JPH09316631A - 酸化アルミニウム膜及びその形成方法 - Google Patents
酸化アルミニウム膜及びその形成方法Info
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Abstract
可能な光吸収の小さな酸化アルミニウム膜が得られるア
ルミニウム膜の形成方法及びそれを用いた薄膜の形成装
置を得ること。 【解決手段】 酸化アルミニウム膜の形成方法におい
て、フッ素原子を含むガス中でアルミニウム含有ターゲ
ットをスパッタすること。
Description
膜及びその形成方法に関し、例えば基板上に反射防止膜
や反射増加膜としての薄膜(アルミニウム膜)を形成
し、光学部品として用いる際に好適なものである。
m)及び真空紫外領域(190〜230nm)に於いて
良好なる分光特性を有し、紫外領域及び真空紫外領域で
用いる光学部品を製造する際に好適なものである。
形成方法は、金属や絶縁材料、そして化合物でも比較的
容易に薄膜形成が出来ること等の理由で一般に広く利用
されている。スパッタ法にはマグネトロンスパッタや対
向スパッタ等種々のスパッタ法がある。このうちハイレ
ートでデポジションができるスパッタ法として磁場で電
子を閉じ込めプラズマ密度を高めたマグネトロンスパッ
タが一般的に知られている。
ス中でスパッタリングによりインジウム錫酸化物(IT
O)を成膜する方法が公表特許公報(特表平6−506
266号/国際公開番号WO92/17620)で提案
されている。
ングによりアルミニウムから成る金属膜を形成する方法
が米国特許第4,125,446号で提案されている。
するスパッタプロセスではアルミナ(Al2 O3 )又は
アルミ(Al)をターゲット材料として用い、スパッタ
リングガスとしてアルゴン(Ar)と酸素(O2 )の混
合ガスでスパッタやリアクティブスパッタで薄膜形成さ
れる方法がとられている。一般的にスパッタ薄膜形成及
びリアクティブスパッタ薄膜形成に於いては、ターゲッ
ト材料をイオンシース電圧で加速されたイオンで、ター
ゲット材料をたたき出し薄膜形成を行う。
ルミナ(Al2 O3 )ターゲットではイオン衝撃ではじ
き出されたアルミナスパッタ粒子は分解され、いろいろ
な形でターゲットから飛び出す。飛び出したスパッタ粒
子はプラズマ中や基板表面で酸素の衝突等により酸化さ
れる。
−70749号公報で提案されている。
タ薄膜形成装置)にイオン源を取り付けイオンを基板に
照射して反応性を高めるイオンアシスト効果を狙った成
膜装置がある。
平7−258845号公報等にはスパッタ中に異常放電
を防止するためにターゲット電極に正電圧パルスを印加
する様にしたスパッタ装置及び方法等が提案されてい
る。又酸化物とフッ化物の混合材料では、半導体の高速
化の観点から従来用いられていたシリコン酸化膜(Si
O2 )より誘電率の低いSiOF膜の検討がなされプラ
ズマ化学気相成長(CVD)でフッ素を含むガスを添加
してフッ素(F)原子を含有するSiOF膜を形成した
例が報告されている。
合欠陥である未結合手(ダングリングボンド)をゆう
し、含有される酸素原子の量が化学量論比を満たす量よ
り少ない膜となっている。
製造用の投影露光装置には高解像力化を図るために光源
として波長の短い(波長190〜230nm)真空紫外
光を放射するエキシマレーザーを用いた所謂エキシマス
テッパーが用いられている。
スパッタ薄膜形成装置で形成されたアルミナ(Al2 O
3 )薄膜はエキシマステッパー等で使用される紫外線、
特に真空紫外領域の光に対する光吸収が比較的大きい。
このため、この薄膜はArFエキシマステッパー用の光
学薄膜として使用することが困難である。
には20〜30枚のレンズが用いられている。これらの
各レンズのレンズ面には反射防止膜として屈折率の異な
る複数の誘電体材料を数層〜数十層の多層成膜をしてレ
ンズ面の反射率を低くすることが重要になっている。
用い、レンズ1面の反射防止膜の吸収率が紫外線や真空
紫外領域の使用波長で1%あるとする。そうすると光の
透過率はベキ乗で減衰するために54.7%(0.99
の60乗)に減少してしまう。又反射防止膜に光吸収が
あるとArFエキシマレーザーが照射されたとき、吸収
が熱に変換され、レンズの歪みで焼き付け像性能に影響
を与えてくる。特に、エキシマレーザー光が集中する部
分では反射防止膜が破壊される恐れがある等の問題を有
している。
おいて光吸収が少なく良好なる分光特性を有する光学薄
膜、例えばフッ素を含有する酸化アルミニウム膜及びそ
の形成方法の提供を目的とする。
の成膜装置としての各要素及び成膜方法の工程を適切に
設定することによって、特にアルミナ(Al2 O3 )薄
膜を基板上に適切に成膜することによって紫外領域及び
真空紫外領域に於いて光吸収が少なく、かつ所定の分光
特性が容易に得られる紫外領域及び真空紫外領域を対象
とした光学系に好適なスパッタ薄膜形成方法及びそれを
用いたスパッタ薄膜形成装置の提供を目的とする。
ム膜の形成方法は、 (1-1) 酸化アルミニウム膜の形成方法において、フッ素
原子を含むガス中でアルミニウム含有ターゲットをスパ
ッタすることを特徴としている。
こと。
は、0.2%乃至20%であること。
SiF4 ,CF4 ,C2 F2 ,C4F8 から選択される
少なくとも1つであること。
なくともいずれか1つと、H2 Oとを含むこと。
を含むこと。
なくともいずれか1つと、H2 OとO2 とHeとを含む
こと。
しながら酸化アルミニウム膜の形成を行うこと。
縁基板上に形成されること。
は蛍石であること。等を特徴としている。
こと。
れていること。
%以上あり、水酸基が0.5重量%以上含有されている
こと。 等を特徴としている。
されていることを特徴としている。
アルミニウム原子の数をNAとし、アルミニウム以外の
原子の数をNEとした場合、 1.55<NE/NA<1.85 の式を満たすことを特徴としている。
Aとし、酸素原子の数をNOとした場合、 1.55<NO/NA<1.75 の式を満たすこと。
アルミニウム原子と化学結合している割合が、95%以
上であり、且つ水素原子と化学結合している割合が2.
