JPH093130A - ストレッチ包装用フィルム - Google Patents

ストレッチ包装用フィルム

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JPH093130A
JPH093130A JP15371095A JP15371095A JPH093130A JP H093130 A JPH093130 A JP H093130A JP 15371095 A JP15371095 A JP 15371095A JP 15371095 A JP15371095 A JP 15371095A JP H093130 A JPH093130 A JP H093130A
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density polyethylene
film
linear low
packaging film
melting point
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JP15371095A
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Inventor
Naoshi Hamada
田 直 士 浜
Akihiko Yamamoto
本 昭 彦 山
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明のストレッチ包装用フィルムは、メタロ
セン系触媒を用いて調製された線状低密度ポリエチレン
のフィルムを含有する単層または多層フィルムであり、
このポリエチレンは、MFR、密度およびMw/Mnが
特定の範囲にあり、DSC曲線において2個以上の融点
の存在が示され、最高融点が100〜118℃であり、かつ最
高融点のピークの高さ(Tm1H)とその次に高い融点のピー
クの高さ(Tm2H)との比[Tm1H/Tm2H]が0.5以下であるこ
とを特徴としている。 【効果】上記フィルムは、高延伸が可能で適度の粘着性
を有し、包装後に過度の応力が被包装物に加わらず、包
装後の強度特性、外観に優れ、しかも、基体のフィルム
に過度のベタツキがなく、生産性、包装性、取扱い性等
に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、線状低密度ポリエチレン
からなるストレッチ包装用フィルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】延伸可能な帯状のプラスチックフ
ィルムをストレッチ方式により延伸させながら被包装物
の周囲に巻付けて包装を行なうストレッチ包装方法が提
案されている(たとえば特公昭57−13442号公
報、特公昭58−7524号公報)。この方法では、高
延伸または異形物包装を行なうために、高延伸性のスト
レッチフィルムが使用されている。
【0003】従来、このようなストレッチ包装用フィル
ムとして、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、または線状低密度ポリエチレンからなるフィ
ルムが使用されている。
【0004】しかしながら、従来のストレッチ包装用の
機械は、包装時に30%程度フィルムを延伸して包装し
ているにすぎないが、最近コストダウンのため、包装時
に300%程度までフィルムをストレッチ延伸して包装
する機械が開発されている。このような機械を使用する
に際して、上記従来の低密度ポリエチレンまたはエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体からなる単層または複合ストレ
ッチフィルムでは、150%程度の延伸が限界で、それ
以上延伸するとフィルムが切断するという問題がある。
【0005】また、線状低密度ポリエチレンからなるフ
ィルムの場合は、300%以上延伸させるための条件設
定が厳格である。また、このフィルムが300%以上延
伸させることが可能な場合でも、包装後に過度の応力が
被包装物に加わって被包装物を変形させたり、包装後の
フィルム強度が弱くなったり、あるいはフィルムが一様
に延伸されないため包装後の外観が不良となったりする
という問題がある。
【0006】このような問題を解決するために線状低密
度ポリエチレンの密度を下げることが考えられるが、単
に密度を下げるのみでは線状低密度ポリエチレンのペレ
ットやフィルムに過度のベタツキが生じるため、フィル
ムの生産上、および包装後の包装物取扱上の障害になる
という問題がある。
【0007】したがって、過度のベトツキがない線状低
密度ポリエチレンペレットの出現と、高延伸が可能で、
包装後に過度の応力が被包装物に加わらず、包装後の強
度特性、外観に優れ、しかも、過度のベタツキがないス
トレッチ包装用フィルムの出現が望まれている。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、過度のベトツキ
がない線状低密度ポリエチレンペレットを開発して、高
延伸が可能で、包装後に過度の応力が被包装物に加わら
ず、包装後の強度特性、外観に優れ、しかも、過度のベ
タツキがないストレッチ包装用フィルムを提供すること
を目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るストレッチ包装用フィルム
は、線状低密度ポリエチレンのフィルムを含むストレッ
チ包装用フィルムであって、該線状低密度ポリエチレン
