JPH09314210A - 棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置 - Google Patents

棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置

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JPH09314210A
JPH09314210A JP8133132A JP13313296A JPH09314210A JP H09314210 A JPH09314210 A JP H09314210A JP 8133132 A JP8133132 A JP 8133132A JP 13313296 A JP13313296 A JP 13313296A JP H09314210 A JPH09314210 A JP H09314210A
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roll gap
rolling
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 正確に製品断面形状が目標断面形状と一致す
るようにロール間隙量を自動制御することによって,試
圧延の繰り返しによる歩留り並びに稼働率の低下を改善
し,特別な技術を持った熟練オペレータを必要としない
棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置を提供する。 【解決手段】 目標断面寸法と圧延直後の棒鋼の製品断
面寸法との差異を求め,目標断面寸法と製品断面寸法と
の差異を修正するための修正要領をルール化した修正ル
ールから,上記寸法差異に基づいて制御すべき圧延スタ
ンドとそのロール間隙に関する修正要領を選定し、これ
に基づいて,材料温度,材料断面寸法,製品温度,及び
棒鋼の材質,ミル定数の各条件に対応する影響係数を,
予め記憶された影響係数から取り出し,これを用いて制
御すべき圧延スタンドに対するロール間隙修正量を計算
し,ロール間隙修正の指示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,棒鋼圧延設備の製
品断面形状自動制御装置に係り,詳しくは,水平及び垂
直圧延スタンドを交互に配置し,棒鋼を上記圧延スタン
ドに取り付けられたロールによって段階的に圧延する棒
鋼圧延設備で,上記棒鋼が希望の断面形状となるように
上記各ロールの間隙を自動制御する棒鋼圧延設備の製品
断面形状自動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】棒鋼を圧延して希望の断面形状を有する
製品に仕上げるために使用されている棒鋼圧延設備とし
ては,水平及び垂直圧延スタンドを交互に配置し,棒鋼
を上記圧延スタンドに取り付けられたロールによって段
階的に圧延する,いわゆるタンデム圧延機が一般的であ
る。そのタンデム圧延機を使用した棒鋼の圧延工程にお
いて,目標とする断面寸法の製品を得るために従来とら
れている方法は次のようなものである。 (1)まず,試圧延材を1〜2本圧延し,製品断面寸法
をノギス等で測定する。 (2)上記製品断面寸法と目標断面寸法との差異を修正
するために,オペレータが経験的に知り得た知識に基づ
いてロール間隙を修正する圧延スタンドとその修正量を
決め,ロール間隙の修正を行う。その際,オペレータは
幅広がり量を予測し,該幅広がり量を打ち消すために複
数の圧延スタンドのロール間隙を修正しなければならな
い。 (3)上記(1),(2)の工程を,製品断面寸法と目
標断面寸法との差異がなくなるまで,少なくとも1回,
多いときには3〜4回繰り返し行う。また,上記のよう
なオペレータの手作業による方法ではなく,圧延スタン
ドの様々な操作量を自動制御することによって希望の断
面形状の製品を得るための断面寸法自動制御装置が提案
されている。例えば,特公昭50─39067号公報に
提案されている装置は,操作対象とする圧延スタンド
(最終の1スタンド,或いは最終の2スタンド)の入側
及び出側に各々断面寸法測定装置を配置し,上記入側の
