JP2018009067A - 植物系バイオマス燃料、植物系バイオマス肥料、土壌改良材、及び、植物系バイオマス燃料の製造方法 - Google Patents

植物系バイオマス燃料、植物系バイオマス肥料、土壌改良材、及び、植物系バイオマス燃料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】植物系バイオマスに由来する固形分と廃グリセリンとを混合することによって、元の廃グリセリンの熱量よりも高い熱量を発揮する植物系バイオマス燃料等を提供することを目的とする。
【解決手段】
堆肥化した植物系バイオマスと、水溶性の廃グリセリン液とを含有する植物系バイオマス燃料によって解決する。前記燃料の燃焼灰に肥効成分を混合することで植物系バイオマス肥料を提供することができる。前記燃料にシリコーン層を形成することで土壌改良材を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、廃グリセリンを利用した植物系バイオマス燃料、植物系バイオマス肥料、土壌改良材、及び、植物系バイオマス燃料の製造方法に関する。
食物を調理した後に捨てられる廃食油からバイオディーゼルオイルが生産されている。バイオディーゼルオイルを生産する際には、廃食油に含まれるトリアシルグリセロールなどの脂肪とメタノールなどのアルコールとをアルカリ触媒の存在下で反応させて、グリセリンと脂肪酸メチルエステルとを生じさせる。この反応によって生じた脂肪酸メチルエステルがバイオディーゼルオイルとして利用される。
上記の反応によって、副生したグリセリンは、黒色の粘性物であり、グリセリン以外にメタノールや水酸化ナトリウムや有機物を含有しており、廃グリセリンと呼ばれている。
バイオディーゼルオイルだけではなく、副生する廃グリセリンについても燃料として利用する試みが行われている。例えば、特許文献1には、廃グリセリンなどの廃油に対して、加熱乾燥した木質系バイオマスを混合して、固体燃料を製造する方法が記載されている。
特許文献2には、廃グリセリンに対して、所定量の濃硝酸及び濃硫酸を混合して、その後これを中和して、液体燃料を製造する方法が記載されている。
特許文献3には、所定量のグリセリン廃棄物に対して、所定量の鉱物油を加えて加熱と混合を行い、その後これに過酸化水素水と酢酸とを混合して遠心分離を行い、上澄みを回収するなどすることが記載されている。そして、上澄みを液体燃料として利用することが記載されている。
特開2013‐79309号公報 特開2013‐87126号公報 特開2011‐140551号公報
特許文献1の方法では、発熱量が5940kcal/kgの廃グリセリンに対して乾燥した本畳の破砕物を混合して、固体燃料とする。固体燃料の熱量は4500kcal/kgである。廃グリセリンと固体燃料の熱量を比較すると固体燃料の熱量が約25%ほど低下している。
特許文献2及び特許文献3の燃料は、液体燃料であり、植物系バイオマスを原料とするものではない。したがって、大量に発生する植物系バイオマスを有効に利用することができない。
本発明は、植物系バイオマスに由来する固形分と廃グリセリンとを混合することによって、原料とした廃グリセリンの熱量よりも高い熱量を発揮する植物系バイオマス燃料及びその製造方法、並びにそれを利用した植物系バイオマス肥料、及び土壌改良材を提供することを目的とする。
堆肥化した植物系バイオマスと、水溶性の廃グリセリン液とを含有する植物系バイオマス燃料によって、上記の課題を解決する。堆肥化した植物系バイオマスと水溶性の廃グリセリン液とを組み合わせて植物系バイオマス燃料とするよって、廃グリセリン液単体の熱量に比較して、植物系バイオマス燃料が発する熱量を大きくすることができる。
固形物の重量に換算して10〜75質量%の植物系バイオマスを含有することが好ましい。これによって、植物系バイオマス燃料を着火しやすくして、燃料持続時間も長くすることができる。
堆肥化した植物系バイオマスの含水率は、30質量%以下であることが好ましい。堆肥化した植物系バイオマスの含水率を下げることで、堆肥化した植物系バイオマスが水溶性の廃グリセリン液を吸収しやすくすることができる。
水溶性の廃グリセリンの含水率は、45質量%以下であることが好ましい。含水率を小さくすることで、植物系バイオマス燃料を着火しやすくして、燃焼持続時間を長くすることができる。
