JPH09311205A - 光拡散性シートとその製造方法 - Google Patents

光拡散性シートとその製造方法

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JPH09311205A
JPH09311205A JP8147966A JP14796696A JPH09311205A JP H09311205 A JPH09311205 A JP H09311205A JP 8147966 A JP8147966 A JP 8147966A JP 14796696 A JP14796696 A JP 14796696A JP H09311205 A JPH09311205 A JP H09311205A
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俊紀 岡本
Tetsuo Sadamitsu
哲男 定光
Mariko Sugimoto
真理子 杉本
Masanori Yamamoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性(明るさ)と広視角性と共に、光拡散
性に優れたシートとその製造方法の提供。 【解決手段】 少なくとも2種の透明熱可塑性樹脂が、
海と島の構造をとって混成され、かつ該島構造の断面が
主として短径が5〜50μmの楕円形状よりなる光拡散
性シート。該シートの製造方法の一例として、MFR
(メルトフローレート)の大きいポリカーボネートとM
FRの小さいポリ(4−メチルペンテン−1)とを7
0:30(重量%比)で混合して、Tダイよりシート状
で溶融押出成形する。ポリ(4−メチルペンテン−1)
が入射光に対して直角方向に配向され、その断面は、短
径が5〜11μmの楕円状の島構造となって混成され
る。ちなみに該シートはTt=80.8%、H価98.
5%、広視角比0.85である。この光拡散性シートは
液晶ディスプレーのバックライトデバイス等の光拡散用
部材として有効に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2種以上の透明熱
可塑性樹脂が特殊構造をもって混成されている光拡散性
シートに関する。かかる光拡散性シートは、液晶表示パ
ネルのバックライトデバイス等の光拡散性部材として使
用される。
【0002】
【従来の技術】一般に点光源とか線光源を光源として、
これを平面状に均一に出射し照明する手段の一つとし
て、光拡散性シートが使用されている。そのために、該
シートの光拡散性の改良検討も鋭意行われ、種々の方法
が提案されてきている。その提案内容は基本的には、熱
可塑性樹脂製シートがベースとなって、これに種々の加
工を施して、光拡散性を付与せしめている。具体的に
は、次のように分けられる。まずその一つに、ポリカー
ボネート等の透明熱可塑性樹脂をシート状に成形後、エ
ンボス加工によって、物理的に表面に凹凸を賦形せしめ
たエンボスシート(特開平4−275501号公報)に
代表される表面賦形型光拡散性シートがある。そしてそ
の二つに、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィ
ルム等の表面に、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、
二酸化ケイ素等の無機系粉体とか、ポリメチルメタクリ
レート、ポリスチレン、シリコーン等の有機系粉体を透
明樹脂と共にコーティングして、光拡散性層を設けた光
拡散性シートがある。(特開平6−59107号公報、
特開平7−174909号公報) そしてその三つに、透明熱可塑性樹脂中に、無機系粉体
等を混合し、これをシート状に混練成形して、該樹脂中
に該粉体を分散させることで光拡散性をもたせた光拡散
性シートがある。(特開平6−347617号公報) そしてその四つに、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナ
イロン、PET等の少なくとも1種の結晶性高分子を含
む2種以上の高分子の溶融混和物による光拡散板が挙げ
られる。(特開昭52−55651号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−27550
1号公報のエンボスによる光拡散性シートでは、光拡散
効果は、特に凹凸の大きさ(小さくて深い)への依存度
が大きい。小さくて深い凹凸を正確に賦形しようとする
ならば、前記シート自身の厚さをより厚くする必要があ
る。しかしより厚いシートでは、透明性の低下につなが
