JPH09309823A - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JPH09309823A
JPH09309823A JP12492996A JP12492996A JPH09309823A JP H09309823 A JPH09309823 A JP H09309823A JP 12492996 A JP12492996 A JP 12492996A JP 12492996 A JP12492996 A JP 12492996A JP H09309823 A JPH09309823 A JP H09309823A
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JP
Japan
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meth
acrylate
pressure
organic peroxide
sensitive adhesive
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JP12492996A
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English (en)
Inventor
Takayuki Oka
孝之 岡
Kenji Tsubota
建治 坪田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凝集力に優れ、経時的に粘着物性が変化するこ
とのない安定性に優れた貼付剤を提供する 【解決手段】支持体及び(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル(共)重合体を主成分とする粘着剤層からなる貼
付剤に、10時間分解半減期が40〜70℃の有機過酸
化物(ラウロイルパーオキサイド等)を含有させ、さら
に加温する。これにより、有機過酸化物が分解し(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体の架橋を
引き起こし、粘着剤層の凝集力を著しく向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貼付剤、特に医療用
の用途に適した貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、簡便なる経皮投与手段として、プ
ラスター剤、パップ剤等の経皮吸収製剤が汎用されてい
る。これら経皮吸収製剤の粘着剤としては、アクリル系
粘着剤、ゴム系粘着剤等が用いられており、なかでもア
クリル系粘着剤は、アクリル系モノマーを種々に組み合
わせることによって粘着力等の物性をコントロールでき
ることから広く用いられている。
【0003】一般に経皮吸収製剤は、アクリル系粘着剤
等のベースポリマーを溶液重合やエマルジョン重合によ
って製造し、そのポリマー溶液に薬物や添加物を混合
後、溶媒を乾燥除去することにより製造される。
【0004】経皮吸収製剤は、人体に貼付するものであ
るため、粘着物性を狭い範囲で制御することが要求され
る。すなわち貼付中においては浮きや剥がれが生じず、
剥離の際には痛みや皮膚に損傷を与えないことが必要で
ある。
【0005】近年、特に経皮吸収製剤の使用にあたって
皮膚刺激の低減化が要求されるようになり、その手段の
一つとして粘着剤と相溶する液状成分を配合し油性ゲル
にする方法が知られているが、この場合、液状成分の可
塑化作用により刺激低減化効果は高められるが、粘着剤
の凝集力が低下し、糊残りや糸引き等の問題が生じる。
【0006】これに対し、例えば特開平3−22321
2号公報には、液状成分を配合して塗工した後架橋処理
を施し、油性ゲルの医療用貼付剤にすることで凝集力の
低下を防止できることが開示されている。しかしなが
ら、一般的な架橋処理は、医療用貼付剤としての性能に
様々な問題を生じさせる場合がある。例えば、紫外線や
電子線などの放射線照射による物理架橋では、放射線照
射により薬物が分解する場合がある。
【0007】また、最もよく利用される架橋方法として
イソシアネート化合物、エポキシ化合物、多価金属化合
物などの架橋剤を用いた化学架橋があるが、この場合、
粘着剤の主成分である(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルに、架橋剤と反応可能な官能基(カルボキシル基、
水酸基など)を含有する単量体を共重合することが必須
である。しかしこれらの官能基は、イオン性薬物を使用
する場合にイオン的相互作用など薬物に影響を生じるこ
とがある。
【0008】さらに上記架橋剤の多くは反応性が高く、
配合後、短時間で溶液の増粘現象が生じ、作業性が低下
する。逆に反応性が低い架橋剤を適用する場合でも、塗
工後、架橋が徐々に進行するため粘着物性の経時安定性
に問題が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであり、その目的は、凝集力に優れ、経
時的に粘着物性が変化することのない安定性に優れた貼
付剤を提供する点である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の貼付剤は、支持
体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合
体を主成分とする粘着剤層からなる。
【0011】上記支持体としては、柔軟性を有し、貼付