は、メルトフローレートが0.5〜10.0g/10分で
あり、密度が0.880〜0.935g/cm3 であり、
分子量分布(Mw/Mn)が2〜4であり、示差走査熱
量計により測定して得られたDSC曲線において2個以
上の融点の存在が示され、最高融点が100〜118℃
であり、かつ最高融点のピークの高さ(Tm1H )とそ
の次に高い融点のピークの高さ(Tm2H )との比[T
1H /Tm2H]が0.5以下であり、メタロセン系
触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数4〜20のα-
オレフィンとが共重合された線状低密度ポリエチレンで
あることを特徴としている。
【0010】本発明においては、縦方向の引張破断点応
力が400kg/cm2 以上であり、縦方向の引張破断
点伸度が500%以上であるストレッチ包装用フィルム
が好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るストレッチ包
装用フィルムについて具体的に説明する。線状低密度ポリエチレン 本発明で用いられる線状低密度ポリエチレンは、一般に
線状低密度ポリエチレンまたはLLDPEと呼ばれてい
るエチレンとα- オレフィンとからなる共重合体であ
る。この線状低密度ポリエチレンとしてのエチレン・α
- オレフィン共重合体は、エチレンと炭素原子数4〜2
0のα- オレフィンとからなるランダム共重合体であ
り、実質上線状構造を有する。ここで、「実質上線状構
造を有する」とは、α- オレフィンに基づく分岐を有す
る線状構造を意味し、長鎖分岐および架橋構造を有しな
いことを意味する。
【0012】本発明で用いられる線状低密度ポリエチレ
ンを構成するα- オレフィンは、炭素原子数が4〜2
0、好ましくは6〜10のα- オレフィンである。α-
オレフィンとしては、具体的には、1-ブテン、1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1
-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ド
デセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセ
ン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、
1-エイコセンなどが挙げられる。これらのα- オレフィ
ンは、単独で用いてもよく、また混合物として用いても
よい。
【0013】また、この線状低密度ポリエチレンにおけ
るα- オレフィン含有量は、通常0.5〜10モル%、
好ましくは0.5〜8モル%、さらに好ましくは0.5
〜4モル%の範囲である。
【0014】本発明で用いられる線状低密度ポリエチレ
ンは、ASTM D 1238E(190℃、荷重2.1
6kg)に従って測定したメルトフローレート(MF
R)が0.5〜10g/10分、好ましくは3〜5g/
10分であり、密度が0.880〜0.935g/cm
3 、好ましくは0.880〜0.920g/cm3 、さ
らに好ましくは0.900〜0.920g/cm3 であ
り、GPC法により測定された分子量分布(Mw/M
n)が2〜4、好ましくは2〜3である。
【0015】また、本発明で用いられる線状低密度ポリ
エチレンは、示差走査熱量計(DSC)により測定して
得られたDSC曲線において2個以上の融点の存在が示
され、最高融点(Tm1 )が100〜118℃、好まし
くは104〜118℃であり、最高融点(Tm1 )のピ
ークの高さ(Tm1H )とその次に高い融点(Tm2
のピークの高さ(Tm2H )の比[Tm1H/Tm2H]
が0.5以下、好ましくは0.1以下である。この比
[Tm1H/Tm2H]が0.5以下である線状低密度ポ
リエチレンを用いると、ストレッチフィルムとしての自
己粘着性およびヒートシール性に優れたフィルムが得ら
れる。
【0016】本発明において、示差走査熱量計による融
点は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、DSC
−2型)を用い、厚さ0.5mmのシートに成形した試
料3.5〜5mgを473 OKにて10分保持した後、
降温速度20℃/分にて320 OKまで降温し、その後
昇温速度10℃/分にて昇温して得られる融点ピークT
1 、Tm2 ・・・Tmiをチャート上に記録することによ
り測定することができる。
【0017】上記のような本発明で用いられる線状低密
度ポリエチレンは、たとえば特開平6−9724号公
報、特開平6−136195号公報、特開平6−136
196号公報、特開平6−207057号公報等に記載
されているメタロセン触媒成分(a)を含む、いわゆる
メタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下に、エチレ
ンと炭素原子数4〜20のα- オレフィンとを、得られ
る共重合体の密度が0.880〜0.935g/cm3
となるように共重合させることによって調製することが
できる。
【0018】このようなメタロセン系触媒は、通常、シ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1
個有する周期律表第IVB族の遷移金属化合物からなるメ
タロセン触媒成分(a)、および有機アルミニウムオキ
シ化合物触媒成分(b)、必要に応じて微粒子状担体
(c)、有機アルミニウム化合物触媒成分(d)、イオ