0%以上であること。等を特徴としている。
板の上に形成されていることを特徴としている。
てプラズマを発生させ、該プラズマ中のイオンを加速さ
せてターゲットからアルミ若しくはアルミナを飛び出さ
せて基板にアルミナ薄膜を形成させるスパッタ薄膜形成
方法に於いて、該アルミナ薄膜をスパッタリングガスに
フッ素又はフッ素化合物のガスを添加して形成している
ことを特徴としている。
酸素であること。
のガス添加量が、前記スパッタリングガスの0.5%か
ら20%以内であること。
3 ,SiF4 ,CF4 ,C2 F2 ,C4 F8 のうちの1
つ又は複数であること。
でいること。
セルフバイアスがアース近傍電位になる手段を利用して
おり、更にアース近傍電位と同期してフッ素又はフッ素
化合物の添加ガスが同期して導入されること。
電圧がアース近傍電位となる手段を利用し、その繰り返
し周波数が0.1Hz以下であること。等を特徴として
いる。
高周波を印加して該真空槽内にプラズマを発生させ、該
プラズマ中のイオンを加速させて該真空槽内に設けたタ
ーゲットからアルミ若しくはアルミナを飛び出させて該
真空槽内に設けた基板にアルミナ薄膜を形成させるスパ
ッタ薄膜形成装置に於いて該アルミナ薄膜をスパッタリ
ングガスにフッ素又はフッ素化合物のガスを添加して形
成していることを特徴としている。
酸素であること。
のガス添加量が、前記スパッタリングガスの0.5%か
ら20%以内であること。
3 ,SiF4 ,CF4 ,C2 F2 ,C4 F8 のうちの1
つ又は複数であること。
セルフバイアスがアース近傍電位になる手段を利用して
おり、更にアース近傍電位と同期してフッ素又はフッ素
化合物の添加ガスが同期して導入されること。
電圧がアース近傍電位となる手段を利用し、その繰り返
し周波数が0.1Hz以下であること。等を特徴として
いる。
装置の要部概略図である。図中、1は反応室としての真
空槽である。真空槽1には、その内部を排気するための
排気手段2と、その内部に各種のガスを導入するガス導
入手段12、そしてその内部に設けたシャッター板16
を駆動させるためのシャッター駆動系17等が取り付け
られている。真空槽1の内部にはカソード電極3とカソ
ード電極3に対向する位置に基板6を保持する基板ホル
ダー5が配置されている。カソード電極3にはターゲッ
ト材であるアルミ(Al)ターゲット4が取り付けられ
ている。基板ホルダー5は取着した基板6を加熱するこ
とが出来る機構を有している。シャッター板16は基板
5の下方に配置され基板5に薄膜(アルミナ薄膜)を形
成するタイミング(時刻)を調整している。
を整合するためのマッチングボックス7を介して高周波
電源8が接続されている。又前記カソード電極3には高
周波電源8からの高周波成分をカットするローパスフィ
ルター9を介してスイッチ10の一方の端子が接続され
ている。又スイッチ10のもう一方の端子にはプラズマ
の自己バイアス分に相当するDC電圧を印加する為の直
流電源11が接続されている。
酸素(O2 )とフッ素を含むガスであるのNF3 ガスが
それらのガスの供給を調整するためのマスフロー13,
14を介して配管されている。又フッ素を含むガスであ
るNF3 の供給を調整するマスフロー14とスイッチ1
0を制御するための制御系15とが接続されている。
気手段2で十分に排気した後、まずガス導入手段12の
マスフロー13を介して酸素ガス(O2 )を200sccm
導入する。尚、このときアルゴンガスが含まれていても
良い。高周波電源8より高周波電力をマッチングボック
ス7を介してカソード電極3及びAlターゲット4に供
給してプラズマ18を発生させている。このとき高周波
の反射波が最小値となる様にマッチング調整を行いなが
ら設定値まで高周波電力を供給する。ターゲット4の表
面のクリーニング及び放電の安定を目的としたプリスパ
ッタ工程終了後、シャッター駆動系17の駆動力でシャ
ッター板16を開き、基板5上への薄膜形成を開始す
る。
0,11,15はターゲット材料が金属(Al)でスパ
ッタ放電中、一時的に繰り返しセルフバイアスがアース
近傍電位になる手段の一要素を構成している。
装置では、スパッタ薄膜形成時に於いてフッ素又はフッ
素化合物ガスを添加する手段を用いたもので、スパッタ
薄膜形成時に添加されたフッ素又はフッ素化合物は、プ
ラズマ放電中で複雑な分解によりフッ素原子,フッ素イ
オンやフッ素ラジカルが生成される。生成されたフッ素
原子,フッ素イオンやフッ素ラジカルは非常に反応性が
高く、更に1価のため、スパッタ形成された薄膜の結合
欠陥の未結合手(ダングリングボンド)と結合してター
ミネートしやすい。
にアース電位近傍の電圧にすることによりプラズマは継
続するが、ターゲット表面へのイオン加速は減少してス
パッタリングは抑えられ薄膜はほとんど形成されなくな
る。自己バイアスがアース近傍電位になるのと同期し
て、フッ素又はフッ素化合物の添加ガスが導入されると
プラズマ中で分解されフッ素原子,フッ素イオンやフッ
素ラジカル等が基板表面の結合欠陥の未結合手(ダング
リングボンド)と結合してターミネートする。
表面の反応を主とするプロセスを繰り返し行うことによ
り形成された膜中の結合欠陥の密度を減少することが出
来る様にしている。
低吸収で紫外線や真空紫外レーザーの照射耐久のある良
好な光学薄膜を得ている。
ナ薄膜を形成する際の各種の動作を示すタイムチャート
である。
薄膜形成初期のターゲット4に供給される振幅が高周波
電圧スイッチ10の制御信号,ガス(O2 とNF3 ガ
