JPH09304752A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH09304752A
JPH09304752A JP11877096A JP11877096A JPH09304752A JP H09304752 A JPH09304752 A JP H09304752A JP 11877096 A JP11877096 A JP 11877096A JP 11877096 A JP11877096 A JP 11877096A JP H09304752 A JPH09304752 A JP H09304752A
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Japan
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data
image data
liquid crystal
column
frame
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Application number
JP11877096A
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English (en)
Inventor
Yasuhito Fukui
康仁 福井
Takahiro Kobayashi
隆宏 小林
Hideki Nozaki
秀樹 野崎
Hideyuki Nakanishi
英行 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP11877096A priority Critical patent/JPH09304752A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純マトリクス型液晶パネルの複数行同時選
択駆動法において、少ないビット数で列信号を演算し、
かつ列信号の誤差を低減する。 【解決手段】 画像データから生成された2つの分離デ
ータをそれぞれ直交変換する複数行同時選択駆動法にお
いて、画像データの第1の組(1,-1または1,0,-1)以外
に絶対値が同じで極性の異なる画像データである第2の
組を用意し、第2の組のうち負の極性を持つ画像データ
のみに関して2つの分離データを入れ換えた後、2つの
分離データの各々において、第1の組の画像データから
の分離データと第2の組の画像データからの分離データ
との平均値を用いて分離データを符号化し、符号化され
たビット毎に直交変換しビットの重みを考慮して加算し
て列信号を算出するとともに、2つの組の画像データか
らなる1フレームでの表示階調を、所定フレーム数で組
み合せて階調を表示するように構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルで画像
を表示する液晶表示装置に関するものである。詳しく
は、高速で応答する液晶を挟持した単純マトリクス型液
晶パネルに対して複数行同時選択駆動法を用いる液晶表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶パネルは、フラットパネルデ
ィスプレイとして広く一般に使用されている。その代表
的な種類の1つに単純マトリクス型液晶パネルがある。
【0003】この単純マトリクス型液晶パネルは、2枚
のガラス基板の間にSTN(超ねじれネマティックス)
とよばれる液晶が封入され、それぞれのガラス基板上に
形成された、縞状透明電極である複数の行電極と複数の
列電極とが互いに垂直にマトリクスを構成する構造を持
つマトリクス型液晶パネルである。このような単純な構
造から、単純マトリクス型液晶パネルは低コストで生産
できるという利点を持つ。またビデオレートの動画を表
示できるような高速応答の液晶を挟持する単純マトリク
ス型液晶パネルが開発されている現在、その利用分野が
広がりつつある。以降、単純マトリクス型液晶パネルを
液晶パネルと略記する。
【0004】この高速応答の液晶パネルに対し、1つの
行電極に1画面表示期間(例えば1フレーム期間)に1
度だけ選択電圧を印加し、その行の上にある画素の情報
を列電極から供給する従来の線順次駆動法を用いると、
液晶の応答が速いために一度明るくなった後にすぐに暗
くなって、コントラストが低下するフレーム応答現象が
生じてしまうという問題がある。
【0005】そこで、高速応答の液晶パネルの複数の行
を同時に選択することで、1つの行を1フレーム期間に
複数回選択してフレーム応答現象の影響を除去し、コン
トラストの低下を防ぐ駆動法が開発されている。この駆
動法は、1と−1の2値または1と0と−1の3値から
なる直交行列を用いた直交変換に依拠した駆動法であ
る。これが複数行同時選択駆動法である。
【0006】ここで複数行同時選択駆動法の液晶表示装
置について図7を用いて簡単に説明するが、以下の説明
において、行列及び液晶パネルにおける行と列の定義は
数学でなされているもの同様とし、直交行列とは、任意
の異なる2つの行ベクトルまたは列ベクトルの内積が必
ず0になる行列を指す。
【0007】図7において、直交行列30は、1と−1
の2値、または1と0と−1の3値のデータからなるN
行L列(N,Lは自然数、かつNは4の倍数)の行列で
ある。(数1)に2値の値からなる8行8列の直交行列
の例を、(数2)に3値の値からなる8行8列の直交行
列の例をそれぞれ示す。
【0008】
【数1】
【0009】
【数2】
【0010】液晶パネル1はL本の行電極とM本の列電
極を持つ単純マトリクス型液晶パネルである。この液晶
パネル1のj番目(jはL以下の自然数)の行電極33
に対して、1フレームをN等分した区間のi番目の区間
(以降、このi番目の区間を時間iと呼ぶ)において、
直交行列30のi行j列データであるhi,j の値に応じ
た電圧が行信号として、行ドライバ2のj番目の出力端
子から印加される。
【0011】また、液晶パネル1のh番目(hはM以下
の自然数)の列電極34に対しては、時間iにおいて、
L行M列の画像データ31を直交行列30を用いて直交
変換(2つの行列の掛け算)して得られるN行M列の列
信号データ32のi行h列データであるci,h の値に応
じた電圧が列信号として、列ドライバ3のh番目の出力
端子から印加される。
【0012】このようにすると1フレーム期間で、直交
変換によって生成された列信号が行信号によって逆変換
され、j番目の行電極33とh番目の列電極34との間
に挟持されている液晶層に画像データdj,h の値に比例
した実効値電圧が蓄積される。液晶層は両電極間の実効
値電圧に比例して光を透過するため、液晶パネルに画像
が表示されることになる。この駆動方法は特開平5−1
00642号公報に詳しく記載されている。
【0013】ここで必ず満たすべき条件として、1フレ
ーム期間における列信号の実効値が一定とならなければ
ならないということがある。この条件を満たすためにい
くつかの方法があるが、その1つに、オン(=−1)と
オフ(=1)との間に定義された各画像データdj,h
対して、階調補正を行うために(数3),(数4)に示
されるように分離された2つのデータ(以降、これらを
分離データとし、(数3)の方をプラス側分離データ、
