JPH09305757A - 画像のノイズ量判別装置およびノイズ量判別方法 - Google Patents

画像のノイズ量判別装置およびノイズ量判別方法

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JPH09305757A
JPH09305757A JP8119147A JP11914796A JPH09305757A JP H09305757 A JPH09305757 A JP H09305757A JP 8119147 A JP8119147 A JP 8119147A JP 11914796 A JP11914796 A JP 11914796A JP H09305757 A JPH09305757 A JP H09305757A
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image
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入力画像データ中のノイズ量を高速に、かつ、
確実に自動判別する。 【解決手段】画像ファイル21の画像データは、ラプラ
シアンフィルタ31による処理を受け、高周波成分が強
調される。ラプラシアンフィルタ31の応答値のヒスト
グラムが、ヒストグラム作成部32によって作成され
る。ヒストグラムの形状は、ノイズ量が多いほど応答値
の高い側にシフトし、ノイズ量が少なければ、応答値の
低い側にシフトする。そこで、このヒストグラムの分布
形状が、ニューラルネットワークなどで構成されたパタ
ーン認識部33によって認識される。このパターン認識
部33の出力に基づき、ファジー推論部34がノイズ量
の大小を判別する。こうして自動判別されたノイズ量に
基づき、鮮鋭化処理部23における鮮鋭化処理の度合い
が調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データに基づ
いて印刷版作成用データを作成する画像処理装置などに
適用され、入力画像データ中のノイズ量の大小を判別す
るための装置および方法に関する。また、本発明は、ノ
イズ量の大小に応じた鮮鋭化処理を入力画像データに対
して施すための画像処理装置および画像処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば、写真原稿から印刷版を作成す
る場合に、原稿を光学的に読み取るための画像入力装置
が利用される。画像入力装置は、原稿に対応した画像デ
ータを出力する。この画像データは、たとえば、パーソ
ナルコンピュータからなる画像処理装置に入力され、印
刷版を作成するための処理が施される。
【0003】高画質の印刷物を得るために、画像処理装
置においては、入力画像データに対して各種の画像処理
が施される。その1つに、画像鮮鋭化処理がある。画像
鮮鋭化処理とは、画像に含まれる高周波成分を強調する
ことによって、画像のエッジ部を強調し、シャープな画
像を得るための画像データ処理である。典型的な鮮鋭化
処理は、ラプラシアンフィルタリングやアンシャープマ
スキングである。
【0004】ラプラシアンフィルタリングによる鮮鋭化
は、原画像にラプラシアン操作を施して得られた画像を
原画像に加算することによって達成される。ラプラシア
ン操作では、たとえば、処理対象画素を中心とした3×
3画素のマトリクス内の各画素の画像データが用いら
れ、処理対象画素の画像データとその周囲の各画素の画
像データとの差が求められ、これらの差が加算される。
これにより、空間二次微分成分が得られる。この空間二
次微分成分を原画像に加算することによって、画像のエ
ッジ部が強調される。
【0005】アンシャープマスキングは、原画像を平滑
化して得られる平滑化画像を原画像から差し引き、この
差し引き分を原画像に加算する、という操作によって画
像のエッジ部を強調する処理である。アンシャープマス
キングによる鮮鋭化処理は、ラプラシアンフィルタリン
グによる鮮鋭化処理と等価である。ところが、これらの
鮮鋭化処理では、画像の有意情報だけでなく、ノイズ成
分までもが強調されるため、不用意な鮮鋭化処理は、か
えって画像品質の低下を招く。したがって、鮮鋭化の度
合いを適切に定める必要がある。そこで、従来では、処
理対象画像と処理結果とを目視観察し、試行錯誤によっ
て鮮鋭化の度合いを調整している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】鮮鋭化の度合いの調整
を自動化することが考えられるが、良好な画像品質を達
成することが困難であり、熟練者による試行錯誤に頼ら
ざるを得ないのが現状である。特に、対象画像の荒れ具
合(ノイズの量)は、鮮鋭化処理の調整を行ううえで考
慮されるべき大きな要因であるが、この荒れ具合の判断
については、熟練者の目視観察による以外には有効な手
段が無く、このことが、画像処理の自動化を図るうえで
の大きな障害となっていた。
【0007】画像中のノイズ特性の解析を行うための一
般的な方法は、その画像のパワースペクルを調べること
である。しかし、パワースペクトルを得るためにはフー
リエ変換を行う必要があるから、大容量の画像に対して
は演算時間がかかり過ぎる。一方、画像中に既知の領域
(たとえば均一な背景等)があり、その領域を選択する
ことができるのであれば、その領域の実効値を求めるこ