ス)供給系の導入状況をタイムチャートで表している。
放電開始前にターゲット4に振幅Vrfをもつ高周波電
圧が供給されるとその電界に沿って質量の軽い電子が追
従する。電子は質量の重いガス分子と衝突してプラズマ
が発生する。ターゲット4の表面では電子とイオンの移
動度の差で電子が蓄積され、負のバイアス(Vb)電圧
がかかる。
6を開き、基板5への薄膜形成が開始される。薄膜形成
開始25sec 後、制御系15よりスイッチ10及びNF
3 ガスの供給調整用のマスフロー14に制御信号が5se
c 間供給される。マスフロー14への制御信号によりス
イッチ10は5sec 間、閉状態となり、フッ素ガスが供
給される。又直流電源11からはDC電圧が供給され
る。このDC電圧の出力設定値は自己バイアス電圧とほ
ぼ同等の値で逆極性の値である。よってターゲット4の
表面に蓄積された電子はカソード電極3,ローパスフィ
ルター9,スイッチ10を通って直流電源11に流れバ
イアスはアース電位近傍の値となる。このとき、ターゲ
ット4には高周波電圧が印加され続けているのでプラズ
マは引き続き継続される。
14にスイッチ10の信号に同期して制御信号が供給さ
れると真空槽1の内部に設定流量のNF3 ガスが5sec
間供給される。供給されたNF3 ガスはプラズマ18中
で分解され反応性の高い1価のフッ素原子,フッ素ラジ
カル,フッ素イオン等が生成され、基板5上に成膜され
たアルミナ薄膜の結合欠陥の未結合手と反応する。この
ときプラズマ18中では窒素原子,窒素ラジカル等が生
成されるが酸化反応,フッ化反応に比べて反応性が低い
ため、基板5上に成膜されたアルミナ薄膜の窒化反応は
発生していない。
を主としたプロセスを繰り返し成膜することにより結合
欠陥の少ない良好な薄膜を形成している。
は成膜速度に大いに関係がある。信号サイクルとしては
0.1Hz以下のサイクルが好ましい。本実施形態では
5×15インチのAlターゲット5に高周波電力2.5
kw供給したとき、Al2 O3 薄膜の成膜速度は0.0
3nm/sec でアルミナ分子は0.数nmのため、約1
層成膜した後に反応プロセスを行う様に設定した。
の高いフッ素系ガスを導入するため、真空槽1及び真空
槽1の内部の各部品は耐フッ素性があり、しかも膜中に
コンタミ(不純物)として混入しても問題の少ないアル
ミ(Al)材を用いるのが好ましい。
整用のマスフロー14は、真空槽1に出来るだけ近くに
配置しガス導入の遅延時間を最小にするのが良い。更に
ガス導入の遅延時間を考慮した信号を制御系15よりマ
スフロー14に供給する方法が好ましい。
てNF3 ガスを用いたが、NF3 ガスのかわりにF2 ,
SiF4 ,CF4 ,C2 F2 ,C4 F8 等を用いても良
い。これらのガス種は下記の条件を満足するものとして
選択されたものである。
ボンド)とフッ素原子が結合してターミネートするた
め、フッ素ガス又はフッ素化合物ガスであること。
結合している原子が酸化したとき、その材料の持つ吸収
端が真空紫外領域であること。
結合している原子が酸化反応やフッ化反応より反応性が
低いこと。
て、フッ素又はフッ素化合物ガスの添加量はそれ以外の
全てのガスに対して0.2%乃至20%より、好ましく
は0.5%乃至20%であり、スパッタガスの0.5%
以上20%以下がより好ましい。0.5%以下であると
スパッタ形成された薄膜の結合欠陥である未結合手(ダ
ングリングボンド)と結合してターミネートする効果が
有り、特に波長が300nm以下の紫外線領域から19
3nmの真空紫外領域まで光吸収のない膜が得られる。
量がスパッタガスの20%以上となるとアルミナ薄膜を
形成するプロセスでは、下記のような不具合が生じてく
る。
度が非常に早く、パルス的な反応ガス導入時の添加量が
多いと残留フッ素の影響でスパッタ形成されたアルミナ
薄膜中に大量のフッ化アルミ(AlF3 )が形成されて
しまう。フッ化アルミ(AlF3 )はその材料特有の性
質上、大気中の水分の影響で溶け出す潮解性を有し、こ
のため、環境耐久上に問題を有する。
域から波長193nmの真空紫外領域の反射防止膜等の
光学特性を得るためには、高屈折率材料と低屈折率材料
が必要であるが、上記波長領域では使用可能な高屈折率
の光学材料は現在のところない。そのため、波長が19
3nmに於いて屈折率がn=1.85の中間屈折率材料
であるアルミナ(Al2 O3 )を用い、光学特性を出し
ている。例えば低反射率高帯域の反射防止膜を得るため
には中間屈折率と低屈折率の屈折率差が大きい程良好な
光学特性を得ることが出来る。フッ化アルミ(AlF
3 )は、波長が193nmに於いて屈折率がn=1.4
5の低屈折率材料であるためにスパッタ薄膜形成された
膜中のフッ素混入量が20重量%を越えるアルミナ膜で
は屈折率がn=1.77以下の値になりSiO2 ,Mg
F2 ,CaF2 等の低屈折率材料との屈折率差が小さく
なり、良好な光学特性を得ることが困難となる。
形成方法やスパッタ薄膜形成装置を利用して得られたア
ルミナ薄膜を施したレンズやミラー等の光学部品を半導
体デバイス製造用の投影光学系に用いている。これによ
って半導体デバイスを効率的に製造している。
る際の成膜装置としての各要素及び成膜方法の工程を適
切に設定することによって、特にアルミナ(Al2 O
3 )薄膜を基板上に適切に成膜することによって紫外領
域及び真空紫外領域に於いて光吸収が少なく、かつ所定
の分光特性が容易に得られる紫外領域及び真空紫外領域
を対象とした光学系に好適なスパッタ薄膜が得られる。
パッタによって薄膜形成されたアルミナ薄膜は、結合欠
