JPH09326327A - 電子部品およびその製造方法 - Google Patents

電子部品およびその製造方法

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JPH09326327A
JPH09326327A JP6950197A JP6950197A JPH09326327A JP H09326327 A JPH09326327 A JP H09326327A JP 6950197 A JP6950197 A JP 6950197A JP 6950197 A JP6950197 A JP 6950197A JP H09326327 A JPH09326327 A JP H09326327A
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JP
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case
electronic component
resin
component according
hole
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JP6950197A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kiyomura
圭博 清村
Katsutoshi Nakamura
勝利 中村
Masuhiro Yamamoto
益裕 山本
Hiroshi Oishi
浩 大石
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種電気機器に使用される磁器コンデンサ−
及び抵抗等の電子部品において、異常電流発生時の電子
部品の不燃化を達成し、性能の安定な不燃性を有する電
子部品およびその製造方法することを目的とする。 【解決手段】 コンデンサ−、抵抗等の電子部品素子に
対し、これを穴6を持つケ−ス5内に封じることにより
不燃性を有する電子部品8を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子回路を構成する
コンデンサ、抵抗、コイル等の不燃性を有する電子部品
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品の分野において、製品の
安全性確保のために、その不燃化対策が大きな課題とな
っている。これまで有機系および無機系塗料を用いた不
燃性の電子部品が提案されてきている。しかしながら、
これらは電子部品の本来の性質を低下させることなく、
不燃性を有することに関して十分なものであるとは言え
なかった。
【0003】たとえば、磁器コンデンサの分野において
は、難燃化処理されたエポキシ樹脂系塗料、シリコーン
樹脂系塗料等の塗料が外装材として一般的に使用されて
いる。このような磁器コンデンサは電気的な特性に優れ
ており、またその製造上の作業性においても優れてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不慮の
落雷等で電器製品中のコンデンサが絶縁破壊され、異常
電流の発生によりコンデンサが赤熱された場合、現在使
用されている外装材はこの発熱に耐えられない可能性が
ある。このため不燃性を有する外装材の開発が行われて
いるものの、電子部品用として必要な絶縁性、防湿性お
よび作業性に優れているという条件を満足し、かつ不燃
性を有する材料は得られていない。
【0005】本発明は前記従来の問題に留意し、性能の
安定な不燃性を有する電子部品およびその製造方法を供
給することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、ケース内に電子部品素子が挿入され、ケー
スの入り口が絶縁材で密封された構成であって、燃焼時
にケース内のガスを抜く手段を設けたことを特徴とする
不燃性を有する電子部品の構成とするものである。
【0007】本発明によれば、予期しない異常電流によ
る電子部品素子の発熱時に、ケース内のガスが抜かれて
無酸素状態が確保され、品質の安定な不燃性を有する電
子部品が得られる。
【0008】また、本発明によれば、品質の安定な不燃
性を有する電子部品を容易に、且つ安価に製造すること
が出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ケースと、前記ケース内に配設した電子部品素子
と、前記ケース内と前記ケース外を連通する手段と、を
備えた電子部品であり、電子部品素子が予期せぬ異常電
流により加熱されても炎が発生しないという作用を有す
る。
【0010】本発明の請求項2に記載の発明は、前記電
子部品素子の一部が前記ケースあるいは封止材により保
持され、前記電子部品素子の他の部分が前記ケースおよ
び前記封止材と空隙を有することを特徴とする請求項1
に記載の電子部品であり、電子部品素子が予期せぬ異常
電流により加熱されても炎が発生しないという作用を有
する。
【0011】本発明の請求項3に記載の発明は、前記電
子部品素子の保持された部分が、リード線であることを
特徴とする請求項2に記載の電子部品であり、電子部品
素子が予期せぬ異常電流により加熱されても炎が発生し
ないという作用を有する。
【0012】本発明の請求項4に記載の発明は、前記ケ
ースが熱変形温度が100℃以上の合成樹脂からなるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品であ
り、電子部品素子が予期せぬ異常電流により加熱されて
も炎が発生しないという作用を有する。前記ケースが熱
変形温度が100℃以下の合成樹脂であれば、電子部品
素子の発熱に耐えられずに前記ケースが破損し、電子部
品素子及び前記ケースが発火に至る場合もある。
【0013】本発明の請求項5に記載の発明は、前記ケ
ースが透明な合成樹脂からなることを特徴とする請求項
4に記載の電子部品であり、電子部品素子が予期せぬ異
常電流により加熱されても炎が発生せず、且つケース内
の電子部品素子の外観を容易に観察できるという作用を
