JPH09323935A - 抗ウイルス剤、その製造方法及びその応用 - Google Patents

抗ウイルス剤、その製造方法及びその応用

Info

Publication number
JPH09323935A
JPH09323935A JP8160777A JP16077796A JPH09323935A JP H09323935 A JPH09323935 A JP H09323935A JP 8160777 A JP8160777 A JP 8160777A JP 16077796 A JP16077796 A JP 16077796A JP H09323935 A JPH09323935 A JP H09323935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gold
antiviral agent
substrate
hiv
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8160777A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiminori Atsumi
公則 渥美
Yasuro Matsumoto
康郎 松本
Shuji Sakuma
周治 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sangi Co Ltd
Original Assignee
Sangi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sangi Co Ltd filed Critical Sangi Co Ltd
Priority to JP8160777A priority Critical patent/JPH09323935A/ja
Priority to PCT/JP1997/001838 priority patent/WO1997045132A1/ja
Publication of JPH09323935A publication Critical patent/JPH09323935A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N59/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing elements or inorganic compounds
    • A01N59/16Heavy metals; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • A61K33/24Heavy metals; Compounds thereof
    • A61K33/242Gold; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗ウイルス性に優れ、細胞毒性の低い抗ウイ
ルス剤、その製造方法及びその応用を提供すること。 【解決手段】 金と、これを担持した担体とからなる抗
ウイルス剤。この抗ウイルス剤を製造するに際し、前記
金を吸着又は/及びイオン交換によって前記担体に担持
させる、抗ウイルス剤の製造方法。さらに、金と、これ
を担持した担体とからなる抗ウイルス剤の応用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、HIV等のウイル
スに対する抗HIV剤等の抗ウイルス剤、その製造方法
及びその応用に関するものである。
【0002】近年、後天性免疫不全症候群(AIDS:
エイズ)は、重大で深刻な疾病として大問題となってい
る。これは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染に
よって生じ、その名称が示す通り、生体の免疫が働かな
くなることによる致死性の疾病である。エイズの原因で
あるHIVの感染は、HIVキャリアの体液、なかでも
血液、精液、母乳を介して、そのなかにある遊離HIV
及びHIV感染細胞が生体内に入り、感染が成立する。
【0003】体内に侵入したHIVは、免疫の中心とし
て機能しているヘルパーT細胞に侵入し、HIVのRN
Aと逆転写酵素を放出する。この逆転写酵素がHIVの
RNAをDNAへと変換させる。そして、HIVのDN
AはヘルパーT細胞の染色体にもぐり込んで増殖し、次
々とヘルパーT細胞を破壊する。その結果、HIV感染
者の免疫が働かなくなる。
【0004】このようにしてヘルパーT細胞が減少した
結果、発熱、下痢、口腔ガンジタ症、体重減少等を伴う
エイズ関連症候群(ARC)が生じ始める。また、T細
胞が更に減少することによって、免疫が働かなくなる
と、カリニ肺炎やその他の日和見感染症などを伴ったエ
イズへと進行する。
【0005】エイズに対処するため、数多くの抗HIV
剤が開発されてきており、それらの多くは、HIVの複
製に重要な役割を持つ逆転写酵素活性を抑制する作用を
持つものである。
【0006】しかしながら、HIVのゲノムが極めて変
異しやすいため、新薬を開発して投与しても、薬物耐性
のあるHIVや、増殖力が増したHIVが発見されるの
が現状である。
【0007】このような現状から、エイズ患者に対する
有効な治療薬の緊急的開発が急務となっている。また、
こうした治療だけでなく、感染者の発病を阻止するため
の製剤の開発、及び未感染者の感染を防ぐための技術の
開発も期待されている。
【0008】これまで、抗HIV剤として種々の薬剤が
提案されており、例えば、VIOLOGY192, 631-642 (1993)
によると、チオグルコースの金誘導体(急性リウマチ
性関節炎の治療薬)は、HIVに対してそのRNAから
DNAへの逆転写を阻害する効果があると報告されてい
る。
【0009】しかし、未だその抗HIV性が十分ではな
い。また、殆どが有機系であって、耐熱性や安全性に問
題を残していると共に、製造が困難であるとか、薬剤に
よっては相互作用があるために賦形性の選択性が小さ
く、成分や用途が限定されていて、応用範囲が狭い等の
問題もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした従
来の実情に鑑みたものであり、その目的は、抗ウイルス
性に優れ、安定性等も問題がなく、製造が容易な抗HI
V剤等の抗ウイルス剤、その製造方法及びその応用を提
供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、具体的な一態様と
して、前記したチオグルコースの金誘導体のように錯体
として金を含有させるのではなく、金を効果的に基質に
保有させれば、ウイルス増殖に対する抑制作用が有効に
かつ安定して現れることを発見し、本発明を完成するに
至った。
【0012】即ち、本発明は、金と、これを保有した基
質とから成る抗HIV剤等の抗ウイルス剤に係るもので
ある。
【0013】また、本発明は、金と、これを保有した基