剤に自己支持性を付与し、かつ粘着剤層中の薬物の揮散
や移行を防止するものであれば特に限定されず、その素
材としては例えば、酢酸セルロース、エチルセルロー
ス、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EM
A)、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ア
ルミニウム等が挙げられる。
【0012】上記支持体は、フィルム又は織布・不織布
として用いられ、例えば単層のフィルムやシート、又は
2種以上を積層したフィルムやシートとして用いてもよ
い。上記支持体の厚みは、人体の動作に追随するのに十
分な柔軟性を有する程度であることが好ましく、通常5
00μm以下、好ましくは40〜200μmである。ま
た、支持体の粘着剤層と接する面には、粘着剤層との接
着性を高めるため、必要に応じて下塗り加工、コロナ放
電処理、薬品酸化処理、オゾン処理等が施される。
【0013】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)
アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキ
シル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アク
リル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル
酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸ステアリル等の炭素数1〜18のアルキル基から
なる(メタ)アクリル酸のエステルが挙げられ、これら
のうちの一種以上が用いられる。
【0014】さらに、必要に応じて(メタ)アクリル酸
アルキルエステルと共重合可能な単量体を添加してもよ
く、他の単量体としては、例えば、N−ビニルピロリド
ン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等が挙げ
られ、さらに、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミ
ド基、エポキシ基、アミノ基等を有する単量体が挙げら
れる。
【0015】上記カルボキシル基を有する単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。上記ヒド
ロキシル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシプロピル、マレイン酸モノ(ヒドロキシエチ
ル)、モノ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、モ
ノ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール等が挙げら
れる。
【0016】上記アミド基を有する単量体としては、例
えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。上記エ
ポキシ基を有する単量体としては、例えば、(メタ)ア
クリル酸グリシジル等が挙げられる。上記アミノ基を有
する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ジメ
チルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミ
ノエチル等が挙げられる。
【0017】上記単量体は、粘着剤の粘着性、凝集性に
影響を及ぼさない程度に添加され、通常単量体全体の
0.01〜50重量%である。
【0018】また他の単量体として、ビニル基、アリル
基等のラジカル重合性の官能基を1分子中に2以上有す
る多官能性単量体を用いると、より高重合度の共重合体
が得られ、粘着剤の凝集力が向上する。上記多官能性単
量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、メチレンビ
スアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキ
シレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチ
レンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】多官能性単量体は、多くなると反応時の重
合度の調整が困難になり反応液がゲル化しやすく、薬剤
の均一混合工程が困難になるため、通常単量体全体の
0.001〜0.1重量%である。
【0020】上記(共)重合体としては、好ましくは、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99重量
%、N−ビニルピロリドン1〜50重量%からなる組成
物100重量部に対して多官能性単量体0.001〜
0.1重量部を含有する共重合体;メタクリル酸2−エ
チルヘキシルを40〜90重量%含有するアルキル基の
炭素数6以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルか
らなる組成物100重量部に対して多官能性単量体0.
001〜0.1重量部を含有する共重合体等が挙げられ
る。
【0021】上記(共)重合体の製造方法としては、例
えば、まず重合反応器に窒素ガスをパージし、器内に残
