JPH09306798A - 電気二重層コンデンサ用の一体型電極の製造方法 - Google Patents

電気二重層コンデンサ用の一体型電極の製造方法

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JPH09306798A JP11645096A JP11645096A JPH09306798A JP H09306798 A JPH09306798 A JP H09306798A JP 11645096 A JP11645096 A JP 11645096A JP 11645096 A JP11645096 A JP 11645096A JP H09306798 A JPH09306798 A JP H09306798A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層型の電気二重層コンデンサの正極および
負極として用いられ、金属製集電極と分極性電極とを一
体化してなる一体型電極を、従来より少ない工程数にて
製造でき、これにより電気二重層コンデンサの生産性の
向上を図る。 【解決手段】 活性炭粉末に少なくとも結着剤を加えた
ものを混練して分極性電極形成用の混練物を用意し、金
型4内に前記混練物を所定量投入して第1の混練物層1
とし、次いでその上にメッシュ状をなす金属製集電極1
1を載置し、さらにその上に前記混練物を所定量投入し
て第2の混練物層2とする。しかる後、プレス機3にて
加圧成型を行うことにより、集電極リード部11aが外
部に引き出された状態で金属製集電極11を分極性電極
の中に埋め込み、一体型電極を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動自転車、電
動工具などの電源として利用できる静電容量1000〜
10000F程度の大容量の積層型電気二重層コンデン
サの構成部品であって、正極および負極として用いら
れ、金属製集電極と分極性電極とを一体化してなる一体
型電極を、従来より少ない工程数にて製造できるように
した、電気二重層コンデンサ用の一体型電極の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、一時的に大きなエネルギを供
給する電源として利用できる大容量の電気二重層コンデ
ンサとして、正極用の金属製集電極と正電荷蓄積用の分
極性電極とからなる正極と、負極用の金属製集電極と負
電荷蓄積用の分極性電極とからなる負極とをセパレータ
を間に介在させて交互に積層し、電解液と分極性電極と
の界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積することを
利用する積層型の電気二重層コンデンサが提案されてい
る。図5は従来方法で作製された一体型電極である正極
を示す斜視図、図6は図5に示す一体型電極が組み込ま
れた積層型の電気二重層コンデンサの全体構成をその一
部を切り欠いて示す斜視図である。
【0003】図5に示すように、平板状をなす正極50
は、その一部に帯状のリード部52aが形成された矩形
をなす金属製集電極52の両側に、活性炭粉末をシート
化してなる矩形の分極性電極53,53′を、導電性フ
ィルムを用いた熱融着などによって接着し、金属製集電
極52と分極性電極53,53′とを一体化した一体型
電極として作製されている。ここで、各分極性電極5
3,53′は、電荷を蓄積するための活性炭粉末と結着
剤(バインダ)としてのPTFE(ポリテトラフルオロ
エチレン)を混練し、この混練物をプレス機あるいは圧
延ロール等を用いて成型し作製される。
【0004】前記各分極性電極53,53′は、その厚
みが0.1〜2.0mm程度のものであり、この分極性
電極53,53′から電荷を集めるための金属製集電極
52は、厚みが5〜300μm程度であって、アルミニ
ウムあるいはステンレスよりなるものである。金属製集
電極52のリード部52aは、外部端子との電気的導通
をとるためのものである。なお、負極51も正極50と
同一構造であって一体型電極として構成されている。
【0005】この正極50と負極51とが、図6に示す
ように、分極性電極53,53′と同一外形寸法のセパ