質とからなる抗ウイルス剤を製造するに際し、吸着又は
/及びイオン交換によって前記金を前記基質に保有させ
る、抗HIV剤等の抗ウイルス剤の製造方法も提供する
ものである。
【0014】更に、本発明は、金と、これを保有した基
質とからなる抗ウイルス剤の応用(皮下投与用製剤、静
脈内投与用製剤、経口投与用製剤、衛生用品、樹脂材料
又はその成形品)も提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の抗ウイルス剤は、具体的
には、前記金と、これを担持した前記基質としての担体
とからなる成る抗ウイルス組成物である。
【0016】ここで、「担持」とは、担体に吸着若しく
はイオン交換されているか、或いはこれらの双方の状態
になっていることを意味し、以下の説明では「吸着又は
/及びイオン交換」と記載することがある。また、「担
体」とは、医薬として許容されるものであることが望ま
しい。つまり、製剤中において、その他の成分と両立で
き、人体に無害であることを要する。この条件を満足す
るものであれば、1種類又はそれ以上の担体を併用し、
金の担体として用いることができる。
【0017】また、上記の金は単体又は金化合物の形態
(例えば、Au2 3 、Au2 3、Au(OH)3
3 AuN3 、AuCl4 H(水和物含む)、AuCl
4 Na(水和物含む)、AuCl3 、AuBr4 H、A
uBr3 、Na3 Au(S23 2 、C4 4 AuN
aO4 S、C4 3 AuNa2 4 S、Au2 Se3
Au2 12Se3 、Au2 O、Au2 S、AuI、CA
uN、AuCl、アウロチオグリシアニド(Aurothiogl
ycanid)、アウロドクス(Aurodox )、アウロチオグル
コース(Aurothioglucose )等)をとるものであってよ
い。
【0018】そして、本発明の抗ウイルス剤に保有させ
る金の含有量は、 0.1〜50重量%であるのが望ましく、
5〜20重量%であることが更に好ましい。
【0019】上記の基質としては、リン酸カルシウムが
好ましく、特に、ハイドロキシアパタイト(以下、HA
pと称する。)、リン酸三カルシウム(以下、TCPと
称する。)及び塩化アパタイトからなる群より選ばれた
少なくとも1種であるのがよい。その他にも、フッ化ア
パタイトも使用可能であり、これらは1種だけでなく、
2種以上の併用も可能である。これらは、リン酸カルシ
ウムが生体親和性に優れ、骨の成分として知られていて
生体に無害であり、耐熱性もあるという医薬として許容
できる性質を有しているためである。
【0020】本発明では、基質に対して金及び/又は金
化合物を保有させるが、これによって、金及び/又は金
化合物を単独に(或いは誘導体の形で)用いる場合に比
べて、基質と金との組成比を適切に変えたり、基質の金
担持力を適切に変えたりすることができる。従って、目
的とする用途に応じて、抗ウイルス性、及び抗ウイルス
性の効果の持続性を制御し易くなる。
【0021】金をリン酸カルシウム等の基質に保有させ
るに際しては、例えば、塩化金酸などの金化合物又は金
単体を常法により吸着又は/及びイオン交換により、金
を保有させた基質を容易に得ることができる。
【0022】例えば、塩化金酸の溶液中にリン酸カルシ
ウムを添加し、十分な攪拌後、生成物を採取し、蒸留水
で洗浄濾過して乾燥すれば、金を担体(リン酸カルシウ
ム)に吸着して保持することができる。
【0023】このとき、一部の金イオンは、もとの化合
物のままで存在している場合があるので、場合により、
更に1200℃以下の温度で焼成し、金単体を担持したリン
酸カルシウムを得ることが望ましい。
【0024】例えば、ハイドロキシアパタイト(HA
p)に塩化金酸を加えた場合、焼成を行うことによっ
て、次の成分の組成物になると考えられる。Ca10(P
4)6(OH)2+Ca10-xAux (PO4)6(OH)2-Y
Y +Au
【0025】この焼成処理において、 300℃以上、1200
℃以下で焼成すると、金を担持したリン酸カルシウムは
体積収縮すると共に、金とリン酸カルシウムとの結合力
が増大して、担持された金がリン酸カルシウムから遊離
し難くなり、性質が安定し、その毒性が極めて低くなる
ことが確認されている。
【0026】さらに、 800℃以上、1000℃以下で焼成す
るのが、抗ウイルス性に優れ、毒性がさらに低くなるこ
とから、望ましい。
【0027】また、上記した焼成温度にて、金と基質を
好ましくは 0.5〜24時間、更に好ましくは 0.5〜2時間
焼成することが適切である。
【0028】このように吸着により金を担持する方法以
外にも、イオン交換により担体に保持することができ
る。例えば、金はカルシウムの一部とイオン交換してい
ることがあり、本発明では、そうしたイオン交換と共
に、或いはこれに代えて、金が担体に吸着しているもの
と考えられる。
【0029】本発明の抗ウイルス剤は、人間又は動物に
経口、直腸、鼻、局所等を包含するいずれかの適当な経
路を通して、治療のために投与できるものである。
【0030】本発明の抗ウイルス剤は、化学的に安定で
あるので、薬物相互作用がなく、賦形剤等のような他の
医薬品等の選択範囲が広くなり、これらの併用が容易と
なる。
【0031】本発明の抗ウイルス剤の好適な投与経路
は、摂取者の状態及び年齢、感染の性質及び抗ウイルス
剤の成分により選択される。
【0032】本発明の抗ウイルス剤の製剤化は、公知の
調剤技術により調製できるが、得られた製剤は非経腸投
与をはじめ、経口、直腸、鼻、局所、膣投与に適するも
のを包含する。
【0033】非経腸投与に適する製剤は注射剤等の皮下
投与用、静脈内投与用を包含し、注射剤とする場合は、
蒸留水又は食塩、塩化カリウム等の溶液に懸濁又は混合
させて用いることができる。
【0034】経口投与の場合には、錠剤、カプセル剤等
として適用されるが、それぞれに用いる抗ウイルス組成
物中には製剤上一般に使用される公知の結合剤、包含
剤、潤滑剤、湿潤剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、甘味
料、分散剤等の添加物が包含されていてもよい。
【0035】これらの添加剤としては、従来公知のもの
を使用できる(薬事日報社刊「医薬品添加物規格199
3」等を参照)。
【0036】例えば、賦形剤としては、液状ブドウ糖、
マルツエキス、グリセリン等の丸剤稠エキス用剤、でん
ぷん(100℃で乾燥したもの)、白糖、乳糖、カンゾ
ウ末、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸
カルシウム等の乾燥エキス用剤ができるし、懸濁液用賦
形剤(シロップ剤)としては、CMCナトリウム糖が挙
げられる。
【0037】保存剤としては、パラオキシ安息香酸エス
テル類(アルキル基:メチル〜ブチル、0.1〜0.2
重量%)、安息香酸又は安息香酸ナトリウム(0.05
〜0.2重量%)、クロロブタノール(0.25〜0.
