JPH09316438A - 油処理剤 - Google Patents
油処理剤Info
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- JPH09316438A JPH09316438A JP13321996A JP13321996A JPH09316438A JP H09316438 A JPH09316438 A JP H09316438A JP 13321996 A JP13321996 A JP 13321996A JP 13321996 A JP13321996 A JP 13321996A JP H09316438 A JPH09316438 A JP H09316438A
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- Japan
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- oxide adduct
- fatty acid
- alkylene oxide
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 海洋等に流れ出す流出油等の現場での生化学
的分解を効果的に促進させる技術を提供する。 【解決手段】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1は分枝鎖を有することもある炭素原子数4
〜22の脂肪族炭化水素基を示し、R2は分枝鎖を有す
ることもある炭素原子数2〜10の脂肪族炭化水素基を
示す)で表されるピペラジン誘導体を含有する油処理
剤。
的分解を効果的に促進させる技術を提供する。 【解決手段】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1は分枝鎖を有することもある炭素原子数4
〜22の脂肪族炭化水素基を示し、R2は分枝鎖を有す
ることもある炭素原子数2〜10の脂肪族炭化水素基を
示す)で表されるピペラジン誘導体を含有する油処理
剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オイルタンカー
や石油基地の流出油事故等によって海洋や河川等に流れ
出す流出油および工場や一般家庭等から排出される排出
油等の油の処理に関する。
や石油基地の流出油事故等によって海洋や河川等に流れ
出す流出油および工場や一般家庭等から排出される排出
油等の油の処理に関する。
【0002】
【従来の技術】オイルタンカーや石油基地の流出油事故
等によって海洋や河川等に流れ出す流出油の処理方法と
して、海洋等に存在する油分解活性を有する微生物に水
溶性栄養素を供給することによって流出油の分解を促進
させる生化学的方法が提案されているが、海洋や河川等
の開放系においては、供給する水溶性栄養素は水中へ溶
解分散されるのが早すぎ、流出油中に効率よく取り込ま
れないために、所期の目的を達成することはできない。
等によって海洋や河川等に流れ出す流出油の処理方法と
して、海洋等に存在する油分解活性を有する微生物に水
溶性栄養素を供給することによって流出油の分解を促進
させる生化学的方法が提案されているが、海洋や河川等
の開放系においては、供給する水溶性栄養素は水中へ溶
解分散されるのが早すぎ、流出油中に効率よく取り込ま
れないために、所期の目的を達成することはできない。
【0003】このような問題点を解決するために、(i)
水溶性の含窒素化合物と含リン化合物をパラフィンで処
理した組成物を利用する方法(特開昭50−40780
号公報参照)、(ii)特定の親油性含窒素栄養分(ジグア
ニジニウム塩類)と界面活性剤を含有する組成物を用い
る方法(特開昭58−153530号および同59−8
2995号各公報参照)、および(iii)含有窒素化合物と
含リン化合物を含有する水溶液を分散相とし、油混和性
有機液体を分散媒とするミクロエマルジョンを使用する
方法(特公昭58−49232号および同61−115
90号公報参照)が提案されている。しかしながら、方
法(i)の場合には、栄養素のパラフィン処理に特別な装
置を必要とするために、流出油処理剤がコスト高にな
り、また、方法(ii)は、水溶性の無機栄養素に比べて高
価な有機窒素化合物を必要とするために、コスト面で実
用性が低く、さらにまた、方法(iii)においてはミクロ
エマルジョンが比較的短期間で分層するために、長期の
貯蔵や輸送に耐えられないという難点がある。
水溶性の含窒素化合物と含リン化合物をパラフィンで処
