JPH09302067A - ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンの製造方法

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JPH09302067A
JPH09302067A JP8145023A JP14502396A JPH09302067A JP H09302067 A JPH09302067 A JP H09302067A JP 8145023 A JP8145023 A JP 8145023A JP 14502396 A JP14502396 A JP 14502396A JP H09302067 A JPH09302067 A JP H09302067A
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vibration
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 高分子ポリオール成分、ポリイソシアネ
ート成分および鎖伸長剤成分を反応させてポリウレタン
を製造するに際し、鎖伸長剤成分としてジメチルシクロ
オクタンジメタノールを使用することを特徴とするポリ
ウレタンの製造方法。 【効果】 常温付近において損失係数の値が大きく、か
つ広い温度範囲にわたって大きい損失係数の値を保持す
る、制振性能に優れたポリウレタンを製造することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温付近の広い温
度範囲において優れた制振特性を示すポリウレタンの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車工業や電気産業などの発展
に伴って、振動や騒音に対する環境改善の要求が高まっ
ており、そのなかでも振動吸収対策や騒音低減対策など
が重視されてきている。この様な振動吸収対策や騒音低
減対策の一環として、各種の制振性能(振動吸収性能、
騒音防止性能など)を有するゴムやエラストマーなどの
材料が開発されている。一般にゴムやエラストマーなど
の材料の制振性能の評価は、材料の粘弾性率を測定する
ことによって得られる損失係数(tanδ)の値を用い
て広く行われており、常温付近において損失係数の値が
大きく、しかも広い温度範囲にわたって損失係数の値が
大きい材料は、広範囲の使用環境において優れた制振性
能を発揮し得ることから、適応範囲の広い制振材料とし
て期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリウレタンエラスト
マーを用いた、制振性能に優れた材料として、1,4−
シクロヘキサンジメタノールを鎖伸長剤成分として用い
たポリウレタン(特開平7−292061号公報参照)
からなる制振材などが知られている。これらの従来のポ
リウレタンエラストマーのいくつかは、常温において大
きな損失係数の値を示すものである。
【0004】本発明は広範囲の使用環境において優れた
制振性能を発揮し得る材料を提供することを目的として
なされたものであって、常温付近において損失係数の値
が大きく、しかも広い温度範囲にわたって大きな損失係
数の値を保持する、制振性能に優れたポリウレタンを新
たに提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決することを目的として鋭意検討した結果、本発明
を完成させるに至った。すなわち、本発明は、高分子ポ
リオール成分、ポリイソシアネート成分および鎖伸長剤
成分を反応させてポリウレタンを製造するに際し、鎖伸
長剤成分としてジメチルシクロオクタンジメタノールを
使用することを特徴とするポリウレタンの製造方法であ
る。
【0006】本発明によれば、常温付近において損失係
数の値が大きく、かつ広い温度範囲にわたって大きな損
失係数の値を保持する、制振性能に優れたポリウレタン
を製造することができる。本発明によって得られるポリ
ウレタンは、各種の広範囲な用途において極めて有用で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では鎖伸長剤成分としてジ
メチルシクロオクタンジメタノールが使用されるが、得
られるポリウレタンの制振性能の観点からは、鎖伸長剤
成分のうち20モル%以上がジメチルシクロオクタンジ
メタノールであることが好ましい。鎖伸長剤成分におけ
るジメチルシクロオクタンジメタノールの含有量は30
モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上
であることがさらに好ましい。なお、鎖伸長剤成分にお
けるジメチルシクロオクタンジメタノールの含有量が多
くなるに伴い、得られるポリウレタンの制振性能が向上
する傾向にある。
【0008】ジメチルシクロオクタンジメタノールとし
ては、1,5−ジメチル−2,6−シクロオクタンジメ
タノールと1,6−ジメチル−2,5−シクロオクタン
ジメタノールのいずれを使用してもよく、また両者を混
合して使用してもよい。
【0009】ジメチルシクロオクタンジメタノールは、
