JPH09291286A - 下水汚泥、固形廃棄物および低品位炭の同時処理方法 - Google Patents

下水汚泥、固形廃棄物および低品位炭の同時処理方法

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JPH09291286A
JPH09291286A JP8107324A JP10732496A JPH09291286A JP H09291286 A JPH09291286 A JP H09291286A JP 8107324 A JP8107324 A JP 8107324A JP 10732496 A JP10732496 A JP 10732496A JP H09291286 A JPH09291286 A JP H09291286A
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slurry
solid waste
sewage sludge
coal
reaction
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Osamu Kameda
修 亀田
Yoshihiro Omiya
吉博 大宮
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水汚泥や固形廃棄物および低品位炭とを同
時に処理することにより、処理下水汚泥や固形廃棄物処
理の設置面積も狭くてすみ、かつ石炭や石油などの代替
燃料となり得る高発熱量の燃料用スラリを生成する。 【解決手段】 下水汚泥や固形廃棄物を前処理してスラ
リ化しておく。一方、低品位炭を予め湿式粉砕して石炭
スラリとしておき、当該石炭スラリを前処理の完了した
前記下水汚泥スラリや固形廃棄物スラリとともに反応器
に送給して、一定の操作条件下で反応を行なって低品位
炭の改質を行なうと同時に、下水汚泥や固形廃棄物の反
応処理を行なう。反応器から排出された下水汚泥、固形
廃棄物および改質された低品位炭の反応生成混合スラリ
は冷却された後、湿式粉砕機で幾何平均径125μまで
粉砕され、発熱量4000〜5000Kcal/Kgの
燃料用スラリを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は下水汚泥、固形廃棄
物および低品位炭の同時処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、我国における都市ごみのような固
形廃棄物は、最近の急速な経済発展と生活様式の変化に
よって年々激増の一途をたどり、従来の焼却もしくは埋
立方式による処分処理方法のみでは最早有効に処理し尽
し得ない段階に至っており、これに加え都市ごみの収集
に伴う交通公害、焼却場、埋立てに伴う用地難の問題お
よび悪臭汚水やハエの発生、焼却に伴う有害物質、粉塵
の発生等公衆衛生、生活環境に及ぼす種々の二次公害が
斉らされており重大な社会問題としてその解決が急がれ
ている。
【0003】一方、下水処理場から排出される下水汚泥
も、全国で年間約5000万m3 /年(含水率98%)
という莫大な量であり、年々増加の傾向にある。このよ
うな下水汚泥の処理に関しては、その80%前後が脱水
後埋立処分されているが、しかし、この場合には埋立地
確保の問題があり、都市化の発展により、その埋立地確
保は年々困難になっている。また、現在の汚泥処理の主
流は焼却であるが、しかし、下水汚泥のような高含水率
の廃棄物を焼却処理するためには、ほとんどの場合、重
油などの補助燃料が必要であり、ランニングコストが高
くつき、経済的でない。
【0004】このため、前記した固形廃棄物や下水汚泥
などを単に焼却や埋立てによって処理するのではなく、
もっと燃料として回収できないかといった試みは現在も
各社で鋭意研究開発されている。例えば、下水汚泥につ
いては、下水汚泥を高温高圧条件下に保持することによ
り、油化反応を行なわせた後、反応生成物からオイルを
分離し、約7000〜8000Kcal/Kgの熱量を
有した高発熱量の油状物質を得ることができるものが開
示(特公平5−5560号)されている。
【0005】また、固体廃棄物については、例えば、固
体廃棄物を数mm以下の粒径まで破砕してポンプで送れ
る程度の含水率の原料スラリとしてから、水熱反応させ
てカーボンスラリとし、さらにカーボンスラリが水と分
離容易となることを利用して水分を除去することで、高
発熱量(HHV)が3500〜4500Kcal/Kg
以上ある濃縮カーボンスラリを得て燃料化することが研
究開発途上にある。
【0006】このような、下水汚泥と固体廃棄物の同時
処理は、主としてその構成が異なっているために両立し
得ないというのが通念であった。しかし、当該下水汚泥
と固体廃棄物の双方を同時に処理できれば、その投下資
本と操業費は少なくてすみ、さらに下水汚泥と固体廃棄
物の双方共に商業的に価値のある製品とすることができ
るのである。
【0007】一方、近年、高発熱量の石炭、石油などは
将来の需要増加に伴って枯渇しかねず、将来のエネルギ
需要に応えるために、低品位炭を熱水処理する技術開発
が盛んに行なわれている。石炭類は一般に、燃料および
化学工業として種々の用途に供されているが、そのほと
んどは瀝青炭と言われる高品位炭である。一方、亜瀝青
炭や褐炭などの低品位炭は全地球に存在する石炭類の半
分以上を占めている。しかし、低品位炭は水分含有量が
20%〜70%と高いため、燃焼器の熱効率低下および
輸送効率低下の原因となっている。また、乾燥して貯蔵