陥の未結合手(ダングリングボンド)を有するアルミナ
薄膜であり、紫外線や真空紫外領域での光学特性はこの
結合欠陥の未結合手(ダングリングボンド)が紫外線や
真空紫外領域の光を吸収し吸収のある膜となっていた。
な結合欠陥の未結合手(ダングリングボンド)が形成さ
れるアルミナ薄膜形成プロセスにフッ素又はフッ素化合
物ガスをターゲットの自己バイアス制御と同期しながら
添加して、成膜を主にするプロセスと基板表面の反応を
主とするプロセスを繰り返し行い、これによって形成さ
れた膜中の結合欠陥の密度を減少させて紫外線や真空紫
外領域での光吸収を減少した膜を得ている。
ミナ薄膜は、KrFやArFエキシマレーザーの様な紫
外線や真空紫外領域のレーザーを照射してもレーザー照
射耐力があり、更に波長が300nm以下の紫外線から
真空紫外領域で使用可能な光学材料に於いて高い屈折率
を有し、前記領域での使用可能なSiO2 ,MgF2,
CaF2 等の低屈折率材料と組み合わせれば低反射率高
帯域の反射防止膜等を有する光学素子を容易に得ること
が出来る。
る成膜装置を示すもので、これはフッ素の量をモニタし
ながら成膜ができる装置である。この装置は排気口に接
続された排気手段2である真空ポンプによって排気され
る成膜室1と、その内部に配設された保持手段である基
板ホルダ5と、該基板ホルダ5に対向する成膜粒子発生
手段である回転ターゲットユニット53と、これに電流
を供給する電源8,11と成膜室1に反応ガスをマスフ
ローコントローラ13,14,19を介してそれぞれ導
入する為の反応ガス供給ライン13a,14a,19a
を備えた反応ガス供給系と、成膜室1内の雰囲気中のフ
ッ素を検出するための検出手段である質量分析器51
と、これに接続された制御手段であるCPU15を有
し、該CPU15は、質量分析器51の出力に基づい
て、成膜室1内を加熱するヒーター50、各反応ガス供
給ライン13a,14a,19aのマスフローコントロ
ーラ13a,14a,19a、電源8,11等を制御す
る。
である基板6を加熱するためのヒーター5aを有し、図
示しない回転駆動装置によって軸O1 のまわりに回転さ
れる。回転ターゲットユニット53は、基板ホルダ5の
軸O1 に直行する軸O2 のまわりに回転自在なターゲッ
トホルダと、これに保持された一対のターゲット4を有
し、両ターゲット4はその対向面にそれぞれマグネット
4aを備えている。
層膜等を製作するときは、ターゲットホルダを回転させ
て各ターゲット4を交互に使用し、成膜室1を外部の雰
囲気に開放することなく連続的に各層の成膜を行なうこ
とができる。
素発生量をフッ素イオン電流値として検出し、これをC
PU15に導入して反応ガス供給系を制御する。
って求めてCPU15に記憶させておく。CPU15
は、質量分析器51の検出値をCPU15に記憶された
データと比較して反応ガス供給系を制御する。
のフッ素量を所定量にすることで、設計値通りの屈折率
を有する薄膜を安定して成膜できる。その結果、光学薄
膜の品質の改善と生産性の向上に大きく貢献できる。
特開平7−70749号公報に開示されているように、
成膜中のスパッタガスや反応ガス以外にH2 Oを導入し
ており、これによってKrFエキシマレーザの波長であ
る248nm近辺の光に対して光学的吸収の発生はなか
った。
光学系に用いる光学部品用に上記方法と同じ成膜法で薄
膜を形成したものは、193nm波長の光の吸収がみら
れた。
般的に波長が短くなると光の透過する割合が減少、つま
り光学的な透過率が減少し、薄膜内部で光学的吸収が発
生する。よってKrFエキシマレーザより更に波長の短
いArFレーザの波長(193nm)近辺の光等に対し
ては、上記従来例技術をもってしても光学的吸収の解消
を充分に実現できなかったものと考えられる。
ティングする本来の目的である透過率の上昇を妨げるこ
とになり、また薄膜内部で光が熱に変換され、基板であ
るガラス等の光学素子の温度上昇を招き素子の機能を悪
化させる要因となりうるため極力解消する事が望まれ
る。
て、ミクロ的視点から考察すると、結合欠陥が存在する
ことが第一要因として挙げられる。
グリングボンド)を有した原子が存在することであり、
これが光学的吸収を引き起こす。そこでこの未結合手を
解消するには、その部位にフッ素や水酸基(OH)を配
し、未結合手をこれらと結合させることが有効である。
未結合手を解消し、短波長でも光学的吸収のない薄膜と
その作成方法を提供することにある。
F4 ガスとNF3 ガスのうち少なくとも1種と、H2 O
とを少なくとも同時に該容器内に導入して薄膜を堆積さ
せる方法である。この方法によりCF4 ガスやNF3 ガ
スは、プラズマ中で分解され、Fを生成し、またH2 O
は水酸基を生成し、これらが薄膜中の未結合手と結合し
て光学的吸収を解消する。
は、薄膜中のフッ素の含有量を2.0重量%以上、より
好ましくは2.0〜20重量%になるように、成膜の際
の流量を設定すると、更なる吸収の低減が可能となる。
薄膜中の水酸基の含有量を0.5重量%以上になるよう
に、成膜の際の流量を設定すると、更なる吸収の低減が
可能となる。
て、薄膜中のフッ素の含有量を2.0重量%以上、且つ
水酸基の含有量を0.5重量%以上になるように、成膜
の際の流量を設定すると、光学的吸収がないアルミナ膜
が得られる。
いられる光学薄膜の形成装置について説明する。
板ホルダー5と、ターゲット4を保持する為のターゲッ
トホルダー3とが設けられている。
連続している。ターゲット4には高周波電源8から1