ン化イオン性化合物触媒成分(e)から形成される。
【0019】本発明で好ましく用いられるメタロセン触
媒成分(a)としては、シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を少なくとも1個有する周期律表第IVB族の
遷移金属化合物がある。このような遷移金属化合物とし
ては、たとえば下記の一般式[I]で示される遷移金属
化合物が挙げられる。
【0020】ML1 x ・・・[I] 式中、xは、遷移金属原子Mの原子価である。Mは、周
期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体
的には、ジルコニウム、チタン、ハフニウムである。中
でも、ジルコニウムが好ましい。
【0021】L1 は、遷移金属原子Mに配位する配位子
であり、これらのうち、少なくとも1個の配位子L1
は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。
上記のような遷移金属原子Mに配位するシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子L1 としては、具体的には、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシク
ロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチルエ
チルシクロペンタジエニル基、メチルn-ブチルシクロペ
ンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基等の
アルキル置換シクロペンタジエニル基、あるいはインデ
ニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレ
ニル基などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原
子、トリアルキルシリル基などで置換されていてもよ
い。
【0022】上記一般式[I]で表わされる化合物がシ
クロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合
には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有す
る基同士は、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、
イソプロピリデンジフェニルメチレン等の置換アルキレ
ン基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニ
ルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリ
レン基等を介して結合されていてもよい。
【0023】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子L1 は、炭素原子数1〜12の炭化水素
基;メトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のア
リーロキシ基;トリメチルシリル基、トリフェニルシリ
ル基等のトリアルキルシリル基;SO3R (Rはハロゲ
ンなどの置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の
炭化水素基)、ハロゲン原子または水素原子である。
【0024】炭素原子数1〜12の炭化水素基として
は、メチル基等のアルキル基、シクロペンチル基等のシ
クロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル
基等のアラルキル基などが挙げられる。
【0025】SO3R で表わされる配位子としては、具
体的には、P-トルエンスルホナト基、メタンスルホナト
基、トリフルオロメタンスルホナト基などが挙げられ
る。有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)とし
ては、アルミノオキサンが好ましく用いられる。具体的
には、式 −Al(R)O− [ただし、Rはアルキル基である] で表わされる繰り返し単位が通常3〜50程度のメチル
アルミノオキサン、エチルアルミノオキサン、メチルエ
チルアルミノオキサン等が用いられる。
【0026】このようなアルミノオキサンは、従来公知
の製法で調製することができる。オレフィン重合用触媒
の調製において必要に応じて用いられる微粒子状担体
(c)は、無機あるいは有機の化合物であって、粒径が
通常10〜300μm程度であり、好ましくは20〜2
00μmの顆粒状ないし微粒子状の固体である。
【0027】無機担体としては多孔質酸化物が好まし
く、具体的には、SiO2、Al23、MgO、Zr
2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、Sn
2 等またはこれらの混合物を例示することができる。
なお、上記無機酸化物には、少量のNa2CO3等の炭酸
塩、Al2(SO43 等の硫酸塩、KNO3 等の硝酸
塩、Li2O 等の酸化物を含有していても差し支えな
い。
【0028】このような担体は、その種類および製法に
より性状は異なるが、本発明で好ましく用いられる担体
は、比表面積が50〜1000m2/g 、好ましくは1
00〜700m2/g であり、細孔容積が0.3〜2.
