JPH09324185A - 燃料油用摩耗低減剤及び燃料油組成物 - Google Patents
燃料油用摩耗低減剤及び燃料油組成物Info
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- JPH09324185A JPH09324185A JP32594696A JP32594696A JPH09324185A JP H09324185 A JPH09324185 A JP H09324185A JP 32594696 A JP32594696 A JP 32594696A JP 32594696 A JP32594696 A JP 32594696A JP H09324185 A JPH09324185 A JP H09324185A
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- JP
- Japan
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- fuel oil
- reducing agent
- alcohol
- alkenyl succinic
- carbon atoms
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 先進国の間で排ガスによる環境汚染防止の
為、ディ−ゼル燃料軽油の品質(イオウ含有量及び芳香
族化合物含有量)を規制するようになってきている。し
かし、イオウ含有量の低下は、ディ−ゼル燃料の潤滑性
の低下を引き起こし、ディ−ゼルエンジンの部材を摩耗
させるという事実が報告された。このため、その対策と
して摩耗低減剤をディ−ゼル燃料に添加することも考え
られているが、従来技術の摩耗低減剤は高添加量で効果
を発揮するものが多く、原料も特殊なものが多い。 【解決手段】 アルケニル基の炭素数が8乃至30個の
アルケニルコハク酸のエステル化誘導体が、低イオウ含
有量又は低芳香族化合物含有量のディ−ゼル燃料に対し
て摩耗低減剤として効果的である。
為、ディ−ゼル燃料軽油の品質(イオウ含有量及び芳香
族化合物含有量)を規制するようになってきている。し
かし、イオウ含有量の低下は、ディ−ゼル燃料の潤滑性
の低下を引き起こし、ディ−ゼルエンジンの部材を摩耗
させるという事実が報告された。このため、その対策と
して摩耗低減剤をディ−ゼル燃料に添加することも考え
られているが、従来技術の摩耗低減剤は高添加量で効果
を発揮するものが多く、原料も特殊なものが多い。 【解決手段】 アルケニル基の炭素数が8乃至30個の
アルケニルコハク酸のエステル化誘導体が、低イオウ含
有量又は低芳香族化合物含有量のディ−ゼル燃料に対し
て摩耗低減剤として効果的である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料油における摩
耗低減剤としての、アルケニルコハク酸エステル化誘導
体及びそのポリオキシアルキレングリコ−ルエステルの
使用に関するものである。
耗低減剤としての、アルケニルコハク酸エステル化誘導
体及びそのポリオキシアルキレングリコ−ルエステルの
使用に関するものである。
【0002】先進国においてはエネルギ−供給源とし
て、化石燃料に大きく依存している。化石燃料の消費
(燃焼)が増大すると大気中への二酸化炭素、硫黄酸化
物、窒素酸化物などの排出量を増加させる。ひいてはこ
れが地域的な環境問題にとどまらず、地球規模の問題
(温暖化、酸性雨等)となってきている。
て、化石燃料に大きく依存している。化石燃料の消費
(燃焼)が増大すると大気中への二酸化炭素、硫黄酸化
物、窒素酸化物などの排出量を増加させる。ひいてはこ
れが地域的な環境問題にとどまらず、地球規模の問題
(温暖化、酸性雨等)となってきている。
【0003】ディ−ゼルエンジン排出ガスに含まれる硫
黄酸化物、窒素酸化物及びパティキュレ−トは大都市及
びその周辺都市における大気汚染の要因の1つである。
これを低減するため、先進国では近年ディ−ゼルエンジ
ン排出ガスについて規制を行ってきており、この規制値
を達成すべくディ−ゼル燃料自体の品質も規制されてき
ている。
黄酸化物、窒素酸化物及びパティキュレ−トは大都市及
びその周辺都市における大気汚染の要因の1つである。
これを低減するため、先進国では近年ディ−ゼルエンジ
ン排出ガスについて規制を行ってきており、この規制値
を達成すべくディ−ゼル燃料自体の品質も規制されてき
ている。
【0004】ディ−ゼル燃料中に含有されるイオウ及び
芳香族化合物は硫黄化合物、窒素酸化物及びパティキュ
レ−ト放出に関与するものと考えられ、特に重要な規制
対象である。カルフォルニア及びスウエ−デンのように
地域的に既に採用されている規制に続いて、EC(ヨ−
ロッパ共同体)諸国では、長期間に渡って新たな規制が
検討されてきた。
芳香族化合物は硫黄化合物、窒素酸化物及びパティキュ
レ−ト放出に関与するものと考えられ、特に重要な規制
対象である。カルフォルニア及びスウエ−デンのように
地域的に既に採用されている規制に続いて、EC(ヨ−
ロッパ共同体)諸国では、長期間に渡って新たな規制が
検討されてきた。
【0005】1985年以降、カルフォルニアでは、カルフ
ォルニア大気資源局〔CARB(California Air Resou
rces Board)〕によって原油処理量50,000bpd(barrel p
er day)以上の大規模製油所に対して、ディ−ゼル燃料
中の許容イオウ含有量を0.05重量%に規制している(19
89年以降は原油処理量50,000bpd以下の小規模製油所に
対しても規制)。続いて1990年11月には、米国環境保護
庁〔EPA〕はエンジン製造業連盟〔EMA(Engineer
ing Manufactures Association)〕、アメリカ石油協会
〔API(American Petroleum Institutives)〕と合
意して、ディ−ゼル燃料中におけるイオウ含有量及び芳
香族化合物含有量(最大許容レベル35容量%)の両方
を制限する米国全域適用の法律を通過させた。かかる法
律は1991年10月に発効している。
ォルニア大気資源局〔CARB(California Air Resou
rces Board)〕によって原油処理量50,000bpd(barrel p
er day)以上の大規模製油所に対して、ディ−ゼル燃料
中の許容イオウ含有量を0.05重量%に規制している(19
89年以降は原油処理量50,000bpd以下の小規模製油所に
対しても規制)。続いて1990年11月には、米国環境保護
庁〔EPA〕はエンジン製造業連盟〔EMA(Engineer
