JPH09325345A - 液晶表示パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶注入口を封止する封止剤が液晶表示有効
エリアに侵入することを防止しうる液晶表示パネルを提
供する。 【解決手段】 本発明の液晶表示パネルは、対向する２
枚の基板１，２の間に内部空間を形成すると共に両基板
の間の一部に液晶注入口１２を形成するようにシール剤
５で張り合わせ、液晶注入口１２を介して内部空間に液
晶を充填してなるものであって、基板１，２の少なくと
も一方の内部空間側の表面に、液晶注入口１２を封止す
る封止剤１３が液晶注入口側の有効表示エリア端まで侵
入しないように防御する第１の阻止部材３ｄ，４ｄを形
成し、液晶注入口１２の内部空間に、封止剤５が液晶注
入口端面を起点として所定の位置にとどまるように制御
する第２の阻止部材１４を複数個配置した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示パネルに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、薄型軽量で、消費電力の小さいと
いう特徴を有する液晶表示パネルがパーソナルＯＡ機器
の表示装置として広く用いられている。その液晶表示パ
ネルの中でもＳＴＮ（超ねじれネマテック）型液晶表示
パネルに代表される単純マトリックス型液晶表示パネル
は、その表示情報量が大きく、製造コストが低いことか
ら盛んに応用されるようになってきている。

【０００３】以下に、単純マトリックス型液晶表示パネ
ルを例にして、従来の液晶表示パネルを説明する。図９
及び図１０は従来の単純マトリックス型液晶表示パネル
を示す部分平面図及び部分正面図であり、図１１は図９
の単純マトリックス型液晶表示パネルをＹ−Ｙ′断面を
矢印方向からみた部分断面図を示している。

【０００４】図示するように、液晶表示パネルは、表面
にＸ方向のＩＴＯ（透明電極）３及び配向膜６とＹ方向
のＩＴＯ（透明電極）４及び配向膜６とをそれぞれ表面
に形成した基板１と基板２とを、スペーサ（図示せず）
を介して配向膜６が対向するように重ね合わせ、有効表
示エリア７の周辺に形成されたシール剤５によって基板
１及び基板２を密着して構成される。基板１と基板２と
の間に形成された液晶注入口１２から液晶が封入され、
その後、この液晶注入口１２を封止するために封止剤１
３を注入する。

【０００５】このような構造の液晶表示パネルにおい
て、その外形寸法に対する液晶表示有効エリアの面積の
割合ができるだけ大きくなること（狭額縁セル構成）が
要求され、具体的には基板端から有効表示エリアまでの
間隔がほぼ３ｍｍ以内であることが要求されている。

【０００６】このような狭額縁セル構成では、基板端か
ら有効表示エリアまでの間隔が狭くなるため、液晶注入
口を封止する封止剤が液晶表示エリアまではみだし、表
示品質を低下させるおそれが生じる。

【０００７】これに対するために、例えば実開平５−７
９５３９号公報では液晶注入口付近に阻止部材を千鳥状
に配列することにより、封止剤が有効表示エリアに侵入
しないようにする技術が開示されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この技術で
は、阻止部材の形状、大きさ（幅）、及びその配置位置
について具体的な考慮がされておらず、特に狭額縁セル
構成にする場合、封止剤が液晶表示有効エリアに侵入す
ることを防止することが困難である。

【０００９】そこで本発明の目的は、液晶注入口を封止
する封止剤が液晶表示有効エリアに侵入することを防止
しうる液晶表示パネルを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示パネル
は、対向する２枚の基板の間に内部空間を形成すると共
に両基板の間の一部に液晶注入口を形成するようにシー
ル剤で張り合わせ、液晶注入口を介して内部空間に液晶
を充填してなるものであって、基板の少なくとも一方の
内部空間側の表面に、液晶注入口を封止する封止剤が液
晶注入口側の有効表示エリア端まで侵入しないように防
御する第１の阻止部材を形成し、液晶注入口の内部空間
に、封止剤が液晶注入口端面を起点として所定の位置に
とどまるように制御する第２の阻止部材を複数個配置し
たことを特徴とする。