例えば上記の植物系バイオマス燃料の燃焼灰に肥効成分を混合することで、植物系バイオマス燃料の燃焼灰と、肥効成分とを含有する植物系バイオマス肥料を得ることができる。これにより、植物系バイオマス燃料の燃焼灰も余さず利用して廃材の排出を防ぐことができる。
例えば上記の植物系バイオマス燃料の燃焼中に植物系バイオマス燃料に対してシリコーンオイルを散布することで、植物系バイオマス燃料の燃焼灰と、その表面に配されるシリコーン層とを備える植物系バイオマスを利用した撥水性を有する土壌改良材を得ることができる。これにより、植物系バイオマス燃料の燃焼灰も余さず利用して廃材の排出を防ぐことができる。
上記の植物系バイオマス燃料は、堆肥化した植物系バイオマス燃料と、水溶性の廃グリセリン液とを混合する工程を含む製造方法によって製造することができる。水溶性の廃グリセリン液は、例えば、バイオディーゼルオイルを製造する際に副生した固体又は高粘性の廃グリセリンを酸と疎水性の液体とで処理することによって、得ることができる。これによって、グリセリンの含有量を高めることができる。
本発明によれば、原料とした廃グリセリンの熱量よりも高い熱量を発揮する植物系バイオマス燃料、及びその製造方法、並びに前記燃料を利用した植物系バイオマス肥料、及び土壌改良材を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の植物系バイオマス燃料は、堆肥化した植物系バイオマス燃料と、水溶性の廃グリセリン液とを含有する。
植物系バイオマスとしては、燃焼させることによって熱を発生する植物系の材料を使用することが好ましい。例えば、新聞紙、木粉、木チップ、稲藁、落ち葉、雑草などを植物系バイオマスとして利用することができる。廃材を利用することが好ましく、木粉や木チップについては、例えば、木の枝、木くずなどを利用することが好ましい。稲わらについては、例えば、廃畳の畳床やキノコの栽培に使用した稲わらを利用することが好ましい。新聞は古新聞であることが好ましい。木質バイオマス、特に廃材を利用することによって、カーボンニュートラルな燃料を提供することが可能になる。植物系バイオマスは、破砕したものを使用すると表面積が多くなり水溶性の廃グリセリン液と接触する面積を大きくすることができるので好ましい。
上記の廃材及び廃グリセリン液は、従来は産業廃棄物として捨てられるだけであり、産業廃棄物として処分するにもコストが必要であり、何ら有効利用されることなく処分されており、焼却処分などによって二酸化炭素を放出するだけのものであった。本発明では、これらを有効利用するものである。しかも、堆肥と水溶性グリセリン液とを混合することで、水溶性の廃グリセリン液を単体で燃焼させるよりも高い熱量を発揮させることが可能になる。
堆肥化は、植物系バイオマスを堆積又は容器に入れて保管することによって、腐熟させることにより行うことが好ましい。植物系バイオマスは、体積又は撹拌する前に蒸気と接触させて加熱すると、植物系バイオマスに適度な水分を含ませると共に植物系バイオマスの細胞壁を凝縮熱で破壊して発酵を促進させることができる。蒸気と接触させることによって、短い期間で堆肥化を完了させることが可能となり、また、堆肥が廃グリセリン液をより吸収しやすくなる。植物系バイオマス燃料により多くの廃グリセリン液を吸収させることによって、植物系バイオマス燃料が発生する単位容積当たりの熱量を増大させることができる。
植物系バイオマス燃料を堆積する場合は、ブルーシートなどのシートを被せて、風雨によって堆肥が流失したり吹き飛ばされないようにすると共に、堆肥が乾燥しないようにして行うことが好ましい。植物系バイオマスを容器に入れて保管する場合は、蓋を被せることによって、シートを被せるのと同様の効果を得ることができる。
廃グリセリン液は、水溶性のものを使用する。これによって、堆肥化した植物系バイオマス(以下、単に堆肥と称することがある。)と水溶性の廃グリセリン液とを混合した際に廃グリセリン液を堆肥に速やかに吸収させることが可能になる。そして、植物系バイオマス燃料を燃焼させたときに水分と疎水性の廃グリセリンとが共存することに起因する爆ぜが生じることを防ぐことができる。水溶性の廃グリセリン液を使用することによって、堆肥や水溶性グリセリン液に水分が含まれていたとしても、特に水分を除去する工程を行うことなく、原料として使用することも可能になる。これによって、水溶性の廃グリセリン液や堆肥から水分を除去する工程を省略したり短縮することが可能になる。
