JPH0932258A - ポリオレフィン系床材 - Google Patents

ポリオレフィン系床材

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JPH0932258A JP20395395A JP20395395A JPH0932258A JP H0932258 A JPH0932258 A JP H0932258A JP 20395395 A JP20395395 A JP 20395395A JP 20395395 A JP20395395 A JP 20395395A JP H0932258 A JPH0932258 A JP H0932258A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、ハロゲンを含有せず、PV
C床材と同等の床材としての特性を有するとともに、残
留低分子量成分に起因する揮発性成分の発生がない新規
なポリオレフィン系床材の提供。 【構成】 (A)GPCにより測定された重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比 Mw/Mn
が1.2〜4の範囲におさまり、Mnが10,000〜
2,000,000の立体規則性にすぐれたポリオレフ
ィン、(B)前記ポリオレフィンと相溶性の極性樹脂お
よび必要に応じて(C)充填材とを含有することを特徴
とするポリオレフィン系床材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン系床材に
関し、更に詳しくはPVC床材に代替え可能な軽量で揮
発成分の少ないノンハロゲン型ポリオレフィン系床材に
関する。
【0002】
【従来技術】PVCは成形が容易で多彩な着色および意
匠が可能であり、これを床材とした場合、施工性、防汚
性、加工性、耐薬品性が優れることなどから、PVC床
材は従来のリノリュームやゴム、石材に代わり広く用い
られるに至った。
【0003】しかし近年、産業廃棄物の問題から燃焼時
に発生するハロゲン化水素ガスの問題や使用されるジオ
クチルフタレート等の可塑剤や残留モノマーの室内への
飛散による人体に与える影響が憂慮されるようになり、
ポリオレフィンで床材を構成する試みがためされてい
る。ポリオレフィンで床材を構成する場合、問題となる
のはコンクリート下地に接着するためにあるいは、床表
面にワックスを塗布するために構成物に極性が無ければ
ならない点である。即ち安価であるポリエチレンやポリ
プロピレンをそのまま構成樹脂として用いた場合には従
来のPVC床材用接着剤が使用できず、また樹脂の結晶
性が高いために施工性の悪い床材となる。
【0004】この点を解決する手法としては、極性基を
含有するポリオレフィン系床材が検討された(特開平5
−9876ロンシール、DE4114085ターケッ
ト)。これらに使用されたのは極性基としての酢酸ビニ
ルやアクリレートとエチレンとの共重合体であるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチル
アクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルア
クリレート共重合体(EMA)等である。この内、EV
A床材については既にヨーロッパで一部生産販売される
に至っているが、PVC床材と比較した場合、特に耐水
性、防汚性、キズつき性に問題があり、PVC床材の代
替え床材としては十分なものではないのが現状である。
また樹脂の残留低分子量物の室内への飛散の可能性につ
いてはPVC床材と同様の問題を残すものである。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
ハロゲンを含有せず、PVC床材と同等の床材としての
特性を有するとともに、残留低分子量成分に起因する揮
発性成分の発生がない新規なポリオレフィン系床材を提
供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)GPC
により測定された重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比 Mw/Mnが1.2〜4の範囲にお
さまり、Mnが10,000〜2,000,000の立
体規則性にすぐれたポリオレフィン、(B)前記ポリオ
レフィンと相溶性の極性樹脂および必要に応じて(C)
充填材とを含有することを特徴とするポリオレフィン系
床材に関する。
【0007】前記(A)成分のポリオレフィンは、カミ
ンスキー型触媒(メタロセン触媒、シングルサイト触
媒)を用いてα−オレフィンを重合することにより得る
ことができる。この種のポリマーは、分子量分布が狭く
均質で低分子量物が少ない重合物であるため衛生面より
食品包装分野、医療品分野での利用が検討され始めた。
このような残留モノマーや低分子量成分が少ないことは
人体への影響を考えると好ましいことであり、こうした
観点から、これらの材料を高分子材料系建材に応用する
ことが望まれていた。しかしポリオレフィンを床材とし
て使用する場合、単体では無極性であるため、充填材が
充分ブレンドできず、またコンクリート下地への接着性
が悪く、ワックス等のメンテナンス剤の使用も塗布性が
悪いために行うことができなかった。
【0008】そこで、本発明は、カミンスキー型触媒に
より得られたポリオレフィンのうちで、前記物性を有す
るポリオレフィンが床材としての性質に最も適している
ことを見出し、これに相溶性のある極性樹脂をブレンド
することにより、充填材の混合が可能であり、かつ下地
との接着性においても問題のないポリオレフィン系床材
の開発に成功したものである。カミンスキー型触媒によ
り得られたオレフィン系単独重合体、たとえばポリエチ
レンやポリプロピレンは分子量分布が狭く、残留低分子
化合物が少ない点では満足のゆく材料であるが、施工
性、可撓性が悪く、剛性が強すぎるので、床材としては
好ましくない。そこで、これに(ロ)の成分を5〜40
モル%程度共存させてやると、適度の可撓性が生まれ、
床材として極めて適した素材となる。
【0009】前記ポリオレフィンは、(イ)エチレン6
0〜95モル%と(ロ)炭素数3〜12のα−オレフィ
ンよりなる群から選らばれた少なくとも1種の単量体5
〜40モル%よりなる共重合体であることが好ましい。
【0010】前記炭素数3〜12のα−オレフィンとし
ては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを挙げるこ
