JPH09302334A - 防汚性撥水撥油組成物 - Google Patents

防汚性撥水撥油組成物

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JPH09302334A
JPH09302334A JP8114877A JP11487796A JPH09302334A JP H09302334 A JPH09302334 A JP H09302334A JP 8114877 A JP8114877 A JP 8114877A JP 11487796 A JP11487796 A JP 11487796A JP H09302334 A JPH09302334 A JP H09302334A
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JP
Japan
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meth
acrylate
block copolymer
group
monomer
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JP8114877A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Fukushima
典幸 福島
Toyohisa Kobayashi
豊久 小林
Naoyuki Amaya
直之 天谷
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Original Assignee
NOF Corp
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低級アルコールに溶解可能で、処理時の不快
臭が少なく、繊維の風合いを良好にでき、かつ汚れ脱離
性能を向上させた防汚性撥水撥油組成物を提供する。 【解決手段】 防汚性撥水撥油組成物は、所定のブロッ
ク共重合体と炭素数1〜4の一価又は二価アルコールと
よりなる。ブロック共重合体は、下記一般式(1)で表
される重合性単量体から形成される重合体セグメント
(I)と、アルキル(メタ)アクリレート(A)及び水
酸基含有(メタ)アクリレート(B)の少なくとも1種
より形成される重合体セグメント(II)とから構成され
る。 CH2 =CR1 COO(R2 O)n f ・・・(1) 但し、Rf はフルオロアルキル基、R1 は水素原子又は
メチル基、R2 はアルキレン残基及びnは正の整数であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば繊維、糸
及び布などに防汚性や撥水撥油性を付与するための防汚
性撥水撥油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り撥水撥油剤の有効成分として用いられる共重合体中
に、汚れ脱離性能を付与させる重合性単量体を共重合さ
せることが提案されている。かかる重合性単量体として
は、例えばポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)
アクリレート(特開昭53−134787号公報)、ポ
リオキシアルキレン基含有親水性化合物(同53−13
4786号公報)、(メタ)アクリロニトリル及び親水
性化合物(同50−140387号公報)、(メタ)ア
クリロニトリル及びポリエチレングリコール基含有親水
性化合物(同50−20991号公報)、ポリエチレン
グリコール基含有単量体化合物(同49−75472号
公報)などが用いられている。
【0003】これらの共重合体のうち、アクリロニトリ
ル又はメタクリロニトリルを用いた場合には、それらの
単量体が存在していると共重合反応を完結させることが
困難であるため、ニ卜リル化合物を除去する工程が必要
となってしまう。しかも、そのようなニ卜リル化合物は
毒性の強い化合物であるため、毒性化合物を除去するこ
とになる。さらに、高誘電率の溶媒の使用を必要とする
場合もあり、誘電率の高くないニ卜リル化合物は好まし
くない。また、他の共重合体の場合はランダム共重合体
であるため、汚れ脱離性能自体が十分に発揮されない。
【0004】一方、フッ素系樹脂は主に、ハロゲン系、
ケトン系、エステル系、石油系、芳香族系等の溶剤に溶
解されて使用されてきた。これらの中でも、フロンや1,
1,1-トリクロロエタン等のハロゲン系溶剤は取り扱いが
容易なため数多く使用されてきた。しかし、近年の環境
保護意識の高まりから、ハロゲン系溶剤の使用制限、更
にはオゾン層を破壊する特定フロンや1,1,1-トリクロロ
エタン等の使用規制並びに全廃がモントリオール議定書
締約国会合等で決定されたため、他の溶剤への転換が行
われつつある。
【0005】このような状況の中で、溶剤のほとんどを
n−ヘキサンやヘプタンのような炭化水素系の溶剤で希
釈した撥水撥油剤が上市されているが、炭化水素を溶剤
にすると極めて引火しやすいため取り扱いに困難をきた
す。また、最近では中毒の問題も多発しており、取扱い
の面で大いに問題がある。一方、トルエンのような芳香