(数4)の方をマイナス側分離データとする)を生成す
る方法がある。
【0014】
【数3】
【0015】
【数4】
【0016】(数3),(数4)のプラス側分離データ
j,h とマイナス側分離データyj, h は、平均するとも
とのデータdj,h となり、2乗の平均が所定値つまり1
となる。この明細書では、プラス側分離データを第1の
分離データと称し、マイナス側分離データを第2の分離
データと称している。
【0017】図8はこの方法の場合の列信号の生成方法
と、行信号、列信号の出力順序を図示したものである。
図8に示すように、1フレーム分の画像データから生成
された1フレーム分のプラス側分離データ35から列信
号データ36を生成し、1フレーム分のマイナス側分離
データ37から列信号データ38を生成する。そして前
半の2分の1フレーム期間で列信号データ36の全デー
タを列ドライバ3に出力し、後半の2分の1フレーム期
間で列信号データ38の全データを列ドライバ3に出力
する。直交行列30の各データは1フレーム期間に2
回、行ドライバ2に出力される。
【0018】このとき、1つの行ベクトルの1,−1の
総数がnである(すなわち、同時選択本数n)のN行L
列の直交行列をH、プラス側分離データ35のh列目の
列ベクトルをxh 、その各データをxj,h (−1≦x
j,h ≦1)、マイナス側分離データ37のh列目の列ベ
クトルをyh 、その各データをyj,h (−1≦yj,h
1)、列信号データ36のh列目の列ベクトルをah
その各データをai,h (1≦i≦N)、列信号データ3
8のh列目の列ベクトルをbh 、その各データをbi,h
(1≦i≦N)とし、列信号データの各データから、実
際に列ドライバ3から印加される列信号を生成するとき
の比例定数をkとすると、列ベクトルah,bh の各デ
ータから生成される1フレーム期間の列信号の実効値V
RMS は、(数5)のように一定となる。
【0019】
【数5】
【0020】また、1フレームで数種類の階調を表示
し、所定のフレーム数における表示階調の組合せで画像
データの各々のデータに応じた階調を表示するFRC
(フレーム・レート・コントロール)を行う場合、図9
に示されるような非線型の数階調を用いてFRCを行う
と、1フレームでの表示階調を最小限に抑さえ、かつ最
小限のフレーム数で多階調表示を行うことが可能である
ことが知られている。図9の例は、1フレームで非線型
の4階調(1,0.667 ,−0.667 ,−1)を表示し、4
フレームにおける非線型の4階調の組合せで25階調を
表示するものである。図中の表は、その4フレームでの
組合せの1例である。
【0021】この非線型の階調を用いたFRC(フレー
ム・レート・コントロール)と先程説明した分離データ
を生成する複数行同時選択駆動法とについては、A Colo
r STN-LCD for Video Display Using Amplitude-Modula
tion MLS Technology, Y Hirai et.al, SID 95 DIGEST
(1995), p.339〜p.342 に詳しく記載されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】分離データを生成する
複数行同時選択駆動法において、分離データを生成する
際に、(数3),(数4)のように平方根を含んだ計算
を行う必要があるため、演算の際に十分なビット精度が
要求される。もしビット精度が不足していると、算出さ
れた列信号データに誤差が生じ、1フレーム期間に出力
される列信号の実効値が(数5)に示した条件から外れ
てしまう。そうなると、1列全体の輝度が各列で所望の
輝度と異なってしまい、液晶パネルの列ごとの輝度むら
となって現われるという問題が生じる。
【0023】また、列信号データに誤差がでないような
十分なビット精度を実現するためには、演算回路の回路
規模を大きくする必要があり、システム全体のコストア
ップをきたすという問題が生じる。
【0024】本発明は、上記問題点を解決するもので、
少ないビット数で列信号データを演算するとともに、演
算の際の誤差を低減して液晶パネルの列ごとの輝度むら
の改善を図ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明に係る液晶表示装置は、画像データから生成さ
れた2つの分離データをそれぞれ直交変換する複数行同
時選択駆動法において、絶対値がともに所定値となる画
像データの第1の組(1と−1または1と0と−1)以
外に、絶対値が同じで極性の異なる、あるいは2乗の和
が所定値となる2つの定数の各々から絶対値が同じで極
性の異なる画像データの組である第2の組を用意し、第
2の組の内どちらかの極性を持つ画像データに関して2
つの分離データを交換した後、2つの交換分離データの
各々において、第1の組の画像データからの交換分離デ
ータと第2の組の画像データからの交換分離データとの
平均値を用いて交換分離データを符号化し、符号化され
たビット毎に変換しビットの重みを考慮して加算して列
信号を生成するとともに、2つの組の画像データを1フ
レームでの表示階調とし、表示階調の所定フレーム数で
の組合せで階調を表示するように構成されたものであ
る。
【0026】これにより、交換分離データを符号化して
少ないビット数で階調を表現するため、少ないビット数
で列信号データを演算できる。また、符号化されたビッ
トはアナログ的な重み付けがなされているため、各分離
データには実質的に誤差がなくなり、算出された列信号
データの誤差を低減することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る請求項1の液晶表示
装置は、行電極と列電極との間に実効値電圧に応答する
液晶を挟持するマトリクス型液晶パネルに画像データを
表示するものであって、前記画像データの各々から平均
するともとのデータとなり2乗の平均が所定値となる第
1および第2の分離データ(例えば(数3),(数4)
によるもの;この場合の所定値は1)を生成し、1フレ
ーム分の前記第1の分離データと1フレーム分の前記第
2の分離データとを所定の直交行列を用いて直交変換し
て得られたデータから前記列電極に印加する列信号を生
成し、前記直交行列から前記行電極に印加する行信号を
生成する複数行同時選択駆動法の液晶表示装置におい
て、前記第1および第2の分離データの絶対値がともに
前記所定値となる画像データの組である第1の組(例え
ば1と−1)以外に、絶対値が同じで極性の異なる画像
データの組である第2の組(例えば 0.667と−0.667 )
を少なくとも1つ用意し、前記第2の組の内どちらかの
極性を持つ画像データから得られる前記第1の分離デー
タと前記第2の分離データとを交換した後、前記第1お
よび第2の交換分離データの各々において、前記第1の
組の画像データから得られる交換分離データと前記第2
の組の画像データから得られる交換分離データとの平均
値を用いて前記交換分離データを符号化し、符号化され
たビット毎に前記直交変換を行い前記ビットの重みを考
慮して加算して前記列信号を生成するとともに、前記第
1の組と前記第2の組とを1フレームでの表示階調と
し、前記表示階調の所定フレーム数での組合せで前記画
像データの各々に応じた階調を表示することを特徴とし