有する。
【0014】本発明の請求項6に記載の発明は、前記ケ
ースが金属からなることを特徴とする請求項1または2
に記載の電子部品であり、電子部品素子が予期せぬ異常
電流により加熱されても炎が発生しないという作用を有
する。
【0015】本発明の請求項7に記載の発明は、前記ケ
ースがセラミックからなることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の電子部品であり、電子部品素子が予期せ
ぬ異常電流により加熱されても炎が発生しないという作
用を有する。
【0016】本発明の請求項8に記載の発明は、前記電
子部品素子が、コンデンサ素子であることを特徴とする
請求項1〜7のいずれかに記載の電子部品であり、前記
コンデンサ素子が予期せぬ異常電流により加熱されても
炎が発生しないという作用を有する。
【0017】本発明の請求項9に記載の発明は、前記封
止材が絶縁性材料からなることを特徴とする請求項1〜
8のいずれかに記載の電子部品であり、電子部品素子が
予期せぬ異常電流により加熱されても炎が発生しないと
いう電子部品のケースの口の絶縁封止を、容易に、か
つ、確実にする作用を有する。
【0018】本発明の請求項10に記載の発明は、前記
封止材が二液硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性
樹脂の内の1からなることを特徴とする請求項1〜8の
いずれかに記載の電子部品であり、電子部品素子が予期
せぬ異常電流により加熱されても炎が発生しないという
電子部品のケースの口の絶縁封止を、容易に、かつ、確
実にする作用を有する。
【0019】本発明の請求項11に記載の発明は、前記
ケース内と前記ケース外を連通する前記手段が、開口で
あることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載
の電子部品であり、電子部品素子が予期せぬ異常電流に
より加熱されても、前記開口を通じてケース内に発生す
るガスを抜き、更にケース内を無酸素状態に保つことに
より炎が発生しないという作用を有する。
【0020】本発明の請求項12に記載の発明は、前記
開口が直径0.1mmから5mmの範囲の円形であるこ
とを特徴とする請求項11に記載の電子部品であり、電
子部品素子が予期せぬ異常電流により加熱されても、前
記開口を通じてケース内に発生するガスを抜き、更にケ
ース内を無酸素状態に保つことにより炎が発生しないと
いう作用を有する。
【0021】本発明の請求項13に記載の発明は、前記
開口が格子状であることを特徴とする請求項11に記載
の電子部品であり、電子部品素子が予期せぬ異常電流に
より加熱されても、前記開口を通じてケース内に発生す
るガスを抜き、更にケース内を無酸素状態に保つことに
より炎が発生しないという作用を有する。
【0022】本発明の請求項14に記載の発明は、前記
開口の合計面積が0.008mm2から20mm2 であ
ることを特徴とする請求項11に記載の電子部品であ
り、電子部品素子が予期せぬ異常電流により加熱されて
も、前記開口を通じてケース内に発生するガスを抜き、
更にケース内を無酸素状態に保つことにより炎が発生し
ないという作用を有する。ケースに設けた穴の合計面積
が0.008mm2よりも小さければ、燃焼時に発生す
るガスの圧力を抜くことができずにケースが破損する。
また、穴の合計面積が20mm2よりも大きければ、燃
焼時にケース内部を無酸素状態に保つことができずに発
火する。
【0023】本発明の請求項15に記載の発明は、前記
開口に前記ケースの厚み以上の長さを有する管を備えた
ことを特徴とする請求項11に記載の電子部品であり、
電子部品素子が予期せぬ異常電流により爆発的に発熱し
ても、前記管を通じてケース内に発生するガスを抜き、
更にケース内を無酸素状態に保つことにより炎が発生し
ないという作用を有する。
【0024】本発明の請求項16に記載の発明は、前記
ケース内において前記開口の前面に配設された遮蔽体を
設けたことを特徴とする請求項11に記載の電子部品で
あり、電子部品素子が予期せぬ異常電流により爆発的に
発熱しても、前記遮蔽体によって電子部品素子から発生
する噴出物を遮断し、前記開口を通じてケース内に発生
するガスを抜き、更にケース内を無酸素状態に保つこと
により炎が発生しないという作用を有する。
【0025】本発明の請求項17に記載の発明は、前記
空隙の距離が0.01mm以上で前記ケースの厚み以下
であることを特徴とする請求項2に記載の電子部品であ
り、電子部品素子が予期せぬ異常電流により加熱されて
も、ケース内に発生するガスを抜き、更にケース内を無
酸素状態に保つことにより炎が発生しないという作用を
有する。ここで電子部品素子から内壁までの最短距離が
0.01mm以下であれば燃焼時に発生するガスの圧力
を抜くことができずにケースが破損する。
【0026】本発明の請求項18に記載の発明は、前記
ケースの容積と前記電子部品素子の容積の比が1.1以
上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに
記載の電子部品であり、電子部品素子が予期せぬ異常電
流により加熱されても炎が発生しないという作用を有す
る。ここで電子部品素子の体積とケースの容積比が1対
1.1以内であれば、燃焼時に発生するガスの圧力を抜
くことができずにケースが破損する。
【0027】本発明の請求項19に記載の発明は、ケー
スに電子部品素子を挿入し、電子部品素子のリード部を
二液硬化、熱硬化、紫外線硬化タイプの内のいずれか1
つの絶縁性樹脂で保持した状態でケースの入り口を前記
絶縁性樹脂で封止し、硬化することを特徴とする電子部
品の製造方法であり、電子部品素子が予期せぬ異常電流
により加熱されても炎が発生しないという電子部品のケ
ースの口の絶縁封止を、容易に、かつ、確実にする作用
を有する。
【0028】本発明の請求項20に記載の発明は、ケー
スに電子部品素子を挿入し、電子部品素子のリード部を
ケースで保持し、ケースの入り口を二液硬化、熱硬化ま
たは紫外線硬化タイプの内のいずれか1つの絶縁性樹脂