族系溶剤や酢酸エチルなどのエステル系溶剤は乱用のお
それがあり、家庭用の製品に使用するのに好ましくな
い。従って、一般家庭用として使用する溶剤には吸入に
対する配慮や地球環境に対する影響を考えると、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコ
ール等の低級アルコール類を用いることが好ましい。
【0006】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題に着目されてなされたものである。その目的と
するところは、低級アルコールに溶解可能で、処理時の
不快臭が少なく、繊維の風合いを良好にでき、かつ汚れ
脱離性能を向上させた防汚性撥水撥油組成物を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、第1の発明の防汚性撥水撥油組成物は、ブロック共
重合体と炭素数1〜4の一価又は二価アルコールとより
なり、前記ブロック共重合体が、下記一般式(1)で表
されるフッ素含有重合性単量体から形成される重合体セ
グメント(I)と、アルキル(メタ)アクリレート
(A)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(B)の少
なくとも1種より形成される重合体セグメント(II)と
から構成されるものである。
【0008】 CH2 =CR1 COO(R2 O)n f ・・・(1) 式中、Rf はフルオロアルキル基を含有する基、R1
水素原子又はメチル基、R2 はアルキレン残基及びnは
正の整数である。
【0009】第2の発明の防汚性撥水撥油組成物は、第
1の発明において、前記ブロック共重合体の重合体セグ
メント(II)が、さらにポリシロキサン基含有単量体
(C)を含む単量体混合物より形成されるものである。
【0010】第3の発明の防汚性撥水撥油組成物は、第
1又は第2の発明において、前記ブロック共重合体の重
合体セグメント(I)が、さらにアルキル(メタ)アク
リレートを含有する単量体混合物より形成されるもので
ある。
【0011】第4の発明の防汚性撥水撥油組成物は、第
1又は第2の発明において、前記ブロック共重合体の重
合体セグメント(I)が、さらに水酸基含有(メタ)ア
クリレートを含有する単量体混合物より形成されるもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。まず、ブロック共重合体について説
明する。ブロック共重合体は前述した2種類の重合体セ
グメント(I)と(II)とよりなる。
【0013】重合体セグメント(I)を形成するフッ素
含有重合性単量体、すなわちオキシアルキレン基含有フ
ッ素系単量体としては、例えば以下の一般式(1)で表
される。
【0014】 CH2 =CR1 COO(R2 O)n f ・・・(1) 式中、Rf はフルオロアルキル基、例えばパーフルオロ
アルキレングリコール基を含有する基、R1 は水素原子
又はメチル基、R2 はアルキレン残基及びnは正の整数
である。
【0015】重合体セグメント(I)は、このオキシア
ルキレン基含有フッ素系単量体の単独重合体又は共重合
体が好ましい。この一般式(1)で表わされるフッ素含
有重合性単量体としては、例えば次のようなものが用い
られる。
【0016】CH2 =CR1 COO(C2 4 O)n
2 4 m 2m+1 CH2 =CR1 COO(C3 6 O)n 2 4 m
2m+1 CH2 =CR1 COO(C4 8 O)n 2 4 m
2m+1 nは2〜10であり、mは3〜20である。nが2未満
の場合組成物の撥水、撥油性や防汚性が低下し、10を
越える場合組成物がゲル化しやすくなる。また、mが3
未満の場合組成物の撥水、撥油性や防汚性が低下し、2
0を越える場合重合転化率が低くなる。
【0017】また、共重合体とする場合、前記オキシア
ルキレン基含有フッ素系単量体と、以下の一般式で表さ
れるフルオロアルキル基含有単量体の1種又は2種以上
を共重合させても良い。この場合、下記のフルオロアル
キル基含有単量体は安価であるため、得られる撥水撥油
組成物の製造コストの低減を図ることができる。
【0018】 Rf SO2 N(R1 )R2 OCOCR3 =CH2f (CH2 n OCOCR3 =CH2f CON(R1 )R2 OCOCR3 =CH2f CH2 CH(OH)CH2 OCOCR3 =CH2f CH2 CH(OCOR3 )CH2 OCOCR3 =C
2f OAr CH2 OCOCR3 =CH2 (Rf は炭素数3〜21のフルオロアルキル基又はフル
オロアルケニル基、R1は水素又は炭素数1〜10のア
ルキル基、R2 は炭素数1〜10のアルキレン基、R3
は水素又はメチル基、Ar は置換基を有することもある
アリール基、nは1〜10の整数である。) さらに具体的には、以下のフルオロアルキル基含有単量
体が挙げられる。
【0019】CF3 (CF2 7 (CH2 2 OCOC
H=CH2 、CF3 (CF2 7 (CH2 2 OCOC
(CH3 )=CH2 、(CF3 2 CF(CF2
6 (CH2 2 OCOCH=CH2 、CF3 (CF2