ている。これによれば、少ないビット数で列信号データ
を演算するとともに、演算の際の誤差を低減して液晶パ
ネルの列ごとの輝度むらを改善することができるという
作用を有する。
【0028】本発明に係る請求項2の液晶表示装置は、
行電極と列電極との間に実効値電圧に応答する液晶を挟
持するマトリクス型液晶パネルに画像データを表示する
ものであって、前記画像データの各々から平均するとも
とのデータとなり2乗の平均が所定値となる第1および
第2の分離データ(例えば(数3),(数4)によるも
の;この場合の所定値は1)を生成し、1フレーム分の
前記第1の分離データと1フレーム分の前記第2の分離
データとを所定の直交行列を用いて直交変換して得られ
たデータから前記列電極に印加する列信号を生成し、前
記直交行列から前記行電極に印加する行信号を生成する
複数行同時選択駆動法の液晶表示装置において、前記第
1および第2の分離データの絶対値がともに前記所定値
となる画像データの組である第1の組(例えば1と−
1)以外に、2乗の和が前記所定値となる2つの定数
(例えば 0.8と0.6 )の各々から絶対値が同じで極性の
異なる2組の画像データである第2の組(例えば 0.8と
0.6 と−0.6 と−0.8 )を用意し、前記第2の組の内ど
ちらかの極性を持つ画像データから得られる前記第1の
分離データと前記第2の分離データとを交換した後、前
記第1および第2の交換分離データの各々において、前
記第1の組の画像データから得られる交換分離データと
前記第2の組の画像データから得られる交換分離データ
との平均値を用いて前記交換分離データを符号化し、符
号化されたビット毎に前記直交変換を行い前記ビットの
重みを考慮して加算して前記列信号を生成するととも
に、前記第1の組と前記第2の組とを1フレームでの表
示階調とし、前記表示階調の所定フレーム数での組合せ
で前記画像データの各々に応じた階調を表示することを
特徴としている。これによれば、少ないビット数で列信
号データを演算するとともに、演算の際の誤差を低減し
て液晶パネルの列ごとの輝度むらを改善することができ
るという作用を有する。
【0029】本発明に係る請求項3の液晶表示装置は、
行電極と列電極との間に実効値電圧に応答する液晶を挟
持するマトリクス型液晶パネルに画像データを表示する
ものであって、前記画像データの各々から平均するとも
とのデータとなり2乗の平均が所定値となる第1および
第2の分離データ(例えば(数3),(数4)によるも
の;この場合の所定値は1)を生成し、1フレーム分の
前記第1の分離データと1フレーム分の前記第2の分離
データとを所定の直交行列を用いて直交変換して得られ
たデータから前記列電極に印加する列信号を生成し、前
記直交行列から前記行電極に印加する行信号を生成する
複数行同時選択駆動法の液晶表示装置において、前記第
1および第2の分離データの絶対値がともに前記所定値
となる画像データの組である第1の組(例えば1と−
1)以外に、絶対値が同じで極性の異なる画像データの
組である第2の組(例えば 0.667と−0.667 )を少なく
とも1つ用意し、前記第2の組の内どちらかの極性を持
つ画像データから得られる前記第1の分離データと前記
第2の分離データとを交換した後、前記第1および第2
の交換分離データの各々において、前記第1の組の画像
データから得られる交換分離データと前記第2の組の画
像データから得られる交換分離データとの平均値を用い
て前記交換分離データを符号化し、符号化されたビット
毎に前記直交変換を行い前記ビットの重みを考慮しなが
ら前記ビットの各々の演算結果毎に前記列信号として出
力するとともに、前記第1の組と前記第2の組とを1フ
レームでの表示階調とし、前記表示階調の所定フレーム
数での組合せで前記画像データの各々に応じた階調を表
示することを特徴としている。これによれば、少ないビ
ット数で列信号データを演算するとともに、演算の際の
誤差を低減して液晶パネルの列ごとの輝度むらを改善す
ることができるという作用を有する。
【0030】本発明に係る請求項4の液晶表示装置は、
行電極と列電極との間に実効値電圧に応答する液晶を挟
持するマトリクス型液晶パネルに画像データを表示する
ものであって、前記画像データの各々から平均するとも
とのデータとなり2乗の平均が所定値となる第1および
第2の分離データ(例えば(数3),(数4)によるも
の;この場合の所定値は1)を生成し、1フレーム分の
前記第1の分離データと1フレーム分の前記第2の分離
データとを所定の直交行列を用いて直交変換して得られ
たデータから前記列電極に印加する列信号を生成し、前
記直交行列から前記行電極に印加する行信号を生成する
複数行同時選択駆動法の液晶表示装置において、前記第
1および第2の分離データの絶対値がともに前記所定値
となる画像データの組である第1の組(例えば1と−
1)以外に、2乗の和が前記所定値となる2つの定数
(例えば 0.8と0.6 )の各々から絶対値が同じで極性の
異なる2組の画像データである第2の組(例えば 0.8と
0.6 と−0.6 と−0.8 )を用意し、前記第2の組の内ど
ちらかの極性を持つ画像データから得られる前記第1の
分離データと前記第2の分離データとを交換した後、前
記第1および第2の交換分離データの各々において、前
記第1の組の画像データから得られる交換分離データと
前記第2の組の画像データから得られる交換分離データ
との平均値を用いて前記交換分離データを符号化し、符
号化されたビット毎に前記直交変換を行い前記ビットの
重みを考慮しながら前記ビットの各々の演算結果毎に前
記列信号として出力するとともに、前記第1の組と前記
第2の組とを1フレームでの表示階調とし、前記表示階
調の所定フレーム数での組合せで前記画像データの各々
に応じた階調を表示することを特徴としている。これに
よれば、少ないビット数で列信号データを演算するとと
もに、演算の際の誤差を低減して液晶パネルの列ごとの
輝度むらを改善することができるという作用を有する。
【0031】本発明に係る請求項5の液晶表示装置は、
上記請求項3または請求項4において、符号化されたビ
ットの各々の演算結果毎に列信号として出力する際に、
列電極に列信号を印加する列ドライバへの供給電圧を、
符号化されたビットの重みに応じて変更することを特徴
としている。これによれば、少ないビット数で列信号デ
ータを演算するとともに、演算の際の誤差を低減して液
晶パネルの列ごとの輝度むらを改善することができると
いう作用を有する。
【0032】以下、本発明に係る液晶表示装置の実施の
形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図であ
る。実施の形態1は請求項1に該当する。図1におい
て、液晶パネル1は、図7で示したものと同じL本の行
電極とM本の列電極を持つ単純マトリクス型液晶パネル
である。行列ROM13は、N行L列の直交行列30の
各データを保持し、アドレス発生回路12の出力するア
ドレスに従って、直交行列30の全データを1行単位
で、1フレーム期間に2回演算回路9と演算回路10と
行ドライバ2とに出力する。
【0034】フレームカウンタ4は、外部から転送され
る垂直同期信号を計数し、そのカウント値を階調選択回
路5に出力する。階調選択回路5は、外部から転送され
