JPH09312111A - 電気接点材料及びその製造方法 - Google Patents

電気接点材料及びその製造方法

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JPH09312111A
JPH09312111A JP8150222A JP15022296A JPH09312111A JP H09312111 A JPH09312111 A JP H09312111A JP 8150222 A JP8150222 A JP 8150222A JP 15022296 A JP15022296 A JP 15022296A JP H09312111 A JPH09312111 A JP H09312111A
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JP
Japan
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oxide
contact material
electrical contact
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amount
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JP8150222A
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English (en)
Inventor
Masahiko Ota
雅彦 太田
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Sn酸化物の含有量が金属換算で4重量%以
上であり、従って特に大電流領域での耐溶着性及び耐ア
ーク消耗性に優れた新規なAg−Cd酸化物−Sn酸化
物系電気接点材料とその製造方法を提供する。 【解決手段】 Cd5〜15重量%、Sn4〜12重量
%及びAg残部からなり、且つCd量がSn量以上であ
るAg−Cd−Sn合金を酸素圧力10〜100kgf/cm2
及び温度500 〜750 ℃の条件で内部酸化することによ
り、Ag母基質と、該母基質中に分散された、各々金属
換算で5〜15重量%のCd酸化物粒子及び4〜12重
量%のSn酸化物粒子とからなり、且つ金属換算でCd
酸化物量がSn酸化物量以上である銀−酸化物系電気接
点材料を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に気中で数百〜
数千アンペアの大電流を遮断開閉する遮断器及び電磁開
閉器等に好適に使用される電気接点材料及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、遮断器、電磁開閉器等に使用され
ている銀−酸化物系電気接点材料としては、Ag−Cd
O系材料が代表的なものである。Ag−CdO系電気接
点材料は、電流の投入や遮断に対する耐溶着性及び耐ア
ーク消耗性に優れ、且つ接触抵抗の増加が少なく、電気
接点としての優れた特性をバランス良く備えているた
め、数〜数十アンペア程度の小〜中電流域の気中用接点
として広く使用されている。
【0003】しかし、Ag−CdO系電気接点材料は、
数十〜数百アンペア程度の中電流域の電磁開閉器用接点
として使用した場合はアーク消耗(遮断時のアークエネ
ルギーによって接点が溶融飛散すること)が大きくなる
欠点があり、また数千アンペアの大電流を遮断する大電
流域の気中遮断用接点として使用した場合は溶着を起こ
したり、アーク消耗も起こるため使用範囲が制限される
欠点があった。これらの欠点を解消するために、Ag−
Cd酸化物系にSn酸化物を含有させたAg−Cd酸化
物−Sn酸化物系電気接点材料が提案されている。この
場合、大電流遮断開閉用には電気接点特性、特に耐溶着
性及び耐アーク消耗性向上の点だけを考慮すれば、Sn
酸化物の含有量は多いほど、効果的とされている。
【0004】一方、銀−酸化物系、例えばAg−CdO
系電気接点材料の製造方法には、大別して二種類の方法
がある。第1の方法は、銀粉とCdO粉末との混合工
程、混合物の成形工程及び成形物の焼結工程を経る粉末
冶金法であり、第2の方法は、溶解鋳造により、Ag−
Cd合金を作製し、これを所定の形状に加工した後、酸
化性雰囲気中で加熱して合金中に固溶したCdを選択酸
化させ、これによりAg母基質中にCdOを析出分散さ
せる内部酸化法である。しかし前者の方法では大電流遮
断開閉用として好適なAg−Cd酸化物−Sn酸化物系
電気接点材料を作ることが困難であるため、この種の電
気接点材料を作る場合は後者の内部酸化法(酸化条件は
通常、酸素圧力0.2 〜10kgf/cm2 未満、温度600 〜850
℃)が利用されている。