7 SO2 N(CH3 )(CH2 2 OCOCH=C
2 、CF3 (CF)7SO2 N (C2 5) (CH2)2
COC (CH3)=CH2 、(CF3)2 CF (CF2)6
2 CH(OCOCH3)CH2 OCOC (CH3)=CH
2 、(CF3)2 CF (CF2)8 CH2 CH(OH)CH
2 OCOCH=CH2
【0020】
【化1】
【0021】、
【0022】
【化2】
【0023】、
【0024】
【化3】
【0025】また、前記オキシアルキレン基含有フッ素
系単量体と他のフッ素を含有しないビニル型単量体を共
重合させても良い。そのようなビニル型単量体として
は、アルキル(メタ)アクリレート及び水酸基含有(メ
タ)アクリレートが適切である。アルキル(メタ)アク
リレートとしては、アルキル基の炭素数が1〜3の低級
アルキル(メタ)アクリレートとアルキル基の炭素数が
4〜18の高級アルキル(メタ)アクリレートが挙げら
れる。
【0026】具体的には、低級アルキル(メタ)アクリ
レートとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、
(メタ)アクリル酸イソプロピルなどが挙げられる。高
級アルキル(メタ)アクリレートとしては、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、
(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸
n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
【0027】さらに、水酸基含有(メタ)アクリレート
としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0028】このようなアルキル(メタ)アクリレート
を用いることにより、撥水撥油組成物の撥水性、撥油性
及び溶液安定性を向上できる。また、水酸基含有(メ
タ)アクリレートを用いることにより、撥水撥油組成物
の撥油性及び防汚性を向上できる。
【0029】更に好ましくは、低級アルキル(メタ)ア
クリレートとしては、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、高級アルキル
(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸n
−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ステアリル、水酸基含有(メタ)アクリレートとして
は、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】前記オキシアルキレン基含有フッ素系単量
体と他のフルオロアルキル基含有単量体、又は前記オキ
シアルキレン基含有フッ素系単量体と他のビニル型単量
体の重量比は100/0〜50/50が好ましく,更に
100/0〜75/25が好ましい。オキシアルキレン
基含有フッ素系単量体の重量比が小さくなると、撥水撥
油性や防汚性などの性能が低下する。
【0031】重合体セグメント(I)の分子量はポリス
チレン換算の数平均分子量で5000〜100000が好ましく,
更に10000 〜50000 が好ましい。この数平均分子量が50
00未満では撥水撥油性や防汚性などの性能を十分に発揮
できず、100000を越えるとブロック共重合体を製造する
場合のブロック効率が低下するとともに、溶液安定性と
撥水撥油性や防汚性などの性能が低下する。
【0032】ブロック共重合体を形成するもう一方の重
合体セグメント(II)は、製造の容易さ、フルオロアル
キル基の導入のしやすさを考慮して、(A)アルキル
(メタ)アクリレート及び(B)水酸基含有(メタ)ア
クリレートの少なくとも1種より形成されるか、又はそ
れに加えて(C)ポリシロキサン含有単量体より形成さ
れる。
【0033】(A)アルキル(メタ)アクリレートとし
て、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル等の低級アルキル(メタ)
アクリレート;(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−
ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の
高級(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。
【0034】これらのうち、更に溶液安定性を考慮する
と、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸 n
−プロピル、(メタ)アクリル酸 iso−プロピル等の低
級アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸 iso−ブチル、(メ
タ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−
ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の高級(メタ)ア