るので、光拡散しても、明るい(白い)拡散光でなくな
る。また、取り扱い中(特にエンボス加工中)に該シー
トが損傷を受けやすいことから製造管理に配慮する必要
がある。
【0004】そして、特開平6−59107号公報の光
拡散性層を設けた光拡散性シートでは、コーティング用
マトリックス樹脂への各種粉体の不均一分散とか、コー
ティングむらが発生しやすく、その結果常に均一な品質
の該シートを得難い。またこの場合も透明性が劣り、拡
散されて得られる光に充分な明るさがない。
【0005】また前記2件の公報においては、光拡散性
付与の手段が、後加工によって行われ、別工程を設ける
ので、シート成形と同時に得られない。つまり製造的に
も満足されていない。
【0006】そして特開平6−347617号公報で
は、製造方法の点では、シート成形と同時に光拡散性の
付与されたシートを一挙に得るので有効であり、また光
拡散性もより優れている。しかし透明性はより悪く、そ
の結果拡散光に明るさがないという欠点がある。また、
無機粉体の混合は、シート自身の強度を低下させる傾向
があるので、その補強のためにシートの厚さを厚くする
必要があるが、シートをより厚くすることは、透明性の
点で好ましくなく、この点でも満足される方法ではな
い。
【0007】また特開昭52−55651号公報は、製
造方法の点では、特開平6−347617号公報と同じ
で有効であるが、光拡散作用が分散する結晶性ポリマー
の結晶部分で行われることから、透明性が極端に悪くな
り濁りも見られるようになる。
【0008】また最近では、液晶モニター用として広視
角特性をもつ液晶パネルが開発されてきているが、この
周辺部材としての光拡散板においても、広視角で、より
均一、高輝度のものが要求されてきている。かかる新た
な要求特性については、前記各号公報に開示する光拡散
性シートでは、残念ながら、いずれも満足されるものに
はなっていないのが実状である。従って、現状ではより
広視角で、均一輝度で光拡散し、しかも透明性にも優れ
ている光拡散性シートは見いだされていない。
【0009】そこで本発明者らは、前記種々の課題を解
決すべく鋭意検討した。その結果より広視角にわたっ
て、均一な輝度でもって拡散し、かつ優れた透明性をも
って、明るい拡散光の得られる光拡散性シートと、その
より有効な製造方法を見いだすことができた。その解決
手段は次のとおりである。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち本発明に係る光拡散
性シートは、少なくとも2種の透明熱可塑性樹脂が、海
と島の構造をとって混成され、かつ該島構造の断面が主
として短径が5〜50μmの楕円形状によりなるもので
ある。そして該シートを製造する方法に関し、次の手段
が有効である。つまりメルトフローレート(以下MFR
と呼ぶ。)の大きい透明熱可塑性樹脂を90〜50重量
%と、MFRの小さい該樹脂を10〜50重量%の割合
で混合して、これをシート状に溶融押出成形するもので
ある。特に、該方法によって得られる光拡散性シートで
は、MFRの小さい透明性熱可塑性樹脂によって構成さ
れる島構造の断面が、楕円形状で、かつ該楕円形状が一
方向に揃って連続的に形成されている。このことが光拡
散性(透過率と広視角性)において、より効果的に作用
することになる。以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、まず対象となる
樹脂は、透明で、かつ熱可塑性を有することである。こ
こで透明とは全光線透過率(%)で約80%以上である
ことが望ましく、そして、熱可塑性は、所定温度での加
熱と加圧によって、流動性が付与され、シート状に容易
に成形される性質を云う。従って熱硬化性ではない。こ
の二つの性質を満足する樹脂は、一般に非晶性熱可塑性
樹脂を挙げることができるが、得られたシートの透明性
と広視角性に有効に作用し、本発明の課題を解決するも
のであれば、結晶性の熱可塑性樹脂であっても良い。こ
れには例えば下記のポリ(4−メチルペンテン−1)が
ある。
【0012】前記透明熱可塑性樹脂としては、例えば、
ポリカーボネート、ポリ(4−メチルペンテン−1)、
ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテ
ルスルホン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、四
フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重
合体等を挙げることができる。