で封止し、硬化することを特徴とする電子部品の製造方
法であり、電子部品素子が予期せぬ異常電流により加熱
されても炎が発生しないという電子部品のケースの口の
絶縁封止を、容易に、かつ、確実にする作用を有する。
【0029】本発明の請求項21に記載の発明は、熱変
形温度が100℃以上の合成樹脂からなるケースに電子
部品素子を挿入し、電子部品素子のリード部をケースで
保持し、ケースの入り口を、熱変形温度が100℃以上
の合成樹脂からなる蓋で溶着することを特徴とする電子
部品の製造方法であり、電子部品素子が予期せぬ異常電
流により加熱されても炎が発生しないという電子部品の
ケースの接合を容易に、かつ、確実にする作用を有す
る。
【0030】以下に、本発明の電子部品の実施の形態に
ついて、図面を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の不燃性磁器コンデンサ
の実施の形態を示す断面図を示し、図に示すように磁器
基板1の両側面に電極2を付し、かつ、リード線4を接
続し、外装材3で外装されたコンデンサ素子は、穴6を
もつケース5の挿入口より前記ケース5内に収められ、
前記ケース5の挿入口は絶縁材7で封止されている。
【0031】ここで、ケース5、穴6および絶縁材7
は、コンデンサ素子が予期せぬ異常電流により加熱され
ても炎の発生を防止するという作用を行うもので、穴6
を有するケース5によりコンデンサ素子の燃焼時に発生
するガスの圧力を抜き、金属ケース5内部を無酸素状態
に保つように構成されている。
【0032】前記ケース5にコンデンサ素子を収容させ
た後、ケース5の挿入口は絶縁材7で封止されるが、絶
縁材7としては、熱可塑性樹脂または、2液硬化、熱硬
化または紫外線硬化タイプの熱硬化性樹脂を用いる。
【0033】図2は本発明の一実施の形態による電子部
品を示す斜視図であり、図3及び図4は本発明の一実施
の形態による電子部品を示す断面図である。図2から図
4において、5はケースを示し、ケース5は電子部品挿
入後絶縁材7で蓋をすることにより封じられる。図2、
図3及び図4はそれぞれケース5内部に磁器コンデンサ
等の電子部品8を封じた状態になっており、4で示した
電子部品のリ−ド線の一部でケース5に固定した状態を
示している。ケース5に電子部品8を封じ、固定した状
態でケース5の一部に6で示す穴が開いた構造となって
いる。図3及び図4は、ケース5に封じた電子部品8の
リ−ド線4が回路基板10に固定されている状態を示し
ている。
【0034】図3に示した穴6の面積は0.008mm
2 から20mm2 の範囲に設定すると良い。
【0035】穴6の面積を上述のように設定することに
よって、電子部品8が異常電流により爆発的に発熱して
も、ケース5内に発生するガスを穴6より抜き、更にケ
ース5内部を無酸素状態に保つことにより炎の発生を防
止できる。穴6の面積が0.008mm2 以下であれ
ば、電子部品8が異常電流により爆発的に発熱した時
に、ケース5内に発生するガスの圧力により、ケース5
が耐えられなくなり破裂することがある。ケース5が破
裂すると、空気中の酸素の影響で、発熱した電子部品8
が発火に至る場合もある。また、穴6の面積が20mm
2 以上であれば、電子部品8が異常電流により発熱した
時に、逆に穴6より空気中の酸素がケース5内に進入
し、発熱した電子部品8が発火に至る場合もある。
【0036】図2では穴6の形状を円形で示したが、穴
6の形状は、三角形、四角形等の多角形や星形であって
も良く、また楕円形や三日月型であっても良い。穴6の
数は1個を図示したが、穴6の数は複数個でも同様の効
果を有する。
【0037】図2、図3及び図4で示したケース5の材
質は金属、セラミックおよび合成樹脂が良い。
【0038】ケース5の材質に金属を用いる場合は、前
記材質はアルミニウム、鉄、銅及びそれらの合金が良
い。この場合、リ−ド線4のケース5と接する部分は、
絶縁材料を施し、端子間で電流が流れないようにする必
要がある。
【0039】ケース5の材質にセラミックを用いる場合
は、前記材質は酸化珪素、酸化アルミニウム等を主成分
とする石英、ガラス、その他のセラッミックが良い。
【0040】ケース5の材質に合成樹脂を用いる場合
は、前記材質は熱可塑性または硬化性樹脂が良く、好ま
しくは、熱変形温度100℃以上の樹脂が良い。ここで
言う熱変形温度はJIS−K7207に規定される硬質
プラスチックの荷重たわみ温度試験方法の内、試験片に
加える曲げ応力が18.5kgf/cm2 であるA法、
またはこれに準ずる試験方法により測定される温度であ
る。
【0041】ケース5の材質を前記金属、セラミック及
び熱変形温度100℃以上の樹脂にする事によって、電
子部品8が異常電流により爆発的に発熱しても、ケース
5の内壁が熱に耐え、ケース5内に発生するガスを穴6
より抜き、更にケース5内部を無酸素状態に保つことに
より炎の発生を防止できる。
【0042】熱変形温度が100℃以上の熱可塑性樹脂
の例としては、ナイロン(PA)樹脂、ポリカーボネー
ト(PC)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹
脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリ
フェニレンサルファイト(PPS)樹脂、ポリエーテル
スルホン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)樹脂、液晶(LCP)樹脂、ポリエーテル
イミド(PEI)樹脂、およびポリアミドイミド(PA
I)樹脂がある。これらはいずれも熱変形温度が100
℃以上であり、樹脂単独で本発明の使用に耐えるもので
あるが、樹脂の中に耐熱性の良い無機質の充填材を混合
することにより、更に樹脂の熱変形温度を向上すること
ができる。耐熱性をあげるための充填材としては、シリ
カ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、酸化チタン、
酸化鉄等の酸化物やタルク、タンカル、マイカ等の酸化
物の混合物またはガラスファイバ等を用いることができ
る。