ing Manufactures Association)〕、アメリカ石油協会
〔API(American Petroleum Institutives)〕と合
意して、ディ−ゼル燃料中におけるイオウ含有量及び芳
香族化合物含有量(最大許容レベル35容量%)の両方
を制限する米国全域適用の法律を通過させた。かかる法
律は1991年10月に発効している。
【0006】さらに、米国の中でも、一段と厳しい独自
の大気品質基準と自動車排出規制をもっているカルフォ
リニアでは、カルフォルニア大気資源局〔CARB〕に
よって、ディ−ゼル燃料中の芳香族化合物含有量を10
容量%(原油処理量50,000bpd以上の大規模製油所に
ついて)に制限する、より厳格な規制法案が通過され
た。これら法律は1993年10月1日より発効している。新
たに製造されるディ−ゼルエンジンについても粉塵排出
量を0.10g/bhphに制限している。
の大気品質基準と自動車排出規制をもっているカルフォ
リニアでは、カルフォルニア大気資源局〔CARB〕に
よって、ディ−ゼル燃料中の芳香族化合物含有量を10
容量%(原油処理量50,000bpd以上の大規模製油所に
ついて)に制限する、より厳格な規制法案が通過され
た。これら法律は1993年10月1日より発効している。新
たに製造されるディ−ゼルエンジンについても粉塵排出
量を0.10g/bhphに制限している。
【0007】ヨ−ロッパにおけるディ−ゼルエンジン排
出ガスに関する議論は、環境問題を最優先とするスイ
ス、スウエ−デンに代表されるストックホルムグル−プ
と経済繁栄を優先させながら環境問題の解決を図ろうと
するEEC(ヨ−ロッパ経済共同体)諸国では異なって
いる。
出ガスに関する議論は、環境問題を最優先とするスイ
ス、スウエ−デンに代表されるストックホルムグル−プ
と経済繁栄を優先させながら環境問題の解決を図ろうと
するEEC(ヨ−ロッパ経済共同体)諸国では異なって
いる。
【0008】既にスウエ−デンでは1992年1月よりカル
フォルニア州と同等かより厳しいディ−ゼル燃料品質規
制がスタ−トしており、標準ディ−ゼル燃料のイオウ含
有量は0.3重量%以下となっているが税制優遇されてい
るクラス1及び2のディ−ゼル燃料は0.001乃至0.005重
量%となっている。
フォルニア州と同等かより厳しいディ−ゼル燃料品質規
制がスタ−トしており、標準ディ−ゼル燃料のイオウ含
有量は0.3重量%以下となっているが税制優遇されてい
るクラス1及び2のディ−ゼル燃料は0.001乃至0.005重
量%となっている。
【0009】EECに関しては、ディ−ゼル燃料中のイ
オウを0.2重量%以下に制限する規制のみが通過し、発
効しており、現在は更に厳格な規制(1996年から発効す
る予定)を検討している。かかる規制は、芳香族化合物
含有量を制限する以外にイオウ含有量を0.05重量%に制
限するものである。
オウを0.2重量%以下に制限する規制のみが通過し、発
効しており、現在は更に厳格な規制(1996年から発効す
る予定)を検討している。かかる規制は、芳香族化合物
含有量を制限する以外にイオウ含有量を0.05重量%に制
限するものである。
【0010】日本でも1992年10月よりイオウ含有量をそ
れまでの0.5重量%以下から0.2重量%以下に規制し、19
97年に0.05重量%に規制する予定である。
れまでの0.5重量%以下から0.2重量%以下に規制し、19
97年に0.05重量%に規制する予定である。
【0011】ディ−ゼル燃料中のイオウ及び芳香族化合
物含有量の低減は、技術的には、精製処理、特に接触水
素化によって達成される。しかしながら、ディ−ゼル燃
料中におけるイオウ及び芳香族化合物含有量を低減させ
ることにより、燃料の潤滑性等に悪影響を及ぼす事実が
観測された。例えば、スウエ−デンのようなディ−ゼル
燃料中におけるイオウ含有量の極度の低減は、燃料自体
の潤滑性を低減させ、ディ−ゼルエンジンの燃料ポンプ
のカムプレ−トとロ−ラ−間等の摩耗という問題を生じ
ることが観測された。又カルフォルニアでは、芳香族化
合物含有量の低減により燃料ポンプに使用されているゴ
ムシ−ルが膨潤性を失って燃料洩れをおこすという問題
を生じることが観測された。さらには、スウエ−デンの
ディ−ゼル燃料クラス1及び2を使用する場合には平均
走行距離10,000km後に、軽負荷エンジン(すなわち自
動車用エンジン)のロ−タリ−ポンプは破損を生じると
いわれている。
物含有量の低減は、技術的には、精製処理、特に接触水
素化によって達成される。しかしながら、ディ−ゼル燃
料中におけるイオウ及び芳香族化合物含有量を低減させ
ることにより、燃料の潤滑性等に悪影響を及ぼす事実が
観測された。例えば、スウエ−デンのようなディ−ゼル
燃料中におけるイオウ含有量の極度の低減は、燃料自体
の潤滑性を低減させ、ディ−ゼルエンジンの燃料ポンプ
のカムプレ−トとロ−ラ−間等の摩耗という問題を生じ
ることが観測された。又カルフォルニアでは、芳香族化
合物含有量の低減により燃料ポンプに使用されているゴ
ムシ−ルが膨潤性を失って燃料洩れをおこすという問題
を生じることが観測された。さらには、スウエ−デンの
ディ−ゼル燃料クラス1及び2を使用する場合には平均
走行距離10,000km後に、軽負荷エンジン(すなわち自
動車用エンジン)のロ−タリ−ポンプは破損を生じると
いわれている。
【0012】
【従来の技術】当分野では例えばディ−ゼル燃料用の摩
耗低減剤として米国特許第3,704,107号、同第4,566,878
号、特開55-57557、特開57-82396、特開58-65792、特開
59-190996、特開60-94988、特開60-141789及び特開05-1
94559等に開示された如く、ヒ゛ス-ヒト゛ロキシエチルアルカンフォスフェ-
ト、ベ−タメルカプトエタノ−ルとココナッツオイルと
の反応生成物、チオヒ゛ス(ヒト゛ロカルヒ゛ルジ酸物質)、有機モリ
ブデン、ヒドロキシル含有硼酸塩組成物、硼素化エポキ
シド、隣位ジオ−ルとハイト゛ロカルヒ゛ルホスファイトとの反応生成
物、アルコキシアルキルアマイト゛、有機ホスフェ−ト等が公知となっ
ている。しかしながら、これらの特許記載の化合物は本
明細書前述の低イオウ含有量又は低芳香族化合物含有量
のディ−ゼル燃料に対して効果を発揮出来るか不明であ
り、加えてこれに記載の実施例にみられるように比較的
高い濃度範囲で所望の特性を発揮する添加剤であった
り、原料が特殊であったりしており、経済性の面で有利
とはいえない。
耗低減剤として米国特許第3,704,107号、同第4,566,878
号、特開55-57557、特開57-82396、特開58-65792、特開