5cm3/g であることが望ましい。
【0029】この担体は、必要に応じて100〜100
0℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられ
る。また、微粒子状担体として用いられる有機化合物と
しては、エチレン、4-メチル-1- ペンテン等の炭素原子
数2〜14のα- オレフィンを主成分として生成される
(共)重合体、あるいはビニルシクロヘキサン、スチレ
ンを主成分として生成される(共)重合体を例示するこ
とができる。
【0030】オレフィン重合用触媒の調製において必要
に応じて用いられる有機アルミニウム化合物触媒成分
(d)としては、具体的には、トリメチルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム、イソプレニルアルミニ
ウム等のアルケニルアルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチ
ルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド等の
アルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウ
ムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド
などを例示することができる。
【0031】イオン化イオン性化合物触媒成分(e)と
しては、たとえばUSP−547718号公報に記載さ
れたトリフェニルボロン、MgCl2、Al23、Si
2−Al23等のルイス酸;トリフェニルカルベニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等の
イオン性化合物;ドデカボラン、ビスn-ブチルアンモニ
ウム(1-カルベドデカ)ボレート等のカルボラン化合物
が挙げられる。
【0032】本発明で用いられる線状低密度ポリエチレ
ンは、上記のようなメタロセン触媒成分(a)、および
有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)、必要に
応じて微粒子状担体(c)、有機アルミニウム化合物触
媒成分(d)、イオン化イオン性化合物触媒成分(e)
を含むオレフィン重合用触媒の存在下に、気相、または
スラリー状あるいは溶液状の液相で種々の条件で、エチ
レンと炭素原子数4〜20のα- オレフィンとを共重合
させることにより得ることができる。
【0033】スラリー重合法または溶液重合法において
は、不活性炭化水素を溶媒としてもよいし、オレフィン
自体を溶媒とすることもできる。重合を実施する際に
は、上記のようなメタロセン系オレフィン重合用触媒
は、重合反応系内の遷移金属原子の濃度で、通常10-8
〜10-3グラム原子/リットル、好ましくは10-7〜1
-4グラム原子/リットルの量で用いられることが望ま
しい。
【0034】また、重合に際して、担体に担持されてい
る有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および
有機アルミニウム化合物触媒成分(c)に加えて、さら
に担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物触媒
成分(b)および/または有機アルミニウム化合物触媒
成分(c)を用いてもよい。この場合、担持されていな
い有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および
/または有機アルミニウム化合物触媒成分(c)に由来
するアルミニウム原子(Al)と、メタロセン触媒成分
(a)に由来する遷移金属原子(M)との原子比[Al
/M]は、5〜300、好ましくは10〜200、さら
に好ましくは15〜150の範囲である。
【0035】スラリー重合法における重合温度は、通常
−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の範囲であ
り、溶液重合法における重合温度は、通常−50〜50
0℃、好ましくは0〜400℃の範囲である。また、気
相重合法における重合温度は、通常0〜120℃、好ま
しくは20〜100℃の範囲である。
【0036】重合圧力は、通常常圧ないし100kg/
cm2 、好ましくは2〜50kg/cm2 の加圧条件下
であり、重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの
方式においても行なうことができる。
【0037】本発明においては、上記線状低密度ポリエ
チレンの調製に際し、必要に応じて(1) 多段重合、(2)
液相と気相の多段重合、または(3) 液相での予備重合を
行なった後に気相での重合を行なう等の手段を採用する
ことができる。
【0038】上記のような方法により得られた、本発明
で用いられる線状低密度ポリエチレンは、分子量分布お
よび組成分布が狭いため、そのペレットに過度のベタツ
キが生じることがなく、過度のベタツキがないフィルム
を形成することができる。したがって、本発明で用いら
れる線状低密度ポリエチレンペレットは、取扱い性に優
れ、フィルムの生産性およびその取扱い性に優れてい
る。
【0039】その他の成分 本発明に係るストレッチ包装用フィルムは、上記のよう
な線状低密度ポリエチレンからなるが、この線状低密度