3.56MHz等の周波数をもつRF電圧が印加され
る。
ラとが設けられたスパッタガス供給手段であり、Ar又
はHe又はArとHeとの混合ガスが供給される。
103,104はフッ素原子を含有するガスの供給手段
であり、ここでは103を4フッ化炭素の供給手段、1
04を3フッ化窒素の供給手段として用意してある。
6で発生させた水蒸気をマスフローコントローラー及び
バルブを介して成膜室1内に供給できる。
む薄膜が形成された光学部品が用いられた露光装置につ
いて説明する。
縮小投影露光装置、レンズ式等倍投影露光装置が挙げら
れる。
エハーの1小区画(フィールド)を露光してはウエハー
を1ステップ移動させて隣の1フィールドを露光する、
ステップ・アンド・リピート方式を採用したステッパー
が望ましい。勿論、マイクロスキャン方式の露光装置に
も好適に用いられる。
す。同図において21は照明光源部であり、22は露光
機構部であり、21,22は別個独立に構成されてい
る。即ち両者は物理的に分離状態にある。23は照明光
源で、例えばエキシマレーザのような高出力の大型光源
である。24はミラーであり、25は凹レンズ、26は
凸レンズであり、25,26はビームエキスパンダーと
しての役割を持っており、レーザのビーム系をおおよそ
オプティカルインテグレータの大きさに広げるものであ
る。27はミラーであり、28はレチクル上を均一に照
明する為のオプティカルインテグレータである、照明光
源部21はレーザ23からオプティカルインテグレータ
28までで構成されている。29はミラーであり、30
はコンデンサーレンズでオプティカルインテグレータ2
8を発した光束をコリメートする。
ル、31aはレチクルを吸着保持するレチクルホルダ、
32はレチクルのパターンを投影する投影光学系、33
は投影レンズ32においてレチクル31のパターンが焼
付けられるウエハである。34はXYステージでありウ
エハ33を吸着保持し、かつステップアンドリピートで
焼付けを行う際にXY方向に移動する。35は露光装置
の定盤である。
るミラー29から定盤35までで構成されている。36
はTTLアライメントに用いられるアライメント手段で
ある。通常露光装置は、この他にオートフォーカス機
構、ウエハー搬送機構等々によって構成されこれらも露
光機構部22に含まれる。
学部品の一例であり、図4に示す露光装置の投影光学系
に用いられるレンズである。このレンズアセンブリはL
1 〜L11の11枚のレンズをお互いに接着することなく
組み合わせて構成されている。そしてフッ素及び水酸基
を含む光学薄膜は図6,図7に示すレンズやミラー或い
は不図示ではあるがミラー式露光装置のミラーやレンズ
の表面に反射防止膜または像反射膜として設けることが
できる。
に導入する効果を、スパッタ法による成膜方法で例を挙
げ示す。
を用いたアルミニウムターゲット4を高周波電力が印加
可能で且つ裏面にマグネットが設置されたホルダー3上
に配置した。被積層物である基板6を真空容器1内に配
置した。ガス供給手段を介してAr,O2 ,CF4 ,N
F3 ,H2 Oをそれぞれ別々にに容器1内に導入した。
尚、H2 Oは恒温漕7で、液体から水蒸気に気化させて
導入した。
れ20sccm、80sccm導入しながら、H2 O及
びCF4 ガスをそれぞれ2.0sccm、3.5scc
m真空容器内に導入して、アルミナ膜をそれぞれ石英基
板上に約100nm堆積させた。
示す装置を用いてO2 を100sccm導入しながら、
H2 O,CF4 ガスを3種類の流量の組み合わせで真空
容器内に導入して、アルミナ膜をそれぞれ石英基板上に
約100nm堆積させ、光学的吸収率を測定した。その
結果を表1に示す。
率、反射率を測定し(100%−透過率−反射率)で表
示した。またそれを計測した波長はArFレーザの波長
である193nmとした。
しない本実施形態の方がすべてのサンプルにおいて光学
的吸収を小さくでき、且つH2 O、CF4 ガスの両者を
導入して成膜したアルミナ膜は最も光学的吸収率が小さ
いことが判明された。
4に示す装置を用いて、酸素を一定流量である100s
ccmを導入しながらH2 OとCF4 の導入量を変化さ
せて作成したアルミナ膜の膜中に含まれる水酸基とフッ
素の、膜全重量に対する比率と光学的吸収量との関係を
調べた。
率、反射率を測定し、(100%−透過率−反射率)で
表示した、またそれを計測した波長はArFレーザの波
長である193nmとした。またアルミナ膜の分析はE
SCAを使用して水酸基とフッ素の存在率を調べた。
的吸収が急激に低減し、一方フッ素は2.0重量%以上
であると光学的吸収が低減する傾向がみられる。更に水
酸基が0.5重量%以上で且つフッ素が2.0重量%以
上であると0.2%以下という非常に小さい光学的吸収
が実現できる。
4 ガスとNF3 ガスのうち少なくとも1種と、H2 Oと
を少なくとも同時に該容器内に導入することにより、光
学的吸収の小さいフッ素と水酸基とを含む酸化物薄膜を
作成することが可能となった。
スは、それらがスパッタリングで発生するプラズマ中で
分解され生じるF原子が、薄膜中の欠陥の一種である未
結合手(ダングリングボンド)の部位に配されることに
よって光学的吸収を低減させる効果を有しているが、こ
のF原子が薄膜中に過剰に取り込まれることにより薄膜
の屈折率を低減させることがある。
い。しかしこのように薄膜の屈折率が低減してしまう
と、光学的機能を持たせる薄膜においては、任意の光学
特性を得る為の設計が難しくなる。
ることが望まれる。ところがCF4やNF3 の導入量を