水溶性の廃グリセリン液は、例えば、バイオディーゼルオイルを製造する際に副生する廃グリセリン液を酸と疎水性の液体とで処理することによって、得ることができる。酸は、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、及び酢酸からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の酸を使用することが好ましい。塩酸は鉄を腐食しやすく、硝酸はニトログリセリンを生じやすい。このため、硫酸、酢酸又はこれらの混合物を使用することが好ましい。
疎水性の液体としては、化石油、有機溶媒、鉱物油及び植物油からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の疎水性の液体を使用することが好ましい。化石油としては、例えばガソリン、軽油、重油が挙げられる。有機溶媒としては、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。植物油としては、菜種油、椿油、オリーブ油などが挙げられる。
例えば、バイオディーゼルオイルを得る際に副生した廃グリセリンが疎水性の場合でも、疎水性の廃グリセリンを酸と疎水性の液体とで処理することによって、水溶性の廃グリセリン液にすることができる。また、前記の処理によって、グリセリン液の含有量を高めることも可能になる。これによって、堆肥と水溶性の廃グリセリン液とを混合して固形燃料としたときに固形燃料が発する熱量を高めることが可能になる。
植物系バイオマス燃料は、固形物の重量に換算して10〜75質量%の堆肥化した植物系バイオマスを含有することが好ましく、固形物の重量に換算して28〜75質量%の堆肥化した植物系バイオマスを含有することが好ましく、固形物の重量に換算して28〜60質量%の堆肥化した植物系バイオマスを含有することがさらに好ましい。残部は、水溶性グリセリン液であることが好ましいが、エタノールやメタノールなどのアルコール燃料を着火助剤として配合してもよい。
堆肥化した植物系バイオマス燃料の含水率は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。含水率は低いほど、水溶性グリセリン液の吸収が良好になり、植物系バイオマス燃料の着火に要する時間が短くなる。しかし、堆肥を完全に乾燥するのは労力がかかることがある。したがって、含水率は3質量%以上とすることが好ましい。含水率は、例えば、堆肥化した植物系バイオマスを加熱したり、風に当てて乾燥させたり、天日干しにしたりすることによって、低下させることができる。
水溶性の廃グリセリン液の含水率は、45質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。水溶性グリセリン液の含水率が小さいほうが、植物系バイオマス燃料は着火しやすくなり、燃焼時間も長くなる。さらに、廃グリセリンの含有率を高めて、植物系バイオマス燃料が発する熱量を大きくすることができる。一方で、含水率をゼロするのは労力がかかることがある。したがって、含水率は2質量%以上とすることが好ましい。含水率は、例えば、水溶性の廃グリセリン液を加熱して水分を蒸発させたり、ゼオライトを利用して水分を吸着することによって小さくすることができる。
バイオマス燃料を燃料として燃焼させた後には、燃焼灰が残る。この燃焼灰は肥料として使用することができる。燃焼灰に肥厚成分を含有する化合物を混合することでさらに肥効を高めることができる。肥厚成分としては、例えば、窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物が挙げられる。
バイオマス燃料の燃焼灰は、撥水性を有する土壌改良剤としても利用することができる。例えば、燃焼中のバイオマス燃料に噴霧器を用いてシリコーンを含有する液を吹き付ける。これによって、液は速やかに気化して、バイオマス燃料はシリコーンによって被覆される。燃焼完了後には、表面にシリコーン層を備える燃焼灰が残る。この燃焼灰は、例えば、砂漠化した土地の土壌の下に埋設することで、土壌の保水力を高めることができる。この燃焼灰は堆肥を利用していることから、肥効も同時に発揮する。これによって、砂漠化した土地の保水力と肥効を与えて、植物が生長するのを促進することができる。上述のように焼却灰に肥効成分を混合することでさらに肥効を高めることが可能になる。
