JPH09323036A - 高温油の吸収剤および油の消火剤 - Google Patents
高温油の吸収剤および油の消火剤Info
- Publication number
- JPH09323036A JPH09323036A JP16518896A JP16518896A JPH09323036A JP H09323036 A JPH09323036 A JP H09323036A JP 16518896 A JP16518896 A JP 16518896A JP 16518896 A JP16518896 A JP 16518896A JP H09323036 A JPH09323036 A JP H09323036A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- vermiculite
- high temperature
- peroxide
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Fireproofing Substances (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】廃油、特に廃食用油の廃棄は環境汚染の問題と
絡んで深刻化している。また、建物火災の第1の原因は
天ぷら油の発火である。いずれの場合も、高温に熱せら
れた油を瞬間的に吸収する不燃性の油吸収剤が得られれ
ばそれらの問題が解決しうる。 【解決手段】原料バーミキュライトに特定の化学薬品
を、必要によりさらに過酸化物を含浸せしめた未膨積バ
ーミキュライトであって膨積開始温度が120〜350
℃のものは、120℃以上の高温に熱せられた油と接触
すると瞬時にその体積が7〜20倍に膨積し、5〜15
重量倍の油を吸収し、油が燃焼中のものであれば直ちに
これを鎮火せしめる。油を吸収した膨積体はそのまま肥
料、土壌改質剤として利用できる。
絡んで深刻化している。また、建物火災の第1の原因は
天ぷら油の発火である。いずれの場合も、高温に熱せら
れた油を瞬間的に吸収する不燃性の油吸収剤が得られれ
ばそれらの問題が解決しうる。 【解決手段】原料バーミキュライトに特定の化学薬品
を、必要によりさらに過酸化物を含浸せしめた未膨積バ
ーミキュライトであって膨積開始温度が120〜350
℃のものは、120℃以上の高温に熱せられた油と接触
すると瞬時にその体積が7〜20倍に膨積し、5〜15
重量倍の油を吸収し、油が燃焼中のものであれば直ちに
これを鎮火せしめる。油を吸収した膨積体はそのまま肥
料、土壌改質剤として利用できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高温、すなわち12
0℃以上に熱せられた油類、時には燃焼している油類と
接触させることにより瞬時に膨積してその高温の油を吸
収する高温油の吸収剤およびその性質を利用した燃焼し
ている油の消火剤に関する。
0℃以上に熱せられた油類、時には燃焼している油類と
接触させることにより瞬時に膨積してその高温の油を吸
収する高温油の吸収剤およびその性質を利用した燃焼し
ている油の消火剤に関する。
【0002】
【従来の技術】バーミキュライトとはある温度以上に急
加熱すると膨積する鉱物類の総称であり、実際にはケイ
酸塩鉱物、ウンモ群鉱物によく似たフイロケイ酸塩、カ
ンラン岩が熱水変成により変質して生じたもの、ウンモ
群鉱物の崩壊により生じた二次成鉱物、ジャ紋岩中から
とれる鉱物、クロウンモの加水変質により生じた加水ウ
ンモなどが知られており、我国ではバーミキュル石ある
いはヒル石ともよばれている。800℃以上の高温に急
加熱して膨積せしめたこの鉱物は、軽量性、吸音性、断
熱性を持つため、近年各方面で注目され、建築用材(軽
量化、断熱、耐火、防音などのための骨材または充填
材)、保温断熱材料、電気絶縁材料、放射線遮蔽材、荷
造り材、農園芸用材(肥料配合材、温床材、耕土改良
材、その他)などに利用されている。しかしながら、こ
の従来のバーミキュライト膨積法は約800℃以上の高
温急加熱を必要とするので、設備的にはキルンや炉が必
要であり、且つ多大のエネルギーを消費するのでその改
良が強く望まれていた。本発明者は、高温焼成における
設備費ならびにエネルギーの節約の観点から、バーミキ
ュライトの低温膨積法について研究を重ね、その結果原
料バーミキュライトに種々の化学薬品を含浸させておく
と通常150〜500℃、場合によっては室温付近から
220℃といった従来に比べて遥かに低温で膨積しうる
ことを見いだし、既にいくつかの特許出願をしてそれぞ
れ特許された(特公昭49−18714号、特公昭49
−18717号、特公昭55−6600号、特公昭55
−27035号、特公昭55−29038号など)。
加熱すると膨積する鉱物類の総称であり、実際にはケイ
酸塩鉱物、ウンモ群鉱物によく似たフイロケイ酸塩、カ
ンラン岩が熱水変成により変質して生じたもの、ウンモ
群鉱物の崩壊により生じた二次成鉱物、ジャ紋岩中から
とれる鉱物、クロウンモの加水変質により生じた加水ウ
ンモなどが知られており、我国ではバーミキュル石ある
いはヒル石ともよばれている。800℃以上の高温に急
加熱して膨積せしめたこの鉱物は、軽量性、吸音性、断
熱性を持つため、近年各方面で注目され、建築用材(軽
量化、断熱、耐火、防音などのための骨材または充填
材)、保温断熱材料、電気絶縁材料、放射線遮蔽材、荷
造り材、農園芸用材(肥料配合材、温床材、耕土改良
材、その他)などに利用されている。しかしながら、こ
の従来のバーミキュライト膨積法は約800℃以上の高
温急加熱を必要とするので、設備的にはキルンや炉が必
要であり、且つ多大のエネルギーを消費するのでその改
良が強く望まれていた。本発明者は、高温焼成における
設備費ならびにエネルギーの節約の観点から、バーミキ
ュライトの低温膨積法について研究を重ね、その結果原
料バーミキュライトに種々の化学薬品を含浸させておく
と通常150〜500℃、場合によっては室温付近から
220℃といった従来に比べて遥かに低温で膨積しうる