した場合は自然発火および再吸湿し易いなどの理由が存
在するため、低品位炭の利用範囲は山元近傍に限られて
いる。したがって、低品位炭を燃料および化学工業用と
して幅広く利用するためには脱水および再吸湿防止など
の適切な処理を行ない、輸送および貯蔵時に自然発火し
ない石炭に改質することが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現在の下水
汚泥や固体廃棄物の処理設備のほとんどが、例えば下水
汚泥ならば下水汚泥のみを単独で処理する処理設備とな
っており、固体廃棄物を処理するためには、別に固体廃
棄物を処理する設備を設けなくてはならず、このため、
設備費が余分にかかり、前記下水汚泥や固体廃棄物が一
括処理できないために、個々の処理設備の設置面積も広
くしなければならないといった問題点があった。
【0009】また、仮に下水汚泥や固体廃棄物の同時処
理によって燃料用スラリが得られたとしても高発熱量
(HHV)が3000〜4000Kcal/Kgと低
く、単独で石炭や石油などを使用する場合に比し、燃料
用スラリの利用範囲が狭い範囲に限定されてしまうとい
った新たな問題が惹起された。
【0010】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は下水汚泥や固体廃棄物処理の設
置面積も狭くてすみ、かつ石炭や石油などの代替燃料と
なり得る高発熱量の燃料用スラリを生成する下水汚泥、
固形廃棄物および低品位炭の同時処理方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、無機物をスクリーニ
ングならびに沈澱処理された下水汚泥スラリと、適宜な
粒度に乾式粉砕した後無機物を分離除去された固形廃棄
物スラリと、予め適宜な粒度に湿式粉砕した亜瀝青炭、
褐炭、亜炭などの低品位炭の各濃度を濃度調整手段にて
濃度調整した石炭スラリをアルカリ物質とともに混合反
応器内に供給した後、高温高圧の反応条件下で反応させ
て反応生成スラリを得るようにし、第1の発明を主体と
する第2の発明では、アルカリ物質を固形廃棄物スラリ
に含まれるハロゲン化合物の化学等量以上を供給するよ
うにした。また、第1の発明を主体とする第3の発明で
は、混合反応器内に予備処理した下水汚泥、固形廃棄物
および低品位炭を供給してプラグフローにて同時反応処
理を行なう際に、当該混合反応器の底部から吹き込んだ
不活性ガスにより当該混合反応器内を攪拌混合するよう
にした。第1の発明を主体とする第4の発明では、混合
反応器内で生成した油状物質を含む高温高圧の反応生成
スラリを次工程のフラッシュドラムにおいてフラッシュ
させて、気・液に分離させて得られた反応生成スラリ
に、ノニオン系の分散剤を添加して高濃度の反応生成ス
ラリを得るようにした。
【0012】
【発明の実施の形態】下水汚泥や固形廃棄物を前処理し
てスラリ化しておく。一方、低品位炭を予め湿式粉砕し
て石炭スラリにしておく。そして、前記石炭スラリを前
処理の完了した前記下水汚泥スラリや固形廃棄物スラリ
とともに混合反応器に送給する。当該混合反応器にアル
カリ性物質を適量供給して、反応温度280〜300
℃、当該温度の飽和水蒸気圧以上、滞留時間10〜30
分の操作条件下で脱炭酸反応を行なう。混合反応器から
排出された下水汚泥や固形廃棄物および改質された低品
位炭の3種類の混合スラリは、次工程で冷却され、遠心
分離器で水を除去した後、湿式粉砕機で幾何平均径12
5μまで粉砕され、発熱量が4000〜5000Kca
l/Kgの燃料用スラリが得られ、当該混合スラリの利
用範囲が広がる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係る下水汚泥、固形廃棄物
および低品位炭の同時処理方法の具体的実施例を図1お
よび図2を用いて詳細に説明する。
【0014】図1は本発明に係る実施例1のブロックチ
ャート、図2は実施例2のブロックチャートである。
【0015】〔実施例1〕図1において、家庭および工
業用下水道から出たままの下水汚泥1は、バースクリー
ン2の分離施設を経過して、水路を閉塞ないしはポンプ
を損傷するおそれが大きい石片、木材片、金属片および
他の廃物が除去される。次いで粗く重い無機性の非可燃
物は、例えば、砂利、炭がらおよび砂は、砂利沈澱室3
に送られ沈澱し、除去される。
【0016】引続き、砂利沈澱室3から排出される下水
汚泥1は脱水装置4、例えば、スクリーニング、重力沈
降、濾過、遠心、圧搾等を単一または適宜組み合わせて
使用することにより懸濁物と液体に分離し、前記懸濁物
として約85〜90含有水分重量%の常温スラリが得ら
れ、スラリ供給槽5に貯溜される。スラリ供給槽5に貯
溜された常温スラリは、スラリポンプ6により例えば1
60Kg/cm2 に昇圧された後、混合反応器32に搬
送される。スラリポンプ6としては、例えばダイヤフラ
ム式ポンプやプランジャ型ポンプを用いることができ
る。
【0017】一方、残飯、野菜渣、魚介類、肉類などの
食料品残渣からなる動植物性有機質の固形廃棄物、すな
わち、厨芥は他のごみ、つまり紙、プラスチック、布、
木、ガラス、ゴムなどの非金属および鉄もしくは非鉄の
各種金属からなる有機、無機質などの固形廃棄物10
を、図1に示すように乾式粉砕機12に適量投入して数
mm以下に細かく粉砕し、乾式粉砕機12から出たとこ
ろで破砕機構を有する槽に満たされた液重量に対して3
〜6以下となるように破砕機13に供給される。破砕機
13は、固定歯と回転歯にて構成される。槽内の液は、
