JP2012107110A - ガス処理排水の処理方法、炭素質原料のガス化装置及び炭素質原料の処理方法 - Google Patents

ガス処理排水の処理方法、炭素質原料のガス化装置及び炭素質原料の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発生排水を、簡素に処理し、ベンゼン、フェノール、油分、ダスト等、このままであれば発熱量を利用できない成分も回収利用する方法、その装置及び炭素質原料の処理方法を提供する。
【解決手段】炭素質原料1を熱分解炉2で熱分解して熱分解ガス、タール5及び炭化物4を生成し、前記熱分解ガス及びタール5を改質炉6で改質して可燃性ガスを生成する可燃性ガスと炭化物4を併産する方法におけるガス処理排水の処理方法において、前記可燃性ガスを冷却、脱塵、及び除害処理して精製するガス精製時に発生する排水を前記炭化物4と混合し、スラリー状または粉状の燃焼設備用原料にして燃焼するガス処理排水の処理方法及びこの処理方法に用いる装置であり、また、このようにしてスラリー状または粉状の燃焼設備用原料を製造する炭素質原料1の処理方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素質原料の熱分解と改質により可燃性ガス及び炭化物を製造する場合において、発生するガスのガス処理排水を安定して処理する方法、これに用いる装置、及び炭素質原料の処理方法に関する。
近年、多様な廃棄物、例えば、木質バイオマス(建築廃材、間伐材、林地残材等)、下水汚泥、都市ゴミ、廃プラスチック、タイヤ等の廃棄物原料、或いはこれらが複合したもの(以下これらをまとめて「炭素質原料」ということがある。)を、二酸化炭素の排出量を削減する狙いから、有価資源として活用することが試みられている。しかし、炭素質原料の多くは水分を多く含み、その熱分解ガスは、発熱量が低く、かつ、大きく変動するので、利用範囲は、主として燃焼ボイラによる発電である。
近年、熱分解ガスを改質し、改質ガスを原燃料ガス(可燃性ガス)として効率よく利用する手法が種々提案されている。例えば特許文献1においては、炭素質資源を熱分解して、炭化物とガス、タールを生成させ、ガス、タールはさらに改質(水蒸気改質)してCO、H2を主としたガスに転換し、炭化物はガス化炉で部分燃焼して高温可燃ガスとして潜顕熱を利用している(顕熱は改質に必要な熱の一部に使用)。
CO、H2を主としたガスに転換する方法としては、上記以外に、原料全部を細かく砕き、気流搬送で一気に高温反応(部分燃焼)する方法が一般的だが、多種の原料、特に繊維方向によって強度が異なり破砕しにくい木質バイオマス等を含むことで、破砕に大動力が必要なこと、及び、金属の溶融分離や灰分のスラグ化分離のため、全量高温処理(1300〜1600℃)が必要なこと、等制限が多く、特許文献1の、必要最小限の熱で熱分解し、破砕性の改善した炭化物はさらに金属、ガレキを低動力で分離して部分燃焼し(1100〜1300℃程度、炭化物のみ高温処理)、ガス・タールを改質(1100℃程度、炭化物の部分燃焼熱で熱を一部補充)処理する方式に比べ、熱ロスが大きく、効率が低い。
また、特許文献1の技術では、炭化物はプロセス内で部分酸化して使用しているが(系内ガス転換利用)、炭材を使う他のプロセスでも使用可能であり、例えば微粉炭燃焼ボイラに石炭と共に使用でき、高効率のガス、炭化物製造プロセスとしても有効である。但し、燃料ガスとして使用する際には、原料に寄らずガスの精製工程が必須であり、ダスト、タール、軽油等の除去(除塵、油分回収;例えばサイクロンや電気集塵機)、脱塩酸(例えば中和処理等の除害)、必要に応じ脱硫装置(例えば硫化水素吸収塔)、冷却装置(例えば水スクラバーであり、除害をするために高温ガスを処理温度まで冷却する)等の装置を組み合わせて設置される。
これらガス精製工程の中で、電気集塵機や中和処理塔等からは、原料中に含まれる水分、部分燃焼で発生した反応水、場合によって温度調整等の目的で入れられる蒸気を主とし、それにダスト、タール、軽油、塩(中和塩、例えばNaCl)、アンモニア、シアン等を含んだ排水が大量に発生し、この処理も必要になる。例えば木質バイオマス系のガス化プロセスでは、100トン/日程度処理する時に、排水量で1〜3トン/h程度発生する。排水処理は、一般的には、比重差分離、金属の凝集沈殿分離、アンモニアストリッピングによる窒素、アンモニア除去、活性汚泥による生物処理等を組み合わせて行われ、無害化して安全な排水として放流される。