以下、本発明の実施例を挙げて、さらに具体的に説明する。以下に挙げる実施例は一つの例に過ぎず本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[堆肥化]
植物系バイオマスとして、マッシュルームの栽培に使用した稲藁を使用し、当該稲藁を撹拌しながらボイラーで発生させた飽和水蒸気を噴射して稲藁を加熱した。加熱した稲藁を堆積してブルーシートで覆って常温で1週間発酵させた。稲藁は、0.1〜50mm程度の小片に切断されている。発酵後の稲藁は、さらに小片化が進み土のような外観となっていた。この堆肥を乾燥させて含水率が3%となるようにした。なお、含水率は次式によって求めた。絶乾質量とは、温度105±5℃の乾燥器内において一定質量になるまで乾燥した後、常温まで冷却したときの質量である。
[数1]
含水率(質量%)=[(乾燥前の堆肥の質量−堆肥の絶乾質量)/(乾燥前の堆肥の質量)〕×100
[水溶性グリセリン液]
飲食店から出た廃食油を回収し、この廃食油に対してメタノール及び水酸化ナトリウム水溶液を混合して、アルカリ触媒法によって、バイオディーゼル燃料を製造した。この際に以下の表1に示す廃グリセリンが副生した。
Figure 2018009067
上記の廃グリセリンを回収して、濃硫酸を加えて35℃でよく撹拌した。撹拌物を静置したところ三層に比重分離した。一番上の層は油脂を主に含有する液体であり、その外観は透明度のある褐色であった。上から二番目の層はグリセリンと油脂とを主に含む液体であり、その外観は不透明な褐色であった。一番下の層が固体の中和塩であり、その外観は白濁色であった。
上記の上から二番目の層を抽出して、これに軽油を加えて35℃でよく撹拌した。これを静置したところ、二層に比重分離した。上の層が油脂分を含む層であり、下の層が水溶性のグリセリン液であった。水溶性の廃グリセリン液の化学組成及び物性を表2に示す。
Figure 2018009067
上記の水溶性の廃グリセリン液と堆肥の合計重量に対して、堆肥から水分を除いた堆肥の固形物の重量が15質量%となるように、水溶性の廃グリセリン液及び堆肥を計量して、両者を容器に入れてヘラを使用してよく混合した。
水溶性の廃グリセリン液と堆肥とを混合して1日が経過した後の植物系バイオマスは、堆肥が水溶性の廃グリセリン液を吸収してスラリー状のやや粘性を帯びたゲル状の燃料となっていた。この植物系バイオマス燃料の熱量をJIS K 2279に準拠した方法で熱量を測定したところ5900cal/gであった。
上記の通り、JIS K 2279に準拠した方法で測定した水溶性の廃グリセリン液の熱量は3800cal/gである。一方、水溶性の廃グリセリン液と堆肥化した植物系バイオマスを混合して得た本実施例の植物系バイオマス燃料の熱量は5900cal/gであった。水溶性の廃グリセリン液に対して堆肥化した植物系バイオマスを混合することによって、水溶性のグリセリン液を単体で使用する場合に比較して、発生する熱量が56%ほど上昇したことがわかる。
堆肥と水溶性の廃グリセリン液とを混合することによって発生する熱量が上昇する詳細な機構は不明であるが、堆肥に含まれる雑多な微生物によって、水溶性の廃グリセリン液に含まれる成分がエタノールなどの可燃性の成分になったためであると推測される。また、水溶性の廃グリセリンに含まれる成分のうち難燃性であり発生する熱量を低下させる成分が堆肥に含まれる雑多な微生物によって分解されたためであるとも推測される。
比較のために、以下の方法で木粉と水溶性の廃グリセリン液とを混合して、燃料を製造した。市販の5〜10mm径程度の木チップを粉砕機を用いて1〜2mm程度に粉砕して、含水率10〜15%の木粉を得た。この木粉1000gと、水溶性グリセリン液1000gとを混合してよく攪拌して燃料を得た。燃料は木粉が水溶性グリセリン液を吸収しておからのようなぼそぼそとした状態で、外観は木チップの色であった。この燃料について、JIS M 8814に準拠した方法で熱量を測定しようと試みたが、着火せず発熱量を測定することができなかった。
[堆肥の含水率]
