JPH09325646A - 磁気印写装置 - Google Patents

磁気印写装置

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JPH09325646A
JPH09325646A JP14164296A JP14164296A JPH09325646A JP H09325646 A JPH09325646 A JP H09325646A JP 14164296 A JP14164296 A JP 14164296A JP 14164296 A JP14164296 A JP 14164296A JP H09325646 A JPH09325646 A JP H09325646A
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magnetic
recording
recording medium
magnetized
toner
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JP14164296A
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English (en)
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Kazuyuki Sato
一幸 佐藤
Narusada Fujioka
成禎 藤岡
Minoru Kuwabara
実 桑原
Tadao Urano
忠夫 浦野
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Iwatsu Electric Co Ltd
Original Assignee
Iwatsu Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力の最高濃度が高い磁気印写装置及び階調
表現できる範囲が広い磁気印写装置を実現する。 【解決手段】 磁気記録媒体1と、磁気記録手段2と、
現像手段3と、現像された磁性トナー像を用紙に転写及
び定着して複写する転写・定着手段5、61、62とを
備える磁気印写装置であって、磁気記録手段2は磁性ト
ナーを付着させない画素領域では連続した第2の方向の
磁化領域を形成し、磁性トナーを付着させる画素領域で
は1画素領域に逆方向の2つの磁化領域を形成し、現像
手段3は第2の方向の現像磁界を有する磁気印写装置に
おいて、磁性トナーを付着させる画素領域での第2の方
向の磁化領域の長さは第1の方向の磁化転移領域の長さ
より短く、第1の方向と第2の方向の磁化転移領域の長
さの比率はこの比率により変化する画像濃度が最大にな
る付近の値に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号に従って
磁気記録媒体上に磁気潜像を記録して磁性トナーで顕像
化する磁気印写装置に関し、特に高濃度の出力画像が得
られる磁気印写装置及び階調表現が可能な磁気印写装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気印写装置が実用化され、その
高速性が注目されている。磁気印写装置は、一旦磁気記
録媒体上に磁気潜像を記録するとその磁気潜像により多
数枚の複写が可能であるため、多数枚複写時には複写速
度が高速であるという特徴がある。また、磁気印写装置
によれば高分解能の出力画像が得られることが知られて
いる。磁気印写装置の基本的な原理は特公昭55−34
431号公報に開示されている。
【0003】磁気印写装置においては、特公昭55−3
4431号公報に開示されているように、磁気トナーを
付着させない領域では磁気媒体に磁化方向が一定の方向
の磁化領域を連続して形成し、磁気トナーを付着させる
1画素(ドット)領域については、磁気記録媒体上に磁
化方向の異なる磁化領域を形成して少なくとも2個の磁
化転移領域を形成する。磁化方向が反転する2個の磁化
転移領域の境界では表面付近の磁束の強度(磁気力)が
大きくなり、磁気トナーが付着する。従って、磁気記録
媒体上に画像信号に応じて上記のような磁化パターンを
記録される。
【0004】磁気印写装置においては、磁化転移領域の
境界での磁束の強度により印写濃度が変化することが知
られている。磁化転移領域での磁束の強度を変化させる
には、磁化のパターンを変化させる。例えば、特公昭5
6−33708号公報には、磁気ヘッドに印加するパル
ス信号の周波数を階調レベルに応じて変化させることに
より階調表現を可能にした磁気印写装置が開示されてい
る。
【0005】特公昭57−35463号公報には、磁気
ヘッドに印加するパルス信号のパルス幅を階調レベルに
応じて変化させることにより階調表現を可能にした磁気
印写装置が開示されている。具体的には、磁性トナーを
付着させない画素領域では連続して第2の方向の磁化領
域を形成し、磁性トナーを付着させる画素領域では1画
素領域に第2の方向と逆の第1の方向の磁化領域と前記
第2の方向の磁化領域を形成して2つの磁化転移領域を
形成する場合に、磁気トナーを付着させる黒画素領域で
の第1の方向の磁化領域の長さの画素領域の長さに対す
る比率を徐々に小さくする。開示されている例では、磁
気トナーを付着させる黒画素領域における第1の方向の
磁化領域の長さの画素領域の長さに対する比率は、50
%が最大で、それから徐々に低下する。また、この公知
例に開示内容は、後述する本発明の現像磁界との相互作
用による最高濃度の増大現象を利用しておらず、最高濃
度が十分でないという問題がある。いいかえれば、残留
磁界による記録密度の制御を開示しているのみである。
【0006】特開平7−319325号公報には、磁気
ヘッドに印加するパルス信号のパルス幅を変化させるこ
とにより、全体の印写濃度を調整可能にした磁気印写装
置が開示されている。この公知例でも、開示されている
のは、磁気トナーを付着させる黒画素領域における第1
の方向の磁化領域の長さの画素領域の長さに対する比率
が、50%が最大で、それから徐々に低下する例であ
る。この公知例では、次に説明する現像磁界との関係に
ついても記載されているが、現像磁界と逆向きの磁化パ
ターンを短くして濃度を薄くする根拠は、内部減磁界の
作用により、磁化の強さを小さくしてトナー吸着量を少
なくすることのみであり、本発明の変造磁界の相互作用
