JPH09311111A - 単結晶薄膜の評価方法 - Google Patents

単結晶薄膜の評価方法

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JPH09311111A
JPH09311111A JP8153262A JP15326296A JPH09311111A JP H09311111 A JPH09311111 A JP H09311111A JP 8153262 A JP8153262 A JP 8153262A JP 15326296 A JP15326296 A JP 15326296A JP H09311111 A JPH09311111 A JP H09311111A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単結晶基板の上に薄い薄膜をエピタキシャル
成長させた場合、X線によるロッキングカーブ測定で
も、トポグラフ測定でも基板からの回折X線の影響が強
く、薄膜のみの結晶性の評価ができなかった。2結晶反
射トポグラフによって十分に薄い薄膜であっても基板と
は独立に薄膜の結晶性を評価できる方法を提供するこ
と。 【解決手段】 二結晶法によって、基板に薄膜を成長さ
せた試料のロッキングカーブ測定をして、そこに現れる
サテライトピークの角度に合わせてX線を試料に入射さ
せトポグラフ像を撮影する。基板回折のブラッグ角から
はずれているから基板回折線は互いに打ち消し合う。こ
のトポグラフから薄膜のみの結晶性の評価を行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、単結晶基板上に
エピタキシャル成長した単結晶薄膜の結晶性をX線を用
いて評価する方法に関する。ここでいう単結晶基板或い
は単結晶薄膜とは超電導体、良導体、半導体、絶縁体な
ど全てを含む。単結晶基板、単結晶薄膜は多くの用途が
ある。特に半導体の分野では、単結晶基板、薄膜は産業
上への応用が活発であり、多様な電子デバイスや光デバ
イスが実用化されている。
【0002】例えば、GaAsやInPなどのIII −V
族化合物半導体基板の上にナノメータ単位の厚さのAl
I-x Gax AsやIn1-x Gax As1-yy などの単
結晶薄膜を幾重にもエピタキシャル成長させることによ
って半導体レ−ザが作製されている。
【0003】単結晶といっても欠陥を持つ場合がある。
欠陥の種類、密度、分布などが結晶品質を決める。エピ
タキシャル成長した単結晶薄膜の結晶品質は半導体デバ
イスの特性に大きく影響する。そのためエピタキシャル
成長した単結晶薄膜の結晶品質を予め評価することは重
要である。
【0004】エピタキシャル成長した単結晶薄膜の結晶
品質は基板結晶の結晶品質或いはエピタキシャル成長条
件などによって左右される。基板結晶に存在する結晶欠
陥などがエピタキシャル成長層にどの程度伝搬するのか
を正確に把握する事が重要である。
【0005】また、エピタキシャル成長する温度環境な
どの成長条件を最適化するに当たっては、種々な成長パ
ラメータがエピタキシャル成長層の結晶品質に与える影
響を把握することが重要である。そのためにはエピタキ
シャル成長した単結晶薄膜の結晶品質を評価して、基板
の結晶品質と比較することが必要となる。
【0006】単結晶の結晶品質を非破壊で評価する方法
としてX線回折法がある。X線回折といっても様々の様
式がある。X線波長に関しても二つの場合がある。白色
(連続波長をもつ)X線を用いることもある。例えばラ
ウエ法の場合である。また単色(単一波長)X線を使う
事もある。ビーム形状に関しても二つの場合がある。ス
ポットビームに絞ることもある。面状の広いビームを用
いる事もある。回折像そのものを見る二次元的な手法も
ある。さらにある方向に回折されたビームの強度を測定
して結晶構造を知るものもある。多様なX線回折法があ
る。
【0007】X線回線法による単結晶の結晶品質評価方
法の中で、精度の高い方法として、2結晶法と呼ばれる
方法がある。本発明はこれを改良するものである。これ
以外のX線法と峻別しなければならない。
【0008】単色のX線源といっても波長の幅を持って
いる。またビームは完全に平行でない。完全に単色、平
行のビームを得るために2結晶法が用いられる。単色X
線源から出たX線を初めに結晶性の良い第一結晶に当
て、これから回折されたX線を試料結晶(第二結晶とい
う)に当てる。優れた単結晶においてブラッグ回折され
たX線であるから、単色性、平行性は極めて優れる。二
つの結晶を使うから2結晶法と呼ぶ。
【0009】第一結晶はシリコンやゲルマニウムといっ
た結晶性に優れた単結晶が用いられる。X線源から発生
したX線を一旦第一結晶によって回折させることによっ
て、X線の単色性、平行性を向上させる。第1結晶は測
定対象ではない。X線の単色性と平行性を高めるために
使われるだけである。アナライザともアナライザ結晶と
も呼ばれる。評価の対象となる試料は第二結晶として配
置される。
【0010】2結晶法には二つの方法がある。一つはロ
ッキングカーブ法である。もう一つはトポグラフ法であ
る。ロッキングカーブ法は、試料結晶で回折されたX線
の強度をX線カウンターなどで検出する。回折角度を中
心にして数十秒から数百秒の範囲で試料結晶を回転さ
せ、X線カウンターの検出値をモニタする。回折角度対
X線量の関係を示すスペクトルのことをロッキングカー
ブという。これを用いた評価方法であるからロッキング
カーブ法という。
【0011】一方トポグラフ法は、被検査結晶で回折さ
れたX線をX線フィルムや原子核乾板などに当てて回折
像を映し出す方法である。この回折像をトポグラフとい
う。トポグラフを使うのでトポグラフ法と呼ぶ。ロッキ
ングカーブとは違い二次元的な画像を信号として採用す
る。回折像は、対象となる結晶の前方と後方の両方にで
きる。前方にできるのが反射回折像、後方にできるのが
透過回折像である。これに対応して、回折像を映し出す
のに反射法と透過法がある。
【0012】反射法は、試料に対して、入射X線と同じ
側に出てくる反射による回折像を対象にする方法であ
