JPH09315947A - 育毛剤 - Google Patents

育毛剤

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JPH09315947A
JPH09315947A JP9059404A JP5940497A JPH09315947A JP H09315947 A JPH09315947 A JP H09315947A JP 9059404 A JP9059404 A JP 9059404A JP 5940497 A JP5940497 A JP 5940497A JP H09315947 A JPH09315947 A JP H09315947A
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JP
Japan
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hair
protein kinase
pkc
inhibitor
pka
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Application number
JP9059404A
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English (en)
Inventor
Tomoya Takahashi
知也 高橋
Yoshiharu Yokoo
義春 横尾
Shunichi Kamiya
俊一 神谷
Akio Shirai
章雄 白井
Tatsuya Tamaoki
達也 玉沖
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明により安全で有効な育毛剤を提供す
る。 【解決手段】 プロテインキナーゼC特異的阻害剤を配
合することを特徴とする育毛剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロテインキナーゼ
C特異的阻害剤を配合することを特徴とする育毛剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】プロテインキナーゼ阻害活性を持った物
質、3−アミノ/ハイドロキシ−4−[4−ベンゾイル
−フェニル カルボキニルアミノ/オキシ]アゼパン類
が毛髪の成長を刺激するとの記載があるが(EP663
393 A1)、該プロテインキナーゼ阻害剤はプロテ
インキナーゼC(以下、PKCと略す)阻害活性と同時
にプロテインキナーゼA(以下、PKAと略す)の阻害
活性を有している。
【0003】毛包器官培養の系において、PKCの活性
化物質である12−O−テトラガロイルフォルボール−
13−アセテートによる育毛抑制作用を、PKC阻害剤
であるH−7〔1-(5-Isoquinolinylsulfonyl)-2-methyl
piperazine〕が解除することが知られている〔ブリティ
ッシュ・ジャーナル・オブ・デルマトロジー(BritishJo
urnal of Dermatology), 133, 5, 686-693(1995)〕。該
H−7はPKC阻害活性と同時にPKAの阻害活性を有
していることが知られている〔バイオ/テクノロジー(B
IO/TECHNOLOGY), 8, 732 (1990) 〕。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】毛包器官培養の系にお
いて、12−O−テトラガロイルフォルボール−13−
アセテートによる育毛抑制作用を、PKC阻害剤である
H−7は解除するが、該PKC阻害剤による育毛促進活
性は認められていない〔British Journal of Dermatolo
gy, 133, 5, 686-693(1995)〕。
【0005】本発明において、PKC阻害活性と同時に
PKAの阻害活性を有しているプロテインキナーゼ阻害
剤では必ずしも充分な育毛効果は期待できず、PKC特
異的阻害剤が優れた育毛効果を有するという知見を得
た。該知見に基づき、H−7や3−アミノ/ハイドロキ
シ−4−[4−ベンゾイル−フェニル カルボキニルア
ミノ/オキシ]アゼパン類はPKC阻害活性と同時にP
KAの阻害活性を有しているため、必ずしも充分な育毛
効果は期待できない。
【0006】これまで、育毛効果を有するPKC特異的
阻害剤に関しては知られていない。本発明の目的は、P
KC特異的阻害剤を含む安全で有効な育毛剤を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明により、プロテイ