断面寸法測定装置の測定結果に基づいて上記操作対象圧
延スタンドを予測制御するとともに,出側の断面寸法測
定装置の測定結果によって上記操作対象圧延スタンドの
補正制御を行うものである。また,特公昭61─320
88号公報に提案されている装置は,例えば,最終の水
平圧延スタンドの直後に断面寸法測定装置を配置し,ロ
ール間隙量や圧延荷重からゲージメータ式により求めた
天地寸法,上記断面寸法測定装置の測定結果,及び目標
断面寸法を用いて,上記最終の水平圧延スタンドのロー
ル間隙を修正することによって天地寸法を制御し,幅寸
法については,上記断面寸法測定装置の測定結果を用い
て,上記最終スタンド直前の垂直圧延スタンドの回転数
の調整による張力制御によって調整するというものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが,上記従来行
われている方法は,人手に頼った試行錯誤によるもので
あり,問題点も多い。オペレータは,対象とする断面形
状,棒鋼の材質,幅広がり量等の様々な条件を考慮し,
しかも多数の圧延スタンドを修正対象としてロール間隙
の修正を行わなければならないため,特別な技術や経験
を必要とする。さらに,試圧延の繰り返しによって材料
や時間の無駄が生じ,歩留り,稼働率が低下するという
問題点もある。また,上記いくつかの例を示した断面寸
法自動制御装置については,下記のような問題点のため
に実用化されていないのが実状である。上記特公昭50
─39067号公報に提案されている装置では,スタン
ド間での断面寸法を測定しているが,圧延後の断面寸法
測定に比べてスタンド間での断面寸法測定は不安定要素
が多く,精度面で問題がある。さらに,この装置では幅
広がりを考慮していないため,他スタンドの圧延との干
渉によって目標断面寸法を得ることができない。また,
上記特公昭61─32088号公報に提案されている装
置では,上述したように幅寸法の制御をスタンド間の張
力制御によって行っている。本来,スタンド間張力は無
張力であることが理想であり,この張力制御による断面
寸法の制御方法では,正確な断面寸法制御ができない。
更に,上記特公昭50─39067号公報,及び上記特
公昭61─32088号公報に提案されている両装置に
共通する問題点としては,棒鋼の材料温度,材質等の材
料条件を考慮していないという点が挙げられる。材料条
件の違いによって製品断面寸法も変わってくるため,正
確な断面形状制御を実現するためには該材料条件を考慮
することが不可欠である。本発明は,上記のようなさま
ざまな問題点を解決すべくなされたものであり,その目
的とするところは,測定精度が不安定なスタンド間での
断面寸法測定を行うことなく,またスタンド間張力制御
による断面寸法修正を行うことなく,更に棒鋼の材料条
件及び幅広がりを考慮して,正確に製品断面形状が目標
断面形状と一致するようにロール間隙量を自動制御する
ことによって,試圧延の繰り返しによる歩留り並びに稼
働率の低下を改善し,特別な技術を持った熟練オペレー
タを必要としない棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御
装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,水平及び垂直圧延スタンドを交互に配置
し,棒鋼を上記圧延スタンドに取り付けられたロールに
よって段階的に圧延する棒鋼圧延設備で,上記棒鋼が希
望の断面形状となるように上記各ロールの間隙を自動制
御する棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置におい
て,製品の断面形状を規定する寸法項目毎に,圧延直後
の棒鋼の断面寸法を測定する製品断面寸法測定手段と,
上記寸法項目毎の棒鋼の目標断面寸法を設定する目標断
面寸法設定手段と,上記寸法項目毎の上記目標断面寸法
と上記製品断面寸法との差異を修正するための修正要領
をルール化した修正ルールを記憶する修正ルール記憶手
段と,上記目標断面寸法設定手段によって設定された目
標断面寸法と,上記製品断面寸法測定手段によって測定
された製品断面寸法との差異に基づいて,上記修正ルー
ル記憶手段に記憶された修正ルールから,制御すべき圧
