JPH09313072A - 撥水処理部材および釣り竿 - Google Patents

撥水処理部材および釣り竿

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JPH09313072A
JPH09313072A JP8131847A JP13184796A JPH09313072A JP H09313072 A JPH09313072 A JP H09313072A JP 8131847 A JP8131847 A JP 8131847A JP 13184796 A JP13184796 A JP 13184796A JP H09313072 A JPH09313072 A JP H09313072A
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JP
Japan
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layer
water
repellent layer
water repellent
repellent
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Application number
JP8131847A
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English (en)
Inventor
Mamoru Koike
守 小池
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Globeride Inc
Original Assignee
Daiwa Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、被膜厚が薄く均一である撥水処理層
を有する撥水処理部材を提供することを目的とする。 【解決手段】基材と、前記基材上に設けられた撥水性層
とを具備し、前記基材と前記撥水性層との間には、厚さ
1μm未満の化学的結合で構成された領域が形成されて
いることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣り竿、リール、
ルアー等の釣り用品、ゴルフクラブ、ラケット等のスポ
ーツ用品に使用される撥水処理部材に関する。
【0002】
【従来の技術】屋外において使用する釣り用品やスポー
ツ用品、特に釣り用品においては、水滴と接触する機会
が多いので、表面に撥水処理を施すことにより、付着し
た水滴を容易に除去できるようにしている。
【0003】撥水処理された従来の部材は、例えば繊維
強化プリプレグ、ポリアミド樹脂、Alダイキャストか
らなる基材上にエポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリ
ル系樹脂の装飾塗装層を形成し、その上にフッ素系また
はシリコーン系の塗料を吹き付け塗装やしごき塗装によ
り撥水塗装層を形成してなる構成を有する。この場合、
装飾塗装層および撥水塗装層の厚さは5〜数十μmであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにフッ素系またはシリコーン系の塗料を吹き付け塗
装やしごき塗装により形成した撥水塗装層が厚く不均一
である。このように撥水塗装層が厚いと、例えば釣り竿
においては、竿の総重量における塗装層の重量の割合が
無視できない程度に大きくなり、これが釣り竿の軽量化
を妨げる。また、撥水塗装層が厚く不均一であると、例
えばリールにおいては、寸法精度が出しにくいという問
題がある。本発明はかかる点に鑑みてなされたものであ
り、被膜厚が薄く均一である撥水処理層を有する撥水処
理部材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材と、前記
基材上に設けられた撥水性層とを具備し、前記基材と前
記撥水性層との間には、厚さ1μm未満の化学的結合で
構成された領域が形成されていることを特徴とする撥水
処理部材を提供する。
【0006】本発明においては、基材と撥水性層との間
に中間層が形成されていることが好ましく、具体的に
は、中間層がシリコン酸化物を含む層であり、撥水性層
が有機ケイ素化合物を含む層であること、撥水性層がフ
ッ素樹脂で構成された層であることが好ましい。
【0007】また、本発明は、管状体と、前記管状体上
に設けられた撥水性層とを具備し、前記基材と前記撥水
性層との間には、厚さ1μm未満の化学的結合で構成さ
れた領域が形成されていることを特徴とする釣り竿を提
供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して具体的に説明する。図1は本発明の撥水処理
部材の一例を示す断面図である。図中1は基材を示す。
基材1上には、中間層2が形成されている。中間層2上
には、撥水性層4が形成されている。中間層2と撥水性
層4との界面においては、化学的結合で構成された領域
3が存在する。
【0009】基材1の材料としては、ポリアミド樹脂、
ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹
脂、ポリカーボネート、ポリアセタール樹脂、ポリエス
テル樹脂等の合成樹脂、Al合金、Mg合金、Ti合
金、ステンレス鋼等の金属、アルミナ、ジルコニア等の
セラミックス、炭素繊維強化プリプレグ、ガラス繊維強
化プリプレグ等を挙げることができる。
【0010】中間層2としては、ウレタン系塗装膜、ア
クリル系塗装膜等の塗装膜、アルミニウム膜、チタン
膜、クロム膜等の金属膜、チタン酸化膜、シリコン酸化
膜等の金属酸化膜を挙げることができる。
【0011】撥水性層4としては、有機ケイ素化合物を
含む層やフッ素樹脂で構成された層を挙げることができ
る。有機ケイ素化合物を含む層としては、所定の撥水性
を発揮し、しかも乾式メッキ法により被着可能な有機材
料を含む層が好ましい。有機ケイ素化合物としては、ポ
リシロキサン、ポリジメチルシロキサン等を挙げること
ができる。ここで、所定の撥水性とは、接触角が100
°以上であり、転落角が50°以下であることを意味す
る。この有機ケイ素化合物を含む層を形成する方法とし
ては、プラズマCVD、PVD(スパッタリング、真空
蒸着、イオンプレーティング)等の乾式メッキ法を用い
ることができる。この中で、低温で処理できるために、
プラズマCVDやイオンプレーティングが好ましい。ま
た、有機ケイ素化合物を含む層の厚さは、密着性を考慮
すると、0.01〜0.1μmであることが好ましい。
【0012】また、フッ素樹脂で構成された層のフッ素
樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン等のパーフ
ルオロポリマー、パーフルオロアルキルアクリレート等
のフルオロアルキルアクリレートポリマー等を挙げるこ
とができる。このフッ素樹脂で構成された層を形成する
方法としては、プラズマCVD、PVD(スパッタリン
グ、真空蒸着、イオンプレーティング)等の乾式メッキ
法を用いることができる。この中で、低温で付き回りが
良いために、イオンプレーティングが好ましい。また、
フッ素樹脂で構成された層の厚さは、耐久性と軽量化を
考慮すると、0.01〜1μmであることが好ましい。
【0013】なお、撥水性層4が有機ケイ素化合物を含
む層、例えばポリシロキサン層である場合には、中間層
2としてシリコン酸化物を含む層、例えばシリコン酸化
膜を用いる。この場合、シリコン酸化物を含む層は、有
機ケイ素化合物を含む層との間で化学的結合を形成させ
るためのものである。このシリコン酸化物を含む層とし
ては、一酸化ケイ素や二酸化ケイ素からなるシリコン酸
化膜等を用いることができる。このシリコン酸化物を含
む層を形成する方法としては、物理的気相成長法(PV
D)や化学的気相成長法(CVD)、ゾル・ゲル法等の
方法を挙げることができる。シリコン酸化物を含む層の
厚さは、密着性を考慮すると、1μm以下、特に0.0
1〜0.1μmであることが好ましい。
【0014】撥水性層4は、乾式メッキ法で被着される
薄い膜であるが、充分な撥水性を示す。したがって、本
発明における撥水性層は、重量増加することなく、充分
な撥水性を発揮する。
【0015】化学的結合で構成された領域3とは、基材
1または中間層2を構成する材料と、撥水性層4を構成
する材料との間で化学的結合が形成されている領域をい
う。ここで、化学的結合とは、イオン結合、共有結合、
分子間引力による結合、電気化学的結合を意味し、アン
カー効果を示すような物理的結合と異なるものである。
例えば、シリコン酸化膜(中間層)とポリシロキサン層
(撥水性層)との界面においては、シリコン酸化物とポ
リシロキサンとが化学的結合している(−(Si26
−O)−Si)。この化学的結合で構成された領域3
は、密着性を向上させ、これにより撥水寿命を延ばすこ
とができる。
【0016】また、外観の光沢を良くするために、レベ
リング効果を有する下地層5を、図2に示すように、基
材1と中間層2との間に設けても良い。この場合、下地
層5としては、ウレタン塗料やエポキシ塗料からなる塗
膜、Niメッキ膜、Crメッキ膜等を用いることがで
き、その厚さは、密着性を考慮すると、5〜20μmで
あることが好ましい。
【0017】なお、中間層2を設ける場合、中間層2お
よび撥水性層4の合計の層厚は、重量を考慮して、1μ
m未満であることが好ましい。本発明は、撥水処理が必
要である部材、例えば釣り竿、リール、ルアー等の釣り
用品、ゴルフクラブ、ラケット等のスポーツ用品に適用
することができる。
【0018】次に、本発明の効果を明確にするために行
った実施例について説明する。 (実施例1)特定方向に引き揃えた炭素繊維にエポキシ
樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回して竿管
を作製し、その上に中間層としてイオンプレーティング
により厚さ0.08μmのシリコン酸化膜を形成した。
次いで、シリコン酸化膜上に有機ケイ素化合物を含む層
としてイオンプレーティングにより厚さ0.03μmの
ポリジメチルシロキサン膜を形成した。このようにし