【0043】また、逆に、この様な充填材を添加するこ
とにより、樹脂単独では熱変形温度が100℃以下の熱
可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、塩ビ樹脂、
ABS樹脂等についてもその熱変形温度を100℃以上
に上げることができ、本発明の使用に耐え得る。
【0044】熱変形温度が100℃以上の硬化性樹脂の
例としては、シリコン樹脂、フッソ樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、
尿素樹脂等がある。これらの樹脂も樹脂単独で本発明の
使用に耐えるものであるが、樹脂の中に耐熱性の良い無
機質の充填材を混合することにより、更に樹脂の熱変形
温度を向上することができる。耐熱性をあげるための充
填材としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネ
シア、酸化チタン、酸化鉄等の酸化物やタルク、タンカ
ル、マイカ等の酸化物の混合物またはガラスファイバ等
を用いることができる。
【0045】図3で示したケース5の平均厚みX1は
0.4mmから5mmに設定すると良い。
【0046】ケース5の平均厚みX1を上記の範囲に設
定することによって、電子部品8が異常電流により爆発
的に発熱しても、ケース5の内壁が熱に耐え、ケース5
内に発生するガスを穴6より抜き、更にケース5内部を
無酸素状態に保つことにより炎の発生を防止できる。
【0047】ケース5の平均厚みX1が、0.4mm以
下では、電子部品8が異常電流により爆発的に発熱した
時に、ケース5の内壁が熱に耐えられず破損してしまう
ことがある。この結果ケース5内に空気中の酸素が進入
し、発熱した電子部品の発火発火に至る場合がある。ま
た、ケース5の平均厚みX1が、5mm以上では、電子
部品8が異常電流により爆発的に発熱しても、ケース5
の内壁が熱に耐え、電子部品の発火に至ることはない
が、電子部品の外寸が大きすぎて実用上不適当となる。
【0048】図3で示した電子部品8からケース5まで
の距離X2は0.01mm以上に設定すると良い。
【0049】電子部品8からケース5までの距離X2を
上記の範囲に設定することによって、電子部品8が異常
電流により爆発的に発熱しても、ケース5の内壁が熱に
耐え、ケース5内に発生するガスを穴6より抜き、更に
ケース5内部を無酸素状態に保つことにより炎の発生を
防止できる。
【0050】電子部品8からケース5までの距離X2
が、0.01mm以下では、電子部品8が異常電流によ
り爆発的に発熱した時に、ケース5の内壁が熱に耐えら
れず破損してしまうことがある。この結果ケース5内に
空気中の酸素が進入し、発熱した電子部品8の発火発火
に至る場合がある。
【0051】図3で示した電子部品8本体の体積とケー
ス5の容積との容積比は1対1.1以上、1対10以下
の比率に設定すると良い。
【0052】電子部品8本体の体積とケース5の容積と
の容積比を上記の範囲に設定することによって、電子部
品8が異常電流により爆発的に発熱しても、ケース5の
内壁が熱に耐え、ケース5内に発生するガスを穴6より
抜き、更にケース5内部を無酸素状態に保つことにより
炎の発生を防止できる。
【0053】電子部品8本体の体積とケース5の容積と
の容積比が、1対1.1以下では、電子部品8が異常電
流により爆発的に発熱した時に、ケース5の内壁が熱に
耐えられず破損してしまうことがある。この結果ケース
5内に空気中の酸素が進入し、発熱した電子部品8の発
火発火に至る場合がある。また、電子部品8本体の体積
とケース5の容積との容積比が、1対10以上では、電
子部品8が異常電流により爆発的に発熱しても、ケース
5の内壁が熱に耐え、電子部品8の発火に至ることはな
いが、電子部品8の外寸が大きすぎて実用上不適当とな
る。
【0054】図3で示した穴6の付近には抵抗体9を設
けると良い。抵抗体9を設けることによって、電子部品
8が異常電流により爆発的に発熱しても、電子部品8よ
り発生する赤熱した噴出物を抵抗体9で遮断する事がで
き、赤熱した噴出物がケース5の外部に飛散し、付近の
可燃物を発火させることを防止できる。
【0055】図4で示したように、ケース5の穴6には
チューブ状の管11を設けると良い。
【0056】チューブ状の管11を設けることによっ
て、電子部品8が異常電流により爆発的に発熱しても、
電子部品8より発生する高温のガスを所定の空間に誘導
することができ、電子部品8より発生する高温のガスに
より付近の電子部品8が加熱、劣化することを防止でき
る。
【0057】図5は本発明の一実施の形態による電子部
品の分解斜視図であり、図6は本発明の一実施の形態に
よる電子部品の斜視図である。
【0058】図5は電子部品8を挿入する前のケース5
と蓋12を示し、図6は電子部品8を挿入した後ケース
5と蓋12を接合した状態を示している。
【0059】図5から図6において、5は熱変形温度が
100℃以上の合成樹脂からなるケース5を示し、12
は熱変形温度が100℃以上の合成樹脂からなる蓋を示
している。13は電子部品8を挿入する際に電子部品8
のリード線4を固定するための溝を示し、14は蓋12
をケース5に溶着により接合する際に、蓋12の一部を
溶かして溶着する部分であるエネルギーダイレクターを
示し、また、15はエネルギーダイレクター14によっ
て接合される部分である溶着面を示している。
【0060】図5から図6で示したようにケース5内に
電子部品8を封じる方法として、合成樹脂からなるケー
ス5と蓋12を溶着により接合する方法をとると良い。
熱溶着、超音波溶着等により、電子部品8をケース5内
に封じることにより、電子部品8が異常電流により爆発
的に発熱しても、ケース5の内壁が熱に耐え、ケース5
内に発生するガスを穴6より抜き、更にケース5内部を
無酸素状態に保つことにより炎の発生を防止でき、且
つ、本発明の電子部品8を容易に、安価に製造すること
が出来る。
【0061】次に本発明の不燃性電子部品8である磁器
コンデンサの具体例を説明する。試験用として定格2k
VDC、1000pFの円盤型磁器コンデンサ素子を用
いた。以下に示すように請求項1から4に示した手法を