【００１１】更に本発明の液晶表示パネルは、第１の阻
止部材が透明電極として形成されていることを特徴とす
る。

【００１２】更に本発明の液晶表示パネルは、液晶注入
口端面を起点として有効表示エリア端までの距離をＤと
したとき、０．１Ｄ〜０．４Ｄの位置に配置されている
ことを特徴とする。

【００１３】更に本発明の液晶表示パネルは、各第２の
阻止部材の断面積が、液晶注入口の全断面積に対して２
％以下であることを特徴とする。

【００１４】更に本発明の液晶表示パネルは、第２の阻
止部材の合計断面積が、液晶注入口の全断面積に対して
３０％以下であることを特徴とする。

【００１５】更に本発明の液晶表示パネルは、各第２の
阻止部材は基板の液晶注入口部に千鳥状に配置されてい
ることを特徴とする。

【００１６】更に本発明の液晶表示パネルは、各第２の
阻止部材の形状が液晶注入方向を長軸とする楕円形状で
あることを特徴とする。

【００１７】このように、基板に第１の阻止部材を設け
ると共に、第２の阻止部材を液晶注入口部の内部空間内
の適切な場所に配置したり、適切な大きさ、形状にする
ことにより、封止剤の液晶表示有効エリアへの侵入を防
止することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】本発明に係る液晶表示パネルの実
施の１形態を、図１〜３を参照して説明する。図１及び
図２はこの形態の部分平面図及び部分正面図を、図３は
図１のＹ−Ｙ′断面を矢印方向から見た部分断面図をそ
れぞれ示している。

【００１９】図示するように、この液晶表示パネルは、
Ｘ方向の透明電極３及び配向膜６とＹ方向の透明電極４
及び配向膜６とをそれぞれ表面に形成した基板１と基板
２とを、スペーサ（図示せず）を介して配向膜６が対向
するように重ね合わせ、有効表示エリア７の周辺に形成
され、例えばエポキシ樹脂からなるシール剤５によって
基板１及び基板２を密着して構成される。

【００２０】基板１と基板２との間には、シール剤５に
よって形成された液晶注入口１２から液晶が封入され、
その後、この液晶注入口１２を封止するための封止剤１
３を注入し、液晶注入口を封止する。

【００２１】図３に示すように、封止剤１３が有効表示
エリア７に侵入するのを防ぐために、両基板２，３には
有効表示エリア７を越えた外側に第１の阻止部材、例え
ばダミーの透明電極３ｄ及び透明電極４ｄをそれぞれ液
晶注入口１２の端面付近まで形成する。このダミーの透
明電極３ｄ，４ｄは透明電極に限られるものでなく、基
板２，３により形成される内部空間側に突き出した形状
のものであればよい。

【００２２】更に、液晶注入口１２には、封止剤１３が
有効表示エリア７に侵入しないように制御する第２の阻
止部材１４が、複数個２段に配置されている。１段めの
第２の阻止部材１４は液晶注入口１２の端面を起点とし
て０．３ｍｍの地点に（液晶注入口１２の端面と有効表
示エリア７との間隔である３ｍｍに対して１０％の距
離）、２段めの第２の阻止部材１４は液晶注入口１２の
端面を起点として１．１ｍｍの地点に（液晶注入口１２
の端面と有効表示エリア７との間隔である３ｍｍに対し
て３７％の距離）それぞれ配置されている。

【００２３】この形態による液晶表示パネルと従来の液
晶表示パネルとを比較するため、図４〜６に示すような
従来の液晶表示パネルを作成した。

【００２４】図４及び図５は従来の液晶表示パネルを示
す部分平面図及び部分正面図であり、図６は図４の液晶
表示パネルをＹ−Ｙ断面を矢印方向から見た部分断面図
である。