レータ54を間に介して交互に積層される。セパレータ
54は、イオン透過性及び電気絶縁性を有する多孔質材
料よりなり、例えばポリプロピレン繊維不織布が用いら
れる。そして、図6に示すように、多数枚の正極用の各
リード部52aを、リード体55を介して電気絶縁性の
蓋体58に設けられた正極外部端子56へ接続する。同
様にして、負極用の各リード部52a′を負極外部端子
56′へ接続する。次いで、電極50,51を重ね合わ
せた電極積層体を角形外装ケース57内に収納し、しか
る後、前記蓋体58を取り付けて密閉するようにしてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した従来
の、金属製集電極52と分極性電極53,53′とを一
体化してなる一体型電極50の製造方法では、予めプレ
ス機あるいはロール圧延などにより各分極性電極53,
53′を成型しておく工程と、金属製集電極52に前記
得られた各分極性電極53,53′を固定一体化する工
程とが必要であり、金属製集電極との固定一体化と分極
性電極自体の成型とを同時になしうるようにすることに
より、製造工程数を減らし、これにより電気二重層コン
デンサの生産性を向上させる余地があった。
【0007】また、金属製集電極52に分極性電極5
3,53′を導電性フィルムによる熱融着などによって
接着して固定一体化するようにしたものであるから、電
極同士が確実かつ強固に固定されないことがあった。こ
のため、このような一体型電極が組み込まれた電気二重
層コンデンサは、その内部抵抗値が大きくなることで充
放電時の抵抗損失が大きくなり、また、電動自転車や電
気自動車などに搭載した場合、機械的振動や衝撃によっ
て一体型電極が剥がれやすいという不具合がある。
【0008】そこでこの発明は、金属製集電極と分極性
電極とを一体化してなる積層型電気二重層コンデンサ用
の一体型電極を、従来より少ない工程数にて製造でき、
これにより電気二重層コンデンサの生産性の向上を図る
ことができ、さらに金属製集電極と分極性電極とを確実
で強固に密着一体化することができ、これにより電気二
重層コンデンサに組み込むことで、内部抵抗値が小さ
く、機械的振動や衝撃に強い電気二重層コンデンサを得
られるようにした、電気二重層コンデンサ用の一体型電
極の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この発明による電気二重層コンデンサ用の一体型
電極の製造方法は、積層型の電気二重層コンデンサの正
極および負極として用いられ、金属製集電極と分極性電
極とを一体化してなる一体型電極を製造するに際し、活
性炭に少なくとも結着剤を加えたものを混練して分極性
電極形成用の混練物を用意し、金型内に前記混練物を所
定量投入して第1の混練物層とし、次いでその上にメッ
シュ状をなす金属製集電極を載置し、さらにその上に前
記混練物を所定量投入して第2の混練物層とし、しかる
後、加圧機にて加圧成型を行うことにより、集電極リー
ド部が外部に引き出された状態で金属製集電極を分極性
電極の中に埋め込み、金属製集電極と分極性電極とを一
体化するようにしたことを特徴とするものである。
【0010】前記のように構成されるこの発明による製
造方法では、加圧機にて加圧成型を一回行うだけで、分
極性電極自体の成型と、その分極性電極と金属製集電極
との固定一体化とを同時になしえ、従来より製造工程数
を減らすことができる。
【0011】また、金属製集電極として、アルミニウム
のネット箔、アルミニウム箔にパンチングメタルのよう
な孔あけ加工を施したアルミパンチング箔、アルミニウ
ム箔にエキスパンド加工を施したアルミエキスパンド箔
などのような、金属箔あるいは金属板に多数の小孔が形
成されたメッシュ状のものよりなる金属製集電極を用い
るようにしている。このため加圧成型を行うことで、メ
ッシュ状の金属製集電極の前記多数の小孔内に分極性電
極形成用の混練物が食い込み、金属製集電極と分極性電
極とを確実で強固に密着一体化することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。図1はこの発明方法