る。反射トポグラフ法と呼ぶ。表面近傍の結晶からの回
折による像であるから基板に成長したエピタキシャル成
長層の評価に良く用いられる。反射法の原理図を図10
に示す。光源1から出たX線はスリット2を通過し、結
晶性の良い単結晶である第一単結晶3に入射し、これに
よって回折される。非対称回折であるからビームの幅が
広がり、ビームの平行性、単色性がよくなる。このビー
ムが試料である第二結晶4に入射する。ここで回折され
てフィルム5に入る。フィルム5を露光してゆく。フィ
ルムを現像してトポグラフ像を得る。
【0013】透過法は、試料を突き抜けた透過X線が作
る回折像を対象にする方法である。透過トポグラフ法と
呼ぶ。X線源としては、普通CuKα1線など金属の特
性X線が用いられる。シンクロトロン放射光が使われる
事もある。平行性、単色性、強度にすぐれたX線ビーム
を得る事ができるからである。
【0014】トポグラフ法は別段2結晶法でなくてもよ
くて、単色X線源を使ってトポグラフを撮ることはでき
る。2結晶法にするとより鮮明なトポグラフを得る事が
できるのである。ただし第1結晶によるX線の損失があ
るのでX線パワーは幾分減少する。しかしそのような損
失を補って余りある効果があるので、2結晶法もよく使
われる。第1結晶、第2結晶ともに、特定の結晶方位面
での回折線を利用する。入射X線、出射X線が結晶面と
なす角度が同一の場合、対称トポグラフということもあ
る。入射角と出射角が異なる場合、非対称トポグラフと
いう。トポグラフについてはいろんな試みがなされてい
る。
【0015】I.C.Bassignana, D.A.Macquistan and
D.A.Clark,"X-RAY TOPOGRAPHY AND TEMSTUDY OF CRYSTA
L DEFECT PROPAGATION IN EPITAXIALLY GROWN AlGaAs L
AYERSON GaAs (001)",Advances in X-Ray Analysis, Vo
l.34, p507 (1991)
【0016】これは、Si(111)単結晶を第1結晶
に、GaAs(100)単結晶を第2結晶にして、Cu
KαをX線源としたものである。GaAsウエハ−その
もののトポグラフ像を撮影して結晶粒界、ティルト境
界、セル状転位、インクルージオンなどの欠陥が画像に
直接に現れている様子を写真によって示している。さら
にGaAs基板の上に、AlGaAs薄膜をMBE法で
エピタキシャル成長させたものについてもトポグラフ撮
影した結果を示し欠陥がトポグラフ像に直接に現れるこ
とを指摘している。
【0017】ロッキングカーブ測定では、GaAs基板
からのピークと、Al0.5 Ga0.5 As薄膜からのピー
クが175秒離れた角度に現れる。GaAs基板にAl
As単結晶を成長させたときのピークの離隔角度が35
0秒であるので、ピークの離れ角度からAlの混晶比x
を知る事ができると述べている。トポグラフは基板と薄
膜からの回折線が重畳したものである。両方の回折線が
分離されていない。分離する事の必要性についても述べ
ていない。分離の必要性にすら気づいていないようであ
る。
【0018】A.Krost, J.Bohrer, H.Roehle, G.Baue
r,"Strain Distribution in InP/InGaAs superlattice
structure determined by high resolution x-ray diff
raction", Appl. Phys. Lett.,vol.64,p469,(1994)
【0019】InP基板の上に、InPバッファ層
(0.2μm)をのせ、その上にInP(3nm)/I
nGaAs(7nm)を5層繰り返し(50nm)これ
にInP層(55nm)をつけ全体として105nmと
するものを10層成長させて超格子構造を作り、さらに
InP(55nm)のキャップ層をエピタキシャル成長
させたもののロッキングカーブを測定している。これは
InP基板からの回折ピークと、その両側に出るサテラ
イト+1、−1と微細なピークなどよりなる。微細なピ
ークの間隔は、超格子の周期を現している。
【0020】間隔から超格子の周期を計算できる。そし
てこのような構造からどのようなロッキングカーブが現
れるはずであるのか計算している。回折角2θに関し、
実際のロッキングカーブは計算によるカーブよりも大き
い広がりを持っている。計算を実験に合わせるために
は、薄膜と基板間に生ずる応力を考えに入れなければな
らないと判断している。そして応力を考察に含めるシュ
ミレーションをしている。薄膜と基板の間に働く応力の
大きさを評価している。これはロッキングカーブだけ
で、トポグラフについては何もしていない。
【0021】N.N.Faleev, L.I.Flaks and S.G.Konnik
ev,"Double Crystal X-Ray Diffraction Characterizat
ion of Multilayer Heteroepitaxial Structures with
Submicron Layers", phys.stat.sol.(a) vol.113,No.43
1(1989)
【0022】(100)Ge単結晶を第1結晶として使
う。これの(400)回折線を用いる。試料はGaAs
ウエハ−に、AlGaAs薄膜をエピタキシャル成長さ
せたものである。これを第2結晶の位置に取り付ける。
AlGaAsの混晶比xによってピークの波長差が決ま
る。計算によってロッキングカーブをシュミレーション
している。これもトポグラフについては何にも言ってい
ない。
【0023】特願平7−329677号(平成7年1
1月24日出願)これは本発明者の手になる新規な発明
である。ロッキングカーブ測定とトポグラフ測定は別個
に行われていたので、トポグラフにより二次元的な欠陥
の分布、形状がわかったとしても定量的な評価ができな
いという難点があった。そこでトポグラフとロッキング
カーブを同じ試料に対して試料台から取り外さず引き続
き行うことによって、欠陥の定量的な測定を可能にして
いる。
