JPH09316466A - 固形廃棄物と低品位炭の同時処理方法 - Google Patents

固形廃棄物と低品位炭の同時処理方法

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JPH09316466A
JPH09316466A JP8129968A JP12996896A JPH09316466A JP H09316466 A JPH09316466 A JP H09316466A JP 8129968 A JP8129968 A JP 8129968A JP 12996896 A JP12996896 A JP 12996896A JP H09316466 A JPH09316466 A JP H09316466A
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slurry
solid waste
coal
low
grade coal
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JP8129968A
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Kotaro Katagiri
光太郎 片桐
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Ube Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体廃棄物と低品位炭とを同時に処理するこ
とにより、プラントの設置面積も狭くてすみ、かつ石炭
や石油などの代替燃料となり得る高カロリの燃料用スラ
リを生成する。 【解決手段】 固形廃棄物を前処理した固形廃棄物スラ
リと、低品位炭を前処理した石炭スラリとを混合装置に
供給する。そして、混合装置に予めアルカリ性物質を添
加した混合スラリを得る。当該混合スラリを混合反応器
に搬送して、一定の操作条件下で反応を行なって固形廃
棄物の脱炭酸反応と低品位炭の改質を行なう。そして、
混合反応器から排出された脱炭酸された混合スラリは冷
却された後、湿式粉砕機で幾何平均径125μまで粉砕
され、発熱量6500〜7500Kcal/Kgの燃料
用スラリを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形廃棄物と低品
位炭を予め前処理した後反応器に供給して高温高圧の反
応条件下で反応させ、固形廃棄物については脱炭酸反応
させるとともに、低品位炭については熱的脱水法により
高発熱量の石炭に改質して高発熱量の反応生成混合スラ
リを得るようにした固形廃棄物と低品位炭の同時処理方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、我国における都市ごみのような固
形廃棄物は、最近の急速な経済発展と生活様式の変化に
よって年々激増の一途をたどり、従来の焼却もしくは埋
立方式による処分処理方法のみでは最早有効に処理し尽
し得ない段階に至っており、これに加え都市ごみの収集
に伴う交通公害、焼却場、埋立てに伴う用地難の問題お
よび悪臭汚水やハエの発生、焼却に伴う有害物質、粉塵
の発生等公衆衛生、生活環境に及ぼす種々の二次公害が
斉らされており重大な社会問題としてその解決が急がれ
ている。
【0003】当該固形廃棄物については、例えば、固形
廃棄物を数mm以下の粒径まで破砕してポンプで送れる
程度の含水率の原料スラリとしてから、水熱反応させて
カーボンスラリとし、さらにカーボンスラリが水と分離
容易となることを利用して水分を除去することで、高発
熱量が3500〜4500Kcal/Kg以上ある濃縮
カーボンスラリを得て燃料化することが研究開発途上に
ある。
【0004】一方、近年、高発熱量の石炭、石油などは
将来の需要増加に伴って枯渇しかねず、将来のエネルギ
需要に応えるために、低品位炭を熱水処理する、いわゆ
る熱的脱水法の技術開発が盛んに行なわれている。石炭
類は一般に、燃料および化学工業として種々の用途に供
されているが、そのほとんどは瀝青炭と言われる炭化度
の比較的高い高品位炭であり、内部水分含有量が小さい
ため、一般的には表面付着水分を除去するだけで経済的