によりトナー吸引力を増大させる作用を利用しているも
のではないので、最大濃度が十分でないという問題があ
る。
【0007】また、特公平2−6065号公報には、現
像器は、磁気潜像を記録した磁気記録媒体の表面に比較
的弱い現像磁界を発生させるが、この現像磁界の方向と
磁気記録媒体上での磁化の方向が印写濃度に大きく影響
することが開示されている。具体的には、磁性トナーを
付着させない画素領域では連続して第2の方向の磁化領
域を形成し、磁性トナーを付着させる画素領域では1画
素領域に第2の方向と逆の第1の方向の磁化領域と前記
第2の方向の磁化領域を形成して2つの磁化転移領域を
形成する場合に、現像磁界の方向を第2の方向とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】複写機や印刷装置で
は、印写品質の点から出力の最高濃度ができるだけ高い
ことが要求され、磁気印写装置においても同様に高い最
高濃度が要求されている。また、階調表現を可能にした
磁気印写装置では、階調表現できる範囲ができるだけ広
いことが要求されている。
【0009】本発明は、このような要求を満たす磁気印
写装置を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するた
め、本発明の第1の態様の磁気印写装置では、磁性トナ
ーを付着させる画素領域での現像磁界の方向の磁化領域
の長さを、もう一方の方向の磁化領域の長さより短く
し、2つの方向の磁化領域の長さの比率は、この比率を
変化させた場合に画像濃度が最大になる付近の値に設定
する。
【0011】すなわち、本発明の第1の態様の磁気印写
装置は、磁気記録媒体と、磁気記録媒体上を少なくとも
1方向に走査しながら画像信号に応じた磁気潜像を磁気
記録媒体上に記録する磁気記録手段と、磁気記録媒体に
記録された磁気潜像を磁性トナーにより現像する現像手
段と、現像手段により現像された磁性トナー像を用紙に
転写及び定着して複写する転写・定着手段とを備える磁
気印写装置であって、磁気記録手段は、走査方向に、磁
気記録媒体上の前記磁性トナーを付着させない画素領域
では連続した第2の方向の磁化領域を形成し、磁性トナ
ーを付着させる画素領域では1画素領域に第2の方向と
逆の第1の方向の磁化領域と第2の方向の磁化領域の2
つの磁化領域を形成し、現像手段は第2の方向の現像磁
界を有する磁気印写装置において、全画素にわたって、
磁性トナーを付着させる画素領域での第1の方向と第2
の方向の磁化領域の長さの比率は、第2の方向の磁化領
域の長さが第1の方向の磁化領域の長さより短い、画像
濃度が最大になる付近の値に設定されていることを特徴
とする。
【0012】前述のように、特公昭57−35463号
公報及び特開平7−319325号公報には、磁気トナ
ーを付着させる黒画素領域での第1の方向の磁化領域の
長さの画素領域の長さに対する比率、すなわち、第1の
方向の磁化領域の長さと第2の方向の磁化領域の長さの
比率を変化させることにより、印写濃度が変化すること
が開示されている。しかし、開示されているのは、磁気
トナーを付着させる黒画素領域における第1の方向の磁
化領域の長さの画素領域の長さに対する比率は、50%
が最大で、それから徐々に低下する例のみである。これ
に対し、本願発明者は、磁気トナーを付着させる黒画素
領域における第1の方向の磁化領域の長さの画素領域の
長さに対する比率を50%以上にしていくと、すなわ
ち、第2の方向の磁化領域の長さを第1の方向の磁化領
域の長さより短くしていくと、印写濃度が更に増加し、
ある比率で最大の印写濃度になることを発見すると共
に、濃度が増加する作用を明らかにした。これは、現像
磁界の方向と一致する吸引力の弱い第2の方向の磁化パ
ターンの長さと吸引力の強い第2の方向の磁化パターン
の比率を制御することで最大濃度が得られる作用で、こ
こではこれを相互作用と呼ぶことにする。そこで、本発
明の第1の態様の磁気印写装置では、磁性トナーを付着
させる画素領域での第1の方向と第2の方向の磁化領域
の長さの比率を、第2の方向の磁化領域の長さが第1の
方向の磁化領域の長さより短くして、画像濃度が最大に
なる付近の値に設定する。これにより、安定して高濃度
の画像が得られる。
【0013】本発明の第2の態様の磁気印写装置では、
記録ヘッドに流す電流を正弦波状にする。第2の態様の
磁気印写装置においても、磁性トナーを付着させる1画
素領域において、2つの磁化領域をそれぞれ形成する正
弦波状の2つの極性の記録電流が流れる期間の長さを異
なるようにしてもよい。
【0014】シミュレーションの結果、本発明の第2の
態様の磁気印写装置のように、記録ヘッドに流す電流を
正弦波状にして、磁気記録媒体での磁化の状態を正弦波
状に変化するようにすると、従来より高濃度の画像が得
られることが判明した。本発明の第3の態様の磁気印写
装置では、階調表現を磁性トナーを付着させる1画素領
域における一方の磁化転移領域の長さを変化させて行う
ため、指定された濃度値に応じて、磁性トナーを付着さ
せる1画素領域における第1の方向の磁化領域の長さと
前記第2の方向の磁化領域の長さの比率を変化させるよ
うに磁気記録手段を制御する階調制御手段を備え、この
階調制御手段は、磁性トナーを付着させる画素領域での
第1の方向と第2の方向の磁化領域の長さの比率を、第
2の方向の磁化領域の長さが第1の方向の磁化領域の長
さより短くなる範囲までも変化可能であり、指定される
濃度値の最大値と最小値は、磁性トナーを付着させる1
画素領域における第1の方向の磁化領域の長さと第2の
方向の磁化領域の長さの比率を変化させた時の最大印写
濃度と最小印写濃度とに対応するように設定されている
ことを特徴とする。
【0015】本発明の第3の態様の磁気印写装置では、
階調制御手段を、磁性トナーを付着させる画素領域での
第1の方向と第2の方向の磁化領域の長さの比率を、第
2の方向の磁化領域の長さが第1の方向の磁化領域の長
さより短くなる範囲までも変化させられるものとし、指
定される濃度値の最大値と最小値が、磁性トナーを付着
させる1画素領域における第1の方向の磁化領域の長さ
と第2の方向の磁化領域の長さの比率を変化させた時の
最大印写濃度と最小印写濃度とに対応するように設定す
るので、階調変化させられる範囲がもっとも広くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用される磁気