【0024】ロッキングカーブ+トポグラフを連続して
行う優れた発明である。これはさらにウエハ−に撓みが
ある場合に、ウエハ−を微小回転させ常にX線方向と回
折面のなす角度が一定になるようにして撓みの有るウエ
ハ−全面のトポグラフを撮る事ができるようにしてい
る。
【0025】本発明はこれらの従来技術の何れにおいて
も問題とされていなかったことを取り上げる。薄膜のみ
からの回折X線が得られなければ薄膜の評価はできな
い。基板の上に薄膜を成長させた場合、回折線は基板と
薄膜の両方からくるので薄膜のみの回折を知ることがで
きない。透過法では基板からの回折が優勢であり薄膜の
評価には役に立たない。しかし反射法であっても現在の
ところ薄膜の直接の評価はできない。多くの場合、基板
からの回折線も含まれるからである。
【0026】薄膜が薄い場合はX線が基板まで到達し、
薄膜からの回折像と、基板からの回折像が重なりあって
両者を区別できない。すると薄膜だけの評価ができな
い。どうすれば良いのか?回折像から基板による回折を
差し引けば薄膜の寄与が分かるはずである。そのため初
め基板のみのトポグラフを撮り、後にエピタキシャル成
長層を有するウエハ−のトポグラフを撮る必要がある。
【0027】しかしそうしても直接的な引き算によって
薄膜の寄与のみを取り出すことはやはりできない。基板
からの回折が圧倒的に大きいからである。たとえ薄膜か
らの回折が強いとしても、エピタキシャルウエハ−のト
ポグラフから、基板のトポグラフの濃度諧調を単純に差
し引いたものが薄膜からの回折に等しいか?というとそ
うとも言えない。基板回折が単純にバックグラウンドと
みなすことができない。
【0028】二次元的な広がりを要するトポグラフ法で
は無理としても、回折強度−回折角だけを対象にするロ
ッキングカーブでは薄膜だけを観察できないであろうか
?ロッキングカーブ法では、反射トポグラフ法と同じ配
置に試料やX線カウンターを置く。この場合もエピタキ
シャル成長薄膜が薄い場合は基板までX線が届くので、
薄膜からの回折と基板からの回折が混ざる。この場合、
基板と薄膜が格子整合している時と、不整合の時におい
て事情がやや異なる。
【0029】格子整合というのは基板の格子定数と、薄
膜の格子定数が同じで結晶の方位が同一で位置ズレのな
い状態をいう。格子不整合というのは基板と薄膜の格子
定数が異なるか、格子定数が同じでも面方位が傾いてい
る場合をいう。エピタキシャル成長層が基板結晶と格子
整合している場合、ロッキングカーブのエピタキシャル
成長層のスペクトルと基板のスペクトルが重なる。ため
にロッキングカーブによっても薄膜(成長層)だけの結
晶性を評価できない。
【0030】格子不整合であれば基板と薄膜のロッキン
グカーブのピーク位置が異なる。ピーク位置のズレから
格子定数のズレを求めるという事はなされている。格子
定数のズレからベガード則によって、薄膜の混晶比を求
めるという事はなされている。それについては従来技術
として既に説明した。しかしそれ以上のことはなされて
いない。
【0031】
【従来の技術】2結晶トポグラフを用いて薄膜だけの品
質を評価するとか薄膜の結晶欠陥を調べるてづるにする
というような発想は未だ皆無である。実際格子不整合が
あって基板と薄膜のスペクトルが分離されている場合に
おいても、エピタキシャル成長層が薄い場合にはエピ層
からの回折は極めて微弱である。だからエピタキシャル
成長層の結晶品質を正確に評価することは難しい。
【0032】このような理由で、現在のロッキングカー
ブ法、トポグラフ法の何れをもってしても、基板の上に
薄く成長された薄膜の結晶品質を正確に評価できない。
だから実際に薄膜結晶評価に利用されていない。2結晶
法にはそのような難点があった。
【0033】薄膜が薄くてX線が基板結晶まで突き抜け
るような場合であっても、薄膜(エピタキシャル成長
層)のみの結晶品質をトポグラフによって評価したい。
薄膜のみの結晶性を調べることができるような2結晶ト
ポグラフ法を提供することが本発明の目的である。
【0034】結晶評価法の従来技術の水準を説明する。
単結晶の結晶品質を評価する方法としては、X線回折法
とエッチング法がある。X線回折法については先に述べ
た。これは非破壊検査である。エッチング法というの
は、酸性或いはアルカリ性溶液に試料結晶を浸し、結晶
表面をエッチングして結晶欠陥を浮き立たせ、これを顕
微鏡などによって観察する方法である。これは試料の表
面を除去する破壊検査である。多くの場合、試料を損な
わない非破壊検査が望ましい。
【0035】次にX線回折法とエッチング法の問題点を
述べる。従来のX線トポグラフの問題は、反射法を用い
たとしても、エピタキシャル成長薄膜が薄い場合は、X
線が基板にまで到達するということである。基板に達し
基板で回折されたものも回折X線像に寄与する。だから
エピ層と基板の結晶品質を分離して評価できないという
ことである。
【0036】同様の問題はエッチング法にもある。結晶
欠陥を浮き出させるに十分なほど結晶を溶液に浸すと薄
いエピタキシャル成長層は溶け去り基板結晶が露出す
る。このためエピタキシャル成長層のみの結晶品質をエ
ッチング法によって評価するのは難しい。いずれもエピ
タキシャル層が薄すぎるので評価できないのである。X
線がどれほど深く結晶中に侵入するのか?これは方位に
もよるし物質にもよる。X線の波長依存性もある。例と
してCuKα1線に対するGaAs、InP、AlGa
As(混晶比=0.5)の線吸収係数は、
【0037】 GaAs 403.0/cm InP 991.5/cm AlGaAs 340.3/cm
【0038】である。線吸収係数αというのは単位長さ
当たりの強度変化がexp(−α)である値である。X
線の侵入長さは線吸収係数αの逆数によって定義され
る。これは入射強度の1/eになる長さである。
【0039】 GaAs 24.8μm InP 10.1μm AlGaAs 29.4μm
【0040】侵入深さは、侵入長さに入射角度Θを乗じ
たものになる。例えば(100)GaAsウエハ−にお
いて(422)で回折させる場合、入射角Θは6.6゜
である。するとX線の到達深さは、24.8sin6.