【0013】そして前記樹脂によって、光拡散性シート
が形成されるが、それは少なくとも2種の該樹脂が用い
られ、そして該樹脂はいずれかが海または島成分となっ
て、海島の構造をとって存在し、しかも該島構造の断面
は楕円形状で、かつその大きさが短径で5〜50μm、
好ましくは10〜30μmに形成されている必要があ
る。かかる構造を持って形成される該シートであっては
じめて、本発明の前記課題が達成される。かかる海島構
造が優れた広視角性と透明性のある光拡散性シートをも
たらすことに対する作用機構については明らかではない
が、例えば島構造成分の屈折率が海構造成分のそれより
も小さい時には、島構造部分が入射光に対して凹レンズ
のように作用し、入射光が該光拡散性シート内部で大小
さまざまの凹レンズ作用を受けて、海島構造の界面で屈
折し、広視角方向へと曲げられ出射されることによると
考えられる。従って島構造の断面が、楕円形状以外の矩
形状だったりすると、前記の特性の発現が弱くなるが、
楕円形状以外の島構造が全く除かれるものではなく、効
果発現に支障をきたさない範囲で混成されていてもよ
い。
【0014】前記島構造の楕円形状の大きさとして必要
な5〜50μmにおいて、それが楕円形状であったとし
ても5μm未満の小さいものでは、特に透明性において
満足されず、従って、明るい拡散光として出射されがた
い。一方50μmを越えて、あまりにも大きい楕円形状
になると、特に光拡散性において満足できるレベルにな
らず、シート自体の成形性や機械的強度にも影響を及ぼ
すことになる。従って最も効果的な範囲は、5〜50μ
mの楕円形状の島構造が海成分中に存在しているシート
ということになるが、この短径サイズは限定的に解釈す
べきものではない。それは、このサイズをはずれる楕円
形状の島構造が若干混成されていても、本発明にいう効
果が大きく阻害されるものではないからである。また混
成される島構造のサイズは、実質的に同一短径のものの
みであっても、種々のものの混成であっても良い。尚、
短径に対して、長径の長さについては、全体が楕円形状
をしている島構造であれば、特に制限はないが、短径の
1〜10倍程度が好ましい。
【0015】また、島構造の楕円形状が海成分中で配置
される方向については、特に制限はないが、より効果的
であるのは、入射光に対して直角方向を向いているのが
好ましい。但し、島構造の全部が正しく直角方向を向い
ているということではなく、ある程度斜め方向に配置さ
れているものがあっても良い。
【0016】また、一般に透明性とか、光の拡散性は、
構成される異物体の屈折率に関係するが、本発明におい
ては、海島構造の海成分と島成分の屈折率の差と島成分
の大きさと割合に依存するものである。
【0017】更に、本発明の海島構造の形成は、主とし
て2種の異なる透明熱可塑性樹脂で形成されるが、3種
又は、4種であっても良い。3種以上である場合には、
一般には、その中の1種の該樹脂が海構造成分となり、
他の2種以上が島構造成分として作用する。
【0018】2種の異なる透明熱可塑性樹脂に関し、そ
の組合せについては、シートへの成形性も含め、本発明
にいう特性が効果的に発現されるように、十分予備検討
して決める必要がある。参考までに、有効な組合せを、
前記例示して挙げた樹脂の中で選択し、例示すると次の
とおりである。ポリカーボネートとポリ(4−メチルペ
ンテン−1)、ポリアリレートとポリ(4−メチルペン
テン−1)、ポリカーボネートとポリアリレート、ポリ
メチルメタクリレートとアクリロニトリル・スチレン共
重合体、ポリメチルメタクリレートとポリスチレン、ポ
リスルフォンと四フッ化エチレン・パーフルオロアルコ
キシエチレン共重合体等である。中でも、ポリカーボネ
ートとポリ(4−メチルペンテン−1)の組合せが好ま
しい。
【0019】更に海島構造成分中に島構造成分の占める
割合については、両者の関係が維持できる範囲であれ
ば、特定はされないが、好ましくは半分以下であるのが
良い。これは、島構造成分が少ないと、島構造が小さく
なり、透明性が低下する傾向が見られ、逆に、島構造成
分が多いと、島構造が大きくなり、シートの成形性や表
面平滑性を悪くする傾向があることによる。
【0020】また、本発明の光拡散性シートは、剛直な
板状から柔軟なフィルム状の範囲をいうので、その厚さ
は一般には約0.03〜1mmの間のものである。
【0021】尚、前記する光拡散性シートの構造の一例
をモデル的に図示すると図1(断面)のとおりである。
1は該シ−トで、それは2の海構造と、5〜50μmの
短径を主とする、種々の楕円形状の島構造3で構成され