25レベルの階調を持つ画像データの各々のデータの値
とフレームカウンタ4の出力するカウント値とから、図
9中に示される表を用いて、現在のフレームで表示すべ
き画像データに対応するデータ(図9中の表においては
A,B,C,D)を選び出力する。A=1、B=0.667
、C=−0.667 、D=−1である。A=1とD=−1
とは、絶対値がともに1となる第1の組の画像データで
あり、B=0.667とC=−0.667 とは、絶対値が同じで
極性の異なる第2の組の画像データである。
【0035】フレームメモリ6は、階調選択回路5の出
力データを1フレーム分記憶した後、全データを入力の
順序と同じ順序で1フレーム期間に2回、符号化回路8
に出力する。メモリ制御回路7は、フレームメモリ6の
書き込み、読み出しを制御するとともに、フレームメモ
リ6の読み出し動作が1回目であるか2回目であるかと
いう読み出し回数の情報を符号化回路8と加算回路11
とに出力する。
【0036】符号化回路8は、(表1)を参考にして、
フレームメモリ6の読み出し回数が1回目ならば、フレ
ームメモリ6の出力データdj,h に応じた符号化分離デ
ータXj,h の2つのビット(X1j,h ,X2j,h )を出
力し、2回目ならばdj,h に応じた符号化分離データY
j,h の2つのビット(Y1j,h ,Y2j,h )を出力す
る。
【0037】
【表1】
【0038】(表1)において、分離データxj,h ,y
j,h はそれぞれ、フレームメモリ6からの画像データd
j,h を(数3),(数4)に代入して算出されたプラス
側分離データ(第1の分離データ)、マイナス側分離デ
ータ(第2の分離データ)であり、分離データxj,h
j,h の内、画像データ(-0.667)から算出されたプラ
ス側分離データとマイナス側分離データとを交換すると
交換分離データ’xj, h ' ,yj,h ' となる。
【0039】画像データ(1,−1)の組は、2つの分
離データ(1,−1)の絶対値がともに所定値(ここで
は1)である画像データの組である第1の組であり、画
像データ(0.667 ,−0.667 )の組は、第1の組以外
の、絶対値が同じで極性の異なる画像データの組である
第2の組である。また、交換分離データxj,h ' (1.41
2・・・,−1.412・・・),yj,h ' (−0.079・・・,0.079・・
・)は、第2の組の内どちらかの極性(ここではマイナ
ス)を持つ画像データから得られる第1の分離データ
(プラス側分離データxj,h :0.079・・・)と第2の分離
データ(マイナス側分離データyj,h :−1.412・・・)と
を交換したものということになる。
【0040】符号化分離データXj,h は、(表2)に示
されるように、1と1.412・・・との平均値(1.206・・・)
と、-1と-1.412・・・ との平均値(-1.206・・・ )と、1と
-1.412・・・ との平均値(-0.206・・・ )と、-1と1.412・・・
との平均値(0.206・・・)とを用い、1.206・・・を(X1
j,h =0)、-1.206・・・ を(X1j,h =1)、0.206・・・
を(X2j,h =0)、-0.206・・・ を(X2j,h =1)と
定義することで、交換分離データxj,h ' を(X
j,h ,X2j,h )の2ビットに符号化したものであ
る。
【0041】つまり、Xj,h ' が1に対しては、1.206・
・・と-0.206・・・ とで1になるから(X1j,h ,X
j,h )=(0,1)となり、Xj,h ' が1.412・・・に対
しては、1.206・・・と0.206・・・とで1.412・・・になるから
(X1j,h ,X2j,h )=(0,0)となり、Xj,h '
が-1.412・・・ に対しては-1.206・・・ と-0.206・・・ とで-
1.412・・・になるから(X1j,h ,X2j,h )=(1,
1)となり、Xj,h ' が-1に対しては-1.206・・・ と0.20
6・・・とで-1になるから(X1j,h ,X2j,h )=(1,
0)となる。
【0042】
【表2】
【0043】符号化分離データYj,h は、(表2)に示
されるように、1と0.079・・・との平均値(0.539・・・)
と、-1と-0.079・・・ との平均値(-0.539・・・ )と、1と
-0.079・・・ との平均値(0.461・・・)と、-1と0.079・・・と
の平均値(-0.461・・・ )とを用い、0.539・・・を(Y1
j,h =0)、-0.539・・・ を(Y1j,h =1)、0.461・・・
を(Y2j,h =0)、-0.461・・・ を(Y2j,h =1)と
定義することで、交換分離データyj,h ' を(Y
j,h ,Y2j,h )の2ビットに符号化したものであ
る。
【0044】演算回路9は、符号化回路8の出力する符
号化分離データの一方のビット(X1j,h とY1j,h
の1フレーム分を、行列ROM13が出力する直交行列
30のデータで直交変換して加算回路11に出力し、演
算回路10は、符号化回路8の出力する符号化分離デー
タのもう一方のビット(X2j,h とY2j,h )の1フレ
ーム分を、行列ROM13が出力する直交行列30のデ
ータで直交変換して加算回路11に出力する。
【0045】加算回路11は、メモリ制御回路7の出力
する読み出し回数の情報を入力し、読み出し回数が1回
目であるときは、(表2)に示されるX1j,h ,X2
j,h の重みを考慮して、演算回路9の出力データと演算
回路10の出力データとを加算し、列信号データ40を
生成し列ドライバ3に出力する。読み出し回数が2回目
であるときは、(表2)に示されるY1j,h ,Y2j,h
の重みを考慮して、演算回路9の出力データと演算回路
10の出力データとを加算し、列信号データ42を生成
し列ドライバ3に出力する。
【0046】図2は、列信号データの生成方法と、行信
号、列信号の出力順序を図示したものである。図2にお
いて、列信号データ40は、1フレーム分の交換分離デ
ータxj,h ' (交換分離データ39)を直交行列30を
用いて直交変換して得られたものであり、列信号データ
42は、1フレーム分の交換分離データyj,h ' (交換
分離データ41)を直交行列30を用いて直交変換して
得られたものであり、前半の2分の1フレーム期間で、
列信号データ40の全データを列ドライバ3に出力し、
後半の2分の1フレーム期間で列信号データ42の全デ
ータを列ドライバ3に出力することを示している。列信
号データ40、列信号データ42は、実際には図2のよ
うな方法で算出されるわけではないが、符号化分離デー
タの各ビットを変換して得られるデータを、各々の重み
を考慮して加算するので実質的に図2と同じ演算とな
る。また、図8と同様に、行列ROM13の出力する直
交行列30の各データは1フレーム期間に2回、行ドラ
イバ2に出力される。
【0047】行ドライバ2は、行列ROM13が出力す
る直交行列30のデータを入力し、入力データに応じた
電圧を、各出力端子から液晶パネル1の対応する行電極
に印加する。列ドライバ3は、列信号データ40のデー
タと列信号データ42とを入力し、各データに応じた電
圧を、各出力端子から液晶パネル1の対応する列電極に
印加する。
【0048】ここで、交換分離データを用いて列信号デ