次いで、堆肥の含水率を40質量%、28質量%、15質量%、又は3質量%になるまで乾燥させた堆肥を準備して、これに上記の水溶性の廃グリセリンを混合して、植物系バイオマス燃料を製造した。堆肥の含水率が低いほど水溶性の廃グリセリン液の吸収が良好であった。堆肥の含水率が低いほど、燃料の着火性、燃料が燃焼する時間、及び発熱量の各特性において優れることがわかった。堆肥の含水率が40質量%の場合は、燃料が着火させるのに比較的に長い時間を要した。
[水溶性の廃グリセリン液の含水率]
次いで、水溶性の廃グリセリン液の含水率を50質量%、30質量%、10質量%、又は4質量%になるまで乾燥させた堆肥を準備して、これに上記の水溶性の廃グリセリンを混合して、植物系バイオマス燃料を製造した。水溶性のグリセリン液の含水率は上記の「数1」と同様にして求めた。ただし、乾燥器に替えて水溶性グリセリンを入れたガラス容器をバーナーで加熱することによって加熱した。水分率は、堆肥の含水率が低いほど水溶性の廃グリセリン液の吸収が良好であった。堆肥の含水率が低いほど、燃料の着火性、燃料が燃焼する時間、及び発熱量の各特性において優れることがわかった。堆肥の含水率が40質量%の場合は、燃料が着火させるのに長い時間を要した。
[水溶性の廃グリセリンと堆肥の混合比率]
ついで、水溶性の廃グリセリン液と堆肥との合計重量に対して堆肥の重量が占める率(質量%)と、植物系バイオマス燃料の燃焼時間及び着火に要する時間との関係を調べた。結果を表3に示す。堆肥の重量が占める率は、次式により求めた。なお、堆肥は含水率が1質量%のものを使用した。「堆肥の重量」から含水率に応じて水の重量を差し引いて、堆肥の固形分の重量として記載した。
[数2]
堆肥の重量が占める率(質量%)=堆肥の重量÷(堆肥の重量+水溶性のグリセリン液の重量)×100
Figure 2018009067
表3の結果から、堆肥の重量を少なくし、水溶性の廃グリセリン液の割合を増やした方が着火時間が短くなり、燃焼時間が長くなることがわかった。しかしながら、過度に堆肥の割合を減らすと発熱量が減る可能性がある。したがって、堆肥化した植物系バイオマスの含量は、固形物の重量に換算して、10〜75質量%とすることが好ましい。
[堆肥]
上記の植物系バイオマス燃料を燃やした後には、直径0.1〜10mm程度の煤塵を含む焼却灰が残った。この灰に対してカリウム系の肥効成分として、水酸化カリウムを混合した。このようにして得た植物系バイオマス肥料を、圃場に散布したところ、優れた肥効を発揮した。
[撥水性を有する土壌改良材]
上記の植物系バイオマス燃料の燃焼中に、植物系バイオマス燃料に向けてスプレーでシリコーンオイルを散布した。燃焼後の焼却灰にリン酸カリウムを混合して撥水材を得た。圃場の地表から5cmの地中にこの撥水材をまんべんなく埋設した。これによって、圃場の保水性が向上すると共に優れた肥効を発揮した。この撥水材は、砂漠の緑化に優れた効果を発揮する。

Claims (8)

  1. 堆肥化した植物系バイオマスと、水溶性の廃グリセリン液とを含有する植物系バイオマス燃料。
  2. 固形物の重量に換算して10〜75質量%の植物系バイオマスを含有する請求項1に記載の植物系バイオマス燃料。
  3. 堆肥化した植物系バイオマスの含水率は、30質量%以下である請求項1又は2に記載の植物系バイオマス燃料。
  4. 水溶性の廃グリセリンの含水率は、45質量%以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の植物系バイオマス燃料。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の植物系バイオマス燃料の燃焼灰と、肥効成分とを含有する植物系バイオマス肥料。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の植物系バイオマス燃料の燃焼灰と、その表面に配されるシリコーン層とを備える植物系バイオマスを利用した撥水性を有する土壌改良材。
  7. 堆肥化した植物系バイオマスと、水溶性の廃グリセリン液とを混合する工程を含む植物系バイオマス燃料の製造方法。
  8. 水溶性の廃グリセリン液は、バイオディーゼルオイルを製造する際に副生した固体又は高粘性の廃グリセリンを酸と疎水性の液体とで処理して、グリセリンの含有量を高めたものである請求項7に記載の植物系バイオマス燃料の製造方法。
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