ている。そして所々に、該短径外の大きさ形状をもつ島
構造4、5が存在している。また、該島構造3は入射光
6に対して、大部分が、ほぼ直角に配置されている。
【0022】次に前記光拡散性シートの製造手段につい
て説明する。例えば2種の透明熱可塑性樹脂を使って製
造する場合、一般的には、MFRの異なる該樹脂にあっ
て、MFRの大きいものよりも、小さい方の該樹脂の混
合量を少なく混合し、得られた混合樹脂を溶融してシー
ト状に成形することによる。ここで成形法は、金型内に
溶融射出する射出成形か、金型内に該混合樹脂を充填
し、加熱圧縮する圧縮成形か、又は、押出機を使って、
Tダイを通して溶融押出する押出成形等の方法による。
このような一般的製造手段の中でも、次のような方法が
望ましい。その理由は、前記するように、楕円形状の島
構造がシート断面で一方向に揃って連続的に形成され、
その島構造が、海成分中で入射光に対して直角方向にな
るよう配置されるのが好ましいということからである。
【0023】つまり、その製造方法は、まずMFRの異
なる2種の透明熱可塑性樹脂が選択される。選択に際し
ては、MFRの差は、それがあまりに小さくても、また
極端に大きすぎても好ましくない。この差の範囲は、各
々該樹脂の組合せによって異なる。従って一義的に決め
られず、それは随時予備検討によって決めるのが良い
が、一般的目安としては、その差は約10〜50程度と
するのが良い。尚、前記MFRの差については、あまり
にも小さく接近していると、島構造そのものが形成され
ないか、または形成されたとしても小さくなり、透過率
が低下する。一方極端にその差が大きいと、大きな島構
造が形成されて、成形性が低下したり、シートの表面が
荒れやすく平滑性に欠けるという理由によるものであ
る。
【0024】そして、前記各樹脂の混合比は、具体的に
はMFRの大きい方の該樹脂を90〜50重量%、好ま
しくは80〜60重量%、そしてMFRの小さい方の該
樹脂を10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%
になるように混合すると良い。ここでMFRの小さい方
の該樹脂が10〜50重量%であるのは、10重量%未
満では、楕円形状の島構造の占める割合が少なくなって
入射光の内部散乱が減少して光拡散性が低下し、本発明
にいう特性を満足できるレベルで得られない。一方、5
0重量%を越えても、逆に楕円形状の島構造の占める割
合が多すぎて、個々の島構造の大きさが大きくなり、界
面での散乱が減少して光拡散性が低下し、十分な光拡散
性を得にくい状況になるということによる。
【0025】前記混合によって得られた混合樹脂は、T
ダイを通して溶融押出成形を行う。この成形法によっ
て、前記理由に述べたように、島構造の楕円形状が、図
1でも示すように、シート断面で一方向に揃って連続的
に形成され、入射光に対して直角方向に配置されやすく
なるからである。ここで押出機は1軸のものでも2軸の
ものでもかまわない。Tダイを通して吐出されたシート
状物は、実質的に無延伸で引き取って、冷却してシート
成形体となす。尚、前記樹脂の混合においては、各々の
粉体又はペレットをハイミキサー等で混合し、そのまま
押出機のホッパー等に供給して、シートに成形しても良
いが、より混合状態を完全にするために、2軸押出機で
予め混練して、混和ペレットを得て、これを押出機のホ
ッパーに供給して、シートに成形しても良い。
【0026】かくして得られた光拡散性シートは、広視
角性と共に、透明性もより向上したことで、この関連分
野への一層の貢献が期待される。例えば、有効な用途分
野として、バックライトデバイスの中の光拡散性部材と
しての使用がある。明るくて、より広視角に均一な輝度
分布でもって、液晶ディスプレイを照明することができ
る。その他に、電飾看板、プロジェクター投影用スクリ
ーン、写真製版用フィルムの投影機、円筒状電気スタン
ド等の光拡散性部材として使用されることで、これまで
のものよりも、より高性能の機器を開発することができ
る。
【0027】
【実施例】以下に比較例と共に、実施例によってより詳
細に説明する。尚、本文中で説明している透明性と光拡
散性は、該例中では各々全光線透過率(Tt)と曇り価
(H価)でもって表現した。従って、Tt、H価共に大
きい程、透明性が良く、明るくて、優れた拡散光を有す
る光拡散性シートということになる。Tt、H価は下記
にて測定したものである。また、広視角性は、2つの特
定の視角での輝度比を、広視角比として下記のように定
義したが、この値が大きい程、広視角に拡散されている
ことになる。またMFR比は下記によって測定し、求め