回転歯によって生成した破砕機13から強く吐出する流
れによって、全体を激しく攪拌しては回転歯に吸引され
る流れとなっている。このため、湿式粉砕機12で十分
に粉砕または破砕されなかった例えば紙類のような固形
廃棄物は液の流れと共に破砕機13に吸引されて固定歯
と回転歯に吸引されて固定歯と回転歯によって剪断され
たりすりつぶしたりすることを幾度となく繰り返し、細
かく破砕されていく。
【0018】破砕機13を通過した廃棄物は、次の異物
分離器14にて慣性分離にて分離すると、ガラス、金属
片などの無機重量物は底部に沈降して除去される。そし
て、残りの有機物は濃度調整を行なう次工程の例えばベ
ルトフイルタ等のような脱水装置16に送られる。当該
脱水装置16では、懸濁物と液体に分離し、前記懸濁物
として約85〜90含有水分重量%の常温スラリが得ら
れ、スラリ供給槽18に貯溜される。スラリ供給槽18
に貯溜された常温スラリは、スラリポンプ19により例
えば160Kg/cm2 に昇圧された後、混合反応器3
2に搬送される。スラリポンプ19としては、例えばダ
イヤフラム式ポンプを用いることができる。
【0019】次に低品位炭の改質ならびに改質された低
品位炭の利用方法について述べる。まず、低品位炭とは
次のようなものをいう。 (1)亜瀝青炭、褐炭などの低級石炭(炭化度の進んで
いない石炭)。 (2)亜炭、泥炭、草炭などの石炭類似物(炭化度が不
十分で我国の鉱業法では石炭から除外されるもの)。 (3)植物その腐敗物などの石炭根源物質(炭化作用を
受ければ石炭に変成していくと想定される有機固形
物)。 のいずれかに属する多孔質有機固形物であり、一般的に
高発熱量も3000〜6000Kcal/Kgと低い。
【0020】低品位炭の中には、低硫黄分、低灰分およ
び高揮発分など、石炭燃料としての長所を有しながら、
高水分および自然発火性のために輸送上の経済性が無
く、かつ危険性が高いなどの理由から、山元近辺におけ
る小規模利用に留まっている物が多い。将来のエネルギ
需要に応えるために、本発明では、このような低品位炭
を改質して前述した下水汚泥や固形廃棄物から得られる
低発熱量の反応生成物の利用価値を高めることにある。
【0021】一般に、低品位炭の改質とは、低品位炭中
または低品位炭上の水、すなわち、付着水、キャピラリ
水、化学結合水の3種類の水を熱的脱水法により、揮発
分をできるだけ残しながら、不可逆的脱水処理および表
面含酸素化合物の分解を行なって脱水し、7000〜8
000Kcal/Kgの高発熱量の高品位炭に改質する
ことをいう。本発明では、熱的脱水法により前記3種類
の水を除去する場合の基本的な機構は、水素結合で付着
している水分を除去するとともに、部分的に発生するタ
ール物質で細孔を塞ぎ水の再吸収を防ぐことであるが、
主としてフミン酸部分のCOOHを分解することが、処
理炭の水再吸収を防ぐために重要である。
【0022】例えば、褐炭の例で説明すると、付着水は
その名の通り表面に付着した水分であるが、その除去に
は単に水の蒸発エネルギを補えばよいのに対して、化学
結合水では、付着水の水素結合のため約20%増の脱着
エネルギを要す。また、キャピラリ水の絞り出しのため
には、石炭を熱で収縮させればよい。さらに、水の粘度
は、150℃以上では常温の1/3以下に低下するので
高温ほど流れ出しやすくなる。しかし、冷却したとき、
再度の膨張による吸水をさけるため、再び膨張しない程
度のタール状物質の生成が必要である。また、表面の化
学官能基は、若干つぶしておく必要がある。このような
考慮から生まれた熱的脱水法による反応操作条件が、反
応温度250〜300℃、反応圧力(前記反応温度にお
ける水の飽和水蒸気圧以上)40〜90Kg/cm2 以
上、滞留時間15〜20分である。
【0023】こうした具体的な実施例を図面を用いて詳
細に説明すると、まず、図1に示す如く、亜瀝青炭、褐
炭、亜炭などの低品位炭20をあらかじめ例えば、湿式
粉砕機22などに適宜な水を供給して湿式粉砕を行な
い、改質に効果的な粒度、例えば1mm以下に調整する
とともに、脱水装置24で20〜40重量%の好ましい
濃度に脱水調整して製造された低品位炭−水スラリ(以
下、石炭スラリという)を得る。
【0024】スラリ供給槽26に貯溜された石炭スラリ
は、スラリポンプ28により例えば160Kg/cm2
に昇圧された後、混合反応器32に搬送される。スラリ
ポンプ28としては、例えばダイヤフラム式ポンプやプ
ランジャ型ポンプを用いることができる。各スラリポン
プ6、19および28と混合反応器32との間に、予熱
装置30として例えば予熱器(図示略)と加熱器(図示
略)を組合せて配設するとよい。まず、予熱器では混合
反応器32に送給途中の固形廃棄物スラリを200〜2
50℃までフラッシュ蒸気にて間接加熱したうえ、引続
き熱媒ボイラなどで加熱された熱媒油を加熱源として前
記加熱器に導入して、下水汚泥1、固形廃棄物10およ
び石炭スラリ等を適宜最大300℃まで間接加熱したう
え混合反応器32に送給するようにしている。
【0025】混合反応器32に送給にする場合の石炭ス
ラリに対する下水汚泥スラリと固形廃棄物スラリとの混
合スラリとの重量比は、約6〜8対0.5〜2の範囲、
例えば石炭スラリの重量部で約7部に対して下水汚泥ス
ラリと固形廃棄物スラリとの混合スラリとの重量で1部
とすることが望ましい。
【0026】これは、下水汚泥スラリと固形廃棄物スラ
リとの混合スラリ1重量部に対して石炭スラリ7重量部
以上にすると、低品位炭スラリが混合反応器32内で改