ことを見いだし、既にいくつかの特許出願をしてそれぞ
れ特許された(特公昭49−18714号、特公昭49
−18717号、特公昭55−6600号、特公昭55
−27035号、特公昭55−29038号など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はその後もバ
ーミキュライトの膨積法やその性質を応用したバーミキ
ュライトの用途について検討を続けてきた。そして従来
環境汚染上懸案となっている家庭からの廃油処理特に天
ぷら油などの食用油の廃棄にこのバーミキュライトの膨
積技術が応用できないかと種々研究を行った。
ーミキュライトの膨積法やその性質を応用したバーミキ
ュライトの用途について検討を続けてきた。そして従来
環境汚染上懸案となっている家庭からの廃油処理特に天
ぷら油などの食用油の廃棄にこのバーミキュライトの膨
積技術が応用できないかと種々研究を行った。
【0004】
【課題を解決するための手段】その結果、膨積開始温度
が120〜350℃の間にある化学薬品処理された未膨
積バーミキュライトを120℃以上、好ましくは140
℃以上に加熱された油に接触させると、殆ど瞬時にその
体積が7〜20倍に膨積すると同時に、高温の油を自ら
の重量の5〜10倍量近く急速に吸収し、さらにその際
油の温度をかなり低下させるという事実を突き止めた。
この知見を基にさらに検討を重ね本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、(1)膨積開始温度が12
0〜350℃となるように化学薬品を含浸させた未膨積
バーミキュライトを含んでなる120℃以上の高温油の
吸収剤、(2)未膨積バーミキュライトが、原料バーミ
キュライトに(1)無機酸または有機酸またはそれらの
カリまたはアンモニウム塩、(2)アミノアルコール
類、(3)アミノ(チオ)カルボニル化合物類、(4)
多価アルコール類および(5)環状エーテル類の化学薬
品の少なくとも1種を含浸させたものである前記(1)
記載の高温油の吸収剤、(3)さらに過酸化物を含浸さ
せた前記(2)記載の高温油の吸収剤、(4)化学薬品
が硫酸、燐酸またはホウ酸またはそのカリまたはアンモ
ニウム塩であり、過酸化物が過酸化水素、パーメック、
過酸化カルシウムまたは過酸化鉛である前記(3)記載
の高温油の吸収剤、(5)化学薬品の含浸率が0.5〜
15%である前記(1)記載の高温油の吸収剤、(6)
過酸化物の含浸率が0.5〜5.0重量%である前記
(3)記載の高温油の吸収剤。(7)高温油が食用油で
ある前記(1)記載の高温油の吸収剤、および(8)前
記(1)〜(7)のいずれか1項記載の高温油の吸収剤
を含有してなる油の消火剤、である。
が120〜350℃の間にある化学薬品処理された未膨
積バーミキュライトを120℃以上、好ましくは140
℃以上に加熱された油に接触させると、殆ど瞬時にその
体積が7〜20倍に膨積すると同時に、高温の油を自ら
の重量の5〜10倍量近く急速に吸収し、さらにその際
油の温度をかなり低下させるという事実を突き止めた。
この知見を基にさらに検討を重ね本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、(1)膨積開始温度が12
0〜350℃となるように化学薬品を含浸させた未膨積
バーミキュライトを含んでなる120℃以上の高温油の
吸収剤、(2)未膨積バーミキュライトが、原料バーミ
キュライトに(1)無機酸または有機酸またはそれらの
カリまたはアンモニウム塩、(2)アミノアルコール
類、(3)アミノ(チオ)カルボニル化合物類、(4)
多価アルコール類および(5)環状エーテル類の化学薬
品の少なくとも1種を含浸させたものである前記(1)
記載の高温油の吸収剤、(3)さらに過酸化物を含浸さ
せた前記(2)記載の高温油の吸収剤、(4)化学薬品
が硫酸、燐酸またはホウ酸またはそのカリまたはアンモ
ニウム塩であり、過酸化物が過酸化水素、パーメック、
過酸化カルシウムまたは過酸化鉛である前記(3)記載
の高温油の吸収剤、(5)化学薬品の含浸率が0.5〜
15%である前記(1)記載の高温油の吸収剤、(6)
過酸化物の含浸率が0.5〜5.0重量%である前記
(3)記載の高温油の吸収剤。(7)高温油が食用油で
ある前記(1)記載の高温油の吸収剤、および(8)前
記(1)〜(7)のいずれか1項記載の高温油の吸収剤
を含有してなる油の消火剤、である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明にいうバーミキュライトと
は、前述のとおりある温度以上に急加熱すると膨積する
鉱物類の総称であり、より具体的には狭義のバーミキュ
ライト、ハイドロビオタイト、マスコバイト、パラゴナ
イト、フロゴパイト、バイオタイト、レピドライト、グ
ラウコナイト、クロライト、アボフィライトなどと称さ
れる鉱物を含む概念である。原料バーミキュライトは天
然から採取されるものをそのまま使用してもよいし合成
されたものを使用してもよく、さらに、これをたとえば
自体公知の手段で、イオン交換したり染色・着色したも
のを使用してもよい。本発明に用いる原料バーミキュラ
イトの大きさは何ら制限されるべきものでないが、粒径
が通常0.5mm〜1cm程度のものが便宜に用いられ
る。この原料バーミキュライトに種々の化学薬品を適当
量含浸させたものは化学薬品未含浸のものに比べて遥か
に低温で膨積を始め、種類によっては室温付近でも膨積
を始めるものもある。しかし本発明にとって、100℃
以下、特に台所等の室温付近で膨積を開始するものは保
管中に膨積する恐れがあるので不都合である。また、天
ぷら油等の食用油の発火点である370℃付近でもなお
膨積を開始しないものも勿論不都合である。したがって
取り扱いの点で、膨積開始温度が120〜350℃のも
のがよく、140〜330℃のものがさらに適してい
る。バーミキュライトの膨積開始温度を測るには、たと
えば10℃間隔で一定温度に保たれた各油浴中に約5m
m角のバーミキュライトを数グラム落とし5秒以内に膨
積を開始するか否かを肉眼で確かめることによって容易