クリレートが好ましい。これらの単量体は、ブロック共
重合体をミセル化してアルコールに可溶化できるからで
ある。
【0035】(B)水酸基含有(メタ)アクリレートと
しては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリル酸等の親水性単量体が好ましい。これらのうち、
さらに溶液安定性を考慮すると、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピ
ルなどを用いることが好ましい。これらの単量体は、一
種又は二種以上が使用される。
【0036】(C)ポリシロキサン含有単量体は下記一
般式(4)及び(6)で表される単量体であって、一般
式中のR3 、R4 、R5 は、同一であっても、異なって
いても良い。
【0037】
【化4】
【0038】(但し、R3 は水素原子又はメチル基を、
4 はメチル基、エチル基、フェニル基、又は
【0039】
【化5】
【0040】(但し、R7 は水素原子、フェニル基又は
P 2P+1を、R8 はメチル基、エチル基又はフェニル
基をそれぞれ示し、mは1以上の整数、Pは 1〜10の整
数である。)を、R5 は水素原子、フェニル基又はCQ
2Q+1を、R6 はメチル基、エチル基又はフェニル基を
それぞれ示し、nは1以上の整数、Qは 1〜10の整数で
ある。)
【0041】
【化6】
【0042】〔式中、R3 は水素原子又はメチル基を、
4 はメチル基、エチル基、フェニル基、又は
【0043】
【化7】
【0044】(但し、R7 は水素原子、フェニル基又は
P 2P+1を、R8 はメチル基、エチル基又はフェニル
基をそれぞれ示し、mは1以上の整数、pは 1〜10の整
数である。)を、R5 は水素原子、フェニル基又はCQ
2Q+1をそれぞれ示し、R6 はメチル基、エチル基又は
フェニル基をそれぞれ示し、nは1以上の整数、Qは 1
〜12の整数である。〕 ポリシロキサン含有単量体(C)のポリシロキサン基の
数平均分子量は300 〜50000 であり、この数平均分子量
が300 より小さい場合、ポリシロキサン基に由来する低
摩擦性、撥水性、柔軟性といった性能が得られない。一
方、その数平均分子量が50000 を越すと重合転化率が低
下してポリシロキサン基の導入が困難となる。従って、
その数平均分子量は500 〜40000 が好ましく、1000〜30
000 が更に好ましい。このポリシロキサン含有単量体
は、市販品として入手することができる。例えば、チッ
ソ(株)製の商品名サイラプレーンのFM0711、FM0715、
FM0721、FM0725、XN7710B 、XN7701等がこの化合物に相
当する。
【0045】次に、単量体(A)、(B)及び(C)の
組合せとその割合について説明する。単量体(A)と単
量体(B)とはそれぞれ単独でも使用されうるが、単量
体(C)は単独では使用されない。単量体(A)と単量
体(B)とを組合せて使用する場合、単量体(A)の割
合は、50〜95重量%が好ましく、60〜90重量%が更に好
ましい。
【0046】単量体(A)と単量体(C)とを組合せて
使用する場合、単量体(A)の割合は、50〜95重量%が
好ましく、60〜90重量%が更に好ましい。単量体(A)
の割合が50重量%未満の場合撥水撥油組成物の溶液安定
性が悪化し、単量体(C)が5重量%未満の場合繊維の
風合いが悪化する。
【0047】単量体(B)と単量体(C)とを組合せる
場合、単量体(B)の割合は50〜95重量%が好ましく、
60〜90重量%が更に好ましい。単量体(B)の割合が50
重量%未満の場合撥水撥油組成物の溶液安定性が悪化
し、単量体(C)が 5重量%未満の場合繊維の風合いが
悪化する。
【0048】また、単量体(A)と単量体(B)と単量
体(C)とを組合せる場合、単量体(A)の割合は、10
〜90重量%が好ましく、25〜86重量%が更に好ましい。
単量体(B)の割合は5 〜45重量%が好ましく、7 〜3
7.5重量%が更に好ましい。単量体(C)の割合は、5
〜45重量%が好ましく、7 〜37.5重量%が更に好まし
い。単量体(A)の割合が10重量%未満の場合撥水撥油
組成物の溶液安定性が悪化し、90重量%を越える場合繊
維の風合いが悪化する。単量体(B)の割合が5 重量%
未満の場合撥油性と防汚性が低下し、45重量%を越える
場合撥水性が低下する。単量体(C)の割合が5 重量%
未満の場合繊維の風合いが悪化し、45重量%を越える場
合溶液安定性が悪化する。
【0049】このように、単量体(A)、(B)及び
(C)の各組合せのうち、(A)、(B)単独や(A)
と(B)との組合せより、(C)を組合せる方が撥水
性、繊維の風合いなどの点から望ましい。
【0050】重合体セグメント(II)の分子量はポリス
チレン換算の数平均分子量で5000〜100000が好ましく,
更に10000 〜50000 が好ましい。この数平均分子量が50
00未満又は100000を越える場合、ブロック共重合体を製
造するときのブロック効率が低下し、溶液安定性も低下
する。
【0051】重合体セグメント(I)と重合体セグメン
ト(II)の重量比は、5/95〜80/20が好ましく、溶液安