質されて高品位炭スラリとなるため、下水汚泥スラリ、
固形廃棄物スラリおよび石炭スラリの3種類の反応生成
混合スラリとしての発熱量が高くなるものの、下水汚泥
スラリと固形廃棄物スラリの量が石炭スラリに比して相
対的に小さくなるため、下水汚泥や固形廃棄物処理のメ
リットが小さくなる。逆に、石炭スラリ7重量部に対し
て、下水汚泥スラリと固形廃棄物スラリとの混合スラリ
1重量部以上にすると、当該混合スラリ量が石炭スラリ
が混合反応器32内で改質されてできる高品位炭スラリ
量に比して相対的に大きくなるため、下水汚泥や固形廃
棄物処理のメリットが大きくなるものの、結果的に下水
汚泥スラリ、固形廃棄物スラリおよび石炭スラリの3種
類の反応生成混合スラリとしての発熱量が低くなり、代
替燃料などとしての利用範囲が狭くなる。
【0027】また、当該改質石炭スラリの高発熱量が4
500〜5100Kcal/Kgであり、これに比較し
て下水汚泥スラリと固形廃棄物スラリとの混合スラリと
の高発熱量が3500〜4500Kcal/Kgと低
く、当該混合反応器32内で下水汚泥スラリと石炭スラ
リおよび固形廃棄物スラリの3種類の混合スラリを反応
させる際に、石炭スラリについて改質の進むような反応
条件を選ぶと同時に、油状物質の生成を低く押えること
が望ましい。
【0028】混合反応器32の外周部には図示を省略し
た熱媒油または高圧スチーム用ジャケットが配設されて
おり、例えば、熱媒体として高圧のスチームを流通して
混合反応器32内に供給された下水汚泥スラリ、固形廃
棄物スラリ、石炭スラリの3種類の混合スラリを適宜な
温度になるまで加熱されるようになっている。当該3種
類の混合スラリは原則的には混合反応器32内の上方か
ら下方へのプラグフローを形成するが、例えば10〜3
0分の滞留時間内に3種類の混合スラリ中に混在する固
形分の粒径や比重の違いによって沈降分離することを防
止するために、混合反応器32の下部に高圧の不活性ガ
スとしてN2 ガスの吹込口を設けて、混合反応器32の
下方から上方へ向かってN2 ガスを噴出させて、3種類
の混合スラリのプラグフローを破壊して気液向流接触な
いしは全体的な循環流を形成させるようにしている。こ
うした混合反応器32の下部に配設されたN2 ガスの吹
込口は、等ピッチに分散して設けてN2 ガスと3種類の
混合スラリとができるだけ均等に接触するようにするこ
とが望ましい。
【0029】混合反応器32内は反応温度250〜32
0℃、好ましくは280〜300℃であり、反応圧力は
その反応温度における飽和水蒸気圧以上であればよい。
反応時間は通常5〜60分、好ましくは10〜30分で
ある。反応温度は滞留時間との関連で決められ、反応時
間を長くすることにより反応温度を下げることができ、
また逆に、反応時間を短くすることにより反応温度を上
げることができるが、基本的には当該3種類混合スラリ
の中で反応が律速となる固形物にあわせて決めることが
望ましい。
【0030】また、混合スラリの液圧はその温度の蒸気
圧よりも高いものとして沸騰を防いでいる。こうして、
混合反応器32内では、脱炭酸反応により炭酸ガスを放
出するが、混合反応器32底部から吹き込んだN2 ガス
が上方から下方への3種類の混合スラリ流れと気・液向
流接触するが、N2 ガスの3種類の混合スラリ中への溶
解度が小さいことから、大部分のN2 ガスは混合反応器
32の上方へ溜まってガス空間部を形成する。当該ガス
空間部にはN2 ガスと炭酸ガスとの混合ガスが溜まる
が、炭酸ガスはN2 ガスによって希釈されることから炭
酸ガスの分圧は低下し、より一層炭酸ガスの放出が盛ん
になり、脱炭酸反応による混合スラリ中の固形物の分解
が促進される。
【0031】図1に示すように、pHは、混合反応器3
2の出口の反応生成スラリのpHが弱酸性のpH3〜5
となるように、アルカリタンク(図示略)に貯溜された
アルカリ性物質を高圧ポンプを介して直接混合反応器3
2に供給してもよいが、望ましくは図示を省略したアル
カリタンクからダイヤフラム式ポンプ(図示略)を介し
てスラリ供給槽5、スラリ供給槽18、スラリ供給槽2
6のいずれか1つまたは複数槽から適宜注入するように
するとよい。本発明では、特に固形廃棄物の中に塩化ビ
ニールが含まれることがあり得ることから、塩化ビニー
ルが分解した場合にでるクロールをNaOHにて中和さ
せてNaClとし、塩素ガスの発生をできるだけ防止し
てクリーンなガスを生成することが望ましい。
【0032】なお、当該アルカリ性物質としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、ギ酸ナトリウム、水酸化マグネシウムなどが挙げ
られるが、実地的検討によりNa2 CO3 が最も望まし
い。
【0033】また、図1では、下水汚泥1用としてスラ
リ供給槽5とスラリポンプ6、固形廃棄物10用として
スラリ供給槽18とスラリポンプ19、さらに、低品位
炭20用としてスラリ供給槽26とスラリポンプ28を
それぞれ設けたが、これに限定するものではなく、例え
ば、スラリ供給槽5、18および26をまとめて1槽に
し、下水汚泥1、固形廃棄物10および低品位炭20を
事前に3種類の混合スラリとして貯溜するようにしても
よく、さらに、個々のスラリポンプ6、19および28
をまとめて1台にし、貯溜された3種類の混合スラリを
適宜取り出して混合反応器32に送給するようにしても
よい。
【0034】次に、混合反応器32の下流側に反応後の
反応生成混合スラリを冷却するための冷却器34とし
て、例えばフラッシュドラム(図示略)とフラッシュタ