とによって、ノイズ量を判別できる。しかし、ノイズ量
の判別に適した画像領域が常に選択できるとは限らない
から、確実性に欠け、この手法を採用することもできな
い。
【0008】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、入力画像データ中のノイズ量を高速に、か
つ、確実に自動判別することができる装置および方法を
提供することである。また、本発明の他の目的は、入力
画像データ中のノイズ量を高速に、かつ、確実に自動判
別し、その判別結果に基づいて適切な鮮鋭化処理を行う
ことができる装置および方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の発明は、入力画像データに対して高
空間周波数成分を強調する処理を施す高域フィルタ手段
と、この高域フィルタ手段によって処理された画像デー
タのヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
このヒストグラム作成手段によって作成されたヒストグ
ラムの形状をパターン認識するパターン認識手段と、入
力画像データ中のノイズ量の大小を判別するノイズ量判
別手段とを含むことを特徴とする画像のノイズ量判別装
置である。
【0010】これに対応するノイズ量判別方法は、請求
項5に記載されているとおり、入力画像データに対して
高空間周波数成分を強調するためのフィルタ処理を施
し、この処理結果に対して、フィルタ処理の応答値のヒ
ストグラムを作成し、このヒストグラムの形状をパター
ン認識手段によってパターン認識させ、その認識結果に
基づいて、入力画像データ中のノイズ量の大小を判別す
ることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、入力画像データを高域
フィルタ手段によって処理することにより、画像中の高
空間周波数成分が抽出される。画像中に含まれるノイズ
は高周波成分であるから、高域フィルタ手段による処理
によって、ノイズ成分が強調されることになる。さら
に、高域フィルタ手段によって処理されたデータに基づ
いて、ヒストグラムが作成され、このヒストグラムの形
状のパターン認識に基づいて、入力画像データ中のノイ
ズ量の大小が判別される。
【0012】ノイズ量が多ければ、ヒストグラムの分布
形状は、高域フィルタ手段による処理の応答値の大きい
側にシフトし、ノイズ量が小さければ、ヒストグラムの
分布形状は応答値の小さい側にシフトする。このような
傾向は、対象画像の種類によらないから、パターン認識
手段によってノイズ量の大小に応じたヒストグラムの分
布形状の変化を認識することにより、対象画像の種類に
関係なく、ノイズ量の大小を正確に判別できる。また、
画像中における特定の性質の画像部分(たとえば一定濃
度の画像部分)を抽出する必要もない。
【0013】しかも、高域フィルタ手段によるフィルタ
処理は、フーリエ変換によるパワースペクトルの作成に
比較して非常に簡単な処理であり、高速に完了すること
ができる。請求項2記載の発明は、上記パターン認識手
段は、ヒストグラム中の所定のサンプリング点における
頻度を入力として、ノイズ量の大小に相当する複数のカ
テゴリについての認識結果を出力するニューラルネット
ワークであることを特徴とする請求項1記載のノイズ量
判別装置である。
【0014】これに対応するノイズ量判別方法の発明
は、請求項6に記載されているとおり、請求項5記載方
法において、上記ヒストグラムのパターン認識に用いる
パターン認識手段は、ヒストグラムの所定のサンプリン
グ点における頻度を入力とし、ノイズ量の大小に対応し
た複数のカテゴリについての認識結果を出力するニュー
ラルネットワークであることを特徴とする。
【0015】この発明では、パターン認識手段としてニ
ューラルネットワークが用いられる。ニューラルネット
ワークは、人間の知覚系の持つ並列処理機能を有してい
るから、形状の認識のように、非定量的な対象の識別判
定に適している。したがって、ニューラルネットワーク
の適用により、ノイズ量の大小を適切に判別できる。ニ
ューラルネットワークの学習については、請求項7に記
載のとおり、ノイズ量が既知の複数のカテゴリの画像を
教師として上記ニューラルネットワークの学習を行えば
よい。
【0016】請求項3記載の発明は、上記ノイズ量判別
手段は、上記パターン認識手段による認識結果を入力と
して、ファジー推論によって入力画像データ中のノイズ
量を判別するファジー推論手段を含むものであることを
特徴とする請求項1または2記載のノイズ量判別装置で
ある。これに対応するノイズ量判別方法の発明は、請求
項8に記載されているとおり、請求項5ないし7のいず
れかに記載の方法において、上記ノイズ量の大小の判別
は、上記パターン認識手段による認識結果を入力とした
ファジー推論によって行うことを特徴とする。
【0017】この発明によれば、パターン認識結果に基
づくノイズ量の判別にファジー推論が適用される。これ
により、あいまいさを伴うパターン認識結果に対する処
理を良好に行える。請求項4記載の発明は、入力画像デ
ータに鮮鋭化処理を施すための画像処理装置であって、
上記請求項1、請求項2または請求項3記載のノイズ量
判別装置と、このノイズ量判別装置によって判別された
ノイズ量に応じて設定される度合いで、入力画像データ
に対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段とを含むこと