【００２５】図４に示すように、この液晶表示パネルは
液晶注入口１２にはダミーの透明電極３ｄ，４ｄが形成
されていない。また第２の阻止部材１４は、０．６ｍｍ
□の大きさで、液晶注入口１２の端面を起点として０．
７ｍｍの地点に（液晶注入口１２の端面と有効表示エリ
ア７との間隔である３ｍｍに対して２３％の距離）に、
１個だけ配置されている。この液晶表示パネルに封止剤
１３を注入したところ、封止剤１３の吸い込み形状が一
様でなくなり、その吸い込み形状を十分に制御すること
ができないため、封止剤１３の有効表示エリア７への侵
入を確実に防止することができない。

【００２６】他方、上述した実施の形態では、図１，３
に示すように、液晶注入口１２の端面側に配置された１
段めの第２の阻止部材１４により封止剤１３の吸い込み
形状が円弧状または弓なり状と理想的な形状となり、し
かも吸い込み量が０．７ｍｍと小さくなり、液晶注入口
１３のセルギャップが均一になり、剥がれを防止するこ
とができ、信頼性の高い液晶パネルが得られた。また、
有効表示エリア７側に配置された２段めの第２の阻止部
材１４により、封止剤１３の有効表示エリア７への侵入
を防止できるため、表示品質を低下させずに済む。

【００２７】このように、第２の阻止部材は液晶注入口
端面を起点として、液晶注入口端面から有効表示エリア
端までの距離に対して１０〜４０％の間に配置されてい
ることが望ましい。これは、第２の阻止部材を液晶注入
口端面を起点として、液晶注入口端面から有効表示エリ
ア端までの距離に対して１０％未満の地点に配置する
と、セルの外側の近くで封止剤の流入を止めることにな
るため、封止強度及び信頼性（水分や溶剤等外部からの
物質の侵入を防止する）が低下するおそれがあるためで
ある。

【００２８】他方、第２の阻止部材を液晶注入口端面を
起点として、液晶注入口端面から有効表示エリア端まで
の距離の４０％を越えた地点に配置すると、従来の技術
と同様の問題点である封止剤が有効表示エリア７へ侵入
するおそれが生じるからである。

【００２９】次に、本発明に係る液晶表示パネルの実施
の別の形態を図７、図８、及び図３を参照して説明す
る。図７及び図８はこの形態の部分平面図及び部分正面
図を、図３は図７のＹ−Ｙ′断面を矢印方向から見た部
分断面図を示している。

【００３０】この形態は、前述した実施の形態と同様
に、封止剤１３が有効表示エリア７に侵入するのを防ぐ
ために、両基板２，３には有効表示エリア７を越えてダ
ミーの透明電極３ｄ及び透明電極４ｄがそれぞれ液晶注
入口１２の端面付近まで形成されている。このダミーの
透明電極３ｄ，４ｄは透明電極に限られるものでなく、
基板２，３により形成される内部空間側に突き出た形状
のものであればよい。

【００３１】液晶注入口１２には、制御する第２の阻止
部材１４が複数個配置されており、１つの第２の阻止部
材１４の断面積が、液晶注入口１３の全断面積に対して
２％以下、例えば１％であり、かつ第２の阻止部材の合
計断面積が、液晶注入口の全断面積に対して３０％以
下、例えば２０％となっている。

【００３２】このように１つあたりの第２の阻止部材１
４の断面積を液晶注入口１３の全断面積に対して２％以
下としたのは、１つあたりの第２の阻止部材１４の断面
積が液晶注入口１３の全断面積に対して２％を越える
と、封止剤形状を制御することが困難になるためであ
る。また、第２の阻止部材の総合断面積が、液晶注入口
の全断面積に対して３０％以下となるようにしたのは、
３０％を越えると、例えば１０インチ以上の大パネルを
製造する場合に、液晶をセル内部に全て注入しようとし
た時に、第２の阻止部材が液晶の注入を防げ注入時間が
長くかかってしまうため、プロセス上好ましくなくなる
か、又は液晶をセル内部に全て注入することができず、
内部に気泡が残ってしまい、表示品質が残ってしまうお
それがあるからである。

