15cを通し
てケーシング11aの環状通路14b内を塵埃吸引管1
3aに向かって流れる気流によって運ばれ、掃除機本体
で集塵される。
【0062】そして、第2実施形態の吸引口部1aは、
以上詳述したように、ブラシ部材4を備えた回転円盤2
9が容易に弾性変形するスカート部15に囲繞され、し
かもブラシ部材4の突起部42はスカート部15の内側
に入り込んだ状態にしているため、被掃除面が、たとえ
曲面であってもスカート部15の弾性変形によってスカ
ート部15に囲繞された状態になり、ブラシ部材4の回
転によって取り除かれた塵埃等は確実に吸引される。
【0063】本発明は、以上の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0064】(1)上記の実施形態においては、突起部
42の装着穴44内にコイルばね5が装着されている
が、コイルばね5の内装は必須ではなく、例えば、突起
部42を十分に大きな変形応力が発揮される形状に設定
したり、あるいは大きな弾性力を有する材料を選定し、
また形状、材料の双方を考慮することができ、このよう
な場合には、特に突起部42にコイルばね5を内装しな
くてもよい。
【0065】(2)上記の実施形態においては、突起部
42の装着穴44にはコイルばね5以外のものは内装さ
れていないが、装着穴44内にコイルばね5を装入した
後、発泡性合成樹脂の原料を装填し、ついで発泡処理を
施すことによってコイルばね5が装着穴44内で発泡性
合成樹脂内に埋設されるようにしてもよい。こうするこ
とによって、装着穴44内でのコイルばね5のぐらつき
を確実に阻止することができ、これによって突起部42
が撓んだときのコイルばね5による復元力を確実に得る
ことができるようになる。また、金型を用いた射出成形
で行うブラシ部材4の製造時に、金型内にコイルばね5
を予め装填し、ついで射出成形する、いわゆる一体成形
法でコイルばね5をブラシ部材4に埋設してもよい。
【0066】(3)上記の第1実施形態においては、ブ
ラシ部材4は回転軸3の外周面に螺旋状で設けられてい
るが、本発明は、ブラシ部材4が螺旋状に設けられるこ
とに限定されるものではなく、回転軸3の長手方向の全
長に亘って直線状に設けてもよい。
【0067】(4)上記の第1実施形態においては、複
数の突起部42が等ピッチで基部41から突設されてい
るが、等ピッチであることに限定されるものではなく、
少なくとも隣接する突起部42同士が切断され、かつ、
内装されたコイルばね5が弾性変形可能であればよい。
例えば、基部41に軸方向に複数の切り込みを入れて突
起部42間に隙間を形成したものでもよい。また、所定
個数の突起部42については突起部42間の隙間寸法を
小さくするか相互に隣接するようにし、このようにした
所定個数の突起部42からなる突起部群を他の突起部4
2間に適宜介在させるようにしてもよい。
【0068】(5)上記の第1実施形態においては、回
転軸3は駆動手段によって強制回転されるようにしてい
るが、本発明は、回転軸3が強制回転されることに限定
されるものではなく、ケーシング11の移動によって連
れ回りするようにしてもよい。
【0069】(6)上記の第1および第2実施形態にお
いては、コイルばね5は突起部42に密閉状態で内装さ
れているが、被掃除面Fの状況によっては、コイルばね
5を外部に露出させてもよい。この場合露出したコイル
ばね5の先端部を内側に丸め込んでおけば、引掛かり等
が効果的に防止される。
【0070】(7)上記の第1および第2実施形態にお
いては、コイルばね5は断面形状が円形のものを適用し
ているが、断面形状を円形に代えて偏平にしたり、多角
形状にしてもよい。また、上記の第1および第2実施形
態においては、コイルばね5は、基端部に大径部51が
形成されているが、弾性力が発揮されるように突起部4
2に内装されている限り、大径部51を設けなくてもよ
い。
【0071】(8)コイルばね5は、その用途が掃除機
に限定されるものではなく、屈曲復元動作を生じるもの
一般に適用可能であり、例えば、各種の電気スイッチ類
や操作レバーに対する付勢力付与用として利用すること
ができる。また、大径部51と小径部52とでばねの振
動状態が異なり、コイルばね5が全体的に複雑かつ微妙
な振動を行うことを利用して、例えば寒冷地における高
圧送電線に相当の大きさのコイルばね5を吊設し、風に
よるコイルばね5の微妙な振動で送電線に積もる雪を振
り払うようにすることができる。
【0072】また、コイルばね5が軸方向に圧縮される
とき、小径部52が大径部51に入り込むことが可能で
あり、これによって軸方向への圧縮弾性変形距離が大き
くなるため、外力が軸方向に加わる場合の優れた緩衝材
として利用することができる。さらに、軸方向および軸
に直交する方向、さらには軸に対して斜めの方向等、あ
らゆる方向に対する付勢力を安定して発生させることが
可能であるため、介護用等の特殊なベッド用として、あ
るいは自動車や飛行機等のシミュレーションマシンの着
座席用としても利用することができる。
【0073】(9)上記の第2実施形態においては、蟻
溝29aは、回転円盤29の下端面を直線状で横断する
ように形成されているが、本発明は、蟻溝29aが直線