印写装置の基本構成を示す図である。このような磁気印
写装置の基本構成については、前述の特公昭55−34
431号公報等に開示されており、公知であるので、こ
こでは簡単に説明する。磁気記録ドラム1を矢印11の
方向に高速回転させ、記録ヘッド2を待機位置から磁気
記録ドラム1に沿って副走査方向に移動走査すると、記
録ヘッド2は磁気記録ドラム1の周方向に主走査し、磁
気記録ドラム1の母線方向に副走査することになる。走
査に応じて記録ヘッド2を記録信号に応じて駆動する
と、磁気記録ドラム1上に磁気潜像が記録される。な
お、以下の説明では、数個から数十個のヘッドを配列し
た記録ヘッド2を磁気記録ドラム1の母線方向に副走査
する構成を例として説明するが、磁気記録ドラム1の母
線方向の全画像幅のわたってヘッドが配置され、母線方
向の1ライン分の磁気潜像が同時に記録できる構成のも
のを使用した場合にも本発明を適用することが可能であ
る。記録終了後記録ヘッド2を待機位置に戻すと共に、
磁気記録ドラム1を低速回転に移行させる。そして磁気
潜像は現像器3により現像され、磁性トナーが磁気記録
ドム1に吸着される。一方、記録紙4が搬送され、転写
ローラ5により磁気記録ドラム1上の磁性トナーが記録
紙4に転写される。次いで、記録紙4のトナー像は定着
ローラ61、62で定着され、排出される。転写残りの
磁性トナーは、クリーナ装置71、72により磁気記録
ドラム1から除去される。この給紙・現像・転写・定着
のコピープロセスを所定枚数反復する。そして、次の磁
気潜像記録をする場合には、消去ヘッド8が働いて記録
されている磁気潜像を消去する。このような構成である
ので、同一の原稿に対して高速に高精度な複写をするこ
とができることを特徴としている。現像機3は、トナー
31と、矢印34の方向に回転するスリーブ32と、そ
のスリーブ中に固定された現像マグネット33と、トナ
ーの高さ規定板35と、ハウジング36とからなる。現
像マグネット33中のN1 、S1 、N2およびS1 は磁
石を表す。
【0017】図2は、図1における磁気記録ドラム1、
消去ヘッド8、記録ヘッド2、および現像機3の関係を
模式的に表したものである。磁気記録ドラム1は矢印1
1の方向に移動する。磁気記録ドラム1の記録媒体12
は、まず消去ヘッド8により一方向に磁化される。消去
ヘッド8は、例えば、永久磁石81を軟磁石性のホルダ
82、83で挟み、記録媒体12に最近接する所に突き
合わせギャップ部84を設けたものである。図2の状態
では、突き合わせギャップ部84からは永久磁石81の
N極からS極に向かうように、破線の矢印85で示す左
向きの磁界が発生し、近くを記録媒体12が通過すると
記録媒体12は左向き101に磁化される。消去ヘッド
8が作用しないようにする時には、突き合わせギャップ
部84を記録媒体12から遠ざける。もちろん永久磁石
型ではなく、巻線型の消去ヘッドを使用してもよい。
【0018】次に、記録ヘッド2により画像データに応
じた磁気潜像が記録媒体12に記録される。記録ヘッド
2はコア21、コイル22および突き合わせギャップ部
23からなり、突き合わせギャップ部23から外部に発
生する記録磁界の向きは、コイル22に流れるパルス電
流24の極性により、消去ヘッド8の発生する磁界85
と同じ向きの25であったり、逆向きの26であったり
する。ここで、逆向きの記録磁界26が発生すると、記
録媒体12は右向き102に磁化される。左向きの磁化
パターン101と右向きの磁化パターン102との境目
には、磁化転移領域103が形成される。
【0019】次に、現像機3による現像磁界37を消去
磁界85に従って磁化パターン101と同じ向きにする
ことで、高分解能の印写性能が得られることは特公平2
−6065号公報に記載される通りである。この時、印
刷の濃度は、記録媒体12に吸着される磁性トナー31
の量が多いか少ないかで決定される。ここで、本発明の
実施例における記録パターンについて説明する前に、本
発明と従来技術との差異の理解を容易にするために、従
来例における記録方法について説明する。
【0020】図3は従来例における記録方法を説明する
図である。図3に示すように、画像信号Aと、画像1ビ
ット当り1個の画像信号に同期した高レベル期間と低レ
ベル期間が等しいデューティ比50%の記録クロックB
が記録ヘッド駆動回路に与えられるので、記録クロック
に同期した記録電流Cが記録ヘッド2に流れて記録媒体
上を飽和磁化し、磁気潜像Dが形成される。この時、電
流は飽和磁化に十分な電流を流すものとする。磁化状態
Dは、記録クロックBが高レベルの場合第1の磁化方向
に磁化され、記録クロックの低レベルおよび画像信号の
白期間の場合は、第2の方向に磁化される。これによ
り、2つの磁化領域の境界には磁化転移領域が形成され
る。記録媒体12にDで実線で示す方向の磁化が記録さ
れると、記録媒体からの漏洩磁束が記録媒体近傍に発生
する。
【0021】この磁気潜像を、磁気記録ドラム1に近接
して配設された磁性トナーを担持し、第2の磁化方向と
同じ磁化方向の現像磁界を有する現像機で磁性トナーを
磁気記録ドラム1に吸着させて現像する。ところが、こ
のように記録されるので、第2の方向の現像磁界の働き
により、第2の方向の磁化からの漏洩磁束は弱められ、
Dで点線で示すような分布になる。磁性トナーを吸引す
る力は、磁束に対応するので、第2の方向に起因する吸
引力は弱くなり、トナー吸着モデルEに示すようにトナ
ー吸着力の弱い部分が存在するか、または磁化領域の長
さによってはトナー吸着力がほとんどない部分(図示し
ない)が存在することになる。これを転写定着すると、
視覚的には前記特公平2−6065号公報にも示してい
る通り、トナーが多く吸着する部分が平均化されて見え
ることになる。この結果、全領域に多く吸着する場合に
比べて視覚的に濃度が薄くなる現象が生じていた。
【0022】図4は、本発明の第1実施例における記録
信号、磁化パターン及びトナーの付着モデルを示す図で
ある。図4において、Aの画像信号に対して画像信号に
同期したクロックが記録ヘッド駆動回路に与えられる
が、本発明の記録クロックは1画素に対応したクロック
期間にクロック1個が対応し、高レベル期間THが低レ
ベル期間TLより長く設定されている。なお、従来は前
述の通り、THとTLが等しい記録クロックを使用して
いた。記録クロックに同期して記録電流Cが記録ヘッド
2に流れ、記録電流の流れる方向に応じて記録媒体が飽