5重量%)、ソルビン酸又はソルビン酸カリウム(0.
1〜0.2重量%)、塩化ベンザルコニウム又は塩化ベ
ンゼントニウム(0.002〜0.01重量%)、デヒ
ドロ酢酸又はデヒドロ酢酸ナトリウム(0.05〜0.
1重量%)、フェノール(注射剤用)、クレゾール(注
射剤用)、ベンジルアルコール(注射剤用)等が挙げら
れる。
【0038】結合剤としては、賦形剤として用いること
もできる結晶セルロースの他、水、グリセリン、単シロ
ップ又はこれらの混液、5〜10重量%濃度のでんぷん
のり液、ヒドロキシプロピルセルロース液、カルメロー
ス液、エタノール、アラビアゴム液、ゼラチン液、ブド
ウ糖液、白糖液、トラガント液、アルギン酸ナトリウム
液等が挙げられる。
【0039】乳化剤としては、アラビアゴム、トラガン
ト、ゼラチン、ポリソルベート80等が挙げられる。
【0040】内服用懸濁剤としては、ベントナイト、ヘ
クトライト、ビーガム、結晶セルロース等が挙げられ
る。
【0041】分散安定剤としては、トラガント、アラビ
アゴム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、メチルセル
ロース、カルメロースナトリウム等が挙げられる。
【0042】甘味料としては、ソルビトール、ブドウ
糖、果糖、転化糖、キシリトール、グリセリン、サッカ
リンナトリウム等が挙げられる。
【0043】着色剤としては、食用色素を0.1%着色
乳糖化したものや、0.002%食用青色1号や0.0
01%赤色3号が用いられる。
【0044】崩壊剤としては、でんぷん(100℃で乾
燥したものを主薬の5重量%又は10〜20重量%加え
る)やカルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、界面
活性剤とでんぷんの混合物等が使用される。
【0045】滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウ
ム(0.2〜0.5重量%)、精製タルク(0.5〜2
重量%)、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等が
挙げられる。
【0046】コーティング剤としては、糖衣、フィル
ム、ゼラチン糖が使用できる。
【0047】粘漿剤、分散剤としは、アラビアゴム、ト
ラガント、CMCナトリウム、メチルセルロース、結晶
セルロース、アルギン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリ
ウム等が使用できる。
【0048】また、注射剤においては、懸濁化剤とし
て、高分子化合物、分散剤、界面活性剤、塩類等、非水
溶性溶剤として、オリーブ油、ゴマ油、ダイズ油、ナタ
ネ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、メンジツ油等、
水溶性溶剤として、エタノール、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等、安定剤として、0.1
重量%ピロ亜硫酸ナトリウム、アセトン、l−アスコル
ビン酸等の抗酸化剤、EDTA、チオグリコール酸、チ
オ乳酸、チオグリセリン等のキレート剤、その他緩衝
剤、水溶性有機溶剤等が挙げられる。
【0049】点眼剤としては、NaCl等の等張化剤、
無害の酸又はアルカリのpH調節剤等が挙げられる。
【0050】経口用液体製剤として用いる場合には、懸
濁液剤、乳液の形態であってもよく、このような液体製
剤には、一般に使用される公知の添加剤を含有していて
もよい。
【0051】膣投与に適する製剤は、衛生用品として、
コンドーム、ペッサリー、タンポン等の避妊具及び生理
用品の素材中の成分として用いることができ、更に、塗
布剤及び潤滑剤中の成分として、クリーム、ゲル、ペー
スト、フォーム又はスプレー等の含有成分として、一般
に使用される公知の成分を使用できる。
【0052】二次感染を防ぐために、本発明の抗ウイル
ス剤を医療用品の原料樹脂に練り込むことによって、医
療機器、医療器具、医療用具等に抗ウイルス性を与える
ことができる。
【0053】また、成形品としての輸液管及びカテーテ
ル等の医療用品を構成している合成樹脂等において、本
発明の抗ウイルス剤を1〜50重量%の範囲内で構成材料
として使用することができる。
【0054】上記合成樹脂としては、例えば、アクリル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂及びポリスチレン系樹脂等があ
る。ここで「系」とは、ホモポリマー、コポリマー又は
その誘導体をも含む概念である。
【0055】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0056】例1 (1)蒸留水50mlに塩化金(III)酸(H(AuCl4)・3H2O)2.