たものである。 Tt:JISK7105(1981)に基づく積分球付
属装置(P/N150−0909)付き分光光度計(日
立製作所製U3410型)によって、直接読み取った値
(%)。 H価:前記Ttと共に平行光線透過率(Tp)の値
(%)を直接読みとり、次の数1によって求めた。
【0028】
【数1】
【0029】広視角比:エッジライト方式のバックライ
ト上に、得られたシートを載置して、まず法線方向での
輝度(G0)を、そしてその法線からバックライト側に
30°傾斜した方向での輝度(G30)を各々輝度計(ト
プコン株式会社製BM−3型)にて測定し、両者の比
(=G30/G0)を計算によって求めたもの。尚、この
測定態様を図2に示す。白インクを下面に塗布した反射
層8を持つ厚さ4mmの導光板7の左側面にランプ9
(冷陰極管、管径3mm、管面輝度14000cd/m
2)を接して配置する。そして、導光板7の上面に、得
られたシート10(測定サンプル)を載置する。各方向
での輝度は、まず法線11の方向で、シート10の測定
点から30cmの位置で輝度を測定する。次に法線11
に対して30°ランプ9側に傾け、測定点から30cm
の位置で輝度を測定する。但し、該シートは、その押出
配向方向がランプに平行になるように載置する。
【0030】MFR(メルトフローレート):JISK
7210(1976)A法に基づき、各々混合する樹脂
の溶融状態での流量を、成形温度ごとに測定した。
【0031】(実施例1)MFRの差が22であるポリ
カーボネートペレット(MFR=43、測定温度270
℃)とポリ(4−メチルペンテン−1)ペレット(MF
R=21、測定温度270℃)を用いて、両者を70:
30(重量%比)の割合で混合し、まずこれを2軸押出
機(バレル温度230〜270℃)にて混練押出しつ
つ、混和ペレット化した。次にノズル間隔500μmの
Tダイ(温度300℃)を先端に持つ1軸押出機(バレ
ル温度250〜300℃)を準備して、これに該混和ペ
レットを供給して、シート状で、実質的に無延伸で押出
し、冷却しつつロールで巻き取った。得られた該シート
の厚さは120μmであった。
【0032】前記得られたシートの一部を取って、まず
海島構造の形成を確認するために走査型電子顕微鏡(以
下SEMと呼ぶ。)にて、該シートの断面を拡大し、内
部構造(粒子構造)を撮影した。これを図3に示す。該
図3は1000倍に拡大したもので、シートの中心部分
に大きな島、両側の表面部分では小さな島が、各々楕円
形状で、ほぼ一定間隔で分布していることがわかる。島
構造でない部分が、海成分である。そして、楕円形状の
島構造のものの中で、短径の最大は11μm、最小は5
μm、他は楕円形状とは観察されない円形状のものも混
在しているように思われる。そしてこの5〜11μmの
短径の島構造は、数と面積から推定して、島構造全体の
約95%程度である。また島構造のほぼ全数が、該シー
トを光拡散性シートとして載置した場合に、入射光に対
して直角方向に配置されているのがわかる。
【0033】次に、海島構造の成分を確認するために、
前記シートの一部を取って、塩化メチレン溶剤に浸漬し
て溶解を試みた。その結果、海構造を取った成分が溶解
し、島構造を取った成分は不溶で、固形状で分離した。
溶解成分を赤外線吸収スペクトルで確認するとポリカー
ボネート成分であった。これから島構造成分はMFRの
小さいポリ(4−メチルペンテン−1)であったことに
なる。
【0034】そして前記シートの残りを使って各々T
t、Tp、H価、広視角比を求め、これを表1にまとめ
た。
【0035】
【表1】
【0036】(実施例2)実施例1において、ポリカー
ボネートとポリ(4−メチルペンテン−1)との混合比
を80:20(重量%比)に変える以外は、全く同一条
件にてシート成形した。得られたシートについてTt、
Tp、H価、広視角比を求め、これを表1にまとめた。
尚、実施例1と同様に該シートの断面をSEMにより撮
影し、海島構造を観察した結果、島構造の楕円形状の短
径の最大は8μm、最小は5μmであった。そしてこの
5〜8μmの短径の島構造が、島構造全体の約87%を
占め、これに楕円形状とは観察されない円形状のものが
混在している。
【0037】(比較例1)微粉状のシリコーン樹脂粒子
20重量%を4官能アクリレート化合物に添加し、十分
に分散したものを厚さ120μmのポリカーボネートシ
ート上に20μmコーティングした後、紫外線照射し
て、硬化膜を形成せしめた。得られたシートのTt、T
p、H価を求め、これを表1にまとめた。また広視角性
について、視角度を−60°〜+60°(法線に対し
