JPH0931053A - ε−カプロラクタムの製造方法 - Google Patents

ε−カプロラクタムの製造方法

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JPH0931053A
JPH0931053A JP18545495A JP18545495A JPH0931053A JP H0931053 A JPH0931053 A JP H0931053A JP 18545495 A JP18545495 A JP 18545495A JP 18545495 A JP18545495 A JP 18545495A JP H0931053 A JPH0931053 A JP H0931053A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シクロヘキセンの水和反応により得られるシ
クロヘキサノールを脱水素反応によりシクロヘキサノン
とし、ついで、ヒドロキシルアミンと反応させてシクロ
ヘキサノンオキシムとし、更にベックマン転位させてε
−カプロラクタムを製造する方法において、ヒドロキシ
ルアミンとの反応に供されるシクロヘキサノンとして、
ガスクロマトグラフィ−分析による特定の低沸点不純物
の含有量が1200ppm以下のシクロヘキサノンを用
いることを特徴とするε-カプロラクタムの製造方法。 【効果】 従来の品質に劣らないε−カプロラクタムを
安価に製造することが可能となり、産業上有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出発原料をシクロヘキ
センとしたε−カプロラクタムの製造方法に関する。詳
しくは、シクロヘキセンを水と反応させてシクロヘキサ
ノールを合成し、シクロヘキサノールを脱水素反応して
シクロヘキサノンとした後、ベックマン転位によりε−
カプロラクタムを製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】ε−カプロラクタムは、主としてシクロヘ
キサノンをオキシム化し、生成したシクロヘキサノンオ
キシムをベックマン転位することにより製造されてお
り、このシクロヘキサノンオキシムは、シクロヘキサノ
ンとヒドロキシルアミンとを反応させて製造するのが一
般的である。
【0003】従来、ε−カプロラクタム製造の原料とな
るシクロヘキサノンの製造方法は、シクロヘキサンを分
子状酸素で酸化してシクロヘキサノールとシクロヘキサ
ノンの混合物を製造し、蒸留によりシクロヘキサノール
とシクロヘキサノンを分離し、シクロヘキサノールは脱
水素反応によりシクロヘキサノンとする方法、または、
フェノールを部分水素還元し、転位反応によりシクロヘ
キサノンを製造する方法等により工業的に生産されてい
る。
【0004】近年、シクロヘキサノールを工業的に生産
する方法として、シクロヘキセンをゼオライト系触媒の
存在下で水和する方法が注目されている。かかる方法に
関する報告は昭和40年代頃より多数なされてきている
が、工業的規模での生産も最近になってようやく行われ
るようになった。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】シクロヘキセンを
水和してシクロヘキサノールを製造する方法は、コスト
的に有利な方法であり、シクロヘキサノールの好ましい
製造方法の一つである。従って、該方法で製造されたシ
クロヘキサノールをε−カプロラクタムの製造原料とし
て利用することができれば工業的に有用であると考えら
れる そこで、本発明者らは当該製法で得られたシクロヘキサ
ノールを用いてε−カプロラクタムの製造を検討したと
ころ、他の方法で得られたシクロヘキサノールから製造
されたε−カプロラクタムと異なり、品質において本製
造方法における特有の問題が存在することが明らかとな
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】ε-カプロラクタムの品
質については、PZ、VB等の評価項目があるが、これ
らはε-カプロラクタム中に極微量含まれる不純物に由
来すると考えられる。従って、この不純物を除去すれば
ε-カプロラクタムの品質が向上すると考えられる。し
かしながら、上記不純物を同定するのは困難であるこ
と、また不純物がε-カプロラクタム製造工程中のどの
工程に由来するものなのかが不明であること、さらに
は、生成が予想される不純物の種類によってはその除去
が困難であることから、ε-カプロラクタムの品質を向
上させるには、どの工程のどのような不純物に注目する
かが問題となる。
【0007】本発明者らは、上記課題につき鋭意検討し
た結果、シクロヘキセンを出発原料としたε-カプロラ
クタムにおいては、水和、脱水素、オキシム化、ベック
マン転位等の様々な製造工程の中で、オキシム化反応工
程における原料であるシクロヘキサノン中の特定の不純
物の量を制御することにより、上記課題を解決すること
を見いだし、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、シクロヘキセ
ンの水和反応により得られるシクロヘキサノールを脱水
素反応によりシクロヘキサノンとし、ついで、ヒドロキ
シルアミンと反応させてシクロヘキサノンオキシムと
し、更にベックマン転位させてε−カプロラクタムを製
造する方法において、ヒドロキシルアミンとの反応に供
されるシクロヘキサノンとして、下記のガスクロマトグ
ラフィ−分析条件による不純物の含有量が1200pp
m以下のシクロヘキサノンを用いることを特徴とするε
-カプロラクタムの製造方法に存する。。
【0009】[ガスクロマトグラフィ−分析条件] (1) カラム:内壁にβ−シクロデキストリン20%
を含むシリコーン系液相化合物を膜厚0.5μmでコー
テイングしたフューズドシリカのキャピラリーカラム (2)カラムサイズ、長さ60m×内径0.53mm (3)カラム温度:初期温度75℃ で、昇温速度1.