存する空気を排出する。次いで所定量の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル等の単量体を供給する。この時単
量体は、所定量を一括して供給してもよいし、適当な比
率で分割して供給してもよい。さらに必要に応じて重合
開始剤を添加し、重合反応を進行させる。この時重合開
始剤は、所定量を一括して供給してもよいし、分割して
供給してもよい。
【0022】上記重合開始剤としては、例えば、パーオ
キシエステル(ラウロリルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイドなど)、パーオキシカーボネート、ケト
ンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパー
オキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパー
オキサイド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチ
ル等のアゾ化合物などが挙げられ、これらは単独または
2種以上を併用して用いられる。
【0023】上記重合開始剤は、反応温度により選択さ
れ、使用量は単量体組成物100重量部に対し、0.0
001〜5重量部が好ましい。
【0024】上記溶液重合に用いられる溶剤としては、
例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエ
ステル系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶
剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソル
ブ系溶剤などが挙げられ、これらのうちの一種以上が用
いられる。
【0025】上記重合の反応温度は、低くなると反応性
が小さくなり重合に時間を要するため生産性が低下し、
高くなると初期の反応性が大きくなり重合反応の制御が
困難となるので、50〜120℃が好ましく、より好ま
しくは60〜100℃である。反応は50〜120℃の
間の一定温度で行ってもよいし、適当な時間ごとに温度
を変えて反応を行ってもよい。
【0026】前記粘着剤層には薬物及び有機過酸化物が
含有され、さらに粘着剤層は所定温度で加温される。上
記薬物としては、経皮的に生体膜を透過して薬効を発揮
するものであれば特に限定されず、例えば、ニフェジピ
ン、クロニジン等の降圧剤、ニトログリセリン、硝酸イ
ソソルビド等の血管拡張剤、エストラジオール、プロゲ
ステロン等のステロイドホルモン剤、リドカイン等の麻
酔剤、インドメタシン、ケトプロフェン等の消炎鎮痛
剤、プレドニゾロン、デキサメタゾン等のステロイド系
抗炎症剤、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン等
の抗ヒスタミン剤などが挙げられる。
【0027】上記有機過酸化物は所定温度で加温される
ことにより分解し、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル(共)重合体の水素引き抜き反応が生じる。この水素
引き抜き反応は(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(共)重合体の架橋を引き起こし、粘着剤層の凝集力を
著しく向上させる。
【0028】有機過酸化物は、水素引き抜き能力が高か
ったり、分解温度が高すぎたりすると、高温での処理が
必要となるため薬物の分解を伴う可能性があり、又は薬
物が分解しない温度で長時間保存しなければならない。
逆に水素引き抜き能力が低かったり、分解温度が低すぎ
たりすると、塗工溶液の配合の段階で有機過酸化物の分
解が生じるなどして、目的とする架橋効果が得られな
い。従って、本発明においては、10時間分解半減期が
40〜70℃の有機過酸化物が用いられる。
【0029】上記有機過酸化物の含有量は、少なくなる
と十分な架橋効果が得られず、多くなると架橋度が大き
くなりすぎて粘着物性が大きく変化したり、有機過酸化
物が残存して保存中に架橋が進行し粘着物性に経時変化
が生じたり、有機過酸化物の分解物が多量に生じるた
め、上記粘着剤層中に0.05〜1重量%であり、好ま
しくは0.06〜0.3%重量である。
【0030】有機過酸化物は、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル(共)重合体と薬物を配合させる際に添加
するか、あるいは(メタ)アクリル酸アルキルエステル
を重合する際の開始剤として使用し、重合後に所要量が
残存するように調製してもよい。有機過酸化物を重合開
始剤として使用する場合、有機過酸化物の添加量と重合
温度から下記式により、各時間による有機過酸化物の残
存量を算出し、重合終了時間が設定される。なお、式中
〔I〕は有機過酸化物濃度、〔I〕0 は初期(t=0)
における有機過酸化物濃度、tは時間、Aは頻度因子、
Ea は活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは温度を示
す。
【0031】 〔I〕/〔I〕0 =e-kt ,k=Ae-Ea/RT
【0032】上記粘着剤層の加温温度は、低くなると有
機過酸化物が十分に分解せず架橋が進行しないので凝集
力向上効果が得られなくなり、高くなると薬物の分解を
伴う可能性があるので、40〜70℃である。
【0033】上記粘着剤層は、あらかじめ支持体に積層
された状態、例えば、塗工後の巻き取ったロール状態や
シートの状態、あるいは特定サイズに裁断し包材に閉塞