59-190996、特開60-94988、特開60-141789及び特開05-1
94559等に開示された如く、ヒ゛ス-ヒト゛ロキシエチルアルカンフォスフェ-
ト、ベ−タメルカプトエタノ−ルとココナッツオイルと
の反応生成物、チオヒ゛ス(ヒト゛ロカルヒ゛ルジ酸物質)、有機モリ
ブデン、ヒドロキシル含有硼酸塩組成物、硼素化エポキ
シド、隣位ジオ−ルとハイト゛ロカルヒ゛ルホスファイトとの反応生成
物、アルコキシアルキルアマイト゛、有機ホスフェ−ト等が公知となっ
ている。しかしながら、これらの特許記載の化合物は本
明細書前述の低イオウ含有量又は低芳香族化合物含有量
のディ−ゼル燃料に対して効果を発揮出来るか不明であ
り、加えてこれに記載の実施例にみられるように比較的
高い濃度範囲で所望の特性を発揮する添加剤であった
り、原料が特殊であったりしており、経済性の面で有利
とはいえない。
【0013】アルカノ−ル燃料に限定した摩耗防止剤と
しては、米国特許第4,177,768号、同第4,185,594号、同
第4,198,931号、同第4,204,481号、同第4,208,190号、
同第4,242,099号、同第4,248181号、同第4,375,360号、
同第4,609,376号特開63-57690等に開示された如く、不
飽和の二量化脂肪酸とリン酸エステルの組み合わせ、不
飽和の二量化脂肪酸、N-ヒト゛ロキシハイト゛ロカ-ホ゛ンアマイト゛、ジエ
タノ−ルアミンの脂肪酸アマイド又はエステル、第1級
脂肪酸アミン、炭素数12乃至30個の炭化水素化コハ
ク酸又はコハク酸無水物、炭素数8乃至20の脂肪族モ
ノカルボン酸、多価アルコ−ルの完全エステル及びカル
ボン酸と多価アルコ−ルとのエステルの使用は公知であ
る。これらの特許記載の化合物も本明細書前述の低イオ
ウ含有量又は低芳香族化合物含有量のディ−ゼル燃料に
対して効果を発揮出来るか不明である。
しては、米国特許第4,177,768号、同第4,185,594号、同
第4,198,931号、同第4,204,481号、同第4,208,190号、
同第4,242,099号、同第4,248181号、同第4,375,360号、
同第4,609,376号特開63-57690等に開示された如く、不
飽和の二量化脂肪酸とリン酸エステルの組み合わせ、不
飽和の二量化脂肪酸、N-ヒト゛ロキシハイト゛ロカ-ホ゛ンアマイト゛、ジエ
タノ−ルアミンの脂肪酸アマイド又はエステル、第1級
脂肪酸アミン、炭素数12乃至30個の炭化水素化コハ
ク酸又はコハク酸無水物、炭素数8乃至20の脂肪族モ
ノカルボン酸、多価アルコ−ルの完全エステル及びカル
ボン酸と多価アルコ−ルとのエステルの使用は公知であ
る。これらの特許記載の化合物も本明細書前述の低イオ
ウ含有量又は低芳香族化合物含有量のディ−ゼル燃料に
対して効果を発揮出来るか不明である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来技術にみられる高添加量での効果の発
揮と、原料の特殊性にある。
する課題は、従来技術にみられる高添加量での効果の発
揮と、原料の特殊性にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に達したもので
ある。すなわち本発明はアルケニルコハク酸又はアルケ
ニルコハク酸無水物という安価で一般的な原料と1価、
多価のアルコ−ル又はこれらのポリオキシアルキレンエ
−テルとの反応生成物が、本明細書前述の低イオウ含有
量又は低芳香族化合物含有量のディ−ゼル燃料に対し
て、低添加量で効果を発揮しうる摩耗低減剤として得ら
れるという発見に基ずくものである。
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に達したもので
ある。すなわち本発明はアルケニルコハク酸又はアルケ
ニルコハク酸無水物という安価で一般的な原料と1価、
多価のアルコ−ル又はこれらのポリオキシアルキレンエ
−テルとの反応生成物が、本明細書前述の低イオウ含有
量又は低芳香族化合物含有量のディ−ゼル燃料に対し
て、低添加量で効果を発揮しうる摩耗低減剤として得ら
れるという発見に基ずくものである。
【0016】本発明品を得る方法は特に制限しないが、
最も簡便な方法はアルケニルコハク酸無水物と1価、多
価アルコ−ル又はこれらのポリオキシアルキレンエ−テ
ルとを混合し昇温して反応させる方法、又上記の方法で
得られた反応生成物に公知技術の触媒を用いてアルキレ
ンオキサイドを付加させる方法である。他にもたとえ
ば、アルケニルコハク酸と1価、多価アルコ−ル又はこ
れらのポリオキシアルキレンエ−テルとを公知技術の触
媒を用いてエステル化させる方法、又上記の方法で得ら
れた反応生成物に公知技術の触媒を用いてアルキレンオ
キサイドを付加させる方法等があげられる。反応溶媒の
使用は任意であるが、反応させるアルコ−ルの種類によ
っては、反応生成物は非常に高粘度になるため実際には
反応溶媒の使用を余儀なくされる場合がある。
最も簡便な方法はアルケニルコハク酸無水物と1価、多
価アルコ−ル又はこれらのポリオキシアルキレンエ−テ
ルとを混合し昇温して反応させる方法、又上記の方法で
得られた反応生成物に公知技術の触媒を用いてアルキレ
ンオキサイドを付加させる方法である。他にもたとえ
ば、アルケニルコハク酸と1価、多価アルコ−ル又はこ
れらのポリオキシアルキレンエ−テルとを公知技術の触
媒を用いてエステル化させる方法、又上記の方法で得ら
れた反応生成物に公知技術の触媒を用いてアルキレンオ
キサイドを付加させる方法等があげられる。反応溶媒の
使用は任意であるが、反応させるアルコ−ルの種類によ
っては、反応生成物は非常に高粘度になるため実際には
反応溶媒の使用を余儀なくされる場合がある。
【0017】また、アルケニルコハク酸無水物又はアル
ケニルコハク酸と反応するアルコ−ルが多価アルコ−ル
である場合の、アルケニルコハク酸無水物又はアルケニ
ルコハク酸と多価アルコ−ルの反応モル比は、燃料油に
対する摩耗低減効果に大きく依存する。例えば 実施例
2 と 実施例3 で示すように、多価アルコ−ルがプロ
ピレングリコ−ルの場合は、アルケニルコハク酸無水物
とプロピレングリコ−ルの反応モル比(アルケニルコハ
ク酸無水物の反応モル数/プロピレングリコ−ルの反応
モル数)は大きい方が燃料油に対する摩耗低減効果は大
きい。しかしながら、実施例6 から 実施例9 で示す
ように、多価アルコ−ルがグリセリンの場合は、アルケ
ニルコハク酸無水物とグリセリンの反応モル比(アルケ
ニルコハク酸無水物の反応モル数/グリセリンの反応モ
ル数)は1.5付近が燃料油に対する摩耗低減効果は大き
い。
ケニルコハク酸と反応するアルコ−ルが多価アルコ−ル