減らしすぎると逆に光学的吸収の低減が望めなくなる。
おいて光学的吸収がなく且つ屈折率の高いフッ素を含む
薄膜を提供することを目的とする。
で薄膜を作成する際に、酸素、H2O,CF4 やNF3
ガスのうち少なくとも一方、そしてHeを真空容器内に
導入して薄膜を堆積させる方法である。
中で励起され準安定原子となり、これが酸素と反応する
と活性化酸素を生じさせ、膜の酸化不足を解消し、光学
的吸収を低減させることである。そして一方、Heを導
入することなくCF4 やNF3 ガスを導入した場合のよ
うな屈折率の低下はない。
は紫外光域において光学的吸収を十分に解消することは
望めないので、これらに加えてCF4 やNF3 ガスも導
入しなければならない。
で、且つ屈折率を極力低下させないためには、まず酸
素、H2 O、Heの3種のガスの導入量を光学的吸収が
最も低減できるよう最適化し、そして再度光学的吸収が
低減できる様、CF4 やNF3 の導入量を最適化する方
法を採ることがより好ましいものである。
程において、薄膜中の水酸基の含有量を0.5重量%以
上且つ、フッ素が2.0重量%以上含まれるよう成膜の
際のガス流量を調整すると、更なる光学的吸収の低減が
可能となる。
用いた。ターゲットホルダー3にアルミニウムターゲッ
トを配し、He,酸素、CF4 ,H2 Oを導入してスパ
ッタした。
m、H2 O、He、NF3 ガスの流量は表3に示すよう
に4種類の組み合わせで真空容器内に導入し、ターゲッ
トに高周波電力を500W印加して、それぞれAl2 O
3 膜を石英基板上に約100nm堆積させ、光学的吸収
率と屈折率を測定した。その結果も表2に示す。
率、反射率を測定し(100%−透過率−反射率)で表
示した。またそれを計測した波長はKrFエキシマレー
ザの波長248nmと、ArFレーザの波長である19
3nmとした。一方屈折率はArFレーザの波長である
193nmでの値を算出した。
たことにより屈折率の低減は少ないまま光学的吸収は低
減されるが、解消はされない。一方サンプル5はCF4
を多量に導入する事により光学的吸収率は0%にまで減
少するが、屈折率もかなり減少する。そこでサンプル6
のH2 O,Heの導入量を維持しながら光学的吸収が0
%になるようにCF4 の流量を調節すると、屈折率がサ
ンプル4と比較しても大きく低減しないサンプル7の膜
が得られる。
を最適化して導入したサンプル7が248nm及び19
3nmで光学的吸収がなく、かつ屈折率も高い膜が得ら
れた。
4の装置を用いて、所定量のHeガスを導入するととも
に酸素を一定流量である100sccmを導入しなが
ら、H2 OとCF4 の導入量を変化させて作成したAl
2 O3 膜の膜中に含まれる水酸基とフッ素の膜全重量に
対する重量比率と光学的吸収率との関係を図5に示す。
率、反射率を測定し(100%−透過率−反射率)で表
示した。またそれを計測した波長はArFレーザの波長
である193nmとした。またAl2 O3 膜の分析はE
SCAを使用して水酸基とフッ素の存在率を調べた。
ると、光学的吸収が急激に低減し、一方フッ素は2.0
重量%以上であると、光学的吸収が急激に低減し、更に
導入量を増大させても6.0重量%以上膜中に含まれる
ことはなかった。そこで水酸基が0.5重量%以上且つ
フッ素が2.0重量%以上の範囲では0.1%以下とい
う非常に小さな光学的吸収が実現できることが分かる。
膜を作成する際、CF4 ガスとNF3 ガスのようなフッ
素含有ガスの少なくとも1種と、H2 OとHeを少なく
とも同時に導入し、スパッタリングを行なうことによ
り、光学的吸収が小さく且つ屈折率の高い酸化物薄膜を
作成することが可能となった。
で使用されるAl2 O3 光学薄膜を製作する際には、光
学的吸収を低減するため、AlとOの結合を化学量論的
な組成に乗っ取り、Al:O=2:3の割合での結合が
最適と考えられていた。
O3 膜も、ArFエキシマレーザ波長である、193n
mにおいて、吸収は低減されなかった。
O3 光学薄膜を形成するスパッタ装置に、成膜時に真空
容器内に導入するガスを通常のO2 に加え、Hを含むガ
スやF化合物、Heを含むガスである薄膜作成法を用い
た。その薄膜作成法で作成される薄膜は膜中のOがAl
と2:3の結合ではなく、Oが過剰にAlと結合してい
る膜である。また、OH結合も含まれており、余った結
合手をターミネートしていると考えられる。こうするこ
とにより、ArFエキシマレーザ波長193nmにおい
て、低吸収な膜となる。この状態が、ArFエキシマレ
ーザ波長193nmにおいて、低吸収となる条件であ
る。
いた。まずサンプル8を作成した。ターゲットにはAl
を用い、電源にはRFを用いた。基板には石英を用い
た。
を説明する。まず、1×104 Pa以下まで真空槽内を
排気する。その後、ガス導入口からO2 ガスを100s
ccm程度、Heガスを100sccm程度、さらにH
2 Oガスを2sccm程度導入する。次に、電源からの
電力をターゲットに供給し、プラズマを発生させる。こ
のプラズマによりターゲット成分であるAlがスパッタ
され、酸素と反応し、基板上に酸化アルミニウム膜を形
成する。この方法にて成膜された酸化アルミニウム膜に
ついてESCAにて分析を行ったところ、膜中における
AlとO原子の存在比は1:1.7であることを確認し
た。また膜中のO原子のうちAlと結合しているものの
比率は96.4%であり、OH結合しているものの割合
は3.6%であった。
膜について、ArFエキシマレーザー波長193nmに
おける光吸収率は、膜厚100nmあたり、僅か0.6