特許文献2には、熱分解、改質を組み合わせた本発明と類似の、可燃性廃棄物をガス化するプロセスにおいて、発生する軽油分等を処理する方法及び装置が提案されている。軽油分を、洗浄油に吸収させ、再度熱分解炉で熱分解するか、軽油蒸留設備で分離回収するかして利用する方法であり、発熱量の有効利用という意味がある。さらに特許文献3には、下水汚泥を炭化処理するプロセスにおいて、生成する炭化物を、最適な粒径に分級(100〜300μm)後、曝気槽で沈殿促進材として使用し、沈殿物を脱水・炭化・賦活、分級して炭化物として再利用する方法が、提案されている。炭化物を同じプロセス内で有効利用し、かつ再利用も可能であるところに特徴がある。
特開2004−41848号公報 特開2007−45857号公報 特開2004−337751号公報
前述した排水中、処理に注意が必要で特徴的な成分としては、窒素系ガス(アンモニア、シアン化合物)や、ベンゼン、フェノール、油分(軽油相当成分を含む)があり、これらは特にバイオマス系原料を熱分解することで多く発生する。
排水として放流するには、水質汚濁防止法の排出基準としてシアン、ベンゼン、アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物(以上、有害物質関連。特にバイオマス系に関するものを抜粋)、n-ヘキサン抽出物(油分)、フェノール類、COD、SS(以上、水質汚濁物質関連。特にバイオマス系に関するものを抜粋)につき規制値以下としなければならず、処理対象物が多い。
その中で、シアン化合物(シアン化水素等)は、高濃度で残存すると、規制値とは別に、微生物である活性汚泥の毒性成分として働くため、処理効果を低減させることから、バイオマス系を含まない原料に比べ、活性汚泥設備規模を大きくせざるを得ず、設備コスト、ランニングコストとも増加する大きな要因となっている。また、アンモニアに対しては、多い場合にはアンモニアストリッピング装置等の脱アンモニア設備を使用するが、工程増加、設備で使用する蒸気等によるランニングコスト増加になり、やはり経済性を圧迫する。
一方で、排水中に含まれる発熱量を持つ成分(ベンゼン、フェノール、油分、ダスト等)は回収熱量として有効に使用されずに、分解(二酸化炭素化)、廃棄(活性炭吸着、ダスト沈殿分離等)等により処理される。
そこで本発明は、これらの発生排水を、簡素に処理し、かつ、ベンゼン、フェノール、油分、ダスト等、このままであれば発熱量を利用できない成分も回収利用する方法及びその装置並びに炭素質原料の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の原因であるアンモニアやシアン化合物が高温加熱により分解、無害化すること、また排水中に含まれるベンゼン、フェノール、油分、ダスト等が、分解、部分燃焼により発熱量として利用可能な可燃成分であること、に注目し、高温処理することで上記課題が解決できることを見いだした。また、自らが生成する炭化物を、排水の同伴物または吸着母体として使用でき、高温処理に最適であることも見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、炭素質原料の熱分解ガスを改質して得られる可燃性ガスと炭素質原料を熱分解して得られる炭化物とを利用する場合において、可燃性ガスを精製する際に発生する窒素系ガス等を含んだ排水と炭化物とを微粉炭等の燃焼設備で燃焼利用する処理方法に関し、特に木質バイオマス(建築廃材、間伐材、林地残材等)、下水汚泥(生ゴミ、街路樹等がバイオマス系に属する)、都市ゴミ等のバイオマス系原料を含む炭素質原料を処理する場合に効果が高く、その要旨は、以下のとおりである。
(1)炭素質原料を熱分解炉で熱分解して熱分解ガス、タール及び炭化物を生成し、前記熱分解ガス及びタールを改質炉で改質して可燃性ガスを生成する可燃性ガスと炭化物を併産する方法におけるガス処理排水の処理方法において、前記可燃性ガスを冷却、脱塵、及び除害処理して精製するガス精製時に発生する排水を前記炭化物と混合し、スラリー状または粉状の燃焼設備用原料にして燃焼することを特徴とするガス処理排水の処理方法、
(2)前記炭素質原料にはバイオマス系原料を含むことを特徴とする(1)に記載のガス処理排水の処理方法、
(3)前記可燃性ガスのガス精製時に発生する排水を、分離膜による脱水、又は蒸気加熱による乾燥の少なくとも何れかの処理により濃縮した後に、前記炭化物と混合することを特徴とする(1)又は(2)に記載のガス処理排水の処理方法、
