JPH09314009A - 層流噴射装置 - Google Patents

層流噴射装置

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JPH09314009A
JPH09314009A JP13793196A JP13793196A JPH09314009A JP H09314009 A JPH09314009 A JP H09314009A JP 13793196 A JP13793196 A JP 13793196A JP 13793196 A JP13793196 A JP 13793196A JP H09314009 A JPH09314009 A JP H09314009A
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JP
Japan
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laminar flow
fluid
buffer tank
injection
port
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Application number
JP13793196A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Yoshino
英敏 芳野
Masakazu Murakami
雅一 村上
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Daiichi KK
Original Assignee
Daiichi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単、安価な構成でガラスロッド状の層流を
形成することができる層流噴射装置を手供する。 【解決手段】 この層流噴射装置1は、貯蔵回収タンク
2の水を圧送する渦巻きポンプなどのポンプ3と、ポン
プ3から圧送された水の流量を調節する流量調整弁4
と、緩衝タンク5と、緩衝タンク5からの水を層流化す
る層流生成噴射部6とを含んで構成されている。緩衝タ
ンク5は下側領域に給水口8、流出口10に臨む水相1
5が形成され、緩衝タンク5の上側領域に空気相16が
形成されている。この状態で空気量調整弁13を閉める
と、緩衝タンク5の空気相16は密閉され、圧縮性のク
ッションとして機能させることができ、ポンプ3の給水
圧力変動を吸収することができ、層流の程度を向上でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は広くは流体を噴射す
る噴射装置に関し、より詳しくは噴射する流体を層流と
することにより、ガラスロッド状に流体を噴射する層流
噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水を噴射する噴射装置の従来技術として
は、特開平3−4958号に開示された噴水装置、特開
平1−231958号に開示された水ディスプレイ装置
(US166998号を優先権主張の基礎とする出願)
が公知である。特に前記水ディスプレイ装置において
は、圧縮空気によって水を瞬間的に噴出させる装置が開
示されている。また、層流噴射装置の従来技術として
は、特公平4−75791号に開示された層流発生装置
(US800224号を優先権主張の基礎とする出願)
が公知である。この層流発生装置は、加圧水を収容する
容器の流出口を開口縁が鋭角によって形成されるシャー
プエッジで形成し、容器の接線方向に水の流入口を設
け、容器内部に乱流減衰装置を設けることにより容器に
流入する水を層流化して、ガラスロッド状の層流を前記
流出口から噴射するように構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記噴水装置、水ディ
スプレイ装置などにおいては、コンプレッサにより発生
された圧縮空気により、水を噴出させる構成が一般的で
ある。これは圧縮空気を使用することにより圧力の調整
が行いやすく、噴水の吹上高さを変えたり、棒状の噴水
を断続的に噴出させたりすることができ、看者にアトラ
クション的な興味を引かせることができるからである。
しかしながら、圧縮空気により水を加圧する方法では、
容器に水を加圧供給する水供給系とは別に、圧縮空気を
供給するコンプレッサを含む気体供給系と、圧縮空気の
圧力を流体の圧力に変換する変換手段と、気体の圧力を
制御する制御系とが新たに必要となり、層流噴射装置の
構成が複雑になるとともに、層流噴射装置のコストが高