に利用できる点まで乾燥することができるが、炭化度の
低い低品位炭は、内部に化学的に結合している固有水分
含有量が大きいため、表面付着水分を除去するだけで十
分でない。
【0005】一方、亜瀝青炭や褐炭などの低品位炭は全
地球に存在する石炭類の半分以上を占めている。こうし
た炭化度の低い低品位炭は吸湿性を有しているため、一
旦乾燥したとしてもスラリ化時に元の付着固有水分のみ
に戻って低濃度スラリとなり、輸送費、貯蔵費の増加お
よび石炭発熱量の低下に伴ない経済的価値の低下を招い
ている。したがって、低品位炭を燃料および化学工業用
として幅広く利用するために吸湿性の低い石炭に改質
し、再吸湿防止などの適切な処理を行ない、単位重量当
たりの発熱量を上げ、経済的に価値の高い石炭に改質す
ることが重要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固体廃棄物
の処理によって燃料用スラリが得られたとしても高発熱
量が3500〜4500Kcal/Kgと低く、単独で
石炭や石油などの代替燃料として使用できないことか
ら、燃料用スラリの利用範囲が狭い範囲に限定されてし
まうといった新たな問題が惹起された。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は石炭や石油などの代替燃料とな
り得る高発熱量の燃料用スラリを生成する固形廃棄物と
低品位炭の同時処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、固形廃棄物を適宜な
粒度に乾式粉砕した後適宜な水分濃度に調整してできた
固形廃棄物スラリと、亜瀝青炭、褐炭、亜炭などの低品
位炭のうち1種または複数種を組み合わせて予め適宜な
粒度に粉砕して濃度調整手段によって濃度調整した石炭
スラリとの混合スラリにアルカリ性物質を添加して混合
反応器内に供給した後、高温高圧の反応条件下で反応さ
せて反応生成スラリを得るようにし、第1の発明を主体
とする第2の発明では、低品位炭と固形廃棄物との重量
比を、約6〜8対0.5〜2の範囲とした。また、第1
の発明を主体とする第3の発明では、アルカリ性物質を
少なくとも固形廃棄物スラリおよび石炭スラリに含まれ
るハロゲン化合物の化学等量以上を供給するようにし、
第1の発明を主体とする第4の発明では、反応器内に予
備処理した固形廃棄物スラリと低品位炭スラリとを供給
して反応処理を行なう際に、当該反応器の底部から吹き
込んだ不活性ガスにより当該反応器内を攪拌混合するよ
うにした。さらに、第1の発明を主体とする第5の発明
では、反応生成スラリを次工程のフラッシュドラムにお
いてフラッシュさせて、気・液に分離させて得られた反
応生成スラリに、ノニオン系の分散剤を添加して高濃度
の反応生成スラリを得るようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る固形廃棄物
と低品位炭の同時処理方法の具体的実施例を図1を用い
て詳細に説明する。
【0010】図1は本発明に係るブロックフローチャー
トである。
【0011】図1において、まず、残飯、野菜渣、魚介
類、肉類などの食品類残渣からなる動植物性有機質の固
形廃棄物、すなわち厨芥は他のごみ、つまり紙、プラス
チック、布、木、ガラス、ゴムなどの非金属および鉄も
しくは非鉄の各種金属からなる有機、無機質などの固形
廃棄物10を、図1に示すように乾式粉砕機12に適量
投入して数mm以下に細かく粉砕し、乾式粉砕機12か
ら出たところで破砕機構を有する槽に満たされた液量が
4〜6重量部に対して固形廃棄物10が1重量部以下と
なるように破砕機13に供給される。
【0012】破砕機13は、固定歯と回転歯にて構成さ
れる。槽内の液は、回転歯によって生成した破砕機13
から強く吐出する流れによって、全体を激しく攪拌して
は回転歯に吸引される流れとなっている。このため、乾
式粉砕機12で十分に粉砕または破砕されなかった例え
ば紙類のような固形廃棄物は液の流れと共に破砕機13
に吸引されて固定歯と回転歯に吸引されて固定歯と回転
歯によって剪断されたりすりつぶしたりすることを幾度
となく繰り返し、細かく破砕されていく。
【0013】破砕機13を通過した廃棄物は、次の異物
分離器14にて慣性分離にて分離すると、ガラス、金属