理した組成物を利用する方法(特開昭50−40780
号公報参照)、(ii)特定の親油性含窒素栄養分(ジグア
ニジニウム塩類)と界面活性剤を含有する組成物を用い
る方法(特開昭58−153530号および同59−8
2995号各公報参照)、および(iii)含有窒素化合物と
含リン化合物を含有する水溶液を分散相とし、油混和性
有機液体を分散媒とするミクロエマルジョンを使用する
方法(特公昭58−49232号および同61−115
90号公報参照)が提案されている。しかしながら、方
法(i)の場合には、栄養素のパラフィン処理に特別な装
置を必要とするために、流出油処理剤がコスト高にな
り、また、方法(ii)は、水溶性の無機栄養素に比べて高
価な有機窒素化合物を必要とするために、コスト面で実
用性が低く、さらにまた、方法(iii)においてはミクロ
エマルジョンが比較的短期間で分層するために、長期の
貯蔵や輸送に耐えられないという難点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、流出油現
場等において、海洋等に存在する油分解活性を有する微
生物に比較的低コストの油溶性栄養素を長期間にわたっ
て効率よく供給することによって、流出油の生化学的分
解を効果的に促進させる技術を提供するためになされた
ものである。
場等において、海洋等に存在する油分解活性を有する微
生物に比較的低コストの油溶性栄養素を長期間にわたっ
て効率よく供給することによって、流出油の生化学的分
解を効果的に促進させる技術を提供するためになされた
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明は、一般
式(I):
式(I):
【化2】 (式中、R1は分枝鎖を有することもある炭素原子数4
〜22の脂肪酸炭化水素基を示し、R2は分枝鎖を有す
ることもある炭素原子数2〜10の脂肪族炭化水素基を
示す)で表されるピペラジン誘導体を含有する油処理
剤、および被処理油に該処理剤を散布し、該油を、自然
界に存在する油分解活性を有する微生物によって分解さ
せることを特徴とする油処理方法に関する。
〜22の脂肪酸炭化水素基を示し、R2は分枝鎖を有す
ることもある炭素原子数2〜10の脂肪族炭化水素基を
示す)で表されるピペラジン誘導体を含有する油処理
剤、および被処理油に該処理剤を散布し、該油を、自然
界に存在する油分解活性を有する微生物によって分解さ
せることを特徴とする油処理方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明による処理対象となる油としては、動植物
油、鉱油およびこれらの廃油、排出油等が例示される。
する。本発明による処理対象となる油としては、動植物
油、鉱油およびこれらの廃油、排出油等が例示される。
【0007】本発明による油処理剤には前記の一般式
(I)で表されるピペラジン誘導体を配合する。一般式
(I)において、R1は分枝鎖を有することもある炭素
原子数4〜22、好ましくは10〜18の脂肪族炭化水
素基を示し、R2は分枝鎖を有することもある炭素原子
数2〜10、好ましくは2〜4の脂肪族炭化水素基を示
す。脂肪族炭化水素基R1およびR2の炭素原子数が上記
の上限よりも大きくなると分子中の窒素含有量が少なく
なるので、栄養素の効率という点からも好ましくなく、
また、該炭素原子数が上記の下限よりも小さくなると油
溶性が低下するので好ましくない。
(I)で表されるピペラジン誘導体を配合する。一般式
(I)において、R1は分枝鎖を有することもある炭素
原子数4〜22、好ましくは10〜18の脂肪族炭化水
素基を示し、R2は分枝鎖を有することもある炭素原子
数2〜10、好ましくは2〜4の脂肪族炭化水素基を示
す。脂肪族炭化水素基R1およびR2の炭素原子数が上記
の上限よりも大きくなると分子中の窒素含有量が少なく
なるので、栄養素の効率という点からも好ましくなく、
また、該炭素原子数が上記の下限よりも小さくなると油
溶性が低下するので好ましくない。
【0008】上記のピペラジン誘導体は、一般的には、
ピペラジンアルカノールと飽和脂肪酸または不飽和脂肪
酸の酸ハロゲン化合物との反応よって調製することがで
きる。
ピペラジンアルカノールと飽和脂肪酸または不飽和脂肪
酸の酸ハロゲン化合物との反応よって調製することがで
きる。
【0009】上記のピペラジン誘導体はそのまま油処理
剤として使用することも可能であるが、経済性あるいは
流出油への溶解性(低粘性化)の観点からは、毒性の低い
油溶性溶剤に配合して用いるのが好ましい。この種の溶