ンキナーゼC特異的阻害剤を含む育毛剤を提供する。本
発明で言うプロテインキナーゼC特異的阻害剤は、でき
るだけPKA阻害活性を有さず、PKC阻害活性を有す
るプロテインキナーゼ阻害剤であり、PKC阻害活性と
PKA阻害活性を以下に示すPKC阻害活性測定法およ
びPKA阻害活性測定法で測定したとき、PKAの50
%阻害定数(以下、PKA−IC50と略す)とPKCの
50%阻害定数(以下、PKC−IC50と略す)の比
(以下、PKA−IC50/PKC−IC50と略す)が
3.0以上であるプロテインキナーゼ阻害剤である。
【0008】PKA阻害活性の低いプロテインキナーゼ
阻害剤の場合、下記PKA阻害活性測定法において多量
のプロテインキナーゼ阻害剤が必要となり、該プロテイ
ンキナーゼ阻害剤が溶解可能な濃度までしか阻害活性は
測定できないため、数値として定義できるPKA−IC
50/PKC−IC50の値はおおよそ109 となるが、本
発明のプロテインキナーゼ阻害剤は、PKA−IC50
PKC−IC50の値が3以上であれば、定義できるPK
A−IC50/PKC−IC50の値に限定されるものでは
ない。
【0009】本発明で好ましいプロテインキナーゼ阻害
剤としては、PKA−IC50/PKC−IC50が10か
ら109 のプロテインキナーゼ阻害剤をあげることがで
きる。 (1)PKC阻害活性測定法 PKCの阻害活性の測定は、吉川らの方法〔ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Bi
ological Chemistry), 257, 13341 (1982)〕に準じて行
うことができる。
【0010】2.5μmol酢酸マグネシウム、50μ
gヒストンタイプIII S(シグマ社製)、20μgホス
ファチジルセリン、0.8μgダイオレイン、25nm
ol塩化カルシウム、5μg粗酵素(吉川らの方法によ
りラットの脳より部分精製したもの)および5μmol
トリス塩酸緩衝液(pH7.5)を含む250μl溶液
に10μlの検体を加え、30℃で3分間インキュベー
トする。
【0011】インキュベート後、1.25nmol [γ
-32P]ATP(5〜10x103cpm/n mol)を加
え、30℃で3分間リン酸化反応を行い、25%トリク
ロロ酢酸を加えて反応を停止させる。該反応液を酢酸セ
ルロース膜(ポアサイズ0.45μm)(東洋濾紙社
製)で濾過し、5%トリクロロ酢酸で4回洗浄後、該膜
上に残った放射活性を測定し検体値とする。
【0012】また、上記操作を検体を加えないで行い、
放射活性を測定し対照値とする。対照値に対して50%
の検体値を示すときの検体のモル濃度をPKCの50%
阻害定数(PKC−IC50)とする。 (2)PKA阻害活性測定法 PKAの阻害活性の測定は、クオ(Kuo)らの方法
〔バイオケミストリー(Biochemistry), 64, 1349 (196
9) 〕に準じて行うことができる。
【0013】5μmolトリス塩酸緩衝液(pH6.
8)、2.5μmol酢酸マグネシウム、100μgヒ
ストンタイプIIS(シグマ社製)、0.25nmol
c−AMPおよび200μg粗酵素〔クオ(Kuo)ら
の方法により子牛の心臓より部分精製したもの〕を含む
250μlの溶液に10μlの検体溶液を加え、30℃
で3分間インキュベートする。
【0014】インキュベート後、1.25nmol [γ
-32P]ATP(5〜10x103cpm/n mol)を加
え、30℃で3分間リン酸化反応を行い、25%トリク
ロロ酢酸を加えて反応を停止させる。該反応液を酢酸セ
ルロース膜(ポアサイズ0.45μm)(東洋濾紙社
製)で濾過し、5%トリクロロ酢酸で4回洗浄後、該膜
上に残った放射活性を測定し検体値とする。
【0015】また、上記操作を検体を加えないで行い、
放射活性を測定し対照値とする。対照値に対して50%
の検体値を示すときの検体のモル濃度をPKAの50%
阻害定数(PKA−IC50)とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のプロテインキナーゼC特
異的阻害剤としては、PKA−IC50/PKC−IC50
が3.0以上であるプロテインキナーゼ阻害剤であれば
いずれも用いることができる。例えば、PKA−IC50
/PKC−IC50が3から109であるプロテインキナ
ーゼ阻害剤をあげることができ、好ましくは、PKA−
IC50/PKC−IC50が10から109であるプロテ