例えば、イソプレンの環状二量化により容易に得られる
ジメチルシクロオクタジエンをヒドロホルミル化してジ
メチルシクロオクタンジカルボアルデヒドに誘導し、次
いで得られたジメチルシクロオクタンジカルボアルデヒ
ドを水素添加などの公知の方法に従って還元することに
より工業的に製造することができる。
【0010】本発明において用いられる鎖伸長剤成分
は、ジメチルシクロオクタンジメタノールのほかに活性
水素原子を2個以上有する化合物を含有することができ
る。かかる活性水素原子を2個以上有する化合物として
は、ポリウレタンの製造において従来から鎖伸長剤成分
として用いられている公知の低分子化合物であって、イ
ソシアネート基と反応する活性水素原子を2個以上有す
る低分子化合物が好適に用いられ、例えば、エチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,
8−オクタンジオール、2,7−ジメチル−1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル
−1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル−1,9
−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2
−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオ
ール類;シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカ
ンジメタノール等の脂環族ジオール類;1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香環含有ジ
オール類などを挙げることができる。これらの中でも、
2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2
−メチル−1,8−オクタンジオール、2,7−ジメチ
ル−1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,9−
ノナンジオール、2,8−ジメチル−1,9−ノナンジ
オール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ルなどの分岐を有する脂肪族ジオール;1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、1,4(または5)−シクロオ
クタンジメタノール、3(または4),8(または9)
−ジヒドロキシメチルトリシクロ(5.2.1.0
2,6 )デカンなどの脂環族ジオールは、得られるポリウ
レタンの制振性能を低下させないので、特に好ましい。
これらの低分子化合物は単独で使用してもよいし、2種
類以上を混合して使用してもよい。
【0011】本発明で使用される高分子ポリオール成分
としては、特に制限はなく、例えば、ポリエステルポリ
オール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、
ポリエステルポリエーテルポリオール、ブタジエン系お
よび/またはイソプレン系両末端ジオールまたはその水
素添加物など、ポリウレタンの製造に際して従来より一
般的に使用されている高分子ポリオールのいずれもが使
用できる。
【0012】上記の高分子ポリオール成分は、数平均分
子量が500〜10000の範囲内にあることが好まし
く、1500〜6000の範囲内にあることがより好ま
しい。高分子ポリオール成分は単独で使用してもよい
し、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0013】また、制振性能を低下させない範囲内であ
れば、3官能以上のポリオール成分を少量併用しても差
支えない。
【0014】本発明で使用されるポリイソシアネート成
分としては特に制限はなく、ポリウレタンの製造に従来
から使用されているポリイソシアネート成分のいずれを
使用してもよく、例えば、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニ
レンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシア
ネート、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
トルイレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネー
ト;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート等の
脂肪族または脂環式ジイソシアネートなどを挙げること
ができる。これらのポリイソシアネート成分は単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、制
振性能を低下させない範囲内であれば、3官能性以上の
ポリイソシアネートを使用することもできる。
【0015】高分子ポリオール成分、ポリイソシアネー
ト成分および鎖伸長剤成分を反応させてポリウレタンを