5℃/分で100℃となるまで昇温し、その後5分間保
持し、次いで、昇温速度10℃/分で200℃となるま
で昇温し、その後20分間保持する。 (4)検出方法:水素炎イオン化検出法(FID) (5)キャリヤーガス:ヘリウム (6)キャリヤーガス流量:シクロヘキサノンのピーク
の保持時間(tR)を(19±1)分になるように一定
流量に調整する。 (7)不純物の含有量:保持時間が(0.30〜0.9
5)×tR(分)に検出される不純物ピークを定量す
る。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の製造方法では、まずシクロヘキセンと水を反応さ
せてシクロヘキサノールとする。シクロヘキセンの水和
反応は触媒として、通常、固体酸触媒を用いて反応を行
う。固体酸触媒としては、通常、ゼオライトやイオン交
換樹脂などが挙げられる。ゼオライトとしては、結晶性
のアルミノシリケートやアルミノメタロシリケート、メ
タロシリケート等の種々のゼオライトが利用でき、特に
ペンタシル型のアルミノシリケートまたはメタロシリケ
ートが好ましい。メタロシリケートに含まれる金属とし
ては、チタン、ガリウム、鉄、クロム、ジルコニウム、
ハフニウム等の金属元素が例示できるが、中でもガリウ
ムが好ましい。
【0011】水和反応としては、流動床式、攪拌回分方
式、連続方式等、一般的に用いられる方法で行われる。
連続方式の場合は、触媒充填連続流通式、及び攪拌槽流
通式のいずれも可能である。反応の温度は、シクロヘキ
センの水和反応の平衡の面や副反応の増大の面からは低
温が、また反応速度の面からは高温が有利である。最適
温度は、触媒の性質によっても異なるが、通常50〜2
50℃の範囲から選択される。
【0012】得られたシクロヘキサノールは、脱水素反
応に供されてシクロヘキサノンとされる。シクロヘキサ
ノールの脱水素反応は従来公知の方法のいずれでもよい
が、一般的には、脱水素触媒の存在下で200〜750
℃に加熱することにより行われる。脱水素触媒として
は、銅−クロム系酸化物、銅−亜鉛系酸化物などが例示
できる。この反応は平衡反応であり、生成物はシクロヘ
キサノンとシクロヘキサノールの混合物として得られる
ので、蒸留等によりシクロヘキサノンとシクロヘキサノ
ールを分離し、分離したシクロヘキサノールは脱水素反
応の原料として再利用される。
【0013】今回の本発明者らの検討により、上記の方
法で得られたシクロヘキサノン中には、従来注目されて
いなかった成分が微量含まれ、これらの不純物が製品ε
-カプロラクタムの品質を著しく損なうことが判明し
た。この原因の一つとして、シクロヘキサノン中に残存
した低沸点不純物がオキシム化反応の工程で相当するオ
キシム類となり、製品ε-カプロラクタム中に不純物と
して存在することが考えられる。また、これらの不純物
はシクロヘキサノンオキシムまたはε-カプロラクタム
中で分離精製することが困難である。
【0014】そこで、本発明では、オキシム化に供する
シクロヘキサノンとして、ガスクロマトグラフィ−を用
い、前記の条件において測定されるシクロヘキサノンよ
り低沸点成分と推定される特定不純物の含有量が120
0ppm以下、好ましくは1000ppm以下、特に好
ましくは600ppm以下のものを用いる。かかる純度
のシクロヘキサノンを得る方法としては、特定不純物が
1200ppm以下となるようにシクロヘキサノールの
脱水素反応の条件を調整する方法や、脱水素反応によっ
て得られたシクロヘキサノンの蒸留精製の条件を調整す