剤としては石油系溶剤(例えば、パラフィン系溶剤、シ
クロ環系溶剤、混合系溶剤(石油エーテル、石油ベンジ
ン等)、高級アルコール(例えば、アルキルアルコー
ル、エチレングリコール類、グリセリン類、シクロアル
コール、混合アルコール(フーゼル油等)、脂肪酸(例え
ば、オレイン酸、乳酸、カプロン酸、酪酸、2−エチル
酪酸等が挙げられる。
剤として使用することも可能であるが、経済性あるいは
流出油への溶解性(低粘性化)の観点からは、毒性の低い
油溶性溶剤に配合して用いるのが好ましい。この種の溶
剤としては石油系溶剤(例えば、パラフィン系溶剤、シ
クロ環系溶剤、混合系溶剤(石油エーテル、石油ベンジ
ン等)、高級アルコール(例えば、アルキルアルコー
ル、エチレングリコール類、グリセリン類、シクロアル
コール、混合アルコール(フーゼル油等)、脂肪酸(例え
ば、オレイン酸、乳酸、カプロン酸、酪酸、2−エチル
酪酸等が挙げられる。
【0010】油溶性溶剤に対するピペラジン誘導体の配
合量は、流出油等の被処理油の種類、油溶性溶剤の種類
および処理現場の水温等によって左右され、特に限定的
ではないが、通常は2〜50重量%、好ましくは5〜3
0重量%である。
合量は、流出油等の被処理油の種類、油溶性溶剤の種類
および処理現場の水温等によって左右され、特に限定的
ではないが、通常は2〜50重量%、好ましくは5〜3
0重量%である。
【0011】本発明による油処理剤には、流出油等の被
処理油の微生物による分解効率をさらに高めるために、
所望により流出油等を小滴化する界面活性剤であって上
記の油溶性溶剤に溶解するものを適宜配合してもよい。
このような界面活性剤としては次のものが例示される:
脂肪酸アルキレンオキサイド付加物、多価アルコール脂
肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレ
ンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオ
キサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加
物、油脂のアルキレンオキサイド付加物およびポリプロ
ピレングリコールエチレンオキサイド付加物。この種の
界面活性剤の配合量は被処理油な油溶性溶剤の種類等に
よって左右され、特に限定的ではないが、通常は1〜3
0重量%、好ましくは2〜10重量%である。
処理油の微生物による分解効率をさらに高めるために、
所望により流出油等を小滴化する界面活性剤であって上
記の油溶性溶剤に溶解するものを適宜配合してもよい。
このような界面活性剤としては次のものが例示される:
脂肪酸アルキレンオキサイド付加物、多価アルコール脂
肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレ
ンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオ
キサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加
物、油脂のアルキレンオキサイド付加物およびポリプロ
ピレングリコールエチレンオキサイド付加物。この種の
界面活性剤の配合量は被処理油な油溶性溶剤の種類等に
よって左右され、特に限定的ではないが、通常は1〜3
0重量%、好ましくは2〜10重量%である。
【0012】本発明による油処理剤には、所望により他
の栄養源、例えば油溶性有機含リン化合物を適宜(通常
は1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%)配合し
てもよい。この種の含リン化合物としては、アルキルリ
ン酸エステル(例えば、オクチルリン酸エステル、ドデ
シルリン酸エステル、ヘキサデシルリン酸エステル、オ
クタデシルリン酸エステル、ジブチルリン酸エステル、
ジクオクチルリン酸エステル、ジドデシルリン酸エステ
ル、ジペンタデシルリン酸エステル、トリプロピルリン
酸エステル、トリオクチルリン酸エステルおよびトリデ
シルリン酸エステル等)、アルキルエーテルリン酸エス
テル(例えば、オクチルエーテルリン酸エステル、ドデ
シルエーテルリン酸エステル、ヘキサデシルエーテルリ
ン酸エステル、オクタデシルエーテルリン酸エステル、
ジブチルエーテルリン酸エステル、ジクオクチルエーテ
ルリン酸エステル、ジドデシルエーテルリン酸エステ
ル、ジペンタデシルエーテルリン酸エステル、トリプロ
ピルエーテルリン酸エステル、トリオクチルエーテルリ