を特徴とする画像処理装置である。
【0018】これに対応する画像処理方法の発明は、請
求項9に記載されているとおり、入力画像データに鮮鋭
化処理を施すための画像処理方法であって、上記請求項
5ないし8のいずれかに記載のノイズ量判別方法によっ
て入力画像データのノイズ量を判別し、この判別された
ノイズ量に応じて設定される度合いで、入力画像データ
に対して鮮鋭化処理を施すことを特徴とする。
【0019】この発明によれば、フィルタ処理、ヒスト
グラムの作成、およびヒストグラム形状のパターン認識
によって高速かつ確実に判別されたノイズ量に基づき、
入力画像データに対する鮮鋭化処理の度合いが設定され
る。これにより、ノイズ量に応じた鮮鋭化処理を自動で
行えるから、画像処理の自動化を極めて有利に図ること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施形態を、
添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の
一実施形態が適用された画像データ作成装置の構成を示
すブロック図である。この画像データ作成装置は、写真
原稿のような原稿から印刷版作成用の画像データを得る
ための装置であり、原稿Dを読み取って画像データを取
得するための画像入力装置1と、画像入力装置1によっ
て取得された画像データに各種のデータ処理を施す画像
処理装置2とを有している。画像処理装置2は、たとえ
ば、パーソナルコンピュータで構成することができる。
【0021】画像入力装置1は、原稿Dを光学的に読み
取って、R(赤)、G(緑)およびB(青)の三原色成
分を表すアナログ画像信号を出力するCCD素子11
と、CCD素子11の出力信号をディジタル信号に変換
する機能および変倍機能を有する倍率変更回路12と、
ガンマ補正のためのガンマ補正回路13とを備えてい
る。
【0022】倍率変更回路12は、アナログ画像信号を
ディジタル画像データに変換する際のサンプリング周期
を複数種類に設定することができるものであって、いず
れのサンプリング周期を適用するかによって、画像の読
取倍率が定まる。たとえば、CCD素子11の1つの読
取画素の出力信号に対して2回のサンプリングが行われ
るようにサンプリング周期を定めておけば、原画像を2
倍に拡大できる。
【0023】ガンマ補正回路13は、CCD素子11の
特性等に起因するガンマ特性を補償するためのデータ補
正を行い、原稿Dを忠実に再現する画像データを作成す
る。画像入力装置1が出力するRGBの三原色画像デー
タは、画像ファイル21として画像処理装置2に取り込
まれる。画像ファイル21の画像データは、色変換部2
2において、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエ
ロー)、およびK(黒)の画像データに色変換される。
この色変換された画像データは、鮮鋭化処理部23にお
いて、画像鮮鋭化のための処理が行われる。
【0024】鮮鋭化処理部23は、たとえば、ラプラシ
アンフィルタリングやアンシャープマスキングによっ
て、画像の鮮鋭化処理を行い、製版用画像データを作成
する。製版用画像データは、感材フィルムを露光して印
刷版を作成する画像記録装置などにおいて用いられる。
鮮鋭化処理部23において鮮鋭化処理を実行するか否
か、および、鮮鋭化する際の鮮鋭化の度合いは、ノイズ
量判別部30による処理結果に基づいて定められる。ノ
イズ量判別部30は、画像ファイル21の画像データの
うちB(青)データを取り出し、これにラプラシアンフ
ィルタリングを施す高域フィルタとしてのラプラシアン
フィルタ31と、ラプラシアン操作後の画像データのヒ
ストグラムを作成するヒストグラム作成部32と、作成
されたヒストグラムの形状をパターン認識することによ
って画像データ中のノイズ量の判別の基礎となるデータ
を出力するパターン認識部33と、パターン認識部33
の処理結果に基づいて、ファジー推論によって画像デー
タ中のノイズ量を判別し、そのノイズ量に応じて鮮鋭化
処理部23を制御するファジー推論部34とを含む。パ
ターン認識部33は、認識用データベース35を参照し
てパターン認識処理を行う。認識用データベース35に
は、たとえば、原稿の種類毎の認識基準が記憶されてい
る。原稿の種類とは、人物画、風景画などのことであ
る。ノイズ量判定部30による処理においてBデータの
みが用いられるのは、RおよびGデータに比較して、B
データに対するノイズの影響が最も大きいからである。
【0025】画像処理装置2には、さらに、解析対象と
なるノイズの種類や原稿Dの画像の種類などを入力する
ための入力部25が備えられている。図2は、ラプラシ
アンフィルタ31による処理を説明するための図であ
る。ラプラシアンフィルタ処理では、画像を構成する複
数の画素が順に注目画素とされ、その注目画素について
の処理後の画像データが求められる。具体的には、図2
(a) に示すように、注目画素(i,j)を中心とする3
×3画素のマトリクスが想定され、このマトリクス内の
各画素の画像データに図2(b) に示された重み付けを与
えて加算する。これにより、ラプラシアン操作後の画像
データF(i,j) は、マトリクス内の各画素の原画像デー
タG(i-1,j-1) ,G(i,j-1) ,G(i+1,j-1) ,G(i-1,