インキナーゼ阻害剤をあげることができる。
【0017】具体的な例としては、ポリミキシンB、カ
ルフォスチンC、パルミトイル−DL−カルニチン、ヘ
キサデシルフォスフォコリン(ミルテフォシン、シグマ
社製)等をあげることができる。また、それらの薬理学
的に許容される塩をあげることができる。薬理学的に許
容される塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、
フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュ
ウ酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、
アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などをあげることが
できる。
【0018】育毛剤の剤型は、本発明のプロテインキナ
ーゼC特異的阻害剤を配合しうる剤型であればどのよう
な剤型をも用いることができる。適当な医薬基剤と配合
して液状あるいは固体状の育毛剤として用いることがで
きる。液状あるいは固体状の育毛剤型としては、ヘヤー
リキッド、ヘヤートニック、ヘヤーローション等の液状
剤型、軟膏、ヘヤクリーム等の固体状剤型があげられ、
各々好適な基剤に本発明のプロテインキナーゼ阻害剤を
添加し、常法により製造することができる。
【0019】本発明の育毛剤中のプロテインキナーゼC
特異的阻害剤の配合量は阻害活性の強さや物性に由来す
る経皮吸収性によって大きく異なるが、単独または混合
物として通常10-6〜10重量%(以下、単に%とい
う)の範囲である。液体状剤型に好適な基剤としては、
育毛剤に通常使用されているもの、例えば精製水、エタ
ノール、多価アルコール類、油脂類等があげられ、必要
により添加剤を添加してもよい。
【0020】多価アルコール類としては、グリセロー
ル、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール
等があげられる。油脂類としては小麦はい芽油、椿油、
ホホバ油、オリーブ油、スクワラン、サフラワー油、マ
カデミアナッツ油、アボガド油、大豆水添レシチン等が
あげられる。
【0021】添加剤としては、香料、界面活性剤、殺菌
剤等があげられる。また、酸化防止剤、ホルモン類、紫
外線吸収剤、消炎剤、清涼剤、保湿剤、ビタミン類、生
薬エキス、チンキ類等も適宜添加してもよい。香料とし
ては、通常化粧料等に用いるものであれば、どのような
香料を用いてもよい。
【0022】界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(8)オレ
イルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエ
ーテル、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(10)、
ポリオキシエチレン(30)グリセリルモノステアレー
ト、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポ
リオキシエチレン(30)グリセリル、モノオレイン酸ポリ
オキシエチレン(20)ソルビタン、ショ糖脂肪酸エス
テル、モノオレイン酸ヘキサグリセリン、モノラウリン
酸ヘキサグリセリン、ポリオキシエチレン還元ラノリ
ン、ポリオキシエチレン(20)ラノリンアルコール、ポリ
オキシエチレン(25)グリセリルピログルタミン酸イ
ソステアリン酸ジエステル、N−アセチルグルタミンイ
ソステアリルエステル等があげられる。
【0023】殺菌剤としては、トリクロロヒドロキシジ
フェニルエーテル、ヒノキチオール、トリクロサン、ク
ロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、
レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、アズレ
ン、サリチル酸、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニ
ウム、感光素301号、モノニトログアヤコールナトリ
ウム等があげられる。
【0024】酸化防止剤として、ブチルヒドロキシアニ
ソール、没食子酸プロピル、エリソルビン酸等があげら
れる。ホルモン類としては、エチニルエストラジオー
ル、エストロン、エストラジオール等があげられる。紫
外線吸収剤としては、ジヒドロキシベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン類、メラニン、パラアミノ安息香酸エチ