6゜=2.85μmである。このように表面にスレスレ
に入射したときですら、表面から約3μmまではX線が
侵入する。エピタキシャル層の厚さが1μm〜3μmで
あると、一部のX線は基板に達する。さらに入射方向が
面に直角に近いときはもっと深くまで到達する。
【0041】そこで従来は、エッチング法、X線トポグ
ラフ法どちらの評価方法でも、エピタキシャル成長層の
厚さを、実際にデバイス構造に適用されるものよりもか
なり厚く成長させていた。評価用に厚めに成長させてい
た訳である。どの程度厚いかというとX線回折法では、
X線が膜において全部回折されるに足る厚みでなければ
ならない。先ほどの記号を使うとsinΘ/α以上の膜
厚とする。つまり膜での吸収が大きく基板にはX線が到
達しない程度に薄膜を厚くする必要がある。エッチング
法では、エッチングしても薄膜の一部が残っている程度
に厚くする。何れにしても実際に利用されるものよりも
格段に厚い薄膜を成長させる。
【0042】こうするとエピタキシャル層の評価を行う
事ができる。しかしこれには難点があった。エピタキシ
ャル層を実際のものよりも厚くするので、結晶内部に実
際の素子におけるより大きいストレスが掛かる。それが
原因で、エピタキシャル成長層内に新たな結晶欠陥が発
生する危険性がある。このため、実際にデバイス加工さ
れるエピタキシャルウエハ−において、基板結晶の結晶
欠陥がエピタキシャル成長層を伝搬する様子を正確に評
価するというができない。さらに、エピタキシャル成長
条件とエピタキシャル成長層の結晶品質との相関を正確
に評価することもできない。
【0043】このようにエッチング法も、X線回折法
も、実際のデバイスに使用される薄い膜厚のまま結晶性
の評価をすることは未だ不可能である。いずれも薄い薄
膜評価という問題を克服することができないでいる。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エピタキシ
ャル成長層が薄くても、2結晶トポグラフを用いてエピ
タキシャル成長層のみの結晶品質を評価できる方法を提
供することが目的である。つまりエピタキシャル層を評
価用に特別に厚くしなくてもエピタキシャル成長層のみ
を評価できるようにする。
【0045】X線の透過力は十分に強くてエピタキシャ
ル成長層(以後簡単に薄膜、エピ層と呼び同義に使
う。)を透過し基板にまで到達する、これはやむを得な
い事である。基板からの回折X線があっても、それと薄
膜からのX線を分離できれば良いのである。そうすれば
薄膜のみの結晶性の評価をすることができる。
【0046】
【課題を解決するための手段】本発明者は次のことに気
づいた。エピタキシャル成長層が薄い場合のX線ロッキ
ングカーブを測定すると、基板結晶の回折スペクトルと
エピタキシャル成長層の回折スペクトルの他に、薄膜の
厚さを反映した振動スペクトルが現れることがある。ま
た、多重量子井戸を持つ結晶のX線ロッキングカーブで
は量子井戸の周期性を反映したサテライトピークが現れ
る。これら振動スペクトルあるいはサテライトピークは
エピタキシャル成長層だけが関係する動力学的効果によ
って現れる現象である。
【0047】本発明者らは振動スペクトルやサテライト
ピークに着目した。サテライトや小振幅のピークの角度
に合わせてX線を入射してトポグラフを撮影する。これ
は未だなされた事のない手法である。こうすることによ
って、X線が基板結晶まで到達する場合でも、エピタキ
シャル成長層のみの情報からなるトポグラフ像が得られ
る。本発明者がこれに初めて気づいたのである。
【0048】ロッキングカーブにおいて、主ピークは基
板の着目する方位の面群によって回折したX線によって
形成されるものである。第2の高さを持つピーク(副ピ
ークと仮に呼ぶ)は薄膜の同じ方位の面群によって回折
されたX線によってできるピークである。これらのピー
クの角度の差によって薄膜の格子定数を求め、混晶比x
を求めるという方法は既に従来技術として紹介した。サ
テライトや小振動のピークというのはこれらの主ピーク
や副ピークとは違う。もっと低いピークである。サテラ
イトは超格子が有る場合にはぼ等間隔に現れる。サテラ
イトの間隔によって超格子の厚みを知るという方法は知
られている。
【0049】しかしサテライトの方向にX線を入射しト
ポグラフを撮影するという着想はこれまで全くなかっ
た。初めにサテライトはどのようにして生じるのかとい
う事を述べる。これは超格子構造を前提とする。図11
に超格子の例を示す。物質Aと物質Bが薄膜をなしこれ
が何層にも繰り返し積層されているとする。物質Aの面
間隔をdA とし、層の数をNA とする。物質Aの原子散
乱因子をfA とする。
【0050】物質Aの原子散乱因子といっても注釈が必
要である。物質Aは例えばGaAs、AlGaAs、I
nPというように2つあるいは3以上の種類の元素が規
則的に並んでいるものである。面方向についてはこれら
の原子について積分したものとして考えるべきである。
X線のベクトルをQとする。Qの方向にこれらの原子散
乱因子を単位面積内で足し合わせる。つまり
【0051】 fA =Σp exp(iQrp )fp (1)
【0052】である。面dというのは(422)とか
(100)とか任意の結晶面を指す。面状にxy座標を
とる。面と垂直にz軸をとる。(1)の積分はxy面で
の積分である。pは面内で付した原子の番号である。Q
は入射X線の波数ベクトルである。rp は原子pのxy
面での座標である。fp は原子pの原子構造因子であ
る。Σp は面内の原子pの全てについて和を取るという
ことである。これによって物質Aの面内での原子構造因
子の総和(単位面積当たり)が求まる。であるからこれ
はX線ベクトルQの関数であるが、その表記を省略し単
にfA とする。つぎに面と直角の方向の和を考える。
【0053】実際には基板からの回折もある。がここで
は基板からの寄与ではなく、薄膜からの寄与のみを考え
る。基板の構造因子は後に考える。超格子からの回折だ
けを反映する原子構造因子をF(Q)とする。
【0054】 F(Q)=[fA Σn=0 NA-1 exp(iQndA )+fB exp(iQNAA )Σn=0 NB-1 exp(iQndB )]×Σn=0 N-1exp{iQ(NAA +NBB )n} (2)
【0055】と書く事ができる。但しQndA などの表