2 gを溶解した溶液中にハイドロキシアパタイト(HA
p)10.0gを加えて攪拌した。この混合物を濾過洗浄
後、約100℃にて乾燥、粉砕して、金を約10重量%担
持(吸着又は/及びイオン交換:以下、同様)したHA
pからなる組成物試料を得た。
【0057】この試料を蒸留水にて0〜40mg/ml の濃度
に調整した薬剤をそれぞれ得た。これらの薬剤は、同濃
度のものを3つずつ調製した。
【0058】(2)一方、2×105 個/ml に調整されたS
IV(サルエイズの原因ウイルス)持続感染細胞CEM
X174を 1000rpm、5min で遠心分離して沈澱させ、
上澄みを捨て、新しい培地に懸濁し、96穴マイクロプレ
ートに50μl ずつ分注した。
【0059】(3)このSIV持続感染細胞CEMX17
4を48時間、37℃において5%のCO2 存在下で培養し
た。
【0060】(4)(1)で調製した薬剤を、 (3)で培養され
たSIV持続感染細胞CEMX174に50μl ずつ加え
た。この操作は、トリプリケート(同濃度のものを3つ
ずつを試験)で行った。
【0061】(5)(4)の後、感染細胞を48時間、37℃にお
いて5%のCO2 存在下で培養した。
【0062】(6)(5)の後、感染細胞から上澄みを10μl
ずつ別のプレートに採取し、公知のRT−assay
(HIV逆転写酵素定量法)を行い、HIV量を定量し
た。前記細胞から上澄みを除いた残りの部分について、
Cell counting kit(株式会社同仁化学社製)を用いて感
染されていない生存細胞数を測定した。
【0063】以上の (1)〜(6) の手順で行った操作の結
果を図4に示す。ここで、横軸は培地(ml)に対する薬
剤の量(mg)を示し、ウイルス量の単位(cpm)はキュリ
ー/minを表す(以下、同様)。
【0064】例2 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、 100℃で2時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0065】この手順で行った操作の結果を図1に示
す。
【0066】例3 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、 200℃で2時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0067】この手順で行った操作の結果を図1に示
す。
【0068】例4 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、 300℃で2時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0069】この手順で行った操作の結果を図1に示
す。
【0070】例5 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、 800℃で2時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0071】この手順で行った操作の結果を図1に示
す。
【0072】例6 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、1000℃で2時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0073】この手順で行った操作の結果を図1に示
す。
【0074】例7 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、1200℃で2時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0075】この手順で行った操作の結果を図1に示
す。
【0076】例8 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、1400℃で2時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0077】この手順で行った操作の結果を図1に示
す。
【0078】<試験結果> 焼成温度による影響 図1及び図4の結果から、例1、2、3、4、5、6、
7及び8のいずれにおいても、抗HIV性が確認され
た。但し、使用する薬剤濃度によっては、細胞毒性を示
す傾向があり、HIVを低減する一方、生存細胞数も減
少しているものもあった。
【0079】また、例1のように混合物を焼成していな
いものに比べて、例2、3、4、5、6及び7のように
焼成しているものは、抗HIV性に優れ、生存細胞の減
少も少ない。
【0080】焼成温度が 100〜300 ℃である試料につい
ては、焼成温度を高くするにつれて、試料濃度による細
胞毒性が緩やかになった。即ち、HIV数と生存細胞数
を急激に減少させる試料濃度は、焼成温度と共に高濃度
の値となっている。
【0081】一方、焼成温度が 800℃以上、1200℃以下
(特に、1000℃以下)のものでは、焼成温度が 100〜30
0 ℃のときのように、試料濃度を高くしても生存細胞数
が急激に減少するような細胞毒性は現れなかった。
【0082】焼成温度が1200℃のものでは、40.0mg/ml
の高濃度でも細胞毒性が現れなかったが、抗HIV性の
効果は、焼成温度が 800〜1000℃のものよりも低かっ
た。焼成温度が1200℃を超えると、この抗HIV性の効
果は更に悪くなっている。
【0083】以上の結果から、金(又は金化合物)を担
持したHApからなる抗HIV剤は、 300〜1200℃、好
ましくは 800〜1000℃の温度範囲で焼成することが適切
であると考えられる。
【0084】例9 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、1000℃で 0.1時間、加熱焼成し、粉
砕して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物
試料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性
効果試験を行った。
【0085】この手順で行った操作の結果を図2に示
す。
【0086】例10 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、1000℃で 0.5時間、加熱焼成し、粉
砕して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物
試料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性
効果試験を行った。
【0087】この手順で行った操作の結果を図2に示