くなる問題がある。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、簡単、安価な構成でガ
ラスロッド状の層流を形成することができる層流噴射装
置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1の層流噴射装置を、例えば図1,図2を参
照して説明すれば、流体供給手段2からの流体を圧送す
るポンプ3と、ポンプ3により圧送された流体を一時的
に蓄える緩衝タンク5と、緩衝タンク5を介した流体を
砲身28の流入口24から流入させ、層流化した流体を
射出口26から噴射させる層流生成噴射部6とを含んで
構成され、前記緩衝タンク5にポンプ3からの流体が流
入する給水口8と層流生成噴射部6への流出口10を設
け、緩衝タンク5内へ流体を流入させて給水口8と流出
口10とが流体相15内に位置するように流体相15の
水位を設定することにより、緩衝タンク5内の空間を気
体相16と流体相15とに分けた状態とし、その状態で
緩衝タンク5を密閉したことを特徴とする。
【0006】なお、液体供給手段2には貯蔵回収タンク
2、層流噴射装置1の流体が供給される給水手段(例え
ば水道管)、層流噴射装置1が配設された池、プールな
どが含まれる。請求項2の層流噴射装置は、例えば、図
2に示すように、緩衝タンク5の給水口8の流入方向、
流出口10の流出方向のいずれか一方が前記流体相15
の水面21に対して略垂直に設けられ、他方が流体相1
5の水面21に対して略平行に設けられていることを特
徴とする。
【0007】請求項3の層流噴射装置は、例えば、図2
に示すように緩衝タンク5の給水側管路に流量調整弁4
を設け、さらに緩衝タンク5の上部域に気体相16の気
体量を調節するとともに緩衝タンク5を密閉するための
弁手段13が設けられていることを特徴とする。請求項
4の層流噴射装置は、例えば、図3に示すように層流生
成噴射部6内にスクリーン30が収容され、層流生成噴
射部6の流入口24に、流体の流入方向を拡散するため
の開口40を有する散水手段29が取り付けられ、散水
手段29の開口40を通り抜けた流体がスクリーン30
を通過するように配置されていることを特徴とする。な
お、開口にはスリット状の開口、各種形状穴(例えば、
円形穴)を列状に連ねたもの、各種形状穴をランダムに
配列したものなどが例示できる。
【0008】請求項5の層流噴射装置は、例えば、図6
に示すように層流生成噴射部6の射出口26が直角のシ
ャープエッジを有した円柱状開口31で形成されている
ことを特徴とする。請求項6の層流噴射装置は、例え
ば、図7に示すように層流生成噴射部6の射出口26が
直角のシャープエッジを有した円柱状開口31で形成さ
れており、そのシャープエッジ位置が層流生成噴射部6
内部に入り込んでいることを特徴とする。
【0009】請求項7の層流噴射装置を、例えば図1,
図2を参照して説明すれば、流体供給手段2からの流体
を圧送するポンプ3と、ポンプ3により圧送された流体
を一時的に蓄える緩衝タンク5と、緩衝タンク5を介し
た流体を層流化し、噴射させる層流生成噴射部6とを含
んで構成され、前記緩衝タンク5が気体相16と流体相
15を有した状態で密閉された構成となっており、気体
相16の圧縮性により流体相15の圧力変動が抑制され
た状態で層流生成噴射部6へ液体が供給されることを特
徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】請求項1の層流噴射装置であ
れば、流体供給手段2にある流体は、ポンプ3により圧
送され、給水口8から緩衝タンク5に流入し、流体相1
5内に一時的に蓄えられる。一時的に蓄えられた液体
は、緩衝タンク5の流出口10から層流生成噴射部6へ
圧送され、層流生成噴射部6は砲身28内で層流化され
た流体をその射出口26から噴射させることにより、ガ
ラスロッド状の層流を噴射させることができる。
【0011】この一連の作用において、緩衝タンク5の
空間が気体相16と流体相15に分けた状態で緩衝タン
ク5を密閉し、流体相15内にポンプ3からの給水口8
と層流生成噴射部6への流出口10を設けているので、
圧縮性のある気体がポンプ3等の給水圧力の微小変動を
吸収するクッションの機能をはたし、流出口10から出
る流体の給水圧力変動を極めて小さい範囲に抑えること
ができる。即ち、流体相15の水面21が上昇し、気体
相16の容積が小さくなるときは水面21は圧力を受
け、流体相15の水面21が下降し、気体相16の容積
が大きくなるときは水面21は引力を受ける。このよう
に気体の圧縮性を利用することで、極めて簡単な構成で
給水圧力などの微小変動を抑え、層流生成噴射部6への
給水圧、給水流量を高い精度で制御できる。
