JPH09307126A - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
薄膜太陽電池およびその製造方法Info
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Abstract
出しのために基板裏面側に設けた第三電極層を、入射光
の反射および集電のための基板側の第三電極内層と、レ
ーザ加工時の基板表面側の他の層への影響を防ぐために
第三電極外層とからなる複合層としたとき、第三電極内
層と第三電極外層、第三電極外層と半導体層等の電池化
学的な反応、あるいはその反応による太陽電池特性の低
下を防止する。 【解決手段】表面側の第三電極外層72としてNiある
いはその合金とし、基板1側の第三電極内層71として
Alあるいはその合金とする。これにより電気化学反
応、拡散あるいは合金反応が抑止され、第三電極外層7
2の変色や、太陽電池特性の低下が起きず、信頼性が向
上する。特に、第三電極内層71の厚さを0.2〜0.
5μmとし、また、第三電極外層72の厚さを0.05
〜0.5μmとすれば、太陽電極池の曲線因子(FF)
が低下せず、内部応力による膜の剥離がない。
Description
成された光電変換層とそれを挟む電極層よりなる単位太
陽電池が基板の他面上に形成された接続電極層を用いて
接続される薄膜太陽電池およびその製造方法に関する。
注目されており、その技術の進歩はめざましいものがあ
る。特に、アモルファス(非晶質)シリコンを主材料と
した光電変換層は大面積の成膜が容易で低価格であるた
め、それを用いた薄膜太陽電池に対する期待は大きい。
従来の薄膜太陽電池にはガラス基板が用いられていた
が、厚型で重く、割れやすい欠点があり、また、屋外の
屋根などへの適用時の作業性の改善等のため、薄型、軽
量化の要望が強くなっている。これらの要望に対して可
撓性のあるプラスチックフィルムあるいは箔状金属フィ
ルムを基板に用いた可撓性薄膜太陽電池の実用化が進み
つつある。薄膜太陽電池は、基板の一面上に光電変換層
が両面に電極層を備えて形成される。この電極層のう
ち、光の入射側に存在するものは、インジウム錫酸化物
(ITO)あるいは酸化亜鉛(ZnO)などの透明導電
材料よりなる透明電極層である。この透明電極層はシー
ト抵抗が大きいため、電流が透明電極層を流れることに
よる電力損失が大きくなってしまう。そのため従来は、
薄膜太陽電池を複数の幅の狭いユニットセルに分割し、
分割したユニットセルを隣接するユニットセルに電気的
に接続する直列接続構造をとっていた。これに対し、特
開平6−342924号で公知の薄膜太陽電池では、絶
縁性基板に貫通孔を開け、この貫通孔を利用して光電変
換層の反基板側にある透明電極層を基板裏面の接続電極
層と接続することにより、高シート抵抗の透明電極層を
流れる電流経路の距離を短縮できる。図7はそのような
薄膜太陽電池の断面構造図を概念的に示し、フィルム基
板1に第一貫通孔2を開けたのち、例えば金属膜からな
る第一電極層4を形成する。ついで第二貫通孔3を開け
たのち、光電変換層となるアモルファスシリコンなどの
薄膜半導体層6、ITOなど透明導電膜の第二電極層5
を積層する。この両層は、第二貫通孔3の内面を被覆
し、第二貫通孔3の下端まで達している。このあと、裏
面側を接続第三電極層7により被覆する。この第三電極
層7は、第一貫通孔2の内面の第一電極層4および第三
電極層7を介して基板1表面上の第一電極層4と接続さ
れる。また貫通孔3の内面の、第一電極層4とは半導体
層6により実質的に絶縁された第二電極層5および第三
電極層7を介して基板表面上の第二電極層6と接続され
る。このような構造で、基板表面上の第一電極層4、半
導体層6、第二電極層5を任意に分割して複数の単位太
陽電池とし、更に裏面の第三電極層7をスリット8、9
などの表面上の分割線と異なるパターンの分割線で分割
することにより、単位太陽電池の直列接続構造が出来上
がる。この場合、第一貫通孔2は単位太陽電池の集電に
役立ち、貫通孔3は各単位太陽電池内の直列構造に役立
つ。特に第三電極層7を入射光を反射させるための第三
電極内層71と、スリット8形成時のレーザ光に対する
反射率を低めるための第三電極外層72とからなる複合
層にすることが行われている。低反射率の材料を用いれ
ば、スリット8加工時等のレーザー光出力を低くでき、
基板表面側の損傷を防ぐことができる。第三電極層の組
み合わせとしては第三電極内層71、第三電極外層72
がそれぞれ銀(Ag)とクロム(Cr)の組み合わせが
知られている。
クロム(Cr)との組合わせでは、Crが厚いほど太陽
電池の特性である曲線因子(FF)がよくなるが、0.