す。
【0088】例11 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、1000℃で2時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0089】この手順で行った操作の結果を図2に示
す。
【0090】例12 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、1000℃で12時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0091】この手順で行った操作の結果を図2に示
す。
【0092】例13 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、1000℃で24時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0093】この手順で行った操作の結果を図2に示
す。
【0094】例14 例1の (1)と同様の操作で得られた混合物を濾過洗浄
後、乾燥してから、1000℃で32時間、加熱焼成し、粉砕
して、金を約10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0095】この手順で行った操作の結果を図2に示
す。
【0096】<試験結果> 焼成時間による影響 例9、10、11、12、13及び14の結果から、焼成時間が
0.5〜24時間の範囲内において細胞毒性は極めて低いこ
とが分かった。更に、焼成時間が24時間を超えるものに
比べて、焼成時間が特に 0.5〜2時間のものは、抗HI
V性が強いことがわかった。
【0097】従って、金(又は金化合物)を担持したH
Apを焼成する時間は、 0.5〜24時間、好ましくは 0.5
〜2時間であるのが適切であると考えられる。
【0098】例15(比較例) 例1の (1)と同様の操作において塩化金酸を使用しない
以外は同様に操作し、1000℃で2時間、加熱焼成し、金
濃度がゼロのHApからなる組成物試料を得た。以下、
例1と同様の操作手順で抗HIV性効果試験を行った。
【0099】この手順で行った操作の結果を図3に示
す。
【0100】例16 例1の (1)と同様の操作において金濃度を変えた以外は
同様に操作し、得られた混合物を1000℃で2時間、加熱
焼成し、金を 0.1重量%担持したHApからなる組成物
試料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性
効果試験を行った。
【0101】この手順で行った操作の結果を図3に示
す。
【0102】例17 例1の (1)と同様の操作において金濃度を変えた以外は
同様に操作し、得られた混合物を1000℃で2時間、加熱
焼成し、金を 5重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0103】この手順で行った操作の結果を図3に示
す。
【0104】例18 例1の (1)と同様の操作において金濃度を変えた以外は
同様に操作し、得られた混合物を1000℃で2時間、加熱
焼成し、金を10重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0105】この手順で行った操作の結果を図3に示
す。
【0106】例19 例1の (1)と同様の操作において金濃度を変えた以外は
同様に操作し、得られた混合物を1000℃で2時間、加熱
焼成し、金を20重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0107】この手順で行った操作の結果を図3に示
す。
【0108】例20 例1の (1)と同様の操作において金濃度を変えた以外は
同様に操作し、得られた混合物を1000℃で2時間、加熱
焼成し、金を50重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0109】この手順で行った操作の結果を図3に示
す。
【0110】例21 例1の (1)と同様の操作において金濃度を変えた以外は
同様に操作し、得られた混合物を1000℃で2時間、加熱
焼成し、金を60重量%担持したHApからなる組成物試
料を得た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効
果試験を行った。
【0111】この手順で行った操作の結果を図3に示
す。
【0112】<試験結果> 金の含有量による影響 例15、16、17、18、19及び20の結果から、試料中の金の
含有量が高くなるに従い、抗HIV効果が高まるが、金
の含有量が50重量%のものでは細胞毒性が生じることが
あり、50重量%を超えると著しくなる。即ち、試料濃度
が高濃度になると、生存細胞数が減少している。
【0113】これに対して、金の含有量が 0.1重量%の
ものでは、このような細胞毒性は現れないが、抗HIV
性が弱くなっている。
【0114】以上の結果から、金の含有量は 0.1〜50重
量%、好ましくは 5〜20重量%が適切であると考えられ
る。
【0115】例22 例6において、担体としてHApの代わりに塩化アパタ
イトを使用し、その他は例6と同様の操作手順で抗HI
V性効果試験を行った。但し、金の含有量は10重量%、
焼成温度は1000℃、焼成時間は2時間であった。
【0116】この手順で行った操作の結果を図5に示
す。
【0117】例23 例6において、担体としてHApの代わりにリン酸三カ
ルシウムを使用し、その他は例6と同様の操作手順で抗
HIV性効果試験を行った。但し、金の含有量は10重量
%、焼成温度は1000℃、焼成時間は2時間であった。
【0118】この手順で行った操作の結果を図6に示
す。
【0119】<試験結果> 担体の材質による影響 例6、21、22から、金を担持した塩化アパタイトについ
ても、良好な抗HIV性及び細胞毒性を示すが、試料濃
度が高くなるに従って、生存細胞数が減少しており、2
0.0mg/ml 以上の濃度では、初期の生存細胞数を下回っ
ている。
【0120】また、金を担持したリン酸三カルシウム
(TCP)が基質である試料には、塩化アパタイトほど
ではないが、濃度によっては生存細胞数が減少すること
がある。
【0121】基質がハイドロキシアパタイト(HAp)
である例6の場合は、試料の濃度による生存細胞数の減
少が少ないことがわかる。
【0122】このように、基質であるリン酸カルシウム
として、塩化アパタイトやリン酸三カルシウムも使用可
能であるが、ハイドロキシアパタイトを用いるのが好ま
しい。
【0123】例24(比較例) 例1の (1)と同様の操作において、塩化金酸に代えて銀
化合物である硝酸銀を用い、担体としてのリン酸三カル