に行うことができる。天ぷらで揚げ物をする場合は通常
180〜220℃であるので、材料を揚げ終わった後そ
の油を冷やすことなく天ぷら鍋に油の約5〜20重量%
好ましくは7〜15重量%に相当する本発明の高温油吸
収剤を投入すれば殆ど瞬時に膨積して油は完全に吸収さ
れ、またその際液体の温度もかなり低下するので、10
〜30分して鍋から取り出すことが可能となる。
は、前述のとおりある温度以上に急加熱すると膨積する
鉱物類の総称であり、より具体的には狭義のバーミキュ
ライト、ハイドロビオタイト、マスコバイト、パラゴナ
イト、フロゴパイト、バイオタイト、レピドライト、グ
ラウコナイト、クロライト、アボフィライトなどと称さ
れる鉱物を含む概念である。原料バーミキュライトは天
然から採取されるものをそのまま使用してもよいし合成
されたものを使用してもよく、さらに、これをたとえば
自体公知の手段で、イオン交換したり染色・着色したも
のを使用してもよい。本発明に用いる原料バーミキュラ
イトの大きさは何ら制限されるべきものでないが、粒径
が通常0.5mm〜1cm程度のものが便宜に用いられ
る。この原料バーミキュライトに種々の化学薬品を適当
量含浸させたものは化学薬品未含浸のものに比べて遥か
に低温で膨積を始め、種類によっては室温付近でも膨積
を始めるものもある。しかし本発明にとって、100℃
以下、特に台所等の室温付近で膨積を開始するものは保
管中に膨積する恐れがあるので不都合である。また、天
ぷら油等の食用油の発火点である370℃付近でもなお
膨積を開始しないものも勿論不都合である。したがって
取り扱いの点で、膨積開始温度が120〜350℃のも
のがよく、140〜330℃のものがさらに適してい
る。バーミキュライトの膨積開始温度を測るには、たと
えば10℃間隔で一定温度に保たれた各油浴中に約5m
m角のバーミキュライトを数グラム落とし5秒以内に膨
積を開始するか否かを肉眼で確かめることによって容易
に行うことができる。天ぷらで揚げ物をする場合は通常
180〜220℃であるので、材料を揚げ終わった後そ
の油を冷やすことなく天ぷら鍋に油の約5〜20重量%
好ましくは7〜15重量%に相当する本発明の高温油吸
収剤を投入すれば殆ど瞬時に膨積して油は完全に吸収さ
れ、またその際液体の温度もかなり低下するので、10
〜30分して鍋から取り出すことが可能となる。
【0006】またこの未膨積バーミキュライトの特有の
性質を利用して発火した油類を瞬時に消火することが可
能である。建物火災の原因の第1は天ぷら油の発火によ
るものである。突然の来客や電話などでわずかな時間火
元を離れたとき発火して、家人が火元近くにおり、且つ
火災の初期段階で気がつくものの、動転して初期消火を
行うことができず、大事に至ってしまう。そのような場
合、火柱を上げて燃えている天ぷら鍋に、本発明の油の
消火剤を油の5〜20重量%に相当する量を投入すれば
瞬時にバーミキュライトが膨積して油を吸収し鎮火させ
ることができる。この膨積開始温度が120〜350℃
の間にある未膨積バーミキュライトを得るには、原料バ
ーミキュライトの粒子に化学薬品を含浸させることによ
り容易に得ることができる。含浸に適した化学薬品とし
ては、たとえば(1)無機酸または有機酸またはそれら
のカリまたはアンモニウム塩、(2)アミノアルコール
類、(3)アミノ(チオ)カルボニル類(4)多価アル
コール類および(5)環状エーテル類、などが挙げられ
る。
性質を利用して発火した油類を瞬時に消火することが可
能である。建物火災の原因の第1は天ぷら油の発火によ
るものである。突然の来客や電話などでわずかな時間火
元を離れたとき発火して、家人が火元近くにおり、且つ
火災の初期段階で気がつくものの、動転して初期消火を
行うことができず、大事に至ってしまう。そのような場
合、火柱を上げて燃えている天ぷら鍋に、本発明の油の
消火剤を油の5〜20重量%に相当する量を投入すれば
瞬時にバーミキュライトが膨積して油を吸収し鎮火させ
ることができる。この膨積開始温度が120〜350℃
の間にある未膨積バーミキュライトを得るには、原料バ
ーミキュライトの粒子に化学薬品を含浸させることによ
り容易に得ることができる。含浸に適した化学薬品とし
ては、たとえば(1)無機酸または有機酸またはそれら
のカリまたはアンモニウム塩、(2)アミノアルコール
類、(3)アミノ(チオ)カルボニル類(4)多価アル
コール類および(5)環状エーテル類、などが挙げられ
る。
【0007】(1)の無機酸としては、たとえば硫酸、
正燐酸、一水素燐酸、二水素燐酸、硝酸、過塩素酸、ホ
ウ酸等が、有機酸としては、たとえばナフテン酸、酒石
酸、シュー酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、モノクロ
ル酢酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸、アク
リル酸、ナフテン酸等の脂肪族カルボン酸、たとえば、
安息香酸、オルトメトキシ安息香酸、アントラニル酸、
サルチル酸等の芳香族カルボン酸、たとえば、ベンゼン
スルホン酸等の有機スルホン酸、その他尿酸などが挙げ
られる。本発明においてはこれらの酸またはそのカリま
たはアンモニウム塩が単独または二以上併して使用され
る。これらの中では、特に硫酸、二水素燐酸ホウ酸また
はそれらのカリまたはアンモニウム塩が原料バーミキュ
ライトとして120〜160℃の低温で膨積を可能にす
る点において好適である。(2)のアミノアルコールと
しては、たとえば、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、オクタデシルジエチ
ルアミンなどが挙げられる。(3)のアミノ(チオ)カ
ルボニル化合物類としては、たとえば尿素、ジメチル尿
素、チオ尿素、カルバニリドなどがあげられる。(4)
の多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコールなどのグリコール類、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルなどが挙げられる。(5)の環状エーテルとしては、