延スタンドとそのロール間隙に関する修正要領を選定す
る修正要領選定手段と,上記修正要領に基づいて上記制
御すべき圧延スタンドのロール間隙の修正量を計算し,
上記制御すべき圧延スタンドに対してロール間隙の修正
の指示を行うロール間隙調整手段とを具備してなること
を特徴とする棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置
として構成されている。上記ロール間隙調整手段におけ
るロール間隙の修正量の計算は,影響係数を用いて行う
のが良いが,更にその影響係数が,材料断面寸法測定手
段によって得られる圧延前の棒鋼の断面寸法,材料温度
測定手段によって得られる圧延前の棒鋼の温度,製品温
度測定手段によって得られる圧延直後の棒鋼の温度,材
質設定手段によって入力される棒鋼の材質,及び圧延ス
タンド毎の定数であるミル定数を考慮して演算されたも
のであれば,より高精度の制御を行うことが可能であ
る。また,上記材料断面寸法,製品断面寸法,材料温
度,製品温度,棒鋼の材質,及びミル定数それぞれの条
件に対応した影響係数を,影響係数記憶手段に記憶させ
ておくこともできる。そして,上記ロール間隙の修正量
及び該修正によって得られた製品断面寸法を用いて影響
係数を計算し,該計算値によって上記影響係数記憶手段
に記憶された影響係数を更新することによって,該影響
係数の精度を上げていくことが可能である。更に,上記
ロール間隙調整手段において,幅広がりを考慮してロー
ル間隙の修正量を計算することによって,より高精度の
制御を行うことが可能である。
【0005】
【作用】本発明に係る棒鋼圧延設備の製品断面形状自動
制御装置では,まず圧延直後の棒鋼の寸法項目毎の断面
寸法が製品断面寸法測定手段によって測定される。測定
精度が不安定なスタンド間での断面寸法測定は行ってい
ない。また目標断面寸法設定手段では,寸法項目毎の目
標断面寸法が入力されており,修正要領設定手段におい
て,上記目標断面寸法と上記製品断面寸法との差異を求
める。修正ルール記憶手段には,上記寸法項目毎の上記
目標断面寸法と上記製品断面寸法との差異を修正するた
めの修正要領をルール化した修正ルールが記憶されてい
る。上記修正要領は,従来の人手に頼った試行錯誤によ
る方法の中で,オペレータが経験によって蓄積してきた
ものである。上記修正要領設定手段は,上記寸法差異に
基づいて,上記修正ルール記憶手段に記憶された修正ル
ールから,制御すべき圧延スタンドとそのロール間隙に
関する修正要領を選定する。断面寸法の修正は全てこの
ロール間隙の修正によって行い,スタンド間張力修正に
よる断面寸法修正は行わない。影響係数記憶手段には,
材料断面寸法,製品断面寸法,材料温度,製品温度,棒
鋼の材質,及び圧延スタンド毎の定数であるミル定数そ
れぞれの条件に対応した影響係数が記憶されている。ロ
ール間隙調整手段は,上記修正要領に基づいて,材料温
度測定手段から得た材料温度,材料断面寸法測定手段か
ら得た材料断面寸法,製品温度測定手段から得た製品温
度,及び上記目標断面寸法設定手段によって設定された
棒鋼の材質,上記ミル定数の各条件に対応する影響係数
を上記影響係数記憶手段から取り出し,該影響係数を用
いて,更に幅広がり量を考慮しながら上記制御すべき圧
延スタンドに対するロール間隙修正量を計算する。この
ように,棒鋼の材料条件及び幅広がりを考慮して,ロー
ル間隙修正量を計算している。更に上記ロール間隙調整
手段は,上記制御すべき圧延スタンドとそれに対するロ
ール間隙修正量に基づいて,ロール間隙修正の指示を行
う。更に上記ロール間隙修正量,及びその修正によって
得られた製品断面寸法を用いて影響係数が計算され,上
記影響係数記憶手段に記憶された影響係数が更新され
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は本発明を具
体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する
性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の形
態に係る棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置の概