4μm以上にするとCrが剥離するという問題があつ
た。それらの厚さが0.4μm以上ないと第一、第二貫
通孔8、9を介した抵抗が十分低くならなかった。ま
た、0.4μm以上必要なためにその膜の応力などによ
り光電変換層側の剥離などが生じやすく、歩留まりが低
かった。その対策の一つとして、発明者は第三電極内層
71、第三電極外層72がそれぞれAgと銅(Cu)と
の組み合わせを提案した(特願平7−129891
号)。この組み合わせでは、第三金属層の剥離が無く、
また太陽電池特性の一つである曲線因子(FF)の大き
い太陽電池が得られた。しかし、第三電極内層として銀
(Ag)、低反射率の第三電極外層72としてCuの組
み合わせを用いた直列接続構造の薄膜太陽電池の両面
を、透明樹脂のエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)
により密着封止して薄膜太陽電池パネルを製造し、信頼
性試験項目の一つとして、高温高湿(85℃、95%R
H)中に長時間放置したところ、第一、第二貫通孔2、
3より第三電極層7側に回り込んだ半導体層6および第
二貫通孔3より回り込んだ第二電極層5と、第三電極外
層72のCuとが反応し、Cu表面の一部に変色が見ら
れた。また、太陽電池の特性低下も見られた。EVAで
封止はしているが、EVA自体が樹脂であるため、水分
の侵入を完全に防ぐことは不可能であり、それ故、Ag
とCuとが直接接触している部分においては侵入した水
蒸気などの存在により電池化学反応が起こり、Agの方
がCuより標準還元電位が高いのでCuが溶出したため
と考えられる。また、第三電極内層71としてアルミニ
ウム(Al)を用いることができる。その場合は、Al
の方がCuより標準還元電位が低いので、Cuの溶出は
発生しない。しかしやはり、第二貫通孔3から回り込ん
だ半導体層6との反応が起き、第三電極外層72の表面
に変色が見られた。更に、また、第三電極内層71とし
てAg/ITOの複合層を用いた場合にもCuの溶出は
起きないが、ITOおよび貫通孔2、3から回り込んだ
半導体層5などと反応し、第三電極外層72のCuの表
面が変色し、また太陽電池特性の低下を招くことがあっ
た。この第三電極外層72として用いたCuの表面変色
および太陽電池特性の低下の問題を解決するため、発明
者は先に、特願平7−305527において、Cuある
いはその合金よりなる第三電極外層72と第三電極内層
71との間に、導電性の中間層を挿入することを提案し
た。図8にその薄膜太陽電池の断面を示す。第三電極外
層72と第三電極内層71との間に、導電性の中間層7
3が挿入されている。第三電極内層71はAg、第三電
極外層72は銅、中間層73はTiである。図8に示し
たように中間層73を挿入した薄膜太陽電池では、Cu
の表面変色および太陽電池特性の低下が防止できること
が上記出願に示されている。しかし、中間層73を入れ
ることにより信頼性は確かに向上するが、薄膜太陽電池
の製造方法としては、中間層を形成するための工程を加
えなければならず、またそのための成膜装置が必要にな
る。例えば、ステッピングロール方式の成膜装置を用い
る場合、第三電極層7が三層構成であれば、そのための
反応室が三室必要となり、製品のコストアップにつなが
る。以上の問題に鑑み本発明の目的は、高温、高湿試験
等に耐え、長期信頼性の高い、そして製造の容易な薄膜
太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
明は、絶縁性基板の一面上に、基板側に第一電極層、反
対側に透明な第二電極層が設けられた光電変換層である
非晶質半導体層が積層され、基板の他面側に第三電極層
が設けられ、第一電極層、光電変換層および第二電極層
よりなる積層体および第三電極層がそれぞれ分割され、
第三電極層の一領域が基板に開けられた第一貫通孔を通
じて分割された積層体の一領域の第一電極層と接続さ
れ、また第三電極層の別の一領域が基板、第一電極層お
よび光電変換層に開けられた第二貫通孔を通じて前記積
層体領域に隣接する積層体領域の第二電極層と接続され
る薄膜太陽電池において、第三電極層の最外層部分がニ
ッケル(Ni)あるいはその合金よりなるものとする。
特に、第三電極内層がアルミニウム(Al)あるいはそ
の合金よりなることがよい。そのような組み合わせとす