る方法が例示される。
【0015】こうして得られたシクロヘキサノンは、公
知の反応条件下でヒドロキシルアミンと反応させてシク
ロヘキサノンオキシムとする。ヒドロキシルアミンは単
独では安定な化合物ではないため、ヒドロキシルアンモ
ニウムの硫酸塩や硝酸塩の形で使用され、例えば、水溶
液中または非水溶液中でシクロヘキサノンとヒドロキシ
ルアンモニウム硫酸塩を反応させる。
【0016】次いで、シクロヘキサノンオキシムは、公
知の方法によりベックマン転位させてε−カプロラクタ
ムとする。例えば、濃硫酸または発煙硫酸中でベックマ
ン転位させてε-カプロラクタム硫酸塩とした後、アル
カリで中和する方法、シクロヘキサノンオキシムを固体
酸触媒存在下、気相もしくは液相でベックマン転位させ
る方法、液相で触媒が均一に溶解した状態でベックマン
転位させる方法等が挙げられる。いずれの方法において
も、得られたε-カプロラクタムは蒸留や晶析等により
精製されて製品とする。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例に限定
されるものではない。実施例におけるシクロヘキサノン
中のメチルシクロペンタノン類の定量はガスクロマトグ
ラフィーにより行った。
【0018】[ガスクロマトグラフィ−分析条件] ・装置:島津(株)製GC−14A ・ カラム:スペルコ社製 WAX β−DEX 11
0(内壁にβ−シクロデキストリン20%を含むシリコ
ーン系液相化合物を膜厚0.5μmでコーテイングした
フューズドシリカのキャピラリーカラム)、長さ60m
×内径0.53m ・カラム温度:初期温度75℃ で、昇温速度1.5℃
/分で100℃となるまで昇温し、その後5分間保持
し、次いで、昇温速度10℃/分で200℃となるまで
昇温し、その後20分間保持する。
【0019】 ・検出方法:水素炎イオン化検出法(FID) ・キャリヤーガス:ヘリウム ・キャリヤーガス流量:シクロヘキサノンのピークの保
持時間(tR)を(19±1)分になるように一定流量
に調整した結果、供給圧力140KPa、セプタムパー
ジ流量14ml/min、スプリット流量28ml/m
inに設定した。
【0020】・注入口温度:220℃ ・検出器温度:240℃ ・試料注入量:0.2μl ・内部標準物質:nーテトラデカン ・試料:試料液10gとn−テトラデカン0.05gの
混合液を分析用試料として用いた。 ・不純物の定量方法:保持時間が(0.30〜0.9
5)×tR(分)に検出される不純物のピーク高さよ
り、内部標準法でシクロヘキサノン換算での不純物量定
量した。
【0021】なお、ガスクロマトグラフィ−において、
内部標準物質は分離度が良好な物であれば上記のnーテ
トラデカンに限定されるものではない。また、不純物の
定量方法については不純物のピーク面積を基準に測定し
てもよい。 実施例1 (1)シクロヘキセンの水和反応 水和触媒としてガリウムシリケート(Si/Ga原子比
=25/1)を用いた。攪拌翼を備えたオートクレーブ
にシクロヘキセン15重量部、水30重量部、水和触媒
10重量部を入れ窒素雰囲気化、120℃で1時間反応
させた。
【0022】(2)シクロヘキサノールの精製 上記で得られたシクロヘキサノール混合物を10段の精
留塔で精製し、純度99.9%の精製シクロヘキサノー
ルを得た。 (3)シクロヘキサノールの脱水素反応 精製シクロヘキサノールを気化して250℃に設定され
た銅−亜鉛触媒を充填した管状反応器に、反応圧力0.