現においてこれはベクトルの内積を意味する。dA など
はz軸方向のベクトルである。これらをスカラー量とみ
なすとQがZ軸となす角度をθとしてQndA cosθ
である。しかし以後の計算においてもこれらはベクトル
内積(QdA )とみなすことにしcosθは書かない。
つまり三角関数の中の波数Qと厚みdの積は内積である
と約束する。明細書ではベクトルの表示ができないから
普通のスカラーのように書くが、三角関数の中のこれら
の値はベクトルであるという事である。
【0056】項目は物質A層からの構造因子への寄与で
ある。面の構造因子fA に厚み方向の寄与を加えてい
る。Qが波数(2π/λ)ベクトルであるからQndA
がn枚目の位相遅れになる。だからfA exp(iQn
A )がn枚目の寄与になるのである。1枚目からNA
枚目までの総和を求める。第2項目は物質B層からの寄
与である。表面から距離NAA にあるからexp(i
QNAA )が余分にかかる。
【0057】この層においてもfB exp(iQnd
B )がn枚目の寄与になる。1枚目からNB までを加え
る。大括弧の内側は結局超格子の一つの単位物質Aと物
質Bの層からの構造因子への寄与である。大括弧の外側
は、これらの2物質よりなる単位が超格子を構成する事
による寄与である。超格子の一つの単位の厚みは(NA
A +NBB )である。n枚目の位相遅れは(NA
A +NBB )nQとなる。これを1枚目からN枚目ま
で加えると超格子による全体の寄与が求められる。
【0058】
【発明の実施の形態】この超格子の、ベクトルQに対す
る回折X線の強度I(Q)は構造因子F(Q)とその複
素共役を乗じたものである。これは式(3)に示すよう
になる。大括弧の中と外は積の形になっているからそれ
ぞれ独立に和の演算をすることができる。大括弧の内部
は、物質層Aと物質層Bの違い(これはここの原子の相
違ではない化合物の組成の違いである)がfA とfB
表現されているが、これのクロス項が出てくる。大括弧
の外部の項が超格子の繰り返しを反映するものである。
【0059】
【数3】
【0060】数の和の複素共役積については良く知られ
た(4)のような関係式がある。
【0061】
【数4】
【0062】ここで出てくるsin関数の商sin(M
x/2)/sin(x/2)について、Mが無限大の極
限ではxが0又は2πの整数倍の時だけMとなる。その
他の場合は0である。これらの式においてxはX線の波
数ベクトルと格子の並進ベクトルとの内積である。つま
り、波数ベクトルとその並進ベクトルの内積xがある一
定値の場合に、その方向に強い回折線が現れるというこ
とである。またその強度はMの二乗に比例するから、繰
り返しの層の数の二乗に比例するということである。
【0063】超格子の場合は、xがX線波数ベクトルと
超格子の単位の並進ベクトルの内積になる。基板の格子
構造はこの式には入っていないが、基板からの回折の場
合は、X線波数ベクトルと単位の格子面ベクトルとの内
積がsin(x/2)関数のxとなるのである。分母の
sin関数が0になるときその項が発散する。発散によ
ってX線の回折線がピークを作る。
【0064】
【数5】
【0065】式(5)においていくつかのsin関数が
分母にきている。分母が0になることによってこの量は
発散する。発散について考察する。式(5)の括弧内に
おいて、因子fA が掛かっている項は分母のsin関数
がx=QdA を持つ。これが2πの整数倍の時にNA
二乗に比例する回折を与える。波数ベクトルQと面ベク
トルdA の挟角をΦとすると、x=πという条件は、Q
A cosΦ=πという事になる。Q=2π/λである
から、面とX線のなす角度をθとするとcosΦ=si
nθである。2dA sinθ=λとなる。これはブラッ
グ条件に等しい。
【0066】ここでdA に付いて考察する。物質層Aの
面間隔がdA であるが、物質層Aと基板は格子整合して
いる。であるから格子定数は同じである。面の方位も同
じである。とすれば、基板と物質層Aにおいて同じ方位
の面間隔dは同じはずである。するとこれは基板のブラ
ッグ回折と同じ方向に現れる。超格子を構成する物質層
Aであってもそれぞれの層の面間隔から回折されるX線
は基板回折と同方向に現れるから区別できない。
【0067】式(5)において因子fB の掛かっている
項も同様である。これもx=πという条件はブラッグ条
件2dB sinθ=λに等しい。しかしこれも格子整合
の条件から基板のブラッグ条件と一致する。ために因子
A の掛かっている項の分母の発散も、基板からのX線
回折と同じ角度に現れるので区別が付かない。x=nπ
というピークはあるがこれも基板からの回折に含まれ
る。しかしこの場合の隣接ピークまでの角度は広くて、
ロッキングカーブ測定でも二つのピークが含まれるよう
な広い範囲を測定することはない。このように、波数ベ
クトルQに掛かる値が単位の格子間隔の場合は基板から
の回折と同じ角度に現れる。超格子からの信号と基板か
らの信号は同じ位置にでるから区別できない。
【0068】これは完全に基板と薄膜が格子整合してい
る理想的な場合である。AlGaAsをGaAs上に成
長させた場合は、格子整合していると言っても少しのズ
レがあるので、AlGaAsからの回折ピークはGaA
s基板からのピークと少しはずれる。これを利用してA
lの混晶比を求めることができるという事は既に説明し
た。強度因子I(Q)はさらに次のように計算できる。
【0069】
【数6】
【0070】
【数7】
【0071】
【数8】
【0072】これまでの説明は、超格子構造を取ったと
しても、その微視的な格子面の繰り返しからくるブラッ
グ回折は、基板の回折と重なっており薄膜のみの性質を
測定するためには不適当であるという事を明らかにして
いる。
【0073】もっと小さい間隔のピークを作る分母が
(5)には含まれている。それは大括弧の外部にある。
分母のsin関数の変数がQ(NAA +NBB )で
ある項である。Qに対する乗数が大きい場合は、ロッキ
ングカーブにおいて当然により細かいピークを作る。こ
れを説明する。sin関数が発散するということを、ブ
ラッグ回折の条件と比較できるように書き換えると、
【0074】 2(NAA +NBB )sinθ=mλ (9)
【0075】となる。格子整合した薄膜を成長させるの
であるから、層Aの面間隔dA も層Bの面間隔dB も基