和磁化される。ここでは、磁化の方向は記録クロックの
高レベルに応じた方向601a、601b、601cを
第1の磁化方向と、低レベルに応じた方向602a、6
02bを第2の磁化方向と称する。601aと602a
等の隣接する磁化領域の境界には磁化転移領域603
a、603b、603c、603d、603e等が形成
される。磁化転移領域603bから603aには漏洩磁
束610aが発生し、603bから603cには611
Aが発生する。同様に、第1の方向に対しては、磁束6
10b、610cが発生し、第2の方向に対しては磁束
611bが発生する。この磁化パターンが現像磁界37
を有する現像機3で現像される状態では、第2の方向の
漏洩磁束611a、611bはその方向が逆である現像
磁界により現象される。図のDでは、合成磁束611
a、611bは現象した状態を表し、現像磁界と同方向
である合成磁束610a、610b、610cと比べて
点線の密度が弱い状態が認識できる。
【0023】この漏洩磁束に対応してトナーは図のEの
ように分布して吸着される。この時、磁化転移領域60
3aから少しはみ出して吸着される。しかるに、記録ク
ロックは、前述の通り、第2の方向に対応した611a
の部分の長さが第1の方向の対応した610aの部分よ
り短くなるように設定されているので、吸着されるトナ
ーの少ない部分は多い部分より相対的に小さくなり、従
来の方法よりも定着後の視覚的濃度が増加する。この濃
度増加は、第2の方向の割合が少なくなると大きくなる
が、あまり大きくなり過ぎると、第1の方向に対応する
610aの磁束が減少するので第1の方向の吸着量が減
少し、平均的には視覚的濃度が減少することになる。従
って、最大濃度が得られる第1の方向と第2の方向に対
応した記録クロックの適切なデューティ比が存在する。
この適切なデューティ比は記録媒体や記録ヘッド2の磁
気特性とトナーの特性等により変化する。最大濃度が得
られる適切なデューティ比を実験により求めて、設定す
ることが望ましい。
【0024】図5から図8に、それぞれ300dpi、
400dpi、600dpi、800dpiの各記録密
度におけるデューティ比と濃度との関係を実測した例を
示す。例えば、図5では、従来のデューティ比が50%
の時の濃度約1.19から、約60%付近で約1.25
に増加したことが分かる。記録密度の異なる他の例で
も、最大濃度が得られるデューティ比が存在し、それら
は記録密度で異なることが分かる。
【0025】第1実施例では、図4に示したような50
%でないデューティ比で記録を行うが、そのための記録
制御回路を説明する。図9は、第1実施例の記録制御回
路の構成を示すブロック図である。記録制御回路は、図
4に示したデューティ比を有する記録クロックを生成す
る記録クロック生成回路202と、記録すべき画像デー
タを発生する画像コントローラ201と、複数個の記録
ヘッド駆動回路203−1、203−2、…203−n
から構成され、記録ヘッドに流す記録電流を生成する。
【0026】図10は、記録ヘッド駆動回路の構成を示
す図である。図10の記録ヘッド駆動回路は、特公平2
−6065号等に詳しく説明されている。簡単に説明す
ると、画像信号と記録クロックとのANDが成立する時
には、トランジスタQ1、Q4がオン、Q2、Q3がオ
フとなって、電源+EからトランジスタQ1、抵抗R
1、コイルL、トランジスタQ4、グランドという経路
で電流が流れ、右向きの第1の方向の磁化パターン(6
01a等)が記録される。一方、画像信号と記録クロッ
クとのANDが不成立の時には、トランジスタQ1、Q
4がオフ、Q2、Q3がオンとなって、電源+Eからト
ランジスタQ3、抵抗R2、コイルL、トランジスタQ
2、グランドという経路で電流が流れ、左向きの第2の
方向の磁化パターン(602a等)が記録される。
【0027】図11は、記録クロック生成回路の構成を
示す図であり、図12はそのタイムチャートである。こ
の回路は、画像コントローラ201が生成した画像デー
タの画素に同期した原記録クロックとシステムクロック
から必要なデューティ比を有する記録クロックを生成す
る。図11に示すように、記録クロック生成回路は立ち
上がり検出回路211と、J−Kフリップフロップ21
2と、n進カウンタ213とを有し、立ち上がり検出回
路211が原記録クロックの立ち上がりを検出して立ち
上がり信号を出力し、これに応じてJ−Kフリップフロ
ップ212がオンし、n進カウンタ213がカウントを
開始する。立ち上がりから期間T2をカウント後、カウ
ント終了信号でJ−Kフリップフロップ212をオフす
る。原記録クロックが立ち上がる毎に上記の動作が繰り
返される。J−Kフリップフロップ212の出力が記録
クロックとなる。記録クロックのデューティ比は原記録
クロックの周期T1と期間T2の比で表される。デュー
ティ比は、前述の通り装置の特性により変わる最適な値
が存在するので、実験結果等に基づいて別途決定するこ
とが望ましい。デューティ比を決める期間T2のカウン
ト値データは、図示していないCPUからセットして
も、固定値として組み込むこともできる。CPUからセ
ットする場合は、カウント値データを保持するレジスが
n進カウンタに設けられる。
【0028】以上説明したように、第1実施例の磁気印
写装置では、記録クロックのデューティ比が最高濃度が
得られるように設定されているため、高濃度の印写を安
定的に行うことができる。第1実施例では、記録クロッ
クのデューティ比を50%以外の特定の値とすることに
より高濃度の印写を可能にしたが、本願発明者は、これ
とは別に、正弦波状の記録信号を使用することにより、
従来の矩形状のパルス信号を使用した時に比べて印写濃
度が高くなることを見出した。第2実施例は、記録信号
として正弦波状の信号を使用した実施例である。
【0029】図13は、本発明の第2実施例における画
像データA、記録クロックB、記録電流C、磁化状態
D、トナー吸引力Eの関係を示す図である。記録クロッ
クに同期した画像データと、記録クロックに同期した正
弦波がヘッド駆動回路に与えられると、記録ヘッドには
記録電流Cが流れる。このヘッド駆動回路は、連続的な
信号変化にできるだけ直線的に応答する特性が望まし
い。正弦波は、記録クロックの1周期T毎に区切ると余
弦関数の変化を示すが、余弦波と正弦波は位相が異なる
だけで本質的には同一であるので、本発明においてはこ
れも正弦波に含めるものとする。記録電流Cが記録ヘッ