れば、第三電極内層と第三電極外層との間に電池化学的
な反応が起きて第三電極外層が溶出したり変色したりす
ることがない。そして、第三電極内層の厚さが0.2〜
0.5μmの範囲にあることがよい。Alは従来用いら
れてきた銀(Ag)に比べ比抵抗が1.7倍であり、A
lの0.2μmがAgの0.1μmに相当する。第三電
極層における抵抗による損失の低減のため、Alあるい
はその合金の厚さは厚い方がよいが、そのような層厚範
囲とすれば、太陽電池特性も向上する。そして、基板と
の熱膨張係数の差或いは膜形成時の熱による応力を抑え
る点から、0.5μm以下にする。しかし、弾性率がC
rの約1/3であるため、0.4μm以上にしても内部
応力が大きくなりすぎることがなく、光電変換層の剥離
などが生じない。また、第三電極層の最外層部分の厚さ
が0.05〜0.5μmの範囲にあることがよい。その
ような層厚範囲とすれば、Niのレーザ加工に用いられ
るYAGレーザの波長0.53μmのレーザ光に対する
反射率は60%で、クロム(Cr)の40%よりは若干
高いものの、Agの94%、Alの約72%に比べれば
低く、第三電極層のパターニングのためのレーザ出力を
低くすることができ、光電変換層側の各層に損傷を与え
ることのない加工が行われる。抵抗による損失の低減の
ため、厚さは厚い方がよいが、そのような層厚範囲とす
れば、太陽電池特性も向上する。基板との熱膨張係数の
差或いは膜形成時の熱による応力を抑える点から、0.
5μm以下にする。しかし、弾性率がCrの約1/2で
あるため、0.4μm以上にしても剥離などが生じな
い。本発明にかかる薄膜太陽電池の製造方法としては、
絶縁性基板に第一貫通孔を開ける工程、基板の一面上に
第一電極層を成膜する工程、第一電極層に上に光電変換
層である半導体層および透明第二電極層を成膜する工
程、少なくとも基板および第一電極層に第二貫通孔を開
ける工程ならびに基板の他面上にAlあるいはその合金
よりなる第三電極内層部分を成膜する工程のあとに、N
iあるいはその合金よりなる第三電極外層部分を成膜す
る工程を備え、基板温度100〜250℃の範囲で第三
電極外層を形成するものとする。そのようにすれば、A
lあるいはその合金の第三電極内層をNiあるいはその
合金の第三電極外層が覆った形の第三電極層が形成され
る。250℃を越える基板温度で形成した場合、半導体
層中の不純物が拡散して初期特性の低下の原因となる
し、また、100℃未満の基板温度にすると、太陽電池
特性の曲線因子(FF)が、若干の低下傾向を示すが、
その間の温度範囲ではそれらの問題を免れることができ
る。
ーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリイミドなどのプラスチックフィルムを用い
る。基板の両側の第一電極層および第三電極内層(直列
接続用電極層)は、通常同一材料を用いてスパッタ法で
成膜し、銀(Ag)、アルミニウム(Al)などの単層
膜或いはAg/透明導電膜などの多層膜を用いる。中間
層は、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(N
i)、モリブデン(Mo)、Al、タンタル(Ta)の
うちの一つあるいはそれらのひとつを主体とした合金、
例えばアルミニウム−シリコン(Al−Si)合金など
を用いる。以下図7、8と共通の部分に同一の符号を付
した図面を引用しながら、本発明の実施例について述べ
る。 [実施例]図1は、本発明の実施例の薄膜太陽電池の部
分断面図である。絶縁性基板1上に、上下に第二電極層
5、第一電極層4をもつ光電変換層となるアモルファス
シリコンの薄膜半導体層6が形成されている。第二電極
層5は透明導電膜のITO、第一電極層4は銀である。
絶縁性基板1の下面には、第三電極内層71と第三電極
層72とが形成されている。絶縁性基板1に接する第三
電極内層71はAl、第三電極外層72はNiである。
絶縁性基板1には、第一、第二の貫通孔2、3が開けら
れ、第一貫通孔2の内側では、第一電極層4、第三電極
内層71、半導体層6、第三電極外層72とが積層され
ている。第一電極層4と第三電極内層71とが直接重ね
られているので、絶縁性基板1上の第一電極層4の電位
が絶縁性基板1の下面の第三電極外層72に取り出され
ている。第二貫通孔3の内側では、半導体層6、第二電