j) ,G(i,j) ,G(i+1,j) ,G(i-1,j+1) ,G(i,j+1)
,G(i+1,j+1) を用いて、次のように表される。
【0026】 F(i,j) =4G(i,j) −G(i+1,j) −G(i-1,j) −G(i,j+1) −G(i,j-1) ={G(i,j) −G(i+1,j) }+{G(i,j) −G(i-1,j) } +{G(i,j) −G(i,j+1) }+{G(i,j) −G(i,j-1) } ・・・・・・ (1) 図3は、ラプラシアンフィルタ31の通過周波数特性を
示す図である。この図から理解されるように、ラプラシ
アンフィルタ31は、空間周波数の高い画像成分を通過
させる高域フィルタとして作用する。ラプラシアンフィ
ルタ31としては、上述の3×3画素のマトリクスの他
にも、図4に示されているような5×5画素のマトリク
ス(図4(a) )や7×7画素のマトリクス(図4(b) )
のような他のカーネルサイズのものを用いることもでき
る(図4には、Savitzy-Golay のラプラシアンフィルタ
(最小二乗フィッティング)を示す。)。図3に示すと
おり、一般に、ラプラシアンフィルタのカーネルサイズ
を大きくすると、通過周波数帯域が低周波数側にシフト
する。
【0027】図5は、ノイズ量の異なる3枚の原稿に対
するラプラシアンフィルタ処理の応答値のヒストグラム
である。図5(a) は、ノイズ量が少ない場合に相当し、
図5(b) はノイズ量が中程度の場合に相当し、図5(c)
はノイズ量が多い場合に相当している。図5(a) 、図5
(b) および図5(c) の比較から、ノイズ量の大小に応じ
てヒストグラムの形状が変化することが理解される。よ
り具体的には、ノイズ量が多いほど、応答値の高い側に
頻度分布がシフトしている。その理由は、次のとおりで
ある。
【0028】すなわち、画像中に含まれるノイズは、孤
立点のような空間周波数の高い成分であり、画像の有意
情報とは無関係に重畳されたものである。特に、CCD
素子11の基本ノイズのように画像入力装置1において
画像データに重畳された電気的なノイズは、画像中に完
全な孤立点として表れる。また、35ミリフィルム原稿
などでは、粒子モトルとよばれる粒子雲がノイズとして
把握される。この粒子モトルも、画像中に点在するか
ら、空間周波数の高い成分である。
【0029】したがって、ラプラシアン操作によって、
画像中のノイズ成分は、画像の有意情報以上に強調され
る可能性が高く、そのため、フィルタリング後の画像の
ヒストグラム分布の形状が、ノイズ量の大小に依存する
ことになるのである。図6、図7および図8は、異なる
種類の画像に対応するラプラシアンフィルタ処理の応答
値のヒストグラム分布を示す図である。図6は、人物像
(ポートレート)に相当しており、図7は、ドライバや
ペンチのような金属物(ツール)の画像に相当してお
り、図8は、フルーツの画像のような静物画に相当して
いる。また、図6(a) 、図7(a) および図8(a) は、そ
れぞれ、ノイズを重畳していない標準の画像に相当し、
図6(b) 、図7(b) および図8(b) は、それぞれ、ノイ
ズを2%重畳した画像に相当し、図6(c) 、図7(c) お
よび図8(c) は、それぞれ、ノイズを4%重畳した場合
に相当している。また、各図には、各画像に相当するラ
プラシアンフィルタ応答値の平均値および標準偏差を併
記してある。
【0030】これらの図から、どのような種類の画像で
あれ、ノイズ量の大小に応じて、ヒストグラムの形状が
変動し、その傾向は、図5を参照して説明したとおりで
あることが理解される。したがって、ヒストグラム分布
の形状を認識する手段があれば、読取画像中のノイズ量
を自動判別することができる。ところが、図6、図7お
よび図8において併記されている標準偏差を参照する
と、標準偏差はノイズ量の大小にはあまり関連がないこ
とが判る。また、平均値情報は、ノイズ量の大小に応じ
て一応の変化が見られるものの、対象画像の種類によっ
て様々な値をとる。したがって、対象画像の種類に依存
することなくノイズ量の自動判別を行うためには、上述
の数値情報はあまり有用ではない。
【0031】そこで、この実施形態においては、ヒスト
グラムの分布形状の認識のためのパターン認識部33に
は、ニューラルネットワークが適用されている。ニュー
ラルネットワークは、人間の知覚系の持つ並列処理機能
を有しているから、非定量的な認識対象であるヒストグ
ラム形状のパターン認識に適している。図9は、パター
ン認識部33における処理内容を説明するためのブロッ
ク図である。パターン認識部33には、ヒストグラムを
正規化するための正規化処理部331と、正規化された
ヒストグラムのパターン認識を行って対象画像のノイズ
量判別のための基礎情報を出力するニューラルネットワ
ーク332とが含まれている。
【0032】正規化処理部331は、対象画素の総画素
数による影響を排除する。すなわち、対象画像の総画素
数が多ければ、その分ヒストグラムにおける頻度が多く
なるから、形状分析のためには、総画素数による影響を
排除しておくことが好ましい。そこで、正規化処理部3
31は、ヒストグラム作成部32によって作成されたヒ
ストグラムにおいて最大頻度をとる応答値の近傍の一定
範囲内の応答値に相当する頻度値の平均値を求め、この
平均値が所定の値になるように各応答値に対応する頻度
値を変更する。これによって、ヒストグラムの正規化が