した状態で加温されてもよく、この場合、加温は40〜
70℃に調製できる恒温槽や恒温質で実施される。ま
た、剥離紙上に粘着剤溶液を塗工後、乾燥させ、さらに
その状態で加温されてもよく、乾燥温度が40〜70℃
で加温時間が比較的短時間でよい場合であれば、乾燥工
程と併用することもでき効率的である。
【0034】有機過酸化物は、半減期温度で完全に分解
させるためには、半減に要する時間の5〜10倍の時間
が必要である。本発明においては粘着物性を安定にする
ため有機過酸化物を完全に分解させ、反応を終了させる
必要がある。従って厳密には使用する有機過酸化物の種
類(10時間半減期温度)と含有量、及び加温温度によ
り必要な時間が設定される。
【0035】加温時間が短いと未反応の有機過酸化物が
残存し、保存中に粘着物性が変化する。また反応が終了
していれば粘着物性は安定するため、必要以上に加温し
なくてもよい。従って効率よく架橋させ、粘着物性を安
定させるには3〜8日が好ましい。例えば、有機過酸化
物としてラウロイルパーオキサイド(10時間分解半減
期62℃)を(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(共)重合体の0.05〜0.1重量%含有させ、塗工
後50〜70℃で加温する場合の時間は5〜7日が好適
である。
【0036】上記有機過酸化物としては、例えば、ラウ
ロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド等
のジアルキルパーオキサイド;アセチルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド;クミルパーオキシオクタ
ノエート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、
t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート等のパーオ
キシエステル;ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシカ
ーボネート、ジミリスチルパーオキシカーボネート、ジ
ミリスチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシカ
ーボネートなどが挙げられ、これらのうちの一種以上が
用いられる。特に分解生成物の毒性が低く、貼付剤に用
いた場合に適度な架橋効果を有する等の点からラウロイ
ルパーオキサイドが好ましい。
【0037】上記粘着剤層には、さらに必要に応じて適
量の可塑化剤、吸収促進剤、薬物溶解剤、粘着付与剤、
架橋剤、酸化防止剤、安定化剤、充填剤等が添加されて
もよい。特に、皮膚刺激低減化には(メタ)アクリル酸
アルキルエステルに相溶する液状成分(ミリスチン酸イ
ソプロピル等)を添加すると効果的である。
【0038】本発明の貼付剤は、粘着テープ製造の常法
に従い調製することができ、例えば、溶剤塗工法、ホッ
トメルト塗工法、電子線硬化エマルジョン塗工法等を用
いることができ、なかでも溶剤塗工法が好ましい。溶剤
塗工法により貼付剤を調製するには、例えば、粘着剤溶
液に(配合時に添加する場合は)有機過酸化物、薬物、
及び必要に応じて吸収促進剤、可塑剤等の添加物を溶解
又は分散させ、得られる溶液を支持体の片面に塗布・乾
燥し、所定の厚みの粘着剤層を形成する。上記溶液を剥
離紙上に塗布・乾燥した後、得られる粘着剤層に支持体
を密着させてもよい。加温は所望の時点で行われる。
【0039】粘着剤層の厚みは、使用目的により異なる
が、小さくなると必要量の薬物を含有することができな
くなり、大きくなると支持体付近の薬物が粘着剤層中に
十分に拡散せず薬物放出率が低下するので、通常10〜
200μmである。
【0040】本発明の貼付剤は、使用時までその粘着剤
層を保護するため、通常剥離紙を有している。上記剥離
紙としては、一般にポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンコート上質紙、ポリプロピレンフィル
ム等にシリコン処理したものが用いられる。剥離紙の厚
みは、1000μm以下、好ましくは30〜200μm
である。
【0041】
【実施例】以下に本発明を実施例において説明する。 〔粘着剤溶液Aの調製〕攪拌機、温度調節機、窒素ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた五つ口フラスコを用
いた。この器内に窒素ガスをパージし、残存する空気を
排出して窒素置換した。次いで下記に示す単量体及び酢
酸エチルを供給して30rpmで攪拌し、窒素ガスを吹
き込みながら昇温し、約30分間沸騰還流して余剰酸素
を排出した。その後重合器内を75℃に設定した。
【0042】 アクリル酸2−エチルヘキシル 75g N−ビニル−2−ピロリドン 25g ヘキサメチレンジオールジメタクリレート 0.02g 酢酸エチル 100g
【0043】次いで、開始剤溶液として、ラウロイルパ
ーオキサイド1gを全量30mlになるように酢酸エチ
ルに溶解させた。この溶液を逐次添加して窒素雰囲気下
で重合を行った。重合は30時間行い、冷却後、共重合
体濃度が30重量%となるように酢酸エチルを添加し、
均一に混合して粘着剤溶液Aを得た。
【0044】〔粘着剤溶液Bの調製〕単量体として下記
のものを用いたこと以外は、上記粘着剤溶液Aの調製方