ンク(図示略)を組合わせて利用するとよい。反応後の
反応生成混合スラリは、フラッシュドラムにて急激に減
圧され、含有している窒素や炭酸ガスとかメルカプタ
ン、硫化水素などのガスを蒸気とともに分解するのであ
る。これは、一段でなく、反応前混合スラリとフラッシ
ュ蒸気との熱交換器と反応生成混合スラリのフラッシュ
ドラムの組合せを複数用意しておのおのを直列に並べる
多段とすると、より脱ガスが徹底し、フラッシュ蒸気に
よって昇温される反応前混合スラリも高い温度まで昇温
することができる。
【0035】多段フラッシュによってエンタルピの高い
反応生成混合スラリは、等エンタルピ膨張によりフラッ
シュ蒸気を放出してフラッシュドラムに貯溜されたエン
タルピの低い反応生成混合スラリとなる。そして、当該
反応生成混合スラリはフラッシュドラムから大気オープ
ンのベント管を有したフラッシュタンクへと移送され
て、100℃以下まで冷却される。フラッシュタンクへ
と移送された反応生成混合スラリは図示しない油水分離
器にて静置分離により油相は上部に、またスラリを含む
水相は下部にそれぞれ分離される。そして、油水分離器
内で分離された大部分の油分は抜き出されて後述する製
品タンク42に直送され、燃料の一部として利用され
る。
【0036】油水分離器にて油分を除去された反応生成
混合スラリは、さらに、次の脱水装置36にてスラリ相
と水相とに分離される。当該脱水装置36としては、重
力分離器や遠心分離機などがあるが、遠心分離機が最も
望ましく、当該遠心分離機によってさらに水を分離除去
して固形分濃度50〜55重量%の反応生成混合スラリ
を得るのである。
【0037】脱水装置36にて分離された当該50〜6
0重量%の反応生成混合スラリの粒径分布が大きいこと
から、さらに湿式粉砕機38にて幾何平均径が125μ
以下になるまで粉砕して高発熱量が4000〜5000
cal/Kgの処理反応生成混合スラリ40を製造し、
例えばセメント焼成用燃料や他の代替燃料およびアンモ
ニアなどのガス化用原料スラリとして利用可能となる。
【0038】また、本発明で生成した反応生成混合スラ
リ40は、反応前に含まれる混合スラリ中のクロールを
NaOHによって事前に中和してNaClとするため、
フラッシュドラムでフラッシュによって得られたフラッ
シュ蒸気の中に塩素ガスが混成せずクリーンなガスであ
ることから、セメント焼成ガス中に含まれる塩素を除去
する塩素バイパスを新たに設置することは不要であるな
どのメリットがある。
【0039】当該処理反応生成混合スラリ40は一旦製
品タンク42に貯溜されるが、この製品タンク42に貯
溜されている間に、反応生成混合スラリ40は液相と固
相との2相に沈降分離されることを防止するために製品
タンク42に分散剤を投入するが、反応混合器32内で
例えば固形廃棄物中のプラスチック類の熱的分解により
油状物質に変換されたり、あるいは下水汚泥の一部が油
状物質に変換されるなどして、大なり小なり油状物質が
生成されていることから、当該油状物質がスラリ濃度ア
ップの障害となっていることを考えると、ノニオン系の
分散剤を添加することが望ましい。当該ノニオン系の分
散剤を添加する意味は、油状物質が固形物質間に架橋現
象を呈し、当該現象によりスラリ濃度アップの障害とな
っていることから、ノニオン系の分散剤を添加すること
によって前記架橋現象を解消して乳化状態を形成するこ
とにより完全な固形物質の分散相を形成し、高濃度スラ
リ(またはスラリの粘性を低下する)を得ることにあ
る。
【0040】当該ノニオン系の界面活性剤としては、乳
化剤あるいは可溶化剤に相当するものがよく、代表的な
具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンステアリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリ
ステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルア
ルコール、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルをはじめ、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジ
オール、ブタンジオール、ポリビニルアルコール、グリ
セリン、オクチルアルコール、デシルアメコール、ラウ
リルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコ
ールなどを挙げることができ、これらは1種でも複数種
使用してもよい。
【0041】こうして、分散剤の添加により均質化され
た高濃度の反応生成混合スラリ40は、アンモニアを製
造する場合のガス化原料スラリとして用いることが可能
であるばかりでなく、他の代替燃料としても使用可能と
なる。
【0042】〔実施例2〕次に、図2は実施例2の場合
のブロックチャートを示す。図2において、家庭および
工業用下水道から出たままの下水汚泥1は、バースクリ
ーン2の分離施設を経過して、水路を閉塞ないしはポン
プを損傷するおそれが大きい石片、木材片、金属片およ
び他の廃物が除去される。次いで粗く重い無機性の非可
燃物は、例えば、砂利、炭がらおよび砂は、砂利沈澱室
3に送られ沈澱し、除去される。
【0043】引続き、砂利沈澱室3から排出される下水
汚泥1は脱水装置4、例えば、スクリーニング、重力沈
降、濾過、遠心、圧搾等を単一または適宜組み合わせて
使用することにより懸濁物と液体に分離し、前記懸濁物