達成される。平均値をとるのは、もしもヒストグラムが
くし状になっていれば、最大頻度値を所定値に合わせる
ように各応答値の頻度値を変更しても、適切に正規化を
行うことができないからである。
【0033】なお、最大頻度をとる応答値を求める際、
「0」の付近の応答値については、候補から除外してお
くことが好ましい。これは、応答値「0」の付近の頻度
は極端に大きいと予想され、したがって、応答値「0」
の付近の応答値に相当する最大頻度値に基づいて正規化
処理を行っても、適切な正規化を行うことができないお
それがあるからである。
【0034】図10は、ニューラルネットワーク332
の構造を概念的に示す図である。このニューラルネット
ワークは、多層パーセプトロンと呼ばれるフィードフォ
ワード型の非線形素子のネットワークである。このニュ
ーラルネットークは、入力層、中間層および出力層の3
層からなる。むろん、もっと多数の層を有するものも適
用可能である。
【0035】図10中「○」は、非線形素子を表し、た
とえば、図中i素子の入出力条件は、前層からの入力ベ
クトルをX、素子の出力ベクトルをYとすると以下の式
で定義できる。
【0036】
【数1】
【0037】関数fは、非線型特性を持たせるための単
調増加関数であり、一般に、その出力が(0,1)の範
囲内で単調増加するシグモイド関数が用いられる。シグ
モイド関数は、一般に、下記第(3) 式で定義される。
【0038】
【数2】
【0039】図11は、入力層の非線形素子への入力パ
ターンを説明するための図であり、正規化されたヒスト
グラムが示されている。ニューラルネットワーク332
の入力層の各非線形素子には、上記正規化されたヒスト
グラムにおいて予め定められたサンプリング点S1,S
2,・・・・・・,S14における頻度値(正規化された値)
がそれぞれ入力される。
【0040】サンプリング点S1,S2,・・・・・・,S1
4は、ラプラシアンフィルタ処理の応答値の離散的な値
に定められているが、必ずしも、等間隔で定められてい
るわけではない。サンプリング点を定めるに当たって
は、ノイズ量の大小によるヒストグラム分布の形状の変
化をとらえるのに最適な応答値が選択される。より具体
的には、小さな応答値の付近や、応答値に対する頻度の
変化率(ヒストグラムの傾き)が急変する参照符号Cで
示す付近については、高密度にサンプリング点が設定さ
れる。これに対して、応答値が比較的大きな値の付近で
は、ノイズ量の大小による頻度の変化が少ないと考えら
れるので、広い間隔でサンプリング点が設定されてい
る。サンプリング点を等間隔に定めてもよいが、サンプ
リング点を増やすことになるので、あまり好ましくな
い。
【0041】サンプリング数は任意であるか、あまり多
く選ぶと、非線形素子をそれだけ増やさなければなら
ず、演算時間の増大にもつながるので、必要最小限にと
どめておくことが好ましい。また、分布の局所的変動の
影響を低減するためには、サンプリング点の付近での平
滑化処理をヒストグラムに施し、この平滑化された値を
サンプリングデータとしてニューラルネットワーク33
2の入力層の非線形素子に入力すればよい。
【0042】たとえば、サンプリング数が5の場合に、
入力パターンに対して、ノイズ量小、ノイズ量中、ノイ
ズ量大の3つのカテゴリに出力パターンを分類するとす
れば、パーセプトロンのモデルは、図12に示すように
なる。すなわち、入力層は、サンプリング数に対応する
5つの非線形素子を有しており、この5つの非線形素子
に、サンプルデータD1,D2,・・・・・・,D5がそれぞ
れ入力される。入力層には、さらに、閾値用のバイアス
素子が設けられている。
【0043】中間層は、2つの非線形素子と1つの閾値
用バイアス素子とを含む。2つの非線形素子のそれぞれ
に、入力層の各非線形素子およびバイアス素子の出力が
並列に与えられている。中間層の2つの非線形素子およ
び1つの閾値用バイアス素子の出力は、出力層の3つの
非線形素子のそれぞれに並列に入力されている。出力層
の3つの非線形素子は、それぞれ、ノイズ量小、ノイズ
量中およびノイズ量大の各カテゴリに属する度合いを表
す信号を出力する。この意味においては、ニューラルネ
ットワーク332は、ノイズ量判別手段を構成している
と言える。
【0044】ニューラルネットワーク332の出力層の
3つの素子の出力は、ニューラルネットワーク332と
ともにノイズ量判別手段をなすファジー推論部34に並
列に入力される。図12の例では、中間層に2つの非線
形素子のみが割り当てられているが、これは、3つの出
力状態(ノイズ量小、ノイズ量中、ノイズ量大)を表現
するためには、2ビットで充分であると考えられるため
である。しかし、ノイズ量の大小に対する出力パターン
間のユークリッド距離が近い場合などには、中間層の素
子数を増やして分解能を上げ、カテゴリの区別の明確化
を図る必要がある。
【0045】ニューラルネットワーク332において適
切なパターン認識処理が行われるためには、まず、定義
したパーセプトロンに対する学習を行わなければならな
い。学習方法は、たとえば、予め3つの出力カテゴリ
(ノイズ量小、ノイズ量中、ノイズ量大)に分類した画
像のセットを準備し、それを教師として用いて、逆伝達
アルゴリズムによって行えばよい。以下、その手順を示
す。
【0046】 各カテゴリの画像をラプラシアンフィ
ルでフィルタリングし、その応答値についての正規化ヒ