である場合の、アルケニルコハク酸無水物又はアルケニ
ルコハク酸と多価アルコ−ルの反応モル比は、燃料油に
対する摩耗低減効果に大きく依存する。例えば 実施例
2 と 実施例3 で示すように、多価アルコ−ルがプロ
ピレングリコ−ルの場合は、アルケニルコハク酸無水物
とプロピレングリコ−ルの反応モル比(アルケニルコハ
ク酸無水物の反応モル数/プロピレングリコ−ルの反応
モル数)は大きい方が燃料油に対する摩耗低減効果は大
きい。しかしながら、実施例6 から 実施例9 で示す
ように、多価アルコ−ルがグリセリンの場合は、アルケ
ニルコハク酸無水物とグリセリンの反応モル比(アルケ
ニルコハク酸無水物の反応モル数/グリセリンの反応モ
ル数)は1.5付近が燃料油に対する摩耗低減効果は大き
い。
【0018】本発明に用いられるアルコ−ルは、1価、
多価アルコ−ル、又はこれらのポリオキシアルキレンエ
−テルであり、更に詳しくは、メタノ−ル、エタノ−
ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、ヘキサ
ノ−ル、ヘプタノ−ル、オクタノ−ル、ノナノ−ル、デ
カノ−ル、ウンデカノ−ル、ドデカノ−ル、トリデカノ
−ル、テトラデカノ−ル、ペンタデカノ−ル、ヘキサデ
カノ−ル、ヘプタデカノ−ル、オクタデカノ−ル、ノナ
デカノ−ル、エイコサノ−ル及びこれらの異性体、並び
にこれらのポリオキシアルキレンエ−テル、アリルアル
コ−ル、ブテニルアルコ−ル、ペンテニルアルコ−ル、
ヘキセニルアルコ−ル、ヘプテニルアルコ−ル、オクテ
ニルアルコ−ル、ノネニルアルコ−ル、デセニルアルコ
−ル、ウンデセニルアルコ−ル、ドデセニルアルコ−
ル、トリデセニルアルコ−ル、テトラデセニルアルコ−
ル、ペンタデセニルアルコ−ル、ヘキサデセニルアルコ
−ル、ヘプタデセニルアルコ−ル、オクタデセニルアル
コ−ル、ノナデセニルアルコ−ル、エイコセニルアルコ
−ル及びこれらの異性体、並びにこれらのポリオキシア
ルキレンエ−テル、ペンタジエノ−ル、ヘキサジエノ−
ル、ヘプタジエノ−ル、オクタジエノ−ル、ノナジエノ
−ル、デカジエノ−ル、ウンデカジエノ−ル、ドデカジ
エノ−ル、テトラジエノ−ル、ペンタジエノ−ル、ヘキ
サデカジエノ−ル、ヘプタデカジエノ−ル、オクタデカ
ジエノ−ル、ノナデカジエノ−ル、エイコサジエノ−ル
及びこれらの異性体、並びにこれらのポリオキシアルキ
レンエ−テル、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ
−ル、トリエチレングリコ−ル、テトラエチレングリコ
−ル及びそれ以上のモル数のエチレンオキサイド縮合物
であるポリエチレングリコ−ル、並びにこれらのポリオ
キシアルキレンエ−テル、プロピレングリコ−ル、ジプ
ロピレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、テト
ラプロピレングリコ−ル及びそれ以上のモル数のプロピ
レンオキサイド縮合物であるポリプロピレングリコ−
ル、並びにこれらのポリオキシアルキレンエ−テル、ブ
チレングリコ−ル、ジブチレングリコ−ル、トリブチレ
ングリコ−ル、テトラブチレングリコ−ル及びそれ以上
のモル数のブチレンオキサイド縮合物であるポリブチレ
ングリコ−ル、並びにこれらのポリオキシアルキレンエ
−テル、グリセリン、ペンタエリスリト−ル等及びこれ
らのポリオキシアルキレンエ−テル、又はこれらの混合
物が考えられる。
多価アルコ−ル、又はこれらのポリオキシアルキレンエ
−テルであり、更に詳しくは、メタノ−ル、エタノ−
ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、ヘキサ
ノ−ル、ヘプタノ−ル、オクタノ−ル、ノナノ−ル、デ
カノ−ル、ウンデカノ−ル、ドデカノ−ル、トリデカノ
−ル、テトラデカノ−ル、ペンタデカノ−ル、ヘキサデ
カノ−ル、ヘプタデカノ−ル、オクタデカノ−ル、ノナ
デカノ−ル、エイコサノ−ル及びこれらの異性体、並び
にこれらのポリオキシアルキレンエ−テル、アリルアル
コ−ル、ブテニルアルコ−ル、ペンテニルアルコ−ル、
ヘキセニルアルコ−ル、ヘプテニルアルコ−ル、オクテ
ニルアルコ−ル、ノネニルアルコ−ル、デセニルアルコ
−ル、ウンデセニルアルコ−ル、ドデセニルアルコ−
ル、トリデセニルアルコ−ル、テトラデセニルアルコ−
ル、ペンタデセニルアルコ−ル、ヘキサデセニルアルコ
−ル、ヘプタデセニルアルコ−ル、オクタデセニルアル
コ−ル、ノナデセニルアルコ−ル、エイコセニルアルコ
−ル及びこれらの異性体、並びにこれらのポリオキシア
ルキレンエ−テル、ペンタジエノ−ル、ヘキサジエノ−
ル、ヘプタジエノ−ル、オクタジエノ−ル、ノナジエノ
−ル、デカジエノ−ル、ウンデカジエノ−ル、ドデカジ
エノ−ル、テトラジエノ−ル、ペンタジエノ−ル、ヘキ
サデカジエノ−ル、ヘプタデカジエノ−ル、オクタデカ
ジエノ−ル、ノナデカジエノ−ル、エイコサジエノ−ル
及びこれらの異性体、並びにこれらのポリオキシアルキ
レンエ−テル、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ
−ル、トリエチレングリコ−ル、テトラエチレングリコ
−ル及びそれ以上のモル数のエチレンオキサイド縮合物
であるポリエチレングリコ−ル、並びにこれらのポリオ
キシアルキレンエ−テル、プロピレングリコ−ル、ジプ
ロピレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、テト
ラプロピレングリコ−ル及びそれ以上のモル数のプロピ
レンオキサイド縮合物であるポリプロピレングリコ−
ル、並びにこれらのポリオキシアルキレンエ−テル、ブ
チレングリコ−ル、ジブチレングリコ−ル、トリブチレ
ングリコ−ル、テトラブチレングリコ−ル及びそれ以上
のモル数のブチレンオキサイド縮合物であるポリブチレ
ングリコ−ル、並びにこれらのポリオキシアルキレンエ
−テル、グリセリン、ペンタエリスリト−ル等及びこれ
らのポリオキシアルキレンエ−テル、又はこれらの混合
物が考えられる。
【0019】アルケニルコハク酸無水物は周知の方法例
えば、オレフィンと無水マレイン酸の反応によって得る
ことができ、これを水と反応させればアレケニルコハク
酸が得られる。オレフィンは直鎖でも分枝鎖でも使用で
き、アルファ−オレフィンでも2重結合の位置を内部に
移動させた異性化オレフィンでも使用可能であるが、異
性化オレフィンは同じ炭素数のアルファ−オレフィンよ
り融点が低く、取り扱いが容易である。
えば、オレフィンと無水マレイン酸の反応によって得る
ことができ、これを水と反応させればアレケニルコハク
酸が得られる。オレフィンは直鎖でも分枝鎖でも使用で