として約85〜90含有水分重量%の常温スラリが得ら
れ、スラリ供給槽5に貯溜される。スラリ供給槽5に貯
溜された常温スラリは、スラリポンプ6により例えば1
60Kg/cm2 に昇圧された後、混合反応器32に搬
送される。スラリポンプ6としては、例えばダイヤフラ
ム式ポンプやプランジャ型ポンプを用いることができ
る。
【0044】一方、残飯、野菜渣、魚介類、肉類などの
食料品残渣からなる動植物性有機質の固形廃棄物、すな
わち、厨芥は他のごみ、つまり紙、プラスチック、布、
木、ガラス、ゴムなどの非金属および鉄もしくは非鉄の
各種金属からなる有機、無機質などの固形廃棄物10
を、図2に示すように乾式粉砕機12に適量投入して数
mm以下に細かく粉砕し、乾式粉砕機12から出たとこ
ろで破砕機構を有する槽に満たされた液重量に対して3
〜6以下となるように破砕機13に供給される。破砕機
13は、固定歯と回転歯にて構成される。槽内の液は、
回転歯によって生成した破砕機13から強く吐出する流
れによって、全体を激しく攪拌しては回転歯に吸引され
る流れとなっている。このため、湿式粉砕機12で十分
に粉砕または破砕されなかった例えば紙類のような固形
廃棄物は液の流れと共に破砕機13に吸引されて固定歯
と回転歯に吸引されて固定歯と回転歯によって剪断され
たりすりつぶしたりすることを幾度となく繰り返し、細
かく破砕されていく。
【0045】破砕機13を通過した廃棄物は、次の異物
分離器14にて慣性分離にて分離すると、ガラス、金属
片などの無機重量物は底部に沈降して除去される。そし
て、残りの有機物はスラリ供給槽18に貯溜される。ス
ラリ供給槽18に貯溜された常温スラリは、スラリポン
プ19により例えば160Kg/cm2 に昇圧された
後、混合装置50に搬送される。スラリポンプ19とし
ては、例えばダイヤフラム式ポンプを用いることができ
る。
【0046】次に低品位炭の改質ならびに改質された低
品位炭の利用方法について述べる。当該事項と同じ低品
位炭の改質部分については、図1の説明の内容と同一で
あるため、ここでは割愛する。
【0047】こうした具体的な実施例2を図2を用いて
詳細に説明すると、まず、図2に示す如く、亜瀝青炭、
褐炭、亜炭などの低品位炭20をあらかじめ例えば、湿
式粉砕機22などに適宜な水を供給して湿式粉砕を行な
い、改質に効果的な粒度、例えば1mm以下に調整する
とともに、例えば、図示を省略したポンプなどの送給手
段でスラリ供給槽26に送給される。
【0048】スラリ供給槽26に貯溜された石炭スラリ
は、スラリポンプ28により例えば160Kg/cm2
に昇圧された後、スラリ供給槽5、スラリ供給槽18お
よびスラリ供給槽26からそれぞれスラリポンプ6、1
9および28を介して混合装置50に一旦適量供給され
るが、この場合、混合装置50に送給された改質前の石
炭スラリに対して、下水汚泥スラリと固形廃棄物スラリ
との混合スラリとの重量比は、約6〜8対0.5〜2の
範囲、例えば石炭スラリの重量部で約7部に対して下水
汚泥スラリと固形廃棄物スラリとの混合スラリとの重量
で1部とすることが望ましい。
【0049】さらに、当該改質石炭スラリの高発熱量が
4500〜5100Kcal/Kgであり、これに比較
して下水汚泥スラリと固形廃棄物スラリとの混合スラリ
との発熱量、特に固形廃棄物スラリの高発熱量が350
0〜4500Kcal/Kgと低く、さらに下水汚泥を
混合反応器32内で反応させる場合には、当該下水汚泥
スラリと石炭スラリおよび固形廃棄物スラリの3種類の
混合スラリを反応させる際に、石炭スラリについて改質
の進むような反応条件を選ぶと同時に、油状物質の生成
を低く押えることが望ましい。なお、スラリポンプ28
としては、例えばダイヤフラム式ポンプやプランジャ型
ポンプを用いることができる。
【0050】なお、図2では、下水汚泥1用としてスラ
リ供給槽5とスラリポンプ6、固形廃棄物10用として
スラリ供給槽18とスラリポンプ19、さらに、低品位
炭20用としてスラリ供給槽26とスラリポンプ28を
それぞれ設けたが、これに限定するものではなく、例え
ば、スラリ供給槽5、18および26をまとめて1槽に
し、下水汚泥1、固形廃棄物10および低品位炭20を
事前に3種類の混合スラリとして貯溜するようにしても
よく、さらに、個々のスラリポンプ6、19および28
をまとめて1台にし、貯溜された3種類の混合スラリを
適宜取り出して混合反応器32に送給するようにしても
よい。
【0051】混合装置50で、石炭スラリと、下水汚泥
スラリおよび固形廃棄物スラリの3種類のスラリは適宜
混合されるが、混合を完了したスラリにアルカリ性物質
などを適量添加する。当該アルカリ性物質の添加量は、
混合反応器60の出口の反応生成スラリのpHが弱酸性
のpH3〜5となるように、アルカリタンク(図示略)
に貯溜されたアルカリ性物質を高圧ポンプを介して直接
混合反応器60に供給してもよいが、望ましくは図示を
省略したアルカリタンクからダイヤフラム式ポンプ(図
示略)を介してスラリ供給槽5、スラリ供給槽18、ス
ラリ供給槽26のいずれか1つまたは複数槽から適宜注
入するようにするとよい。
【0052】なお、当該アルカリ性物質としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸化ナトリ
ウム、炭酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化マグネシウムなどが
挙げられるが、実地的検討によりNa2 CO3 が最も望
ましい。