%であった。
ゲットにはAlを用い、電源にはRFを用いた。基板に
は石英を用いた。まず、1×10-4Pa以下まで真空槽
内を排気する。その後、ガス導入口からO2 ガスを10
0sccm程度、Heガスを200sccm程度、さら
にH2 Oガスを2sccm程度導入する。
し、プラズマを発生させる。このプラズマによりターゲ
ット成分であるAlがスパッタされ、酸素と反応し、基
板上に膜を形成する。この方法にて成膜された膜につい
て、ESCAにて分析を行ったところ、膜中におけるA
lとO原子の存在比は、1:1.71であることを確
認、また膜中のO原子のうちAlと結合しているのは、
96.9%であり、OH結合している割合が、3.1%
であった。
膜について、ArFエキシマレーザ波長193nmにお
ける光吸収率は膜厚100nmあたり、僅か0.3%で
あった。
ーゲットにはAlを用い、電源にはRFを用いた。基板
には石英を用いた。まず、1×10-4Pa以下まで真空
槽内を排気する。その後、ガス導入口からO2 ガスを1
00sccm程度、CF4 ガスを3.5sccm程度、
さらにH2 Oガスを2sccm程度導入する。次に、電
源からの電力をターゲットに供給し、プラズマを発生さ
せる。このプラズマによりターゲット成分であるAlが
スパッタされ、酸素と反応し、基板上に膜を形成する。
この方法にて成膜された酸化アルミニウム膜について、
ESCAにて分析を行ったところ、膜中におけるAlと
OとF原子の存在比は1:1.59:0.21であるこ
とを確認、また膜中のO原子のうちAlと結合している
のは、97.3%であり、OH結合している割合が、
2.7%であった。また、膜中のFは、Alとは結合し
ていない。
膜について、ArFエキシマレーザー波長193nmに
おける光吸収率は、膜厚100nmあたり、僅か0.0
1%であった。
ーゲットにはAlを用い、電源にはRFを用いた。基板
には石英を用いた。まず、1×10-4Pa以下まで真空
槽内を排気する。その後、ガス導入口からO2 ガスを1
80sccm程度、Heガスを200sccm程度、さ
らにH2 Oガスを30sccm程度導入する。
し、プラズマを発生させる。このプラズマによりターゲ
ット成分であるAlがスパッタされ、酸素と反応し、基
板上に膜を形成する。この方法にて成膜された酸化アル
ミニウム膜について、ESCAにて分析を行ったとこ
ろ、膜中におけるAlとOの存在比は1:1.65であ
ることを確認、また膜中のO原子のうちAlと結合して
いるのは、97%であり、OH結合している割合が3%
であった。
膜について、ArFエキシマレーザー波長193nmに
おける光吸収率は、膜厚100nmあたり、僅か0.3
%であった。
す。低温でArFエキシマレーザー波長193nmにお
ける光吸収率が、1%以下のAl2 O3 を主とする光学
薄膜ができた。
アルミニウム原子の数をNAとし、アルミニウム以外の
原子の数をNEとした場合、NAに対するNEの比、N
E/NAが、1.55より大きく1.85未満である膜
が良好な特性を示す。
場合に、NAに対するNOの比、NO/NAが、1.5
5より大きく1.75未満であることが望ましい。
酸素原子の割合が95%以上であり、水素原子と結合し
ている酸素原子の割合が、2.0%以上であることがよ
り好ましい。
設定することによって、紫外領域、特に真空紫外領域に
おいて光吸収が少なく良好なる分光特性を有する光学薄
膜、例えばフッ素を含有する酸化アルミニウム膜及びそ
の形成方法を達成することができる。
する際の成膜装置としての各要素及び成膜方法の工程を
適切に設定することによって、特にアルミナ(Al2 O
3 )薄膜を基板上に適切に成膜することによって紫外領
域及び真空紫外領域に於いて光吸収が少なく、かつ所定
の分光特性が容易に得られる紫外領域及び真空紫外領域
を対象とした光学系に好適なスパッタ薄膜形成方法及び
それを用いたスパッタ薄膜形成装置を達成することがで
きる。
膜形成初期に於けるターゲットに供給される高周波電圧
VrF,自己バイアスVb及び制御信号,ガス供給系の
導入状況をタイムチャートで表した図
置の実施形態の要部概略図
略図
吸収率との関係を示す説明図
面図
Claims (33)
- 【請求項1】 酸化アルミニウム膜の形成方法におい
て、フッ素原子を含むガス中でアルミニウム含有ターゲ
ットをスパッタすることを特徴とする酸化アルミニウム
膜の形成方法。 - 【請求項2】 前記ガスは酸素を含むことを特徴とする
請求項1の酸化アルミニウム膜の形成方法。 - 【請求項3】 前記ガスは酸素とH2Oとを含むことを
特徴とする請求項1の酸化アルミニウム膜の形成方法。 - 【請求項4】 前記ガスに添加されるフッ素ガスは、
0.2%乃至20%であることを特徴とする請求項1の
酸化アルミニウム膜の形成方法。 - 【請求項5】 前記フッ素ガスはF2 ,NF3 ,SiF
4 ,CF4 ,C2 F2 ,C4 F8 から選択される少なく
とも1つであることを特徴とする請求項4の酸化アルミ
ニウム膜の形成方法。 - 【請求項6】 前記ガスはCF4 又はNF3 の少なくと
もいずれか1つと、H2 Oとを含むことを特徴とする請
求項1の酸化アルミニウム膜の形成方法。 - 【請求項7】 前記ガスは更に酸素とヘリウムとを含む
ことを特徴とする請求項6の酸化アルミニウム膜の形成
方法。 - 【請求項8】 前記ガスはCF4 又はNF3 の少なくと
もいずれか1つと、H2 OとO2 とHeとを含むことを
特徴とする請求項1の酸化アルミニウム膜の形成方法。 - 【請求項9】 前記ガス中のフッ素の量をモニタしなが