たとえば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
などのアルキレンオキサイド類、ジオキサンなどが挙げ
られる。これらの化学薬品は必要により、水またはアル
コール類などの親水性有機溶媒または水と親水性有機溶
媒との混合溶媒に溶解し化学薬品としての含浸量がバー
ミキュライト乾物に対し0.5〜20重量%、好ましく
は1.0〜15重量%となるよう含浸させる。
正燐酸、一水素燐酸、二水素燐酸、硝酸、過塩素酸、ホ
ウ酸等が、有機酸としては、たとえばナフテン酸、酒石
酸、シュー酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、モノクロ
ル酢酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸、アク
リル酸、ナフテン酸等の脂肪族カルボン酸、たとえば、
安息香酸、オルトメトキシ安息香酸、アントラニル酸、
サルチル酸等の芳香族カルボン酸、たとえば、ベンゼン
スルホン酸等の有機スルホン酸、その他尿酸などが挙げ
られる。本発明においてはこれらの酸またはそのカリま
たはアンモニウム塩が単独または二以上併して使用され
る。これらの中では、特に硫酸、二水素燐酸ホウ酸また
はそれらのカリまたはアンモニウム塩が原料バーミキュ
ライトとして120〜160℃の低温で膨積を可能にす
る点において好適である。(2)のアミノアルコールと
しては、たとえば、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、オクタデシルジエチ
ルアミンなどが挙げられる。(3)のアミノ(チオ)カ
ルボニル化合物類としては、たとえば尿素、ジメチル尿
素、チオ尿素、カルバニリドなどがあげられる。(4)
の多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコールなどのグリコール類、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルなどが挙げられる。(5)の環状エーテルとしては、
たとえば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
などのアルキレンオキサイド類、ジオキサンなどが挙げ
られる。これらの化学薬品は必要により、水またはアル
コール類などの親水性有機溶媒または水と親水性有機溶
媒との混合溶媒に溶解し化学薬品としての含浸量がバー
ミキュライト乾物に対し0.5〜20重量%、好ましく
は1.0〜15重量%となるよう含浸させる。
【0008】本発明方法に使用される過酸化物としては
具体的には、たとえば、過酸化水素などの無機過酸化
物、および、たとえばアセチルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサ
イド等のジアジルパーオキサイド類、たとえばアセトン
パーオキサイド、メチルアミルケトンパーオキサイド、
シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサ
イド類、たとえば、t−ブチルパーオキシアセテート、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の
エステルパーオキサイド類、たとえば、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイ
ド、t−ジブチルパーオキサイド等のヒドロキシあるい
はアルキルパーオキサイド類などの有機酸化物が好適で
あるが、使用に便宜で且つ効果の高いのは35%過酸化
水素水である。過酸化物は通常、適宜の溶媒に懸濁ある
いは溶解せしめて使用されるが、そのための溶媒として
は具体的には水、たとえば酢酸エチルなどのエステル
類、メチルエチルケトンなどのケトン類、イソプロピル
アルコールなどのアルコール類、ヘキサン、ベンゼンな
どの炭化水素類の有機溶媒が挙げられる。過酸化物のバ
ーミキュライトに対する使用割合は過酸化物の種類およ
びバーミキュライトの種類により異なるため、一概には
いえないが通常バーミキュライトに対して約0.5〜5
重量%程度、好ましくは約1.0〜3重量%程度であ
る。
具体的には、たとえば、過酸化水素などの無機過酸化
物、および、たとえばアセチルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサ
イド等のジアジルパーオキサイド類、たとえばアセトン
パーオキサイド、メチルアミルケトンパーオキサイド、
シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサ
イド類、たとえば、t−ブチルパーオキシアセテート、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の
エステルパーオキサイド類、たとえば、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイ
ド、t−ジブチルパーオキサイド等のヒドロキシあるい
はアルキルパーオキサイド類などの有機酸化物が好適で
あるが、使用に便宜で且つ効果の高いのは35%過酸化
水素水である。過酸化物は通常、適宜の溶媒に懸濁ある
いは溶解せしめて使用されるが、そのための溶媒として
は具体的には水、たとえば酢酸エチルなどのエステル
類、メチルエチルケトンなどのケトン類、イソプロピル
アルコールなどのアルコール類、ヘキサン、ベンゼンな
どの炭化水素類の有機溶媒が挙げられる。過酸化物のバ
ーミキュライトに対する使用割合は過酸化物の種類およ
びバーミキュライトの種類により異なるため、一概には
いえないが通常バーミキュライトに対して約0.5〜5
重量%程度、好ましくは約1.0〜3重量%程度であ
る。
【0009】本発明において、原料バーミキュライトに
化学薬品や過酸化物を含浸させる手段は、液状または適
当な溶媒を用いた溶液状の化学薬品や過酸化物を通常0
〜100℃、便宜には室温付近で粒状バーミキュライト