略構成を示すブロック図,図2は本発明の実施の形態に
係る棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置の処理フ
ローを示す図,図3は寸法項目の分類の一例を示す図,
図4は天地寸法を修正寸法項目とする場合の修正要領を
示す図,図5は板厚,ロール間隙と,圧延荷重の関係を
表す図,図6は幅広がりの状態を示す図,図7は幅広が
り量を計算する篠倉の式を示す図である。まず図1を用
いて,本実施の形態に係る棒鋼圧延設備の製品断面形状
自動制御装置の概略構成を説明する。
【0007】本実施の形態において製品断面形状自動制
御装置を適用する棒鋼圧延設備は,水平圧延スタンド1
H,垂直圧延スタンド2V,...,水平圧延スタンド
11Hまで,水平,垂直圧延スタンドを交互に配置した
タンデム圧延設備である。各圧延スタンドにはそれぞ
れ,ロール間隙の測定を行うロール間隙測定部12,及
び後述するロール間隙調整部28の指示によってロール
間隙の変更を行うロール間隙変更部13が取り付けられ
ている。加熱炉14から抽出された棒鋼材料15は,上
記水平圧延スタンド1Hから順次圧延され,最終の水平
圧延スタンド11Hから製品棒鋼16となって出てく
る。上記水平圧延スタンド1Hの直前には,圧延前の棒
鋼材料15の温度を測定する材料温度測定部21と,圧
延前の棒鋼材料15の断面寸法を測定する材料断面寸法
測定部23が配置されている。また,上記最終水平圧延
スタンド11Hの直後には,製品棒鋼16の温度を測定
する製品温度測定部22と,製品棒鋼16の断面寸法を
測定する製品断面寸法測定部24が配置されている。上
記材料断面寸法測定部23や製品断面寸法測定部24に
は,光学式の検出部を測定対象物回りに回転させること
によって精度よく断面寸法を測定することができる回転
式寸法測定装置等を用いることができる。上記製品断面
寸法測定部24によって測定された製品棒鋼16の断面
寸法は,修正要領選定部25において,設定部(目標断
面寸法設定手段の一例)27によって設定された目標断
面寸法と比較され,寸法差異が求められる。また修正要
領選定部25には,上記目標断面寸法と上記製品断面寸
法との差異を修正するための修正要領をルール化した修
正ルールを記憶する修正ルール記憶部26が繋がれてお
り,上記修正要領選定部25は,上記寸法差異に対応す
る修正要領(制御すべき圧延スタンドとそのロール間
隙)を該修正ルール記憶部26から選定し,ロール間隙
調整部28に送る。上記ロール間隙調整部28には,上
記材料温度測定部21,材料断面寸法測定部23,製品
温度測定部22が繋がれており,それらから得た材料温
度,材料断面寸法,製品温度,及び上記設定部27によ
って設定された棒鋼の材質,各圧延スタンドの定数であ
るミル定数の各条件に対応する影響係数を,影響係数記
憶部29から取り出し,上記制御すべき圧延スタンドに
対するロール間隙修正量を計算する。そして,制御すべ
き圧延スタンドのロール間隙変更部13に対して,ロー
ル間隙修正の指示を行う。
【0008】次に,本製品断面形状自動制御装置の主要
部を構成する,上記修正ルール記憶部26に記憶される
修正ルール,及び上記影響係数記憶部29に記憶される
影響係数とそれを用いたロール間隙修正量の計算方法に
ついてそれぞれ説明する。まず,上記修正ルールについ
て説明する。上述したように,従来の棒鋼の圧延工程に
おいては,目標とする断面寸法の製品を得るために,オ
ペレータが多数の圧延スタンドを修正対象としてロール
間隙の修正を行っている。オペレータは,目標とする断
面寸法と試圧延結果の断面寸法を,例えば天地寸法,幅
寸法,コーナ寸法といった寸法項目毎に比較する。オペ
レータは,差異のある寸法項目毎に,その差異を修正す
るのに有効な修正要領,即ちどの圧延スタンドのロール
間隙量をどのように修正すれば上記差異を修正できるか
というノウハウを経験的に持っており,上記寸法比較に
よってある寸法項目に差異が見つかれば,上記修正要領
に従って手動で修正作業を行う。この,オペレータの持
つ修正要領のノウハウ即ち寸法項目毎にその差異を修正
するのに有効な修正要領(寸法項目毎の差異とその差異