法と同様にして粘着剤溶液Bを得た。 メタクリル酸2−エチルヘキシル 168g アクリル酸2−エチルヘキシル 21g メタクリル酸ラウリル 21g ヘキサメチレンジオールジメタクリレート 0.02g 酢酸エチル 90.2g
【0045】〔粘着剤溶液Cの調製〕重合時間を22時
間としたこと以外は、上記粘着剤溶液Aの調製方法と同
様にして粘着剤溶液Cを得た。なお、ラウロイルパーオ
キサイド(有機過酸化物)の残存量は、固形分中0.1
6重量%であった。
【0046】〔粘着剤溶液Dの調製〕重合時間を24時
間としたこと以外は、上記粘着剤溶液Aの調製方法と同
様にして粘着剤溶液Dを得た。なお、ラウロイルパーオ
キサイド(有機過酸化物)の残存量は、固形分中0.0
7重量%であった。
【0047】(実施例1〜12、比較例1〜9)表1に
示す組成となるように、上記粘着剤溶液A〜D(表中の
数値は固形分としての値)、有機過酸化物及び添加物と
してミリスチン酸イソプロピルを配合し、得られた塗工
液をナイフコーターで、乾燥後の厚みが50μmとなる
ようにPET剥離紙上に塗工した。これを60℃で30
分乾燥させ、粘着剤層を形成し、PET/EVA積層フ
ィルムのEVA面を接着剤層と貼り合わせた。これをア
ルミ包材で閉塞し、表1に示す条件で加温し、貼付剤を
作成した。
【0048】なお、上記実施例及び比較例に用いた有機
過酸化物の10時間分解半減期は以下の通りである。
( )内は表中の記載である。 ラウロイルパーオキサイド(LPO) 10時間分解半減期 62℃ ジミリスチルパーオキシジカーボネート(MPOC) 〃 40.9℃ t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート(HPOH) 〃 49.7℃ アセチルパーオキサイド(APO) 〃 68℃
【0049】
【表1】
【0050】〔保持力試験〕上記実施例及び比較例で得
られた貼付剤について、JIS Z 0237に準拠し
て保持力試験を行った。上記各貼付剤を、幅25mm×
長さ150mmに裁断し、ステンレス板に25mm×2
5mmの面積が接するように、2kgのローラーを30
0mm/分の速度で一往復させて圧着した。さらにこれ
を40℃の恒温槽に20分以上放置した後、試料が垂直
状態になるようにして下端に1kgのおもりを付けて荷
重をかけ、おもりが落下するまでの時間(保持時間)を
測定した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】比較例2の貼付剤は、粘着力が低下してお
り、ステンレス板との接着面で剥離脱落し、保持力は測
定できなかった。
【0053】実施例1〜5の貼付剤は、比較例1〜4の
貼付剤に比べていずれも保持時間が長く、凝集力が大き
いことが認められた。また実施例6〜9、比較例5〜6
は、液状成分のミリスチン酸イソプロピルが配合されて
いるが、実施例はいずれも比較例に比べて有意に保持力
が向上した。従って、皮膚刺激低減化の一手段である液
状成分を添加する系においても、凝集力を低下させるこ
となく優れた貼付性が得られる。
【0054】また実施例10〜12、比較例7〜9は、
重合開始剤として有機過酸化物を用い、重合時間を短縮
して有機過酸化物を残存させた粘着剤を使用した系であ
るが、この系においても実施例は比較例に比べて保持時
間が長く、凝集力が大きいことが認められた。従って、
粘着剤の重合に10時間分解半減期が40〜70℃の有
機過酸化物を重合開始剤として用い、計画的に所要量残
存させることで、凝集力が高く優れた貼付性を有する貼
付剤が得られる。
【0055】
【発明の効果】本発明の貼付剤は、上述の構成とするこ
とにより、薬物に対する影響が小さい温度条件下におい
て粘着剤の架橋を進行させ、粘着剤の凝集力を著しく向
上させることができるため、容易に貼付性に優れた貼付
剤を得ることが出来る。また、含有されている有機過酸
化物は、加温により完全に分解するため、長期にわたっ
て安定な粘着物性を有する貼付剤を得ることが出来る。
【0056】さらに、液状成分を配合する場合も、凝集
力が低下しないため、貼付性に優れた低刺激性の貼付剤
を得ることが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体及び(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステル(共)重合体を主成分とする粘着剤層からなる貼
    付剤であって、前記粘着剤層が、薬物及び10時間分解
    半減期が40〜70℃の有機過酸化物0.05〜1重量
    %を含有し、さらに40〜70℃で加温されていること
    を特徴とする貼付剤。
  2. 【請求項2】上記有機過酸化物がラウロイルパーオキサ
    イドであることを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
JP12492996A 1996-05-20 1996-05-20 貼付剤 Pending JPH09309823A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001213768A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Okayama Taiho Pharmaceutical Co Ltd パップ剤
CN100460948C (zh) * 2004-06-03 2009-02-11 日东电工株式会社 剥离力调整方法、粘合剂层及带粘合剂的光学构件

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