き、アルファ−オレフィンでも2重結合の位置を内部に
移動させた異性化オレフィンでも使用可能であるが、異
性化オレフィンは同じ炭素数のアルファ−オレフィンよ
り融点が低く、取り扱いが容易である。
【0020】
【発明の実施の形態】アルケニルコハク酸無水物と1価
又は多価アルコ−ルを撹拌しつつ昇温、熟成して得た反
応生成物を本発明の摩耗低減剤とし、これを試料ディ−
ゼル燃料に添加、均一溶解したものを本発明の燃料油組
成物とした。
又は多価アルコ−ルを撹拌しつつ昇温、熟成して得た反
応生成物を本発明の摩耗低減剤とし、これを試料ディ−
ゼル燃料に添加、均一溶解したものを本発明の燃料油組
成物とした。
【0021】
【実施例】以下に具体的な実施例をあげて本発明をより
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0022】実施例 1 アルケニル基の炭素原子数が12個のアルケニルコハク
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕266部(1モル)とプロ
ピレングリコ−ル(分子量76.1)76.1部(1モ
ル)を撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込
み口を備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みな
がら撹拌つつ140℃にて60時間反応させることによ
り製造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又
この摩耗低減剤を、ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05
重量%)に対して、0.015容量%試料になるように添加
し、均一溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕266部(1モル)とプロ
ピレングリコ−ル(分子量76.1)76.1部(1モ
ル)を撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込
み口を備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みな
がら撹拌つつ140℃にて60時間反応させることによ
り製造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又
この摩耗低減剤を、ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05
重量%)に対して、0.015容量%試料になるように添加
し、均一溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
【0023】実施例 2 アルケニル基の炭素原子数が18個のアルケニルコハク
酸無水物〔異性化直鎖オレフィンと無水マレイン酸の反
応生成物(分子量350)〕350部(1モル)とプロ
ピレングリコ−ル(分子量76.1)76.1部(1モ
ル)を撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込
み口を備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みな
がら撹拌つつ140℃にて60時間反応させることによ
り製造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又
この摩耗低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量
0.05重量%)に対して0.015容量%になるように添加
し、均一溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
酸無水物〔異性化直鎖オレフィンと無水マレイン酸の反
応生成物(分子量350)〕350部(1モル)とプロ
ピレングリコ−ル(分子量76.1)76.1部(1モ
ル)を撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込
み口を備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みな
がら撹拌つつ140℃にて60時間反応させることによ
り製造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又
この摩耗低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量
0.05重量%)に対して0.015容量%になるように添加
し、均一溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
【0024】実施例 3 アルケニル基の炭素原子数が18個のアルケニルコハク
酸無水物〔異性化直鎖オレフィンと無水マレイン酸の反
応生成物(分子量350)〕700部(2モル)とプロ
ピレングリコ−ル(分子量76.1)76.1部(1モ
ル)を撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込
み口を備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みな
がら撹拌つつ140℃にて60時間反応させることによ
り製造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又
この摩耗低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量
0.05重量%)に対して、0.015容量%になるように添加
し、均一溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
酸無水物〔異性化直鎖オレフィンと無水マレイン酸の反
応生成物(分子量350)〕700部(2モル)とプロ
ピレングリコ−ル(分子量76.1)76.1部(1モ
ル)を撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込
み口を備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みな
がら撹拌つつ140℃にて60時間反応させることによ
り製造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又