【0012】このクッションによる給水圧変動の吸収作
用により、層流生成噴射部6から噴射される層流の形状
を安定化させることができる。また、緩衝タンク5内で
の流れのレイノルズ数Reを一度下げることにより、ポ
ンプ3、流量調整弁4等で生じた流れの乱れを抑え、層
流生成噴射部6での層流化の前段階の働きをなすことが
でき、層流生成噴射部6の層流の程度を向上させること
ができる。また、給水圧力変動のある普通に市販されて
いるポンプ3を層流噴射装置1に使用でき、従来の圧縮
空気により流体を加圧する装置に比べて気体供給系、制
御系を不要とでき、簡単かつ安価に装置を構成すること
ができる。
【0013】請求項2の層流噴射装置であれば、緩衝タ
ンク5の給水口8の流入方向が前記流体相15の水面2
1に対して略垂直に設けられ、流出口10の流出方向が
流体相15の水面21に対して略平行に設けられた第1
の構成(図2に示す構成)と、緩衝タンク5の流出口1
0の流出方向が前記流体相15の水面21に対して略垂
直に設けられ、給水口8の流入方向が流体相15の水面
21に対して略平行に設けられた第2の構成とを取り得
る。第1の構成の場合であると、給水口8から緩衝タン
ク5に流入した流体の給水圧力変動は水面21に直接に
伝わり、気体相16の気体の圧縮圧力、拡張引力によ
り、水面21から流体の給水圧力変動を吸収するように
機能し、また、流出口10の流出方向が流体相15の水
面21に対して略平行に設けられているので、上記流体
の給水圧力変動は直接に流出口10には伝わらず、上記
給水圧力変動を吸収された後の流体が流出することにな
る。
【0014】他方、第2の構成の場合であると、給水口
8から緩衝タンク5に流入した流体の給水圧力変動は水
面21にまず平行な方向に伝わり、流出口10に直接伝
わることはない。また、緩衝タンク5に流入した流体の
給水圧力変動は水面21に対して平行な方向から垂直な
方向に徐々に伝わるが、気体相16の気体の圧縮圧力、
拡張引力により、水面21から流体の給水圧力変動を吸
収するように機能するので、流出口10から出る流体の
圧力変動は十分に低減された状態になる。したがって、
上記第1の構成、第2の構成いずれにおいても、より給
水圧力変動を抑えた状態で流体を層流生成噴射部6に供
給することができる。
【0015】請求項3の層流噴射装置であれば、緩衝タ
ンク5の給水側管路に流量調整弁4を設けているので、
流量調節に伴う変動は緩衝タンク5の給水前に生じ、緩
衝タンク5から流出する流体の変動を小さくすることが
できる。また、緩衝タンク5の上部域に気体相16の空
気量を調節するとともに緩衝タンク5を密閉するための
弁手段13が設けられているので、緩衝タンク5への給
水、流体相15および流体相16の容積の調整などを弁
手段13の操作で簡単に行うことができる。請求項4の
層流噴射装置であれば、層流生成噴射部6の流入口24
に散水手段29を取り付けることにより、流体の流入方
向が拡散され、層流生成噴射部6(砲身28)中を流れ
る流体の量を層流生成噴射装置6全体において均一にす
ることができる。また、給水の際に生じる層流生成噴射
部6の内流に対する初期撹乱を小さくすることができ
る。さらに散水手段29の開口40を通り抜けた流体が
スクリーン30を通過するように配置されているので、
射出口26に達した流体は良好に層流化される。
【0016】請求項5の層流噴射装置であれば、簡単な
形状の開口で良好な層流を生成することができる。請求
項6の層流噴射装置であれば、シャープエッジ位置が層
流生成噴射部6内部に入り込んでいるので、流体の圧力
損失を小さくでき流体の切れが良くなり、円錐状開口と
する場合よりも、流体圧力を上げても振動、変形がな
く、長期間にわたって安定した層流を噴出することが可
能になる。請求項7の層流噴射装置であれば、緩衝タン
ク5内が気体相16と流体相15を有した状態で密閉し
た構成となっており、気体相16の圧縮性により流体相
15の圧力変動が抑制された状態で層流生成噴射部6へ
流体が供給されるので、簡単な構成で通常のポンプ3を
使用した層流噴射装置を安価に提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態を示す添
付図面によって詳細に説明する。図1は本発明に係る層
流噴射装置の第1実施形態を示す概略構成図、図2は緩
衝タンクの一部切欠縦断面図である。なお、以下の説明
では噴射する流体を水を例に取り説明する。この層流噴
射装置1は、水を層流状態でガラスロッド状に噴出させ
ることにより、主に視覚的に興味を持たせ、公園の噴水
装置、集客施設のディスプレイ装置、浴場,プールなど
の水関係施設におけるアトラクション装置などに使用さ