17MPa(0.7kg/cm2G)、LHSV(液空
間速度)2.4hr-1で供給して脱水素反応を行った。
シクロヘキサノンの収率は60%であった。
【0023】(4)シクロヘキサノンの精製 シクロヘキサノンを30段の精留塔で還流比30で蒸留
精製して低沸点成分を3%除去し、ついで、40段の精
留塔でシクロヘキサノールを除去した。得られた精製シ
クロヘキサノンは、特定不純物を900ppm含有して
いた。 (5)シクロヘキサノンオキシムの製造 ジャケット付き攪拌槽に仕込んだ45%ヒドロキシルア
ミン硫酸塩水溶液を85℃に加熱して、精製シクロヘキ
サノンを滴下した。この時、反応液のpHが4.0〜
4.5になるようにアンモニア水を同時に滴下した。シ
クロヘキサノンの滴下が終了した後、反応を完結するた
め30分攪拌し続け、その後、静置分離して油相をシク
ロヘキサノンオキシムとして採取した。シクロヘキサノ
ンオキシム中に含まれる水分は減圧下で脱水した。
【0024】(6)ベックマン転位 ベックマン転位液の酸度が57%、遊離のSO3濃度が
7.5%になるような比率で、かつ、反応器内での滞留
時間が1時間になるように、シクロヘキサノンオキシム
と25%発煙硫酸(オリウム)をジャケット付き攪拌槽
に同時に滴下した。この時、局所的な発熱を抑制するた
め、攪拌速度100rpm以上で攪拌し、また、ジャケ
ットに冷却水を流して反応温度を70〜100℃に維持
した。 (7)SO3処理 こうして得られたベックマン転位液をジャケット付き攪
拌槽(500ml)に移送し、SO3濃度を7.0〜
7.5%に保持し、攪拌速度300rpm以上で攪拌し
ながら、処理温度90〜125℃で2時間処理し、SO
3処理液を得た。
【0025】(8)後処理 得られたSO3処理液をアンモニア水で中和した。中和
反応はジャケット付き攪拌槽に温水を通し、中和温度7
0℃、pH7.0〜7.5で行った。続いて、上記中和
液をベンゼンにて抽出した。抽出は分液ロートに中和
液、ベンゼンを入れ、10分間震とう後、5分間静置し
て油相のみを採取し、水相は再度ベンゼンにて抽出し
た。この際、使用するベンゼン量は、理論量のε−カプ
ロラクタム濃度が18重量%になるように調整した。こ
うして合計3回、ベンゼンによる抽出を行った後、常法
によりベンゼンを留去して粗ε−カプロラクタムを得
た。最後に粗ε−カプロラクタムを蒸留により精製し
た。蒸留は粗ε−カプロラクタムに適量の25%苛性ソ
ーダ水溶液を添加した後、初留10重量%、主留80重
量%、釜残10重量%の3部分に分けて採取し、主留分
を品質評価の対象とした。
【0026】(9)ε−カプロラクタムの品質評価方法 得られた精製ε−カプロラクタムの品質を以下の2規格
について評価した。 PZ(過マンガン酸カリ価) ε−カプロラクタム試料1gを水100mlに溶解し、
これに0.01N−過マンガン酸カリウム水溶液1ml
を加え、攪拌し、比較標準液(塩化コバルト(CoCl
2・6H2O)3.0gと硫酸銅(CuSO4・5H2O)
2.00gを水で1000mlに希釈したもの)と同一
色になるまでの時間。
【0027】VB(揮発性塩基) 2N苛性ソーダ水溶液400mlにε−カプロラクタム
を30g溶解して1時間煮沸し、発生する分解ガスおよ
び蒸留水を0.02N塩酸水溶液4mlを溶解した脱塩
水500ml中に吹き込ませる。その後、この脱塩水を
0.1N苛性ソーダで滴定し、塩酸の減少分をアンモニ
ア換算した数値。得られた結果を表−1に示す。
【0028】実施例2 シクロヘキサノンの精製で、シクロヘキサノンを30段
の精留塔で還流比30で蒸留精製して低沸点成分を3%
除去した後、50段の精留塔で還流比30で蒸留精製し
て低沸点成分を除去し、ついで、40段の精留塔でシク
ロヘキサノールを除去した以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた精製シクロヘキサノンと精製ε−カプロラ
クタムの品質について表−1に示す。また、この精製シ