ストグラムを作成する。 この正規化ヒストグラムをサンプリングし、パーセ
プトロン入力パターンを得る。 パーセプトロンにデフォルト(既定値)の結合加重
係数を与え、で得られたパターンを入力し、出力値を
得る。
【0047】 入力画像のカテゴリの出力パターンを
出力目標とし、の出力パターンとのユークリッド距離
を計算する。 このユークリッド距離を埋めるべく、逆伝達アルゴ
リズムで新たな結合加重係数を計算する。 出力目標と入力画像の出力パターンとのユークリッ
ド距離が一定値に収束するまで、新たな結合加重係数を
定めては出力パターンを得、さらにこの出力パターンと
出力目標とのユークリッド距離を算出する、というステ
ップを繰り返す。
【0048】このようにして学習されたパーセプトロン
は、教師として用いた画像以外の不特定の画像に相当す
る入力パターンに対しても、妥当な分類結果を出力する
と予想される。また、ニューラルネットワーク自体の補
間機能により、はっきり分類が確定できない場合でも、
中間的な出力パターンが得られることが期待できる。こ
うして、ニューラルネットワーク332は、対象画像の
ノイズ量、すなわち、荒れ具合を表す情報を出力する。
【0049】パターン認識部33によって参照される認
識用データベース35(図1参照)には、学習処理によ
って定められた結合加重係数が格納されている。認識用
データベース35には、必要に応じて、認識結果がフィ
ードバックされる。すなわち、鮮鋭化処理が適切に行わ
れなかったときには、そのときの画像のカテゴリを出力
目標として再度学習を行うことにより、結合加重係数が
更新される。こうして、画像処理の回数の増大に伴っ
て、ノイズ量の判別の正確度が増大していくことにな
る。
【0050】ニューラルネットワーク332によるノイ
ズ量の判別は、対象画像の種類によらずに適切に行える
と考えられるが、対象画像の種類を予め特定しておき、
画像の種類に応じた適切なパターン認識を行えば、さら
に正確にノイズ量を判別できる。そこで、認識用データ
ベース35には、標準の結合加重係数セットの他に、画
像の種類(ポートレート、ツール、フルーツなど)毎に
結合加重係数のセットが記憶されている。この結合加重
係数のセットは、画像の種類毎に、ノイズ小、ノイズ
中、ノイズ大の各カテゴリの画像を教師として求めたも
のである。画像処理装置2に備えられた入力部25か
ら、画像の種類が指定された場合には、当該指定された
種類に相当する結合加重係数のセットがニューラルネッ
トワーク332に設定される。画像の種類が指定されな
ければ、標準の結合加重係数のセットが適用される。
【0051】図13は、ファジー推論部34における処
理を説明するための図である。図13(a) は、ニューラ
ルネットワーク332の出力パターンに基づいて画像デ
ータ中のノイズ量を判別するためのメンバーシップ関数
を示す。すなわち、ノイズ量の判別に際して、ノイズ量
が小さいことを表すファジー集合に対応したメンバーシ
ップ関数Ms、ノイズ量が中くらいであることを表すフ
ァジー集合に対応したメンバーシップ関数Mm、および
ノイズ量が大きいことを表すファジー集合に対応したメ
ンバーシップ関数Mlが用いられる。
【0052】ニューラルネットワーク332の出力層の
3つの素子の出力をファジールールの条件部の確信度と
して用い、この確信度に応じてノイズ量小、ノイズ量
中、ノイズ量大の各ファジー集合を頭切りする。この頭
切りした各ファジー集合を合成することより、図13
(b) に示す合成されたファジー出力集合が求められる。
この合成されたファジー出力集合の重心の値が、対象画
像のノイズ量NAとして判別される。このノイズ量NA
に相当する制御値が鮮鋭化処理部23に入力されること
により、対象画像のノイズ量に応じた度合いの鮮鋭化処
理が行われる。
【0053】たとえば、ノイズが少ない場合には、画像
のエッジを強く強調するように強い鮮鋭化処理が行わ
れ、ノイズが多い場合には、ノイズが強調されすぎない
ように、弱い鮮鋭化処理が行われる。鮮鋭化処理部23
における鮮鋭化処理には、上述のとおり、ラプラシアン
フィルタやアンシャープマスクが適用される。ラプラシ
アンフィルタには、上述の図2(b) のものを用いること
ができる。このラプラシアンフィルタによって処理され
た画像データを原画像データに加算することによって鮮
鋭化処理が達成される。ラプラシアンフィルタによって
処理されたデータを原画像データに加算する際に、所定
の係数αを乗じることとし、この係数αをノイズ量判別
部30からの制御値に応じて変化させるようにすれば、
鮮鋭化の度合いを変化させることができる。係数αを零
とすれば、画像の鮮鋭化は行われない。
【0054】なお、ノイズ量判別部30のラプラシアン
フィルタ31におけるフィルタサイズは、検出対象のノ
イズの種類やサイズに応じて定められることが好まし
い。たとえば、画像入力装置1における処理中に混入し
た電気的ノイズは、画像中では1画素のみの孤立点とな
っていると考えられる。したがって、電気的ノイズの除
去のためには、3×3画素のマトリクスのラプラシアン
フィルタを適用するのが適切である。また、35ミリフ
ィルム原稿中に存在しているような粒子モトルに起因す
るノイズの大きさは、その粒子モトルの大きさおよび倍
率変更回路12において設定される拡大倍率に応じて変
化する。したがって、粒子モトルに起因するノイズを主
な解析対象ノイズとする場合には、その粒子モトルのサ