片などの無機重量物は底部に沈降して除去される。そし
て、残りの有機物は濃度調整を行なう次工程の例えばベ
ルトフイルタ等のような脱水装置(図示略)に送られ
る。当該脱水装置では、懸濁物と液体に分離し、前記懸
濁物として約85〜90含有水分重量%の常温スラリが
得られ、スラリ供給槽18に貯溜される。スラリ供給槽
18に貯溜された常温の固形廃棄物スラリは、スラリポ
ンプ19により例えば160Kg/cm2 に昇圧された
後、一旦混合装置40に送給され、後述する低品位炭の
スラリと混合されるょうになっている。スラリポンプ1
9としては、例えばダイヤフラム式ポンプを用いること
ができる。
【0014】次に低品位炭の改質ならびに改質された低
品位炭の利用方法について述べる。まず、低品位炭とは
次のようなものをいう。 (1)亜瀝青炭、褐炭などの低級石炭(炭化度の進んで
いない石炭)。 (2)亜炭、泥炭、草炭などの石炭類似物(炭化度が不
十分で我国の鉱業法では石炭から除外されるもの)。 (3)植物その腐敗物などの石炭根源物質(炭化作用を
受ければ石炭に変成していくと想定される有機固形
物)。 のいずれかに属する多孔質有機固形物であり、一般的に
高発熱量も3000〜6000Kcal/Kgと低い。
【0015】低品位炭の中には、低硫黄分、低灰分およ
び高揮発分など、石炭燃料としての長所を有しながら、
高水分および自然発火性のために輸送上の経済性が無
く、かつ危険性が高いなどの理由から、山元近辺におけ
る小規模利用に留まっている物が多い。将来のエネルギ
需要に応えるために、本発明では、このような低品位炭
を改質して前述した固形廃棄物から得られる低発熱量の
反応生成物の利用価値を高めることにある。
【0016】一般に、低品位炭の改質とは、低品位炭中
または低品位炭上の水、すなわち、付着水、キャピラリ
水、化学結合水の3種類の水を熱的脱水法により、揮発
分をできるだけ残しながら、不可逆的脱水処理および表
面含酸素化合物の分解を行なって脱水し、6500〜7
500Kcal/Kgの高発熱量の高品位炭に改質する
ことをいう。本発明では、熱的脱水法により前記3種類
の水を除去する場合の基本的な機構は、水素結合で付着
している水分を除去するとともに、部分的に発生するタ
ール物質で細孔を塞ぎ水の再吸収を防ぐことであるが、
主としてフミン酸部分のCOOHを分解することが、処
理炭の水再吸収を防ぐために重要である。
【0017】例えば、褐炭の例で説明すると、付着水は
その名の通り表面に付着した水分であるが、その除去に
は単に水の蒸発エネルギを補えばよいのに対して、キャ
ピラリ水の半分程度まで除外しようとする場合、できる
限り液体水として絞り出すことが大切となる。このよう
なキャピラリ水の絞り出しのために、石炭を熱で収縮さ
せればよく、さらに水の粘度は150℃以上では常温の
1/3以下に低下するので高温ほど流れ出しやすくな
る。しかし、冷却したとき、再度の膨張による吸水をさ
けるため、再び膨張しない程度のタール状物質の生成が
必要となる。
【0018】また、表面の化学官能基は、若干つぶして
おく必要がある。このような考慮から生まれた熱的脱水
法による反応操作条件が、反応温度250〜300℃、
反応圧力(前記反応温度における水の飽和水蒸気圧以
上)、40〜90Kg/cm2以上、滞留時間10〜3
0分である。
【0019】こうした具体的な実施例を図面を用いて詳
細に説明すると、まず、図1に示す如く、亜瀝青炭、褐
炭、亜炭などの低品位炭20のうち1種または複数組み
合わせて予め例えば、湿式粉砕機22などに適宜な水を
供給して湿式粉砕を行ない、改質に効果的な粒度、例え
ば1mm以下に調整するとともに、脱水装置24で20
〜40重量%の好ましい濃度に脱水調整して製造された
低品位炭−水スラリ(以下、石炭スラリという)を得
る。なお、本実施例では、低品位炭20を湿式粉砕する
場合について述べたが、これに限定するものでなく、乾
式粉砕しても同様の効果が得られる。
【0020】スラリ供給槽26に貯溜された石炭スラリ
は、スラリポンプ28により例えば160Kg/cm2
に昇圧した後、混合装置40に送給される。スラリポン
プ28としては、例えばダイヤフラム式ポンプやプラン
ジャ型ポンプを用いることができる。混合装置40に送
