JPH09313457A - 磁気共鳴イメージング装置における撮像方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置における撮像方法

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JPH09313457A
JPH09313457A JP8132140A JP13214096A JPH09313457A JP H09313457 A JPH09313457 A JP H09313457A JP 8132140 A JP8132140 A JP 8132140A JP 13214096 A JP13214096 A JP 13214096A JP H09313457 A JPH09313457 A JP H09313457A
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phase
image
magnetic field
signal
magnetic resonance
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JP8132140A
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Yukihiro Yasugi
幸浩 八杉
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次元或いは3次元MRI画像において、信
号加算により増大される収束性ノイズ(輝点)が画像に
与える影響を排除する。 【解決手段】 被検体組織を励起するための照射パルス
及びNMR信号の受信に使用する基準高周波信号の位相
を制御し、傾斜磁場のエンコードステップ毎に変化させ
る。撮像方法が2DFT法の場合には、位相変化量Δθは視
野の移動量Yに応じて求め、視野移動があった場合でも
輝点を画像端部に移動し、影響を与えないないようにす
る。また撮像方法が3DFT法の場合には、中央スライスと
磁場中心とのずれ量Sに応じて、基準周波数の位相を変
化させることにより、輝点をスライス端部に移動する。
通常スライス端部データは画像データとして用いられな
いので、3Dデータにおいて輝点を全く除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴(NM
R)現象を利用して被検体の所望箇所を画像化する磁気
共鳴イメージング装置(以下、MRI装置と記す)の撮
像方法に関し、特に画像上に表れる輝点ノイズの影響を
なくする撮像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、NMR現象を利用して被
検体中の所望の検査部位における原子核スピンの密度分
布、緩和時間分布を計測して、その計測データから被検
体の断面を画像表示するものであり、このためMRI装
置では、静磁場中で磁場の強さによって定まる周波数
(ラーモア周波数)f0で歳差運動する原子の核スピン
を励起するために、このラーモア周波数f0に等しい周
波数の高周波パルスを外部より照射するとともに、周波
数f0と等しい共振周波数を有する受信コイルでNMR
信号を検出する。このとき、空間内に位置情報を付加す
る目的で、X、Y、Zの3軸の傾斜磁場を磁場空間に印
加する。空間内の位置情報は周波数情報及び位相情報と
して捕らえることが可能となる。MRI装置ではこのよ
うに位相情報を付与したNMR信号を画像再構成に必要
な数、計測し、受信回路において基準高周波信号とのミ
キシングにより低周波信号とした後、A/D変換し、画
像再構成する。
【0003】このようなMRI画像のS/N比は、ノイ
ズがランダムノイズである場合(図7(a))、信号検
出回数の1/2乗に比例して向上するため、信号検出回数
が多く撮像時間が長いほど画像のS/N比は向上すると
いえる。しかし、信号に混入するノイズの周波数や位相
が変動せずMRI装置の受信回路と一致している場合
(図7(b)〜(d))は、エンコードや積算の回数に
応じてノイズの影響が大きくなる。このうち、(b)、
(c)に示されるノイズはノイズ強度が分散しているた
め比較的排除は容易であるが、周波数が一定で、しかも
位相が高周波装置の基準高周波信号の位相と一致してい
るノイズ(d)は、受信回路に漏洩すると、収束性ノイ
ズとなり画像上に輝点を生じ、信号積算により比例的に
増加する。このようなノイズは高周波装置自身が発生源