ータを生成しても、1フレーム期間に出力される各列信
号の実効値は一定となることを説明する。(数5)と同
様に、1つの行ベクトルの1,−1の総数がnである
(すなわち、同時選択本数n)のN行L列の直交行列を
H、交換分離データ39のh列目の列ベクトルを
h '、その各データをxj,h ' 、交換分離データ41
のh列目の列ベクトルをyh '、その各データをyj,h '
、列信号データ40のh列目の列ベクトルをah ' 、
その各データをai,h ' 、列信号データ42のh列目の
列ベクトルをbh ' 、その各データをbi,h ' とする
と、列ベクトルah ' ,bh ' の各データから生成され
る1フレーム期間の列信号の実効値VRMS は、(数6)
のようになり(数5)と同様に一定となる。
【0049】
【数6】
【0050】なぜなら、分離データxj,h を交換分離デ
ータyj,h ' とし、分離データyj, h を交換分離データ
j,h ' としても、必ず(数7)が成り立つからであ
る。
【0051】
【数7】
【0052】次に、加算回路11において、符号化分離
データの各ビットごとの演算結果を、ビットの重みを考
慮して加算する方法を、1つの行ベクトルの1,−1の
総数がn(同時選択本数n)である直交行列Hを用いた
場合について説明する。
【0053】まず、符号化分離データXj,h の一方のビ
ットX1j,h からなる列ベクトルX1h (データ数L)
を直交変換して得られる列ベクトルA1h (データ数
N)の各データA1i,h は、0からnまでの整数の内の
いずれかの値となる。ビットX1j,h の重みW1は1.20
6・・・で、1 がマイナス、0 がプラスに対応しているの
で、A1i,h はアナログ的には(A1i,h ×(−2)+
n)×W1を意味している。
【0054】また、符号化分離データXj,h のもう一方
のビットX2j,h からなる列ベクトルX2h (データ数
L)を同様に直交変換して得られる列ベクトルA2
h (データ数N)の各データA2i,h も、A1i,h と同
じ範囲の値となるが、ビットX2j,h の重みW2は0.20
6・・・で、1 がマイナス、0 がプラスに対応しているの
で、A2i,h はアナログ的には(A2i,h ×(−2)+
n)×W2を意味している。
【0055】そこで、(数8)に示す式にA1j,h とA
j,h とを代入して、列信号データ40を構成するデー
タai,h ' を算出する。
【0056】
【数8】
【0057】符号化分離データYj,h に対しても同様
に、符号化分離データYj,h の一方のビットY1j,h
らなる列ベクトルから得られる列ベクトルの各データB
i,hと、符号化分離データYj,h のもう一方のビット
Y2j,h からなる列ベクトルから得られる列ベクトルの
各データB2i,h とを、(数9)の式に代入して、列信
号データ42を構成するデータbi,h ' を算出する。こ
の場合、ビットY1j,hの重みW3は0.539・・
・、ビットY2j,h の重みW4は0.461・・・である。
【0058】
【数9】
【0059】このように、符号化分離データの各ビット
に対して直交変換し、その結果をビットの重みを考慮し
て加算するようにしても、交換分離データを直交変換し
た結果と同じ結果が得られる。
【0060】以上、詳細に説明してきた本発明の実施の
形態1によって、液晶パネル1に、フレームカウンタ4
と階調選択回路5とによって選択された階調を1フレー
ムで表示し、4フレームで図9中に示される表の通りに
FRC(フレーム・レート・コントロール)を行うこと
で、25レベルの階調を表現することができる。
【0061】なお、以上の説明では、図9に示される非
線型の4階調(1,0.667,-0.667,-1)を1フレームで表
示するものとして説明したが、0を含めた非線型の5階
調(1,0.667,0,-0.667,-1 )としても、0に対する分離
データである1と−1は、表2に示される4つのビット
(X1j,h ,X2j,h ,Y1j,h ,Y2j,h )を用いて
符号化できるので、同様に実施可能である。
【0062】(実施の形態2)図3は本発明の実施の形
態2に係る液晶表示装置のブロック図である。実施の形
態2は請求項2に該当する。図3において、図1と同じ
働きをする部分には、同じ番号を付し説明を省略する。
【0063】階調選択回路14は、外部から転送され2
1レベルの階調を持つ画像データの各々のデータの値と
フレームカウンタ4の出力するカウント値とから、図4
中に示される表を用いて、現在のフレームで表示すべき
画像データに対応するデータ(図4中の表においては
A,B,C,D,E,F,G)を選び出力する。A=
1、B=0.8 、C=0.6 、D=0、E=−0.6 、F=−
0.8 、G=−1である。A=1とG=−1とは、絶対値
がともに1となる第1の組の画像データであり、B=0.
8 とC=0.6 、およびE=−0.6 とF=−0.8 は、2乗
の和が所定値1となる定数であり、(表3)に示すよう
に各々から絶対値が同じで極性の異なる第2の組の画像
データが生成される。つまり、1.4 と−1.4 とであり、
0.2 と−0.2とである。図4は、1フレームで非線型の
7階調を表示し、2フレームにおける非線型の7階調の
組合せで21階調を表示するFRC(フレーム・レート
・コントロール)のパターンの1例を示すものである。
【0064】フレームメモリ6は、階調選択回路14の
出力データを1フレーム分記憶した後、全データを入力
の順序と同じ順序で1フレーム期間に2回、符号化回路
15に出力する。符号化回路15は、(表3)を参考に
して、フレームメモリ6の読み出し回数が1回目なら
ば、フレームメモリ6の出力データdj,h に応じた符号
化分離データXj,h の2つのビットX1j,h ,X2j,h
を出力し、2回目ならばdj,h に応じた符号化分離デー
タYj,h の2つのビットY1j,h ,Y2j,h を出力す
る。
【0065】
【表3】
【0066】(表3)において、分離データxj,h ,y
j,h はそれぞれ、フレームメモリ6からの画像データd
j,h を(数3),(数4)に代入して算出されたプラス
側分離データ(第1の分離データ)、マイナス側分離デ
ータ(第2の分離データ)であり、分離データxj,h
j,h の内、画像データ(-0.6,-0.8)から算出された
プラス側分離データとマイナス側分離データとを交換す
ると交換分離データxj,h ' ,yj,h ' となる。すなわ
ち、EおよびFにおいて、0.2 と−1.4 とを交換する。
【0067】つまり、画像データ(0.8 ,0.6 ,-0.6,
-0.8)の組は、2乗の和が所定値(ここでは1)となる
2つの定数(0.8 ,0.6 )の各々から絶対値が同じで極
性の異なる2組の画像データ(第2の組)であり、交換
分離データxj,h ' ,yj,h' は、第2の組の内どちら
かの極性(ここではマイナス)を持つ画像データから得
られる第1の分離データ(プラス側分離データxj,h
と第2の分離データ(マイナス側分離データyj,h )と
を交換したものということになる。
【0068】符号化分離データXj,h は、(表4)に示
されるように、1と1.4 との平均値(1.2 )と、-1と-
1.4との平均値(-1.2)と、1と-1.4との平均値(-0.