を修正するために指定される圧延スタンドとそのロール
間隙の修正量に関する知識)をルール化したものが上記
修正ルール記憶部26に記憶される修正ルールである。
上記寸法項目の分類の一例を図3に示す。製品形状ごと
に16の寸法項目に分類している。
【0009】次に上記修正要領の例として,例えば修正
寸法項目が天地寸法である場合について説明する。図4
に示すように,現状h0 の天地寸法を目標値h1 に修正
するためには,ロール間隙量を修正する圧延スタンドと
して最終圧延スタンド11Hを選択するのが,熟練オペ
レータの知識である。そして,選択された最終圧延スタ
ンド11Hのロール間隙量をS0 からS1 に修正(修正
量△Sの計算方法については後述する)することによっ
て天地寸法h0 を目標値h1 に修正することが知られて
いる。したがって,上記修正ルール記憶部26に記憶さ
れている修正ルールの天地寸法の項目には,ロール間隙
量を修正する圧延スタンドとしての最終圧延スタンド1
1H,及び,ロール間隙量をS0 からS1 へ修正するた
めの手法が記憶されている。上記天地寸法以外の寸法項
目の場合も,すべてロール間隙量の修正によって寸法差
異を修正することができる。一例として,コーナRの修
正(コーナRが目標寸法よりも大きい)の場合の修正要
領は,例えば,ロール間隙量を修正する圧延スタンドと
して最終のひとつ前の圧延スタンド10Vとその2つ手
前の圧延スタンド8Vを選択すること,及び,上記圧延
スタンド10Vのロール間隙量を小さくし,上記圧延ス
タンド8Vのロール間隙量を大きくすることが修正ルー
ル記憶部26に記憶されており,それぞれの圧延スタン
ドのロール間隙の修正量がロール間隙調整部28で演算
され,それに基づいてロール間隙を修正することで,目
標のコーナRにすることができる。
【0010】次に,上記天地寸法の修正の場合を取り上
げて,上記影響係数記憶部29に記憶される影響係数と
それを用いた上記ロール間隙調整部28におけるロール
間隙修正量の計算方法について説明する。まず,板厚
(ロール入側,出側),ロール間隙量,圧延荷重の間に
は,図5に示すような関係がある。図5において,M,
Qはそれぞれミル定数,材料の塑性定数のグラフであ
り,傾きm,qがそれぞれミル定数,塑性定数を表して
いる。また,M,Qと横軸との交点は,それぞれロール
間隙量,ロール入側板厚を示し,MとQの交点の横軸値
がロール出側板厚を示している。図5は,ロール入側板
厚一定(Q固定)で,ロール間隙量をS0 からS1 まで
△S変化させたとき,ロール出側板厚がh0 からh1
で△h変化することを示している。その関係を式で表す
と, △P=q×△h △P=m×(△S−△h) となり,上記2式より, △S=((q+m)/m)×△h という関係が導出される。上式はロール出側板厚変化量
△hとロール間隙変化量△Sとの関係を表しており,
((q+m)/m)を影響係数と呼ぶ。この関係式を用
いることによって,上記天地寸法の修正の場合には,目
標天地寸法修正量△hに対するロール間隙修正量△Sを
求めることができる。ここで,上記ミル定数mは圧延ス
タンド毎の定数であり,上記材料の塑性定数qは材料の
材質,温度,形状,寸法等によって変化するため,上記
影響係数は圧延時の条件によって異なる値となる。そこ
で,ロール間隙量を修正する圧延スタンド,材料の材
質,温度,形状,寸法等の条件毎の影響係数を,予め上
記影響係数記憶部29に記憶しておき,圧延時の条件に
合った影響係数を用いて上記ロール間隙調整部28にお
いてロール間隙修正量の計算を行う。
【0011】また,上記ロール間隙調整部28では,上
記のロール間隙修正量の計算に加えて,幅広がりによる
影響を打ち消すためのロール間隙修正量の計算も行って
いる。幅広がりとは,図6に示すように,例えば厚さ方
向寸法をh0 からh1 に圧延した場合に,幅方向寸法が
0 からB1 に広がる現象である。従って,上で説明し
たロール間隙の修正に加えて,上記幅広がり量を打ち消
すためのロール間隙の修正を行わなければならない。例
えば,水平圧延スタンドのロール間隙量を小さくする修
正をすれば,同時に垂直圧延スタンドのロール間隙量も
上記幅広がり量B1 −B0 を打ち消す量だけ小さくする
修正をしなければならない。熱間圧延の幅広がり量の計