である場合が多い。例えばディジタル回路の基準クロッ
クや、周波数シンセサイザの内部周波数の高調波などで
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来はこのような収束
性ノイズに対してノイズ発生源や受信回路を遮蔽するこ
とによって対処していた。例えば、デジタルンンセサイ
ザの内部信号電圧が5(V)で、問題となる高次高調波
が0.2(V)程度発生し、受信回路の遮蔽特性が120
(dB)とれていたとすると、このノイズは0.2(μ
V)漏洩することになる。一方、A/Dコンバータの分
解能が16bitで、最大入力電圧が5(V)であったとす
ると、1LSBは約76(μV)であり、漏洩ノイズは1/1
00以下となる。
【0005】しかし、MRI装置では検出信号の加算回
数が極めて大きく、特に3次元撮像では256×256画素、
64スライス数の画像データを得る場合、16384回もの加
算を行うことになる。こうなると統計的に1/100の漏洩
ノイズも影響を及ぼすことになる。遮蔽特性をさらに向
上することは回路的にもコスト的にも困難であり、遮敵
しても根本的な解決とはならない。
【0006】これに対し、照射及び受信に用いる高周波
信号側を制御して収束性ノイズを画像の周辺部に移動さ
せる手法、例えば1)基準高周波信号の周波数をシフト
させて輝点を画像の左右に移動させる、2)基準高周波
信号の位相を180°反転させて輝点を画像の上或いは
下に移動させる、が提案されており、特に2)の方法は
現在多くの装置で採用されている方法である。
【0007】しかし、NMR信号の周波数は静磁場強度
との関係で決まるので、1)の方法のように周波数をシ
フトさせることには制約がある。また2)の方法は、磁
場中心に被検体の関心領域がある場合には有効である
が、関心領域が磁場中心からずれているために視野の移
動をしなければならない場合、上端又は下端に移動した
輝点が視野内に入ってくるという問題がある。更にこれ
らの方法は、3次元撮像法により形成した画像おける輝
点の問題に対し解決を与えてはいない。
【0008】本発明はこのような収束性ノイズが画像に
与える影響を撮像手段により回避し、輝点ノイズのない
良好なMRI画像の得られる撮像方法を提供することを
目的とする。特に加算回数の多い3次元撮像において輝
点ノイズの問題を解決した撮像方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明者は輝点ノイズが2次元フーリエ変換法
(以下、2DFT法という)においては視野の中央部に存在
し、3次元フーリエ変換法(以下、3DFT法という)では
更にスライス方向の中央にあるスライスに存在すること
に着目し、位相エンコードする際の画像の視野上の位置
或いはスライス方向位置に応じて高周波信号の位相を変
化させることにより、輝点ノイズを視野の周辺に移動
し、画像に対する影響を抑えるようにしたものである。
【0010】即ち本発明のMRI装置における撮像方法
では、静磁場中に置かれた被検体に、スライス傾斜磁
場、リードアウト傾斜磁場及びエンコード傾斜磁場の各
傾斜磁場と、被検体の組織を構成する原子の原子核に磁
気共鳴を起こさせる照射パルスとを所定のパルスシーケ
ンスで繰り返し印加し、被検体の組織から生じる磁気共
鳴信号を検出し、その検出信号を使って関心領域の物理
的性質を表す画像を得る際に、照射パルスおよび信号検
出に使用する基準高周波信号の位相を制御して計測を行
い、画像に輝点となって存在する収束性ノイズの画像上
の位置を移動する。
【0011】特にパルスシーケンスの繰り返しにおいて
傾斜磁場の強度を変更する毎に、照射パルスおよび信号
検出に使用する基準高周波信号の位相を所定量変化させ
るものであって、撮像方法が2DFT法の場合には、画像の
視野移動量に応じて高周波信号の位相を変化させる。ま
た撮像方法が3DFT法の場合には、3次元画像のスライス
方向中心の磁場中心からのずれ量に応じて高周波信号の
位相を変化させる。
【0012】照射及び受信(信号検出)に使用する基準
高周波信号の位相を変化させた場合、照射及び受信間で
は位相は保たれているので通常のパルスシーケンスと同
様に画像再構成されるが、ノイズの位相は一定であるの
で、このノイズの画像上の位置は画像端部側へシフトす
る。
【0013】例えば、2DFT演算による画像再構成で
は、図1に示すように各エンコードにおける検出信号の
位相が180度進んで行く場合に輝点は画像の最上部に収
束し(a)、180度遅れて行く場合は最下部に収束する