イズと、拡大倍率の大小とに応じてフィルタのサイズを
変更することが好ましい。
【0055】具体的に説明する。解析対象となるノイズ
のサイズをx(μm)、CCD素子11の解像力をy
(dpi:dot per inch)、倍率をz(倍)とすると、
ノイズ1つを構成するエリアの一辺の画素数は次式で計
算される。
【0056】
【数3】
【0057】たとえば、400dpi、400%拡大
(4倍)時に、粒子モトルの大きさが30μmであると
すると、粒子モトルを構成するエリアの一辺の画素数
は、上記第(4) 式に代入して、
【0058】
【数4】
【0059】となる。したがって、粒子モトルに相当す
る画像は、約2×2のピクセルエリアで構成されること
になる。ノイズの認識を行う場合、ラプラシアンフィル
タ31のカーネルサイズの最適値は、対象ノイズを包含
できるサイズであり、上記の例では、3×3のサイズが
あれば充分である。このフィルタサイズであれば、孤立
した1画素からなる電気的ノイズをも良好に解析でき
る。
【0060】このように、解析対象のノイズの大きさ、
倍率および解像度に基づいて、フィルタサイズを定める
ことが好ましいから、画像処理装置2の入力部25か
ら、ノイズサイズ、倍率変更回路12の倍率およびCC
D素子11の解像度の情報を入力し、これらの情報に基
づいて、ラプラシアンフィルタ処理部31において用い
られるラプラシアンフィルタのカーネルサイズを定める
ようにすれば、一層正確にノイズ量を判別することがで
きる。
【0061】また、倍率変更回路12における変倍率に
応じてニューラルネットワーク332の結合加重係数を
変更することも効果的である。したがって、認識用デー
タベース35に複数種類の変倍率に対応した適切な結合
加重係数を記憶させておき、入力部25から入力された
倍率に応じて適切な結合加重係数がニューラルネットワ
ーク332に設定されるようにしてもよい。
【0062】以上のようにこの実施形態によれば、画像
データに対してラプラシアン操作を施すことによって画
像中の高周波成分を取り出し、このラプラシアン操作に
よって得られた画像のヒストグラムが作成される。そし
て、このヒストグラムの分布形状が、ニューラルネット
ワーク332によってパターン認識され、その結果とし
て、対象画像中のノイズ量が判別される。こうして自動
的に判別されたノイズ量に基づき、画像鮮鋭化処理が制
御され、画像中の高周波成分の強調の度合いが自動調整
される。
【0063】ラプラシアンフィルタ31によるフィルタ
処理は高速であるから、全体の処理は短時間で完了する
ことができ、しかも、画像中の特定の領域(たとえば、
濃度が一定の領域)を抽出する必要もないから、ノイズ
量の判別を確実に行える。さらには、ニューラルネット
ワーク332によるヒストグラム形状のパターン認識
は、基本的には、対象画像の種類に依存せずに良好に行
えるから、対象画像の種類に関係なくノイズ量の判別を
正確に行える。
【0064】このように、従来では熟練者による試行錯
誤によっていた鮮鋭化処理の調整が、高速かつ確実に自
動判別されたノイズ量に基づき、自動でかつ適切に行え
る。これにより、画像データ処理の自動化を図るうえで
極めて有利になる。本発明の実施の形態の説明は以上の
とおりであるが、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではない。たとえば、上記の実施形態では、高域フ
ィルタ処理のためにラプラシアンフィルタが用いられて
いるが、アンシャープマスクなどの他の高域フィルタが
適用されてもよい。アンシャープマスクでは、図14に
示す平滑化フィルタが用いられる。原画像データから、
平滑化された後の画像データを減じることによって、画
像のエッジ部やノイズなどの空間周波数の高い部分の画
像を抽出できる。
【0065】また、上記の実施形態の説明においては、
倍率変更回路12における変倍率に応じて、ラプラシア
ンフィルタ31のカーネルサイズを変更することについ
て説明したが、その代わりに、ラプラシアンフィルタ処
理に先だって、画像を所定の倍率の画像に変倍すること
とし、常に一定のサイズのフィルタを用いるようにして
もよい。しかし、この場合には、画像の変倍のために画
像データの間引きや水増しを行う必要があるから、ノイ
ズ量の判別対象の画像データと、鮮鋭化処理を受ける画
像データとは異なるデータとなる。そのため、ノイズ量
の判別の正確性の点では、フィルタサイズを変更する場
合よりも劣るおそれがある。
【0066】その他、特許請求の範囲に記載された技術
的事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能であ
る。
【0067】
【発明の効果】請求項1または請求項5記載の発明によ
れば、高速なフィルタ処理、ヒストグラムの作成および
その形状のパターン認識によって入力画像データ中のノ
イズ量を高速にかつ確実に自動判別することができる。
請求項2、請求項6または請求項7記載の発明によれ
ば、ニューラルネットワークを用いることによってヒス
トグラムの形状のパターン認識を適切に行えるから、入
力画像データ中のノイズ量の大小を正確に判別できる。
【0068】請求項3または請求項8記載の発明によれ
ば、パターン認識結果に基づくノイズ量の判別にファジ
ー推論を適用しているので、あいまいさを伴うパターン
認識結果に対する処理を良好に行える。請求項4または