この摩耗低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量
0.05重量%)に対して、0.015容量%になるように添加
し、均一溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
【0025】実施例 4 アルケニル基の炭素原子数が18個のアルケニルコハク
酸無水物〔異性化直鎖オレフィンと無水マレイン酸の反
応生成物(分子量350)〕350部(1モル)とオレ
イルアルコ−ル(分子量263)263部(1モル)を
撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を
備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹
拌つつ、140℃にて60時間反応させることにより製
造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この
摩耗低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05
重量%)に対して0.015容量%になるように添加し、均
一溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
酸無水物〔異性化直鎖オレフィンと無水マレイン酸の反
応生成物(分子量350)〕350部(1モル)とオレ
イルアルコ−ル(分子量263)263部(1モル)を
撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を
備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹
拌つつ、140℃にて60時間反応させることにより製
造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この
摩耗低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05
重量%)に対して0.015容量%になるように添加し、均
一溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
【0026】実施例 5 アルケニル基の炭素原子数が18個のアルケニルコハク
酸無水物〔異性化直鎖オレフィンと無水マレイン酸の反
応生成物(分子量350)〕350部(1モル)とテト
ラデシルアルコ−ル(分子量214)214部(1モ
ル)を撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込
み口を備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みな
がら撹拌つつ、140℃にて60時間反応させることに
より製造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。
又この摩耗低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有
量0.05重量%)に対して、0.015容量%になるように添
加し、均一溶解したものを本発明の燃料油組成物とし
た。
酸無水物〔異性化直鎖オレフィンと無水マレイン酸の反
応生成物(分子量350)〕350部(1モル)とテト
ラデシルアルコ−ル(分子量214)214部(1モ
ル)を撹拌装置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込
み口を備えたガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みな
がら撹拌つつ、140℃にて60時間反応させることに
より製造した反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。
又この摩耗低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有
量0.05重量%)に対して、0.015容量%になるように添
加し、均一溶解したものを本発明の燃料油組成物とし
た。
【0027】実施例 6 アルケニル基の炭素原子数が12個のアルケニルコハク
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕266部(1モル)とグリ
セリン(分子量92)92部(1モル)を撹拌装置、コ
ンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を備えたガラス
製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つつ、14
0℃にて60時間反応させることにより製造した反応生
成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗低減剤
を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量%)に
対して、0.015容量%になるように添加し、均一溶解し
たものを本発明の燃料油組成物とした。
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕266部(1モル)とグリ
セリン(分子量92)92部(1モル)を撹拌装置、コ
ンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を備えたガラス
製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つつ、14
0℃にて60時間反応させることにより製造した反応生
成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗低減剤
を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量%)に
対して、0.015容量%になるように添加し、均一溶解し
たものを本発明の燃料油組成物とした。
【0028】実施例 7 アルケニル基の炭素原子数が12個のアルケニルコハク
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕399部(1.5モル)と
グリセリン(分子量92)92部(1モル)を撹拌装
置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を備えた
ガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つ