(e)。この間(b)〜(d)の位相差では輝点位置は
リニアに上下に移動する。従って、ノイズの位相が一定
であるのに対し、受信回路の基準位相を各エンコードの
信号検出の度に一定の割合で変化させて撮像を行えば、
画像上で輝点ノイズの位置を任意に移動することが可能
となり、視野の端部に移動して画像に与える影響を避け
ることができる。また通常の撮像では輝点は中央に収束
するため、位相の回転量は180度進み、あるいは遅れに
設定すれば輝点ノイズを視野端部に移動できる。しか
し、撮像部位によっては視野を任意に移動して撮像する
こともあり、この場合は輝点の移動位置が画像端部とな
るように位相回転量を調整する。
【0014】また3DFT法は、エンコード方向のみならず
スライス方向にも位相変化を与えて撮像する方法であ
り、この場合スライス方向にエンコードする際にも上述
した2DFT法の場合と同様に位相を制御することにより輝
点ノイズの位置を移動できる。即ち3DFT法では、励起ス
ラブのスライス方向の中心と磁場中心とが一致する場合
には、輝点は中央スライスに収束する。スライス方向の
傾斜磁場を変化させて信号検出する度に装置の基準位相
を一定の割合で変化させることにより、輝点の位置を中
央スライスからスライス方向の端部側に移動できる。ス
ライス方向の端部データは、一般に励起スラブを決める
照射パルスの波形が不完全であることから画像として使
用できない。従って画像として使用しないデータ領域に
輝点ノイズを移動することにより、再構成画像から全く
排除できる。
【0015】また必ずしもスライス方向の中心と磁場中
心とが一致しているとは限らないが、そのずれに対応し
て基準位相を適当に変化させることにより、輝点の位置
を常に端部スライスに移動することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図2は本発明に係るMRI装置の全体
構成概略を示すブロック図である。このMRI装置は、
核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検体14の断層
画像を得るものであり、静磁場発生装置11、静磁場発
生装置11内に設置された傾斜磁場コイル4、被検体1
4の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を起こさせ
る照射パルスを印加するための照射コイル18、被検体
の組織から生じるNMR信号を検出する受信コイル1
7、被検体を測定空間に搬送するためのベット16、各
コイルを制御し、検出した信号を信号処理し画像再構成
するMRIユニット12及び再構成された画像を表示す
る表示装置15より構成される。
【0017】磁場発生装置11は、被検体14に強く均
一な静磁場を発生させるもので、被検体14の周りのあ
る広がりをもった空間に永久磁石方式あるいは超伝導方
式の磁場発生手段が配置されている。
【0018】MRIユニット12は、撮像における種々
のパルスシーケンスをコントロールする制御装置10
と、所定のパルスシーケスに従って傾斜磁場コイルの駆
動する傾斜磁場電源3と、照射コイル18により所定の
周波数、位相の高周波信号を発生させるとともに受信コ
イル17が検出した高周波信号を受信するための高周波
装置19と、受信した信号を信号処理して、画像再構成
する高速の演算装置13とから構成される。
【0019】傾斜磁場コイル4はX、Y、Zの3軸に3
組配置され、制御装置10に制御される傾斜磁場電源3
の出力電流によって被検体14の周りに必要な傾斜磁場
空間を形成し、NMR信号に位置情報を与える。
【0020】このような構成のMRI装置では、制御装
置10のコントロールに従って照射コイ ル18により
被検体14にスピン励起のための高周波パルスを照射す
る。この結果生じるNMR信号を受信コイル17で検出
し、高周波装置19で収集した信号データに演算装置1
3で再構成演算等を行ない、得られたMRI画像を表示
装置15に出力する。この際、MRI装置では検出信号
の位相情報を用いて画像を再構成するため、照射、受信
間の位相再現性が重要であり、高周波装置19におい
て、照射、受信に用いられる高周波信号(以下、基準信
号という)の位相を高精度に制御する。
【0021】高周波装置19は、図3に示すように所定
の周波数の信号を発振する高精度な基準発振器20と、
この基準発振器20を基に制御装置10より指示された
周波数、位相、波形をもつ高周波信号を出力するデジタ