2)と、-1と1.4 との平均値(0.2 )とを用い、1.2 を
(X1j,h =0)、-1.2を(X1j,h =1)、0.2 を
(X2j,h =0)、-0.2を(X2j,h =1)と定義する
ことで、交換分離データxj,h ' を(X1j,h ,X2
j,h )の2ビットに符号化したものである。
【0069】
【表4】
【0070】符号化分離データYj,h は、(表4)に示
されるように、1と0.2 との平均値(0.6 )と、-1と-
0.2との平均値(-0.6)と、1と-0.2との平均値(0.4
)と、-1と0.2 との平均値(-0.4)とを用い、0.6 を
(Y1j,h =0)、-0.6を(Y1j,h =1)、0.4 を
(Y2j,h =0)、-0.4を(Y2j,h =1)と定義する
ことで、交換分離データyj,h ' を(Y1j,h ,Y2
j,h )の2ビットに符号化したものである。
【0071】加算回路16は、メモリ制御回路7が出力
する読み出し回数の情報を入力し、読み出し回数が1回
目であるときは、(表4)に示されるX1j,h ,X2
j,h の重みを考慮して、演算回路9の出力データと演算
回路10の出力データとを加算し、列信号データ40を
生成し列ドライバ3に出力する。読み出し回数が2回目
であるときは、(表4)に示されるY1j,h ,Y2j,h
の重みを考慮して、演算回路9の出力データと演算回路
10の出力データとを加算し、列信号データ42を生成
し列ドライバ3に出力する。つまり加算回路16は、符
号化分離データの各ビットの重みW1,W2,W3,W
4が、それぞれ、1.2 ,0.2 ,0.6 ,0.4である以外
は、加算回路11と同じ動作を行う。
【0072】以上、詳細に説明してきた本発明の実施の
形態2によって、液晶パネル1に、フレームカウンタ4
と階調選択回路14とによって選択された階調を1フレ
ームで表示し、2フレームで図4中に示される表の通り
にFRC(フレーム・レート・コントロール)を行うこ
とで、21レベルの階調を表現することができる。
【0073】(実施の形態3)図5は本発明の実施の形
態3に係る液晶表示装置のブロック図であり、図6は、
列ドライバ供給電源18、列ドライバ19の構成を示す
ブロック図である。これらの図を用いて本発明の実施の
形態3を説明する。実施の形態3は請求項3に該当す
る。図5において、図1、図3と同じ働きをする部分に
は、同じ番号を付し説明を省略する。また、図5に示す
液晶表示装置は、外部から転送され25レベルの階調を
持つ画像データを、図9に示すFRC(フレーム・レー
ト・コントロール)を行って表示するものとする。
【0074】セレクタ17は、演算回路9の出力データ
と演算回路10の出力データとを入力し、演算回路9の
出力データを先に、演算回路10の出力データを後に、
列ドライバ19に出力するとともに、現在どちらのデー
タを出力しているかの情報を電源選択回路50に出力す
る。セレクタ17の出力する列信号データ(A1i,h
A2i,h ,B1i,h ,B2i,h )は、符号化分離データ
のビット(X1j,h ,X2j,h ,Y1j,h ,Y2j,h
のそれぞれの1フレーム分を、1つの行ベクトルにおけ
る1,−1の総数がnである直交行列30を用いて変換
したデータであるので、各列信号データの値の取り得る
範囲は、0からnまでのn+1レベルとなる。
【0075】列ドライバ供給電源18は、図6に示され
るように、電源選択回路50と分圧回路51とから構成
される。電源選択回路50は図示されない定電圧源から
電圧VA1,VA2,VB1,VB2を入力し、メモリ制御回路
7が出力する読み出し回数情報と、セレクタ17が演算
回路9と演算回路10とのどちらの出力データを出力し
ているかの情報とをもとに、電圧VA1,VA2,VB1,V
B2を切り換えて分圧回路51に供給する。電圧VA1,V
A2,VB1,VB2はそれぞれ、実施の形態1で説明した符
号化分離データの各ビットの重み(W1=1.206・・・,W
2=0.206・・・,W3=0.539・・・,W4=0.461・・・)に比
例した電圧である。
【0076】電源選択回路50の動作としては、読み出
し回数が1回目の場合、セレクタ17が演算回路9の出
力データを出力している期間(すなわち、列信号データ
A1i,h の出力期間)に電圧VA1を選択し、セレクタ1
7が演算回路10の出力データを出力している期間(列
信号データA2i,h の出力期間)に電圧VA2を選択し出
力する。読み出し回数が2回目の場合、セレクタ17が
演算回路9の出力データを出力している期間(列信号デ
ータB1i,h の出力期間)に電圧VB1を選択し、セレク
タ17が演算回路10の出力データを出力している期間
(列信号データB2i,h の出力期間)に電圧VB2を選択
し出力する。分圧回路51は、電源選択回路50の出力
電圧を受け、電源選択回路50の出力電圧を均等に分圧
し、n+1通りの電圧(V0 〜Vn )を列ドライバ19
に供給する。
【0077】列ドライバ19は、図6に示されるよう
に、M個のデコーダを有するデコーダ群52と、M個の
セレクタを有するセレクタ群53とから構成される。セ
レクタ群53を構成する各セレクタは、列ドライバ供給
電源18からn+1通りの電圧(V0 〜Vn )を受け、
デコーダ群52の各デコーダから入力されるデータに応
じて、(V0 〜Vn )の電圧の内の一つを選択し、接続
されている液晶パネル1の列電極に出力する。デコーダ
群52を構成する各デコーダの入力端子には、セレクタ
17の出力データが順に供給され、各デコーダは、入力
されるn+1レベルのデータを、セレクタ群の各セレク
タが使用しやすいデータにデコードし出力する。
【0078】このように、実施の形態3は、演算回路9
の出力データと演算回路10の出力データとを、符号化
分離データの各ビットの重みに応じて加算し列信号を生
成する実施の形態1、形態2とは異なり、演算回路9の
出力データと演算回路10の出力データとを別々に列ド
ライバ19に供給し、それぞれのデータから列信号を生
成するものである。
【0079】このような方法で列信号を生成しても、列
信号の1フレーム期間の実効値が、実施の形態1、形態
2の場合と同じになることを説明する。ここでは、符号
化分離データの4つのビット(X1j,h ,X2j,h ,Y
j,h ,Y2j,h )を(数10)に代入して得られる4
つのデータ(X1j,h ' ,X2j,h ' ,Y1j,h ' ,Y
j,h ' )を用いて説明する。(X1j,h ' ,X
j,h ' ,Y1j,h ' ,Y2j,h ' )は、符号化分離デ
ータの各ビットが0または1であるので、1または−1
となる。
【0080】
【数10】
【0081】これら4つのデータ(X1j,h ' ,X2
j,h ' ,Y1j,h ' ,Y2j,h ' )のそれぞれの1フレ
ーム分を直交行列30を用いて変換したデータを、それ
ぞれ(A1i,h ' ,A2i,h ' ,B1i,h ' ,B
i,h ' )とし、各データから実際に列ドライバ19か
ら印加される列信号を生成するときの比例定数をk’と
すると、列信号の実効値VRMS は(数11)のようにな
る。なぜなら、第2の組の画像データから得られる2つ
の分離データを(x,y)とすると、各ビットの重み