(4)炭素質原料を熱分解して熱分解ガス、タール及び炭化物を生成する熱分解炉と、前記熱分解ガスを改質して可燃性ガスを生成する改質炉と、可燃性ガスの顕熱を熱回収する熱交換機又はボイラと、前記顕熱を熱回収した後の可燃性ガスを、冷却、脱塵、及び除害処理して精製された可燃性ガスを生成すると共に排水が生じるガス処理設備と、前記排水を乾燥及び脱水して排水の水分を減量する乾燥・脱水設備と、前記減量後の排水と前記炭化物を混合して混合物を生成する混合設備とを備えることを特徴とする炭素質原料のガス化装置、
(5)前記乾燥・脱水設備には、膜分離による脱水装置、又は蒸気熱による乾燥装置の少なくとも何れかを備えることを特徴とする(4)に記載の炭素質原料のガス化装置、
(6)炭素質原料を熱分解炉で熱分解して熱分解ガス、タール及び炭化物を生成し、更に前記熱分解ガス及びタールを改質炉で改質して可燃性ガスを生成する、可燃性ガスと炭化物を併産する炭素質原料の処理方法であって、前記可燃性ガスを冷却、脱塵、及び除害処理して精製するガス精製時に発生する排水と前記炭化物とを混合し、スラリー状または粉状の燃焼設備用原料を製造することを特徴とする炭素質原料の処理方法、
からなる。
本発明の具体的な手段としては、炭素質原料を熱分解する熱分解炉で発生する熱分解ガス、タール及び炭化物について、このうちタールを可燃性ガスに改質する(熱分解ガスの一部も改質される)改質工程を経て製造したガスの精製工程から発生する排水、特にバイオマス系原料の熱分解時に発生しやすい窒素系ガス(アンモニア、シアン化合物)や、ベンゼン、フェノール、油分(軽油相当成分を含む)を多く含む排水を、前記炭化物と混合して、吸着、あるいはスラリー状にして炭化物と排水を同伴させ、これを燃焼設備用原料にして燃焼設備で燃焼させることで、アンモニアやシアン化合物は分解・無害化し、また、ベンゼン、フェノール、油分、ダスト等は燃焼して発熱量を有効に利用する。
ここでいう燃焼設備とは、固体、液体、ガス燃料を燃焼して、その熱をボイラ(蒸気発電)等に使用する設備をいい、代表的な設備としては、微粉炭や重油、LPG、LNG、工業ガス燃焼ボイラ等がある。
本発明で排水と混合される炭化物は、いわゆる「炭」であり、石炭等と性状が近いことから、液体燃料やガス燃料では必要性が少ない、灰分の処理設備が付帯している、微粉炭燃焼ボイラの代替燃料としてそのまま直接の利用が可能である。また、この炭化物は、鉄鋼業での高炉への微粉炭吹き込み(還元材として使用)、ガス化複合発電(IGCC)でのガス化(部分燃焼)においても石炭代替として適用可能である。さらに、スラリーとして供給する想定もしており、その場合、重油等液体燃料を使用する燃焼設備(灰分処理設備は追加で必要)の重油代替、あるいは混焼(LPG、LNGや工場ガスと、重油や微粉炭の併用燃焼)設備の重油代替、微粉炭代替として使用して構わない。
このとき、排水中成分としては、アンモニア、シアン化合物、ベンゼン、フェノール、油分、ダスト等の量に比べ、圧倒的に水分が多く、そのまま水分ごと炭化物に吸着させて燃焼すると、蒸発潜熱分熱的に不利であることから、膜等分離設備や、系内で発生する蒸気熱を利用して一部または全部の水分を除去し、排水を濃縮する機能も別途付加するのが好ましい。
尚、後述するが、蒸気熱での水分蒸発(濃縮)に際しては、低沸点成分(アンモニア、ベンゼン等)は気化してしまうことから、これらの燃焼利用には設備的な工夫が必要である。
ここで、燃焼設備での上記炭化物(排水混合後)の燃焼時には、アンモニア、シアン化合物はNOx化するため、脱硝設備の能力を超える可能性もあり、吸着させた炭化物の窒素分を把握、管理することが一つの重要な点になる。特に原料中に窒素分を多く含み、熱分解でアンモニアや窒素等を発生しやすいバイオマス系原料を例に取ると、窒素分含有量は、0.07(建築廃材)〜1.03重量%(乾)(森林残材)(木質系;本発明者調べ)、5〜6重量%(乾)(下水汚泥;本発明者調べ)、1.1重量%(乾)(都市ゴミ)程度であり、微粉炭等燃焼設備で使用される瀝青炭で1〜1.5重量%(乾)(化学工学便覧改訂5版p1021)であることから、その影響は事前に推定できる。
炭素質原料中の窒素は、熱分解(炭化)でガス、炭化物へ分配されるが、本発明ではガス中の窒素分(ガス精製プロセスにて排水側に捕捉)の多くを炭化物に同伴または吸着させるため、ほぼ全量炭化物に含まれ、燃焼設備に投入されることになる。すなわち、木質系や都市ゴミは石炭と同等以下の窒素比率であるため、NOx増の影響は無いと考える。