定性を考慮すると、10/90 〜60/40 が更に好ましい。ブ
ロック共重合体の分子量はポリスチレン換算の数平均分
子量で10000 〜200000が好ましく、更に20000 〜100000
が好ましい。この数平均分子量が10000 未満の場合撥水
性、撥油性、防汚性などの性能を十分に発現できず、20
0000を越える場合ブロック共重合体のブロック効率が低
下するとともに、組成物の溶液安定性が低下し、撥水
性、撥油性、防汚性などの性能も低下する。
【0052】次に、低級アルコール成分は低沸点の溶剤
であり、炭素数1〜4の一価及び二価アルコールの一種
又は2種以上が使用される。この低級アルコールとして
は、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチル
アルコール、2−ブチルアルコール、2−メチル−1−
プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、エチレ
ングリコールなどが挙げられる。これらの低級アルコー
ルのうち、エチルアルコール、2−プロピルアルコール
が周囲の環境に与える影響が少ない点で好ましく、2−
プロピルアルコールが溶液安定性の点で最も優れてい
る。また、これらの低級アルコールを2種以上混合して
使用しても良い。
【0053】上記低級アルコールの他に、任意の溶剤を
取り扱いの容易な範囲で混合使用することができる。そ
のような溶剤として、例えば、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類;1−
ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、
シクロペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノ
ール、シクロヘキサノール、1−オクタノール等の高級
アルコール類;n-ヘプタン、n-オクタン、デカン、ドデ
カン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等の炭化水素類;テトラヒドロフラン等が挙げら
れる。
【0054】次に、ブロック共重合体は、塊状重合法、
溶液重合法、懸濁重合法、エマルジョン重合法等の重合
法により容易に製造される。例えば溶液重合法の場合、
ポリマーパーオキサイドを開始剤とする2段階重合法に
より、所望のブロック共重合体が得られる。
【0055】このポリマーパーオキサイドは、1分子中
に2個以上のパーオキサイド結合を有する化合物であ
り、従来公知のもののなかで分解温度が低温過ぎたり、
高温過ぎたり、製造上の困難を伴う化合物を除いて全て
使用できる。例えば、下記一般式化8から35で示され
るものが挙げられる。
【0056】
【化8】
【0057】
【化9】
【0058】
【化10】
【0059】
【化11】
【0060】
【化12】
【0061】
【化13】
【0062】
【化14】
【0063】
【化15】
【0064】
【化16】
【0065】
【化17】
【0066】
【化18】
【0067】
【化19】
【0068】
【化20】
【0069】
【化21】
【0070】
【化22】
【0071】
【化23】
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】
【化26】
【0075】
【化27】
【0076】
【化28】
【0077】
【化29】
【0078】
【化30】
【0079】
【化31】
【0080】
【化32】
【0081】
【化33】
【0082】
【化34】
【0083】
【化35】
【0084】以上のポリマーパーオキサイドは使用に際
し、1種又は2種以上が用いられる。これらのポリマー
パーオキサイドのうち溶液安定性を考慮すると、前記一
般式化13、化31及び化35で表されるポリマーパー
オキサイドが好ましい。
【0085】ブロック共重合で用いられるポリマーパー
オキサイドの量は、単量体100 重量部に対して通常 0.5
から20重量部、ブロック共重合体の片側セグメントを形
成するための重合温度は60〜130 ℃、重合時間は 2〜10
時間程度である。ブロック共重合体のもう一方のセグメ
ントを形成するための重合温度は60〜140 ℃、重合時間
は 3〜15時間程度である。
【0086】例として、溶液重合法の場合について説明
する。まず、前記化学式化31のポリマーパーオキサイ
ドを用いて、前述した単量体(A)〜(C)を単独重合
ないし共重合する。
【0087】重合の際、ポリマーパーオキサイドの活性
酸素量を約50%残存させたところで重合を停止させるこ
とにより、パーオキサイド結合を含有する重合体を得る
ことができる。更に、この重合体を開始剤として、オキ
シアルキレン基含有フッ素系単量体の1種又は2種以
上、更に必要に応じてその他の単量体を共重合すること
により、所定のブロック共重合体が得られる。
【0088】なお、前記ブロック共重合体を製造する手
順を逆にして、第一段重合でパーオキサイド結合を含有
するオキシアルキレン基含有フッ素系単量体を有する重
合体セグメント(I)を得、次いでこれと共重合可能な