と混合すればよく、通常5〜60分で所定量を含浸させ
ることができる。化学薬品等が固体である場合はその粉
末を原料バーミキュライトとよく混和した後、適当な溶
媒や別の液状の薬品や薬品の溶液を加えて粉末状の化学
薬品を溶解させながら吸収させるという手段をとっても
よい。そのような溶媒としては、一般に無機化合物に対
しては水が、有機化合物に対してはメタノール、エタノ
ール、アセトン、グリセロール、エチレングリコールな
どのアルコール、アセトン類のような溶媒が用いられ
る。これらの溶媒の使用量は必要最少量に止めるのが生
産効率上有利である。本発明の化学薬品含浸未膨積バー
ミキュライトは、その膨積開始温度が120〜350℃
のものであり、好ましくは140〜330℃のものであ
る。このようにして得られた化学薬品含浸未膨積バーミ
キュライトは、適当な容器に収容してもよいが、100
〜250℃程度の温度において軟化熔融するフィルム、
不織布、織物たとえば、塩化ビニル、ポリアクリロニト
リル、ポリオレフィン、ポリアマイド、ポリエステル
に、たとえば50g、100gといった家庭での取り扱
いに便利な単位に分包しておくのがよい。又、膨積をさ
またげない程度に成形しておいてもよい。結合剤には、
たとえばリン酸アルミニウム、ポリリン酸マグネシウ
ム、尿素、シリカゾル、アルミナゾル等があげられる。
化学薬品や過酸化物を含浸させる手段は、液状または適
当な溶媒を用いた溶液状の化学薬品や過酸化物を通常0
〜100℃、便宜には室温付近で粒状バーミキュライト
と混合すればよく、通常5〜60分で所定量を含浸させ
ることができる。化学薬品等が固体である場合はその粉
末を原料バーミキュライトとよく混和した後、適当な溶
媒や別の液状の薬品や薬品の溶液を加えて粉末状の化学
薬品を溶解させながら吸収させるという手段をとっても
よい。そのような溶媒としては、一般に無機化合物に対
しては水が、有機化合物に対してはメタノール、エタノ
ール、アセトン、グリセロール、エチレングリコールな
どのアルコール、アセトン類のような溶媒が用いられ
る。これらの溶媒の使用量は必要最少量に止めるのが生
産効率上有利である。本発明の化学薬品含浸未膨積バー
ミキュライトは、その膨積開始温度が120〜350℃
のものであり、好ましくは140〜330℃のものであ
る。このようにして得られた化学薬品含浸未膨積バーミ
キュライトは、適当な容器に収容してもよいが、100
〜250℃程度の温度において軟化熔融するフィルム、
不織布、織物たとえば、塩化ビニル、ポリアクリロニト
リル、ポリオレフィン、ポリアマイド、ポリエステル
に、たとえば50g、100gといった家庭での取り扱
いに便利な単位に分包しておくのがよい。又、膨積をさ
またげない程度に成形しておいてもよい。結合剤には、
たとえばリン酸アルミニウム、ポリリン酸マグネシウ
ム、尿素、シリカゾル、アルミナゾル等があげられる。
【0010】本発明の油の吸収剤は油の種類や油の温度
によっても異なるが、100g当たり約500〜20,
000mlの油を吸収する。したがって油の吸収または
燃焼中の油の消火には1リットルの油に対し50〜20
0gの化学薬品含浸未膨積バーミキュライトを使用する
のを一応の目安とする。油としては、どのようなもので
もよいが、牛脂、豚脂、鯨油、羊毛脂などの動物油、ア
マン油、ぬか油、ゴマ油、ナタネ油、大豆油、綿実油、
ヒマシ油、木ロウなどの植物油、石油、アスファルトな
どの鉱物油、シリコン油、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコールなどの合成油など
が挙げられる。本発明の未膨積バーミキュライトは高温
の油に触れて膨積する際油を吸収し、且つ油の温度を低
下させる作用を有している。この性質は特に180〜2
00℃で揚げ物をし、370℃付近で発火する食用油の
吸収、消火に最適である。油、特に食用油を吸収した膨
積体は、たとえば耕土や植木鉢の土に混ぜると、油は土
中の微生物により分解されて植物の肥料となり、また膨
積体の骨格自体も保水性、弾力性を有しているので土質
改良となり得る。
によっても異なるが、100g当たり約500〜20,
000mlの油を吸収する。したがって油の吸収または
燃焼中の油の消火には1リットルの油に対し50〜20
0gの化学薬品含浸未膨積バーミキュライトを使用する
のを一応の目安とする。油としては、どのようなもので
もよいが、牛脂、豚脂、鯨油、羊毛脂などの動物油、ア
マン油、ぬか油、ゴマ油、ナタネ油、大豆油、綿実油、
ヒマシ油、木ロウなどの植物油、石油、アスファルトな
どの鉱物油、シリコン油、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコールなどの合成油など
が挙げられる。本発明の未膨積バーミキュライトは高温
の油に触れて膨積する際油を吸収し、且つ油の温度を低
下させる作用を有している。この性質は特に180〜2
00℃で揚げ物をし、370℃付近で発火する食用油の
吸収、消火に最適である。油、特に食用油を吸収した膨
積体は、たとえば耕土や植木鉢の土に混ぜると、油は土
中の微生物により分解されて植物の肥料となり、また膨
積体の骨格自体も保水性、弾力性を有しているので土質
改良となり得る。
【0011】
実施例1 原料バーミキュライト(南アフリカ産3号)1kgを市
販のビニル袋に入れ、これに40%硫酸50mlを加え
よく混合した。別に35%過酸化水素水500gに二水
素燐酸カリ300gを溶解させ、この溶液70gを前記
バーミキュライト入りビニル袋に入れて袋を振ってよく
混合した。袋を1時間程度放置するとバーミキュライト
は元の体積の約2倍程度に膨潤したがガスの発生はな
く、体積もそれ以上は変化しなかった。この化学薬品を
含浸させたバーミキュライトを風乾し、100gずつビ
ニル袋に詰めた。これを3カ月室温(20〜30℃)で
保存しておいたが全く変化は認められなかった。3つの
ホーロー鍋にそれぞれナタネ油500mlを入れ、油の
温度を120℃、160℃および200℃に調節してお
き、それぞれに化学薬品含浸バーミキュライト100g