つ、140℃にて60時間反応させることにより製造し
た反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗
低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量
%)に対して、0.015容量%になるように添加し、均一
溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕399部(1.5モル)と
グリセリン(分子量92)92部(1モル)を撹拌装
置、コンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を備えた
ガラス製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つ
つ、140℃にて60時間反応させることにより製造し
た反応生成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗
低減剤を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量
%)に対して、0.015容量%になるように添加し、均一
溶解したものを本発明の燃料油組成物とした。
【0029】実施例 8 アルケニル基の炭素原子数が12個のアルケニルコハク
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕532部(2モル)とグリ
セリン(分子量92)92部(1モル)を撹拌装置、コ
ンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を備えたガラス
製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つつ、14
0℃にて60時間反応させることにより製造した反応生
成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗低減剤
を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量%)に
対して、0.015容量%になるように添加し、均一溶解し
たものを本発明の燃料油組成物とした。
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕532部(2モル)とグリ
セリン(分子量92)92部(1モル)を撹拌装置、コ
ンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を備えたガラス
製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つつ、14
0℃にて60時間反応させることにより製造した反応生
成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗低減剤
を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量%)に
対して、0.015容量%になるように添加し、均一溶解し
たものを本発明の燃料油組成物とした。
【0030】実施例 9 アルケニル基の炭素原子数が12個のアルケニルコハク
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕798部(3モル)とグリ
セリン(分子量92)92部(1モル)を撹拌装置、コ
ンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を備えたガラス
製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つつ、14
0℃にて60時間反応させることにより製造した反応生
成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗低減剤
を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量%)に
対して、0.015容量%になるように添加し、均一溶解し
たものを本発明の燃料油組成物とした。
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕798部(3モル)とグリ
セリン(分子量92)92部(1モル)を撹拌装置、コ
ンデンサ−、温度計及び窒素吹き込み口を備えたガラス
製反応器にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つつ、14
0℃にて60時間反応させることにより製造した反応生
成物を本発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗低減剤
を、試料ディ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量%)に
対して、0.015容量%になるように添加し、均一溶解し
たものを本発明の燃料油組成物とした。
【0031】実施例 10 アルケニル基の炭素原子数が12個のアルケニルコハク
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕399部(1.5モル)と
グリセリンのエチレンオキサイド5モル付加物(分子量
312)312部(1モル)を撹拌装置、コンデンサ
−、温度計及び窒素吹き込み口を備えたガラス製反応器
にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つつ、140℃にて
60時間反応させることにより製造した反応生成物を本
発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗低減剤を、試料デ
ィ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量%)に対して、0.
015容量%になるように添加し、均一溶解したものを本
発明の燃料油組成物とした。
酸無水物〔プロピレンテトラマ−と無水マレイン酸の反
応生成物(分子量266)〕399部(1.5モル)と
グリセリンのエチレンオキサイド5モル付加物(分子量
312)312部(1モル)を撹拌装置、コンデンサ
−、温度計及び窒素吹き込み口を備えたガラス製反応器
にいれ、窒素を吹き込みながら撹拌つつ、140℃にて
60時間反応させることにより製造した反応生成物を本
発明の摩耗低減剤とした。又この摩耗低減剤を、試料デ
ィ−ゼル燃料(イオウ含有量0.05重量%)に対して、0.