施したものを実施例1から4、また請求項8から14に
示した手法を施したものを実施例8から14とした。試
験に用いた円盤形磁器コンデンサーの構造は、円盤形の
焼成基板の両面に電極がありそれぞれの電極にはリード
線が半田付けされており、更に全体を絶縁性の樹脂で外
装されている。
【0062】
【実施例】
(実施例1)直径9.5mm、厚さ3mmの円盤形磁器
コンデンサ素子を外形15×13×5mm、肉厚0.5
mmのアルミニウム製直方体ケースに挿入し、入り口を
2液硬化性のエポキシ樹脂でコンデンサ素子のリード線
と共に接着封止したものを試料とした。試料は、そのケ
ース内部が中空になっていて、アルミニウムケース内と
同ケース外を連通する手段としてケース壁の一部に直径
1mmの穴が1つ開いている構造になっている。
【0063】(実施例2)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサ素子を外径15mm、高さ15
mm、肉厚0.5mmのステンレス製円筒ケースに挿入
し、入り口を2液硬化性のエポキシ樹脂でコンデンサ素
子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。試
料は、そのケース内部が中空になっていて、ケース壁の
一部に直径1mmの穴が1つ開いている構造になってい
る。
【0064】(実施例3)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサ素子を外径12mm、高さ15
mm、肉厚0.5mmのアルミニウム製円筒ケースに挿
入し、入り口を2液硬化性のエポキシ樹脂でコンデンサ
素子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。
試料は、そのケース内部が中空になっていて、ケース壁
の一部に直径1mmの穴が1つ開いいる構造になってい
る。
【0065】(実施例4)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形した
内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに挿
入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法15×6×0.
8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデンサ
素子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。
熱可塑性樹脂としてユニチカ社製ポリアミドF5100
を用いた。試料は、そのケース壁の一部に直径1mmの
円形の穴が1つ開いている構造になっている。ポリアミ
ドF5100の熱変形温度は220℃である。
【0066】(実施例5)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサーを、透明な熱可塑性樹脂を成
形した内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケー
スに挿入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法15×6
×0.8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コン
デンサ素子のリード線と共に接着封止したものを試料と
した。透明な熱可塑性樹脂として住友化学工業社製ポリ
エーテルサルホン4100Gを用いた。試料は、そのケ
ース壁の一部に直径1mmの円形の穴が1つ開いている
構造になっている。ポリエーテルサルホン4100Gの
熱変形温度は203℃である。
【0067】(実施例6)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサ素子を外径15mm、高さ15
mm、肉厚0.5mmのアルミニウム製円筒ケースに挿
入し、入り口を2液硬化性のエポキシ樹脂でコンデンサ
素子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。
試料は、そのケース内部が中空になっていて、ケース壁
の一部に直径1mmの穴が1つ開いている構造になって
いる。
【0068】(実施例7)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサーを、内寸φ12×13mm、
肉厚0.8mmの石英管に挿入し入り口を2液硬化性の
エポキシ樹脂でコンデンサ素子のリード線と共に接着封
止したものを試料とした。試料は、そのケース壁の一部
に直径1mmの円形の穴が1つ開いている構造になって
いる。
【0069】(実施例8)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形した
内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに挿
入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法15×6×0.
8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデンサ
素子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。
熱可塑性樹脂として東レ社製ポリフェニレンサルファイ
トA504を用いた。試料は、そのケース壁の一部に直
径1.5mmの円形の穴が1つ開いている構造になって
いる。ポリフェニレンサルファイトA504の熱変形温
度は260℃である。
【0070】(実施例9)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形した
内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに挿
入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法13×6×0.