ドに流れると、記録媒体には記録電流に比例した磁化状
態が形成される。図のDは磁化状態を模式的に示すもの
で、その強度は下に示した正弦波状に変化する。記録電
流の正の方向に対応して第1の方向の磁化701a、7
01b、701cが形成され、記録電流の負の方向に対
応して第2の方向の磁化702a、702bが形成され
る。また、画像データが白データの場合は、第2の方向
703d、703eに磁化される。電流の極性は白画像
領域の極性に対応する記録媒体の磁化方向が、現像磁界
の方向と一致する方向であれば他の極性をとることがで
きる。この磁化状態の記録媒体を現像磁界37を有する
現像機3で現像するが、この状態におけるトナーを吸引
する力は、解析の結果によればEで示す曲線のようにな
る。曲線Eでは、吸引力は、下方ほど強いことを示して
いる。曲線Eによると、トナーを吸引する力に強弱があ
るが、弱い部分704a、704bにおいても吸引力が
存在する。これは、画像データのすべての部分において
トナーが付着し、トナーが付着しない部分が存在しない
ことを意味する。従来の記録方法では画像データの1画
素中に付着する部分と付着しない部分が存在していた
が、本発明ではすべての部分でトナーが付着する。この
結果、高濃度の記録ができる。
【0030】図14は、第2実施例の記録方式を実現す
る記録制御回路の構成を示す図である。第2実施例の記
録制御回路は、正弦波発生回路302と、複数個のヘッ
ド駆動回路303−1、303−2、…、303−n
と、記録すべき画像データを発生する画像コントローラ
301とから構成され、記録ヘッドに流す正弦波状記録
電流を生成する。
【0031】図15は正弦波発生回路の構成と、そのタ
イムチャートを示す図である。この正弦波発生回路は、
システムクロックと記録クロックを入力として正弦波信
号を出力する。正弦波波形の生成は、周知の各種の回路
で実現できるが、この実施例では、正弦波形をテーブル
として記憶しておき、読み出して正弦波信号に変換する
方式である。図15の(1)に示すように、カウンタ3
11は記録クロックより十分高い、例えば32倍のシス
テムクロックを計数し、各記録クロックの立ち上がりで
初期化され、ROM312のアドレスを生成する。アド
レスで指定されたROM312の内容が読み出され、D
/A変換器313でアナログ信号に変換し、アンプ31
4を介して正弦波信号として出力する。波形データのビ
ット数は、例えば、4ビットである。
【0032】図15の(2)に示すように、システムク
ロックを記録クロックの1周期毎に計数したカウント値
と、カウント値を読み出しアドレスとしたROM312
の内容をD/A変換器313で変換した正弦波信号を示
す。図16は、本発明の記録ヘッド駆動回路を示す回路
図である。正弦波信号と画像データがゲートスイッチG
1に入力され、画像データが黒期間中の正弦波信号がオ
ペアンプOPAmpに入力される。オペアンプ以降は、
いわゆるプッシュプル回路で、正弦波信号が正の期間中
はトランジスタTr1が活性化され、正弦波信号の値に
応じた大きさの電流が記録ヘッド2のコイル20に矢印
351の方向に流れ、逆に正弦波信号が負の期間中はト
ランジスタTr1が非活性化され、正弦波信号の値に応
じた大きさの電流が矢印352の方向に流れる。このよ
うにして、正弦波信号に対応した電流が記録ヘッドのコ
イル20に流れる。R3、R4、R7はトランジスタT
r1の動作条件を、R5、R6、R8はトランジスタT
r2の動作条件を決定する。R1、R2は回路の利得を
決める。コンデンサCは回路の安定動作の作用をする。
R9はコイル20に流れる電流を制限する。
【0033】上記の例では、画像データが存在しない白
画像期間も記録電流が常時通電しているが、画像データ
のこの期間中は電流をゼロに制御してもよい。次に、第
3実施例を説明する。第2実施例では、記録クロックの
高レベル期間と低レベル期間を等しく、すなわち、高レ
ベル期間の1周期に対するデューティ比を50%として
いるが、第1実施例のようにデューティ比を50%以上
とすることも有用である。
【0034】図17に第3実施例における記録波形の1
周期分を示す。図示のように、周期Tを高レベル期間T
1と低レベル期間T2に分割し、期間T1には周期を2
T1とする正弦波の正の半周期361を、期間T2には
周期を2T2とする正弦波の負の半周期362を記録信
号とする。この効果は、図13でトナーの付着する量の
全体を考察すると、付着力の弱い部分と付着力の強い部
分の合計が全体の付着量と考えられるので、付着力の弱
い負の半周期362の期間を、付着力の強い正の半周期
361より短くすることにより全体の付着量が増大する
ことになる。ただし、付着量の少ない部分を過度に短く
すると、内部減磁界の作用等により付着量が減少するこ
ともあるので、この期間は適性に設定する必要がある。
【0035】第3実施例の記録ヘッド駆動回路は、正弦
波発生回路として図18に示す回路を使用する点を除け
ば、第2実施例と同じである。図18の正弦波発生回路
は、正の半周期のシステムクロックを計数するカウンタ
321と、負の半周期のシステムクロックを計数するカ
ウンタ322と、それぞれに対応する関数テーブルを記
憶したROM323とROM324を有し、それぞれか
らの関数値をセレクタ325により切り替える。セレク
タ325は、記録クロックが正の期間はROM323の
データを選択し、負の期間はROM324のデータを選
択する。D/A変換器326は図15のものと同じであ
る。
【0036】図19は、図18の回路のタイムチャート
である。カウンタ321の計数期間と、カウンタ322
の計数期間は、記録クロックの正の期間と負の期間を、
記録クロックの32倍の周波数のシステムクロックで計
数する期間を示している。期間中の数字は、カウンタの
値で、ROM323とROM324のアドレスを意味す
る。読み出されたROMデータを入力としたD/A変換
器326の出力は正弦波信号となる。
【0037】第1実施例から第3実施例では、画像デー
タは2値データであり、画素は白か黒のいずれかである
磁気印写装置の全体の画像濃度を増加させる例を説明し
たが、第4実施例の磁気印写装置は階調表現可能な装置
である。第4実施例の磁気印写装置を説明する前に、磁
気印写装置における従来の階調表現方法について説明す
る。
【0038】特公昭56−33708号公報は、記録周
波数は高くなるとトナーの付着力が低下することに着目