重合体セグメント(II)をブロック化反応しても良い。
【0089】以上のように、撥水撥油剤組成物は、オキ
シアルキレン基含有フッ素系単量体を有する重合体セグ
メント(I) とアルコールに可溶な重合体セグメント
(II)からなり、外殻が重合体セグメント(II)で、内
殻が重合体セグメント(II)のミセルを形成する。この
ようなミセルを形成するのは、ミセル構造がエネルギー
的に安定であるためと考えられる。このため、ランダム
共重合体では低級アルコールに溶解し得なかった共重合
体を低級アルコールなどの溶剤に溶解させることが可能
となった。しかも、ハロゲン系溶剤ではなく、低級アル
コールを使用するので、オゾン層破壊等の環境に対する
影響を抑制できる。
【0090】次に、撥水撥油剤組成物は、繊維などの素
材表面に撥水撥油性を付与するのに好適に使用される
が、処理する素材に限定されない。従って、その対象と
なる被処理物としては、例えば綿、麻、羊毛、絹などの
天然繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ポリ
アミド、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリビニルアルコール等の合成繊維が挙
げられる。また、被処理物は繊維製品であれば、原綿、
糸、織物、編物等いずれの形態であっても良い。
【0091】撥水撥油剤組成物を用いた撥水撥油処理は
常法に従って行われる。例えば、該撥水撥油剤組成物を
アルコールに溶解又は分散した液を処理物に浸漬塗布、
スプレー塗布等の方法により付着させて乾燥する。必要
ならば適当な架橋剤を用い、架橋硬化反応を行っても良
い。処理濃度は、例えば浸漬塗布の場合0.01〜10重量%
とするが、0.1 から5 重量%がより好ましい。また、必
要に応じて他の防汚加工剤、撥水剤、撥油剤、抗菌剤、
帯電防止剤、難燃剤、防虫剤、風合調整剤、艶出し剤、
染料定着剤、消泡剤、香料等の各種処理剤や架橋剤を添
加することもできる。
【0092】以上のような実施形態により、次のような
効果が発揮される。 (1) ブロック共重合体はセグメント(I)中にフッ
素を含有していることから、そのフッ素の性質に基づき
撥水性、撥油性及び防汚性を発揮することができる。 (2) ブロック共重合体のセグメント(I)にアルキ
ル(メタ)アクリレートを導入することにより、撥水
性、撥油性及び溶液安定性を向上させることができる。 (3) ブロック共重合体のセグメント(I)に水酸基
含有(メタ)アクリレートを導入することにより、撥油
性と防汚性を向上させることができる。 (4) ブロック共重合体は、外殻が低級アルコールに
可溶な重合体セグメント(II)で、内殻が重合体セグメ
ント(I)のミセルを形成している。このため、ランダ
ム共重合体では低級アルコールに溶解し得なかった共重
合体を低級アルコールに容易に溶解させることができ
る。 (5) 溶剤として低級アルコールを使用していること
から、撥水撥油組成物を製造する場合や取り扱う場合に
おいて不快臭が少ない。 (6) 前記特定のブロック共重合体を用いることによ
り、その特性に基づいて繊維の風合いを良好にすること
ができる。しかも、重合体セグメント(II)が、さらに
ポリシロキサン含有単量体を含む単量体混合物より形成
されることにより、繊維の風合いをより向上させること
ができる。 (7) ブロック共重合体中に含有されるフッ素などの
性質により、汚れ脱離性能を向上させることができる。
さらに、ブロック共重合体に親水性基を導入することに
より、その親水性基により汚れを水中へ容易に離脱させ
ることができ、汚れ脱離性能が一層向上する。 (8) フロンや1,1,1-トリクロロエタン等のハロゲン
系溶剤を用いないことから、オゾン層破壊等の環境に対
する影響を抑制できる。
【0093】
【実施例】以下、性能試験を含む実施例及び比較例の結
果を挙げて、この発明を更に具体的に説明する。なお、
各実施例及び比較例における部数及び%は全て重量基準
である。 (実施例1) (1)パーオキサイド結合含有重合体の合成 温度計、撹拌器及び環流冷却器を備えた反応器に、イソ
プロピルアルコールを157.5g仕込み、窒素ガスを吹き込
みながら70℃に加熱した。それにメタクリル酸n−ブチ
ル70g 、及び前記化学式32で示されるパーオキサイド
5.83g からなる混合液を40分かけて仕込み、4時間重合
反応を行った。
【0094】次に、反応溶液をメタノールで再沈し、室
温で1日減圧乾燥を行った。分別して取り出した微粉末
は活性酸素量が0.092 %であり、パーオキサイド結合を
有することが示された。このパーオキサイド結合含有重
合体の活性酸素量は、上記パーオキサイドの活性酸素量
の約50%であった。また、GPC で測定されたポリスチレ
ン換算の数平均分子量は34000 であった。 (2)ブロック共重合体の合成 前記(1)で得た微粉末7g、フッ化アクリレート(Rf=
8)3g、イソプロピルアルコール23.33gを混合溶解後、
窒素置換したアンプル中に仕込んだ。70℃で3 時間、更
に80℃で2 時間反応させてブロック共重合を合成した。
得られたポリマー溶液は白濁色をしていた。ガスクロマ