製造するに当り、各成分の混合比率は、目的とするポリ
ウレタンに付与すべき硬度などを考慮して適宜決定され
るが、高分子ポリオール成分および鎖伸長剤成分が有し
ている活性水素原子の全量を基準として、該活性水素原
子1モル当りのイソシアネート基が0.9〜1.3モル
となるような割合でポリイソシアネート成分を使用する
ことが好ましく、該活性水素原子1モル当りのイソシア
ネート基が0.95〜1.1モルとなるような割合でポ
リイソシアネート成分を使用することがより好ましい。
【0016】本発明により得られるポリウレタンは、ポ
リウレタン濃度が0.5g/dlのN,N−ジメチルホ
ルムアミド(以下、これをDMFと略称する)溶液とし
て、30℃で測定した時の対数粘度が、0.4〜2dl
/gの範囲内にあることが望ましい。
【0017】また、本発明では、ポリウレタンの製造に
おいて、通常使用されている触媒、反応促進剤、発泡
剤、内部離型剤、充填剤、補強剤、染顔剤、着色剤、難
燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐加水分解性向上
剤、防カビ剤、安定剤などの各種添加剤;ガラス繊維、
ポリエステル繊維などの各種繊維;タルク、シリカなど
の無機物;各種カップリング剤などの任意の成分を必要
に応じて使用することができる。
【0018】本発明において高分子ポリオール成分、ポ
リイソシアネート成分および鎖伸長剤成分を反応させて
ポリウレタンを製造する方法としては、溶融重合や溶液
重合などの公知のウレタン化反応技術のいずれもが使用
でき、プレポリマー法およびワンショット法のいずれで
あってもよい。
【0019】本発明のポリウレタンの製造法の具体例を
示すと、高分子ポリオール成分と鎖伸長剤成分とを混
合して40〜100℃に加熱し、得られた混合物に、該
混合物における活性水素原子とイソシアネート基のモル
比が1:1〜1:1.5となる量のポリイソシアネート
成分を添加して短時間攪拌した後に、例えば50〜16
0℃に加熱してポリウレタンを製造する方法、高分子
ポリオール成分、鎖伸長剤成分とポリイソシアネート成
分の混合物を例えば180〜260℃の高温で混練して
ポリウレタンを製造する方法、多軸スクリュー型押出
機等の押出機に高分子ポリオール成分、鎖伸長剤成分お
よびポリイソシアネート成分等を連続的に供給し、例え
ば180〜260℃の高温で連続溶融重合してポリウレ
タンを製造する方法、高分子ポリオール成分、鎖伸長
剤成分とポリイソシアネート成分によるポリウレタン形
成反応を有機溶媒中で行う方法などである。
【0020】これらのなかでも上記の方法によりポリ
ウレタンの製造を行う際に、高分子ポリオール成分、鎖
伸長剤成分およびポリイソシアネート成分の濃度を制御
すると、高分子量のポリウレタンを容易に製造すること
ができる。この際、高分子ポリオール成分、鎖伸長剤成
分およびポリイソシアネート成分の濃度は、10〜40
重量%の範囲とすることが好ましい。有機溶媒としては
DMF、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル、イソプロパノール、エチルセルソルブ
等を使用することができる。これらの溶剤は単独で使用
してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0021】本発明により得られるポリウレタンは、常
温付近の広い温度範囲において優れた制振性能を発揮す
るので、制振性能を必要とする機械部品、自動車部品、
住宅関連部品、電気機器材料、包装材料、シート、フィ
ルム、ロール、ソリッドタイヤ、ベルト、チューブ、パ
ッキング材、靴底、スポーツ靴、スポーツ用品、弾性繊
維、人工皮革、繊維処理剤、接着剤、コーティング剤、
各種バインダー、塗料など広範囲な各種の用途に使用す
ることができる。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例および比較例において、ポリウ
レタンの対数粘度および制振性能の評価は下記の方法に
より行った。
【0023】◎ポリウレタンの対数粘度の測定 濃度が0.5g/dlであるポリウレタンのDMF溶液
を調製し、30℃において溶液粘度を測定し、この溶液
粘度に基づいて対数粘度を求めた。
【0024】◎ポリウレタンの制振性能の評価 厚さ1mmのポリウレタンフィルムより作成した試験片
について、動的粘弾性測定装置(RHEOVIBRO
N;(株)オリエンテック社製)を用い、周波数11H
z、昇温速度3℃/分で、貯蔵弾性率(E´)および損
失弾性率(E”)を測定し、損失係数(tanδ=E”
/E´)を算出して、温度に対する損失係数の値の変化
を示すグラフを作成した。
【0025】損失係数の最大値(tanδのピーク値)
および損失係数が最大値となる温度(tanδのピーク
温度)、ならびに損失係数の値が0.5以上となる温度
を求めた。損失係数は振動減衰性の尺度として用いら
れ、この値が大きいほど制振性能(振動吸収能、騒音防
止性能など)が優れている。また、損失係数のピーク温
度が常温近傍にあるポリウレタンは、常温付近の温度に
おいて優れた制振性能を示す。さらに、損失係数が0.