ン酸エステルおよびトリデシルエーテルリン酸エステル
等)、アルケニルリン酸エステル(例えば、オクテンリ
ン酸エステル、ドデセンリン酸エステル、ヘキサデセン
リン酸エステル、オクタデセンリン酸エステル、ジブテ
ンリン酸エステル、ジオクテンリン酸エステル、ジドデ
センリン酸エステル、ジペンタデセンリン酸エステル、
トリプロペンリン酸エステル、トリオクテンリンサンエ
ステルおよびトリデセンリン酸エステル等)、およびリ
ン脂質(例えば、レシチン、ケファリン、フォスファチ
ジルセリン、フォスファチジルコリン、フォスファチジ
ルエタノールアミンおよびフォスファチジン等)が挙げ
られる。
の栄養源、例えば油溶性有機含リン化合物を適宜(通常
は1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%)配合し
てもよい。この種の含リン化合物としては、アルキルリ
ン酸エステル(例えば、オクチルリン酸エステル、ドデ
シルリン酸エステル、ヘキサデシルリン酸エステル、オ
クタデシルリン酸エステル、ジブチルリン酸エステル、
ジクオクチルリン酸エステル、ジドデシルリン酸エステ
ル、ジペンタデシルリン酸エステル、トリプロピルリン
酸エステル、トリオクチルリン酸エステルおよびトリデ
シルリン酸エステル等)、アルキルエーテルリン酸エス
テル(例えば、オクチルエーテルリン酸エステル、ドデ
シルエーテルリン酸エステル、ヘキサデシルエーテルリ
ン酸エステル、オクタデシルエーテルリン酸エステル、
ジブチルエーテルリン酸エステル、ジクオクチルエーテ
ルリン酸エステル、ジドデシルエーテルリン酸エステ
ル、ジペンタデシルエーテルリン酸エステル、トリプロ
ピルエーテルリン酸エステル、トリオクチルエーテルリ
ン酸エステルおよびトリデシルエーテルリン酸エステル
等)、アルケニルリン酸エステル(例えば、オクテンリ
ン酸エステル、ドデセンリン酸エステル、ヘキサデセン
リン酸エステル、オクタデセンリン酸エステル、ジブテ
ンリン酸エステル、ジオクテンリン酸エステル、ジドデ
センリン酸エステル、ジペンタデセンリン酸エステル、
トリプロペンリン酸エステル、トリオクテンリンサンエ
ステルおよびトリデセンリン酸エステル等)、およびリ
ン脂質(例えば、レシチン、ケファリン、フォスファチ
ジルセリン、フォスファチジルコリン、フォスファチジ
ルエタノールアミンおよびフォスファチジン等)が挙げ
られる。
【0013】本発明による油処理剤は、例えば、流出油
事故の発生した海洋、河川および沼湖等の現場におい
て、流出油に直接散布すればよい。散布量は、流出油の
種類や現場の情況および上記の窒素源の種類や濃度等に
よって左右され、特に限定的ではないが、通常は流出油
に対して1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%で
ある。
事故の発生した海洋、河川および沼湖等の現場におい
て、流出油に直接散布すればよい。散布量は、流出油の
種類や現場の情況および上記の窒素源の種類や濃度等に
よって左右され、特に限定的ではないが、通常は流出油
に対して1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%で
ある。
【0014】自然界にはバクテロイデス属、ミクロコッ
カス属、コリネバクテリウム属、プソイドモナス属およ
びモラクセラ属等油分解活性を有する各種の微生物が存
在することが知られている〔例えば、神戸商船大学紀
要、第二類、第27号、第189頁〜第193頁(1979
年)、およびNippon Suisan Gakkaishi、第55巻、
第1091頁〜第1095頁(1989年)参照〕。しかしながら、栄
養素の濃度の限られた自然界では、海洋等に流出する流
出油を微生物によって自然分解させるためには非常に長
い年月を必要とする。
カス属、コリネバクテリウム属、プソイドモナス属およ
びモラクセラ属等油分解活性を有する各種の微生物が存
在することが知られている〔例えば、神戸商船大学紀
要、第二類、第27号、第189頁〜第193頁(1979
年)、およびNippon Suisan Gakkaishi、第55巻、
第1091頁〜第1095頁(1989年)参照〕。しかしながら、栄
養素の濃度の限られた自然界では、海洋等に流出する流
出油を微生物によって自然分解させるためには非常に長
い年月を必要とする。
【0015】一方、本発明による上記処理剤によって流
出油等を処理すると、油溶性の窒素源やリン源が油中内
へ流入し、高濃度の栄養分を含有する環境を形成するた