ル、パラジメチルアミノ安息香酸 2−エチルヘキシル
エステル、シノキサート、パラメトキシ桂皮酸 2−エ
チルヘキシルエステル、2−(2−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、金
属酸化物微粒子等があげられる。
【0025】消炎剤としては、グリチルリチン酸ジカリ
ウム、β−グリチルレチン酸、アラントイン、塩酸ジフ
ェンヒドラミン、グアイアズレン、l−メントール等が
あげられる。清涼剤としては、トウガラシチンキ、1−
メントール等があげられる。保湿剤としては、L−ピロ
リドンカルボン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロ
イチン硫酸等があげられる。
【0026】ビタミン類としては、酢酸dl-α-トコフェ
ロール、dl-α-トコフェロール、d−δ−トコフェロー
ル、ビタミンE、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミ
ド、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチル
エーテル、ビオチン、塩酸ピリドキシン、リボフラビン
等が挙げられる。生薬エキスとしては、センブリエキ
ス、ニンニクエキス、ニンジンエキス、アロエエキス、
キナエキス等があげられる。
【0027】チンキ類として、トウガラシチンキ、ショ
ウキョウチンキ、カンタリスチンキ等が挙げられる。上
記の液体状剤型を噴霧剤として用いるときは、不燃化液
化ガス等を用いることができる。固体状剤型の基剤とし
ては、ワセリン、固形パラフィン、植物油、鉱物油、ラ
ノリン、ろう類、マクロゴール等があげられ、必要によ
り前記の添加剤、レシチン等の乳化剤、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール等の低級アルコールを添加
してもよい。
【0028】本発明の育毛剤の投与量は年齢、体重、症
状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、
成人一人当り一回に育毛剤トニックとして0.5〜5m
l、好ましくは1〜3ml量の範囲で一日一回から数
回、経皮投与される。以下、実施例、参考例、試験例に
より、本発明を具体的に説明する。
【0029】
【実施例】
実施例1.育毛トニック1の作製。 エチルアルコール55g、1,3−ブチレングリコール
7g、N−アセチルグルタミンイソステアリルエステル
0.5g、ポリオキシエチレン(25)グリセリルピロ
グルタミン酸イソステアリン酸ジエステル0.25gを
均一に混合攪拌し、溶液Aを調製した。
【0030】また、ポリミキシンB硫酸(シグマ社製)
0.3g、精製水36.95gを均一に混合攪拌し、溶
液Bを調製した。溶液Bを溶液Aに攪拌しながら加え均
一にし育毛トニック(組成物1)を調製した。
【0031】実施例2.育毛トニック2の作製。 エチルアルコール90g、1,3−ブチレングリコール
5g、N−アセチルグルタミンイソステアリルエステル
0.5g、ポリオキシエチレン(25)グリセリルピロ
グルタミン酸イソステアリン酸ジエステル0.25g、
カルフォスチンC(協和発酵工業株式会社製)0.03
gを均一に混合攪拌し、溶液Aを調製した。該溶液Aに
精製水4.22gを攪拌しながら加え均一にし、育毛ト
ニック(組成物2)を調製した。
【0032】実施例3.育毛トニック3の作製。 エチルアルコール77g、1,3−ブチレングリコール
10g、N−アセチルグルタミンイソステアリルエステ
ル0.5g、ポリオキシエチレン(25)グリセリルピ
ログルタミン酸イソステアリン酸ジエステル0.25
g、パルミトイル−DL−カルニチン塩酸(シグマ社
製)3gを均一に混合攪拌し、溶液Aを調製した。該溶
液Aに精製水9.25gを攪拌しながら加え均一にし育
毛トニック(組成物3)を調製した。
【0033】実施例4.育毛トニック4の作製。 エチルアルコール70g、1,3−ブチレングリコール
10g、N−アセチルグルタミンイソステアリルエステ
ル0.5g、ポリオキシエチレン(25)グリセリルピ
ログルタミン酸イソステアリン酸ジエステル0.25
g、ヘキサデシルフォスフォコリン(シグマ社製)1g
を均一に混合攪拌し、溶液Aを調製した。該溶液Aに精
製水18.25gを攪拌しながら加え均一にし育毛トニ
ック(組成物4)を調製した。
【0034】参考例1. PKC−IC50およびPKA