8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデンサ
素子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。
熱可塑性樹脂としてユニチカ社製液晶ポリマーLC50
30を用いた。試料は、そのケース壁の一部に面積1m
2の正方形の穴が1つ開いている構造になっている。
液晶ポリマーLC5030の熱変形温度は210℃であ
る。
【0071】(実施例10)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形し
た内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに
挿入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法13×6×
0.8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデ
ンサ素子のリード線と共に接着封止したものを試料とし
た。熱可塑性樹脂としてユニチカ社製液晶ポリマーLC
5030を用いた。試料は、そのケース壁の一部に面積
1mm2の正方形の穴が1つ開いている構造になってい
る。
【0072】(実施例11)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形し
た内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに
挿入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法15×6×
0.8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデ
ンサ素子のリード線と共に接着封止したものを試料とし
た。熱可塑性樹脂として東レ社製ポリフェニレンサルフ
ァイトA504を用いた。試料は、前記ケースの内外を
連通する手段として前記ケース壁の一部に直径1.5m
mの円形の穴が1つ開いている構造になっている。
【0073】(実施例12)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形し
た内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに
挿入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法15×6×
0.8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデ
ンサ素子のリード線と共に接着封止したものを試料とし
た。熱可塑性樹脂として東レ社製ポリフェニレンサルフ
ァイトA504を用いた。試料は、前記ケースの内外を
連通する手段として前記ケース壁の一部に直径1.0m
mの円形の穴が1つ開いている構造になっている。
【0074】(実施例13)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形し
た内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに
挿入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法13×6×
0.8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデ
ンサ素子のリード線と共に接着封止したものを試料とし
た。熱可塑性樹脂としてユニチカ社製液晶ポリマーLC
5030を用いた。試料は、そのケース壁の一部に0.
5×3mmの穴が5つ格子状に並んだ構造になってい
る。
【0075】(実施例14)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形し
た内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに
挿入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法13×6×
0.8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデ
ンサ素子のリード線と共に接着封止したものを試料とし
た。熱可塑性樹脂としてユニチカ社製液晶ポリマーLC
5030を用いた。試料は、そのケース壁の一部に面積
0.2mm2の円形の穴が6つ開き穴の合計面積が1.
2mm2である構造になっている。
【0076】(実施例15)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形し
た内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに
挿入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法13×6×
0.8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデ
ンサ素子のリード線と共に接着封止したものを試料とし
た。熱可塑性樹脂としてユニチカ社製液晶ポリマーLC
5030を用いた。試料は、そのケース壁の一部に直径
1mmの円形の穴が1つ開いていおり、さらに内径1m
m肉厚0.5mm長さ20mmのアルミ製チューブ状管
が穴の外側に連結した構造になっている。
【0077】(実施例16)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形し
た内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに
挿入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法13×6×
0.8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデ
ンサ素子のリード線と共に接着封止したものを試料とし
た。熱可塑性樹脂として大日本インキ社製ポリブチレン
テレフタレートBT2230を用いた。ポリブチレンテ
レフタレートBT2230の熱変形温度は200℃であ
る。前記ケース壁の一部に直径1mmの円形の穴が1つ
開いていおり、穴のあるケース壁面の1mm内側には穴
のあるケース壁面と平行になる位置に前記抵抗体として
前記樹脂を成形した寸法5×5×0.8mmの衝立を穴
のないケース壁面の1つに接着した構造になっている。
【0078】(実施例17)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサ素子を外径15mm、高さ1
5mm、肉厚0.5mmのステンレス製円筒ケースに挿
入し、入り口をコンデンサ素子のリード線と共に2液硬
化性のエポキシ樹脂で封じたものを試料とした。試料
は、そのケース内部が中空になっていて、ケース壁の一
部に直径1mmの穴が1つ開いており、コンデンサ素子
からケース壁までの最短距離が2mmの構造になってい
る。
【0079】(実施例18)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサ素子を外径15mm、高さ1
5mm、肉厚0.5mmのアルミニウム製円筒ケースに
挿入し、入り口をコンデンサ素子のリード線と共に2液
硬化性のエポキシ樹脂で封じたものを試料とした。試料
は、そのケース内部が中空になっていて、ケース壁の一
部に直径1mmの穴が1つ開いており、コンデンサ素子
の体積とケースの容積比が1対10の構造になってい
る。
【0080】(実施例19)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサ素子を外径15mm、高さ1
5mm、肉厚0.5mmのアルミニウム製円筒ケースに
挿入し、入り口をコンデンサ素子のリード線と共に2液
硬化性のエポキシ樹脂で封じたものを試料とした。試料
は、そのケース内部が中空になっていて、ケース壁の一
部に直径1mmの穴が1つ開いている構造になってい
る。
【0081】(実施例20)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形し
た内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケース
で、予めコンデンサ素子のリード線を通すために前記リ
ード線の外径と同じ内径の円形の穴を開けたケースに、
前記リード線を通して挿入し、入り口を前記樹脂を成形
した寸法13×6×0.8mmの蓋を2液硬化性のエポ
キシ樹脂で接着封止したものを試料とした。熱可塑性樹
脂としてユニチカ社製液晶ポリマーLC5030を用い
た。試料は、そのケース壁の一部に直径1mmの穴が1
つ開いている構造になっている。
【0082】(実施例21)直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形し
た内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケース
で、ケースの15×13mmの面の一方が開いたケース
に、予めコンデンサ素子のリード線を挟むための溝を設
けたケースに、前記リード線を挟んで、入り口を前記樹
脂を成形した寸法16.6×14.6×0.8mmの蓋
を超音波溶着により接着したものを試料とした。熱可塑
性樹脂としてユニチカ社製液晶ポリマーLC5030を
用いた。試料は、そのケース壁の一部に直径1mmの穴
が1つ開いている構造になっている。
【0083】(従来例1)従来例には現行の定格2kV
DC、1000pF、サイズ直径9.5mm、厚さ3m
mの円盤型磁器コンデンサ素子を用いた。
【0084】(比較例1)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサ素子を外形15×13×5m
m、肉厚0.5mmのアルミニウム製ケースに挿入し、
入り口をコンデンサのリード線と共に2液硬化性のエポ
キシ樹脂で封じたものを試料とした。試料は、そのケー
ス内部が中空になっていて、ケース壁の一部に直径0.