クロヘキサノンについてのガスクロマトグラムを図1に
示す。
【0029】比較例1 シクロヘキサノンの精製で、30段の精留塔で還流比3
0で蒸留精製による低沸点不純物の除去を行わなかった
以外は実施例1と同様に行った。得られた精製シクロヘ
キサノンと精製ε−カプロラクタムの品質について表−
2に示す。また、この精製シクロヘキサノンについての
ガスクロマトグラムを図2に示す。
【0030】比較例2 シクロヘキサンの酸化で得られたシクロヘキサノールを
蒸留精製して低沸点成分を27%除去した精製シクロヘ
キサノンを使用した以外は実施例1と同様に行った。結
果を表−2に示す。
【0031】比較例3 シクロヘキサンの酸化で得られたシクロヘキサノールを
蒸留精製して低沸点成分を12%除去した精製シクロヘ
キサノンを使用した以外は実施例1と同様に行って、ε
−カプロラクタムの品質を評価した。結果を表−2に示
す。また、この精製シクロヘキサノンについてのガスク
ロマトグラムを図3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】表−1、2より、シクロヘキサノンの特定
の不純物を1200ppm以下のものを用いることによ
り、ε−カプロラクタムの品質を向上させることができ
ることがわかる。また、このような特定の不純物の少な
いシクロヘキサノンを用いた効果は、シクロヘキセンを
出発原料にした場合に特有であって、これまで通常行わ
れてきたシクロヘキサンを出発原料とした場合、特に比
較例3では、本願で規定する不純物の範囲内であって
も、得られるε−カプロラクタムの品質が劣ることがわ
かる。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、シクロヘキセン
を出発原料として、従来の品質に劣らないε−カプロラ
クタムを安価に製造することが可能となり、産業上有用
である。
【0036】
【図面の簡単な発明】
【0037】
【図1】図1は実施例2の精製シクロヘキサノンについ
てのガスクロマトグラムである
【0038】。
【図2】図2は比較例1の精製シクロヘキサノンについ
てのガスクロマトグラムである
【0039】。
【図3】図2は比較例3の精製シクロヘキサノンについ
てのガスクロマトグラムである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロヘキセンの水和反応により得られ
    るシクロヘキサノールを脱水素反応によりシクロヘキサ
    ノンとし、ついで、ヒドロキシルアミンと反応させてシ
    クロヘキサノンオキシムとし、更にベックマン転位させ
    てε−カプロラクタムを製造する方法において、ヒドロ
    キシルアミンとの反応に供されるシクロヘキサノンとし
    て、下記のガスクロマトグラフィ−分析条件による不純
    物の含有量が1200ppm以下のシクロヘキサノンを
    用いることを特徴とするε-カプロラクタムの製造方
    法。 [ガスクロマトグラフィ−分析条件] (1) カラム:内壁にβ−シクロデキストリン20%
    を含むシリコーン系液相化合物を膜厚0.5μmでコー
    テイングしたフューズドシリカのキャピラリーカラム (2)カラムサイズ、長さ60m×内径0.53mm (3)カラム温度:初期温度75℃ で、昇温速度1.
    5℃/分で100℃となるまで昇温し、その後5分間保
    持し、次いで、昇温速度10℃/分で200℃となるま
    で昇温し、その後20分間保持する。 (4)検出方法:水素炎イオン化検出法(FID) (5)キャリヤーガス:ヘリウム (6)キャリヤーガス流量:シクロヘキサノンのピーク
    の保持時間(tR)を(19±1)分になるように一定
    流量に調整する。 (7)不純物の含有量:保持時間が(0.30〜0.9
    5)×tR(分)に検出される不純物ピークを定量す
    る。
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