れるものである。
【0018】この層流噴射装置1は、水が貯蔵され、噴
射された水が回収される貯蔵回収タンク2と、貯蔵回収
タンク2の水を圧送する渦巻きポンプなどのポンプ3
と、ポンプ3から圧送された水の流量を調節する流量調
整弁4と、緩衝タンク5と、緩衝タンク5からの水を層
流化する層流生成噴射部6とと含んで構成されている。
緩衝タンク5はステンレス製の密閉式タンクが一般的に
使用され、タンク底壁7にポンプ3からの給水口8、タ
ンク高さほぼ中央部の周側壁9に層流生成噴射部6への
流出口10が設けられている。したがって通常一般のタ
ンクを本件発明の緩衝タンク5として簡単に使用でき、
低コストで実施できる。
【0019】また、流量調整弁4はポンプ3から給水口
8までの管路18,19に取り付けられている。また、
緩衝タンク5の下部所定位置に緩衝タンク5内の水を逃
がすための排水弁11が設けられている。さらに、流出
口10近くで緩衝タンク5と層流生成噴射部6とを連通
する管路20位置にはメンテナンス用弁22が取り付け
られている。タンク最上部には、空気圧計12を介して
空気量調整弁13が設けられ、その空気量調整弁13に
より外部と連通している。また、タンク側方には透明な
筒状の水位計14が設けられ、タンク5内の水の高さ位
置を知ることができるようになっている。
【0020】空気量調整弁13を開け、ポンプ3により
水面21が流出口10の位置を上回るまで、例えば緩衝
タンク5の75%高さ位置まで給水すると、緩衝タンク
5の下側領域に給水口8、流出口10に臨む水相15が
形成されるとともに、緩衝タンク5の上側領域に空気相
16が形成され、緩衝タンク5内は2相状態となる。こ
の状態で、空気量調整弁13を閉めると、緩衝タンク5
の空気相16は密閉され、圧縮性のクッションとして機
能させることができる。なお、初期の空気量の設定は、
層流噴射装置1を使用し続けてもほとんど変化しない。
これは緩衝タンク5において水への空気の溶け込み量
と、給水からの空気の混入量とがほぼ等しく、ちょうど
バランス状態にあるためと予想される。
【0021】なお、図1,図2に示す実施形態において
は前述した第1の構成を採用しているので、給水口8は
緩衝タンク5の最下部に設けられ、緩衝タンク5への水
の流入方向が水面21に対して垂直方向であるようにな
っている。こうすることにより、ポンプ3の給水圧の変
動に対して、空気相16の圧力、引力が水面21に対し
て最も有効に働き、給水圧の変動の抑制効果が高いよう
に構成されている。また、流出口10の流出方向は水面
21に対して平行になるように緩衝タンク5の周側壁9
に設けられているので、流出口10から送り出される水
にポンプ3等の給水圧変動が伝わりにくいようになって
いる。
【0022】ポンプ3は、比較的給水圧の変動の小さい
ものが使用されるが、ポンプ3はその構造上、どうして
も給水圧には変動が生じる。例えば、市販のポンプでは
プラスマイナス5%程度の圧力変動が生じる。また、市
販の定流量弁でも、プラスマイナス5%程度の流量変動
が生じる。このように圧力変動、流量変動のある水流を
直接に層流生成噴射部6に供給すると、圧力変動、流量
変動の影響を直接受け、噴流が各変動に応じて変化し、
良好な層流を発生させることが難しくなる。これに対
し、本実施形態のように空気を封入した緩衝タンク5を
ポンプ3と層流生成噴射部6の間に設置すると、空気の
圧縮性により大きな圧力変動、流量変動を吸収し、各変
動幅を層流発生上において問題とならないくらいに小さ
くできる。また、緩衝タンク5内に一度水を貯めてから
送り出すのでポンプ3による水流の乱れを緩衝タンク5
内で減少させることができ、層流生成噴射部6の前段階
のおおまかな層流化を達成できる。
【0023】なお、緩衝タンク5の大きさ(容量)の選
定については、前段階のおおまかな層流化の関係上、層
流生成噴射部6への必要供給量から緩衝タンク5内部の
流れのレイノルズ数が2000程度になるように選定す
ることが好ましい。また、図1において貯蔵回収タンク
2とポンプ3の間は管路17、ポンプ3と流量調整弁4
の間は管路18、流量調整弁4と緩衝タンク5の間は管
路19、緩衝タンク5と層流生成噴射部6の間は管路2
0でそれぞれ連通されており、特に緩衝タンク5と層流
生成噴射部6の間の管路20には、メンテナンス用弁2
2以外は弁などが一切設けられていないとともに、管路
20の横断面積が大きく変化しないように設定されてい
る。このように管路20の横断面積が大きく変化しない
ように設定することにより、緩衝タンク5で形成された
層流を乱すことなく、層流生成噴射部6へ送り出すこと
ができる。
【0024】図3は層流生成噴射部の縦方向断面図、図