極層5、第三電極外層72が積層されている。第二電極
層5と第三電極外層72とが直接重ねられているので、
半導体層6の電位が絶縁性基板1の下面の第三電極外層
72に取り出されている。すなわち、第一電極層4も第
二電極層5も、基板1の下面の第三電極層7として取り
出すことができる。従って、基板1表面上の第一電極層
4、半導体層5、第二電極層6にスリット9を設け、基
板1裏面の第三電極内層、外層71、72に表面上のス
リット9と異なるパターンのスリット8を設け、分割し
て複数の単位太陽電池とし、単位太陽電池を直列に接続
した構造の薄膜太陽電池が構成される。第三電極層7を
第三電極内層72と第三電極層72の二層で構成したの
は、入射光を反射させる目的の第三電極内層71と、ス
リット8形成時のレーザ光に対する反射率を低める目的
の第三電極外層72とを重ねた訳である。低反射率の材
料を用いれば、スリット8加工時等のレーザー光出力を
低くでき、基板表面側の損傷を防ぐことができる。図2
(a)ないし(c)および図3(a)ないし(e)は図
1に示した薄膜太陽電池の主な製造工程順に示した主な
製造工程ごとに断面図である。図2(a)は、基板1の
断面図である。基板1の素材は、本実施例では膜厚50μ
mのアラミドを用いた。PES、PEN、PET、ポリ
イミドなどの絶縁性プラスチックフィルムを用いること
も出来る。また、膜厚は実施例では50μmのものを用
いたがこの厚さに限定されるものではない。この基板1
にレーザ加工により、直径1mmの第一貫通孔2を形成
する[同図(b)]。なお、この場合の孔の形状は必ず
しも円である必要はなく、むしろ太陽電池の特性を向上
させるためには第一貫通孔2の面積は出来るだけ小さ
く、しかも周辺の長さが出来る限り長くなる形状が良
い。基板1の表面に第一電極層4、およびそれと反対側
の面に第三電極内層71となる金属をスパッタ法により
形成する[同図(c)]。このとき、スパッタ蒸着され
る金属は第一貫通孔2の内面にも蒸着され、上面の第一
電極層4と反対側の第三電極内層71とは接続される。
材料としては、Alを用いた。他に銀(Ag)やAg/
透明導電層などの多層構造膜などを用いることができ
る。第一電極層4、第三電極内層71のどちらが先でも
かまわないが、好ましくは、第一電極層4を先に形成す
る。この後、レーザ加工により、直径1mmの第二貫通
孔3を形成する[図3(a)]。なお、この場合も孔形
状は必ずしも円である必要はなく、第二貫通孔3の面積
は出来るだけ小さく、しかも周辺の長さが出来る限り長
くなる形状が良いのは第一貫通孔と同じである。次に、
光電変換層となる半導体層6を形成する[同図
(b)]。本実施例では通常のグロー放電分解法により
堆積される水素化アモルファスシリコン(a−Si:
H)系の材料を用いてn−i−p接合を形成した。この
ときも、半導体層6は第一貫通孔2、第二貫通孔3の内
面にも堆積される。その上に第二電極層5である透明電
極層を形成する[同図(c)]。本実施例ではスパッタ
法によるITOの例を示した。ZnOなどの酸化物導電
膜を用いることもできる。このITO形成時に一部の第
一貫通孔2の部分をマスクで覆うなどしてその部分には
ITOが形成されないようにする。続いて、基板1の裏
面の第三電極内層71上に、第三電極外層72としてN
iをスパッタ蒸着する[同図(d)]。このとき、第三
電極外層72のNiのスパッタ条件としては、基板温度
250℃以下で形成することが望ましい。それより高い
温度で形成した場合、半導体層6にダメージが生じ、特
性が低下することがある。250℃以下でNiをスパッ
タした場合には、それらの現象は観測されず、安定した
特性を示した。さらに、100℃未満の温度でNiを形
成すると、太陽電池特性の曲線因子(FF)が少し低下
する傾向を示した。従って、100〜250℃の範囲内
で形成するのが最も好ましい。最後に、YAGレーザー
により第三電極層7および第一電極層4、半導体層6、
第二電極層5の積層体にそれぞれ所定のパターンのスリ
ツト8、9を形成して分割し、直列構造を作製する[同
図(e)]。この実施例で、第三電極内層71にAlを
用いたが、その際のAlの厚さが太陽電池の特性に影響
することを見いだした。図4に、薄膜太陽電池の曲線因
子(FF)のAl厚さ依存性を示す。横軸はAl厚さ、
縦軸はFFである。比較のため、Agの場合の厚さ依存