給された固形廃棄物スラリと石炭スラリは、攪拌装置に
て均一な混合スラリとなるように連続的に混合される。
【0021】混合装置40で混合する石炭スラリと固形
廃棄物スラリとの混合スラリの重量比は、約6〜8対
0.5〜2の範囲、例えば石炭スラリ7重量部に対して
固形廃棄物スラリ1重量部となることが望ましい。これ
は、固形廃棄物スラリ1重量部に対して石炭スラリを7
重量部以上にすると混合スラリとしての発熱量が高くな
るものの、固形廃棄物スラリ量が石炭スラリ量に比して
相対的に小さくなるため、固形廃棄物処理のメリットが
小さくなる。
【0022】逆に、石炭スラリ7重量部に対して、固形
廃棄物スラリ量を1重量部以上にすると、固形廃棄物ス
ラリ量が石炭スラリ量に比して相対的に大きくなるた
め、固形廃棄物スラリ処理のメリットは大きくなるもの
の、結果的に固形廃棄物スラリとしての発熱量が低くな
り、代替燃料などとしての利用範囲が狭くなる。
【0023】固形廃棄物スラリと石炭スラリを攪拌混合
する過程でアルカリ性物質を添加する。当該アルカリ性
物質の添加量は、混合反応器48の出口の反応生成スラ
リのpHが弱酸性のpH3〜5となるように、アルカリ
タンクからダイヤフラム式ポンプ(図示略)を介してス
ラリ供給槽18から適宜注入するようにしてもよい。本
発明では、特に固形廃棄物の中に塩化ビニールが含まれ
ることがあり得ることから、塩化ビニールが分解した場
合にでるクロールをNaOHにて中和させてNaClと
し、塩素ガスの発生をできるだけ防止してクリーンなガ
スを生成することが望ましい。
【0024】なお、当該アルカリ性物質としては、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、ギ酸ナトリウム、水酸
化マグネシウムなどが挙げられるが、実地的検討により
炭酸ナトリウムが最も望ましい。
【0025】前記混合装置40で均一混合された混合ス
ラリは、スラリ圧送用ポンプ44により例えば160K
g/cm2 に昇圧された後、予熱装置46を介して混合
反応器48に送給される。当該予熱装置46としては例
えば予熱器(図示略)と加熱器(図示略)を組合せて配
設するとよい。まず、予熱器では混合反応器48に送給
途中の固形廃棄物スラリと石炭スラリの混合スラリを2
00〜250℃までフラッシュ蒸気にて間接加熱したう
え、引続き熱媒ボイラなどで加熱された熱媒油を加熱源
として前記加熱器に導入して、前記混合スラリを適宜最
大300℃まで間接加熱したうえ混合反応器48に送給
するようにしている。
【0026】混合反応器48の外周部には図示を省略し
た熱媒油または高圧スチーム用ジャケットが配設されて
おり、混合スラリを適宜な温度になるまで加熱するよう
になっている。混合スラリは原則的には混合反応器48
内の上方から下方へのプラグフローを形成するが、例え
ば10〜30分の滞留時間内に粒径や比重の違いによっ
て沈降分離することを防止するために、混合反応器48
の下部に高圧の不活性ガスとしてN2 ガスの吹込口を設
けて、混合反応器48の下方から上方へ向かってN2 ガ
スを噴出させて、プラグフローを破壊して気・液向流接
触ないしは全体的な循環流を形成させるようにしてい
る。こうした混合反応器48の下部に配設されたN2 ガ
スの吹込口は、等ピッチに分散して設けてN2 ガスと均
等に接触するようにすることが望ましい。
【0027】混合反応器48内は反応温度250〜32
0℃、好ましくは280〜300℃であり、反応圧力は
その反応温度における飽和水蒸気圧以上であればよい。
反応時間は通常5〜60分、好ましくは10〜30分で
ある。反応温度は滞留時間との関連で決められ、反応時
間を長くすることにより反応温度を下げることができ、
また逆に、反応時間を短くすることにより反応温度を上
げることができるが、基本的には混合スラリ中で反応が
律速となる固形物にあわせて決めることが望ましい。
【0028】また、混合スラリの液圧はその温度の蒸気
圧よりも高いものとして沸騰を防いでいる。こうして、
混合反応器48では、脱炭酸反応により炭酸ガスを放出
するが、混合反応器48底部から吹き込んだN2 ガスが
上方から下方への混合スラリ流れと気・液向流接触する
が、N2 ガスの混合スラリ中への溶解度が小さいことか