4はその分解斜視図、図5(A)は散水器の拡大正面
図、図5(B)は散水器の拡大平面図、図6(A)は層
流生成噴射部の射出口の拡大縦断面図、図6(B)は射
出口部品の平面図である。層流生成噴射部6は、噴流射
出の最終段階において流れを層流にするための装置であ
り、緩衝タンク5で乱流の減少された水の流れを層流に
するための装置である。層流生成噴射部6は、先端側に
フランジ部45を有する円筒体23に、給水口24を有
する基部側円板25と先端側円板27とを取り付けて構
成した円筒形の砲身28を有し、先端側円板27の中心
部の円形開口51には射出口26を有する射出口部品3
3が嵌合固定されている。砲身28内の給水口24には
散水器29が配置されるとともに、砲身28の中央域に
は、乱流を減衰させるためのスクリーン30が収容され
ている。
【0025】この実施形態においては、射出口26を備
えた射出口部品33を図4および図6に示すように先端
側円板27と別部品で構成している。射出口部品33は
図6に示すように先端側円板27の中心に設けられた円
形開口51に密着嵌合する嵌合円板部52と先端側円板
27の外側面に固着される大径フランジ部53とからな
る部品で、嵌合円板部52、大径フランジ部53を貫通
するように射出口26が設けられている。射出口26は
図6に示すように砲身28の中心軸に沿った円柱状開口
31で構成されており、円柱状開口31の内側の端縁3
2は水を切るシャープエッジに形成している。端縁32
の角度は90゜に設定され、このシャープエッジにより
切られた水は円柱状開口31の周面に接触することな
く、縮流となり射出される。
【0026】シャープエッジに関しては、90゜のエッ
ジが鋭いことと砲身28の内面側に切削時のバリなどが
残らないことが重要になる。これは射出口26付近では
流速が大きくなるため、小さなバリでも大きく流れを乱
すからである。また、90゜のエッジが鋭くない場合、
噴流に対して接触壁面が生じ、この部分が非常にレイノ
ルズ数の高い管内流となり、この大きな乱れにより噴流
を乱すことになる。
【0027】なお、射出口26を備えた射出口部品33
を先端側円板27と別部品で構成することにより、高い
加工精度が要求される円柱状開口31、シャープエッジ
の部分を精度良く製造できる。図7は射出口の他の実施
形態を説明するための図であり、図7(A)は射出口の
拡大縦断面図、図7(B)は射出口部品の斜視図、図7
(C)はシャープエッジ部分(図7(A)における円
C)の拡大図である。
【0028】射出口部品55は図7に示すように先端側
円板27の円形開口51に密着嵌合する嵌合円板板52
と、先端側円板27の外側面と固着される大径フランジ
部53と、嵌合円板部52から砲身28内部に延出され
た円錐台形部56からなる部品で、円錐台形部56、嵌
合円板部52、大径フランジ部53を貫通するように円
柱状開口31が設けられている。図6に示す射出口部品
33と比較すると円錐台形部56が設けられている点が
異なっている。円錐台形部56を設けることにより、円
柱状開口31のシャープエッジが層流生成噴射部6の内
部に位置することになる。
【0029】円柱状開口31の端縁57は図7(C)に
示すように距離d(dは0.2〜0.8mm程度)削ら
れ、円柱状開口31の端縁57の角度は90゜に設定さ
れている。円柱状開口31のシャープエッジが層流生成
噴射部6の内部に位置することにより、水の圧力減少が
小さくなり、シャープエッジでの水の切れが良くなり、
十分に高い水圧に対してもシャープエッジ部分の局部的
な変形を抑制して、長期間にわたって安定した層流を生
成することができる。なお、一般に円筒管を流れる流体
のレイノルズ数Reは次のように定義される。
【0030】Re=U・d/ν 但し、Uは管内を流れる流体の流速、dは円筒管の内
径、νは流体の動粘度を示す。同じ流量で考えた場合、
Uは1/d2に比例するので、レイノルズ数Reは1/
dに比例することになる。したがって、管内径dを大き
くすることで、レイノルズ数Reを小さくすることがで
きるので、砲身28の直径を大きくすることで、管内流
のレイノルス数を下げ、内部乱流減衰手段により整流を
可能にすることができる。
【0031】スクリーン30a,30b,30cは上記
内部乱流減衰手段として機能するもので、図3,図4に
おいては、所定仕様の3枚のスクリーン30a,30
b,30cを、スクリーンホルダ34に取り付け、砲身
28内に設置する。スクリーンホルダ34は、図4に示
すように散水器29が挿通できる内側開口35を有する
円環板36と、円環板36の周縁から立設された4本の
支持棒37と、支持棒37に固着されたリング状スクリ