シウム(TCP)に銀を1重量%担持させた試料を調製
し、この試料について例1と同様の操作手順で抗HIV
性効果試験を行った。
【0124】この手順で行った操作の結果を図7に示
す。
【0125】例25(比較例) 例1の (1)と同様の操作において、塩化金酸に代えて銀
化合物である硝酸銀を用い、担体としてのリン酸三カル
シウム(TCP)に銀を2重量%担持させた試料を調製
し、この試料について例1と同様の操作手順で抗HIV
性効果試験を行った。
【0126】この手順で行った操作の結果を図7に示
す。
【0127】例26(比較例) 例1の (1)と同様の操作において、塩化金酸に代えて銀
化合物である硝酸銀を用い、担体としてのリン酸三カル
シウム(TCP)に銀を3重量%担持させた試料を調製
し、この試料について例1と同様の操作手順で抗HIV
性効果試験を行った。
【0128】この手順で行った操作の結果を図7に示
す。なお、担体を使用しない場合も併せて示す。
【0129】例27(比較例) 例1の (1)と同様の操作において、塩化金酸に代えてモ
リブデン化合物である硝酸モリブデンを用い、担体とし
てのリン酸三カルシウム(TCP)にモリブデンを1重
量%担持させた試料を調製し、この試料について例1と
同様の操作手順で抗HIV性効果試験を行った。
【0130】この手順で行った操作の結果を図8に示
す。
【0131】例28(比較例) 例1の (1)と同様の操作において、塩化金酸に代えてモ
リブデン化合物である硝酸モリブデンを用い、担体とし
てのリン酸三カルシウム(TCP)にモリブデンを2重
量%担持させた試料を調製し、この試料について例1と
同様の操作手順で抗HIV性効果試験を行った。また、
担体を使用しない場合も、同様に操作した。
【0132】この手順で行った操作の結果を図8に示
す。
【0133】例29(比較例) チオグルコース金を粉末状にして、液体培地(RPMI
1640:ライフテックオリエンタル株式会社製)に溶
解して薬剤を調製した。以下、例1と同様の操作手順で
抗HIV性効果試験を行った。
【0134】この手順で行った操作の結果を図9に示
す。
【0135】例30(比較例) アジドチミジン(AZT)を粉末状にして、液体培地
(RPMI1640:上記)に溶解して薬剤を調製し
た。以下、例1と同様の操作手順で抗HIV性効果試験
を行った。
【0136】この手順で行った操作の結果を図10に示
す。
【0137】<試験結果> 金を担持する優位性 例1、6及び22、23、24、25、26、27、28及び29の結果
から、金を担持した担体から成る抗HIV剤は、銀又は
モリブデンを担持した担体から成る抗ウイルス剤や、チ
オグルコース金又はアジドチミジンを担持した担体から
なる抗ウイルス剤に比べて、抗HIV性に優れ、かつ、
濃度による生存細胞数の減少が極めて少ない等の優位性
があることは明らかである。これは、担体を使用しない
比較例に対しては極めて顕著である。
【0138】例えば、チオグルコース金については、1.
0mg/mlの濃度でHIV数を0近くまで低減しているが、
細胞毒性が0.2mg/ml以上の濃度から生じ、1.0mg/ml以上
の濃度では細胞はほぼ死滅しており、細胞毒性がかなり
強いことがわかる。AZTについて、5.0mg/mlまでは細
胞毒性はそれほど強くないが、同濃度のチオグルコース
金と比較しても抗HIV性は極めて弱い。
【0139】例31 次の組成の混合物を、常法により錠剤とした。 例2の抗HIV性組成物 100mg バレイショデンプン(賦形剤) 220mg ステアリン酸カルシウム(滑沢剤) 5mg 合計 325mg
【0140】例32 次の成分の混合物を、2部式硬質ゼラチンカプセルに充
填することにより、カプセル製剤を製造した。 例2の抗HIV性組成物 250mg 乳糖 143mg 炭酸カルシウム(崩壊剤) 25mg ステアリン酸カルシウム(滑沢剤) 2mg 合計 420mg
【0141】例33 次の成分にて、十分に混合し、懸濁剤液とした。 例2の抗HIV性組成物 0.5g ソルビトール(甘味料) 1.5g メチルセルロース(分散剤) 2.0g 精製水 全量を 5.0mlにする量
【0142】例34 注射用蒸留水 100mlに、メチルセルロース 1.0gを溶解
し、例2の抗HIV性組成物 1.0gを十分に懸濁し、注
射剤を製造した。使用した組成物の平均粒径は、 1.0μ
mであった。
【0143】例35 例1の抗HIV性組成物を 0.5μm以下に節別したもの
を、天然ゴムラテックスに練り込み、常法によりコンド
ームやペッサリーを製造した。
【0144】例36 例1の抗HIV性組成物を 1.0μm以下に節別したもの
を、10重量%の濃度となるように、常法にてポリスチレ
ン樹脂に練り込み、抗ウイルス性樹脂材料及びその成形
品を製造した。
【0145】
【発明の作用効果】本発明の抗ウイルス剤は、上述した
如く、金と、これを保有した基質とから成るので、HI
V等のウイルスに対する抗ウイルス性に有効であり、そ
の効能が安定したものとなり、かつ細胞毒性(正常な生
存細胞数の減少)が少なくなる。そして、このような優
れた効果を有効に利用する製剤への応用も実現できる。
【0146】また、本発明の抗ウイルス剤の製造方法に
よれば、吸着又は/及びイオン交換によって金を基質に
容易に保有させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金化合物としての塩化金酸と、担体としてのハ
イドロキシアパタイトとの混合物の焼成温度を変えたと
きの薬剤濃度による生存細胞数及びウイルス量の変化を
示すグラフである。
【図2】金化合物としての塩化金酸と、担体としてのハ
イドロキシアパタイトとの混合物の焼成時間を変えたと
きの薬剤濃度による生存細胞数及びウイルス量の変化を
示すグラフである。
【図3】金化合物としての塩化金酸と、担体としてのハ
イドロキシアパタイトとの混合物の焼成により得られた
抗HIV組成物において金の担持量を変えたときの薬剤
濃度による生存細胞数及びウイルス量の変化を示すグラ
フである。
【図4】金化合物としての塩化金酸と、担体としてのハ
イドロキシアパタイトとの混合物から得られた抗HIV
組成物における薬剤濃度による生存細胞数及びウイルス
量の変化を示すグラフである。
【図5】金化合物としての塩化金酸と、担体としての塩
化アパタイトとの混合物を1000℃で2時間焼成し、金を
10重量%含有させたときの薬剤濃度による生存細胞数及
びウイルス量の変化を示すグラフである。
【図6】金化合物としての塩化金酸と、担体としてのリ
ン酸三カルシウム(TCP)との混合物を1000℃で2時
間焼成し、金を10重量%含有させたときの薬剤濃度によ
る生存細胞数及びウイルス量の変化を示すグラフであ
る。
【図7】銀化合物としての硝酸銀と、担体としてのリン
酸三カルシウム(TCP)との混合物から主に得られ、