板の面間隔dもほぼ同一である。超格子の一単位はNA
A +NBB の厚みをもつが、(9)式の次数を表現
するmがm=NA +NB であれば、その時の回折角θ
は、基板回折角と同じである。次数mがこれより少しで
も大きい整数値NA +NB +kであるとき或いは小さい
整数値NA +NB −hであるときも(9)を満足する限
り、式(5)を発散させることができる。これは超格子
だけの寄与である。kやhが整数値をとる場合、ロッキ
ングカーブはその角度で小さいピークを作る。これがサ
テライトである。例えばプラスにk番目のサテライトm
=NA +NB +kの場合、ブラッグ角は、
【0076】sinΘ=(NA +NB +k)λ/2(N
A +NB )になる。ロッキングカーブの横軸は2θであ
るから、この式を満たすΘの2倍の所2Θにピークがで
きる。サテライトのピークは超格子のみの寄与を含み、
基板の寄与を含まない。これが重要な点である。本発明
はこの原理を初めて見いだしたものである。そしてサテ
ライトピークが基板寄与を含まない事からサテライトに
よって薄膜のみの結晶欠陥の評価に利用できるという事
に初めて気づいている。本発明はこの発見に立脚したも
のであり、全く新規な発想に基づいている。
【0077】この点は重要であるので証明しなければな
らない。これはX線の方向Qと面とのなす角度Θを決め
ている。これは超格子の回折強度因子I(Q)を発散さ
せるが、基板の構造因子を発散させない。つまり基板か
らの対応する構造因子Fsub(Q)は、
【0078】 Fsub (Q)= fs sinMdQ/sindQ (10)
【0079】である。fs は基板の原子構造因子であ
る。たびたび言うがMdQやdQはベクトルの内積であ
る。分母が発散する角度は勿論、基板のブラッグ角si
nθ=λ/2dである。dQ=dQcosΦ=2πdc
osΦ/λ=2πdsinθ/λ=πであり、sinπ
=0であるから基板の構造因子Fsub (Q)はこのθで
発散する。
【0080】さて、(9)で与えられる先述のk番目の
サテライトのブラッグ角Θは、基板の構造因子をどのよ
うにするのか?これが問題である。Θの余角(足して9
0度になる角度)をΦ’として、cosΦ’を計算す
る。
【0081】 cosΦ’=sinΘ=(NA +NB +k)λ/2d(NA +NB )(11) である。サテライトの次数kは、もちろん超格子の一単
位の層の数NA +NB よりもずっと小さい。
【0082】 cosΦ’=λ/2d+kλ/2d(NA +NB ) (12) である。基板構造因子Fsub (Q)の分母sindQ
は、
【0083】 sin(dQ)=sin(dQcosΦ’)=sin(2πdcosΦ’/λ) (13) であるが、(12)を代入するとこれが0にならず、有
限確定値になる。
【0084】 sin(dQ)=−sin{kπ/(NA +NB )} (14)
【0085】これが0にならないという事が重要であ
る。基板の構造因子の分母がこのΘに対して発散しな
い。基板からの回折がピークを形成するのは、Fsub
(Q)がM(Mは層の数)に比例し実質的に発散する角
度である。分母を0とする角度と言っても良い。すると
先ほどのサテライトの角度Θに対しては分母が0になら
ず、Fsub (Q)が発散しない。2Θの方向への回折に
おいて、基板からの回折線は互いに打ち消し合うのであ
る。だからFsub (Q)が有限になる。
【0086】つまり2Θのピーク(サテライト)は基板
からの回折線の寄与がないのである。これが本発明を基
礎づける原理である。基板からの寄与がないということ
は、薄膜からの寄与だけがあるということである。先に
計算したものは薄膜の構造因子F(Q)である。これが
サテライトでピークをもつのは、薄膜が規則正しい規則
性をもつからである。この場合は層Aと層Bが規則正し
く交互に積層されているからサテライトでN(超格子の
繰り返し数)の二乗に比例する回折X線が存在するわけ
である。
【0087】もしも欠陥が超格子の中に存在すると、ロ
ッキングカーブのおいてサテライトのピークは下がる。
トポグラフというのは平行のX線を試料に当てて平行の
X線を回折させ、それによってフィルム等を露光したも
のである。フィルムの(x,y)点での露光量は、試料
の対応点の(x’,y’)でのロッキングカーブのその
角度Θの回折線の強度に比例する。トポグラフというの
は試料の表面の各点でロッキングカーブを取ったときの
サテライト強度を露光量に変換したものと考える事がで
きる。従ってサテライトの角度にあわせて撮影すると、
超格子のみの欠陥の空間分布が分かる事になる。このよ
うなことはこれまで誰も試みた事がない。だれも気づい
たこともないと言えよう。
【0088】以上で本発明の原理を述べた。実際にトポ
グラフを撮影する場合はさまざまの工夫が必要になる。
ウエハ−が歪んでいるとき(湾曲しているとき)は、同
じ方向からX線を入射しても面とX線のなす角度が場所
によって変動する。その場合は予め場所によって面方位
がどう変化するかを調べておき、ウエハ−の一部に帯状
のX線を照射し、ウエハ−を回転させながら、X線を走
査する。X線と面との角度を一定に保持しながら走査す
るのである。サテライトからの回折X線は弱いし、サテ
ライトと主ピークの角度間隔は狭いから歪のあるウエハ
−の場合、X線入射角と面の方位のなす角度を厳密にサ
テライト角度に合致させることは極めて大切な事にな
る。
【0089】
【実施例】
[実施例1(InP基板)] 基板となる2インチIn
Pウエハ−の透過型X線トポグラフを撮影した。図2に
その透過トポグラフ像を示す。模様のようなものはなく
縞状の構造もない。濃淡の分布もなく一様なトポグラフ
像である。InP基板が均一な単結晶であるからトポグ
ラフ像も均一である。
【0090】そのInP基板上に発光波長が1.3μm
となるInGaAsP多重量子井戸構造の活性層を有す
る半導体レ−ザ用単結晶薄膜を有機金属エピタキシャル
成長法によって形成した。図1にその構造を示す。In
P基板の厚みは350μmである。その上に0.5μm
のInPバッファ層、0.2μmの多重量子井戸活性層
(λg=1.3μm)、0.4μmのInPクラッド
層、0.2μm厚みのInGaAsキャップ層がエピタ
キシャル成長させてある。
【0091】エピタキシャル層を有する状態でロッキン