(W1,W2,W3,W4)の2乗の合計は、(数1
2)に示されるように必ず一定値(=2)となるからで
ある。
【0082】
【数11】
【0083】
【数12】
【0084】ここで、(数11)におけるk’を(数
5)におけるkの2倍とすると、(数13)となり、
(数5)に示される実効値と同じ値となる。
【0085】
【数13】
【0086】実施の形態3においては、符号化分離デー
タの4つのビット(X1j,h ,X2j,h ,Y1j,h ,Y
j,h )のそれぞれの1フレーム分から得られる0〜n
までの整数値である4種類のデータ(A1i,h ,A2
i,h ,B1i,h ,B2i,h )に比例した列信号が列ドラ
イバから出力される。ここでの説明で使用したデータ
(A1i,h ' ,A2i,h ' ,B1i,h ' ,B2i,h ' )
は、−n,−n+2,……,n−2,nの合計n+1通
りの整数値のいずれかをとるので、電源選択回路50に
供給されるn+1レベルの電圧を−n,−n+2,…
…,n−2,nの各値に比例した電圧とすれば、実施の
形態3における列信号の実効値は、(数13)で示され
るものと同じになる。
【0087】したがって、実施の形態3の場合、実施の
形態1、形態2の場合に比べ、列信号データから実際の
列信号を生成する際の比例定数を2倍にすれば、列信号
の実効値を一定とすることが可能となり、液晶パネル1
に画像を表示することができる。
【0088】以上、詳細に説明してきた本発明の実施の
形態3によって、液晶パネル1に、フレームカウンタ4
と階調選択回路5とによって選択された階調を1フレー
ムで表示し、4フレームで図9中に示される表の通りに
FRC(フレーム・レート・コントロール)を行うこと
で、25レベルの階調を表現することができる。
【0089】なお、以上の説明では、階調選択回路5と
符号化回路8とを用い、電源選択回路50に供給する電
圧を、符号化分離データの各ビットの重み(W1=1.20
6・・・,W2=0.206・・・,W3=0.539・・・,W4=0.461・
・・)に比例した電圧として説明したが、階調選択回路5
を図3の階調選択回路14に置き換え、符号化回路8を
図3の符号化回路15に置き換え、電源選択回路50に
供給する電圧を、実施の形態2の場合の符号化分離デー
タの各ビットの重み(W1=1.2 ,W2=0.2,W3=
0.6 ,W4=0.4 )に比例した電圧に置き換え、外部か
ら転送される21レベルの階調を持つ画像データを、図
4に示すFRCを行って表示するようにしても、同様に
実施可能である。なぜなら、各ビットの重み(W1=1.
2 ,W2=0.2 ,W3=0.6 ,W4=0.4 )の2乗の合
計も必ず2となるからである。このように階調選択回路
5を図3の階調選択回路14に置き換え、符号化回路8
を図3の符号化回路15に置き換えたものが、請求項4
の液晶表示装置に該当する。
【0090】また、以上の説明では、列ドライバ供給電
源18と列ドライバ19とを用いる構成で説明したが、
列ドライバ供給電源18と列ドライバ19とを用いる代
わりに、実施の形態1、形態2と同様に列ドライバ3を
用いた場合でも、列信号データから実際の列信号を生成
する際の比例定数を、実施の形態1、形態2の場合の2
倍にすれば、同様に実施可能である。これが請求項5の
液晶表示装置に該当する。
【0091】
【発明の効果】以上のように本発明に係る液晶表示装置
によれば、少ないビット数で列信号データを演算すると
ともに、演算の際の誤差を低減して液晶パネルの列ごと
の輝度むらを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における列信号データの
生成方法と、行信号と列信号との出力順序を説明するた
めの図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の構
成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態2における非線型7階調によるFR
C(フレーム・レート・コントロール)とそのパターン
を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置の構
成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態3における列ドライバ供給電源およ
び列ドライバの構成を示すブロック図である。
【図7】複数行同時選択法における列信号データの生成
方法と、行信号と列信号との出力順序を説明するための
図である。
【図8】分離データを用いた複数行同時選択法における
列信号データの生成方法と、行信号と列信号との出力順
序を説明するための図である。
【図9】非線型4階調によるFRC(フレーム・レート
・コントロール)とそのパターンを説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1……液晶パネル 2……行ドライバ 3……列ドライバ 4……フレームカウンタ 5……階調選択回路 6……フレームメモリ 7……メモリ制御回路 8……符号化回路 9……演算回路 10……演算回路 11……加算回路 12……アドレス発生回路 13……行列ROM 14……階調選択回路 15……符号化回路 16……加算回路 17……セレクタ 18……列ドライバ供給電源 19……列ドライバ 30……直交行列 31……画像データ 32……列信号データ 33……j番目の行電極 34……h番目の列電極 35……プラス側分離データ(第1の分離データ) 36……列信号データ 37……マイナス側分離データ(第2の分離データ) 38……列信号データ 39……交換分離データ 40……列信号データ 41……交換分離データ 42……列信号データ 50……電源選択回路 51……分圧回路 52……デコーダ群 53……セレクタ群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 英行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 行電極と列電極との間に実効値電圧に応
    答する液晶を挟持するマトリクス型液晶パネルに画像デ
    ータを表示するものであって、前記画像データの各々か
    ら平均するともとのデータとなり2乗の平均が所定値と
    なる第1および第2の分離データを生成し、1フレーム
    分の前記第1の分離データと1フレーム分の前記第2の
    分離データとを所定の直交行列を用いて直交変換して得
    られたデータから前記列電極に印加する列信号を生成
    し、前記直交行列から前記行電極に印加する行信号を生
    成する複数行同時選択駆動法の液晶表示装置において、 前記第1および第2の分離データの絶対値がともに前記
    所定値となる画像データの組である第1の組以外に、 絶対値が同じで極性の異なる画像データの組である第2
    の組を少なくとも1つ用意し、 前記第2の組の内どちらかの極性を持つ画像データから
    得られる前記第1の分離データと前記第2の分離データ
    とを交換した後、 前記第1および第2の交換分離データの各々において、
    前記第1の組の画像データから得られる交換分離データ