トグラフによる残存メタクリル酸n−ブチルの分析か
ら、重合転化率が99%以上、またGPC 分析から数平均分
子量が42000であることが明らかとなった。そして、ブ
ロック共重合体の組成を表1に示した。
【0095】
【表1】
【0096】なお、表1中の略号は次のとおりである。 (イ) CH2 =CHCOO(C2 4 O)3 2 4
8 17 (ロ) CH2 =CHCOO(C4 8 O)n 2 4
8 17 (ハ) ステアリルアクリレート (ニ) n-ブチルメタクリレート (ホ) tert- ブチルメタクリレート (ヘ) 2-ヒドロキシメタクリレート (ト) ポリエチレングリコールモノメタクリレート (チ) メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート (リ) FM0725 〔チッソ(株)製の商品名〕 (ヌ) CH2 =CHCOOC2 4 8 17 (3)重合体溶液の調製と評価方法 次いで、重合系中に重合体溶液が固形分3 %になるよう
にイソプロピルアルコール(IPA) で希釈した後、以下に
示す方法で評価を行った。この結果を表2及び表3に示
す。
【0097】(1) 溶液安定性 溶液安定性は、希釈後1カ月放置後の溶液安定性を目視
で行い、次に示す基準で判定した。
【0098】○…溶液安定性良好、△…少量の沈殿を生
ずる、×…多量の沈殿物を生ずる (2) 撥水性 撥水性は、JIS L-1092のスプレー法に基づき、次に示す
撥水性ナンバーをもって評価した。
【0099】100 …表面に付着湿潤のないもの、90…表
面にわずかに付着湿潤のないもの、80 …表面に部分的
湿潤を示すもの、 70 …表面に湿潤を示すもの、 50 …
表面全体に湿潤を示すもの、0 …表裏両面が完全に湿潤
を示すもの (3) においの評価 においの評価は、2つの官能試験室に噴霧した2種(そ
のうち1種はn-ヘキサン配合基準品)の臭いを10人の専
門パネラーの官能評価により次に示した基準で判定し
た。
【0100】噴霧結果は10人の専門パネラーの評価点の
平均点をもって示す。 5 …基準に比して刺激臭が少ない、4 …基準に比して刺
激臭若干認める、3 …基準と同じくらいの刺激臭有り、
2 …基準に比して刺激臭若干強い、1 …基準に比して刺
激臭強い (4) 繊維の風合い 繊維の風合いの評価は、次の評価点の平均をもって示
す。
【0101】5 …元の布と同様、3 …ややごわつき感が
ある、1 …非常に硬い (5) 耐ドライソイル性試験(DSR ) けいそう土56%、エロジール15%、酸化第2鉄1%、セ
メント15%、カーボンブラツク3 %及び n−オクタン10
%の重量組成を有する人工ドライソイルと、上記処理ツ
イル布とを2:1の重量比で混合撹拌し、汚染させる。
その後、電気掃除機で余分の汚れを除去し、汚染度及び
汚染ランクを測定した。
【0102】(6) 耐油汚れ性試験(0SR ) 上記処理ツイル布にB重油2gを滴下し、これをポリエチ
レンシート間に挟んで8.5Kg の鉄板による荷重をかけ、
この状態で80℃の雰囲気中に1時間放置した。その後、
洗剤(日産石鹸社製の商品名「ラブ」)の0.1 %水溶液
を用い、40℃て15分間洗濯し、80℃で15分問乾燥した。
この洗濯布について、汚染度及び汚染ランクを測定し
た。
【0103】(7) 耐生活汚れ性試験(LSR ) 耐油汚れ性試験で用いられたB重油の代りに、醤油、ケ
チヤップ、ソース、マヨネーズ及びコーヒー各0.5gの混
合物を用いた。なお、汚染度及び汚染ランクは、次のよ
うにして測定した。 汚染度=(Ro−Rp)×100/(Ro) Ro:未汚染布の反射率 Rp:汚染布の反射率(反射率=東洋精機社製のデジタル
フォトホルト反応率計による) 汚染ランクの評価 5 …しみ残りなし、4 …しみ残り殆んどなし、3 …しみ
残りわずかにあり、2…しみが相当残つている、1 …し
みが著しく残つている
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】(実施例2〜7及び比較例1,2)実施例
1にならって、モノマーを表1のように変えて同様な評
価を行った。ブロック共重合体の組成を表1に、物性の
評価を表2及び表3に示した。 (比較例3)実施例1の装置に、イソプロピルアルコー
ルを232.33g仕込み、窒素ガスを吹き込みながら70℃に
加熱し、それぞれ パーブチルPV(日本油脂(株)製の商品名) 1g メタクリル酸n−ブチル 70g フッ化アクリレート(Rf の炭素数は8) 30g からなる混合液を40分かけて滴下し、撹拌しながら10時
間重合反応させてランダム共重合体を合成した。得られ
た重合溶液は実施例1と同様に調製し、評価を行った。
この結果を表2及び表3に示した。 (比較例4)比較例3の溶剤をIPA からトルエンに変え
る他は比較例3と同様に調製し、評価を行った。
【0107】表2及び表3に示したように、実施例1〜
7の防汚性撥水撥油組成物は、いずれも溶液安定性、撥
水性、臭気、風合い、耐ドライソル性(DSR)、耐油
汚れ性(OSR)及び耐生活汚れ性(LSR)のいずれ
にも優れている。なお、撥油性については、DSR、O
SR及びLSRの値から、優れていることが明らかであ
る。