めに、油分解活性を有する微生物の該環境下での増殖生
育が著しく促進される結果、流出等の現場での生分解効
率が大幅に増大する。
出油等を処理すると、油溶性の窒素源やリン源が油中内
へ流入し、高濃度の栄養分を含有する環境を形成するた
めに、油分解活性を有する微生物の該環境下での増殖生
育が著しく促進される結果、流出等の現場での生分解効
率が大幅に増大する。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。実施例1 (1)ピペラジン誘導体の調製 冷却管と塩化カルシウム管を装着した3つ口フラスコ内
に1−ピペラジンエタノール2.0g、トリエタノールア
ミン2.4mlおよびベンゼン50mlを入れ、該フラスコ
を氷冷した。ベンゼン20mlにラウリン酸クロリド3.
6gを溶解させた溶液を上記混合物中に撹拌下で20分
間かけて添加し、反応混合物の温度を室温まで徐々に高
めた後、撹拌をさらに3時間続行した。反応混合物を濾
過処理に付し、固体をヘキサン100mlで洗浄した後、
濾液を濃縮することによって得られた粗/生成物を少量
のヘキサンに溶解させ、再結晶によって次式(1a)で
表される化合物(融点:36〜37℃、IR:2932
cm-1、1648cm-1)を無色針状結晶として2.4g得
た:
に1−ピペラジンエタノール2.0g、トリエタノールア
ミン2.4mlおよびベンゼン50mlを入れ、該フラスコ
を氷冷した。ベンゼン20mlにラウリン酸クロリド3.
6gを溶解させた溶液を上記混合物中に撹拌下で20分
間かけて添加し、反応混合物の温度を室温まで徐々に高
めた後、撹拌をさらに3時間続行した。反応混合物を濾
過処理に付し、固体をヘキサン100mlで洗浄した後、
濾液を濃縮することによって得られた粗/生成物を少量
のヘキサンに溶解させ、再結晶によって次式(1a)で
表される化合物(融点:36〜37℃、IR:2932
cm-1、1648cm-1)を無色針状結晶として2.4g得
た:
【化3】
【0017】(2)油分解率の測定 ステンレス製鋼(40メッシュ)を底部に装着したガラ
ス製カラム(高さ:19cm、内径:7cm)内に海砂〔キ
シダ化学社の市販品(10〜15メッシュ)〕150gを
投入した後、C重油100gに対して表1に示す量の油
処理剤1を添加した混合物1gを注いだ(N量およびP量
はC重油に対してそれぞれ1重量%および0.1重量%
になるように調整した)。このガラス製カラムを、新鮮
な海水が22時間毎に該カラムの底部から海砂の表面ま
で満たされるように調整した潮汐水槽内に設置し、1カ
月間放置後、該カラムの上部から四塩化炭素300mlを
注入することによってC重油を抽出した。上記試験の開
始時に測定した四塩化炭素によるC重油の抽出量と試験
後のC重油の抽出量の差からC重油の分解率(%)を計
算し、結果を表2に示す。
ス製カラム(高さ:19cm、内径:7cm)内に海砂〔キ
シダ化学社の市販品(10〜15メッシュ)〕150gを
投入した後、C重油100gに対して表1に示す量の油
処理剤1を添加した混合物1gを注いだ(N量およびP量
はC重油に対してそれぞれ1重量%および0.1重量%
になるように調整した)。このガラス製カラムを、新鮮
な海水が22時間毎に該カラムの底部から海砂の表面ま
で満たされるように調整した潮汐水槽内に設置し、1カ
月間放置後、該カラムの上部から四塩化炭素300mlを
注入することによってC重油を抽出した。上記試験の開
始時に測定した四塩化炭素によるC重油の抽出量と試験
後のC重油の抽出量の差からC重油の分解率(%)を計
算し、結果を表2に示す。
【0018】実施例2〜4 実施例1と同様に表1に示す量の油処理剤2〜4をC重
油100gに添加した混合油を用いて油処理剤2〜4の
C重油分解促進効果を実施例1の手順に準拠して調べ
た。結果を表2に示す。なお、油処理剤2〜4に配合す
る化合物(Ib)〜(Ia)の構造式は次の通りである。
油100gに添加した混合油を用いて油処理剤2〜4の
C重油分解促進効果を実施例1の手順に準拠して調べ
た。結果を表2に示す。なお、油処理剤2〜4に配合す
る化合物(Ib)〜(Ia)の構造式は次の通りである。
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】比較例1〜3 油処理剤1'〜3'のC重油分解促進効果を実施例1の手
順に準拠して調べた。結果を表2に示す。
順に準拠して調べた。結果を表2に示す。
【0023】比較例4 油処理剤を使用しない条件下でのC重油の自然分解率を
実施例1の手順に準拠して求めたところ、1.0%であ