ら酸化アルミニウム膜の形成を行うことを特徴とする請
求項1の酸化アルミニウム膜の形成方法。 - 【請求項10】 前記酸化アルミニウムは透光性絶縁基
板上に形成されることを特徴とする請求項1の酸化アル
ミニウム膜の形成方法。 - 【請求項11】 前記透光性絶縁基板は、石英又は蛍石
であることを特徴とする請求項10の酸化アルミニウム
膜の形成方法。 - 【請求項12】 フッ素を含有することを特徴とする酸
化アルミニウム膜。 - 【請求項13】 前記フッ素の含有量は2.0重量%以
上であることを特徴とする請求項12の酸化アルミニウ
ム膜。 - 【請求項14】 水酸基が0.5重量%以上含有されて
いることを特徴とする請求項12の酸化アルミニウム
膜。 - 【請求項15】 前記フッ素の含有量は2.0重量%以
上あり、水酸基が0.5重量%以上含有されていること
を特徴とする請求項12の酸化アルミニウム膜。 - 【請求項16】 透光性絶縁基板の上に酸化アルミニウ
ム膜が形成された光学部品において、前記酸化アルミニ
ウム膜が請求項12から15のいずれか1項記載の酸化
アルミニウム膜であることを特徴とする光学部品。 - 【請求項17】 酸化アルミニウム膜において、該膜中
に含まれるアルミニウム原子の数をNAとし、アルミニ
ウム以外の原子の数をNEとした場合、 1.55<NE/NA<1.85 の式を満たすことを特徴とする酸化アルミニウム膜。 - 【請求項18】 前記膜中に含まれるアルミニウム原子
の数をNAとし、酸素原子の数をNOとした場合、 1.55<NO/NA<1.75 の式を満たすことを特徴とする請求項17の酸化アルミ
ニウム膜。 - 【請求項19】 前記膜中に含まれる酸素原子が、アル
ミニウム原子と化学結合している割合が、95%以上で
あり、且つ水素原子と化学結合している割合が2.0%
以上であることを特徴とする請求項18の酸化アルミニ
ウム膜。 - 【請求項20】 透光性絶縁基板の上に酸化アルミニウ
ム膜が形成された光学部品において、該酸化アルミニウ
ム膜が請求項18から20のいずれか1項記載の酸化ア
ルミニウム膜であることを特徴とする光学部品。 - 【請求項21】 真空槽内に於いてカソード電極に高周
波を印加してプラズマを発生させ、該プラズマ中のイオ
ンを加速させてターゲットからアルミ若しくはアルミナ
を飛び出させて基板にアルミナ薄膜を形成させるスパッ
タ薄膜形成方法に於いて、該アルミナ薄膜をスパッタリ
ングガスにフッ素又はフッ素化合物のガスを添加して形
成していることを特徴とするスパッタ薄膜形成方法。 - 【請求項22】 前記スパッタリングガスはアルゴン又
は/及び酸素であることを特徴とする請求項21のスパ
ッタ薄膜形成方法。 - 【請求項23】 前記フッ素若しくはフッ素化合物のガ
ス添加量が、前記スパッタリングガスの0.5%から2
0%以内であることを特徴とする請求項21又は22の
スパッタ薄膜形成方法。 - 【請求項24】 前記フッ素化合物はF2 ,NF3 ,S
iF4 ,CF4 ,C2 F2 ,C4 F8 のうちの1つ又は
複数であることを特徴とする請求項21,22又は23
のスパッタ薄膜形成方法。 - 【請求項25】 前記アルミナ薄膜はフッ素を含んでい
ることを特徴とする請求項21,22又は23のスパッ
タ薄膜形成方法。 - 【請求項26】 スパッタ放電中一時的に繰り返しセル
フバイアスがアース近傍電位になる手段を利用してお
り、更にアース近傍電位と同期してフッ素又はフッ素化
合物の添加ガスが同期して導入されることを特徴とする
請求項21又は22のスパッタ薄膜形成方法。 - 【請求項27】 スパッタ放電中のセルフバイアス電圧
がアース近傍電位となる手段を利用し、その繰り返し周
波数が0.1Hz以下であることを特徴とする請求項2
6のスパッタ薄膜形成方法。 - 【請求項28】 真空槽内に設けたカソード電極に高周
波電源から高周波を印加して該真空槽内にプラズマを発
生させ、該プラズマ中のイオンを加速させて該真空槽内
に設けたターゲットからアルミ若しくはアルミナを飛び
出させて該真空槽内に設けた基板にアルミナ薄膜を形成
させるスパッタ薄膜形成装置に於いて該アルミナ薄膜を
スパッタリングガスにフッ素又はフッ素化合物のガスを
添加して形成していることを特徴とするスパッタ薄膜形
成装置。 - 【請求項29】 前記スパッタリングガスはアルゴン又
は/及び酸素であることを特徴とする請求項28のスパ
ッタ薄膜形成装置。 - 【請求項30】 前記フッ素若しくはフッ素化合物のガ
ス添加量が、前記スパッタリングガスの0.5%から2
0%以内であることを特徴とする請求項28又は29の
スパッタ薄膜形成装置。 - 【請求項31】 前記フッ素化合物はF2 ,NF3 ,S
iF4 ,CF4 ,C 2 F2 ,C4 F8 のうちの1つ又は
複数であることを特徴とする請求項28,29又は30
のスパッタ薄膜形成装置。 - 【請求項32】 スパッタ放電中一時的に繰り返しセル
フバイアスがアース近傍電位になる手段を利用してお
り、更にアース近傍電位と同期してフッ素又はフッ素化
合物の添加ガスが同期して導入されることを特徴とする
請求項28又は29のスパッタ薄膜形成装置。 - 【請求項33】 スパッタ放電中のセルフバイアス電圧
がアース近傍電位となる手段を利用し、その繰り返し周
波数が0.1Hz以下であることを特徴とする請求項3
2のスパッタ薄膜形成装置。
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