【0108】これに対し、フッ素系単量体として前記一
般式(1)以外の単量体を使用した場合(比較例1)、
耐ドライソル性(DSR)、耐油汚れ性(OSR)及び
耐生活汚れ性(LSR)の性能が低下する。
【0109】溶剤としてトルエンを用いた場合(比較例
2)、臭気が低下する。ランダム共重合体を使用した場
合(比較例3)、溶液安定性と撥水性が低下するととも
に、DSR、OSR及びLSRの性能が低下する。
【0110】さらに、比較例3の場合に溶剤としてトル
エンを用いた場合(比較例4)、臭気及び撥水性が低下
する。なお、前記実施形態より把握される技術的思想に
ついて、以下に記載する。 (1) 前記一般式(1)中のnは2〜10である請求
項1に記載の防汚性撥水撥油組成物。
【0111】このように構成すれば、組成物は撥水性、
撥油性及び防汚性を発揮できるとともに、組成物のゲル
化を防止することができる。 (2) 前記一般式(1)以外のフッ素含有重合性単量
体を50重量%以下の量で含有する請求項1に記載の防
汚性撥水撥油組成物。
【0112】この構成によれば、防汚性撥水撥油組成物
の性能を維持しつつ、製造コストを低減させることがで
きる。 (3) 前記ポリシロキサン基の数平均分子量が300
〜50000である請求項2に記載の防汚性撥水撥油組
成物。
【0113】このように構成した場合、重合転化率を保
持しつつ、撥水性などの性能を発揮させることができ
る。 (4) 前記炭素数1〜4の一価又は二価アルコール
は、エチルアルコール又は2−プロピルアルコールであ
る請求項1に記載の防汚性撥水撥油組成物。
【0114】このようにすれば、周囲の環境に与える影
響を少なくできるとともに、溶液安定性を保持すること
ができる。 (5) 前記ブロック共重合体は、ポリマーパーオキサ
イドを重合開始剤とする2段階の重合法により得られる
ものである請求項1に記載の防汚性撥水撥油組成物。
【0115】このように構成すれば、所望とするブロッ
ク共重合体を効率良く得ることができる。
【0116】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は次のよ
うな優れた効果を奏する。第1の発明の防汚性撥水撥油
組成物によれば、刺激臭の少ない低級アルコール溶媒に
可溶で、処理時の不快臭が少なく、繊維の風合いを良好
にでき、かつ汚れ離脱性能を向上させることができる。
しかも、優れた撥水性、撥油性及び防汚性を発揮するこ
とができる。
【0117】第2の発明の防汚性撥水撥油組成物によれ
ば、第1の発明の効果に加え、繊維に対する風合いを向
上させることができる。第3の発明の防汚性撥水撥油組
成物によれば、撥水性、撥油性及び溶液安定性をより向
上させることができる。
【0118】第4の発明の防汚性撥水撥油組成物によれ
ば、撥油性及び防汚性をより向上させることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロック共重合体と炭素数1〜4の一価
    又は二価アルコールとよりなり、 前記ブロック共重合体が、下記一般式(1)で表される
    フッ素含有重合性単量体から形成される重合体セグメン
    ト(I)と、アルキル(メタ)アクリレート(A)及び
    水酸基含有(メタ)アクリレート(B)の少なくとも1
    種より形成される重合体セグメント(II)とから構成さ
    れる防汚性撥水撥油組成物。 CH2 =CR1 COO(R2 O)n f ・・・(1) 式中、Rf はフルオロアルキル基を含有する基、R1
    水素原子又はメチル基、R2 はアルキレン残基及びnは
    正の整数である。
  2. 【請求項2】 前記ブロック共重合体の重合体セグメン
    ト(II)が、さらにポリシロキサン基含有単量体(C)
    を含む単量体混合物より形成されるものである請求項1
    に記載の防汚性撥水撥油組成物。
  3. 【請求項3】 前記ブロック共重合体の重合体セグメン
    ト(I)が、さらにアルキル(メタ)アクリレートを含
    有する単量体混合物より形成されるものである請求項1
    又は2に記載の防汚性撥水撥油組成物。
  4. 【請求項4】 前記ブロック共重合体の重合体セグメン
    ト(I)が、さらに水酸基含有(メタ)アクリレートを
    含有する単量体混合物より形成されるものである請求項
    1又は2に記載の防汚性撥水撥油組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249448A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Agc Seimi Chemical Co Ltd 潤滑オイルのバリア剤組成物、それを製造する方法およびその用途
CN102634980A (zh) * 2012-04-19 2012-08-15 常州大学 用于织物的含氟防水剂及其制备方法
JP2018095879A (ja) * 2016-12-15 2018-06-21 ダイキン工業株式会社 撥水剤

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