銀の量を変えたときの薬剤濃度による生存細胞数及びウ
イルス量の変化を示すグラフである。
【図8】モリブデン化合物としての硝酸モリブデンと、
担体としてのリン酸三カルシウム(TCP)との混合物
から主に得られ、モリブデンの量を変化させたときの薬
剤濃度による生存細胞数及びウイルス量の変化を示すグ
ラフである。
【図9】チオグルコース金を用いたときの薬剤濃度によ
る生存細胞数及びウイルス量の変化を示すグラフであ
る。
【図10】アジドチミジン(AZT)を用いたときの薬剤
濃度による生存細胞数及びウイルス量の変化を示すグラ
フである。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金と、これを保有した基質とから成る抗
    ウイルス剤。
  2. 【請求項2】 金と、これを担持した基質としての担体
    とからなる抗ウイルス組成物である、請求項1に記載し
    た抗ウイルス剤。
  3. 【請求項3】 担体が医薬として許容されるものであ
    る、請求項1に記載した抗ウイルス剤。
  4. 【請求項4】 金が金化合物の形態をとる、請求項1又
    は2に記載した抗ウイルス剤。
  5. 【請求項5】 金の含有量が 0.1〜50重量%である、請
    求項1、2又は4に記載した抗ウイルス剤。
  6. 【請求項6】 金の含有量が 5〜20重量%である、請求
    項5に記載した抗ウイルス剤。
  7. 【請求項7】 基質がリン酸カルシウムである、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載した抗ウイルス剤。
  8. 【請求項8】 リン酸カルシウムが、ハイドロキシアパ
    タイト、リン酸三カルシウム及び塩化アパタイトからな
    る群より選ばれた少なくとも1種である、請求項7に記
    載した抗ウイルス剤。
  9. 【請求項9】 焼成処理された、請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載した抗ウイルス剤。
  10. 【請求項10】 金と、これを保有した基質とからなる
    抗ウイルス剤を製造するに際し、吸着又は/及びイオン
    交換によって前記金を前記基質に保有させる、抗ウイル
    ス剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 金と、これを担持した基質としての担
    体とからなる抗ウイルス組成物を製造する、請求項10
    に記載した製造方法。
  12. 【請求項12】 医薬として許容される担体を使用す
    る、請求項11に記載した製造方法。
  13. 【請求項13】 金化合物を使用する、請求項10又は
    11に記載した製造方法。
  14. 【請求項14】 金の含有量を 0.1〜50重量%とする、
    請求項10、11又は13に記載した製造方法。
  15. 【請求項15】 金の含有量を 5〜20重量%とする、請
    求項14に記載した製造方法。
  16. 【請求項16】 基質としてリン酸カルシウムを使用す
    る、請求項10〜12のいずれか1項に記載した製造方
    法。
  17. 【請求項17】 リン酸カルシウムとして、ハイドロキ
    シアパタイト、リン酸三カルシウム及び塩化アパタイト
    からなる群より選ばれた少なくとも1種を使用する、請
    求項16に記載した製造方法。
  18. 【請求項18】 金と基質とからなる組成物を 300〜12
    00℃で焼成する、請求項10〜17のいずれか1項に記
    載した製造方法。
  19. 【請求項19】 800〜1000℃で焼成する、請求項18
    に記載した製造方法。
  20. 【請求項20】 金と基質とからなる組成物を 0.5〜24
    時間焼成する、請求項18又は19に記載した製造方
    法。
  21. 【請求項21】 0.5〜2時間焼成する、請求項20に
    記載した製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜9のいずれか1項に記載し
    た抗ウイルス剤を含有した皮下投与用製剤。
  23. 【請求項23】 請求項1〜9のいずれか1項に記載し
    た抗ウイルス剤を含有した静脈内投与用製剤。
  24. 【請求項24】 請求項1〜9のいずれか1項に記載し
    た抗ウイルス剤を含有した経口投与用製剤。
  25. 【請求項25】 請求項1〜9のいずれか1項に記載し
    た抗ウイルス剤を含有した衛生用品。
  26. 【請求項26】 請求項1〜9のいずれか1項に記載し
    た抗ウイルス剤を含有した樹脂材料又はその成形品。
JP8160777A 1996-05-31 1996-05-31 抗ウイルス剤、その製造方法及びその応用 Pending JPH09323935A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8160777A JPH09323935A (ja) 1996-05-31 1996-05-31 抗ウイルス剤、その製造方法及びその応用
PCT/JP1997/001838 WO1997045132A1 (fr) 1996-05-31 1997-05-28 Agent antiviral, procede de production et application de cet agent

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8160777A JPH09323935A (ja) 1996-05-31 1996-05-31 抗ウイルス剤、その製造方法及びその応用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09323935A true JPH09323935A (ja) 1997-12-16

Family

ID=15722232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8160777A Pending JPH09323935A (ja) 1996-05-31 1996-05-31 抗ウイルス剤、その製造方法及びその応用

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH09323935A (ja)
WO (1) WO1997045132A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6627229B2 (en) 2000-02-18 2003-09-30 Hiromi Houzawa Antiviral agent and method of producing the same