バイオマス系原料のなかでも、下水汚泥に関しては、前述のように窒素が特に多いため、量に対する検討を行った。
微粉炭等燃焼設備(発電等向け)の一般的規模は1,000〜2,000トン/日(湿)の石炭使用であり、本発明等で使用される炭素質原料は、廃棄物の地域ごとの発生を考慮すると、せいぜい50〜100トン/日(湿)規模(本発明者調べ;使用量比で10:1〜40:1)である。1,000トン/日規模の微粉炭ボイラ用において、石炭(例えば窒素1質量%-dry、水分10質量%)と下水汚泥(例えば窒素6質量%-dry、水分80質量%)を混合使用する場合、設備上の脱硝(脱NOx)能力の上昇許容範囲を現状発生レベルに比べ+5%とすれば、窒素が全量NOxに転換すると仮定して、石炭850トン/日(湿)に下水汚泥150トン/日(湿)を加える場合(窒素総量が1.05倍)がNOxから見た場合の使用上限となる。また脱硝能力の上昇許容範囲を現状+2%とすれば、同様に石炭940トン/日(湿)に下水汚泥60トン/日(湿)(窒素総量が1.02倍)となる。その地域で発生する下水汚泥が100トン/日(湿)であれば、前者ではそのまま使用可能であり、後者では60トン/日まで、または脱硝設備の増強と言う条件が必要となる。(使用石炭、下水汚泥の含有窒素量、設備のNOx許容上限等により数値は変動)。このように、下水汚泥のような窒素分の多い原料に対しては、定量的に把握、管理して、現有設備(微粉炭燃焼設備等)の脱硝能力範囲で操業するか、設備増強するか等を決めると良い。
本発明を使用することで、一般的なガス化プロセスで必要な大きな排水処理設備を大幅に削減または省略可能となり、設備コスト、ランニングコストを削減できる。また、本発明により炭素質原料を処理して得られた燃焼設備用原料は、排水に含まれる可燃成分を含む炭化物を既存の化石燃料(重油、LNG、LPG等)の代替燃料として有効に使用可能となり、原料選択肢、特に低質なバイオマス系原料の利用範囲が拡大する。
代表的な炭素質原料のガス化処理プロセス 一般的な排水処理設備を有する、炭素質原料のガス化プロセス(従来例)
本発明は、炭素質原料のガス化時有効な、ガス精製時に発生するガス処理排水の処理方法、炭素質原料のガス化装置及び炭素質原料の処理方法であって、併産される炭化物に、排水処理が必要な成分を吸着あるいは同伴させ、炭化物とともに燃焼設備で使用することで排水処理設備を最小限化することを基本的な狙いとする。
尚、本発明の効果は、木質バイオマス(建築廃材、間伐材、林地残材等)、下水汚泥、都市ゴミ(生ゴミ、街路樹等がバイオマス系に属する)等のバイオマス系原料を使用した場合に、特に効果が大きい。
以下、図面に基づいて説明する。図1に、代表的な炭素質原料のガス化処理プロセスのプロセスフローを示す。また、図2に、一般的な排水処理設備を有する、ガス化プロセスのプロセスフローを示す。図1、図2では、熱分解炉形式でプロセスフローが微妙に異なるが、後述のように効率等に優れるシャフト型熱分解炉を熱分解炉2として採用し、それに基づいて以下に説明する。
共通の原料、生成物流れから、図1を中心に説明する。
炭素質原料1を熱分解炉2に上部から投入し、高温熱ガスまたは酸素含有ガス3(通常、対向流熱交換の効果が高くなるように、高さ方向で炉中央より下に投入)による顕熱または燃焼熱で炭素質原料1の乾燥、昇温、及び熱分解(炭化およびガス化)を行う。
尚、高温熱ガスを使用する場合は、熱分解炉2に隣接して設置した燃焼炉等で部分燃焼した800℃〜1300℃程度の高温ガス顕熱を熱分解熱源として使用してもよく、また酸素含有ガスの場合は、熱分解炉2内に直接吹き込み、炉内において炭化物の一部を燃焼して生成した高温ガスが炭素質原料1の熱分解熱源となるようにしてもよい。
このとき、酸素含有ガスを投入する場合でも、乾燥、昇温、及び熱分解に必要な最低限の熱を与えればよいことから、発生する炭化物全量を燃焼する必要はなく、熱分解反応が起こっている熱分解炉2の上部を中心に、酸素のない還元雰囲気状態(蒸し焼き)になっている。
熱分解炉2に関しては、原料と熱ガスが対向流熱交換を行うため熱交換効率が高く(熱ロスが少なく)、最終的なガスに転換する転換効率が高いシャフト型の熱分解炉を図1、図2に示しているが、キルン、流動層等、連続的に熱分解処理が可能な熱分解炉であれば適用しても構わない。
シャフト型の熱分解炉を例にとり説明すると、上昇する高温ガス顕熱により、炭素質原料1は降下しながら乾燥、昇温、熱分解し、熱分解炉2の下部から炭化物4が排出される。