状であることに限定されるものではなく、例えば、図1
3の(イ)に示すように、放射状に形成してもよいし、
図13の(ロ)に示すように波形に形成してもよい。さ
らに、図13の(ハ)に示すように挑戦状のものと曲線
状のものとを組み合わせて形成してもよく、その形成状
態は被掃除面の状況に応じて任意に設定することができ
る。
【0074】(10)上記の第2実施形態の掃除機の吸
引口部1aは、掃除用の他に、ビラ紙剥離用として利用
することができる。この場合、電柱や塀に貼着されたビ
ラ紙に水や剥離液をスプレーし、ビラ紙がふやけた状態
で吸引口部1aの吸引口14a部分をビラ紙の表面に押
し付けて回転ブラシ2aを回転させることにより、ふや
けたビラ紙がブラシ部材4の突起部42により掻き取ら
れ、破砕されたビラ紙片が掃除機本体に吸引される。
【0075】(11)上記の実施形態においては、回転
ブラシ2,2aは、自軸心回りに順方向または逆方向に
連続手液に回転するようにしているが、こうする代り
に、一方向に所定角度回転させた後、他方向に所定角度
回転させ、これを繰返すいわゆる揺動動作が可能なよう
に構成してもよい。
【0076】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、吸引口か
ら吸気を行う掃除機において、吸引口に臨む姿勢で回転
可能に配設された回転体と、この回転体の吸引口に臨む
回転面に、被掃除面に向けて所定寸法だけ突設された弾
性材からなる複数の掻取り片とが備えられているため、
回転体を回転させ、吸引口を被掃除面に対向させた状態
で掃除機を操作して掃除すると、回転体に装着された掻
取り片の回転によって、掻取り片が被掃除面に衝突して
弾性変形し、この衝撃によって例えば被掃除面に植設さ
れた繊維植設体の根本部分に潜んだ塵埃や害虫が掻き上
げられるとともに、弾性変形した掻取り片のもとの形状
への復帰によって繊維植設体が擦られ、繊維植設体に付
着している塵埃等を確実に取り除くことができる。
【0077】このように、従来の単に動物毛や合成樹脂
繊維の毛が植毛されたものが、腰の弱さによって繊維植
設体の奥側にまで入り込めず、十分な掃除効果を得るこ
とができなかったという問題点や、従来のいわゆるシー
トブラシでは、これに当接した植設繊維がシートブラシ
の長手方向に亘ってなぎ倒された状態になり、なぎ倒さ
れた隣接する繊維間にはシートブラシの影響が及ばず、
このためこの部分の清浄化が行われ難いという問題点が
克服され、より優れた掃除効果を得ることができる。
【0078】請求項2記載の発明によれば、回転体は、
上記吸引口を横断して設けられた回転軸によって形成さ
れ、上記掻取り片は、上記回転軸の外周面上で軸方向に
所定間隔毎に配設されているため、回転軸を回転させた
状態で掃除機を操作して掃除すると、回転軸に装着され
た掻取り片の回転によって、掻取り片が被掃除面に衝突
して弾性変形し、この衝撃によって例えば被掃除面に植
設された繊維植設体の根本部分に潜んだ塵埃や害虫が叩
き上げられるとともに、弾性変形した掻取り片のもとの
形状への復帰によって繊維植設体が擦られ、繊維植設体
に付着している塵埃等を掻き取ることができる。
【0079】請求項3記載の発明によれば、回転体は、
吸引口に直交する垂直回転軸と同心で共回りする回転円
盤によって形成されているため、垂直回転軸を回転さ
せ、かつ、回転円盤を被掃除面に対向させた状態で掃除
機を操作して掃除すると、回転円盤に装着された掻取り
片の回転によって、掻取り片が被掃除面に衝突して弾性
変形し、この衝撃によって例えば被掃除面に植設された
繊維植設体の根本部分に潜んだ塵埃や害虫が叩き上げら
れるとともに、弾性変形した掻取り片のもとの形状への
復帰によって繊維植設体が擦られ、繊維植設体に付着し
ている塵埃等を確実に掻き取ることができる。
【0080】請求項4記載の発明によれば、掻取り片
は、回転体に取り付けられる長尺の基部と、この基部上
であって長尺方向に複数個形成された突起とを備えて形
成されているため、掻取り片の基部を回転軸に取り付け
ることによって、複数の突起を回転軸から突設させた状
態にすることができる。
【0081】請求項5記載の発明によれば、掻取り片
は、筒形状を有し、コイルばねが内装されているため、
掻取り片は、装着されたコイルばねの弾性力によって変
形した後の復帰力および復帰速度が大きくなり、掻取り
突起の復帰運動によって掃除効果を向上させることがで
きる。
【0082】請求項6記載の発明によれば、コイルばね
は、基端側の大径部と、均一な径を有する小径部とから
なるものであり、コイルばねの大径部がアンカーの役割
を果たすため、コイルばねの掻取り片内における装着状
態を容易に安定させることができる。
【0083】請求項7記載の発明によれば、大径部は、
小径部に向けて径が漸減するようになされているため、
掻取り片の撓み変形時にコイルばねの大径部は径の小さ
い部分で大きく変形し、径が大きくなるに従って変形量
が小さくなるとともに、最大径の部分はほとんど変形し
ない状態になり、これによってコイルばねの装着状態を
より確実に安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転ブラシが用いられた電気掃除