して、濃度値に応じて記録周波数を変化させることによ
り、網点法より少ない画素毎での高精度の階調記録を可
能にした方式を開示している。この方式では、同一濃度
が連続する画素列毎に濃度値に応じたパルス列を画素と
非同期のパルス発生手段で生成する。しかしながら、こ
のような記録方式では、副走査方向で同じ濃度が連続す
る画素列画像の端部の終了位置が一定せず不均一となる
こと、あるいは主走査方向で隣接する画素間で指定濃度
が変化するとその濃度変化部分で印字濃度が乱れるこ
と、あるいは隣接する副走査方向のライン間で指定濃度
が変わり磁化方向が相違するとその付近の印字濃度が薄
くなる問題点があった。これらの問題点を、図20で説
明する。
【0039】指定濃度N1とN2が連続して指定された
画像データAと、指定濃度N1では記録周波数f1、指
定濃度N2では記録周波数f2に対応した記録クロック
Bが記録ヘッド駆動回路に与えられて記録した場合の磁
化状態とトナー吸着の様子をDに示す。記録クロックは
各同一濃度画素列I1、I2の開始点で始まる画素列の
接続点801では低レベル期間が長くなりすぎトナー付
着量が弱くなり、Dの対応する部分802の濃度が薄く
なる。また、各画素列の端部803、804が1周期の
途中で終了すると、中断された部分でも804のように
画像が不整になる場合がある。
【0040】図21は隣接する副走査ラインで異なる濃
度値による記録の様子を示す。Pでは図20で用いた画
素列を開始点851から記録した例であり、記録周波数
が異なるため852付近では隣接するライン間で磁化の
方向が反対になっている。このように、反対になると互
いに磁力を弱め合い、トナー吸着モデルQのように、そ
の部分853で印字濃度が不均一になる。これらの不均
一性の上記の説明は一例であり、隣接する画素列間の指
定濃度差によって生じる位置、程度は異なるが、相当の
確率で発生する。このように、特公昭56−33708
号公報に開示された方式で階調表現を行うと、上記のよ
うな問題が生じていた。
【0041】特公昭57−35463号公報は、各画素
における記録パルスのパルス幅を変化させることにより
階調表現を行う磁気印写装置を開示している。しかし、
前述のように、特公昭57−35463号公報が開示さ
れているのは、磁気トナーを付着させる黒画素領域にお
ける第1の方向の磁化領域の長さの画素領域の長さに対
する比率は、50%が最大で、それから徐々に低下する
例のみである。これに対し、本発明の第4実施例の磁気
印写装置では、磁気トナーを付着させる黒画素領域にお
ける第1の方向の磁化領域の長さの画素領域の長さに対
する比率を、50%を越えて変化させられ、且つ現像磁
界との相互作用も利用するようにする。
【0042】図22は、第4実施例における記録方式を
示す図である。図22は、指定濃度がN1、N2、N
3、N4で、この順に濃度が低下する画像データB(す
なわち、N1>N2>N3>N4)と、画像データの各
画素に同期した記録パルスP1、P2、P3、P4が連
続する記録クロックCが記録ヘッド駆動回路に与えられ
ると、記録媒体に生成される磁気潜像の磁化パターンE
と、磁性トナーの付着モデルの相互関係を説明するもの
である。画像信号の各画素の濃度値はAで示されてい
る。
【0043】いま、画像信号の最初の1画素部分を考え
る。対応する記録クロックP1は高レベル期間がTH1
で低レベル期間がTL1である。画像データと記録クロ
ックが記録ヘッド駆動回路に与えられると、記録電流D
が記録ヘッドに流れ、記録電流の流れる方向に応じて記
録媒体がEのように飽和磁化される。ここでは磁化の方
向は、記録クロックの高レベルに応じた方向901aを
第1の磁化方向と、低レベルに応じた方向902aを第
2の磁化方向と称する。磁化領域901aの両側には、
それに隣接する磁化領域の磁化の向きが反対であるの
で、磁化転移領域903a、903bが形成される。そ
して、磁化転移領域903bから903aには、漏洩磁
束910aが発生し、903bから903cには911
aが発生する。
【0044】この磁化パターンが現像磁界37を有する
現像機3で現像される状態では、第2の磁化方向に起因
する漏洩磁束911aはその方向が逆である現像磁界3
7により減少する。図のEでは、合成磁束911aは減
少した状態を表し、現像磁界と同方向である合成磁束9
10aと比べ点線の密度で弱い状態が読み取れる。この
漏洩磁束に対応して、トナーはFに示すように、910
aの部分は911aの部分より多く分布して吸着され
る。この時、磁化転移領域903aからは少しはみ出し
て吸着される。次に、3番目の画素を考える。対応する
記録クロックP3は、高レベル期間TH3、低レベル期
間TL3であり、磁化901c、902c、漏洩磁束9
10が生成されるTH3はTL3よりかなり短いので、
磁化901cは内部減磁界の作用により相当減じられ、
漏洩磁束910cも少なくなる。その結果、このパルス
幅が狭い場合の作用は、前記特公昭57−35463号
公報と同様と考えることができ、付着するトナーはFで
示すように少なくなる。また、2番目の記録クロックP
2については、それぞれの作用が働き、中間量のトナー
が付着する。更に狭い記録クロックP4に対応する磁化
901dは更に少なくなるので、転移領域903fから
903eへの漏洩磁束はほとんどなくなる。従って、4
番目の画素は濃度値がゼロであり、パルス幅は非常に細
く、トナーは無視できる程度にしか付着しない。その他
の濃度値に対してはそれぞれのパルス幅に応じたトナー
が付着する。つまり、パルス幅と濃度には順次対応する
関係が存在する。
【0045】次に、前記特公昭57−35463号公報
には示されていない作用である、最大の濃度が得られる
状態を記録クロックP1の付近で考える。記録ルス幅が
印写濃度に影響を与える要因を考える。第2の方向の期
間TL1に対する磁化の漏洩磁束911aは、現像磁界
37の方向と逆であるので、漏洩磁束911aは減少
し、この部分のトナーの付着力は弱くなり、付着トナー
は漏洩磁束910aの部分より少なくなることは前述の
通りであるが、この現像トナーが転写定着された後の濃
度は、この両部分のトナー付着量が平均化された濃度と
なる。この考察より、TL1が短くなると濃度が増加す
るといえる。しかし、TL1が短くなることに対応して
TH1が長くなるので磁化転移領域間の途中では付着力
が弱くなり平均濃度は下がるようになる。つまり、パル