ポリエチレンに他の樹脂成分を、本発明の目的を損なわ
ない範囲で配合することができる。
【0040】このような他の樹脂成分としては、たとえ
ば密度が0.915〜0.924g/cm3 である高圧
法低密度ポリエチレン、密度が0.880〜0.895
g/cm3 のエチレン・プロピレンランダム共重合体、
密度が0.880〜0.895g/cm3 のエチレン・
ブテンランダム共重合体、密度が0.910〜0.92
4g/cm3 の高圧法エチレン・酢酸ビニルランダム共
重合体などが挙げられる。
【0041】このような他の樹脂成分は、上記線状低密
度ポリエチレン100重量部に対して、0〜40重量部
の割合で用いられる。また、本発明で用いられる線状低
密度ポリエチレン、または上記のような高圧法低密度ポ
リエチレン等の他の樹脂を含む線状低密度ポリエチレン
組成物には、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、
静電防止剤、さらには内容物を保護するため紫外線防止
剤等の種々の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲
で配合することができる。
【0042】スリップ剤としては、たとえばオレイン酸
アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の高級
脂肪酸アミド類が好ましく用いられる。また、抗ブロッ
キング剤としては、たとえばシリカ、タルク等の無機物
が好ましく用いられる。
【0043】静電防止剤としては、たとえばグリセリン
脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル類が好ま
しく用いられる。上記線状低密度ポリエチレンからなる
フィルムは、必要な適度の粘着性(ベタツキ性)を有し
ているが、さらに粘着性が必要な場合には、線状低密度
ポリエチレンに、液状ポリブタジエン、ポリイソブチレ
ン等を2〜10重量%程度配合すればよい。
【0044】ストレッチ包装用フィルム 本発明に係るストレッチ包装用フィルムは、上述したよ
うに、上記線状低密度ポリエチレンからなるフィルムを
含有している。
【0045】本発明に係るストレッチ包装用フィルム
は、厚さが通常10〜50μmである。上記線状低密度
ポリエチレンから単層構造のストレッチ包装用フィルム
は、インフレーション方式、Tダイ方式などの通常のフ
ィルム成形法を採用して製造することができる。
【0046】また、多層構造のストレッチ包装用フィル
ムは、従来公知の成形方法、たとえば押出機に複数のダ
イリップを備えたインフレーションフィルム成形機、あ
るいはTダイ成形機等の成形装置を用いて製造すること
ができる。
【0047】上記のようにして得られた本発明に係るス
トレッチ包装用フィルムのうち、縦方向の引張破断点応
力(JIS Z1702)が400kg/cm2 以上で
あり、縦方向の引張り破断点伸度(JIS Z170
2)が500%以上であり、インパクト強度(ASTM
D3420)が2,500kg・cm/cm以上であ
り、縦方向の引裂強度(JIS Z1702)が50k
g/cm以上であり、粘着力(20kg、50℃×1日)
が3〜25g/cmであり、300%延伸して1時間経
過した後の力が150〜300g/15mmであり、最
高延伸限界が300%以上であるストレッチ包装用フィ
ルムが好ましい。
【0048】本発明に係るストレッチ包装用フィルム
は、従来の低密度ポリエチレンまたはエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体のフィルムより引張破断点伸度が大きく、
300〜600%程度の延伸が可能であるため、高延伸
または異形物(形状の異なる2以上の物)のストレッチ
包装に適している。
【0049】また、本発明に係るストレッチ包装用フィ
ルムは、従来の線状低密度ポリエチレンフィルムに比べ
て、包装後に加わる応力が小さく被包装物を変形させる
ことがないとともに、包装後のフィルム強度が強く、フ
ィルム外観が良好である。
【0050】本発明に係るストレッチ包装用フィルム
は、1枚の上述した線状低密度ポリエチレンフィルムで
あってもよいし、また、この線状低密度ポリエチレンフ
ィルム層の他に1または2以上のフィルム層を有する多
層構造のフィルムであってもよい。
【0051】多層構造のストレッチ包装用フィルム、た
とえばストレッチ包装用フィルムに非粘着面および粘着
面を共有させた多層フィルムは、本発明で用いられる線
状低密度ポリエチレンのフィルム層を中間層とし、その
中間層の片側表面に、非粘着層として本発明で用いられ
る線状低密度ポリエチレンよりも高密度の線状低密度ポ
リエチレンからなるフィルム層を包装用フィルム全体の
厚みに対して5〜30%程度の厚みになるように形成す
るとともに、中間層の他の片側表面に、粘着層として本
発明で用いられる線状低密度ポリエチレンに液状ポリイ
ソブチレン、液状ポリブタジエン等を2〜10重量%配
合した樹脂組成物からなるフィルム層を包装用フィルム
全体の厚みに対して5〜30%程度の厚みになるように
形成する等の方法により、得ることができる。
【0052】
【発明の効果】本発明に係るストレッチ包装用フィルム
は、線状低密度ポリエチレンのフィルムを含有してお
り、この線状低密度ポリエチレンは、メタロセン系触媒
の存在下に、エチレンと炭素原子数4〜20のα- オレ