WO2010026730A1 (ja) * 2008-09-03 2010-03-11 Nbc株式会社 抗ウイルス剤
JP2011213719A (ja) * 2010-03-19 2011-10-27 Nbc Meshtec Inc 抗ウイルス剤及びその製造方法
JP2013067566A (ja) * 2011-09-20 2013-04-18 Nbc Meshtec Inc 抗ウイルス性を有する部材
JP2013067577A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Nbc Meshtec Inc 抗ウイルス剤およびそれを用いた部材

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2801080B2 (ja) * 1990-11-20 1998-09-21 株式会社サンギ 関節リウマチ治療剤
JPH06107552A (ja) * 1992-09-28 1994-04-19 Sangi Co Ltd 関節リウマチ治療剤
CA2173964A1 (en) * 1993-10-15 1995-04-20 Jess G. Thoene Prevention of hiv infection

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6627229B2 (en) 2000-02-18 2003-09-30 Hiromi Houzawa Antiviral agent and method of producing the same
WO2010026730A1 (ja) * 2008-09-03 2010-03-11 Nbc株式会社 抗ウイルス剤
JPWO2010026730A1 (ja) * 2008-09-03 2012-01-26 株式会社Nbcメッシュテック 抗ウイルス剤
JP5723155B2 (ja) * 2008-09-03 2015-05-27 株式会社Nbcメッシュテック 抗ウイルス剤
US9549949B2 (en) 2008-09-03 2017-01-24 Nbc Meshtec, Inc. Antiviral agent
JP2011213719A (ja) * 2010-03-19 2011-10-27 Nbc Meshtec Inc 抗ウイルス剤及びその製造方法
JP2013067566A (ja) * 2011-09-20 2013-04-18 Nbc Meshtec Inc 抗ウイルス性を有する部材
JP2013067577A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Nbc Meshtec Inc 抗ウイルス剤およびそれを用いた部材

Also Published As

Publication number Publication date
WO1997045132A1 (fr) 1997-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4950652A (en) dsRNAs for combination therapy in the treatment of viral diseases
EP1030547B1 (en) Methods for preventing and treating bacterial infections using cellulose acetate phthalate or hydroxypropyl methylcellulose phthalate excipients
EP0640345A2 (en) Composition for inhibiting transmission of AIDS, containing silver salts with a detergent
TW200534863A (en) Composition and dosage form comprising an amphiphilic molecule as a suspension vehicle
JPH10511682A (ja) ジドブジン、1592u89および3tcまたはftcの相乗的組み合わせ
WO1998017282A1 (en) Methods of using sucrose octasulfate to treat or prevent enveloped virus infection
JPH09323935A (ja) 抗ウイルス剤、その製造方法及びその応用
JPH0617304B2 (ja) 制癌剤
JPH0232093A (ja) 抗レトロウィルスジフルオロ化ヌクレオシド類
AP372A (en) Compositions containining fialurdine, for the treatment of infection and disease caused by hepatitis B virus (HBV).
AU2003261768B2 (en) Remedy
TW200524622A (en) Activated carbon for preventing pregnancy and sexually transmitted disease
JP3002700B2 (ja) 抗エイズウイルス剤
KR101019769B1 (ko) 경구 흡수성이 개선된 항균성 약제학적 조성물
JPH0761946B2 (ja) エイズ・ウイルス増殖抑制剤
CN101116665B (zh) 青蒿素萘酚喹复方抗疟疾组合物
US6306901B1 (en) Agent for prophylaxis and therapy of diseases
JPWO2006030730A1 (ja) 経粘膜用組成物、及び経粘膜吸収の向上方法
WO1993021934A1 (en) Heteropolytungstates in the treatment of flavivirus infections
Golden et al. Disseminated coccidioidomycosis with chorioretinitis in early infancy
WO1994012192A1 (en) Antiviral agents
CN100413504C (zh) 阿昔洛韦药物树脂生物粘附缓释液体制剂及其制备方法
CN113546067B (zh) 具有抗病毒作用的蒽醌衍生物
JPH09143085A (ja) 甘草成分含有強肝剤
JP3662036B2 (ja) アズキを含有する抗ウイルス剤および飼料

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070314