ス幅TH1が広くなり過ぎても、狭くなり過ぎても印字
濃度は薄くなるので、最大の濃度が得られるパルス幅が
存在することが分かる。パルス幅と濃度との関係を実験
した結果の例を図23に示す。図23の結果は400d
piの場合である。この結果は、第1の方向のパルス幅
と印字濃度には、ある範囲であれば1対1の対応関係が
あることを示している。濃度が最大になるデューティ比
は、記録媒体、記録ヘッドの磁気特性あるいはトナーの
特性に依存している。
【0046】第4実施例では、この特性に着目し、画素
毎に制御可能な階調記録方法を可能にするもので、黒デ
ータ領域は1画素毎に1個の記録パルスを対応させ、そ
のパルス幅が画素毎に指定された濃度値に対応して変化
するものであって、最大の濃度値を得る付近のパルス幅
と、最小の濃度値を得る付近のパルス幅を設定し、その
間を指定された濃度値に対応させるパルス幅を有する記
録パルスで階調記録を行い、白データ領域では記録パル
スを発生させない。
【0047】図24は、上記の記録方式を実現する第4
実施例の記録制御回路の構成を示すブロック図である。
記録制御回路は、各記録ヘッド駆動回路403−1、4
03−2、…、403−nへの記録クロックを生成する
記録クロック生成回路402−1、402−2、…、4
02−nと、記録すべき画像データを発生する画像コン
トローラ401と、記録ヘッド駆動回路403−1、4
03−2、…、403−nとで構成され、各記録ヘッド
駆動回路に流す記録電流を生成する。記録クロック生成
回路402−1、402−2、…、402−nが、記録
チャンネルのチャンネル数分設けられている点が図9の
第1実施例の記録制御回路と異なる。
【0048】記録ヘッド駆動回路403−1、403−
2、…、403−nの構成は、図10に示したものと同
じである。図25は、記録クロック生成回路402−
1、402−2、…、402−nの構成を示す回路図で
ある。図11と比較して明らかなように、図25の回路
はn進カウンタ413に入力されるカウント値データが
濃度値データnである点を除けば図11の回路と同じで
ある。
【0049】図26は図25の記録クロック生成回路の
タイムチャートである。図示していないCPUから、記
録しようとする濃度値に対応する濃度値データが与えら
れる。n進カウンタ413は、原記録クロックの立ち上
がりから、この濃度値データ分のカウントを行う。この
カウント期間が図のT2a又はT2bであり、記録クロ
ックはこの期間高レベルになる。記録クロックのデュー
ティ比は原記録クロックの周期TとT2a又はT2bの
比で表されるので、記録クロックのデューティ比は濃度
値データに応じて設定されることになる。濃度値データ
は、最大濃度値に対応するシステムクロック数に対する
割合で表現することが望ましい。すなわち、 指定濃度データ=最大濃度値クロック数×指定濃度/最
大濃度値 例えば、システムクロック周波数は、原記録クロック周
波数より十分高い周波数が使用されるが、100倍のク
ロックを使用し、指定濃度値範囲は8ビットで表現でき
る範囲(0〜255)として、指定濃度値を127とす
ると、指定濃度データは50で与えられる。この変換
は、画像データの濃度値に対してCPUが変換するが、
CPUの負荷を軽減するため、記録クロック生成回路で
ROMデータを索引することで実現することもできる。
【0050】以上説明したように、第4実施例では、階
調表示範囲の広い磁気印写装置が実現できる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁気印写装置で、高濃度の印字および広い表現範囲の階
調表示が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される磁気印写装置の基本構成を
示す図である。
【図2】磁気印写装置における記録動作の説明図であ
る。
【図3】従来の記録方式による磁化パターンを示す図で
ある。
【図4】第1実施例の記録方式による磁化パターンを示
す図である。
【図5】記録密度300dpiの時の、記録クロックの
デューティ比を変化させた時の濃度の変化を示す図であ
る。
【図6】記録密度400dpiの時の、記録クロックの
デューティ比を変化させた時の濃度の変化を示す図であ
る。
【図7】記録密度600dpiの時の、記録クロックの
デューティ比を変化させた時の濃度の変化を示す図であ
る。
【図8】記録密度800dpiの時の、記録クロックの
デューティ比を変化させた時の濃度の変化を示す図であ
る。
【図9】第1実施例の記録制御回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】第1実施例の記録ヘッド駆動回路の回路図で
ある。
【図11】第1実施例の記録クロック生成回路の回路図
である。
【図12】第1実施例の記録クロック生成回路のタイム
チャートである。
【図13】第2実施例の記録方式による磁化パターンを
示す図である。
【図14】第2実施例の記録制御回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図15】第2実施例の記録クロック生成回路の回路図
とタイムチャートである。
【図16】第2実施例の記録ヘッド駆動回路の回路図で
ある。
【図17】第3実施例における記録信号を示す図であ
る。
【図18】第3実施例の記録クロック生成回路の回路図
である。
【図19】第3実施例の記録クロック生成回路のタイム
チャートである。
【図20】階調レベルに応じて記録周波数を変化させる
従来例を説明する図である。
【図21】階調レベルに応じて記録周波数を変化させる
従来例を説明する図である。
【図22】第4実施例の記録方式を示す図である。
【図23】第4実施例でのデキューティ比を変化させた
時の濃度変化を示すグラフである。
【図24】第4実施例の記録制御回路を示す図である。
【図25】第4実施例の記録クロック生成回路の回路図
である。
【図26】第4実施例の記録クロック生成回路のタイミ
ングチャートである。
【符号の説明】
1…磁気記録ドラム 2…記録ヘッド 3…現像機 4…用紙 5…転写ローラ 8…消去ヘッド 12…記録媒体 37…現像磁界 201、301、401…画像コントローラ 202、402−1、402−n…記録クロック生成回
路 203−1、303−1、403−1…記録ヘッド駆動