った。
実施例1の手順に準拠して求めたところ、1.0%であ
った。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明による油処理剤を用いることによ
って、流出油等の現場での生化学的分解を効果的に促進
させることができる。また、本発明による油処理剤は安
定性が高いため、該処理剤の長時間の貯蔵と流出油現場
等への容易な輸送および該現場での効率的な散布作業等
が可能となる。
って、流出油等の現場での生化学的分解を効果的に促進
させることができる。また、本発明による油処理剤は安
定性が高いため、該処理剤の長時間の貯蔵と流出油現場
等への容易な輸送および該現場での効率的な散布作業等
が可能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1は分枝鎖を有することもある炭素原子数4
〜22の脂肪族炭化水素基を示し、R2は分枝鎖を有す
ることもある炭素原子数2〜10の脂肪族炭化水素基を
示す)で表されるピペラジン誘導体を含有する油処理
剤。 - 【請求項2】 界面活性剤を含有する請求項1記載の油
処理剤。 - 【請求項3】 界面活性剤が次の群から選択される1種
または2種以上の化合物である請求項2記載の油処理
剤:脂肪酸アルキレンオキサイド付加物、多価アルコー
ル脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルアル
キレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレ
ンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド
付加物、油脂のアルキレンオキサイド付加物およびポリ
プロピレングリコールエチレンオキサイド付加物。 - 【請求項4】 油溶性含リン化合物を含有する請求項1
または2記載の油処理剤。 - 【請求項5】 被処理油に請求項1から4いずれかに記
載の処理剤を現場で散布し、該油を、自然界に存在する
油分解活性を有する微生物によって分解させることを特
徴とする油処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13321996A JPH09316438A (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | 油処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13321996A JPH09316438A (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | 油処理剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316438A true JPH09316438A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15099524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13321996A Pending JPH09316438A (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | 油処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09316438A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006122885A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-05-18 | Kri Inc | 汚染物質浄化方法 |
WO2022196035A1 (ja) * | 2021-03-16 | 2022-09-22 | 株式会社グリーンテクノプラス | 海洋生分解促進添加剤及びこれを含む海洋生分解性樹脂組成物 |
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1996
- 1996-05-28 JP JP13321996A patent/JPH09316438A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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