ルシンセサイザ21と、高周波スイッチ22と、照射コ
イルのパワーアンプ23と、受信コイルの検出したNM
R信号を受信する受信回路24とを備え、受信回路24
は受信コイルの検出信号をデジタルシンセサイザ21か
らの高周波信号(ローカル周波数)と合成するミキサ2
5と、ミキサ25の出力をデジタルデータに変換するA
/Dコンバータ26とから構成される。
【0022】このような高周波装置19では、デジタル
シンセサイザ21は基準発振器20からの基準高周波信
号を基に所定の周波数、位相、波形をもつ高周波信号
(ローカル周波数)を出力し、照射時にはこの高周波信
号を高周波スイッチ22によりパワーアンプ23に出力
し、受信時には受信回路24に出力する。ここで、位相
情報を扱う2DFT計測では照射、受信間の位相再現性が重
要であり、常に一定である必要がある。また撮像方法に
よっては位相を必要値に制御する。受信回路24は受信
コイルの検出信号をデジタルシンセサイザ21からの高
周波信号とミキサ25により合成して、低い周波数に変
換し、A/Dコンバータ26によりデジタルデータとし
て演算装置13に出力する。演算装置13はこのデジタ
ル化された信号を基に画像再構成する。
【0023】具体的には、例えば、静磁場強度が0.5(T)
のMRI装置の場合、NMR信号周波数は約21(MHz)
である。A/Dコンバータ26のサンプリング周波数を1
(MHz)とすると、受信信号は500(KHz)以下でなければ
ならない。そこで、ローカル周波数を20.75(MHz)とし
てミキシングし、受信信号を250(KHz)を中心とした信号
に変換する。ところが、デジタルシンセサイザ21の内部
で1(MHz)を発生していたとして、この21次高調波で
ある21(MHz)が受信信号に漏洩すると、これは受信信
号と同一周波数であり完全に同期したノイズであるため
輝点ノイズとなる。
【0024】本発明では、このようなノイズを高周波装
置19において高周波信号(以下、基準信号という)の
位相を高精度に制御することにより除去する。以下、こ
のような制御について図4を参照して説明する。
【0025】図4は、本発明による基準信号の制御の一
実施例を示す図で、フローの左側は2DFT法による撮像の
場合、フローの右側は3DFT法による撮像の場合である。
まず2DFT法による撮像について説明する。
【0026】図5は2DFT法のパルスシーケンスを示す図
で、ここでは簡略化のために照射パルス及び各傾斜磁場
パルスはそれぞれ1つを示している。尚、傾斜磁場とし
ては互いに直交する3方向(スライス方向、エンコード
方向、リードアウト方向)の傾斜磁場Gs、Ge、Gr
が用いられる。
【0027】このパルスシーケンスではまずスライス選
択のためのスライス傾斜磁場Gsと照射パルス500とを
印加して、選択されたスライスを励起し、次いで信号の
エンコード方向の位置情報を付与するためにエンコード
傾斜磁場Geを印加する。更に周波数エンコード方向の
位置情報を付与するためのリードアウト傾斜磁場Grを
印加しながら信号501を計測する。このような照射から
信号計測までをエンコード傾斜磁場パルスの強度を変え
ながら繰り返し、1枚の画像形成に必要な信号を収集す
る。例えば256段階にエンコード傾斜磁場を変化させ
ながら印加して256回の信号検出を行うと、エンコー
ド方向に256画素に分解しうる位相情報が得られる。
【0028】このシーケンスの繰り返しにおいて制御回
路10は高周波装置19のデジタルシンセサイザ21を
制御し、照射パルス及び信号受信に用いる高周波信号の
位相を制御する。位相の制御は、図4に示すように、ま
ず視野の移動が必要か否かを判断する(102)。視野の
移動を伴わない場合(標準シーケンス)には、輝点ノイ
ズを画像の上端或いは下端に移動させるために、デジタ
ルシンセサイザ21から出力される基準信号の位相を、
エンコードステップ毎に180度変化させる(103)。
即ち、デジタルシンセサイザ21は制御装置により設定
された位相変化量を基準発振器20からの信号に加算し
ながら撮像を行う(104、105)。これにより位相が一定
であるノイズに対し、基準信号は位相が180度づつ変
化する信号となり、2DFT演算の結果、ノイズに起因する
輝点を画面の両端いずれかに移動させることができる。
【0029】次に関心領域が磁場中心からずれており視
野を移動すべき場合には、制御装置10に視野の移動量
(エンコード方向の移動量)Yが入力されるので、制御
装置10はこの値に基づき基準信号の位相の変化量Δθ