を入れたところ、いずれの鍋においてもバーミキュライ
トは殆ど瞬時に膨積して、体積は約1000mlとな
り、ナタネ油はすべてその膨積体に吸収された。
販のビニル袋に入れ、これに40%硫酸50mlを加え
よく混合した。別に35%過酸化水素水500gに二水
素燐酸カリ300gを溶解させ、この溶液70gを前記
バーミキュライト入りビニル袋に入れて袋を振ってよく
混合した。袋を1時間程度放置するとバーミキュライト
は元の体積の約2倍程度に膨潤したがガスの発生はな
く、体積もそれ以上は変化しなかった。この化学薬品を
含浸させたバーミキュライトを風乾し、100gずつビ
ニル袋に詰めた。これを3カ月室温(20〜30℃)で
保存しておいたが全く変化は認められなかった。3つの
ホーロー鍋にそれぞれナタネ油500mlを入れ、油の
温度を120℃、160℃および200℃に調節してお
き、それぞれに化学薬品含浸バーミキュライト100g
を入れたところ、いずれの鍋においてもバーミキュライ
トは殆ど瞬時に膨積して、体積は約1000mlとな
り、ナタネ油はすべてその膨積体に吸収された。
【0012】実施例2 70%正燐酸、35%過酸化水素水およびジエタノール
アミンを重量比で2:1:1の割合で混合した。原料バ
ーミキュライト(南アフリカ産2号)100gをビニル
袋に入れ、これに上記混液7gを加え、袋を振ってよく
混合した。30分ほどで液体はバーミキュライトに吸収
されて、体積が約2倍となったが、ガスの発生はなかっ
た。この薬品含浸バーミキュライトを風乾し、ビニル袋
に詰めて3カ月室温で保存したが、変化は認められなか
った。鍋に綿実油500mlを入れ、150℃に加熱
し、その中に上記薬品含浸バーミキュライトを投入した
ところ殆ど瞬時に約1リットルに膨積し、3分後には油
はすべて膨積体に吸収されていた。別の鍋にナタネ油5
00mlを入れ、ガス火で油の温度を上げてゆくと37
5℃で発火し黒煙を上げて燃え出した。この鍋に、前記
調製後3カ月の薬品含浸バーミキュライト(105g)
をビニル袋入りのまま投入すると、瞬時にビニル袋が融
け、内容物が油の中に出て膨積し、火は消え、油の温度
は280℃に低下した。ガスを切り約20分放置後膨積
体を別容器に移すと、油は完全に吸収されていた。
アミンを重量比で2:1:1の割合で混合した。原料バ
ーミキュライト(南アフリカ産2号)100gをビニル
袋に入れ、これに上記混液7gを加え、袋を振ってよく
混合した。30分ほどで液体はバーミキュライトに吸収
されて、体積が約2倍となったが、ガスの発生はなかっ
た。この薬品含浸バーミキュライトを風乾し、ビニル袋
に詰めて3カ月室温で保存したが、変化は認められなか
った。鍋に綿実油500mlを入れ、150℃に加熱
し、その中に上記薬品含浸バーミキュライトを投入した
ところ殆ど瞬時に約1リットルに膨積し、3分後には油
はすべて膨積体に吸収されていた。別の鍋にナタネ油5
00mlを入れ、ガス火で油の温度を上げてゆくと37
5℃で発火し黒煙を上げて燃え出した。この鍋に、前記
調製後3カ月の薬品含浸バーミキュライト(105g)
をビニル袋入りのまま投入すると、瞬時にビニル袋が融
け、内容物が油の中に出て膨積し、火は消え、油の温度
は280℃に低下した。ガスを切り約20分放置後膨積
体を別容器に移すと、油は完全に吸収されていた。
【0013】実施例3 原料バーミキュライト(南アフリカ産2号)100gを
ビニル袋に入れ、ヘキサメタリン酸マグネシウムアンモ
ニウム粉末3gを加えて均一に混合した。これに、35
%過酸化水素水5mlを加え、ビニル袋を振って混合す
るとヘキサメタリン酸マグネシウムアンモニウム粉末は
溶けてバーミキュライトに吸収され、バーミキュライト
は約2倍に膨らんだ。これを風乾し、ビニル袋に入れて
6カ月室温で保存しても体積は変化しなかった。天ぷら
鍋に500mlの天ぷら油を入れ、ガス火で油の温度を
上げてゆくと約370℃で発火し50cm以上の火を上
げて燃え出した。この鍋に前記調製後6カ月のビニル袋
に入れた化学薬品含浸バーミキュライト103gを袋の
まま投入するとビニル袋が熔けて内容物が瞬時に膨積し
同時に鎮火した。ガスを切り15分してから膨積体を別
の容器に移したところ、天ぷら油はすべて膨積体に吸収
されていて、膨積体の体積は約1.5リットルであっ
た。
ビニル袋に入れ、ヘキサメタリン酸マグネシウムアンモ
ニウム粉末3gを加えて均一に混合した。これに、35
%過酸化水素水5mlを加え、ビニル袋を振って混合す
るとヘキサメタリン酸マグネシウムアンモニウム粉末は
溶けてバーミキュライトに吸収され、バーミキュライト
は約2倍に膨らんだ。これを風乾し、ビニル袋に入れて
6カ月室温で保存しても体積は変化しなかった。天ぷら
鍋に500mlの天ぷら油を入れ、ガス火で油の温度を
上げてゆくと約370℃で発火し50cm以上の火を上
げて燃え出した。この鍋に前記調製後6カ月のビニル袋
に入れた化学薬品含浸バーミキュライト103gを袋の
まま投入するとビニル袋が熔けて内容物が瞬時に膨積し
同時に鎮火した。ガスを切り15分してから膨積体を別
の容器に移したところ、天ぷら油はすべて膨積体に吸収
されていて、膨積体の体積は約1.5リットルであっ
た。
【0014】実施例4 原料バーミキュライト(南アフリカ産3号)100gに
濃硫酸と濃硝酸1:1の混合物4mlを加え混合すると
バーミキュライトは約1.5倍に膨れ、黒ずんだ色にな
った。これにグリセリン2mlを加えて混合すると体積
はさらに膨れて約2倍となった。この薬品含浸バーミキ
ュライトを1年間常温で保存したが、変化は見られなか
った。この薬品含浸バーミキュライト100gを180
℃に加熱した白色ワセリン500mlと接触させると、
ただちに850mlに膨積して、ワセリンのすべてが膨
積体に吸収された。
濃硫酸と濃硝酸1:1の混合物4mlを加え混合すると
バーミキュライトは約1.5倍に膨れ、黒ずんだ色にな
った。これにグリセリン2mlを加えて混合すると体積
はさらに膨れて約2倍となった。この薬品含浸バーミキ
ュライトを1年間常温で保存したが、変化は見られなか
った。この薬品含浸バーミキュライト100gを180