性も示した。いずれの場合も第三電極外層72は、厚さ
0.2μmのNiとした。図より第三電極内層71のA
lは0.2μm以上の膜厚が必要であり、好ましくは、
0.3μm以上の膜厚が良いことがわかる。但し、厚す
ぎると剥離などの原因となるので0.5μm以下が望ま
しい。また、第三電極外層72のNiの厚さが太陽電池
の特性に影響することを見いだした。図5に、薄膜太陽
電池の曲線因子(FF)のNi厚さ依存性を示す。横軸
はNi厚さ、縦軸はFFである。比較のため、Crの場
合の厚さ依存性も示した。いずれの場合も第三電極内層
71は、厚さ0.4μmのAlとした。従来用いられて
きたCrは0.4μm以上必要なのに対して、Niを用
いた場合については0.05μm以上、望ましくは0.
2μm以上あれば良いことがわかる。この場合も余り厚
くすると、応力が大きくなるので0.05〜0.5μm
の範囲が良い。基板の貫通孔を介した抵抗、レーザー分
離加工などの点からもこの程度の厚さで十分である。特
に、0.1〜0.2μmの厚さとすれば、太陽電池特性
としては十分に機能を果たすので、かなり薄膜化できる
ことになる。その結果、応力などによる剥離が減少し、
歩留まりを向上させることができる。また、基板1と第
三電極内層71との界面に付着力を補うZnO等の界面
層を入れてもかまわないことがわかった。以上述べた実
施例では、直列接続を形成する際に用いるレーザー波長
(0.53μm)での反射率が55%程度と低く、スリ
ット8、9を加工する際に加工面と反対側の面に損傷を
与えることなく良好な加工が可能であった。更に、この
直列接続構造の薄膜太陽電池を、EVA樹脂により封止
したのち、85℃、95%RHの高温高湿雰囲気中での
に放置試験を行った。図6はその高温、高湿試験におけ
る太陽電池の効率の変化を示す。横軸は時間、縦軸は初
期値を1とした効率の相対値である。比較のため、第三
電極内層と外層との間に中間層を形成した従来例の薄膜
太陽電池も同時に試験した。本実施例の薄膜太陽電池
は、従来例と変わらず、2000時間程度まで安定した
特性を示している。すなわち、集電のための第三電極内
層71にAl、レーザー加工時の低反射率膜のための第
三電極外層72にNiを用いた本実施例の薄膜太陽電池
は、第三電極内層71と第三電極外層72との間、第三
電極外層72と第二電極層5あるいは半導体層6との間
に電池化学反応、合金反応或いは接触にによる反応が発
生せず、信頼性が高い。またそのため、第三電極内層7
1と第三電極外層72との間に中間層を介在させる必要
がなく、例えばステッピングロール方式の成膜装置を用
いる場合、真空室が二室で済み、装置コスト的にも低コ
スト化が図れる。Agを使用していないことも、薄膜太
陽電池の低コスト化に向いた構造といえる。また第三電
極外層72が薄い層でよいので、従来用いられてきたC
rのように、厚すぎて剥離するというような問題も起き
ない。第三電極内層71は、純Alに限らず、例えば、
Siなどを含んだAl合金でも同様な効果を得られるこ
と、第三電極外層72は、純Niに限らず、例えばT
i、Ta、Cr、Moなどを含んだNi合金でも同様な
効果を得られることがわかった。尚、第三電極外層72
にNiを用いた場合、中間層を入れることにより第三電
極内層71としてAgを使用することもできる。
三電極内層にAlあるいはその合金、第三電極外層にN
iあるいはその合金を用いた本実施例の薄膜太陽電池
は、中間層などを介在させなくとも、両層間或いは第二
電極層、半導体層との電池化学反応、合金反応等が発生
しない。その結果、信頼性の高い、薄膜太陽電池を低コ
ストで製造できる。
造工程の前半を順に示す断面図
陽電池の製造工程を順に示す断面図
線因子との関係線図
線因子との関係線図
の薄膜太陽電池の高温、高湿中放置試験における効率の
劣化曲線図
Claims (5)
- 【請求項1】絶縁性基板の一面上に、基板側に第一電極
層、反対側に透明な第二電極層が設けられた光電変換層
である非晶質半導体層が積層され、基板の他面側に第三
電極層が設けられ、第一電極層、光電変換層および第二
電極層よりなる積層体および第三電極層がそれぞれ分割
され、第三電極層の一領域が基板に開けられた第一貫通
孔を通じて分割された積層体の一領域の第一電極層と接
続され、また第三電極層の別の一領域が基板、第一電極