05mmの穴が1つ開いている構造になっている。
【0085】(比較例2)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサ素子を外形15×13×5m
m、肉厚0.5mmのアルミニウム製ケースに挿入し、
入り口をコンデンサ素子のリード線と共に2液硬化性の
エポキシ樹脂で封じたものを試料とした。試料は、その
ケース内部が中空になっていて、ケース壁の一部に直径
7mmの穴が1つ開いている構造になっている。
【0086】(比較例3)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサ素子を外形15×13×4m
m、肉厚0.5mmのアルミニウム製ケースに挿入し、
入り口をコンデンサ素子のリード線と共に2液硬化性の
エポキシ樹脂で封じたものを試料とした。試料は、その
ケース内部が中空になっていて、ケース壁の一部に直径
1mmの穴が1つ開いており、コンデンサ素子とケース
内壁は接触した状態になっている。
【0087】(比較例4)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサ素子を外径250mm、高さ3
00mm、肉厚1.0mmのブリキ製ケースに挿入し、
入り口をコンデンサ素子のリード線と共に2液硬化性の
エポキシ樹脂で封じたものを試料とした。試料は、その
ケース内部が中空になっていて、ケース壁の一部に直径
1mmの穴が1つ開いており、コンデンサ素子とケース
内壁との距離はは100mm以上離れた状態になってい
る。
【0088】(比較例5)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形した
内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに挿
入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法15×6×0.
8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデンサ
素子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。
熱可塑性樹脂としてユニチカ社製液晶ポリマーLC50
30を用いた。試料には穴が無く、ケースとリード線の
接合部分をエポキシ樹脂系の接着剤で完全に密封した構
造になっている。
【0089】(比較例6)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形した
内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに挿
入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法15×6×0.
8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデンサ
素子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。
熱可塑性樹脂として帝人化成社製ポリカーボネートG−
3130を用いた。試料は、そのケース壁の一部に直径
10mmの円形の穴が1つ開いている構造になってい
る。
【0090】(比較例7)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形した
内寸15×13×6mm、肉厚0.8mmのケースに挿
入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法15×6×0.
8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデンサ
素子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。
熱可塑性樹脂として徳山曹達社製ポリプロピレンME1
40を用いた。前記ME140の熱変形温度は55℃で
ある。試料は、そのケース壁の一部に直径1mmの円形
の穴が1つ開いている構造になっている。
【0091】(比較例8)直径9.5mm、厚さ3mm
の円盤形磁器コンデンサーを、熱可塑性樹脂を成形した
内寸15×13×6mm、肉厚0.2mmのケースに挿
入し、入り口を前記樹脂を成形した寸法15×6×0.
8mmの蓋を2液硬化性のエポキシ樹脂で、コンデンサ
素子のリード線と共に接着封止したものを試料とした。
熱可塑性樹脂としてユニチカ社製液晶ポリマーLC50
30を用いた。試料は、そのケース壁の一部に直径1m
mの円形の穴が1つ開いている構造になっている。
【0092】各実施例、比較例および従来例で示した方
法により作成したケース内に封じたコンデンサ試料を不
燃性試験用試料とした。不燃性試験方法、及び評価方法
の詳細は以下の通りである。
【0093】不燃性試験方法は、まず耐圧試験器(0〜
10kVDC)を用いてそれぞれの試料の絶縁破壊を行
った。試料を耐圧試験器に接続し、電極間の電圧を次第
に上げていき、絶縁破壊により電極間の電圧が低下する
までこれを行った。従来例、各実施例、各比較例につい
て、おのおの10個の試料についてこの操作を10回行
った。絶縁破壊したそれぞれの試料を過電流センサー耐
圧試験器(最大供給能力AC600V,7A)に接続
し、1秒間通電しコンデンサーを加熱したときの燃焼の
状態を観察した。
【0094】評価方法はコンデンサを上記の試験方法で
破壊した際に、発火の有無、発煙の有無及び試料の状態
を観察した。ここで言う発火の有無とは、試料の状態を
肉眼で観察し、炎が見られるかどうかを発火の有無とし
て記録したものである。
【0095】不燃性試験結果を(表1)(表2)に示し
た。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】 上記の方法で実施例、従来例および比較例の試料各10
個を試験した結果、実施例1〜18の試料では、いずれ
の試料も発火せずやや発煙が見られた。透明な樹脂ケー
スを用いた実施例5では、いずれの試料もコンデンサ素
子発熱により素子表面の外装塗料が黒く炭化した状態が
観察された。従来例1の試料では全ての試料が約10c
m程度の火柱を立てて発火、著しい発煙を生じた。比較
例1では全ての試料は破裂音とともにケースが破損、脱
落し、続いてコンデンサ素子が発火、著しい発煙を引き
起こした。比較例2では6個の試料について穴の部分か
ら発火、発煙が見られた。残りの4個の試料は発火せず