−IC50の測定 ポリミキシンB硫酸、カルフォスチンC、パルミトイル
−DL−カルニチン塩酸およびヘキサデシルフォスフォ
コリンについて、PKC阻害活性測定法およびPKA阻
害活性測定法に従ってPKC阻害活性およびPKA阻害
活性を測定し、PKC−IC50およびPKA−IC50
求めた。結果を第1表に示した。
【0035】
【表1】
【0036】参考例2.スタウロスポリンを含有するト
ニック5〜9の作製。 エチルアルコール90g、1,3−ブチレングリコール
5g、N−アセチルグルタミンイソステアリルエステル
0.5gおよびポリオキシエチレン(25)グリセリル
ピログルタミン酸イソステアリン酸ジエステル0.25
gを混合した液に、スタウロスポリンを1 x 10
-6g、3 x 10-6g、1 x 10-5g、3x 10-5
gまたは1 x 10-4g添加し、均一に混合攪拌するこ
とにより、5種類の溶液を調製した。
【0037】これら溶液に精製水4.22gを攪拌しな
がら加え均一にし、スタウロスポリンを0.02μM
(組成物5)、0.06μM(組成物6)、0.2μM
(組成物7)、0.6μM(組成物8)、2μM(組成
物9)含むトニックを調製した。
【0038】試験例1.マウス毛包細胞培養に対する促
進効果。 毛包細胞の分離および培養はTanigakiらの方法〔アーカ
イヴズ・オブ・デルマトロジカル・リサーチ(Archives
of Dermatological Research), 284, 290-296(1992)〕
を改変して行った。即ち、4日令のC3Hマウス(日本
チャールス・リバーより購入)の背部皮膚を採取し、該
皮膚を500単位/mlのディスパーゼ(合同酒清)お
よび5%FCSを含むMEM培地〔Minimum Essential
Medium、Eagle〕で4℃、16時間処理した。
【0039】該皮膚切片から表皮を剥離し得られた真皮
層を0.25%コラゲナーゼN−2(新田ゼラチン)お
よび10%FCSを含むDMEM培地〔Dulbecco's Mod
ified Eagle Medium〕で37℃、1時間処理し、真皮懸
濁液を得た。該真皮懸濁液を212ミクロンのナイロン
メッシュ(日本理化学器械)で濾過後、該濾液を100
0rpmで5分間遠心分離処理し、毛包組織を含むペレ
ットを得た。
【0040】該ペレットに、カルシウム・マグネシウム
フリーPBS〔Dulbecco's Phosphate-Buffered Salin
e〕溶液を加え、ピペットを用いて懸濁後、15分間静
置することにより毛組織を沈降させた。得られた毛組織
を用いて、上記ペレットで行った、カルシウム・マグネ
シウムフリーPBS溶液の添加、ピペットによる懸濁、
15分間静置・沈降操作と同様の操作を3回繰り返し
た。
【0041】得られた毛組織に0.1%EDTA−0.
25%トリプシン液(ギブコ社製)を加え、37℃で5
分間処理後、10%FCSを含むDMEM培地を加え、
3×105/mlの細胞濃度の毛組織細胞液を調製し
た。該毛組織細胞液を24穴コラーゲンコートプレート
(イワキガラス社製)へ1ml/ウェルずつ播種し、3
7℃、5%CO2下で24時間培養を行った。
【0042】培養後、MCDB153培地(極東製薬社
製)にウシインシュリン(シグマ社製)5mg/L、マ
ウスEGF(宝酒造社製)5μg/L、ウシ下垂体抽出
物(極東製薬社製)40mg/L、ヒトトランスフェリ
ン(シグマ社製)10mg/L、ハイドロコーチゾン
(シグマ社製)0.4mg/L、プロゲステロン(コラ
ボラティブ リサーチ社製)0.63μg/L、O−ホ
スホエタノールアミン(シグマ社製)14mg/L、エ
タノールアミン(シグマ社製)6.1mg/L、ペニシ
リン(和光社製)50U/ml、ストレプトマイシン
(和光社製)50μg/mlおよび本発明でいうPKC
阻害剤を含むDMSO溶液(培地に対し1/100体積
加えた)を添加した培地へ培地交換し、さらに、37
℃、5%CO2下で5日間培養を行った。なお培地は1
日おきに交換した。
【0043】なお、上記培地において、PKC阻害剤を
含むDMSO溶液の代わりにDMSOのみを1/100
体積培養液に加えた培地で培養したものを対照群とし
た。細胞増殖度の測定は、ニュートラルレッドを用いた
方法〔ジャーナル オブティッシュカルチャー メソッ
ド(Journal of Tissue Culture Method), 9, 1,7-9 (1
984) 〕を参考に行った。
【0044】培養後の培地を吸引し、50mg/Lのニ
ュートラルレッド(シグマ社製)を添加したMCDB1