ーン支持枠38とから構成され、リング状スクリーン支
持枠38にスクリーン30a,30b,30cを固定し
た後、スクリーンホルダ34を砲身28内に挿入し、円
環板36を砲身28の基部側円板25内面に当接させる
ことにより、各スクリーン30の配設位置を砲身28内
で設定することができる。また、このようにスクリーン
ホルダ34によりスクリーン30を保持することによ
り、砲身28内部の清掃作業、スクリーン30の清掃作
業、スクリーン30の交換作業が簡単に行えるという利
点がある。なお、スクリーンホルダ34に固定されるス
クリーンの仕様、枚数については、各仕様の層流噴射装
置に対応して所望する層流の程度が得られるように適宜
調整すればよい。
【0032】スクリーン30に流体を流すことにより、
流れの中の乱れを減少させることができる。ここで考え
る乱れとは、管内壁や管の拡大、縮小による発生する渦
が主である。流れの中に存在する渦はスクリーン30を
通過することにより、細分化され各渦のスケール(渦の
径)が小さくなる。本発明の装置で使用するレイノルズ
数Reの大きさの程度では、初期に存在する渦のスケー
ルにより、その渦が発達し流れが乱流化するか、粘性に
よる拡散により渦が消滅に向かい流れが層流となるかが
決まる。渦のスケールが大きいほど渦が発達し、流れは
乱流化視野すい。よってスクリーン30を用いることで
乱流化を抑制することができる。
【0033】砲身内流のレイノルズ数Reが同じ場合、
渦の径を代表長さとする渦に関する局所レイノルズ数を
考えると、渦が小さいほど局所レイノルズ数は下がり粘
性による拡散の影響が慣性よりも大きくなる。したがっ
て渦を小さくした方が渦を消滅の方向に持っていきやす
い。但し、スクリーン30による整流法において、使用
するスクリーン30に関して次のような条件を満足する
ことが好ましい。 使用に適するメッシュは16〜30メッシュ程度、 メッシュの存在により乱れを生じさせない程度の線径
に設定する、 スクリーン全面積に対する開口面積、即ち、開口比が
60%以上、 、については網の目が粗いと原理的に整流作用がな
く、細かすぎるとスクリーンの存在の影響が大きくなり
逆に乱流を招くことになる。これはにも関連すること
である。
【0034】散水器29は図5に示すように、略回転対
称形のタマネギ形をした中空の塩化ビニル製の散水容器
46に導入管47を固着した構成となっており、散水容
器46の周面に幅0.5〜2mm、長さ30〜60mm
程度のスリット40が砲身長手方向に向けて多数本(例
えば、20〜40本)形成されている。導入管47から
流入した水は散水容器46の開口のない天井板48に衝
突し、スリット40から押し出される状態で拡散され
る。この散水器29を砲身底部の給水口24に取り付け
ることにより、給水口24から給水された水を砲身28
内の全方向に均等に広げることができる。また、給水の
際に生じる管内流に対する初期撹乱を小さくする効果が
ある。なお、散水容器46に設ける開口としては、スリ
ット40に限定されるものではない。
【0035】この発明は上記実施形態に限らず、本発明
の要旨内で各種の変形を行って実施をすることが可能で
ある。以下、そのような実施形態について説明する。 (1)層流生成噴射部6の構成は図3,図4に示した構
成に限定されるものではなく、各種の乱流減衰装置を採
用した層流生成噴射部でも適用できるものである。 (2)前記実施例では緩衝タンク5と層流生成噴射部6
とを別体で構成したが、層流生成噴射部6の容積が大き
くなることを許容できる設置場所においては、緩衝タン
ク5と層流生成噴射部6とを支持部材で連設して設ける
構成も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る層流噴射装置の第1実施形
態を示す概略構成図である。
【図2】図2は緩衝タンクの一部切欠縦断面図である。
【図3】図3は層流生成噴射部の縦断面図である。
【図4】図4は層流生成噴射部の分解斜視図である。
【図5】図5(A)は散水器の拡大正面図、図5(B)
は散水器の拡大平面図である。
【図6】図6(A)は層流生成噴射部の射出口の拡大縦
断面図、図6(B)は射出口部品の平面図である。
【図7】図7は射出口の他の実施形態を説明するための
図であり、図7(A)は射出口の拡大縦断面図、図7
(B)は射出口部品の斜視図、図7(C)はシャープエ
ッジ部分の拡大図である。
【符号の説明】
2…貯蔵回収タンク、3…ポンプ、4…流量調整弁、5
…緩衝タンク、6…層流生成噴射部、8…給水口、10
…流出口、13…空気量調整弁、15…水相、16…空
気相、21…水面、24…流入口、26…射出口、28
…砲身、29…散水器、30…スクリーン、31…円柱