算には,図7に示す篠倉の式がよく用いられている。ま
た,上記のようにある圧延スタンドのロール間隙量を修
正すれば,それに伴って圧延スタンド間の張力が変化し
断面形状に影響を及ぼす。従って上記ロール間隙調整部
28では,常に各圧延スタンド間の張力を無張力の状態
に保つような圧延スタンドの回転数の自動制御を同時に
行っているが,これは公知の様々な技術を利用すること
ができる。
【0012】次に,図2を用いて,本実施の形態に係る
棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置の処理手順を
順を追って説明する。 (ステップS31)まず,最終の水平圧延スタンド11
Hから製品棒鋼16が出てくると,製品断面寸法測定部
24によって製品断面寸法が測定される。 (ステップS32)修正要領選定部25において,設定
部27に予め設定された目標断面寸法と上記製品断面寸
法とを図3に示す寸法項目毎に比較し,差異を求める。 (ステップS33)上記寸法の差異の有無によって断面
寸法修正の要否を判断する。 (ステップS34)断面寸法修正の必要がある場合に
は,上記寸法差異に基づいて,修正ルール記憶部26に
記憶された上記修正ルールから,制御すべき圧延スタン
ドとそのロール間隙修正に関する修正要領を選定する。 (ステップS35)ロール間隙調整部28は,上記修正
要領に基づいて,材料温度測定部21から得た材料温
度,材料断面寸法測定部23から得た材料断面寸法,製
品温度測定部22から得た製品温度,及び上記設定部2
7によって設定された棒鋼の材質,各圧延スタンドの定
数であるミル定数の各条件に対応する影響係数を影響係
数記憶部29から取り出す。 (ステップS36)上記影響係数を用いて,上記ロール
間隙調整部28は上記制御すべき圧延スタンドに対する
ロール間隙修正量を計算する。 (ステップS37)更に上記ロール間隙調整部28は,
上記制御すべき圧延スタンドとそれに対するロール間隙
修正量に基づいて,ロール間隙変更部13に対してロー
ル間隙変更の指示を行う。 (ステップS38)上記ロール間隙修正量(S36によ
って得られる),及びその修正によって得られた製品断
面寸法(S31によって得られる)を用いて影響係数を
計算し,上記影響係数記憶部29に記憶された影響係数
を更新する。 以上の処理を繰り返すことによって,目標とする断面形
状の製品を得ることができる。
【0013】以上説明したように,本実施の形態に係る
棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置は,スタンド
間での断面寸法を使用せず,正確な断面寸法が安定して
測定できる圧延直後の製品断面寸法を使用しており,ま
た幅広がり量や棒鋼の材料条件を考慮してロール間隙修
正量を計算しているため,製品断面寸法を正確に目標断
面寸法に一致させることができる。また,熟練オペレー
タが蓄積してきた断面形状修正要領のノウハウを修正ル
ールとしてデータベース化している。従って特別な技術
を持った熟練オペレータなしに正確に製品断面形状が目
標断面形状と一致するようにロール間隙量を自動制御す
ることができ,試圧延の繰り返しによる歩留り並びに稼
働率の低下を改善することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明に係る棒鋼圧延設備の製品断面形
状自動制御装置は,上記したように構成されているた
め,測定精度が不安定なスタンド間での断面寸法測定を
行うことなく,またスタンド間張力制御による断面寸法
修正を行うことなく,更に棒鋼の材料条件及び幅広がり
を考慮して,正確に製品断面形状が目標断面形状と一致
するようにロール間隙量を自動制御することによって,
試圧延の繰り返しによる歩留り並びに稼働率の低下を改
善し,特別な技術を持った熟練オペレータを必要としな
い棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る棒鋼圧延設備の製
品断面形状自動制御装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】 本発明の実施の形態に係る棒鋼圧延設備の製