熱分解炉2の上部からは、300〜500℃で熱分解ガス及びタール5が排出され、これには、熱分解熱源用の高温熱ガスまたは炭化物4が酸素含有ガスにより一部燃焼したガス、熱分解炉2内部で炭素質原料1が熱分解して発生した熱分解ガス、熱分解タール、炭素質原料1乾燥時に発生した水分(水蒸気)が含まれる。
この熱分解ガス及びタール5は、改質炉6で酸素含有ガスにより800〜1200℃程度まで昇温され、タールやダストの水蒸気改質反応を起こし、生成した改質ガス7は、一酸化炭素、水素、二酸化炭素、水蒸気と、若干の炭化水素(メタン等)で主に構成される高温ガスとなる(残りは窒素と、シアン、アンモニア等の微量ガス成分、微量のタール、軽油等可燃成分)。
改質ガス7はボイラ8で熱回収(蒸気生成)され、ガス処理設備9で冷却、脱塵、ガス処理(中和処理等の除害)が行われ、製品ガス(精製された可燃性ガス)11になる。
ガス処理設備9には、脱塵装置の使用温度までの冷却装置(場合により不要)、ガス中ダストの除去(脱塵)装置(セラミックフィルタ、電気集塵機やバグフィルタ等)、ガス中腐食成分の除害装置(例えば塩酸除去のためのNaOHによる中和装置)等の構成例が採用できる。
炭素質原料1の種類によっては、硫黄が多い場合があり(例えばタイヤ)、必要に応じて脱硫設備10を設置する。
ガス処理設備9からは、ダスト、油分(タール、軽油)、除害(中和)処理排水が発生し、図2に示すように、通常は一般的な排水処理設備12として、比重差分離、金属の凝集沈殿分離、活性汚泥による安水処理等を経て無害化処理を行い、規制値以下に調整してから処理水を放流する設備がつく。
さらに本発明の原料のうち、バイオマス系原料を含む場合で特に多く発生するアンモニアやシアン対策のために、アンモニアストリッピング装置等の脱アンモニア装置や、活性汚泥能力の増強(シアンが毒性成分として活性汚泥能力を制限)が多くの場合必要である。例えば、使用するバイオマス種類、量にもよるが、ガス中のアンモニアとシアンの量が30%増加した場合(比率は改質温度でほぼ決まるため概ね一定)、脱アンモニア装置能力(処理速度)30%増、活性汚泥能力(処理槽容積)30%増となる。
改質ガス7中に含まれる、タール、軽油、ダスト等の可燃成分は、例えば脱塵装置に電気集塵機を使用した場合にはほぼすべてが電気集塵機で排水側に回収され、バグフィルタを使用した場合には、ダストほぼ全部とタールの一部はバグフィルタで固体として回収され、タールの残りほぼ全部と、軽油の一部は除害装置で排水側に回収される。
このように、採用する個別の要素機器によって若干異なるが、可燃成分のほぼすべてはガス処理設備9でガスから回収され、大部分が処理排水中に残ることになる(微少量製品ガスに含有)。
尚、重金属に関しては、下水汚泥中のリン等の特殊な原料もあるが、代表的な炭素質資源である石炭と比べて特に原料中に多く含有されている重金属はなく(木質バイオマスは重金属含有率が特に低い)、石炭のガス化設備等と同等以下の処理設備構成でよい。
本発明においては、図1に示したとおり、ガス処理設備9で発生したダスト、油分、及び中和処理水を、乾燥・脱水設備13により処理し、水分を減量するのが好ましい。乾燥・脱水設備13においては、膜による水の直接分離と、蒸気による乾燥の方法がある。本発明では、汚濁水からの浄水の生成に使用される、圧力による膜分離で水を分離する方法が最も効果が高いと考えており、炭化物と混合する時に許容される水分量になるまで減容することで、濃縮水14と水が生成する(水は放流)。このとき、分離前の水側を加圧する必要があるため、乾燥・脱水設備は、加圧ポンプ等を含む。
ボイラ8で発生する蒸気による乾燥は、系内で回収したエネルギーを有効に使うことから経済性上良好だが、加熱温度によってはアンモニアや軽油中の揮発性の高い成分の一部が水と一緒に飛んでしまうため、小規模ながらやはり排水処理設備が必要になってしまう。
蒸気を使用する場合の具体的な設備構成としては二通りあり、系内蒸気によるアンモニア・軽質油分ストリッピング装置を乾燥・脱水設備13の前段に設置する場合と、分離後の水の小規模排水処理装置を乾燥・脱水設備13に併設する場合である。
前者の場合は、本発明者らは、排出されたアンモニア・軽質油含有ガスを、プラント外に出さず、改質炉6に投入して熱分解(アンモニアは窒素へ転換)、改質(軽質油はCO、H2へ転換)して可燃成分のガス化利用をするべきと考えるが、改質炉6からガス処理設備9までのガスボリュームが増加するため、設備的なコスト増加と併せ、蒸気を使用しない場合と比較し、より優位な方法をとる必要がある。