【００３３】更に、各第２の阻止部材１４の断面形状を
液晶注入方向を長軸とする楕円状とし、各第２の阻止部
材１４を液晶注入口部に千鳥状に配置すれば、液晶注入
口１２のセルギャップの制御が行いやすくなり、また封
止剤１３にかかるストレスが小さくなって信頼性が向上
し、更に封止剤１３の吸い込み量の制御も行いやすくな
る。

【００３４】このような効果は、第２の阻止部材１４の
断面形状を縦長楕円状とすることにより、液晶注入工程
での脱気抵抗や注入抵抗を小さくすることができ、液晶
注入をスムーズにすることが可能になるために生じる。
更に注入口をささせる阻止部材の面積が大きくなるた
め、注入口ギャップの保持が強固になり、封止後の注入
口部の強度が向上する。また封止剤と阻止部材との接触
面積が増加し、吸い込み量のコントロールが行い易くな
る。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、液晶注入口を封止する
封止剤が液晶表示有効エリアに侵入することを防止しう
る液晶表示パネルを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の液晶表示パネルによる実施の１形態を
示す部分平面図。

【図２】本発明の液晶表示パネルによる実施の１形態を
示す部分正面図。

【図３】本発明の液晶表示パネルによる実施の１形態を
示す部分断面図。

【図４】従来の液晶表示パネルを示す部分平面図。

【図５】従来の液晶表示パネルを示す部分正面図。

【図６】従来の液晶表示パネルを示す部分断面図。

【図７】本発明の液晶表示パネルによる実施の別形態を
示す部分平面図。

【図８】本発明の液晶表示パネルによる実施の別形態を
示す部分正面図。

【図９】従来の液晶表示パネルを示す部分平面図。

【図１０】従来の液晶表示パネルを示す部分正面図。

【図１１】従来の液晶表示パネルを示す部分断面図。

【符号の説明】

１，２ 基板 ３，４ 透明電極 ３ｄ，４ｄ ダミーの透明電極 ５ シール剤 ６ 配向膜 ７ 有効表示エリア １２ 液晶注入口 １３ 封止剤 １４ 第２の阻止部材

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】対向する２枚の基板の間に内部空間を形成
   すると共に両基板の間の一部に液晶注入口を形成するよ
   うにシール剤で張り合わせ、前記液晶注入口を介して内
   部空間に液晶を充填してなる液晶表示パネルにおいて、 前記基板の少なくとも一方の内部空間側の表面に、前記
   液晶注入口を封止する封止剤が前記液晶注入口側の有効
   表示エリア端まで侵入しないように防御する第１の阻止
   部材を形成し、 前記液晶注入口の内部空間に、前記封止剤が前記液晶注
   入口端面を起点として所定の位置にとどまるように制御
   する第２の阻止部材を複数個配置したことを特徴とする
   液晶表示パネル。
2. 【請求項２】前記第１の阻止部材は透明電極として形成
   されていることを特徴とする請求項１に記載の液晶表示
   パネル。
3. 【請求項３】前記第２の阻止部材は、前記液晶注入口端
   面を起点として前記有効表示エリア端までの距離をＤと
   したとき、０．１Ｄ〜０．４Ｄの位置に配置されている
   ことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の液晶表
   示パネル。
4. 【請求項４】前記各第２の阻止部材の断面積が、前記液
   晶注入口の全断面積に対して２％以下であることを特徴
   とする請求項１又は請求項２に記載の液晶表示パネル。
5. 【請求項５】前記第２の阻止部材の合計断面積が、前記
   液晶注入口の全断面積に対して３０％以下であることを
   特徴とする請求項４に記載の液晶表示パネル。
6. 【請求項６】前記各第２の阻止部材は前記基板の前記液
   晶注入口部に千鳥状に配置されていることを特徴とする
   請求項１〜５のいずれかに記載の液晶表示パネル。
7. 【請求項７】前記各第２の阻止部材の形状が液晶注入方
   向を長軸とする楕円形状であることを特徴とする１〜６
   のいずれかに記載の液晶表示パネル。