品断面形状自動制御装置の処理フローを示す図。
【図3】 寸法項目の分類の一例を示す図。
【図4】 天地寸法を修正寸法項目とする場合の修正要
領を示す図。
【図5】 板厚,ロール間隙と,圧延荷重の関係を表す
図。
【図6】 幅広がりの状態を示す図。
【図7】 幅広がり量を計算する篠倉の式を示す図。
【符号の説明】
1H〜11H…第1〜第11水平圧延スタンド 2V〜10V…第2〜第10垂直圧延スタンド 12…ロール間隙測定部 13…ロール間隙変更部 14…加熱炉 15…棒鋼材料 16…製品棒鋼 21…材料温度測定部 22…製品温度測定部 23…材料断面寸法測定部 24…製品断面寸法測定部 25…修正要領選定部 26…修正ルール記憶部 27…設定部 28…ロール間隙調整部 29…影響係数記憶部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平及び垂直圧延スタンドを交互に配置
    し,棒鋼を上記圧延スタンドに取り付けられたロールに
    よって段階的に圧延する棒鋼圧延設備で,上記棒鋼が希
    望の断面形状となるように上記各ロールの間隙を自動制
    御する棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置におい
    て,製品の断面形状を規定する寸法項目毎に,圧延直後
    の棒鋼の断面寸法を測定する製品断面寸法測定手段と,
    上記寸法項目毎の棒鋼の目標断面寸法を設定する目標断
    面寸法設定手段と,上記寸法項目毎の上記目標断面寸法
    と上記製品断面寸法との差異を修正するための修正要領
    をルール化した修正ルールを記憶する修正ルール記憶手
    段と,上記目標断面寸法設定手段によって設定された目
    標断面寸法と,上記製品断面寸法測定手段によって測定
    された製品断面寸法との差異に基づいて,上記修正ルー
    ル記憶手段に記憶された修正ルールから,制御すべき圧
    延スタンドとそのロール間隙に関する修正要領を選定す
    る修正要領選定手段と,上記修正要領に基づいて上記制
    御すべき圧延スタンドのロール間隙の修正量を計算し,
    上記制御すべき圧延スタンドに対してロール間隙の修正
    の指示を行うロール間隙調整手段とを具備してなること
    を特徴とする棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装
    置。
  2. 【請求項2】 上記ロール間隙調整手段におけるロール
    間隙の修正量の計算を,影響係数を用いて行う請求項1
    記載の棒鋼圧延設備の製品断面形状自動制御装置。
  3. 【請求項3】 圧延前の棒鋼の断面寸法を測定する材料
    断面寸法測定手段と,圧延前の棒鋼の温度を測定する材
    料温度測定手段と,圧延直後の棒鋼の温度を測定する製
    品温度測定手段と,棒鋼の材質を設定する材質設定手段
    とを具備し,上記影響係数を,上記材料断面寸法,上記
    製品断面寸法,上記材料温度,上記製品温度,上記棒鋼
    の材質,及び圧延スタンド毎の定数であるミル定数を考
    慮して演算する請求項2記載の棒鋼圧延設備の製品断面
    形状自動制御装置。
  4. 【請求項4】 材料断面寸法,製品断面寸法,材料温
    度,製品温度,棒鋼の材質,及びミル定数それぞれの条
    件に対応した影響係数を記憶する影響係数記憶手段を具
    備してなる請求項3記載の棒鋼圧延設備の製品断面形状
    自動制御装置。
  5. 【請求項5】 上記ロール間隙の修正量及び該修正によ
    って得られた製品断面寸法を用いて影響係数を計算し,
    該計算値によって上記影響係数記憶手段に記憶された影
    響係数を更新する請求項4記載の棒鋼圧延設備の製品断
    面形状自動制御装置。
  6. 【請求項6】 上記ロール間隙調整手段において,幅広
    がりを考慮してロール間隙の修正量を計算してなる請求
    項1〜5のいずれかに記載の棒鋼圧延設備の製品断面形
    状自動制御装置。
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