グカーブ測定をした。図3はロッキングカーブ測定の結
果を示す。横軸は2θ、縦軸は反射型回折X線の強度で
ある。63.3゜にあるピークAはInP(004)基
板からと基板に格子整合したエピタキシャル成長層から
の回折のピークである。これより大きい角度の側にサテ
ライトピークB(+1)、B(+2)、B(+4)、B
(+5)が存在する。基板ピークより低い角度の側に
は、B(−1)、B(−2)、B(−3)、B(−
4)、B(−5)のサテライトピークがある。
【0092】これらは超格子の周期性を反映したサテラ
イトである。ピークAの回折ピークをトポグラフ撮影す
ることもできるし、サテライトピークのトポグラフ像を
撮ることもできる。サテライトの場合は回折強度が小さ
いので露光時間が掛かる。
【0093】[ピークAのトポグラフ] 初めにピーク
Aの回折を用いて、2結晶反射トポグラフを撮影した。
この時、試料に対するX線の入射角度が一定である場合
はウエハ−全面のトポグラフ像が得られなかった。その
原因は、ウエハ−の反りである。ウエハ−が反っている
ので、結晶の格子面が湾曲しており、ウエハ−の全面
で、平行なX線が回折条件を満足できないからである。
【0094】そこで面状のビームによって全面のトポグ
ラフ像を撮影することを諦め、X線ビームを線状にし
た。線状のビームをウエハ−に照射し、これを線と直交
する方向に走査することにする。試料は回転可能に支持
する。試料をビームによって走査しながら、X線が照射
されている線状の領域において、常にピークAの回折条
件を満足できるように試料を微小回転させる。試料角度
の微調整によって、X線の試料面に対する入射角度は変
動するが、ビームと格子面のなす角度は一定に維持され
る。
【0095】その結果、図4に示すようなウエハ−全面
での2結晶反射トポグラフ像を撮影することができた。
中央部の上下に広い暗い部分がある。左右には明るい部
分がある。周辺部には同心円上の縞が発生している。外
周部の同心円縞の中に微弱であるが、碁盤目状の微細な
模様が見られる。このような縞状の模様や碁盤目状の模
様はInP基板には存在しなかったものである。である
から、同心円縞模様、碁盤模様はエピタキシャル成長工
程において薄膜に導入されたものであると考えられる。
【0096】さらに微かであるが、ウエハ−の中央部に
は、(横方向に)直線状の模様がみられる。これも薄膜
の欠陥を反映しているものと思われる。しかしピークA
はInP基板からの回折が主であるのでエピタキシャル
成長層のみの情報を抽出するのは難しい。そこでサテラ
イトピークについての回折像を撮影した。サテライトの
トポグラフを取るというところが本発明の新規なところ
である。
【0097】[サテライトピークB(−1)のトポグラ
フ]これは2θが62.8゜の辺りにピークを持つサテ
ライトである。主ピークAから約0.5゜低いところに
できる。入射方向を僅かに変えてサテライトB(−1)
のトポグラフを撮影することができる。但し主ピークに
比較して回折強度は弱い。当然撮影に長時間かかる。図
5はサテライトB(−1)のトポグラフである。10時
間かけて撮影したものである。
【0098】基板の回折ピークAから外れているから、
これは薄膜だけからの回折像である。中央部にくっきり
と直線が現れている。これは図4にも微かに見えるもの
であるが、図5では明瞭に見える。基板からの回折X線
を全く含まず、エピタキシャル成長層の情報のみからな
っている。従って図5のウエハ−中央の横方向の直線模
様はエピタキシャル成長層の結晶異常を現しているもの
と考えられる。このようにサテライトが現れ、サテライ
トのトポグラフを撮影する、という事は本発明によって
初めて提案された新手法である。
【0099】[ 実施例2(GaAs基板)] 初めに3
インチGaAs単結晶ウエハ−の2結晶トポグラフ像を
撮影した。これを図7に示す。半径方向に何本かの線が
見える。これは結晶方位が不連続になる部分を結ぶ線で
あろう。広く暗い部分もあるがこれは格子の傾きがある
ことを意味するのであろう。やはり反りのために一度で
全面のトポグラフを撮影することができない。そこで反
りに応じてGaAsウエハ−を微小回転させながら全体
のトポグラフ像を得た。
【0100】そのGaAs単結晶基板上に図6に示す薄
膜単結晶構造を分子線エピタキシャル成長法によって形
成した。厚さ400μmのGaAsウエハ−に、0.8
μmのGaAsバッファ層、0.2μm厚のAlGaA
s層、0.4μmのGaAs層がエピタキシャル成長し
てある。エピ層/基板からなる試料のロッキングカーブ
測定をした。その結果を図8に示す。横軸はX線の入射
角である。単位は秒である。有る基準角からのズレの角
度を秒によって表現したものである。縦軸は毎秒のX線
カウント数である。
【0101】中央の高いピークはGaAsの(422)
方向の回折ピークである。基板からの回折であるとこれ
まで述べてきたものである。これが最も高い。薄膜が薄
くてX線が薄膜で減衰せず基板まで到達した成分が多い
ということである。その左側には副ピークAがある。こ
れはAlGaAsからの回折線のピークである。AlG
aAs薄膜のAlの混晶比xは主ピークと副ピークAの
差の角度に影響する。Alの混晶比が0.5であれば、
主ピークとサテライトAの差の角度は175secであ
る。ここでは入射角の差が約20secであるから混晶
比は約0.06である。
【0102】副ピークAのさらに左側にサテライトB
1、B2が出現する。サテライトB1、B2はAlGa
Asエピタキシャル成長層の厚みを反映して現れるピー
クである。超格子ではないが、GaAsの中に、AlG
aAsが一層存在するので、GaAsとAlGaAsの
上下の境界でX線が多重反射する。AlGaAs層で多
重反射が可能なブラッグ角がサテライトB1、B2の角
度である。ロッキングカーブにおける角度の差はAlG
aAsの厚みを与える。従来はこれでとどまっていたの
である。
【0103】本発明はサテライトのトポグラフから薄膜
のみの情報が得られるというものである。そこでサテラ
イトB1の角度にX線の入射角を併せてトポグラフを撮
影した。これによって、AlGaAsのみの情報を得る
事ができる。その結果を9図に示す。3インチウエハ−
のうち横端の部分の約1インチ角の領域のみについてト
ポグラフを撮影している。サテライトからのX線は微弱