    と前記第2の組の画像データから得られる交換分離デー
    タとの平均値を用いて前記交換分離データを符号化し、 符号化されたビット毎に前記直交変換を行い前記ビット
    の重みを考慮して加算して前記列信号を生成するととも
    に、 前記第1の組と前記第2の組とを1フレームでの表示階
    調とし、前記表示階調の所定フレーム数での組合せで前
    記画像データの各々に応じた階調を表示することを特徴
    とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 行電極と列電極との間に実効値電圧に応
    答する液晶を挟持するマトリクス型液晶パネルに画像デ
    ータを表示するものであって、前記画像データの各々か
    ら平均するともとのデータとなり2乗の平均が所定値と
    なる第1および第2の分離データを生成し、1フレーム
    分の前記第1の分離データと1フレーム分の前記第2の
    分離データとを所定の直交行列を用いて直交変換して得
    られたデータから前記列電極に印加する列信号を生成
    し、前記直交行列から前記行電極に印加する行信号を生
    成する複数行同時選択駆動法の液晶表示装置において、 前記第1および第2の分離データの絶対値がともに前記
    所定値となる画像データの組である第1の組以外に、 2乗の和が前記所定値となる2つの定数の各々から絶対
    値が同じで極性の異なる2組の画像データである第2の
    組を用意し、前記第2の組の内どちらかの極性を持つ画
    像データから得られる前記第1の分離データと前記第2
    の分離データとを交換した後、 前記第1および第2の交換分離データの各々において、
    前記第1の組の画像データから得られる交換分離データ
    と前記第2の組の画像データから得られる交換分離デー
    タとの平均値を用いて前記交換分離データを符号化し、 符号化されたビット毎に前記直交変換を行い前記ビット
    の重みを考慮して加算して前記列信号を生成するととも
    に、 前記第1の組と前記第2の組とを1フレームでの表示階
    調とし、前記表示階調の所定フレーム数での組合せで前
    記画像データの各々に応じた階調を表示することを特徴
    とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 行電極と列電極との間に実効値電圧に応
    答する液晶を挟持するマトリクス型液晶パネルに画像デ
    ータを表示するものであって、前記画像データの各々か
    ら平均するともとのデータとなり2乗の平均が所定値と
    なる第1および第2の分離データを生成し、1フレーム
    分の前記第1の分離データと1フレーム分の前記第2の
    分離データとを所定の直交行列を用いて直交変換して得
    られたデータから前記列電極に印加する列信号を生成
    し、前記直交行列から前記行電極に印加する行信号を生
    成する複数行同時選択駆動法の液晶表示装置において、 前記第1および第2の分離データの絶対値がともに前記
    所定値となる画像データの組である第1の組以外に、 絶対値が同じで極性の異なる画像データの組である第2
    の組を少なくとも1つ用意し、前記第2の組の内どちら
    かの極性を持つ画像データから得られる前記第1の分離
    データと前記第2の分離データとを交換した後、 前記第1および第2の交換分離データの各々において、
    前記第1の組の画像データから得られる交換分離データ
    と前記第2の組の画像データから得られる交換分離デー
    タとの平均値を用いて前記交換分離データを符号化し、 符号化されたビット毎に前記直交変換を行い前記ビット
    の重みを考慮しながら前記ビットの各々の演算結果毎に
    前記列信号として出力するとともに、 前記第1の組と前記第2の組とを1フレームでの表示階
    調とし、前記表示階調の所定フレーム数での組合せで前
    記画像データの各々に応じた階調を表示することを特徴
    とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 行電極と列電極との間に実効値電圧に応
    答する液晶を挟持するマトリクス型液晶パネルに画像デ
    ータを表示するものであって、前記画像データの各々か
    ら平均するともとのデータとなり2乗の平均が所定値と
    なる第1および第2の分離データを生成し、1フレーム
    分の前記第1の分離データと1フレーム分の前記第2の
    分離データとを所定の直交行列を用いて直交変換して得
    られたデータから前記列電極に印加する列信号を生成
    し、前記直交行列から前記行電極に印加する行信号を生
    成する複数行同時選択駆動法の液晶表示装置において、 前記第1および第2の分離データの絶対値がともに前記
    所定値となる画像データの組である第1の組以外に、 2乗の和が前記所定値となる2つの定数の各々から絶対
    値が同じで極性の異なる2組の画像データである第2の
    組を用意し、前記第2の組の内どちらかの極性を持つ画
    像データから得られる前記第1の分離データと前記第2
    の分離データとを交換した後、 前記第1および第2の交換分離データの各々において、
    前記第1の組の画像データから得られる交換分離データ
    と前記第2の組の画像データから得られる交換分離デー
    タとの平均値を用いて前記交換分離データを符号化し、 符号化されたビット毎に前記直交変換を行い前記ビット
    の重みを考慮しながら前記ビットの各々の演算結果毎に
    前記列信号として出力するとともに、 前記第1の組と前記第2の組とを1フレームでの表示階
    調とし、前記表示階調の所定フレーム数での組合せで前
    記画像データの各々に応じた階調を表示することを特徴
    とする液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 符号化されたビットの各々の演算結果毎
    に列信号として出力する際に、列電極に列信号を印加す
    る列ドライバへの供給電圧を、符号化されたビットの重
    みに応じて変更することを特徴とする請求項3または請
    求項4に記載の液晶表示装置。
JP11877096A 1996-05-14 1996-05-14 液晶表示装置 Pending JPH09304752A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7602359B2 (en) 2004-02-02 2009-10-13 Seiko Epson Corporation Image signal correcting method, correcting circuit, electro-optical device, and electronic apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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