53培地で37℃、5%CO2下3時間培養を行った。
培養上清を除去した後、得られた培養細胞を1%塩化カ
ルシウムを含む1%ホルマリン溶液で1分間洗浄・固定
を行った。洗浄・固定後、上清を除去し、1%酢酸を含
む50%エタノール溶液(0.4ml/1穴=2c
2)を添加し、ニュートラルレッドを抽出した。
【0045】該抽出液の540nmでの吸光度を測定す
ることにより細胞の増殖度を求めた。本発明における化
合物の増殖促進活性を第2表に示した。本発明における
化合物は著しいマウス毛包細胞増殖促進効果を示した。
また、PKA−IC50/PKC−IC50が3より小さい
プロテインキナーゼ阻害剤であるK252aおよびスタ
ウロスポリンを用いて同様に測定した結果を第3表に示
した。該プロテインキナーゼ阻害剤はマウス毛包細胞の
増殖を抑制した。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】試験例2.マウスの発毛に対する効果。 小川らの方法〔ザ・ジャーナル・オブ・デルマトロジー
(The Journal of Dermatology)、10巻、45〜54
頁、1983年〕を参考に、マウスによる発毛効果の試
験を行った。毛周期の休止期にある9週令のC3H/H
eSlc雄性マウス(一群4〜5匹)の背部毛を電気バ
リカンと電気シェーバーで注意深く剃毛し、実施例1〜
4および参考例2で作製した組成物1〜9を一日一回、
剃毛部に200μlずつ均一に塗布した。
【0049】本発明のプロテインキナーゼ阻害剤を含有
しない以外は、実施例で示した組成と同一組成の組成物
を用いて、同様に操作したものを対照群とした。試験塗
布開始後18日目のマウス背部皮膚を採取し、写真撮影
を行った後、画像処理装置(アビオニクス社製、スピカ
II)を用いて背部皮膚全面積に対する発毛部の面積の1
00分率を求め、被検薬剤群の発毛率の値から対照群の
発毛率の値を差し引いた値を増加発毛面積率(%)とし
た。
【0050】結果を第4表および第5表に示した。第4
表で示したように、本発明のプロテインキナーゼC特異
的阻害剤を含有する育毛剤(組成物1〜4)では、著し
いマウスの毛包成長促進効果が認められた。それに対
し、第5表で示したように、PKA−IC50/PKC−
IC50の値が3以下のプロテインキナーゼ阻害剤スタウ
ロスポリンを含有する組成物5〜9では、該促進効果は
ほとんど全く認められなかった。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、プロテインキナーゼC
特異的阻害剤を含む安全で有効な育毛剤を提供すること
ができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロテインキナーゼC特異的阻害剤を配合
    することを特徴とする育毛剤。
  2. 【請求項2】プロテインキナーゼC特異的阻害剤が、プ
    ロテインキナーゼAの50%阻害定数とプロテインキナ
    ーゼCの50%阻害定数との比が3.0以上であるプロ
    テインキナーゼ阻害剤である、請求項1記載の育毛剤。
  3. 【請求項3】プロテインキナーゼC特異的阻害剤が、プ
    ロテインキナーゼAの50%阻害定数とプロテインキナ
    ーゼCの50%阻害定数との比が3.0から109 であ
    るプロテインキナーゼ阻害剤である、請求項1記載の育
    毛剤。
  4. 【請求項4】プロテインキナーゼC特異的阻害剤が、プ
    ロテインキナーゼAの50%阻害定数とプロテインキナ
    ーゼCの50%阻害定数との比が10から10 9 である
    プロテインキナーゼ阻害剤である、請求項1記載の育毛
    剤。
  5. 【請求項5】プロテインキナーゼC特異的阻害剤が、ポ
    リミキシンB、カルフォスチンC、パルミトイルカルニ
    チン、ヘキサデシルフォスフォコリンおよびそれらの薬
    理学的に許容される塩から選ばれるプロテインキナーゼ
    阻害剤である、請求項1、2、3または4記載の育毛
    剤。
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US7015209B2 (en) 1999-08-18 2006-03-21 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Hair-growing agent

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