である。これでも10時間以上掛かる。ウエハ−全体で
なく一部に限定したのは検査時間を短縮するためであ
る。ウエハ−全体にするとさらに数倍の時間がかかる。
【0104】図7の基板のトポグラフと、図9の薄膜の
トポグラフを比較すると次のような事が分かる。セル状
の欠陥が図7に現れている。これは基板の欠陥である。
同じ位置に同じようなセル状の欠陥が図9にも見える。
これは薄膜の欠陥である。GaAs基板の欠陥がそのま
まエピタキシャル成長層に引き継がれていることが分か
る。
【0105】
【発明の効果】基板の上にエピタキシャル成長させた単
結晶薄膜は十分に厚くない限り、従来のX線回折法では
薄膜だけの結晶性を評価する事は不可能であった。X線
が基板にまで到達し基板からの回折線の強度が薄膜から
の回折よりもずっと強いからである。ロッキングカーブ
法でもトポグラフ法でも薄膜のみの結晶欠陥を調べるこ
とはできなかった。
【0106】本発明は、2結晶X線回折法を用いて、エ
ピタキシャル成長層の結晶欠陥に代表される結晶性の異
常を、基板結晶の異常とは、切り放して評価できる方法
を初めて提案する。主ピークの方向ではなくサテライト
の方位にX線を入射させサテライトからの回折X線によ
ってトポグラフ像を得る。これによって初めて薄膜のみ
の情報を、基板情報から分離して求める。
【0107】本発明は、エピタキシャル成長層が薄い場
合でも、薄膜単独の表面欠陥を知る事ができる。これに
よってエピタキシャル成長層(薄膜)の結晶性と、基板
の結晶性との相関を求めることができる。さらにこの相
関が、エピタキシャル成長条件によってどのように影響
されるのかという事もあきらかになる。このように基板
の上のエピタキシャル層を基板から分離してトポグラフ
を撮影できる方法は本発明が初めて提案するものであ
る。
【0108】半導体産業は基板の上にエピタキシャル成
長させた薄膜にデバイスを作製するようになっている。
このような場合、薄膜のみの特性を二次元的に求めるこ
とができる優れた方法を初めて提案することになる。本
発明の適用範囲は基板、薄膜の結晶性の相関の調査に限
定されない。その用途は極めて広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】InP基板上に多重量子井戸をエピタキシャル
成長させたウエハ−の断面図。
【図2】基板とするInPウエハ−の透過型トポグラフ
像の写真。
【図3】InP基板上に成長させた多重量子井戸のロッ
キングカーブの例。
【図4】InP基板上に多重量子井戸を成長させたウエ
ハ−の基板からの回折を与える主ピークに入射角を合致
させて撮影したトポグラフ像。
【図5】InP基板上に多重量子井戸を成長させたウエ
ハ−の薄膜超格子からの回折を与えるサテライトB(−
1)に入射角を合致させて撮影したトポグラフ像。
【図6】GaAs基板の上にGaAsバッファ層、Al
GaAs活性層、GaAs層をエピタキシャル成長させ
たウエハ−の概略断面図。
【図7】エピタキシャル成長の基板となる、GaAsウ
エハ−の2結晶反射トポグラフ像。
【図8】GaAs基板上に図6にしめす層をエピタキシ
ャル成長させたウエハ−に対するロッキングカーブの測
定結果を示すグラフ。
【図9】GaAs基板上に図6にしめす層をエピタキシ
ャル成長させたウエハ−に対しサテライトピークB1に
入射角を併せてウエハ−の一部のトポグラフを撮影した
場合の結果を示す写真。
【図10】2結晶反射トポグラフの原理的な構成を示す
平面図。
【図11】基板の上に、物質層Aと物質層Bとが繰り返
し成長した超格子構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 X線源 2 スリット 3 第1結晶 4 試料(第2結晶) 5 フィルム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線2結晶法を用いて単結晶基板上にエ
    ピタキシャル成長した単結晶薄膜の結晶性を評価する方
    法において、ロッキングカーブの主ピーク以外の単結晶
    薄膜の厚さの周期変化を反映して現れるピークの角度に
    X線の入射方向をあわせて2結晶トポグラフを撮影する
    ことによって基板結晶とは独立に単結晶薄膜のみの結晶
    性を評価することを特徴とする単結晶薄膜の評価方法。
  2. 【請求項2】 X線源に対する単結晶薄膜の平均吸収係
    数をμ、X線の結晶に対する入射角をβとし、単結晶基
    板上にエピタキシャル成長した単結晶薄膜の厚さがsi
    nβ/μ以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    単結晶薄膜の評価方法。
  3. 【請求項3】 X線2結晶法を用いて単結晶基板上にエ
    ピタキシャル成長した超格子薄膜の結晶性を評価する方
    法において、超格子の周期性によってロッキングカーブ
    に現れるサテライトピークの角度に入射角度を合致させ
    て2結晶トポグラフを撮影し、基板結晶とは独立に超格
    子薄膜の結晶性を評価することを特徴とする単結晶薄膜
    の評価方法。
  4. 【請求項4】 X線源に対する単結晶薄膜の平均吸収係
    数をμ、X線の結晶に対する入射角をθとし、超格子薄
    膜を含むエピタキシャル成長層の全厚さがsinθ/μ
    以下であることを特徴とする請求項3に記載の単結晶薄
    膜の評価方法。
  5. 【請求項5】 2結晶トポグラフの撮影を行うとき、試
    料の走査に伴って試料結晶の反りに応じて試料を回転さ
    せ、X線の試料に対する入射角度を調整し、所定の振動
    スペクトル或いはサテライトピークに対するX線の角度
    が一定になるようにしてトポグラフ撮影を行うようにし
    たことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載
    の単結晶薄膜の評価方法。
  6. 【請求項6】 選択的に撮影した単結晶薄膜のトポグラ
    フと基板のトポグラフを比較し結晶欠陥の伝搬の様子を
    解明することを特徴とする単結晶薄膜の評価方法。
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