℃に加熱した白色ワセリン500mlと接触させると、
ただちに850mlに膨積して、ワセリンのすべてが膨
積体に吸収された。
【0015】実施例5 原料バーミキュライト(ジンバブエ産3号)各100g
に、〔表1〕に示した化学薬品および35%過酸化水素
水をそれぞれ加えて含浸させ風乾してビニル袋に封入し
た。一方、ナタネ油500mlを〔表1〕に示す温度に
加熱しておき、その中に前記薬品含浸バーミキュライト
約100gを入れ膨積状態を観察した。その様子を次の
基準で評価した。 瞬時に膨積し、油はすべて吸収された。 ○ 3分以内に膨積したが、吸収されない油が少し残った。 △ 3分以内に膨積しない。 ×
に、〔表1〕に示した化学薬品および35%過酸化水素
水をそれぞれ加えて含浸させ風乾してビニル袋に封入し
た。一方、ナタネ油500mlを〔表1〕に示す温度に
加熱しておき、その中に前記薬品含浸バーミキュライト
約100gを入れ膨積状態を観察した。その様子を次の
基準で評価した。 瞬時に膨積し、油はすべて吸収された。 ○ 3分以内に膨積したが、吸収されない油が少し残った。 △ 3分以内に膨積しない。 ×
【0016】
【表1】
【0017】実施例6 中国河北省産バーミキュライト100gに70%燐酸3
mlを加え均一に混合した後5日間放置した。これにポ
リリン酸アンモニウム10gを35%過酸化水素1ml
と水10mlとを均一に混合分散させ、これを前記バー
ミキュライトに加えた。均一に混合した後、ポリエチレ
ン製ビーカーに入れて上より圧縮、風乾すると、体積約
200mlの成形体が得られた。これは1カ月放置して
も変化は認められなかった。天ぷら鍋に1リッルのナタ
ネ油と灯油10mlを入れガスで230℃まで加熱を続
けたところで発火し、温度が急上昇したが、上記成形体
を投入したところ形が崩れて急膨積し、油をすべて吸収
し火は直ちに消えた。この時膨積したバーミキュライト
は油を含んだばらばらの粒になっており、入れた温度計
は200℃を割っていた。ガス火を消し、冷却するのを
待って杓文字でかき出したが油が遊離することなく、そ
のまま庭木の根元に肥料として埋め込んだ。
mlを加え均一に混合した後5日間放置した。これにポ
リリン酸アンモニウム10gを35%過酸化水素1ml
と水10mlとを均一に混合分散させ、これを前記バー
ミキュライトに加えた。均一に混合した後、ポリエチレ
ン製ビーカーに入れて上より圧縮、風乾すると、体積約
200mlの成形体が得られた。これは1カ月放置して
も変化は認められなかった。天ぷら鍋に1リッルのナタ
ネ油と灯油10mlを入れガスで230℃まで加熱を続
けたところで発火し、温度が急上昇したが、上記成形体
を投入したところ形が崩れて急膨積し、油をすべて吸収
し火は直ちに消えた。この時膨積したバーミキュライト
は油を含んだばらばらの粒になっており、入れた温度計
は200℃を割っていた。ガス火を消し、冷却するのを
待って杓文字でかき出したが油が遊離することなく、そ
のまま庭木の根元に肥料として埋め込んだ。
【0018】実施例7 100gのインド産バーミキュライト3号に濃硫酸3m
lを加えるとやや発熱して色調の変化が見られた。十分
に冷えてから30%過酸化水素2mlと水3mlを合わ
せ、上記バーミキュライトに加えるとやや湿った感じに
なった。これに尿素粉20gを加え均一になるまで混合
すると全体はやや冷えて尿素の白い粉末が消失した。こ
れをナイロンストッキングに詰めて押圧しながら乾燥す
ると、くずれやすい成形体が得られた。コーン油500
mlを加熱し続け200℃になった所でその中に上記成
形体を入れると、バーミキュライトは膨積するとともに
ナイロンのストッキングは伸び、210℃ではナイロン
も溶けて膨れながら膨積するバーミキュライトに吸収さ
れた。油を吸収した膨積バーミキュライトは粒状にな
り、300℃まで加熱を続けても発火することはなかっ
た。
lを加えるとやや発熱して色調の変化が見られた。十分
に冷えてから30%過酸化水素2mlと水3mlを合わ
せ、上記バーミキュライトに加えるとやや湿った感じに
なった。これに尿素粉20gを加え均一になるまで混合
すると全体はやや冷えて尿素の白い粉末が消失した。こ
れをナイロンストッキングに詰めて押圧しながら乾燥す
ると、くずれやすい成形体が得られた。コーン油500
mlを加熱し続け200℃になった所でその中に上記成
形体を入れると、バーミキュライトは膨積するとともに
ナイロンのストッキングは伸び、210℃ではナイロン
も溶けて膨れながら膨積するバーミキュライトに吸収さ
れた。油を吸収した膨積バーミキュライトは粒状にな
り、300℃まで加熱を続けても発火することはなかっ
た。
【0019】
【発明の効果】本発明の高温の油の吸収剤は、天ぷらを
揚げ終わった後すぐに天ぷら鍋に投入することにより、
直ちに7〜20倍に膨積し、油を吸収する。また燃焼し
ている油中に本発明の油吸収剤即ち消火剤を投入すると
瞬時にして膨積し、油を吸収して鎮火させる。油を吸収
した膨積体は、肥料や土質改善剤として利用することが
できる。
揚げ終わった後すぐに天ぷら鍋に投入することにより、
直ちに7〜20倍に膨積し、油を吸収する。また燃焼し
ている油中に本発明の油吸収剤即ち消火剤を投入すると
瞬時にして膨積し、油を吸収して鎮火させる。油を吸収
した膨積体は、肥料や土質改善剤として利用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11B 15/00 C11B 15/00 // C09K 3/00 C09K 3/00 V
Claims (8)
- 【請求項1】膨積開始温度が120〜350℃となるよ
うに化学薬品を含浸させた未膨積バーミキュライトを含
んでなる120℃以上の高温油の吸収剤。 - 【請求項2】未膨積バーミキュライトが、原料バーミキ
ュライトに(1)無機酸または有機酸またはそれらのカ
リまたはアンモニウム塩、(2)アミノアルコール類、
(3)アミノ(チオ)カルボニル化合物類、(4)多価
アルコール類および(5)環状エーテル類の化学薬品の
少なくとも1種を含浸させたものである請求項1記載の