て、ランプ側を負方向、その反対側を正方向とする。)
の範囲に変えて輝度を測定し、輝度の視角度依存性を調
べて、実施例1と比較した。結果をグラフにし、図4に
示した。該図から明らかなように、比較例1では+30
°付近に輝度のピークがあり、法線方向に出射光がずら
されている。一方実施例1では、大きな輝度のピークは
なく、法線方向への出射光制御作用が強くなっている。
更に、法線方向の負方向でも相対的に比較例1の輝度の
方が小さい。以上、表1と該図との結果から、従来の方
法による光拡散性シートは、本発明によるシートに比較
して、透過率が低く、かつ不均一な輝度をもって光拡散
が行われていることがわかる。
【0038】(比較例2)MFRが36のポリカーボネ
ートペレット70重量%とMFRが21のポリ(4−メ
チルペンテン−1)30重量%の割合で、両者混合後
は、実施例1と同様に混和ペレット化及びTダイによる
押出成形して、シートを得た。得られたシートの断面を
SEMにて拡大し観察したところ、楕円形状の島構造
は、短径が2μm程度と小さく、数多く分布している状
態であった。得られたシートのTt、Tp、H価を求め、
これを表1にまとめた。本発明によるシートに比較し
て、透過率が低く、光拡散性シートとしては、輝度不十
分である。
【0039】(比較例3)MFRが43のポリカーボネ
ートペレット30重量%とMFRが21のポリ(4−メ
チルペンテン−1)70重量%の割合で、両者混合後
は、実施例1と同様に混和ペレット化したが、その際、
樹脂ストランドが切れやすくペレット化が困難であっ
た。また、Tダイによる押出成形でも、樹脂吐出量が安
定せず、均一なシート化が困難であり、得られたシート
の表面は粗面化し、シートの物理的強度も低く、成形性
も良くなかった。得られたシートの断面をSEMにて拡
大し観察したが、楕円形状の島構造の1つ1つが大きく
(短径は50μm以上)、その一部はシート表面に露出
した、むらの大きな断面構造になっていた。
【0040】
【発明の効果】本発明は、前記のとおり手段が講じられ
るので、従来の光拡散性シートに比較して、次に記載す
るような、より優れた効果を奏する。
【0041】まず、全体に透明性の良い(明るい)拡散
光を得ることができる。
【0042】広視角性に優れている。つまり、法線方向
から見て、光源側とその反対側の広い視角範囲に渡っ
て、ほぼ均一な輝度で拡散光を得ることができる。
【0043】成形手段によって、原料から一挙に前記特
性の付与された光拡散性シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光拡散性シートの内部モデル断面図である。
【図2】広視角比の測定状態図(断面)である。
【図3】実施例1におけるシート断面のSEMによる内
部構造写真である。
【図4】実施例1、比較例1における視角度と輝度との
関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 光拡散性シート 2 海構造 3 楕円形状の島構造 4、5 3以外の島構造 6 入射光 7 導光板 8 反射層 9 ランプ 10 光拡散性シート 11 法線方向 12 −30°傾斜方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 政則 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ株 式会社滋賀研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種の透明熱可塑性樹脂が、
    海と島の構造をとって混成され、かつ該島構造の断面が
    主として短径が5〜50μmの楕円形状であることを特
    徴とする光拡散性シート。
  2. 【請求項2】 メルトフローレートの大きい透明熱可塑
    性樹脂を90〜50重量%とメルトフローレートの小さ
    い透明熱可塑性樹脂を10〜50重量%混合して、これ
    をシート状に溶融押出成形することを特徴とする請求項
    1に記載の光拡散性シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 メルトフローレートの大きい透明熱可塑
    性樹脂がポリカーボネートで、メルトフローレートの小
    さい透明熱可塑性樹脂がポリ(4−メチルペンテン−
    1)である請求項2に記載の光拡散性シートの製造方
    法。
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