に係る加圧成型の様子をその説明のために模式的に示す
説明図、図2はこの発明方法に用いられるメッシュ状金
属製集電極の一例を模式的に示す正面図である。
【0013】まず、メッシュ状金属製集電極(以下、メ
ッシュ状集電極という)を作製しておく。この例では正
極用のメッシュ状集電極11は、図2に示すように、エ
キスパンド加工が施されて表面がささくれだった例えば
厚み50μmのアルミニウム箔を刃付きプレス機により
型抜きすることにより、矩形をなす集電極本体と幅が狭
く帯状をなすリード部11aとが一体成形されている。
このメッシュ状集電極11の寸法は、この例では、集電
極本体:幅50mm,長さ100mm、リード部11
a:幅15mm,長さ100mmである。なお、後述の
負極用のメッシュ状集電極14も前記集電極11と同様
にして作製される。
【0014】次に、分極性電極形成用の混練物を用意す
る。すなわち、活性炭粉末80重量%、結着剤としてフ
ッ素樹脂系のPTFE10重量%、および電導性改善用
のカーボンブラック10重量%に、混練助剤として水あ
るいはアルコールを加え(例えばアルコールの場合、活
性炭粉末1gに対して1.5ccを加える)、ニーダー
(kneader )等によりゴム状につながった状態まで混練
する。そして、この混練物を温度100℃程度に設定さ
れた乾燥器内に収容して前記混練助剤を除去し、しかる
後に、塊状のものは成型しやすい大きさである粒度0.
5mm以下の大きさに粉砕して、分極性電極形成用混練
物を得る。
【0015】次いで、図1に示すように、所定寸法にて
平面視矩形をなす凹部が形成された金型4内に、前記分
極性電極形成用混練物を仕上がり時の分極性電極の半分
の重量分投入し、厚みがほぼ均一になるようにならして
第1の混練物層1とする。次に、この混練物層1上に、
そのリード部11aが金型4の凹部の外に引き出された
状態で前記メッシュ状集電極11を載置し、さらにその
上に、第1の混練物層1と同様にして、分極性電極形成
用混練物を仕上がり時の分極性電極の半分の重量分投入
し、厚みがほぼ均一になるようにならして第2の混練物
層2とする。
【0016】しかる後、プレス機3にて加圧成型を行う
ことにより、図3に示すように、リード部11aが外部
に引き出された状態でメッシュ状集電極11を分極性電
極12の中に埋め込み、この例では厚み1.0mmの分
極性電極12とメッシュ状集電極11とを一体化してな
る正極用の一体型電極10を作製する。なおプレス機3
による加圧条件は、例えば、加圧力:500kgf/c
2 、加圧時間:1minである。
【0017】このようにして加圧成型を一回行うだけ
で、分極性電極12自体の成型と、その分極性電極12
とメッシュ状集電極11との固定一体化とを同時になし
え、しかもメッシュ状集電極11に形成された多数の小
孔内に分極性電極形成用の混練物が食い込み、メッシュ
状集電極11と分極性電極12とを確実で強固に密着一
体化することができる。なお同様の製造手順にて、図3
に示すように、リード部14aが外部に引き出された状
態でメッシュ状集電極14を分極性電極15の中に埋め
込み、メッシュ状集電極14と分極性電極15とを一体
化してなる負極用の一体型電極13が得られる。
【0018】図4は図3に示す一体型電極が組み込まれ
た積層型の電気二重層コンデンサの全体構成例をその一
部を切り欠いて示す斜視図である。
【0019】図4に示すように、正極用の一体型電極1
0と負極用の一体型電極13とを、この例では厚み25
μm程度のポリプロピレン繊維不織布よりなるセパレー
タ16を間に介在させて交互に多数枚積層する。そし
て、この電極積層体を、締めつけ用の板17を両側の最
外部に配してその上に締めつけ用ベルト18を巻き付け
ることで積層方向に締めつけた状態で、角形外装ケース
19に収納する。次いで有機系電解液を含浸させ、ケー
ス上蓋20に固定される正極外部端子21に、正極用の
各一体型電極10のメッシュ状集電極11のリード部1
1aをそれぞれ接続し、同様して負極外部端子22に、
負極用の各一体型電極13のメッシュ状集電極14のリ
ード部14aをそれぞれ接続する。しかる後、ケース1
9の開口部にケース上蓋20を取り付けて密閉する。