【0053】混合装置50では石炭スラリ、下水汚泥ス
ラリおよび固形廃棄物スラリの3種類の混合スラリは、
次工程の例えばベルトプレスや遠心分離器等の脱水装置
52で80〜85含水重量%の水分濃度に調整したもの
を一旦混合槽54に貯溜した後、移送用高圧ポンプ56
で混合反応装置60に送給される。移送用高圧ポンプ5
6と混合反応器60間との間に、予熱装置58として例
えば予熱器(図示略)と加熱器(図示略)を組合わせて
配設するとよい。まず、予熱器では混合反応器60に送
給途中の3種類の混合スラリを200〜250℃までフ
ラッシュ蒸気にて間接加熱したうえ、引続き熱媒ボイラ
などで加熱された熱媒油を加熱源として前記加熱器に導
入して、下水汚泥1、固形廃棄物10および石炭スラリ
などを適宜最大約300℃まで間接加熱したうえ混合反
応器60に送給するようにしている。
【0054】混合反応器60の外周部には図示を省略し
た熱媒油または高圧スチーム用ジャケットが配設されて
おり、例えば、熱媒体として高圧のスチームを流通して
混合反応器60内に供給された下水汚泥スラリ、固形廃
棄物スラリ、石炭スラリの3種類の混合スラリを適宜な
温度になるまで加熱されるようになっている。当該3種
類の混合スラリは原則的には混合反応器60内の上方か
ら下方へのプラグフローを形成するが、例えば10〜3
0分の滞留時間内に3種類の混合スラリ中に混在する固
形分の粒径や比重の違いによって沈降分離することを防
止するために、混合反応器60の下部に高圧のN2 ガス
の吹込口を設けて、混合反応器60の下方から上方へ向
かってN2 ガスを噴出させて、混合スラリのプラグフロ
ーを破壊して気液向流接触ないしは全体的な循環流を形
成させるようにしている。こうした混合反応器60の下
部に配設されたN2 ガスの吹込口は、等ピッチに分散し
て設けてN2 ガスと3種類の混合スラリとができるだけ
均等に接触するようにすることが望ましい。
【0055】混合反応器60内は反応温度250〜32
0℃、好ましくは280〜300℃であり、反応圧力は
その反応温度における飽和水蒸気圧以上であればよい。
反応時間は通常5〜60分、好ましくは10〜30分で
ある。反応温度は滞留時間との関連で決められ、反応時
間を長くすることにより反応温度を下げることができ、
また逆に、反応時間を短くすることにより反応温度を上
げることができるが、基本的には当該3種類の混合スラ
リの中で反応が律速となる固形物にあわせて決めること
が望ましい。また、混合スラリの液圧はその温度の蒸気
圧よりも高いものとして沸騰を防いでいる。
【0056】こうして、混合反応器60内では、脱炭酸
反応により炭酸ガスを放出するが、混合反応器60底部
から吹き込んだN2 ガスが上方から下方への3種類の混
合スラリ流れと気・液向流接触するが、N2 ガスの混合
スラリ中への溶解度が小さいことから、大部分のN2 ガ
スは混合反応器60の上方へ溜まってガス空間部を形成
する。 当該ガス空間部にはN2 ガスと炭酸ガスとの混
合ガスが溜まるが、炭酸ガスはN2 ガスによって希釈さ
れることから炭酸ガスの分圧は低下し、より一層炭酸ガ
スの放出が盛んになり、脱炭酸反応による混合スラリ中
の固形物の分解が促進される。
【0057】次に、混合反応器60の下流側に反応後の
反応生成混合スラリを冷却するための冷却器62とし
て、例えばフラッシュドラム(図示略)とフラッシュタ
ンク(図示略)を組合わせて利用するとよい。反応後の
反応生成混合スラリは、フラッシュドラムにて急激に減
圧され、含有している窒素や炭酸ガスとかメルカプタ
ン、硫化水素などのガスを蒸気とともに分解するのであ
る。これは、一段でなく、反応前混合スラリとフラッシ
ュ蒸気との熱交換器と反応生成混合スラリのフラッシュ
ドラムの組合せを複数用意しておのおのを直列に並べる
多段とすると、より脱ガスが徹底し、フラッシュ蒸気に
よって昇温される反応前混合スラリも高い温度まで昇温
することができる。
【0058】多段フラッシュによってエンタルピの高い
反応生成混合スラリは、等エンタルピ膨張によりフラッ
シュ蒸気を放出してフラッシュドラムに貯溜されたエン
タルピの低い反応生成混合スラリとなる。そして、当該
反応生成混合スラリはフラッシュドラムから大気オープ
ンのベント管を有したフラッシュタンクへと移送され
て、100℃以下まで冷却される。フラッシュタンクへ
と移送された反応生成混合スラリは図示しない油水分離
器にて静置分離により油相は上部に、またスラリを含む
水相は下部にそれぞれ分離される。そして、油水分離器
内で分離された大部分の油分は抜き出されて後述する製
品タンク70に直送され、燃料の一部として利用され
る。
【0059】油水分離器にて油分を分離除去された反応
混合スラリは、さらに、次の脱水装置64にてスラリ相
と水相とに分離される。当該脱水装置64としては、重
力分離器や遠心分離機などがあるが、遠心分離機が最も
望ましく、当該遠心分離機によってさらに水を分離除去
して固形分濃度50〜55重量%の反応生成スラリを得
るのである。
【0060】脱水装置64にて分離された当該50〜6
0重量%の反応生成スラリの粒径分布が大きいことか
ら、さらに湿式粉砕機66にて幾何平均径が125μ以
下になるまで粉砕して高発熱量が4000〜5000c
al/Kgの処理反応生成混合スラリ68を製造し、例
えばセメント焼成用燃料や他の代替燃料およびアンモニ
アなどのガス化用原料スラリとして利用可能となる。
【0061】本発明で生成した反応生成混合スラリ68
は、反応前に含まれる混合スラリ中のクロールをNaO