後者は、前述の一般的な排水処理に比べ処理規模は大幅に小さくなるが(比重差分離や金属の凝集沈殿分離は不要。活性汚泥処理の規模も縮小;タールやダスト、飛ばない油分は処理不要のため)、排水処理設備すべてを省略する場合に比べると、設備コスト低減効果も縮小する。
よって、本発明者らは、本発明には膜分離が最も適している、とした。
処理水の減容規模は、燃焼装置での利用を考えた場合、熱的には可能な限り水が少ない方が良いのは明らかだが、効率的・経済的な脱水方法・設備、炭化物搬送形態(スラリーか粉体か)、炭化物の量、等を考慮の上、判断する必要がある。
まず、スラリーとして搬送する場合には、液体(水分)が多いほど安定し、本発明のような炭化物、特にバイオマス系を含む場合、液/固重量比で1/1程度までが液体量を下げる限界と言われている。また、この場合の液体量の上限は、燃料として利用しても問題ない水分量となる(微粉炭等燃焼設備で燃やす場合、水が多いと蒸発潜熱分が熱損失となり、ボイラ全体の燃焼効率を下げる)。
乾燥時の炭化物発熱量は、本発明者らの分析によると、低い場合でも約17、000kj/kg(約4、000kcal/kg)であるため、水分80%程度までは、熱的に許容できる(これ以上の水分量になると、全体熱収支を下げる)。
その場合の使用水量であるが、本発明の炭化物は、後述の実施例のように、100トン/日の原料利用で500kg/h程度生成することから、2.0トン/h程度が上限と考える(水分80%、合計2.5トン/h)。
実際にこの規模で発生する処理水は3トン/hであり、すなわち、スラリー搬送には、1/3(上限;10トン/h分離)〜5/6(下限;固液同等;2.5トン/h分離)程度の脱水(減容)が必要である。
この範囲の膜分離の場合、膜にもよるが、精密濾過膜、限外濾過膜あるいは逆浸透膜で水のみ分離する場合、0.1〜0.3MPa(G)程度の圧力をかければよい(塩(中和塩;NaCl)まで分離する場合は数MPaまで加圧が必要だが、排水として放水することを想定しており、そこまでの分離は必要ない)。
膜に関しては、分離規模が大きい場合には有機膜(高分子系)が使用されるが、油分、タール分も含有することから、焼却処理も可能なセラミック膜等の無機膜も使用して良い。
一方、粉体として搬送する場合には、炭化物は内部の細孔内と、粒子表面に水分を含み、しかも搬送性を確保しなければならない。
発生する炭化物の物性としては、細孔容積で0.2〜0.3cm3/gであり、1トンあたり0.2〜0.3m3の内部容積がある。前述のように500kg/hの炭化物量であれば、吸着細孔容積としては、0.1〜0.15m3/hとなる。
脱水規模としては、表面にある程度水が付着しても問題ないが、安全範囲としてすべて内部に吸着した場合として、発生する処理水が3トン/hであり、1/20〜1/30になる(減量19/20〜29/30)。この範囲の膜分離では、有機膜(高分子系)で、0.3〜1MPa(G)程度の圧力が必要となる。
スラリー化の場合の、1/3〜6/5の減量と、粉体搬送の19/20〜29/30の減量の間に関しては、搬送試験等の実施により搬送性が確保できれば、どちらの方法を用いても良い。
水分の減量量に関しては、発生する処理水の量が3トン/hであり、もっとも原料の小さいスラリー化の場合でも、総重量2.5トン/h以下への減量が必要なためだが、例えば燃焼設備で高水分が許容されるような場合や、収集した原料中水分が低く(事前乾燥、天然乾燥、高水分原料非使用、等を含む)、発生量が2.0トン/h以下になる場合等では、省略することが可能になる。
スラリー、粉体どちらの形態であれ、濃縮水14と炭化物4を混合する混合設備15で混練し、搬送設備16で微粉炭等燃焼設備17等の燃焼設備に搬送、吹き込み、燃焼利用する。
炭化物4は、熱分解炉2から排出された時点では、大きいもので長さ数100mm程度のものもあるため、そのままではスラリー、粉体搬送とも困難であり、破砕装置が必要である。
また原料中のガレキ類、金属類の量によっては分離が必要であり、原料種類に応じた破砕・分離設備18を熱分解炉2と混合設備15の間に設置する。
以下に、具体的な実施例を示す。
炭素質原料として、木質系バイオマス(間伐材、バーク、建設廃木材で構成)60トン/日、廃プラ29トン/日、廃タイヤ11トン/日(いずれも湿重量)を使用し、シャフト型熱分解炉、改質炉、ボイラ、ガス処理設備(ガス冷却器、バグフィルタ、洗煙塔)、乾燥、脱水設備、混合設備、破砕・分離設備(炭化物)、搬送設備、微粉炭燃焼発電設備、等で構成される設備で可燃性ガス及び炭化物を製造した。