回路 302…正弦波発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦野 忠夫 東京都杉並区久我山1丁目7番41号 岩崎 通信機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体(1)と、 該磁気記録媒体(1)上を少なくとも1方向に走査しな
    がら画像信号に応じた磁気潜像を前記磁気記録媒体
    (1)上に記録する磁気記録手段(2)と、 前記磁気記録媒体(1)に記録された前記磁気潜像を磁
    性トナーにより現像する現像手段(3)と、 該現像手段(3)により現像された磁性トナー像を用紙
    に転写及び定着して複写する転写・定着手段(5、6
    1、62)とを備える磁気印写装置であって、 前記磁気記録手段(2)は、前記走査方向に、前記磁気
    記録媒体(1)上の前記磁性トナーを付着させない画素
    領域では、前記磁気記録媒体(1)上に連続した第2の
    方向の磁化領域を形成し、前記磁性トナーを付着させる
    画素領域では1画素領域内で前記磁気記録媒体(1)上
    に前記第2の方向と逆の第1の方向の磁化領域と前記第
    2の方向の磁化領域の2つの磁化領域を形成し、 前記現像手段(3)は、前記第2の方向の現像磁界を有
    する磁気印写装置において、 全画素にわたって、前記磁性トナーを付着させる画素領
    域での前記第1の方向と第2の方向の磁化領域の長さの
    比率は、前記第2の方向の磁化領域の長さが前記第1の
    方向の磁化領域の長さより短い、画像濃度が最大になる
    付近の値に設定されていることを特徴とする磁気印写装
    置。
  2. 【請求項2】 磁気記録媒体(1)と、 該磁気記録媒体(1)の表面付近に記録電流に応じた磁
    界を発生させる記録ヘッドを有し、該磁気記録媒体
    (1)上を少なくとも1方向に走査しながら画像信号に
    応じた磁気潜像を前記磁気記録媒体(1)上に記録する
    磁気記録手段(2)と、 前記磁気記録媒体(1)に記録された前記磁気潜像を磁
    性トナーにより現像する現像手段(3)と、 該現像手段(3)により現像された磁性トナー像を用紙
    に転写及び定着して複写する転写・定着手段(5、6
    1、62)とを備える磁気印写装置であって、 前記磁気記録手段(2)は、前記走査方向に、前記磁気
    記録媒体(1)上の前記磁性トナーを付着させない画素
    領域では、前記磁気記録媒体(1)上に連続した第2の
    方向の磁化領域を形成し、前記磁性トナーを付着させる
    画素領域では1画素領域内で前記磁気記録媒体(1)上
    に前記第2の方向と逆の第1の方向の磁化領域と前記第
    2の方向の磁化領域の2つの磁化領域を形成する磁気印
    写装置において、 前記磁気記録手段(2)は、前記磁性トナーを付着させ
    る1画素領域の少なくとも一部で、前記記録電流を正弦
    波状に変化させて、2つの磁化領域を形成することを特
    徴とする磁気印写装置。
  3. 【請求項3】 前記磁性トナーを付着させる1画素領域
    において、2つの磁化領域をそれぞれ形成する正弦波状
    の2つの極性の前記記録電流が流れる期間の長さが異な
    る請求項2に記載の磁気印写装置。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体(1)と、 該磁気記録媒体(1)上を少なくとも1方向に走査しな
    がら画像信号に応じた磁気潜像を前記磁気記録媒体
    (1)上に記録する磁気記録手段(2)と、 前記磁気記録媒体(1)に記録された前記磁気潜像を磁
    性トナーにより現像する現像手段(3)と、 該現像手段(3)により現像された磁性トナー像を用紙
    に転写及び定着して複写する転写・定着手段(5、6
    1、62)とを備える磁気印写装置であって、 前記磁気記録手段(2)は、前記走査方向に、前記磁気
    記録媒体(1)上の前記磁性トナーを付着させない画素
    領域では、前記磁気記録媒体(1)上に連続した第2の
    方向の磁化領域を形成し、前記磁性トナーを付着させる
    画素領域では1画素領域内で前記磁気記録媒体(1)上
    に前記第2の方向と逆の第1の方向の磁化領域と前記第
    2の方向の磁化領域の2つの磁化領域を形成し、 前記現像手段(3)は前記第2の方向の現像磁界を有す
    る磁気印写装置において、 指定された濃度値に応じて、前記磁性トナーを付着させ
    る1画素領域における前記第1の方向の磁化領域の長さ
    と前記第2の方向の磁化領域の長さの比率を変化させる
    ように、前記磁気記録手段(2)を制御する階調制御手
    段を備え、 該階調制御手段は、前記磁性トナーを付着させる画素領
    域での前記第1の方向と第2の方向の磁化領域の長さの
    比率を、前記第2の方向の磁化領域の長さが前記第1の
    方向の磁化領域の長さより短くなる範囲までも変化可能
    であり、指定される濃度値の最大値と最小値は、前記磁
    性トナーを付着させる1画素領域における前記第1の方
    向の磁化領域の長さと前記第2の方向の磁化領域の長さ
    の比率を変化させた時の最大印写濃度と最小印写濃度と
    に対応するように設定されていることを特徴とする磁気
    印写装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5710121A (en) * 1995-12-21 1998-01-20 Rhone-Poulenc Inc. Anionic surfactants having multiple hydrophobic and hydrophilic groups
US5952290A (en) * 1997-11-26 1999-09-14 Rhodia Inc. Anionic gemini surfactants and methods for their preparation
US6121222A (en) * 1996-12-27 2000-09-19 Rhodia Inc. Anionic surfactants having multiple hydrophobic and hydrophilic groups

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