【0005】しかし、従来の内部酸化法によるAg−C
d酸化物−Sn酸化物系電気接点材料の製造方法の場合
は、原料合金へのSn添加量が4重量%以上になると、
内部酸化が困難になるという理由から、得られる電気接
点材料中のSn酸化物量の上限は金属換算で4重量%未
満が限度であった。このため、従来のAg−Cd酸化物
−Sn酸化物系電気接点材料は、大電流領域での耐溶着
性及び耐アーク消耗性が不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、Sn
酸化物の含有量が金属換算で4重量%以上であり、従っ
て特に大電流領域での耐溶着性及び耐アーク消耗性に優
れた新規なAg−Cd酸化物−Sn酸化物系電気接点材
料及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は下記第一及び
第二の発明によって解決できる。即ち、本発明は第一
に、Ag母基質と、該母基質中に分散された、各々金属
換算で5〜15重量%のCd酸化物粒子及び4〜12重
量%のSn酸化物粒子とからなり、且つ各々金属換算で
Cd酸化物の量がSn酸化物の量以上である銀−酸化物
系電気接点材料である。
【0008】本発明は第二に、Cd5〜15重量%、S
n4〜12重量%及びAg残部からなり、且つCd量が
Sn量以上であるAg−Cd−Sn合金を酸素圧力10
〜100 kgf/cm2 (気圧)及び温度500 〜750 ℃の条件で
内部酸化することを特徴とする上記銀−酸化物系電気接
点材料の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、内部酸化法による
Ag−Cd酸化物−Sn酸化物系の電気接点材料につい
て研究を重ねた結果、Sn含有量が4重量%以上のAg
−Cd−Sn合金の内部酸化を可能にする内部酸化条件
として特に酸素圧力を高くすると、大電流領域での耐溶
着性及び耐アーク消耗性(以下、耐アーク消耗性を単に
耐消耗性という)に優れた電気接点材料が得られること
を見出し、本発明に到達した。
【0010】電気接点材料 本発明の電気接点材料において、Cd酸化物の含有量は
金属換算で5〜15重量%であり、またSn酸化物の含
有量は同じく金属換算で4〜12重量%(好ましくは5
〜12重量%)である。なお、好適な合金組成は使用さ
れる電気回路の諸条件(定格電流、負荷の種類、機器の
構造など)によって異なり、各々の場合によって選択が
行われる。一般に定格電流が大きいほど酸化物量を増加
させるが、酸化物量が多くなるにしたがって耐溶着性お
よび耐消耗性が向上し接触抵抗は高くなる。CdとSn
の比率に関しては、開離時アークエネルギーが大きい誘
導性負荷回路の場合はSnを多くし、電流投入時のアー
クエネルギーが大きい容量性負荷回路の場合はCdを多
くすることが望ましい。
【0011】Cd酸化物の含有量が金属換算で5重量%
未満では、耐溶着性および耐消耗性が不十分であり、ま
た15重量%を越えると、導電率が低下し接触抵抗の増
加により温度上昇を招く。
【0012】一方、Sn酸化物の含有量が金属換算で4
重量%未満では、Snによる耐溶着性及び耐アーク消耗
性を向上させる効果が不十分であり、また、この含有量
が金属換算で12%を越えると原料合金の展延性が悪化
し、加工が困難となる。
【0013】本発明では、接触抵抗の増大による温度上
昇を回避するために、各々金属換算でCd酸化物の含有
量をSn酸化物の含有量以上とした。
【0014】また本発明の電気接点材料には、Ag母基
質中のCd酸化物粒子及びSn酸化物粒子の析出を均一
化すると共に、耐アーク消耗性をいっそう向上させるた
めに、更に鉄族元素として、Fe、Co及びNiよりな
る群から選ばれた少なくとも1種の金属を酸化物系粒子
として金属換算の合計で0.001 〜1重量%、特に0.01〜
0.3 重量%含有させることが好ましい。鉄族元素の酸化
物の含有量は、金属換算で0.001 重量%以上で上記効果
を発現するが、1重量%を越えて多量に含有させると、
逆に耐アーク消耗性を悪化させることがある。
【0015】電気接点材料の製造方法 本発明の製造方法においては、原料合金として、Cd5
〜15重量%、Sn4〜12重量%(好ましくは5〜1
2重量%)、及びAg残部からなるAg−Cd−Sn合
金が使用される。Cd含有量及びSn含有量をそれぞれ
5〜15重量%、4〜12重量%とした理由は、本発明
の電気接点材料において、Cd酸化物量及びSn酸化物
量について説明したとおりである。また、合金原料中の
Cd量は、前述した理由からSn量以上である。
【0016】このような原料合金を酸素圧力10〜100
kgf/cm2 及び温度500 〜750 ℃の条件で内部酸化するこ
とにより、本発明の電気接点材料が得られる。なお、好
適な内部酸化条件についても合金組成によって異なって