5以上となる温度の範囲が広いポリウレタンほど、広い
温度範囲にわたって優れた制振性能を発揮することがで
きる。
【0026】なお、実施例および比較例において使用し
た化合物はそれぞれ次の略号により表記する。 DMCODM:ジメチルシクロオクタンジメタノール CHDM :1,4−シクロヘキサンジメタノール
(シス、トランス混合物、シス/トランス=30/7
0) BD :1,4−ブタンジオール MDI :4,4´−ジフェニルメタンジイソシア
ネート PMPA :3−メチル−1,5−ペンタンジオール
とアジピン酸から得られた数平均分子量2000のポリ
エステルポリオール(商品名:クラレポリオールP−2
010、(株)クラレ製) PBA :1,4−ブタンジオールとアジピン酸か
ら得られた数平均分子量2000のポリエステルポリオ
ール(商品名:クラレポリオールA−2010、(株)
クラレ製)
【0027】参考例1(ジメチルシクロオクタンジカル
ボアルデヒドの製造) 温度計、電磁攪拌装置およびガス導入口を備えた内容量
300mlのステンレス製オートクレーブに、ロジウム
ジカルボニルアセチルアセトナート124mg(0.4
8ミリモル)およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト1.03g(1.6ミリモル)を
予めトルエン112mlに溶解して得られた触媒液と
1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエンと1,
6−ジメチル−1,5−シクロオクタジエンの混合物
[1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン/
1,6−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン=8/
2(モル比)]48ml(42g)とを水素/一酸化炭
素混合ガス(モル比=1/1)雰囲気下に仕込んだ。次
いで、水素/一酸化炭素混合ガス(モル比=1/1)を
オートクレーブに導入し、内圧が90絶対気圧となるよ
うに調節し、攪拌下に内温を60℃まで昇温した。内温
を60℃に維持して、内圧が90絶対気圧に保持される
ように水素/一酸化炭素混合ガス(モル比=1/1)を
連続的に供給しながら34時間反応を行った。反応終了
後、室温まで冷却してから反応混合物を取出し、ガスク
ロマトグラフィーにて分析したところ、未反応の原料が
5.5%およびジアルデヒド体が55%含まれているこ
とが分かった。
【0028】薄膜蒸留装置を用いて上記で得られた反応
混合物から触媒を除去した後、残渣を蒸留精製してジア
ルデヒド体に対応する留分を30g得た。元素分析、質
量分析、IRスペクトル、NMRスペクトルから、得ら
れた留分はジメチルシクロオクタジエンがヒドロホルミ
ル化されたジメチルシクロオクタンジカルボアルデヒド
(C12202 )であることを確認した。
【0029】参考例2(DMCODMの製造) 水素ガス導入口、水素ガス排出口、温度計および電磁攪
拌装置を備えた内容積100mlのステンレス製オート
クレーブに、参考例1で得られたジメチルシクロオクタ
ンジカルボアルデヒド15g(76.5ミリモル)、イ
ソプロパノール30mlおよびラネーニッケル(テグサ
ジャパン社製、B−111W(商品名)、水分含有率約
50重量%)0.3gを仕込み、系内を水素ガスで十分
置換した。次いで、水素ガスをオートクレーブに導入し
て内圧を10絶対気圧とし、オフガス流量が1〜5リッ
トル/hrとなるように調節して、攪拌下に内温を10
0℃まで昇温した。内温を100℃に維持し、内圧が1
0絶対気圧に保持されるように水素ガスを連続的に供給
しながら2時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷
却した後、反応混合物を取り出し、ラネーニッケルを濾
別した。得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、未反応原料(ジメチルシクロオクタンジカ