高温油の吸収剤。 - 【請求項3】さらに過酸化物を含浸させた請求項2記載
の高温油の吸収剤。 - 【請求項4】化学薬品が硫酸、燐酸またはホウ酸または
そのカリまたはアンモニウム塩であり、過酸化物が過酸
化水素、パーメック、過酸化カルシウムまたは過酸化鉛
である請求項3記載の高温油の吸収剤。 - 【請求項5】化学薬品の含浸率が0.5〜15重量%で
ある請求項1記載の高温油の吸収剤。 - 【請求項6】過酸化物の含浸率が0.5〜5.0重量%で
ある請求項3記載の高温油の吸収剤。 - 【請求項7】高温油が食用油である請求項1記載の高温
油の吸収剤。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項記載の高温油
の吸収剤を含有してなる油の消火剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16518896A JPH09323036A (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 高温油の吸収剤および油の消火剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16518896A JPH09323036A (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 高温油の吸収剤および油の消火剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09323036A true JPH09323036A (ja) | 1997-12-16 |
Family
ID=15807518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16518896A Pending JPH09323036A (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 高温油の吸収剤および油の消火剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09323036A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103537039A (zh) * | 2013-10-17 | 2014-01-29 | 中国人民武装警察部队学院 | 一种以可膨胀蛭石为主料的干粉灭火剂 |
KR20140147116A (ko) * | 2012-03-30 | 2014-12-29 | 굿윈 피엘씨 | 소화기 및 소화기 매질 |
-
1996
- 1996-06-04 JP JP16518896A patent/JPH09323036A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140147116A (ko) * | 2012-03-30 | 2014-12-29 | 굿윈 피엘씨 | 소화기 및 소화기 매질 |
CN103537039A (zh) * | 2013-10-17 | 2014-01-29 | 中国人民武装警察部队学院 | 一种以可膨胀蛭石为主料的干粉灭火剂 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4561997A (en) | Process for the preparation of air-refreshing gels as well as the obtained gels | |
JP3766697B2 (ja) | 渦巻状昆虫用燻煙剤 | |
CA2479653C (en) | Methods and compositions for extinguishing fires using aqueous gelled fluids | |
GB2301122A (en) | Flame retardant compositions | |
CN101700202A (zh) | 一种自热袋 | |
CN109701197A (zh) | 一种水胶复合型灭火剂 | |
CN111117776A (zh) | 一种环保型香薰蜡烛及其制备方法 | |
JPS5837075A (ja) | カイロ | |
US3431093A (en) | Instant-igniting charcoal | |
JPH09323036A (ja) | 高温油の吸収剤および油の消火剤 | |
JP2000230181A (ja) | 固形燃料 | |
US20020009424A1 (en) | Foamed fragrancing and deodorizing gel | |
JPS5692802A (en) | Carbamate composition | |
JP2007001903A (ja) | 線香およびその製造方法 | |
TWI267395B (en) | Multifunctional active plant flame retarding fire extinguishing agents | |
GB2401374A (en) | Fuel gel | |
JP2002193702A (ja) | 燻煙剤組成物の安定剤及び安定化方法 | |
JPS59115061A (ja) | 消火剤組成物 | |
KR100301147B1 (ko) | 녹색화염 등유의 조성물 | |
JPH0341124A (ja) | ポリアクリル酸ナトリウムの調製法 | |
JP2018009067A (ja) | 植物系バイオマス燃料、植物系バイオマス肥料、土壌改良材、及び、植物系バイオマス燃料の製造方法 | |
KR0148700B1 (ko) | 숯가루에 식품첨가물을 배합하여서된 숯탄 및 그 제조방법 | |
JP2008101179A (ja) | 植物油脂系難燃剤 | |
US1412065A (en) | Insecticidal fumigator | |
JP5498830B2 (ja) | 燻煙剤用発熱体 |