【0020】このように、この発明による一体型電極の
製造方法によると、プレス機にて加圧成型を一回行うだ
けで、分極性電極自体の成型と、その分極性電極とメッ
シュ状金属製集電極との固定一体化とを同時になしえ、
従来より少ない製造工程数にて一体型電極10,13を
得ることができ、これにより電気二重層コンデンサの生
産性の向上を図ることができる。しかも、金属製集電極
として、アルミエキスパンド箔などのような多数の小孔
が形成されたメッシュ状のものよりなる金属製集電極1
1,14を用いるようにしているので、加圧成型を行う
ことで、メッシュ状金属製集電極に形成された多数の小
孔内に分極性電極形成用の混練物が食い込み、金属製集
電極と分極性電極とが確実で強固に密着一体化された一
体型電極10,13を製造することができる。これによ
り電気二重層コンデンサに組み込むことで、内部抵抗値
が小さく、また、機械的振動や衝撃に強い電気二重層コ
ンデンサを得ることができる。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による電気
二重層コンデンサ用の一体型電極の製造方法によると、
金属製集電極と分極性電極とを一体化してなる一体型電
極を、従来より少ない工程数にて製造でき、これにより
電気二重層コンデンサの生産性の向上を図ることがで
き、さらに金属製集電極と分極性電極とが確実で強固に
密着一体化された一体型電極を製造することができ、こ
の一体型電極を電気二重層コンデンサに組み込むことに
より、内部抵抗値が小さくて大電流を流す大容量に適し
た、また、機械的振動や衝撃に強くて電動自転車や電気
自動車への搭載に適した電気二重層コンデンサを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法に係る加圧成型の様子をその説明
のために模式的に示す説明図である。
【図2】この発明方法に用いられるメッシュ状金属製集
電極の一例を模式的に示す正面図である。
【図3】この発明に係る一体型電極を模式的に示す斜視
図である。
【図4】図3に示す一体型電極が組み込まれた積層型の
電気二重層コンデンサの全体構成例をその一部を切り欠
いて示す斜視図である。
【図5】従来方法で作製された一体型電極である正極を
示す斜視図である。
【図6】図5に示す一体型電極が組み込まれた積層型の
電気二重層コンデンサの全体構成をその一部を切り欠い
て示す斜視図である。
【符号の説明】
1…第1の混練物層 2…第2の混練物層 3…プレス
機 4…金型 10…正極用の一体型電極 11…正極
用のメッシュ状金属製集電極 11a…リード部 12
…分極性電極 13…負極用の一体型電極 14…負極
用のメッシュ状集電極 14a…リード部 15…分極
性電極 16…セパレータ 19…角形外装ケース 2
0…ケース上蓋 21…正極外部端子 22…負極外部
端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出原 久嗣 大阪府和泉市池上町685−1 (72)発明者 山岸 政章 神奈川県横浜市神奈川区台町2番地5 株 式会社パワーシステム内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層型の電気二重層コンデンサの正極お
    よび負極として用いられ、金属製集電極と分極性電極と
    を一体化してなる一体型電極を製造するに際し、活性炭
    に少なくとも結着剤を加えたものを混練して分極性電極
    形成用の混練物を用意し、金型内に前記混練物を所定量
    投入して第1の混練物層とし、次いでその上にメッシュ
    状をなす金属製集電極を載置し、さらにその上に前記混
    練物を所定量投入して第2の混練物層とし、しかる後、
    加圧機にて加圧成型を行うことにより、集電極リード部
    が外部に引き出された状態で金属製集電極を分極性電極
    の中に埋め込み、金属製集電極と分極性電極とを一体化
    するようにしたことを特徴とする電気二重層コンデンサ
    用の一体型電極の製造方法。
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