請求項9記載の発明によれば、フィルタ処理、ヒストグ
ラムの作成、およびヒストグラム形状のパターン認識に
基づいて高速かつ確実に判別されたノイズ量に基づい
て、入力画像データに対する鮮鋭化処理の度合いが設定
される。これにより、ノイズ量に応じた鮮鋭化処理を自
動で行えるから、画像処理の自動化を極めて有利に図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用された画像データ作
成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ラプラシアンフィルタによる処理を説明するた
めの図である。
【図3】ラプラシアンフィルタの通過周波数特性を示す
特性図である。
【図4】5×5および7×7の各ラプラシアンフィルタ
を示す図である。
【図5】ノイズ量の大小に伴うヒストグラムの形状の変
化を示す図である。
【図6】人物像(ポートレート)の画像におけるヒスト
グラムの形状を示す図である。
【図7】ツールの画像におけるヒストグラムの形状を示
す図である。
【図8】フルーツの画像におけるヒストグラムの形状を
示す図である。
【図9】パターン認識部の構成を示す図である。
【図10】ニューラルネットワークの概念的な構成を示
す図である。
【図11】ニューラルネットワークに入力すべきヒスト
グラムの値のサンプリングについて説明するための図で
ある。
【図12】ニューラルネットワークの一例を示す図であ
る。
【図13】ファジー推論部による処理を説明するための
図である。
【図14】アンシャープマスキングに適用される平滑化
フィルタを示す図である。
【符号の説明】
2 画像処理装置 21 画像ファイル 23 鮮鋭化処理部 30 ノイズ量判別部 31 ラプラシアンフィルタ 32 ヒストグラム作成部 33 パターン認識部 34 ファジー推論部 35 認識用データベース

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力画像データに対して高空間周波数成分
    を強調する処理を施す高域フィルタ手段と、 この高域フィルタ手段によって処理された画像データの
    ヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、 このヒストグラム作成手段によって作成されたヒストグ
    ラムの形状をパターン認識するパターン認識手段と、 入力画像データ中のノイズ量の大小を判別するノイズ量
    判別手段とを含むことを特徴とする画像のノイズ量判別
    装置。
  2. 【請求項2】上記パターン認識手段は、ヒストグラム中
    の所定のサンプリング点における頻度を入力として、ノ
    イズ量の大小に相当する複数のカテゴリについての認識
    結果を出力するニューラルネットワークであることを特
    徴とする請求項1記載のノイズ量判別装置。
  3. 【請求項3】上記ノイズ量判別手段は、上記パターン認
    識手段による認識結果を入力として、ファジー推論によ
    って入力画像データ中のノイズ量を判別するファジー推
    論手段を含むものであることを特徴とする請求項1また
    は2記載のノイズ量判別装置。
  4. 【請求項4】入力画像データに鮮鋭化処理を施すための
    画像処理装置であって、 上記請求項1、請求項2または請求項3記載のノイズ量
    判別装置と、 このノイズ量判別装置によって判別されたノイズ量に応
    じて設定される度合いで、入力画像データに対して鮮鋭
    化処理を施す鮮鋭化処理手段とを含むことを特徴とする
    画像処理装置。
  5. 【請求項5】入力画像データに対して高空間周波数成分
    を強調するためのフィルタ処理を施し、 この処理結果に対して、フィルタ処理の応答値のヒスト
    グラムを作成し、 このヒストグラムの形状をパターン認識手段によってパ
    ターン認識させ、 その認識結果に基づいて、入力画像データ中のノイズ量
    の大小を判別することを特徴とするノイズ量判別方法。
  6. 【請求項6】上記ヒストグラムのパターン認識に用いる
    パターン認識手段は、ヒストグラムの所定のサンプリン
    グ点における頻度を入力とし、ノイズ量の大小に対応し
    た複数のカテゴリについての認識結果を出力するニュー
    ラルネットワークであることを特徴とする請求項5記載
    のノイズ量判別方法。
  7. 【請求項7】ノイズ量が既知の複数のカテゴリの画像を
    教師として上記ニューラルネットワークの学習を行うこ
    とを特徴とする請求項6記載のノイズ量判別方法。
  8. 【請求項8】上記ノイズ量の大小の判別は、上記パター
    ン認識手段による認識結果を入力としたファジー推論に
    よって行うことを特徴とする請求項5ないし7のいずれ
    かに記載のノイズ量判別方法。
  9. 【請求項9】入力画像データに鮮鋭化処理を施すための
    画像処理方法であって、 上記請求項5ないし8のいずれかに記載のノイズ量判別
    方法によって入力画像データのノイズ量を判別し、 この判別されたノイズ量に応じて設定される度合いで、
    入力画像データに対して鮮鋭化処理を施すことを特徴と
    する画像処理方法。
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