を演算する(106)。この演算は、例えば、 1)視野が上方移動(Y>0)の場合、 Δθ=180−(Y/100)×360(度) 2)視野が下方移動(Y<0)の場合、 Δθ=−180−(Y/100)×360(度) で与えられる。即ち、視野を半分上方に移動する場合に
は、Y=+50%であり、Δθは0度を設定する。この
場合には、基準位相を変化させないので、輝点ノイズは
画像の中心に収束することになるが、関心領域の画像が
上方にずれている場合であるので、輝点の位置は視野移
動に伴い視野の端部に移動することになり、結果として
画像に影響を与えないことになる。また例えば視野を下
方に−30%移動する場合には、上式よりΔθは−72度
である。図5に示す例では、約41.7%の視野移動を
伴う場合であり、エンコードステップ毎に30度(18
0−41.6×3.6)ずつ位相を変化させながら撮像
を行う(104、105)。
【0030】このようにエンコード傾斜磁場ごとに照射
および受信の基準位相をΔθずつ変えながら計測を行う
結果、画像は、照射、受信間において位相は保たれてい
るので通常のパルスシーケンスと同様に再構成される
が、輝点ノイズは受信ごとに相対的にΔθの位相回転が
生じるために画像端部に移動される。この場合、視野の
移動量に応じて位相の変化量を設定することにより視野
の移動がある場合でも、常に輝点を画面の端部に移動さ
せることができ、画像に与える影響を排除できる。
【0031】次に3DFT法による3次元撮像の場合につい
て説明する。
【0032】3DFT法は、2DFT法と異なり、照射パルス印
加においてスライス選択を行わない(非選択励起)か或
いはスライス方向に比較的厚さのある領域(スラブ)を
選択するスライス傾斜磁場を印加するとともに、スライ
ス方向の傾斜磁場Gsにもエンコード方向と同様な位相
変化を与え、3次元フーリエ変換演算によってスライス
方向も画素を分解する撮像手法である。図6は、スラブ
選択励起の場合を示すもので、照射パルスと同時に印加
されるスライス傾斜磁場Gsの強度を所定の回数(スラ
イス数:スライス方向のエンコード数)N変化させなが
ら、計測を行う。尚、図では省略されているが、同一の
スライス数のシーケンス内には、所定の位相エンコード
数Mのシーケンスの繰り返しを含んでいる。例えばスラ
イス数Nが32で位相エンコード数Mが256の場合、
位相エンコード数の異なる256回の計測シーケンスを
スライス傾斜磁場強度を変えながら、32回繰り返す。
【0033】このような3次元撮像法では、収束性ノイ
ズによる輝点は、励起スラブ中心と磁場中心が一致する
場合、スライス方向の中心になる1枚の画像上に収束す
る。従って本実施例では、このような輝点をスライス方
向の端部となる画像上に移動させる。
【0034】このため制御回路10は、まず中央スライ
スが磁場中心か否かを判断する(107)。スライス中心
と磁場中心が一致している場合には、デジタルシンセサ
イザ21から出力される基準信号の位相を、スライス方
向のエンコードステップ毎に180度変化させる(10
8)。これにより位相が一定であるノイズに対し、基準
信号は位相が180度づつ変化する信号となり、3DFT演
算の結果、ノイズに起因する輝点をスライス方向の両端
の画像に移動させることができる。スラブ端部における
画像データは一般に画像形成に使用されないので、輝点
をスラブ端部に移動させることにより、このノイズの影
響を全く排除した3次元画像データを得ることができ
る。
【0035】次にスライス中心が磁場中心からずれてい
る場合には、このずれ量は中心を0としスライス方向両
端を±50%としたとき、オフセンター量S S(%)={2×(磁場中心位置−スラブ中心位置)/
スラブ厚}×100 として求めることができ制御装置10に入力される。制
御装置10はこの値に基づき基準信号の位相の変化量Δ
θを演算する(110)。この演算は、視野移動の場合と
同様に、 Δθ=±180−(S/100)×360(度) で与えられる。この場合、Δθはスライス中心のずれが
磁場中心に対しいずれ側であるかに応じて、その極性を
統一的に扱う。図3に示す例では、磁場中心からのずれ
量が25%の場合であり、エンコードステップ毎に90
度ずつ位相を変化させながら撮像を行う(109)。これ
により輝点をスラブ端部画像に収束させることができ、
画像データから除くことができる。尚、ずれ量Sが50
%の場合には、スライス方向のエンコード毎の位相変化
は行わない(即ちΔθ=0,360)。この場合には、
スラブ端部と磁場中心とが一致する場合であり、輝点は