015容量%になるように添加し、均一溶解したものを本
発明の燃料油組成物とした。
【0032】実施例1 から 実施例10 で得られた本
発明の燃料油組成物を 表1 の条件にてHFRR(High
Fre-quency Reciprocation wear Rig)にかけ、顕微鏡
にて摩耗痕径を測定した。その結果を 表2 に示した。
発明の燃料油組成物を 表1 の条件にてHFRR(High
Fre-quency Reciprocation wear Rig)にかけ、顕微鏡
にて摩耗痕径を測定した。その結果を 表2 に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】表2 で示したように、本発明の摩耗低
減剤は低イオウ含有量及び低芳香族化合物含有量の燃料
油の摩耗を効果的に抑制することは明らかである。特に
グリセリンのアルケニルコハク酸とのエステルであっ
て、アルケニルコハク酸とグリセリンの反応モル比(ア
ルケニルコハク酸の反応モル数/グリセリンの反応モル
数)が1.5から2付近の化合物は非常に効果的に燃料
油の摩耗を低減することができる。
減剤は低イオウ含有量及び低芳香族化合物含有量の燃料
油の摩耗を効果的に抑制することは明らかである。特に
グリセリンのアルケニルコハク酸とのエステルであっ
て、アルケニルコハク酸とグリセリンの反応モル比(ア
ルケニルコハク酸の反応モル数/グリセリンの反応モル
数)が1.5から2付近の化合物は非常に効果的に燃料
油の摩耗を低減することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも1個以上 化1 又は 化2 で
表される構造部分をもつ化合物〔式中R1は8乃至30
個の炭素原子を有する分枝鎖又は直鎖のアルケニル基で
あり、R2は炭素数が2乃至4のアルキレン基、nは0
乃至10である〕からなる燃料油用摩耗低減剤。 - 【請求項2】 アルケニル基が分枝鎖又は直鎖であり、
その炭素原子数が8乃至30個であるアルケニルコハク
酸無水物又はアルケニルコハク酸と、1価アルコ−ル、
1価アルコ−ルのポリオキシアルキレンエ−テル(アル
キレン基の炭素数2乃至4)、多価アルコ−ル、多価ア
ルコ−ルのポリオキシアルキレンエ−テル(アルキレン
基の炭素数2乃至4)、又はアルキレン基の炭素数が2
乃至4のポリオキシアルキレングリコ−ルとのエステル
化反応生成物、又はそのポリオキシアルキレングリコ−
ルエステルからなる燃料油用摩耗低減剤。 - 【請求項3】 アルケニルコハク酸無水物又はアルケニ
ルコハク酸とエステル化反応させる反応物が、多価アル
コ−ルである 請求項1 又は 請求項2 に記載の燃料油
用摩耗低減剤。 - 【請求項4】 アルケニルコハク酸無水物又はアルケニ
ルコハク酸と多価アルコ−ルの反応モル比(アルケニル
コハク酸無水物又はアルケニルコハク酸の反応モル数/
多価アルコ−ルの反応モル数)が1乃至〔多価アルコ−
ルのもつアルコ−ル性水酸基の数〕である 請求項1 か
ら 請求項3 に記載の燃料油用摩耗低減剤。 - 【請求項5】 多価アルコ−ルがグリセリンである 請
求項1 から 請求項4に記載の燃料油用摩耗低減剤。 - 【請求項6】 請求項1 から 請求項5 に記載の摩耗
低減剤を0.0001乃至0.1重量%含有する燃料油組成物。 【化1】 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32594696A JPH09324185A (ja) | 1996-04-03 | 1996-11-22 | 燃料油用摩耗低減剤及び燃料油組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10481596 | 1996-04-03 | ||
JP8-104815 | 1996-04-03 | ||
JP32594696A JPH09324185A (ja) | 1996-04-03 | 1996-11-22 | 燃料油用摩耗低減剤及び燃料油組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09324185A true JPH09324185A (ja) | 1997-12-16 |
Family
ID=26445196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32594696A Pending JPH09324185A (ja) | 1996-04-03 | 1996-11-22 | 燃料油用摩耗低減剤及び燃料油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09324185A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112779063A (zh) * | 2019-11-11 | 2021-05-11 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种低硫柴油抗磨剂及其制备方法和应用 |
CN112779064A (zh) * | 2019-11-11 | 2021-05-11 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种低酸型柴油抗磨剂及其制备方法和应用 |
WO2023052286A1 (en) * | 2021-09-29 | 2023-04-06 | Shell Internationale Research Maatschappij B.V. | Fuel compositions |
-
1996
- 1996-11-22 JP JP32594696A patent/JPH09324185A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112779063A (zh) * | 2019-11-11 | 2021-05-11 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种低硫柴油抗磨剂及其制备方法和应用 |
CN112779064A (zh) * | 2019-11-11 | 2021-05-11 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种低酸型柴油抗磨剂及其制备方法和应用 |
CN112779063B (zh) * | 2019-11-11 | 2022-12-09 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种低硫柴油抗磨剂及其制备方法和应用 |
CN112779064B (zh) * | 2019-11-11 | 2022-12-13 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种低酸型柴油抗磨剂及其制备方法和应用 |
WO2023052286A1 (en) * | 2021-09-29 | 2023-04-06 | Shell Internationale Research Maatschappij B.V. | Fuel compositions |
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