て、本発明の撥水処理部材である釣り竿を作製した。
【0019】得られた釣り竿の撥水性および総重量にお
ける撥水処理層の重量の割合を調べた。なお、撥水性
は、接触角により評価し、総重量における撥水処理層の
重量の割合は、処理前後の重量差により算出した。
【0020】その結果、撥水性は充分であり、総重量に
おける撥水処理層の重量の割合は0.03%であった。 (実施例2)特定方向に引き揃えた炭素繊維にエポキシ
樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回して竿管
を作製し、その上に中間層としてプラズマCVDにより
厚さ0.03μmのチタン酸化膜を形成した。次いで、
チタン酸化膜上にフッ素樹脂で構成された層としてイオ
ンプレーティングにより厚さ0.03μmのパーフルオ
ロポリマー層を形成した。このようにして、本発明の撥
水処理部材である釣り竿を作製した。
【0021】得られた釣り竿の撥水性および総重量にお
ける撥水性層の重量の割合を調べた。なお、撥水性は、
接触角により評価し、総重量における撥水性層の重量の
割合は、処理前後の重量差により算出した。
【0022】その結果、撥水性は充分であり、総重量に
おける撥水性層の重量の割合は0.06%であった。 (従来例)特定方向に引き揃えた炭素繊維にエポキシ樹
脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回して竿管を
作製し、その上にしごき塗装により厚さ20μmの装飾
塗装層を形成した。次いで、装飾塗装層上にフッ素樹脂
塗料を用いて吹き付け塗装により厚さ15μmの撥水塗
装層を形成した。このようにして、撥水塗装層を有する
従来の釣り竿を作製した。
【0023】得られた釣り竿の撥水性および総重量にお
ける撥水処理層の重量の割合を実施例と同様にして調べ
た。その結果、撥水性は充分であったが、総重量におけ
る撥水処理層の重量の割合は7%であった。
【0024】上記のように、本発明の撥水処理部材は、
総重量における撥水処理層の重量の割合が小さく、軽量
化を図ることができ、撥水処理層の厚さを考慮すること
なく製品設計をすることができる。本発明は上記実施形
態に限定されず、種々変更して実施することができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の撥水処理部
材および釣り竿は、基材と、前記基材上に設けられたシ
リコン酸化物を含む層と、前記シリコン酸化物を含む層
上に形成された有機ケイ素化合物を含む層とを具備する
ので、部材の軽量化を図ることができ、撥水処理層の厚
さを考慮することなく製品設計をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撥水処理部材の一例を示す断面図。
【図2】本発明の撥水処理部材の他の例を示す断面図。
【符号の説明】
1…基材、2…中間層、3…化学的結合で構成された領
域、4…撥水性層、5…下地層。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、前記基材上に設けられた撥水性
    層とを具備し、前記基材と前記撥水性層との間には、厚
    さ1μm未満の化学的結合で構成された領域が形成され
    ていることを特徴とする撥水処理部材。
  2. 【請求項2】 前記基材と前記撥水性層との間に中間層
    が形成されている請求項1記載の撥水処理部材。
  3. 【請求項3】 前記中間層がシリコン酸化物を含む層で
    あり、前記撥水性層が有機ケイ素化合物を含む層である
    請求項2記載の撥水処理部材。
  4. 【請求項4】 前記撥水性層がフッ素樹脂で構成された
    層である請求項1記載の撥水処理部材。
  5. 【請求項5】 管状体と、前記管状体上に設けられた撥
    水性層とを具備し、前記基材と前記撥水性層との間に
    は、厚さ1μm未満の化学的結合で構成された領域が形
    成されていることを特徴とする釣り竿。
JP8131847A 1996-05-27 1996-05-27 撥水処理部材および釣り竿 Pending JPH09313072A (ja)

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JP (1) JPH09313072A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11169027A (ja) * 1997-12-10 1999-06-29 Shimano Inc 釣竿及びその製造方法
JP2002125526A (ja) * 2000-10-25 2002-05-08 Shimano Inc 釣 竿

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11169027A (ja) * 1997-12-10 1999-06-29 Shimano Inc 釣竿及びその製造方法
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