やや発煙が見られた。比較例3では3個の試料について
ケースが破損、脱落し、続いてコンデンサ素子が発火、
著しい発煙を引き起こした。残りの7個の試料は発火せ
ずやや発煙が見られた。比較例4の試料では全ての試料
が発火せずやや発煙が見られた。比較例5では全ての試
料が破裂音とともにケースが破損、脱落し、続いてコン
デンサ素子が発火、著しい発煙を引き起こした。比較例
6では全ての試料について穴の部分から発火、発煙が見
られた。比較例7では全ての試料についてケースが変
形、破損し、発火、発煙が見られた。比較例8では8個
の試料についてケースが変形、破損し、発火、発煙が見
られた。残りの2個の試料は発火せずやや発煙が見られ
た。
【0098】この結果から明らかなように、本発明によ
ると不燃性は著しく高められていることが確認された。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によればコン
デンサー、抵抗等の電子部品素子に対し、これを穴を持
つケース内に封じることにより、従来の特性を損なうこ
となく電子部品が加熱されても炎を全く発生せず、また
製造工程においても電子部品素子をいためることが無く
特性の安定した不燃性を有する電子部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不燃性磁器コンデンサの実施の形態を
示す断面図
【図2】本発明の一実施の形態による電子部品を示す斜
視図
【図3】本発明の一実施の形態による電子部品を示す断
面図
【図4】本発明の一実施の形態による電子部品を示す断
面図
【図5】本発明の一実施の形態による電子部品の分解斜
視図
【図6】本発明の一実施の形態による電子部品の斜視図
【符号の説明】
1 磁器基板 2 電極 3 外装材 4 リード線 5 ケース 6 穴 7 絶縁材 8 電子部品 9 抵抗体 10 回路基板 11 チューブ状の管 12 蓋 13 リード線を固定する溝 14 エネルギーダイレクター 15 溶着面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 浩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケースと、前記ケース内に配設した電子部
    品素子と、前記ケース内と前記ケース外を連通する手段
    と、を備えた電子部品。
  2. 【請求項2】前記電子部品素子の一部が前記ケースある
    いは封止材により保持され、前記電子部品素子の他の部
    分が前記ケースと空隙を有することを特徴とする請求項
    1に記載の電子部品。
  3. 【請求項3】前記電子部品素子の保持された部分が、リ
    ード線であることを特徴とする請求項2に記載の電子部
    品。
  4. 【請求項4】前記ケースが熱変形温度が100℃以上の
    合成樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に
    記載の電子部品。
  5. 【請求項5】前記ケースが透明な合成樹脂からなること
    を特徴とする請求項4に記載の電子部品。
  6. 【請求項6】前記ケースが金属からなることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の電子部品。
  7. 【請求項7】前記ケースがセラミックからなることを特
    徴とする請求項1または2に記載の電子部品。
  8. 【請求項8】前記電子部品素子が、コンデンサ素子であ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電
    子部品。
  9. 【請求項9】前記封止材が絶縁性材料からなることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子部品。
  10. 【請求項10】前記封止材が二液硬化性樹脂、熱硬化性
    樹脂、紫外線硬化性樹脂の内の1からなることを特徴と
    する請求項1〜9のいずれかに記載の電子部品。
  11. 【請求項11】前記ケース内と前記ケース外を連通する
    前記手段が、開口であることを特徴とする請求項1〜1
    0のいずれかに記載の電子部品。
  12. 【請求項12】前記開口が直径0.1mmから5mmの
    範囲の円形であることを特徴とする請求項11に記載の
    電子部品。
  13. 【請求項13】前記開口が格子状であることを特徴とす
    る請求項11に記載の電子部品。
  14. 【請求項14】前記開口の合計面積が0.008mm2
    から20mm2 であることを特徴とする請求項11に記
    載の電子部品。
  15. 【請求項15】前記開口に前記ケースの厚み以上の長さ
    を有する管を備えたことを特徴とする請求項11に記載
    の電子部品。
  16. 【請求項16】前記ケース内において前記開口の前面に
    配設された遮蔽体を設けたことを特徴とする請求項11
    に記載の電子部品。
  17. 【請求項17】前記空隙の距離が0.01mm以上で前
    記ケースの厚み以下であることを特徴とする請求項2に
    記載の電子部品。
  18. 【請求項18】前記ケースの容積と前記電子部品素子の
    容積の比が1.1以上であることを特徴とする請求項1
    〜11のいずれかに記載の電子部品。
  19. 【請求項19】ケースに電子部品素子を挿入し、電子部
    品素子のリード部を二液硬化、熱硬化、紫外線硬化タイ
    プの内のいずれか1つの絶縁性樹脂で保持した状態でケ
    ースの入り口を前記絶縁性樹脂で封止し、硬化すること
    を特徴とする電子部品の製造方法。
  20. 【請求項20】ケースに電子部品素子を挿入し、電子部
    品素子のリード部をケースで保持し、ケースの入り口を
    二液硬化、熱硬化または紫外線硬化タイプの内のいずれ
    か1つの絶縁性樹脂で封止し、硬化することを特徴とす
    る電子部品の製造方法。
  21. 【請求項21】熱変形温度が100℃以上の合成樹脂か
    らなるケースに電子部品素子を挿入し、電子部品素子の
    リード部をケースで保持し、ケースの入り口を、熱変形
    温度が100℃以上の合成樹脂からなる蓋で溶着するこ
    とを特徴とする電子部品の製造方法。
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