フィンとを共重合して得られ、メルトフローレート、密
度および分子量分布(Mw/Mn)が特定の範囲にあ
り、示差走査熱量計により測定して得られたDSC曲線
において2個以上の融点の存在が示され、最高融点が1
00〜118℃であり、かつ最高融点のピークの高さ
(Tm1H )とその次に高い融点のピークの高さ(Tm
2H )との比[Tm1H/Tm2H]が0.5以下である
ので、高延伸が可能で適度の粘着性を有し、包装後に過
度の応力が被包装物に加わらず、包装後の強度特性、外
観に優れ、しかも、フィルムに過度のベタツキがなく、
生産性、包装性、取扱い性等に優れている。
【0053】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0054】
【実施例1〜3、比較例1〜3】第1表の組成および物
性を有する線状低密度ポリエチレン(エチレン・α- オ
レフィン共重合体)を用い、フィルム成形機(90φキ
ャスト成形機、ダイ幅1500mm)により成形温度2
40℃、引取速度70m/分で、厚さ40μm、幅50
0mmの帯状のキャストフィルムを成形した。
【0055】得られたフィルムの物性、およびこのフィ
ルムを用いたストレッチ包装機によるストレッチ包装試
験の結果を第1表に示す。なお、被包装物は120cm×
120cm×40cmの2個のダンボール箱間に90cm×9
0cm×40cmのダンボール箱を積層した線巻状(サンド
イッチ状)の異形積層体である。
【0056】第1表中、引張破断点強度および引張破断
点伸度は、JIS Z1702(引張り速度500mm/
分)に準拠して引張り試験を行なって求めた。インパク
ト強度は、ASTM D3420に準拠して衝撃試験を
行なって求め、引裂強度は、JIS Z1702に準拠
して引裂強度試験を行なって求めた。
【0057】また、粘着力は、フィルムを重ね、その上
に300cm2 当たり20kgの荷重を加えて50℃で
1日間放置した後に180度の剥離試験を行なって測定
した剥離強度である。
【0058】300%延伸後の力は、300%延伸状態
を1時間保った後の残留力である。この残留力は、イン
ストロン社製万能引張試験機で応力緩和を経時的に測定
することにより求めた。
【0059】異形包装性は、上記異形被包装物を包装し
たときの角部切断状況および凹部のたるみ状況を観察
し、次の基準により評価した。 ◎:優、 ○:良、 △:可、 ×:不可
【0060】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線状低密度ポリエチレンのフィルムを含む
    ストレッチ包装用フィルムであって、 該線状低密度ポリエチレンは、 メルトフローレートが0.5〜10.0g/10分であ
    り、 密度が0.880〜0.935g/cm3 であり、 分子量分布(Mw/Mn)が2〜4であり、 示差走査熱量計により測定して得られたDSC曲線にお
    いて2個以上の融点の存在が示され、最高融点が100
    〜118℃であり、かつ最高融点のピークの高さ(Tm
    1H )とその次に高い融点のピークの高さ(Tm2H )
    との比[Tm1H /Tm2H]が0.5以下であり、 メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数4
    〜20のα- オレフィンとが共重合された線状低密度ポ
    リエチレンであることを特徴とするストレッチ包装用フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】前記線状低密度ポリエチレンにおけるα-
    オレフィン含有量が0.5〜10モル%であることを特
    徴とする請求項1に記載のストレッチ包装用フィルム。
  3. 【請求項3】縦方向の引張破断点応力が400kg/c
    2 以上であり、縦方向の引張破断点伸度が500%以
    上であることを特徴とする請求項1または2に記載のス
    トレッチ包装用フィルム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1112558A (ja) * 1997-04-30 1999-01-19 Mitsui Chem Inc レトルトフィルムのシーラント用樹脂組成物およびシーラントフィルム
WO1999031169A1 (fr) * 1997-12-17 1999-06-24 Japan Polychem Corporation Feuils adhesifs sensibles a la pression
JP2015537072A (ja) * 2012-10-12 2015-12-24 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリオレフィンブレンド組成物
JP2016500395A (ja) * 2012-12-17 2016-01-12 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー フィルム用途に好適なポリエチレン組成物およびそれから作製されるフィルム
KR20170076300A (ko) * 2015-12-24 2017-07-04 주식회사 엘지화학 올레핀계 중합체

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