ルボアルデヒド)は検出されなかった。
【0030】上記で得られた濾液を0.5mmHg以下
の減圧下で蒸留精製して、沸点130−137℃の留分
を13.8g得た。このものの特性値を以下に示す。 1)元素分析 C12242 計算値 C:72.0%、H:12.0% 実測値 C:71.8%、H:11.9% 2)質量分析(FD−Mass) [M+ ]=200 3)赤外分光分析(ν:cm-1) 3350、2975、2940、2880、1465、
1385、1060 4) 1H−NMR(CDCl3 、500MHz、TM
S:δ(ppm)) 0.95(m,6H)、1.15−2.05(m,12
H)、3.25−3.8(m,6H)
【0031】以上の結果から得られた留分は原料である
ジメチルシクロオクタンジカルボアルデヒドが水素化さ
れたジメチルシクロオクタンジメタノール(C1224
2 )であることを確認した。収率は90%であった。か
くして得られたジメチルシクロオクタンジメタノール
(DMCODM)を以下の実施例および比較例において
使用した。
【0032】実施例1 反応容器に、PMPA(数平均分子量2000)0.0
5モル(100g)、MDI0.2モル(50g)、D
MCODM0.15モル(30g)およびDMF530
gを仕込み、80℃で6時間反応させ、ポリウレタンの
DMF溶液(不揮発分25%)を得た。ポリウレタンの
対数粘度を表1に示す。
【0033】上記で得られたポリウレタンのDMF溶液
をガラス板上に流延し、60〜70℃で乾燥してポリウ
レタンの乾式フィルムを得た。得られたポリウレタンの
乾式フィルムを細かく裁断した後に、80℃にて24時
間除湿乾燥し、次いで220℃で熱プレスにより、厚さ
1mmのフィルムを作成し、前記の方法に従って制振性
能の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0034】実施例2、3および比較例1、2 表1に示す高分子ポリオール成分、ポリイソシアネート
成分および鎖伸長剤成分を用いたこと以外は実施例1と
同様の操作により、それぞれポリウレタンの乾式フィル
ムを得た。得られたポリウレタンの乾式フィルムから実
施例1と同様にして厚さ1mmのフィルムを作成し、制
振性能の評価を行った。ポリウレタンの対数粘度および
制振性能の評価結果を表1に併せて示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から、本発明のポリウレタンは、損失
係数の最大値が大きく、制振性能が優れており、そして
損失係数が最大値となる温度が常温近傍にあることか
ら、常温付近において使用する場合に優れた制振性能を
示すことが分かる。しかも損失係数が0.5以上となる
温度の範囲が広く、広い温度範囲にわたって優れた制振
性能を発揮し得る。
【0037】一方、鎖伸長剤成分がジメチルシクロオク
タンジメタノールを含有しないポリウレタンでは、損失
係数が最大値となる温度が低い上に、損失係数の最大値
も小さく、損失係数が0.5以上となる温度の範囲も狭
いことから、常温付近の広い温度範囲にわたって優れた
制振性能を発揮することはできない。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、常温付近において損失
係数の値が大きく、かつ広い温度範囲にわたって大きい
損失係数の値を保持する、制振性能に優れたポリウレタ
ンを製造することができる。本発明によって得られるポ
リウレタンは、各種の広範囲な用途において極めて有用
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子ポリオール成分、ポリイソシアネ
    ート成分および鎖伸長剤成分を反応させてポリウレタン
    を製造するに際し、鎖伸長剤成分としてジメチルシクロ
    オクタンジメタノールを使用することを特徴とするポリ
    ウレタンの製造方法。
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