くる。内部酸化を進行させるためには溶質元素(Cd、
Sn)特にSnの濃度が高いほど酸素圧力を高くする必
要がある。酸化温度が低いと内部酸化速度が遅くなるた
め、原料合金の固相線温度を越えない範囲で酸化温度を
高く設定する。工業的には酸化炉の温度分布などを考慮
すると固相線温度の50℃〜100 ℃低い温度が望ましい。
【0017】ここで酸素圧力が10 kgf/cm 2 未満では
上記組成の原料合金を内部酸化することができず、また
100 kgf/cm 2 を越えると、後述するように、いっそう
高性能の電気接点材料を得ることも可能であるが、設備
的コスト高となり、経済的ではない。
【0018】本発明の製造方法では前述した理由から、
原料合金に更に鉄族元素としてFe、Co及びNiより
なる群から選ばれた少なくとも1種の金属を合計で0.00
1 〜1重量%、特に0.01〜0.3 重量%含有させることが
できる。この場合、得られる電気接点材料は、Ag母基
質中にCd酸化物粒子及びSn酸化物粒子の他に、上記
鉄族元素の酸化物系粒子が金属換算の合計で0.001 〜1
重量%分散されたものとなる。
【0019】なお、内部酸化条件はSn含有量の増加と
共に酸素圧力を高く、且つ温度を低くすることが望まし
い。上記の内部酸化条件の範囲内で酸素圧力及び/又は
温度条件を経時的に変化させて、得られる電気接点材料
の内部酸化組織を制御することも可能である。例えば、
酸素圧力を経時的に増加させることにより材料内部の酸
化物組織の粗大化を防止することができる。
【0020】また、内部酸化の後期に本出願人の出願に
係る特開平3−207831号公報に記載されるよう
に、更に酸素圧力の高い条件(100 〜500 kgf/cm2 )で
内部酸化を終了させることにより、いっそう高性能の電
気接点材料を得ることも可能である。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例によって更
に詳しく説明する。 (実施例1〜2、比較例1〜2)
【0022】表1に示す各組成の合金を溶解法により作
製し、試験用の寸法に加工した後、同表に示す条件で内
部酸化を行い、電気接点材料を製造した。
【0023】
【表1】 次に、これらの電気接点材料について以下の耐溶着性試
験及び耐アーク消耗性試験を行った。
【0024】耐溶着性試験 試験片を電圧 AC220 V、電流 2500A、力率 0.75
の試験条件下、採点寸法 6×6×1.5 mm、接点間の接
触力1kgで電流を印加し、1サイクル通電後、数秒を経
て溶着力(耐溶着性として)を測定した。この操作を5
回繰り返した。耐溶着性試験の結果を表2に示す。
【0025】
【表2】 表2から明らかなように、本発明の電気接点材料は大電
流域において比較例に比べて格段に耐溶着性が優れてい
ることが判る。
【0026】耐溶着性兼耐アーク 消耗性試験 更に試験片についてASTM型接点試験器を用いて耐溶
着性及び耐アーク 消耗性の比較試験を行った。この時の試
験条件は、電圧 AC220 V、定格電流 60A、力率
0.35、接触力 100 g、開離力 100 g、開閉頻度
60回/分、開閉回数10万回である。なお、同時に接
触抵抗も測定した。その結果を表3に示す。
【0027】
【表3】 表3から明らかなように、本発明の電気接点材料は比較
例に比べて大電流域において格段に耐溶着性および耐ア
ーク消耗性に優れている。
【0028】
【発明の効果】本発明の電気接点材料は、Ag−Cd酸
化物系に更に金属換算で4重量%以上のSn酸化物を含
有するので、大電流開閉時の耐溶着性及び耐アーク消耗
性に優れ、従って遮断器、電磁開閉器等、気中で使用さ
れる電気接点として工業的価値が高いものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ag母基質と、該母基質中に分散され
    た、各々金属換算で5〜15重量%のCd酸化物粒子及
    び4〜12重量%のSn酸化物粒子とからなり、且つ各
    々金属換算でCd酸化物の量がSn酸化物の量以上であ
    る銀−酸化物系電気接点材料。
  2. 【請求項2】 更にFe、Co及びNiよりなる群から
    選ばれた少なくとも1種を金属換算の合計で0.001 〜1
    重量%含有する請求項1記載の電気接点材料。
  3. 【請求項3】 Cd5〜15重量%、Sn4〜12重量
    %及びAg残部からなり、且つCd量がSn量以上であ
    るAg−Cd−Sn合金を酸素圧力10〜100 kgf/cm2
    及び温度500 〜750 ℃の条件で内部酸化することを特徴
    とする請求項1記載の銀−酸化物系電気接点材料の製造
    方法。
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