熱分解炉への酸素含有ガス投入量は、90%濃度酸素550Nm3/h、蒸気2、860kg/h、改質炉への酸素投入量は、1、300Nm3/hであり、可燃ガスは7、340Nm3/h(乾)、炭化物は540kg/h発生した。尚、発生した炭化物の物性としては、細孔容積で0.25cm3/g(1トンあたり0.25m3)の内部容積であった。
熱分解炉排出ガス温度は400℃、改質炉制御温度は1100℃、バグフィルタ前温度は200℃、ガス処理設備後のガス温度は40℃の設定とし、制御した。
脱塵は電気集塵方式にせずバグフィルタとしたため、油分等含め洗煙塔(NaOHによる中和処理塔)で除去され、排水中に移行する。
洗煙塔から発生する排水中には、シアン化合物24mg/L(排水基準値;1mg/L)、ベンゼン2mg/L(同;0.1mg/L)、アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物150mg/L(同;100mg/L)、n−ヘキサン抽出物75mg/L(同;30mg/L)、フェノール類5mg/L(同;1mg/L)、COD67mg/L(同;20mg/L)、SS2mg/L(同;50mg/L)と、SS以外は基準値を超えているため、通常は排水処理設備により基準値以下にする(排水基準は、条例等により基準値が厳しくなる場合があり、上記数値は、本発明実施地域での数値である)。
図2で示した、一般的な排水処理設備12であるが、上記実施例の排水の場合、処理しにくいシアン、窒素、COD対策に重点を置いた構成となり、例えば、原水槽、加圧浮上槽、二段階の凝集沈殿槽(全シアン処理)、生物処理槽(活性汚泥による窒素処理)、活性炭吸着塔、処理水槽、脱水機(活性汚泥の脱水)等で構成される設備となる。
他に、紺青法+生物処理法を中心とした方法、アルカリ塩素法+生物処理方法を中心とした方法等、処理手法は複数既存技術として存在するが、いずれも、工程数が多く複雑な処理設備であり、エネルギー回収まで配慮した方法は無い。
本発明においては、この排水3トン/hを、高分子膜(ポリプロピレン系)を用い、(a)0.2MPa(G)まで加圧した精密濾過を行い、50%減容した場合(スラリー製造)、(b)0.8MPa(G)まで加圧した精密濾過を行い、1/25に減容した場合(粉体製造)を実施している。(a)の場合、炭化物540kgに対し、濃縮排水1.5トンの混合割合、(b)の場合、炭化物540kgに対し、濃縮排水120kgの混合割合となる(細孔容積は0.25m3/トンなので、水で135kg吸着可能であり、ほぼフルに細孔に吸着する)。
その結果、スラリー製造を狙う(a)では、水側は1.5トン/h発生したが、この水は、シアン化合物0.2mg/L、ベンゼン0.01mg/L未満、アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物5mg/L未満、n−ヘキサン抽出物0.5mg/L未満、フェノール類0.1mg/L未満、COD1mg/L、SS1mg/L未満であり、放流可能であった。
また濃縮水側は、混練機のついた混合設備で炭化物と混合することでスラリー化し、圧送ポンプにより微粉炭燃焼発電設備の専用貯留タンクに搬送し、微粉炭バーナとは別途設置したスラリー専用バーナから、空気と共に燃焼ボイラに投入され、燃焼した。
2トン/h(約50トン/日)のスラリー投入であったが、微粉炭燃焼ボイラ(石炭1、000トン/日)の効率低下は見られなかった。
可燃分の回収に関しては、溶液中の可燃分絶対量が少なく、微粉炭燃焼ボイラの規模が大きいことから考えると蒸気回収量等への定量計算は困難であるが、含有量から推察すると、軽油分はベンゼンに代表され(トルエン、キシレン他は微量)、タール分はn−ヘキサンに溶解することよりn−ヘキサン抽出物に代表され、ダストはSSと見なして良い、等から、概算ではあるが、以下の計算が可能である。
排水量3トン/h、この中のベンゼン2mg/L(軽油代表)、n−ヘキサン抽出物75mg/L(タール代表)、SS2mg/L(ダスト代表)、かつ濾過後排水量中の成分量は検知以下であったことから、すべて濃縮水側に移行していると考え、排水比重1000kg/m3(水相当)、ベンゼン発熱量3,268kj/mol(42Mj/kg)、タール発熱量32Mj/kg、ダスト28Mj/kg(本発明者調べ)より、7,620kj/h(183Mj/日)の発熱量が微粉炭燃焼ボイラで燃焼されたことになる。