層および光電変換層に開けられた第二貫通孔を通じて前
記積層体領域に隣接する積層体領域の第二電極層と接続
される薄膜太陽電池において、第三電極層の最外層部分
がニッケルあるいはその合金よりなることを特徴とする
薄膜太陽電池。 - 【請求項2】第三電極層の内層部分がアルミニウムある
いはその合金よりなることを特徴とする請求項1記載の
薄膜太陽電池。 - 【請求項3】第三電極層の内層部分の厚さが0.2〜
0.5μmの範囲にあることを特徴とする請求項2記載
の薄膜太陽電池の製造方法。 - 【請求項4】第三電極層の最外層部分の厚さが0.05
〜0.5μmの範囲にあることを特徴とする請求項1な
いし3のいずれかに記載の薄膜太陽電池。 - 【請求項5】絶縁性基板に第一貫通孔を開ける工程、基
板の一面上に第一電極層を成膜する工程、第一電極層に
上に光電変換層である半導体層および透明第二電極層を
成膜する工程、少なくとも基板および第一電極層に第二
貫通孔を開ける工程ならびに基板の他面上に第三電極層
の内層部分を成膜する工程のあとに、第三電極層のニッ
ケルあるいはその合金よりなる最外層部分を成膜する工
程を備えた薄膜太陽電池の製造方法において、 基板温度100〜250℃の範囲で第三電極層の最外層
部分を成膜することを特徴とする薄膜太陽電池の製造方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP12414396A JP3455364B2 (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | 薄膜太陽電池およびその製造方法 |
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---|---|---|---|
JP12414396A JP3455364B2 (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | 薄膜太陽電池およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09307126A true JPH09307126A (ja) | 1997-11-28 |
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ID=14878001
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JP12414396A Expired - Lifetime JP3455364B2 (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | 薄膜太陽電池およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002076406A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-03-15 | Fuji Electric Co Ltd | 薄膜太陽電池とその製造方法 |
KR101358529B1 (ko) * | 2011-08-19 | 2014-02-05 | 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 | 전자부품용 적층 배선막 및 피복층 형성용 스퍼터링 타겟재 |
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1996
- 1996-05-20 JP JP12414396A patent/JP3455364B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2002076406A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-03-15 | Fuji Electric Co Ltd | 薄膜太陽電池とその製造方法 |
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JP3455364B2 (ja) | 2003-10-14 |
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