Hによって事前に中和してNaClとするため、フラッ
シュドラムでフラッシュによって得られたフラッシュ蒸
気の中に塩素ガスが混成せずクリーンなガスであること
から、セメント焼成ガス中に含まれる塩素を除去する塩
素バイパスを新たに設置することは不要であるなどのメ
リットがある。
【0062】当該処理反応生成混合スラリ68は一旦製
品タンク70に貯溜されるが、この製品タンク70に貯
溜されている間に、反応生成混合スラリ68は液相と固
相との2相に沈降分離されることを防止するために製品
タンク70に分散剤を投入するが、反応混合装置60内
で例えば固形廃棄物中のプラスチック類の熱的分解によ
り油状物質に変換されたり、あるいは下水汚泥の一部が
油状物質に変換されるなどして、大なり小なり油状物質
が生成されていることから、当該油状物質がスラリ濃度
アップの障害となっていることを考えると、ノニオン系
の分散剤を添加することが望ましい。こうして、分散剤
の添加により均質化された高濃度の反応生成混合スラリ
68は、アンモニアを製造する場合のガス化原料スラリ
として用いることが可能であるばかりでなく、他の代替
燃料としても使用可能となる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明ではつぎのような利点がある。すなわち、 低品位炭を下水汚泥や固形廃棄物と同時に処理する
とともに、改質するようにしたことにより、全体的に高
発熱量を有した混合スラリが得られため、得られる当該
混合スラリの利用範囲が大幅に広がる。 下水汚泥、固形廃棄物ならびに低品位炭とを同時に
処理することが可能なように、反応器以降の装置を共通
部分として設けることが可能であるため、個々に配設し
た場合に比べてトータルの設置面積が狭くてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1のブロックチャートであ
る。
【図2】本発明に係る実施例2のブロックチャートであ
る。
【符号の説明】
1 下水汚泥 2 スクリーニング分離施設 3 砂利沈澱室 4 脱水装置 5 スラリ供給槽 6 スラリポンプ 10 固形廃棄物 12 湿式粉砕機 13 破砕機 14 異物分離器 16 脱水装置 18 スラリ供給槽 19 スラリポンプ 20 低品位炭 22 粉砕装置 24 脱水装置 26 スラリ供給槽 28 スラリポンプ 30 予熱装置 32 混合反応器 34 冷却器 36 脱水装置 38 湿式粉砕機 40 反応生成混合スラリ 42 製品タンク 50 混合装置 52 脱水装置 54 混合槽 56 移送用高圧ポンプ 58 予熱装置 60 混合反応器 62 冷却器 64 脱水装置 66 湿式粉砕機 68 反応生成混合スラリ 70 製品タンク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物をスクリーニングならびに沈澱処
    理された下水汚泥スラリと、適宜な粒度に乾式粉砕した
    後無機物を分離除去された固形廃棄物スラリと、予め適
    宜な粒度に湿式粉砕した亜瀝青炭、褐炭、亜炭などの低
    品位炭の各濃度を濃度調整手段にて濃度調整した石炭ス
    ラリをアルカリ物質とともに混合反応器内に供給した
    後、高温高圧の反応条件下で反応させて反応生成スラリ
    を得るようにしたことを特徴とする下水汚泥、固形廃棄
    物および低品位炭の同時処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルカリ物質を固形廃棄
    物スラリに含まれるハロゲン化合物の化学等量以上を供
    給するようにしたことを特徴とする下水汚泥、固形廃棄
    物および低品位炭の同時処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の混合反応器内に予備処理
    した下水汚泥、固形廃棄物および低品位炭を供給してプ
    ラグフローにて同時反応処理を行なう際に、当該混合反
    応器の底部から吹き込んだ不活性ガスにより当該混合反
    応器内を攪拌混合するようにしたことを特徴とする下水
    汚泥、固形廃棄物および低品位炭の同時処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の混合反応器内で生成した
    油状物質を含む高温高圧の反応生成スラリを次工程のフ
    ラッシュドラムにおいてフラッシュさせて、気・液に分
    離させて得られた反応生成スラリに、ノニオン系の分散
    剤を添加して高濃度の反応生成スラリを得るようにした
    ことを特徴とする下水汚泥、固形廃棄物および低品位炭
    の同時処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104745218A (zh) * 2015-04-02 2015-07-01 首钢总公司 一种处理生化污泥浆和焦化环境除尘灰的方法及系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104745218A (zh) * 2015-04-02 2015-07-01 首钢总公司 一种处理生化污泥浆和焦化环境除尘灰的方法及系统
CN104745218B (zh) * 2015-04-02 2017-05-17 首钢总公司 一种处理生化污泥浆和焦化环境除尘灰的方法及系统

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