機の吸引口部の第1実施形態を示す一部切欠き側面図で
ある。
【図2】図1に示す吸引口部の底面図である。
【図3】回転ブラシの一実施形態を示す斜視図である。
【図4】回転ブラシの第1軸受部側の分解斜視図であ
る。
【図5】図4に示す回転ブラシが組み立てられた状態示
す断面図である。
【図6】回転ブラシの第2軸受部側の分解斜視図であ
る。
【図7】ブラシ部材が回転軸に装着された状態を示す側
面視の断面図である。
【図8】図7のA−A線矢視図である。
【図9】本発明の作用を説明するための説明図であり、
(イ)はブラシ部材の突起部が絨毯の被掃除面に当接す
る直前の状態、(ロ)は、突起部の先端が絨毯の被掃除
面に当接した状態、(ハ)は、突起部の先端が絨毯の被
掃除面から離れつつある状態をそれぞれ示している。
【図10】本発明に係る回転掻取り部材が適用される電
気掃除機の吸引口部の第2実施形態を示す一部切欠き斜
視図である。
【図11】回転円盤の一実施形態を示す斜視図である。
【図12】ブラシ部材の抜け止め手段の他の例を示す一
部切欠き斜視図である。
【図13】(イ)、(ロ)および(ハ)は、蟻溝の配設
状態の他の実施形態を示す配設図である。
【符号の説明】
1 吸引口部 11,11a ケーシング 11b 天井壁 12 車輪 13,13a 塵埃吸引管 14,14a 吸引口 14b 環状通路 15 スカート部 15a 壁部 15b 筒部 15c 吸引孔 2 回転ブラシ 20 駆動モータ 20a 駆動軸 21 第1軸受部 22 蓋体 23 軸受円盤 24 貫通孔 25 支持軸 25a 中心軸 25b フィン 26 第2軸受部 27 歯車付蓋体 27a 歯車 28 軸受片 29 回転円盤 29a 蟻溝 29b 金属製たが 29c 環状溝 29d 柔軟材料製たが 3 回転軸 31 円柱軸体 31a かしめ孔 32 支持突条 32a オーバーハング部 33 蟻溝 4 ブラシ部材 41 基部 42 突起部 44 装着穴 45 奥窄み部 46 内径均一部 5 コイルばね 51 大径部 52 小径部 F 被掃除面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸引口から吸気を行う掃除機において、
    上記吸引口に臨む姿勢で回転可能に配設された回転体
    と、この回転体の吸引口に臨む回転面に、被掃除面に向
    けて所定寸法だけ突設された弾性材からなる複数の掻取
    り片とが備えられていることを特徴とする掃除機の回転
    掻取り部材。
  2. 【請求項2】 上記回転体は、上記吸引口を横断して設
    けられた回転軸によって形成され、上記掻取り片は、上
    記回転軸の外周面上で軸方向に所定間隔毎に配設されて
    いることを特徴とする請求項1記載の掃除機の回転掻取
    り部材。
  3. 【請求項3】 上記回転体は、吸引口に直交する垂直回
    転軸と同心で共回りする回転円盤によって形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の掃除機の回転掻取り
    部材。
  4. 【請求項4】 上記掻取り片は、上記回転体に取り付け
    られる長尺の基部と、この基部上であって長尺方向に複
    数個形成された突起とからなるものであることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載の掃除機の回転掻
    取り部材。
  5. 【請求項5】 上記掻取り片の突起は、筒形状を有し、
    コイルばねが内装されていることを特徴とする請求項4
    記載の掃除機の回転掻取り部材。
  6. 【請求項6】 上記コイルばねは、基端側の大径部と、
    均一な径を有する小径部とからなることを特徴とする請
    求項5記載の掃除機の回転掻取り部材。
  7. 【請求項7】 上記大径部は、小径部に向けて径が漸減
    するようになされていることを特徴とする請求項6記載
    の掃除機の回転掻取り部材。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010065875A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Mitsubishi Electric Corp フィルタ清掃装置及びこれを備えた空気調和機
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JP2017060631A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 電気掃除機
JP2019030801A (ja) * 2018-12-04 2019-02-28 シャープ株式会社 電気掃除機
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WO2024104493A1 (zh) * 2023-03-30 2024-05-23 曲阜信多达智能科技有限公司 清洁滚筒及其清洁机器

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