ら、大部分のN2 ガスは反応器74の上方へ溜まってガ
ス空間部を形成する。当該ガス空間部にはN2 ガスと炭
酸ガスとの混合ガスが溜まるが、炭酸ガスはN2 ガスに
よって希釈されることから炭酸ガスの分圧は低下し、よ
り一層炭酸ガスの混合スラリからガス空間部側への放出
が盛んになり、混合スラリ中の固形分の分解が促進され
る。
【0029】次に、混合反応器48の下流側に反応後の
反応生成スラリを冷却するための冷却器50として、例
えばフラッシュドラム(図示略)とフラッシュタンク
(図示略)を組合わせて利用するとよい。反応後の反応
生成スラリは、フラッシュドラムにて急激に減圧され、
含有している窒素や炭酸ガスとかメルカプタン、硫化水
素などのガスを蒸気とともに分離するのである。これ
は、一段でなく、反応前混合スラリとフラッシュ蒸気と
の熱交換器と反応生成スラリのフラッシュドラムの組合
わせを複数用意しておのおのを直列に並べる多段とする
と、より脱ガスが徹底し、フラッシュ蒸気によって昇温
される反応前混合スラリも高い温度まで昇温することが
できる。
【0030】多段フラッシュによってエンタルピの高い
反応生成スラリは、等エンタルピ膨張によりフラッシュ
蒸気を放出してフラッシュドラムに貯溜されたエンタル
ピの低い反応生成スラリとなる。そして、当該反応生成
スラリはフラッシュドラムから大気オープンのベント管
を有したフラッシュタンクへと移送されて、100℃以
下まで冷却される。フラッシュタンクへ移送された反応
生成スラリは図示しない油水分離器にて静置分離により
油相は上部に、またスラリを含む水相は下部にそれぞれ
分離される。そして、油水分離器内で分離された大部分
の油分は抜き出されて後述する製品タンク56に直送さ
れ、燃料の一部として利用される。
【0031】油水分離器にて油分を除去された反応生成
スラリは、さらに、次の脱水装置52にてスラリ相と水
相とに分離される。当該脱水装置52としては、重力分
離器や遠心分離機などがあるが、遠心分離機が最も望ま
しく、当該遠心分離機によってさらに水を分離除去して
固形分濃度50〜55重量%の反応生成スラリを得るの
である。
【0032】脱水装置52にて分離された当該固形分濃
度50〜55重量%の反応生成スラリの粒径分布が大き
いことから、さらに湿式粉砕機54にて幾何平均径が1
25μ以下になるまで粉砕して高発熱量が4000〜5
000Kcal/Kgの反応生成スラリを製造し、例え
ばセメント焼成用燃料や他の代替燃料およびアンモニア
などのガス化用原料スラリとして利用可能となる。
【0033】また、本発明で生成した反応生成スラリ
は、反応前に含まれる固形廃棄物スラリ中のクロールを
NaOHによって事前に中和してNaClとするため、
フラッシュドラムでフラッシュによって得られたフラッ
シュ蒸気の中に塩素ガスが混合せずクリーンなガスであ
り、また、塩素を含有しない反応生成スラリをセメント
焼成用キルンで燃焼した場合、塩素ガスが発生しないこ
とからセメント焼成ガス中に含まれる塩素を除去する塩
素バイパスを新たに設置することは不要であるなどのメ
リットがある。
【0034】当該反応生成混合スラリは一旦製品タンク
56に貯溜されるが、この製品タンク56に貯溜されて
いる間に、反応生成混合スラリは液相と固相との2相に
沈降分離されることを防止するために製品タンク56に
分散剤を投入するが、混合反応器48内で例えば固形廃
棄物中のプラスチック類の熱的分解により油状物質に変
換されるなどして、大なり小なり油状物質が生成されて
いることから、当該油状物質がスラリ濃度アップの障害
となっていることを考えると、ノニオン系の分散剤を添
加することが望ましい。
【0035】当該ノニオン系の界面活性剤としては、乳
化剤あるいは可溶化剤に相当するものがよく、代表的な
具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンステアリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリ
ステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルア
ルコール、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルをはじめ、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジ
オール、ブタンジオール、ポリビニルアルコール、グリ
セリン、オクチルアルコール、デシルアメコール、ラウ
リルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコ
ールなどを挙げることができ、これらは1種でも複数種
使用してもよい。
【0036】こうして、分散剤の添加により均質化され
た反応生成混合スラリは、アンモニアなどのガス化原料
スラリとして用いることは可能であるばかりでなく、他
の代替燃料としても使用可能となる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明ではつぎのような利点がある。すなわち、 低品位炭を固形廃棄物と同時に処理するとともに、
改質するようにしたことにより、全体的に高発熱量を有
した反応生成スラリが得られるため、得られた当該反応
生成スラリの利用範囲が大幅に広がる。 固形廃棄物と低品位炭とを同時に処理することが可
能なように、混合反応器以降の装置部分を共通として用
いることが可能となるため、個々に配設した場合に比較
してトータルの設置面積が狭くてすみ、かつ設備費を大
幅に減少できる。 混合反応器内にN2 ガスなどの不活性ガスを吹き込
むようにしたことにより、炭酸ガスの分圧が低下し、脱
炭酸反応が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブロックフローチャートである。
【符号の説明】
10 固形廃棄物 12 湿式粉砕機 13 破砕機 14 異物分離器 16 脱水装置 18 スラリ供給槽 19 スラリポンプ 20 低品位炭 22 湿式粉砕機 26 スラリ供給槽 28 スラリポンプ 40 混合装置 44 スラリ圧送用ポンプ 46 予熱装置 48 混合反応器 50 冷却器 52 脱水装置 54 湿式粉砕機 56 製品タンク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形廃棄物を適宜な粒度に乾式粉砕した
    後適宜な水分濃度に調整してできた固形廃棄物スラリ
    と、亜瀝青炭、褐炭、亜炭などの低品位炭のうち1種ま
    たは複数種を組み合わせて予め適宜な粒度に粉砕して濃
    度調整手段によって濃度調整した石炭スラリとの混合ス
    ラリにアルカリ性物質を添加して混合反応器内に供給し
    た後、高温高圧の反応条件下で反応させて反応生成スラ
    リを得るようにしたことを特徴とする固形廃棄物と低品
    位炭の同時処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の低品位炭と固形廃棄物と
    の重量比を、約6〜8対0.5〜2の範囲としたことを
    特徴とする固形廃棄物と低品位炭の同時処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアルカリ性物質を少なく
    とも固形廃棄物スラリおよび石炭スラリに含まれるハロ
    ゲン化合物の化学等量以上を供給するようにしたことを
    特徴とする固形廃棄物と低品位炭の同時処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の反応器内に予備処理した
    固形廃棄物スラリと低品位炭スラリとを供給して反応処
    理を行なう際に、当該反応器の底部から吹き込んだ不活
    性ガスにより当該反応器内を攪拌混合するようにしたこ
    とを特徴とする固形廃棄物と低品位炭の同時処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の反応生成スラリを次工程
    のフラッシュドラムにおいてフラッシュさせて、気・液
    に分離させて得られた反応生成スラリに、ノニオン系の
    分散剤を添加して高濃度の反応生成スラリを得るように
    したことを特徴とする固形廃棄物と低品位炭の同時処理
    方法。
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