とができる。
【0011】とくに好ましいポリオレフィンとしては、
オクテン含有量が5〜30重量%、MI値(メルトイン
デックス)0.5〜5.0g(g/10min)、比重
0.86〜0.93(g/cc)のエチレン−オクテン
共重合体である。
【0012】前記極性樹脂は、α,β−不飽和酸、そ
の酸無水物およびそれらのエステルとα−オレフィン
との共重合体、または前記で変性されたの重合体ま
たは共重合体であることが好ましい。共重合体中におけ
る成分の含有量は0.5〜50重量%である。
【0013】前記極性樹脂の具体例としては、エチレン
−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、ポリ
プロピレン−無水マレイン酸共重合体、無水マレイン酸
グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトエチレ
ンエチルアクリレート、無水マレイン酸グラフトメチレ
ンメチルアクリレート等を挙げることができる。
【0014】これら極性樹脂のポリオレフィンへの添加
量はポリオレフィンに対し、10〜50重量%、好まし
くは20〜35重量%とすることが望ましい。即ち極性
樹脂が少ないと炭酸カルシウム等の無機充填材が充填し
にくく、またコンクリート下地との接着性も弱くなる。
また逆に添加量が多い場合、汚れや凹み痕が付き易くな
る。
【0015】所望により使用する前記(C)成分である
充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
タルク、シリカ、クレー、ガラス繊維、合成天然繊維な
ど、従来床材の充填材として使用されていたものは何で
も使用できる。その使用量は、樹脂成分に対し、500
重量%以下、好ましくは20〜400重量%である。
【0016】本発明の床材に耐熱性、耐摩耗性を付与す
るために、t−ブチルキュミルパーオキサイドやジブチ
ルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド等の過酸
化物を加えることにより、架橋物とすることもできる。
【0017】また、本発明の前記(A)、(B)、
(C)成分のほかに発泡剤を添加して床材の一部を発泡
層とすることもできる。
【0018】さらに本発明においては、床材に対する通
常の添加剤、例えば老化防止剤、光安定剤、染顔料など
を添付することができることは当然である。
【0019】上述組成物で床材を構成する場合、カレン
ダー、押し出し、プレス成形でシート、板状に成形する
ことができ、通常のPVC床材の製造工程がそのまま使
用することができる。
【0020】床材の構成は単層の他、積層構造としても
良く、表面層を透明層とし、その下に印刷層を設けるこ
とも可能である。また、本発明組成物を表面層とし、そ
れ以外の層は従来の組成物を用いてもよい。
【0021】
【実施例】
実施例1 エチレン−オクテン共重合体 :80重量部 Mw 73,800、Mn 37,400、 Mw/Mn=1.97 (ダウケミカル社製 商品名PF1140) エチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸共重合体 :20重量部 (住友化学社製 商品名AX8390) 脂肪酸処理炭酸カルシウム :100重量部 (白石カルシウム社製 商品名CCR) 微粒子炭酸カルシウム(日東粉化社製 商品名NS−100):50重量部 金属セッケン(日産フェロ化学社製 商品名NF−EVA) :1重量部 顔料 (酸化チタン) :1重量部
【0022】比較例1 PVC(商品名37L) :20重量部 DOP(可塑剤) :5重量部 炭酸カルシウム〔商品名 #79(270)〕 :70重量部 安定剤 :1重量部 顔料 :1重量部
【0023】比較例2 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名V505) :100重量部 脂肪酸処理炭酸カルシウム :100重量部 (白石カルシウム社製 商品名CCR) 微粒子炭酸カルシウム :50重量部 (日東粉化社製 商品名NS−100) 滑剤 :1重量部 顔料 :1重量部
【0024】前記各組成のものを用いて厚さ2mmのタ
イルに成形し、下記の物性測定を行った。その結果はつ
ぎのとおりである。
【0025】加熱減量率[JIS A−5705] 実施例1 0.01% 比較例1 0.45% 比較例2 0.36% 汚れ試験(ヒールマーク試験) 実施例1 ○ 汚れ、キズ付き見られない 比較例1 × ゴム汚染、ひっかきキズ 比較例2 ○ 汚れ、キズ付き見られない 比重[g/cc] 実施例1 1.63 比較例1 2.05 比較例2 1.80
【0026】
【発明の効果】本発明により、揮発成分が少なく、軽量
で且つハロゲンを含まず、PVC床材と同等の基本物性
を有し、経済的にもPVC床の代替え可能なポリオレフ
ィン系床材が提供できた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)GPCにより測定された重量平均
    分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比 Mw/
    Mnが1.2〜4の範囲におさまり、Mnが10,00
    0〜2,000,000の立体規則性にすぐれたポリオ
    レフィンおよび(B)前記ポリオレフィンと相溶性の極
    性樹脂とを含有することを特徴とするポリオレフィン系
    床材。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィンが、(イ)エチレン
    60〜95モル%と(ロ)炭素数3〜12のα−オレフ
    ィンよりなる群から選らばれた少なくとも1種の単量体
    5〜40モル%よりなる共重合体である請求項1記載の
    ポリオレフィン系床材。
  3. 【請求項3】 前記極性樹脂が、α,β−不飽和酸、
    その酸無水物およびそれらのエステルとα−オレフィ
    ンとの共重合体、または前記で変性されたの重合体
    または共重合体である請求項1または2記載のポリオレ
    フィン系床材。
  4. 【請求項4】 前記(A)成分100重量部に対し、前
    記(B)成分10〜50重量部を配合してなる請求項
    1、2または3記載のポリオレフィン系床材。
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