スラブ端部に存在することになるので画像データから排
除することができる。
【0036】尚、図示する実施例ではスライス方向のエ
ンコード毎に基準位相を変化させる場合を説明したが、
スライス方向の1エンコードステップ内で位相エンコー
ドステップ毎に、基準位相を変えても良いし、これらを
組合わせても有効である。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、MR
I装置において発振器やデジタルシンセサイザ等の高周
波装置自身が発生源であるノイズに起因する収束性ノイ
ズに対して、高周波装置の基準位相を一定の割合で変化
させることにより、収束性ノイズに起因する画像上の輝
点を、視野端部などの影響のない位置に移動して撮像す
ることが可能となる。従って、輝点ノイズのない良好な
画像の得られる高性能なMRI装置を実現できる。
【0038】本発明は2次元フーリエ変換法を用いた撮
像方法にも3次元フーリエ変換法を用いた撮像方法にも
適用することができ、前者の場合、視野移動があった場
合にも視野の移動量に対応して基準位相を変化させる割
合を設定することにより、常に輝点を画像視野から排除
できる。また信号の加算回数が多く、収束性ノイズの影
響が重大である3次元フーリエ変換法を採用する撮像方
法においては、収束性ノイズを画像形成には使用されな
いスラブの端部に移動させることができるので、このよ
うなノイズの影響を排除し、高品質画像を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における輝点ノイズの移動を説明する図
【図2】本発明が適用されるMRI装置の全体構成図
【図3】MRI装置の高周波装置の構成図
【図4】本発明による撮像方法の一実施例を示す流れ図
【図5】本発明の撮像方法を適用した2DFT法のシーケン
スを示す図
【図6】本発明の撮像方法を適用した3DFT法のシーケン
スを示す図
【図7】各種ノイズを説明する図
【符号の説明】
4・・・・・・傾斜磁場コイル 10・・・・・・制御装置 11・・・・・・静磁場発生装置 13・・・・・・演算装置 14・・・・・・被検体 17・・・・・・受信コイル 18・・・・・・照射コイル 19・・・・・・高周波装置 20・・・・・・基準発振器 21・・・・・・デジタルシンセサイザ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場中に置かれた被検体に、複数の傾斜
    磁場と、前記被検体の組織を構成する原子の原子核に磁
    気共鳴を起こさせる照射パルスとを所定のパルスシーケ
    ンスで繰り返し印加し、前記被検体の組織から生じる磁
    気共鳴信号を検出し、その検出信号を使って関心領域の
    物理的性質を表す画像を得る磁気共鳴イメージング装置
    において、 前記照射パルスおよび磁気共鳴信号の受信に使用する基
    準高周波信号の位相を制御して計測を行い、前記画像に
    輝点となって存在する収束性ノイズの画像上の位置を移
    動することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置にお
    ける撮像方法。
  2. 【請求項2】前記パルスシーケンスの繰り返しにおいて
    前記磁気共鳴信号に位相エンコードする傾斜磁場の強度
    を変更する毎に、前記高周波信号の位相を所定量変化さ
    せることを特徴とする請求項1記載の撮像方法。
  3. 【請求項3】前記撮像方法が、前記パルスシーケンスの
    繰り返しにおいて1方向の傾斜磁場により前記磁気共鳴
    信号に位相エンコードする2次元フーリエ変換法を採用
    するものであって、前記画像の視野移動量に応じて前記
    高周波信号の位相を変化させることを特徴とする請求項
    1又は2記載の撮像方法。
  4. 【請求項4】前記撮像方法が、前記パルスシーケンスの
    繰り返しにおいて2方向の傾斜磁場により前記磁気共鳴
    信号に位相エンコードする3次元フーリエ変換法を採用
    するものであって、3次元画像のスライス方向中心の磁
    場中心からのずれ量に応じて前記高周波信号の位相を変
    化させることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像方
    法。
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