熱分解炉から発生する炭化物は、540kg/h程度だが、磁選機、比重選別機(風力式)、破砕機を通過することで、480kg/hの分離後炭化物(物理的に分離できない灰分含む炭状物で、80μm程度の粒径を8割以上含む粒子に粉砕されている)と、60kg/hのガレキ類・金属に分けられ、分離後炭化物の方を、炭化物として濃縮水と混合する。
分離後炭化物はいわゆる炭で有り、微粉化していることから、水とのなじみが良くなく、また細孔が多くあいているポーラスなものであるため、濃縮水との混練には撹拌機を使用し、少量の界面活性剤を加えることで、混練時間を平均滞留時間30分程度に調整した。
粉体製造を狙う(b)では、水側は2.88トン/h発生したが、この水は、シアン化合物0.3mg/L、ベンゼン0.06mg/L、アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物10mg/L、n−ヘキサン抽出物0.5mg/L未満、フェノール類0.2mg/L、COD5mg/L、SS1mg/L未満であり、スラリー製造の(a)に比べ、水質は悪化傾向であったが、放流可能であった。
この場合も、放流する水側への残存が微量であることから、排水処理設備から排出された全量が炭化物に付着、吸着されて微粉炭燃焼ボイラで燃焼され、その値は7,620kj/h(183Mj/日)である。
濃縮水側は、混練機のついた混合設備で炭化物と混合し、気流搬送(空気搬送)により微粉炭燃焼発電設備の専用ホッパに搬送後、微粉炭用のホッパの一つに定量供給し、微粉炭用バーナの一部(全20本中2本)から微粉炭と共に燃焼ボイラに投入され、燃焼した。
0.5トン/h(約10トン/日)の粉体投入であったが、微粉炭燃焼ボイラ(石炭1、000トン/日)の効率低下は見られなかった。粉体と濃縮水の混練には、横型の撹拌機を使用し、吸着時間を考慮して、混練時間を平均滞留時間で60分程度に調整した。
1 炭素質原料
2 熱分解炉
3 高温熱ガスまたは酸素含有ガス
4 炭化物
5 ガス及びタール
6 改質炉
7 改質ガス
8 ボイラ
9 ガス処理設備
10 脱硫設備
11 製品ガス(精製された可燃性ガス)
12 一般的な排水処理設備
13 乾燥・脱水設備
14 濃縮水
15 混合設備
16 搬送設備
17 微粉炭等燃焼設備
18 破砕・分離設備

Claims (6)

  1. 炭素質原料を熱分解炉で熱分解して熱分解ガス、タール及び炭化物を生成し、前記熱分解ガス及びタールを改質炉で改質して可燃性ガスを生成する可燃性ガスと炭化物を併産する方法におけるガス処理排水の処理方法において、前記可燃性ガスを冷却、脱塵、及び除害処理して精製するガス精製時に発生する排水を前記炭化物と混合し、スラリー状または粉状の燃焼設備用原料にして燃焼することを特徴とするガス処理排水の処理方法。
  2. 前記炭素質原料にはバイオマス系原料を含むことを特徴とする請求項1に記載のガス処理排水の処理方法。
  3. 前記可燃性ガスのガス精製時に発生する排水を、分離膜による脱水、又は蒸気加熱による乾燥の少なくとも何れかの処理により濃縮した後に、前記炭化物と混合することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス処理排水の処理方法。
  4. 炭素質原料を熱分解して熱分解ガス、タール及び炭化物を生成する熱分解炉と、前記熱分解ガスを改質して可燃性ガスを生成する改質炉と、可燃性ガスの顕熱を熱回収する熱交換機又はボイラと、前記顕熱を熱回収した後の可燃性ガスを、冷却、脱塵、及び除害処理して精製された可燃性ガスを生成すると共に排水が生じるガス処理設備と、前記排水を乾燥及び脱水して排水の水分を減量する乾燥・脱水設備と、前記減量後の排水と前記炭化物を混合して混合物を生成する混合設備とを備えることを特徴とする炭素質原料のガス化装置。
  5. 前記乾燥・脱水設備には、膜分離による脱水装置、又は蒸気熱による乾燥装置の少なくとも何れかを備えることを特徴とする請求項4に記載の炭素質原料のガス化装置。
  6. 炭素質原料を熱分解炉で熱分解して熱分解ガス、タール及び炭化物を生成し、更に前記熱分解ガス及びタールを改質炉で改質して可燃性ガスを生成する、可燃性ガスと炭化物を併産する炭素質原料の処理方法であって、前記可燃性ガスを冷却、脱塵、及び除害処理して精製するガス精製時に発生する排水と前記炭化物とを混合し、スラリー状または粉状の燃焼設備用原料を製造することを特徴とする炭素質原料の処理方法。
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