状開口、40…スリット。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体供給手段(2)からの流体を圧送す
    るポンプ(3)と、ポンプ(3)により圧送された流体
    を一時的に蓄える緩衝タンク(5)と、緩衝タンク
    (5)を介した流体を砲身(28)の流入口(24)か
    ら流入させ、層流化した流体を射出口(26)から噴射
    させる層流生成噴射部(6)とを含んで構成され、 前記緩衝タンク(5)にポンプ(3)からの流体が流入
    する給水口(8)と層流生成噴射部(6)への流出口
    (10)を設け、緩衝タンク(5)内へ流体を流入させ
    て給水口(8)と流出口(10)とが流体相(15)内
    に位置するように流体相(15)の水位を設定すること
    により、緩衝タンク(5)内の空間を気体相(16)と
    流体相(15)とに分けた状態とし、その状態で緩衝タ
    ンク(5)を密閉したことを特徴とする層流噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記緩衝タンク(5)の給水口(8)の
    流入方向、流出口(10)の流出方向のいずれか一方が
    前記流体相(15)の水面(21)に対して略垂直に設
    けられ、他方が流体相(15)の水面(21)に対して
    略平行に設けられている請求項1に記載の層流噴射装
    置。
  3. 【請求項3】 前記緩衝タンク(5)の給水側管路に流
    量調整弁(4)を設け、さらに緩衝タンク(5)の上部
    域に気体相(16)の気体量を調節するとともに緩衝タ
    ンク(5)を密閉するための弁手段(13)が設けられ
    ている請求項1に記載の層流噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記層流生成噴射部(6)内にスクリー
    ン(30)が収容され、層流生成噴射部(6)の流入口
    (24)に、流体の流入方向を拡散するための開口(4
    0)を有する散水手段(29)が取り付けられ、散水手
    段(29)の開口(40)を通り抜けた流体がスクリー
    ン(30)を通過するように配置されている請求項1に
    記載の層流噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記層流生成噴射部(6)の射出口(2
    6)が直角のシャープエッジを有した円柱状開口(3
    1)で形成されている請求項1に記載の層流噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記層流生成噴射部(6)の射出口(2
    6)が直角のシャープエッジを有した円柱状開口(3
    1)で形成されており、そのシャープエッジ位置が層流
    生成噴射部(6)内部に入り込んでいる請求項1に記載
    の層流噴射装置。
  7. 【請求項7】 流体供給手段(2)からの流体を圧送す
    るポンプ(3)と、ポンプ(3)により圧送された流体
    を一時的に蓄える緩衝タンク(5)と、緩衝タンク
    (5)を介した流体を層流化し、噴射させる層流生成噴
    射部(6)とを含んで構成され、 前記緩衝タンク(5)が気体相(16)と流体相(1
    5)を有した状態で密閉された構成となっており、気体
    相(16)の圧縮性により流体相(15)の圧力変動が
    抑制された状態で層流生成噴射部(6)へ液体が供給さ
    れることを特徴とする層流噴射装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106902663A (zh) * 2017-04-01 2017-06-30 四川群青新材料科技有限公司 流化式高效混匀静态混合器
WO2022201031A1 (en) 2021-03-25 2022-09-29 Robotopia, UAB Method for delivering liquid by ejecting a continuous jet and system for implementing said method
WO2022201030A1 (en) 2021-03-25 2022-09-29 Robotopia, UAB Method for a liquid jet formation and ejection and devices for use in said method

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